(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】外科用ロボットシステムのためのカニューレ取り付けデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20220719BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20220719BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2020506993
(86)(22)【出願日】2018-08-21
(86)【国際出願番号】 US2018047388
(87)【国際公開番号】W WO2019040531
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-02-07
(32)【優先日】2017-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516133124
【氏名又は名称】バーブ サージカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Verb Surgical Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェイブ チャールズ ジェイ.
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-513552(JP,A)
【文献】特開2012-254360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242861(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 34/30 - A61B 34/37
A61B 90/50
A61B 90/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレをロボット外科用システムに取り付けるための装置であって、
支持体と、
開放位置と閉鎖位置との間で枢動するように構成されている第1のクランプ構成要素と、
前記第1のクランプ構成要素から離間された第2のクランプ構成要素であって、前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素は、前記カニューレの一部分を受容するように構成された領域を画定し、前記第1のクランプ構成要素が前記閉鎖位置にあるとき、前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素は、前記カニューレの前記一部分を前記領域内に保持するように構成されている、第2のクランプ構成要素と、
前記支持体に枢動可能に連結され、かつ前記第1のクランプ構成要素に摺動可能に連結された係止構成要素であって、前記支持体で枢動し、前記係止構成要素の一部を係止解除位置から係止位置まで前記第1のクランプ構成要素に沿って摺動させるように構成されている、係止構成要素と、
前記カニューレの前記一部分上に配設された対応する構造と嵌合するように構成された、前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素のうちの少なくとも1つの上に配設された位置付け構造と、を備える、装置。
【請求項2】
前記カニューレの前記一部分が前記領域内に受容されたとき、前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素を前記カニューレから分離するように構成された無菌バリアを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記係止位置は、前記係止構成要素が前記係止解除位置にあるときから前記係止構成要素の前記一部がデッドセンタ位置の反対側に位置するオーバーセンタ位置にある、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記係止構成要素は、前記係止構成要素が
前記オーバーセンタ位置にあるとき、前記第1のクランプ構成要素を前記閉鎖位置に係止するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のクランプ構成要素は、内部に形成されたスロットを有し、前記スロットは、前記第1のクランプ構成要素の部分的長さに沿って延在する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記係止構成要素は、第1の端部及び第2の端部を含み、前記係止構成要素の前記一部を含む前記第1の端部は、前記第1のクランプ構成要素内に形成された前記スロットの長さに沿って移動可能であり、前記第2の端部は、前記係止構成要素を前記係止解除位置と
前記オーバーセンタ位置との間で枢動させるために移動されるように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記係止構成要素が、前記係止解除位置から
前記オーバーセンタ位置に枢動するとき、前記係止構成要素の前記一部は、前記スロットに沿って第1の方向に移動し、
前記係止構成要素が、
前記オーバーセンタ位置から前記係止解除位置に枢動するとき、前記係止構成要素の前記一部は、前記スロットに沿って、前記第1の方向とは反対の第2の方向に移動する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記位置付け構造は、前記カニューレの前記一部分を、前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素に対して所定の配向で、前記第1のクランプ構成要素と前記第2のクランプ構成要素との間の前記領域に誘導するように構成された、少なくとも1つのテーパ状表面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のクランプ構成要素が前記閉鎖位置にあるとき、前記位置付け構造は、前記カニューレの前記一部分上に配設された前記構造に掛かって、前記カニューレの前記一部分を前記第1のクランプ構成要素及び前記第2のクランプ構成要素によって画定された前記領域内に保持するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記位置付け構造は、三角形の突出部を形成する2つのテーパ状表面を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記位置付け構造は、角錐台である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のクランプ構成要素を前記閉鎖位置に付勢するように構成されたばねを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記支持体は、前記第2のクランプ構成要素に更に連結されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照及び関連出願)
本出願は、2017年8月21日に出願された、米国仮特許出願第62/548,292号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、ロボット外科用システムに関し、より具体的には、ロボット外科用システムの1つ以上の非無菌構成要素に無菌構成要素を取り付けるための新たなかつ有用な取り付けデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡外科手術のような最小侵襲外科手術(Minimally-Invasive Surgery、MIS)は、外科的処置中の組織損傷を低減することを目的とする技術を含む。例えば、腹腔鏡処置は、典型的には、(例えば、腹部において)患者における多数の小さな切開部を生じさせること、かつ切開部を通して、患者に1つ以上の器具及び少なくとも1つのカメラを導入することを含む。外科的処置は、次に、カメラにより提供される視覚化補助を伴い、導入された器具を使用することにより実施される。一般的に、MISは、患者の瘢痕化を減少させる、患者の痛みを軽減する、患者の回復期間を短縮する、及び患者の回復と関連付けられた薬物療法のコストを低減するなどの、複数の利点を提供する。
【0004】
MISは、非ロボットシステム又はロボットシステムで実行されてもよい。操作者からのコマンドに基づいてツールを操作するためのロボットアームを含み得る従来のロボットシステムは、外科医に対する要求を低減しながら、MISの多くの利益を提供することができる。このようなロボットシステムの制御は、ユーザからの操作又はコマンドをロボットシステムの制御に変換する1つ以上のユーザインターフェースデバイスを介して、ユーザ(例えば、外科医又は他の操作者)からの制御入力を必要とする場合がある。例えば、ユーザーコマンドに応答して、1つ以上のモータを有するツールドライバは、外科用ツールが患者の手術部位に位置付けられたときに、外科用ツールの1つ以上の自由度を作動させることができる。
【0005】
ロボットMISの間、外科医又は他の操作者は、手術部位で処置を行うために、多数の異なる外科用器具を使用し得る。多くの場合、外科医は、患者の体内の部位を標的にするためにトロカール又はカニューレの使用に依存し得る。カニューレは、チャネル又は開口部を提供し、それを通して付加的な外科用器具が、外科医によって導入及び除去され得る。例えば、カニューレは、患者の体腔内に位置決めすることができ、外科用器具は、カニューレに挿入され、かつカニューレを介して体腔に誘導され得る。ロボットシステムでは、カニューレは、カニューレを移動させるために外科医によって遠隔制御され得る、1つ以上のロボットアームに装着されてもよい。カニューレ装着部は、カニューレをロボットアームに取り付けて、患者内のカニューレの適切な制御及び配置を確実とするために使用され得る。しかしながら、多くの従来のカニューレ装着部は、サイズが小さく、どのくらいの負荷を運ぶことができるかということにおいて制限がある。これらのカニューレ装着部は、複合掛け止めシステムを使用して、カニューレをロボットアームに対して適所に固設することができるが、使用が困難であり得、かつカニューレの寸法の変化に敏感であり得る。従来の外科的処置と同様に、ロボットMIS中、手術野内の無菌環境を維持することがまた重要である。改善のためのこれらの領域を考慮すると、ロボット外科用システムにおいて、新たな、かつ改善されたカニューレ装着部及び取り付け方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
概して、いくつかの変形例では、ロボット外科用システムは、カニューレを外科用システムに取り付けるための装置を含み得る。装置は、互いに離間した第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素を有してもよい。第1のクランプ構成要素は、開放位置と閉鎖位置との間で枢動するように構成され得る。第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素は、カニューレの一部分を受容するための領域を画定し得る。第1のクランプ構成要素が閉鎖位置にあるとき、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素は、カニューレの一部分を、第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間の領域内に保持することができる。装置は、第1のクランプ構成要素に連結され、開放位置と閉鎖位置との間で第1のクレーム構成要素を枢動させるように構成された係止構成要素を更に有してもよい。付加的に又は代替的に、係止構成要素は、第2のクランプ構成要素に連結されてもよい。
【0007】
いくつかの変形例では、係止構成要素は、係止解除位置と係止位置との間で枢動可能であってもよい。係止位置は、例えば、係止されたオーバーセンタ位置であってもよい。係止構成要素が係止解除位置にあるとき、第1のクランプ構成要素は、開放位置にあってもよく、係止構成要素が係止位置にあるとき、第1のクランプ構成要素は、閉鎖位置にあってもよい。係止構成要素は、係止構成要素が係止位置にあるとき、第1のクランプ構成要素を閉鎖位置に係止するように構成されてもよい。例えば、係止構成要素が係止位置にあるとき、係止構成要素は、係止位置に向かって付勢され得る。いくつかの変形例では、ロボット外科用システム及び/又は取り付け装置は、第1のクランプ構成要素を閉鎖位置に付勢するように構成されたばねを含んでもよい。
【0008】
いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素は、第1のクランプ構成要素の部分的長さに沿って延在するスロットを有してもよい。係止構成要素の第1の端部は、第1のクランプ構成要素のスロットの長さに沿って配設され、かつそれに沿って移動可能であってもよく、係止構成要素の第2の端部は、係止構成要素を係止解除位置と係止されたオーバーセンタ位置との間で枢動させるように移動可能であってもよい。係止構成要素の第1の端部は、係止構成要素が係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に枢動するとき、スロットに沿って第1の方向に移動してもよく、係止構成要素の第1の端部は、係止構成要素が係止されたオーバーセンタ位置から係止解除位置に枢動するとき、スロットに沿って第1の方向とは反対の第2の方向に移動してもよい。
【0009】
いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素のうちの少なくとも1つは、カニューレの一部分上に配設された対応する構造と嵌合するように構成された位置付け構造を含み得る。位置付け構造は、カニューレの一部分を、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素に対して所定の配向で、第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素間との間の領域に誘導するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、位置付け構造は、第1のテーパ状表面及び第2のテーパ状表面を含み、この2つのテーパ状表面は、三角形の突出部を形成する。第1のクランプ構成要素が閉鎖位置にあるとき、三角形の突出部は、カニューレの一部分に掛かって、かつ第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素によって画定される領域内にカニューレの一部分を保持するように構成されてもよい。他の変形例では、位置付け構造は、略角錐台などの他の好適な形状であり得る。
【0010】
いくつかの変形例では、ロボット外科用システム及び/又は取り付け装置はまた、取り付け装置の第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素をカニューレから分離する無菌バリアを含んでもよい。無菌バリアは、カニューレを含む外科用システムの無菌構成要素から、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素などの外科用システムの非無菌構成要素を分離してもよい。
【0011】
いくつかの変形例では、方法は、カニューレのための取り付け装置の係止構成要素を係止解除位置に位置決めすることと、カニューレの一部分を第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間の領域に挿入することと、係止構成要素を係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に移動させることと、を含み得る。係止構成要素は、第1のクランプ構成要素に動作可能に連結され、かつ開放位置と閉鎖位置との間で第1のクランプ構成要素を枢動させるように構成されてもよく、したがって、係止構成要素を係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に移動させることは、第1のクランプ構成要素を閉鎖位置に枢動させることができ、そのため第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素は、カニューレの一部分を第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間の領域内に保持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ロボットアームに連結されたカニューレ及び外科用器具の例示的な変形例の概略図である。
【0013】
【
図2A】カニューレ取り付けデバイス又はカニューレ装着部の例示的な変形例の斜視図である。
【
図2B】異なる視点から示される、
図2Aに図示されるカニューレ取り付けデバイスの別の斜視図である。
【
図2C】異なる視点から示される、
図2Aに図示されるカニューレ取り付けデバイスの別の斜視図である。
【0014】
【
図3】カニューレ、無菌バリア、及び
図2に図示されるカニューレ取り付けデバイスを含むカニューレ取り付けシステムの例示的な変形例の分解図である。
【0015】
【
図4A】無菌バリアがカニューレ取り付けデバイスと係合された状態の、
図3に図示されるカニューレ取り付けシステムの斜視図である。
【
図4B】カニューレの一部分がカニューレ取り付けデバイス内に挿入された状態の、
図3に図示されるカニューレ取り付けシステムの斜視図である。
【0016】
【
図5A】3つの異なる構成における
図2Aのカニューレ取り付けデバイスを図示する。
【
図5B】3つの異なる構成における
図2Aのカニューレ取り付けデバイスを図示する。
【
図5C】3つの異なる構成における
図2Aのカニューレ取り付けデバイスを図示する。
【0017】
【
図6】
図2Aのカニューレ取り付けデバイスのオーバーセンタ配置を図示する。
【0018】
【
図7A】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。第1の構成におけるカニューレ取り付けデバイスを図示する。
【
図7B】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。第2の構成におけるカニューレ取り付けデバイスを図示する。
【0019】
【
図8】係止構成要素を移動させるための機構を含む、カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0020】
【
図9A】位置付け構造を有するカニューレ取り付けデバイスのクランプ構成要素の例示的な変形例の概略図である。
【
図9B】
図9Aに図示されるクランプ構成要素の側面図である。
【0021】
【
図10】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0022】
【
図11】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0023】
【
図12】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0024】
【
図13】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0025】
【
図14】カニューレ取り付けデバイスの別の例示的な変形例の概略図である。
【0026】
【
図15A】第1の構成における
図14に図示されるカニューレ取り付けデバイスの取り付け領域の拡大図である。
【
図15B】第2の構成における
図14に図示されるカニューレ取り付けデバイスの取り付け領域の拡大図である。
【0027】
【
図16】カニューレ取り付けデバイスを使用してロボット外科用システムにカニューレを取り付けるための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の種々の態様及び変形形態の例が本明細書で説明され、かつ添付図面において示される。以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定するのではなく、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にすることを意図するものである。
【0029】
概して、ロボット又はロボット支援外科用システム(例えば、最小侵襲外科的処置を可能にするための)は、最小侵襲手術中などに外科用器具を操作するための1つ以上のロボットアームを含んでもよい。例えば、
図1の例示的な概略図に示されるように、ロボット外科用システム100は、ロボットアーム110と、ロボットアーム110の遠位端に概して取り付けられる器具ドライバ又はアクチュエータ120と、を含むことができる。カニューレ130は、器具ドライバ120、又は器具ドライバ120に近接して配設されたロボットアーム110の一部分に連結されてもよい。カニューレ130は、内腔を有してもよく、それを通って、外科用器具150が受容され得る。更に、ロボットアーム110は、器具ドライバ120、カニューレ130、並びに/又は外科用器具150を患者の体に対して位置決め及び配向するように作動される、複数の連結部を含んでもよい。
【0030】
外科的処置での使用のために、ロボットアーム110は、患者が横になっている手術台(又は、患者の近くのカート、天井、側壁など)に装着されてもよい。患者への外科用器具の導入を可能にするためのポートを作成するために、トロカールアセンブリが、患者の切開部又は入口点(例えば、腹壁)を通して患者に少なくとも部分的に挿入されてもよい。トロカールアセンブリは、カニューレ130、栓塞子、及び/又は封止部を含んでもよい。いくつかの変形例では、トロカールアセンブリは、患者の皮膚を貫通するための鋭利な先端を有する針などの栓塞子を含むことができる。栓塞子は、患者に挿入されたときにカニューレ130の内腔内に配設され、次いでカニューレ130から取り外され得、そのため外科用器具が、カニューレ130の内腔を通して挿入され得る。一度患者の体内に位置決めされると、カニューレ130は、患者内の体腔又は他の部位にアクセスするためのチャネルを提供してもよい。外科用器具150などの外科用器具が器具ドライバ120に連結されるとき、外科用器具150は、カニューレ130内に配設され、カニューレ130の内腔を通って延在し得、そのため外科用器具150(例えば、器具シャフト)の一部分が、カニューレ130を通って患者内に入る。器具150は、器具シャフトの遠位端に配設されたエンドエフェクタを有してもよく、器具ドライバ120は、器具150の1つ以上の自由度を位置決め及び/又は作動させるように更に制御されて、特定の種類のエンドエフェクタに応じて、外科的処置(例えば、切断、把持など)中に様々なタスクを実行してもよい。付加的に、器具150は、ポートから引き抜かれ(カニューレ130から引き抜かれ)、かつ器具ドライバ120から分離されて、異なる機能を有するエンドエフェクタを有する別の器具など、別の器具と交換してもよい。
オーバーセンタ変形例
【0031】
いくつかの変形例では、カニューレ130は、カニューレ取り付けデバイス又はカニューレ装着部を使用して、器具ドライバ120又は外科用システムの別の構成要素に連結されてもよい。取り付けデバイスは、カニューレ130を外科用システムに取り付けるための信頼性の高い迅速な方法を提供し得る。いくつかの変形例では、取り付けデバイスは、カニューレの一部分(例えば、カニューレの近位部分内に位置付けられるカニューレの取り付け部分)を受容するための領域を画定することができる第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素(例えば、アーム、プレート、レバー、部材)を含んでもよい。クランプ構成要素の少なくとも1つは、カニューレがクランプ構成要素間の領域に挿入され得る開放位置と、カニューレが第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素によって少なくとも部分的に適所に保持されるような閉鎖位置との間で枢動可能であり得る。
【0032】
例えば、
図2A~
図2Cに示されるように、取り付けデバイスは、開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能なクランプ構成要素230を枢動させるように構成されたレバー又は他の好適な係止構成要素240などの、オーバーセンタ機構を含んでもよい。オーバーセンタ機構は、例えば、カニューレの一部分の周囲でクランプ構成要素220、230を共に係止することに役立ち、それによってカニューレをカニューレ取り付けデバイスに固設することができる。レバーは、係止解除位置と係止位置(例えば、係止されたオーバーセンタ位置)との間で移動可能であり得る。レバーが係止位置にあるとき、レバーは、カニューレが第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間に確実に保持されるように、枢動可能なクランプ構成要素230を閉鎖位置に係止してもよい。いくつかの変形例では、レバーは、枢動可能なクランプ構成要素上のスロット232内に位置付けられるペグを有する第1の端部と、(又はレバーは、任意の好適な様式で枢動可能なクランプ構成要素と係合することができる)、1つ以上のユーザ接触点242(例えば、ハンドル又はノブ)を有する第2の端部と、を有してもよい。レバーは、その第1の端部と第2の端部との間に配設された点の周りで枢動可能であってもよい。ユーザは、接触点に力を適用(例えば、接触点を押圧する)して、スロット内のレバーのペグの並進をもたらすことができる。例えば、係止位置では、レバーのペグは、レバーの枢動点に対してオーバーセンタである位置に並進されてもよい。オーバーセンタ位置では、ペグは、その初期位置に向かって戻る移動に抵抗し、それによってレバーが移動し、枢動可能なクランプ構成要素をカニューレとの係合から解放するリスクを低減させる。いくつかの変形例では、取り付けデバイスは、レバーを係止されたオーバーセンタ位置に付勢するように構成される、ばね又は他の付勢要素を含んでもよい。
【0033】
いくつかの変形例では、カニューレ取り付けデバイスは、例えば、一貫した、予め画定された様式で、クランプ構成要素の1つ以上に対してカニューレを位置合わせし、かつ位置決めすることに役立ち得る、少なくとも1つの位置付け構造を有してもよい。例えば、
図2Aに示されるように、クランプ構成要素の少なくとも1つは、カニューレの一部分(例えば、カニューレの取り付け部分)上に配設された対応する形状の凹部と嵌合するように成形された1つ以上の突出部(例えば、クランプ構成要素230上の表面252、254)を有してもよい。例えば、突出部は、略角錐台(例えば、四方傾斜構造)であり得、カニューレの近位部分が特定かつ所定の配向で第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間の領域に挿入されるとき、カニューレの近位部分上の凹部に挿入されるか、又は別様にカニューレの近位部分上の凹部と係合することができる。一度第1のクランプ構成要素220及び第2のクランプ構成要素230がカニューレの部分の周囲に近接すると(例えば、枢動可能なクランプ構成要素が閉鎖位置にあるとき)、突出部は、カニューレの一部分上に配設された凹部内に着座され得る。いくつかの変形例では、クランプ構成要素上の突出部は、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素がカニューレの一部分の周囲で閉じられたとき、カニューレの一部分が第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間の領域から取り除かれることに抵抗する深い引き戻し角度付き表面を有してもよい。他の変形例では、位置付け構造は、両面傾斜面であってもよく、又は三角形の突出部を形成する、若しくは任意の好適な形状を有する、2つの傾斜面を有してもよい。角錐と同様に、両面傾斜面は、カニューレの一部分上に配設された対応する形状の凹部(例えば、三角形の切り欠き)と係合するように成形されてもよい。更に他の変形例では、クランプ構成要素のうちの1つ以上は、カニューレの一部分上に配設された突出部と係合するように成形された凹部である、少なくとも1つの位置付け構造を付加的又は代替的に含んでもよい。
【0034】
いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素は、上記のような開放位置と閉鎖位置との間で移動可能又は枢動可能であってもよく、第2のクランプ構成要素は、静止又は固定されてもよい。これらの変形例では、位置付け構造(例えば、角錐、両面傾斜面など)は、第1の移動可能なクランプ構成要素上、又は第2の固定クランプ構成要素上に位置付けられてもよい。他の変形例では、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素の各々は、傾斜面、突起部、又は凹部などの位置付け構造を有してもよい。いくつかの変形例では、クランプ構成要素のうちの1つは、第1のクランプ構成要素と第2のクランプ構成要素との間に受容されるカニューレの一部分が第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素から取り外される又は係合解除されることを防止する、後方角度を提供する表面を有し得る。
【0035】
いくつかの変形例では、取り付けデバイスはまた、カニューレなどの無菌構成要素と、第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素などの非無菌構成要素(又は外科用システムの他の非無菌構成要素)との間に無菌バリアを提供してもよい。無菌バリアは、例えば、カニューレと第1のクランプ構成要素及び第2のクランプ構成要素との間に介在する無菌アダプタによって提供されてもよい。
【0036】
いくつかの変形例では、取り付けデバイスは、トロカール又はカニューレを感知及び/若しくは識別するための感知能力を有してもよい。例えば、取り付けデバイスは、掛け金がカニューレ又はトロカール上に掛け止めされているかどうかを判定するために、カム係止機構の掛け金の位置を検出するセンサ(例えば、磁気、電気、及び/又は光学センサなど)を有してもよい。別の実施例として、取り付けデバイスは、取り付けデバイスに挿入されたトロカール又はカニューレのタイプを判定するセンサを有してもよい。
【0037】
図2A~
図6は、2つのクランプ構成要素を有するカニューレ300などのカニューレを装着するための取り付けデバイスの例示的な変形例を図示する。
図2A~
図2Cは、取り付けデバイス200の異なる図を図示する。
図2A~
図2Cに示されるように、取り付けデバイス200は、第1の枢動点234の周りで移動可能又は枢動可能な第1のクランプ構成要素230を有してもよい。第1のクランプ構成要素230は、
図2A~
図2C及び
図4A~
図4Bに示されるような開放位置と
図5C及び
図6に示されるような閉鎖位置との間の第1の枢動点234の周りで枢動することができる。取り付けデバイス200はまた、第2のクランプ構成要素220を有してもよい。いくつかの変形例では、第2のクランプ構成要素220は、固定されてもよく、又は静止していてもよい。他の変形例では、第2のクランプ構成要素220は、第1のクランプ構成要素と同様に枢動可能であってもよい。第2のクランプ構成要素220は、第1のクランプ構成要素から離間されてもよく、そのため2つのクランプ構成要素220、230は、それらの間の領域を画定するし、例えば、カニューレ300の取り付け部分306(
図3を参照)などのカニューレ300の一部分を受容するように構成される。2つのクランプ構成要素220、230は、例えば、ロボット外科用システム内のツールドライバのプレート、バー、ビーム、又は他の好適な表面などの支持構成要素214上に支持されてもよい。第1のクランプ構成要素230は、第1の枢動点234(例えば、ピン継手、ヒンジなど)を介して第1の場所において支持構成要素214上で支持されてもよく、第2のクランプ構成要素220は、第1のクランプ構成要素230から離間された第2の場所において支持構成要素214上で支持されてもよい。いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素230は、枢動点234の周りを第1のクランプ構成要素230が回転することを可能にする枢動構造に取り付けることができ、枢動構造は、支持構成要素214に取り付けることができる。かかる変形例では、第1のクランプ構成要素230は、締結具(例えば、ボルト、釘、ねじ、ピンなど)又は接着剤(例えば、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミドなど)を介して、及び/又は、例えば、圧着、溶接、ろう付けなどを含む他の締結技術を介して、枢動構造に取り付けられ得る。他の変形例では、第1のクランプ構成要素230は、例えば、リビングヒンジなどの枢動構造と一体的に形成することができる。いくつかの変形例では、第2のクランプ構成要素220は、締結具(例えば、ボルト、釘、ねじ、ピンなど)、接着剤(例えば、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミドなど)、及び/又は他の締結技術(例えば、圧着、溶接、ろう付けなど)を介して、支持構成要素214に直接取り付けることができる。他の変形例では、第2のクランプ構成要素220は、支持構成要素214と一体的に形成され得る。いくつかの変形例では、2つのクランプ構成要素220、230は、プラスチック、金属、又は複合材料で形成することができる。いくつかの変形例では、2つのクランプ構成要素220、230は、機械加工、成形、又は他の製造技術を介して形成され得る。
【0038】
図2A~
図6に示される変形例は、概して2つの対向するクランプ構成要素を図示するが、他の変形例では、取り付けデバイスは、2つを超えるクランプ構成要素を含み得ることを理解されたい。例えば、少なくとも2つのクランプ構成要素は、カニューレの第1の側面上にクランプするために同時に平行して枢動することができ(例えば、上記の枢動可能なクランプ構成要素230と同様に移動する2つのクランプ構成要素)、及び/又は少なくとも2つのクランプ構成要素は、カニューレの第2の側面上にクランプするために含まれてもよい(例えば、上記の第2のクランプ構成要素220と同様に固定された2つの突起状クランプ構成要素)。いくつかの変形例では、2つを超えるクランプ構成要素は、異なる側面上でカニューレを受容するための取り付け領域に隣接し得、各クランプ構成要素は、カニューレが取り付け領域内に受容されるとき、ユーザによって別個に作動されて、カニューレの周囲を閉鎖することができる。例えば、2つのクランプ構成要素220、230は、
図2A~
図6に示されるように、カニューレを受容するための取り付け領域の第1の側面及び第2の側面に隣接し得、2つの付加的なクランプ構成要素は、取り付け領域の第3の側面及び第4の側面に隣接し得る。2つの付加的なクランプ構成要素は、ユーザによって別個に作動されて、カニューレの周囲を閉鎖することができ(例えば、ユーザは、カニューレの周囲に2つのクランプ構成要素220、230をクランプし、次いで、追加のクランプ構成要素をカニューレの周囲にクランプすることができる)、又は2つの付加的なクランプ構成要素は、単一の作動機構を使用して、2つのクランプ構成要素220、230と共に作動されてもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の外側クランプ構成要素(又は他の締結機構)はまた、1つ以上の内側クランプ構成要素の周囲に配設されてもよく、そのため外側クランプ構成要素が、内側クランプ構成要素の周囲で閉鎖して、内側クランプ構成要素とカニューレとの間の係合を更に固設することができる。
【0039】
図3に示されるように、カニューレ300は、例えば、ハブ、接続金具、コネクタなどの近位部分302を有してもよい。カニューレ300の近位部分302は、取り付け部分306を含み得る。取り付け部分306は、近位部分302の側面から延在してもよい。カニューレ300はまた、近位部分302から延在するシャフト304(
図3に部分的に示される)を有してもよい。シャフト304は、1つ以上の外科用器具がそれを通して挿入され得る内腔を有してもよい。カニューレ300が患者内に配設されるとき、シャフトの遠位端は、例えば、体腔内などの患者の体内に位置決めされてもよい。
【0040】
取り付けデバイス200はまた、例えば、レバーなどの係止構成要素240を有してもよい。係止構成要素240は、第1のクランプ構成要素230に移動可能に連結され、第2の枢動点244の周りを移動又は枢動するように構成されてもよい。
図2A~
図2Cに図示されるように、第2の枢動点244は、係止構成要素240の2つの端部の間に配設されてもよい。枢動点244は、支持構成要素214に連結された2つのプレート246を含む構造上で支持されてもよい。2つのプレート246は、係止構成要素240内に形成された1つ以上の開口部に嵌入するボルト、ピン、若しくは他の構造を含んでもよく、又はこれに連結されてもよい。代替的に、2つのプレート246は、開口部を含んでもよく、それを通って、係止構成要素240に連結された、ボルト、ピン、又は他の構造が嵌入し得る。ボルト、ピン、又は他の構造と係止構成要素240との間の係合は、係止構成要素240が回転又は枢動することを可能にし得る。係止構成要素240は、
図2A~
図2C及び
図4A~
図4Bに示されるような係止解除位置と、
図5C及び
図6で示されるような係止されたオーバーセンタ位置との間で、第2の枢動点244の周りで枢動可能であってもよい。係止構成要素240が係止解除位置にあるとき、第1のクランプ構成要素230は、開放位置にあり、係止構成要素240が係止されたオーバーセンタ位置にあるとき、第1のクランプ構成要素230は、閉鎖位置にある。
【0041】
取り付けデバイス200は、例えば、カニューレ300の取り付け部分306など、カニューレ300の一部分上に配設された対応する構造と嵌合するように構成された、少なくとも1つの係止特徴部又は位置付け構造を含んでもよい。いくつかの変形例では、位置付け構造は、第1のクランプ構成要素230上に配設され得る。付加的に又は代替的に、位置付け構造は、第2のクランプ構成要素220上に、又は2つのクランプ構成要素220、230間の領域に隣接する、若しくはそれを取り囲む別の構成要素若しくは表面上に、少なくとも部分的に配設され得る。
図2Aに図示される変形例では、位置付け構造は、第1のクランプ構成要素230上に位置付けられ、2つの表面252、254から形成されてもよい。2つの表面252、254は、三角形の突出部又は両面傾斜面を形成するテーパ状表面であってもよい。
図2Aに図示されるように、2つの表面252、254は、第1のクランプ構成要素230の長手方向軸に対して角度付けされる。
図5C及び
図6で示されるように、2つの表面252、254によって形成された三角形の突出部は、取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230間の領域内に受容され、第1のクランプ構成要素が閉鎖位置にあるとき、カニューレ300の取り付け部分306に掛かることが可能となり得る。取り付け部分306は、2つの表面252、254によって形成された三角形の突出部と嵌合するように構成される形状又は構造を形成する、2つの表面308、310(
図3を参照)を有してもよい。いくつかの変形例では、位置付け構造は、付加的な角度付き又はテーパ状表面を含んでもよく、異なる形状(例えば、
図9A及び
図9Bを参照して、以下で更に説明するように、角錐台形状)を採り得る。
【0042】
いくつかの態様では、2つのクランプ構成要素220、230は、非無菌であり得、カニューレ300は、無菌であり得る。このため、無菌カニューレ300から非無菌クランプ構成要素220、230を分離する無菌バリアが、提供され得る。
図3に図示されるように、無菌アダプタ212は、非無菌クランプ構成要素220、230と無菌カニューレ300との間に無菌バリアを形成してもよい。無菌アダプタ212は、カニューレ300の取り付け部分306を受容するための開口部211(
図2C及び
図3を参照)を有するカバーであってもよく、そのため取り付け部分306は、無菌アダプタ212内に受容されたとき、無菌アダプタ212によって覆われるか、又は取り囲まれる。無菌アダプタ212は、変形する(例えば、取り付け部分306が開口部211を通して挿入されるとき、取り付け部分306を受容する)ことができるように十分に可撓性であり得るが、カニューレ300の取り付け部分306の形状に概して対応する非変形又は静止形状を保持するように十分な剛性も有し得る。特に、その非変形状態において、無菌アダプタ212は、取り付け部分306の2つのテーパ状表面308、310によって形成された形状に実質的に対応する、2つのテーパ状表面202、204を有する形状を形成してもよい。
【0043】
無菌アダプタ212は、例えば、バー又はビームなどの支持構成要素210に装着され、及び支持構成要素210によって支持されてもよい。
図3に示されるように、支持構成要素210は、支持構成要素210を支持構成要素214(上記)に解放可能に連結する又は取り付けるように構成されている、1つ以上の係合機構216を含んでもよい。例えば、係合機構216は、支持構成要素214の縁部又は隆起部218に掛かる、掛け金を含んでもよい。付加的又は代替的に、係合機構216は、支持構成要素210を支持構成要素214に連結させることが可能なフック、ねじ、ピン、及び/又は他の機構を含んでもよい。いくつかの態様では、接着剤は、支持構成要素210を支持構成要素214に連結させるために、付加的に又は代替的に使用されてもよい。支持構成要素210が支持構成要素214に取り付けられるとき、無菌アダプタ212は、
図2A~
図2C及び
図4A~
図6に図示されるように、2つのクランプ構成要素220、230間の領域内に配設されてもよい。
【0044】
図4A~
図5Cは、カニューレ取り付け又は連結操作中の、異なる構成における取り付けデバイス200を示す。
図4Aに図示されるように、係止構成要素240は、係止解除位置に位置決めされ、第1のクランプ構成要素230は、開放位置に位置決めされる。カニューレ300は、カニューレ300の取り付け部分306が、2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されるように、又はより具体的には、2つのクランプ構成要素220、230間の領域位置に位置付けられる、無菌アダプタ212に開口部211を通して挿入されるように、方向410において移動されてもよい。いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素230の表面254は、それが2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されるとき、取り付け部分306を誘導及び配向することに役立つように構成されてもよい。例えば、表面254は、取り付け部分306が、
図4Aに示される所定の配向(例えば、表面308、310が、表面252、254に面しており、
図5Cに示されるように、表面252、254と係合又は嵌合するように構成される配向)で、2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されるとき、取り付け部分306を滑らかに受容するように角度付けされてもよい。取り付け部分306が、異なる配向において、2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されるとき、表面254は、取り付け部分306に抗して押されるか、又は別様に干渉して、取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230に対して適切に配向されていないことを示すことができる。例えば、第1の表面254は、取り付け部分306が、所定の配向で2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されていないとき、(例えば、取り付け部分306が領域に挿入させるには小さすぎる隙間を作成することによって)取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されることを防止することができる。付加的に又は代替的に、第1の表面254は、取り付け部分306が所定の配向で、領域に挿入されていないとき、(第1の表面254と取り付け部分306との間の干渉を介して)取り付け部分306に抗して後向きの力を及ぼすことができ、取り付け部分306が、2つのクランプ構成要素220、230に対して適切に配向されていないことをユーザに知らせることができる。いくつかの変形例では、取り付け部分306を2つのクランプ構成要素220、230間の領域に誘導することに役立てるために、第1のクランプ構成要素230が開放位置にあるとき、第1の表面254が、概して取り付け部分306の表面312の角度に略対応するように角度付けされてもよい。したがって、取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入される際、第1の表面254は、表面312に接触し、取り付け部分306を2つのクランプ構成要素220、230間の領域に誘導することに役立てることができる。
【0045】
いくつかの変形例では、第2のクランプ構成要素220は、取り付け部分306を、所定の配向で、2つのクランプ構成要素220、230間の領域に誘導することができる、角度付き又はテーパ状表面を有してもよい。
図4Aに図示されるように、第2のクランプ構成要素220は、取り付け部分306の底面314に対応するように成形された角度付き表面206を有してもよい。角度付き表面206は、第1のクランプ構成要素230に向かってわずかに角度付けされ得、そのため2つのクランプ構成要素220、230間の領域内にわずかなテーパを形成する。したがって、取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入されるとき、第2のクランプ構成要素220は、取り付け部分306を領域に接触させ、かつ誘導することに役立ち得る。
【0046】
取り付け部分306が2つのクランプ構成要素220、230間の領域に挿入された後、係止構成要素240は、係止構成要素240を
図4Bに示されるような方向420に枢動させることによって、係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に移動されてもよい。
図5A~
図5Cは、係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に枢動する際の異なる構成における係止構成要素240を示す。図示された変形例では、第1のクランプ構成要素230は、その本体の長手方向長さに沿って形成されたスロット232を有してもよい。スロット232は、第1のクランプ構成要素230の部分的長さに沿って延在してもよい。係止構成要素240は、スロット232の長さに沿って移動可能な第1の端部250を有してもよい。具体的には、係止構成要素240は、スロット232の長さに沿って配設され、かつ移動可能な、その第1の端部250に位置付けられたペグを有してもよい。係止構成要素240は、ハンドル又はノブのような形状である第2の端部242を有してもよい。係止構成要素240は、係止構成要素240の第2の端部242から、第2の枢動点244を通って、係止構成要素240の第1の端部250まで延在するシャフト248を有してもよい。係止構成要素240の第2の端部242は、係止構成要素240を係止解除位置と係止されたオーバーセンタ位置との間で枢動させるために、ユーザによって移動可能であってもよい。例えば、ユーザは、
図4Bに示されるような力420を適用して、係止構成要素240を係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に枢動させるために、係止構成要素240の第2の端部242を移動させることができる。ユーザは、係止構成要素240の第2の端部242を押圧するか、又は押すことによって力420を適用してもよい。
【0047】
図5Aでは、係止構成要素240の第1の端部250は、第1のクランプ構成要素230のスロット232に沿って第1の方向に第1の距離を移動させる。係止構成要素240が枢動し続けると、係止構成要素240の第1の端部250は、
図5Bで示されるように、デッドセンタ位置までスロット232に沿って、第1の方向に移動し続けることができる。デッドセンタ位置では、係止構成要素240のシャフト248(部分248a、248bを含む)は、軸線430に沿って位置合わせされてもよい。
図5Bで示される実施例では、係止構成要素240がデッドセンタ位置に枢動すると、係止構成要素240は、第1のクランプ構成要素230をほぼ閉鎖位置まで移動させ、係止構成要素240がデッドセンタ位置を越えて更に移動すると、第1のクランプ構成要素230の大幅な付加的移動を引き起こさない。第1のクランプ構成要素230は、係止構成要素240がデッドセンタ位置に枢動したとき、ほぼ閉鎖位置にあるように
図5Bに示されているが、他の変形例では、第1のクランプ構成要素230は、閉鎖位置からオフセットされた位置内にあってもよい。いくつかの変形例では、第1のクランプ構成要素230は、係止構成要素240がデッドセンタ位置を越えて枢動する際に、変形し始める及び/又は変形し続ける圧縮性材料で形成されてもよい。いくつかの変形例では、係止構成要素240は、デッドセンタ位置にあるときに定位置で平衡化されてもよい。例えば、ユーザが係止構成要素240をデッドセンタ位置に移動させるのに十分な力を適用し、デッドセンタ位置を越えて、係止構成要素240を移動させる付加的な力を及ぼさない場合、次いで係止構成要素240は、デッドセンタ位置でバランスを保つことができる。
【0048】
付加的な力が、方向420において、係止構成要素240上に及ぼされるとき、係止構成要素240は、
図5Cに示されるように、係止されたオーバーセンタ位置になるまで枢動することができる。係止構成要素240がデッドセンタ位置を越えて枢動すると(例えば、
図5Cに示されるように)、付勢力が、係止構成要素240上に作用し、係止構成要素240が係止されたオーバーセンタ位置にあるまで、それを枢動し続けるように強制してもよい。係止構成要素240上に作用する付勢力は、十分な反力が付勢力を克服して、係止構成要素240をその初期の係止されていない位置に向かって戻るように移動させるまで、係止構成要素240を係止されたオーバーセンタ位置に保持する。したがって、ユーザは、ユーザが、係止構成要素240をその係止解除位置に戻すように移動させ、第1のクランプ構成要素230を開くことができる前に、係止構成要素240上に作用する付加的な付勢力を克服しなければならない。係止されたオーバーセンタ位置では、係止構成要素240の第1の端部250は、スロット232の遠端(例えば、枢動点234により近いスロットの端部と反対側の端部)に配設されてもよく、第1のクランプ構成要素230は、閉鎖位置にあってもよい。したがって、係止構成要素240を係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置まで移動又は枢動させることによって、ユーザは、第1のクランプ構成要素230を閉鎖位置へと枢動させることができる。
【0049】
第1のクランプ構成要素230が、閉鎖位置にあるとき、2つのクランプ構成要素220、230は、2つのクランプ構成要素220、230間の領域内にカニューレ300の取り付け部分306を保持することができる。いくつかの変形例では、係止構成要素240は、カニューレ300が取り付けデバイス200から係合解除又は分離されることを防止するように作用する。例えば、
図6に図示されるように、係止構成要素240が係止されたオーバーセンタ位置にあり、カニューレ300が2つのクランプ構成要素220、230の間に保持されるとき、方向502に適用された引張力は、方向504に上向きに押す力を生成し、これが係止構成要素240を方向506に枢動させるように作用し、係止構成要素240を係止されたオーバーセンタ位置に向かって更に押す。引張力は、例えば、外科手術又は処置中など、カニューレ300の一部分(例えば、近位部分302又はシャフト304)に適用される力から生じ得る。上記のように、第1のクランプ構成要素は、取り付け部分306の表面310と嵌合及び係合するように構成された表面252を有してもよい。したがって、カニューレ300が方向502に引かれるとき、表面252は、表面310と係合して、方向504に力を生み出すことができる。次いで、方向504の力は、シャフト248の第2の部分248b上に作用して、係止構成要素240を方向506に枢動させる。
【0050】
図16は、本明細書に記載される取り付けデバイス200又は他の取り付けデバイスなどの取り付けデバイスを使用して、カニューレを外科用システムに取り付ける方法1900の例示的な変形例のフローチャートである。1902において、方法1900は、取り付け装置の係止構成要素(例えば、係止構成要素240)を係止解除位置に位置決めすることを任意選択的に含んでもよい。係止構成要素は、クランプ構成要素(例えば、第1のクランプ構成要素230)に動作可能に連結され、クランプ構成要素を開放位置と閉鎖位置との間で枢動させるように構成されてもよい。係止構成要素は、係止構成要素が係止解除位置に位置決めされたとき、クランプ構成要素を開放位置に枢動させることができる。開放位置では、クランプ構成要素は、カニューレの一部分(例えば、カニューレ300の取り付け部分306)が、クランプ構成要素と別のクランプ構成要素(例えば、第2のクランプ構成要素220)間の領域内に受容されることを可能にし得る。したがって、1902において、係止構成要素が係止解除位置になく、クランプ構成要素が開放位置にないとき、係止構成要素は、クランプ構成要素を開放位置に位置決めするために、係止解除位置に移動されてもよい。係止構成要素が既に係止解除位置にあり、クランプ構成要素が開放位置にあるとき、工程1902は、省略されてもよい。
【0051】
1904において、カニューレの一部分(例えば、カニューレ300の取り付け部分306)は、2つのクランプ構成要素(例えば、2つのクランプ構成要素220、230)の間の領域に挿入されてもよい。1906において、カニューレは、2つのクランプ構成要素に対して所定の配向に位置決めされてもよい。カニューレが、2つのクランプ構成要素に対して所定の配向にあるとき、2つのクランプ構成要素(例えば、2つの表面252、254によって画定される位置付け構造)のうちの少なくとも1つの上に配設された位置付け構造は、カニューレが2つのクランプ構成要素間の領域に完全に挿入された後、カニューレ(例えば、表面308、310)の一部分上に配設された対応する構造と嵌合してもよい。1908において、係止構成要素は、クランプ構成要素を閉鎖位置に枢動させるために、係止解除位置から係止されたオーバーセンタ位置に移動されてもよい。クランプ構成要素が閉鎖位置にあるとき、2つのクランプ構成要素は、カニューレの一部分を、2つのクランプ構成要素間の領域内に保持することができる。例えば、2つのクランプ構成要素は、カニューレの一部分の周囲にクランプすることができ、そのためカニューレの一部分は、2つのクランプ構成要素間の領域内に保持又は固設される。2つのクランプ構成要素、又は2つのクランプ構成要素間の領域に隣接する別の表面のうちの1つの上に配設された位置付け構造又はいくつかの他の構造は、2つのクランプ構成要素間の領域内にカニューレの一部分を保持するために、カニューレの一部分上に配設された対応する構造に掛け止めすることができる。
【0052】
図7A及び
図7Bは、2つのクランプ構成要素を有するカニューレ680などのカニューレを装着するための、取り付けデバイスの別の例示的な変形例を図示する。
図7A及び
図7Bは、2つの異なる構成における取り付けデバイス600を示し、具体的に、
図7Aは、取り付けデバイス600のクランプ構成要素630が開放位置にある、第1の構成における取り付けデバイス600を図示し、
図7Bは、クランプ構成要素630が閉鎖位置にある、第2の構成における取り付けデバイス600を図示する。取り付けデバイス600は、
図2A~
図6を参照して説明される取り付けデバイス200を含む、本明細書に記載される1つ以上の他の取り付けデバイスと構造及び/又は機能において類似し得、変形例は、例えば、(1)移動可能なクランプ構成要素の代わりに、固定クランプ構成要素上に位置付けられる位置付け構造、及び(2)移動可能なクランプ構成要素630が、枢動可能の代わりに、方向652に移動可能であり、又は並進可能であることを含む。
図7Aに示されるように、取り付けデバイス600は、クランプ構成要素630及び付加的なクランプ構成要素620を含み得る。2つのクランプ構成要素620、630は、それらの間に領域を画定してもよく、ここでカニューレ680の取り付け部分686が、受容され得る。
【0053】
カニューレ680は、
図3~
図6を参照して説明されるカニューレ300を含む、本明細書に記載される1つ以上の他のカニューレの変形例と、構造及び/又は機能において同様であってもよい。例えば、カニューレ680は、近位部分682及びシャフト684を含んでもよい。シャフト684は、外科用器具690がそれを通して挿入され得る内腔を有してもよい。外科用器具690は、ポート692を含んでもよく、それを通して、流体が患者の体内に導入され、及び/又は患者の体内から取り除かれてもよい。ポート692内及び/又はポート692から出る流体の流れは、弁制御装置694によって制御されてもよい。カニューレ680の近位部分682は、取り付け部分686を含み得る。
【0054】
取り付けデバイス600はまた、枢動点644の周りで枢動するように構成された、係止構成要素640(例えば、レバー、バー、ビーム、又は同様の構造)を含んでもよい。係止構成要素640は、クランプ構成要素630内に形成されたスロット632に嵌入する、ペグ650(又は他の構造)を介してクランプ構成要素630に動作可能に連結されてもよい。ペグ650は、スロット632の長さに沿って移動するように構成され得る。取り付けデバイス200と同様に、係止構成要素640は、クランプ構成要素630を開放位置と閉鎖位置との間で移動させるように構成されてもよい。係止構成要素が第1の係止解除位置にあるとき、クランプ構成要素630は、(
図7Aに図示されるように)開放位置にあってもよく、係止構成要素が第2の係止されたオーバーセンタ位置にあるとき、クランプ構成要素630は、(
図7Bに図示されるように)閉鎖位置にあってもよい。係止構成要素640は、クランプ構成要素630に連結された端部と反対側の端部に配設されたハンドル642を含んでもよい。係止構成要素640がその係止されたオーバーセンタ位置に枢動するとき、クランプ構成要素630は、
図7Aに示されるように、その係止位置まで、方向652において移動し得る。
【0055】
係止構成要素640が係止されたオーバーセンタ位置にあるとき、カニューレ680の取り付け部分686は、
図7Bに示されるように、2つのクランプ構成要素620、630間の領域内に保持されてもよい。取り付けデバイス200と同様に、係止構成要素640のオーバーセンタ係止配置は、係止構成要素640がその係止されたオーバーセンタ位置からその係止解除位置に不注意に枢動し得るリスクを低減させる。係止構成要素640が係止されたオーバーセンタ位置にあるとき、係止構成要素640は、係止されたオーバーセンタ位置に向かって付勢されてもよく、そのため付勢力は、係止構成要素640がその係止解除位置に戻って枢動し得る前に克服されなければならない。この付勢力は、上記の取り付けデバイス200の係止構成要素240のオーバーセンタ配置と同様の、係止構成要素640のオーバーセンタ配置から生じる。係止構成要素640及び2つのクランプ構成要素620、630は、支持体(図示せず)上で支持されてもよい。係止構成要素640は、枢動点644を介して支持体上で移動可能に支持され得、クランプ構成要素620は、支持体上で固定的に支持され得、クランプ構成要素630は、クランプ構成要素630が支持体に対して移動することを可能にする第2の枢動点又はトラック(図示せず)を介して支持体上で移動可能に支持され得る。
【0056】
取り付けデバイス600は、カニューレ680の取り付け部分686上に配設された対応する構造と嵌合するように構成された位置付け構造を有してもよい。
図7A及び
図7Bに示される変形例では、位置付け構造は、固定クランプ構成要素620上に配設された突出部622であってもよい。
図2A~
図6に図示される変形例などの、他の変形例では、位置付け構造は、移動可能なクランプ構成要素上に配設することができる。付加的に又は代替的に、1つ以上の位置付け構造は、クランプ構成要素620、630のうちの一つ、又は両方、若しくは2つのクランプ構成要素620、630の間の領域に隣接する別の構成要素、又は表面上に配設することができる。突出部622は、複数のテーパ状又は角度付き表面を有してもよい。突出部622は、カニューレ680の取り付け部分686内に形成された凹部688に嵌入し、かつ嵌合するように構成されてもよい。クランプ構成要素630が閉鎖位置にあり(
図7Bに示されるように)、突出部622が凹部688と嵌合しているとき、突出部622は、カニューレ680が取り付けデバイス600から取り外されるか又は分離されることを防止することができる。例えば、突出部622は、カニューレ680の取り付け部分686が2つのクランプ構成要素620、630間の領域から引かれることを防止する、深い引き戻し角度を有する角度付き表面623を有してもよい。クランプ構成要素630は、例えば、クランプ構成要素630の長手方向軸に対して5度の角度で、わずかに角度付けされた表面631を有し得る。クランプ構成要素630が閉鎖位置にあるとき、角度付き表面631は、取り付け部分686の表面689上にクランプダウンすることができ、これは表面631の角度に対応するように角度付けされてもよい。角度付き表面631及び対応する角度付き表面689は、取り付け部分686を2つのクランプ構成要素620、630間の領域内に保持するのに更に役立ち得る。
【0057】
カニューレ取り付けデバイス200の位置付け構造と同様に、突出部622は、2つのクランプ構成要素620、630に対する所定の配向で、取り付け部分686を2つのクランプ構成要素620、630間の領域に誘導することが可能であり得る。例えば、突出部622は、取り付け部分686が2つのクランプ構成要素620、630に対する所定の配向で、2つのクランプ構成要素620、630間の領域内に受容されているかどうかをユーザが判定することに役立つ、角度付き表面624を有することができる。角度付き表面624は、位置付け構造(例えば、突出部622)が配設されている場所をユーザに示してもよく、そのためユーザは、取り付け部分686を2つのクランプ構成要素620、630間の領域に挿入するとき、取り付け部分686の凹部688を突出部622と位置合わせするように、カニューレ680を配向することができる。
【0058】
いくつかの変形例では、2つのクランプ構成要素620、630は、非無菌であり得、カニューレ680は、無菌であり得る。このため、取り付けデバイス600は、無菌カニューレ680から非無菌クランプ構成要素620、630を分離する無菌バリアを提供してもよい。
図7A及び
図7Bに図示されるように、無菌アダプタ612は、非無菌クランプ構成要素620、630と無菌カニューレ680との間に無菌バリアを形成してもよい。カニューレ取り付けデバイス200の無菌アダプタ212と同様に、無菌アダプタ612は、カニューレ680の取り付け部分686を受容するための開口部を有するカバーであってもよい。
【0059】
いくつかの変形例では、取り付けデバイス600は、係止構成要素640をその係止されたオーバーセンタ位置に付勢するばねなどの付勢要素を有してもよく、それによってクランプ構成要素630を閉鎖位置に保持する。これらの変形例では、係止構成要素640は、カニューレ680の取り付け部分686を2つのクランプ構成要素620、630間の領域に挿入することを可能にするために、最初にその係止されたオーバーセンタ位置からその係止解除位置に移動されなければならない。ユーザは、ばねの付勢力を克服することによって、係止構成要素640をその係止解除位置に移動させることができる。取り付け部分686が2つのクランプ構成要素620、630間の領域に挿入されると、ユーザは、係止構成要素640を解放することができ、それにより、ばねが係止構成要素640をその係止されたオーバーセンタ位置に戻すように付勢することを可能にして、クランプ構成要素630を取り付け部分686上で下方に閉じる。代替的に、レバー又はプレートなどの付加的な中間機構は、取り付け部分686が2つのクランプ構成要素620、630間の領域に挿入される際、係止構成要素640をその係止解除位置に移動させることが可能となり得、それによって、取り付け部分686がクランプ構成要素630を閉鎖位置から開放位置へと移行させることができる。例えば、
図8に図示されるように、代替的な取り付けデバイス600’は、係止構成要素640を移動させることができる中間機構660’を有してもよい。取り付けデバイス600’は、同様の部品を指す同様の番号を有する取り付けデバイス600と同様の構成要素を有してもよいが、機構660’もまた有してもよい。取り付けデバイス600’は、係止構成要素640をその係止されたオーバーセンタ位置に付勢するばね(図示せず)を有してもよい。中間機構660’は、取り付け部分686が2つのクランプ構成要素620、630間の領域内に前進しているとき、取り付け部分686の先端表面687によって最初に接触される表面664’を有してもよい。取り付け部分686が、2つのクランプ構成要素620、630間の領域に更に前進すると、取り付け部分686の先端表面687は、中間機構660’の表面664’に抗して押圧し続けることができ、これが中間機構660’の別の部分(例えば、機構660’の反対端部に配設された部分662’)を生じさせて、係止構成要素640に抗して力を適用することができる。ばねの付勢力を克服するのに十分な力が係止構成要素640に適用されると、係止構成要素640は、その係止されたオーバーセンタ位置からその係止解除位置に移動し得る。係止解除位置では、係止構成要素640は、クランプ構成要素630を解放することができ(例えば、クランプ構成要素630が開放されることを可能にする)、それによって、取り付け部分686が、2つのクランプ構成要素620、630間の領域に更に前進することを可能にする。次いで、取り付け部分686が、2つのクランプ構成要素620、630間の領域にある特定の距離を前進させると、機構660’は、取り付け部分686と係合解除され、かつ離れて移動してもよく、それによって、ばねが、係止構成要素640をその係止されたオーバーセンタ位置に再び付勢し、クランプ構成要素630を取り付け部分686上で下方に閉じることを可能にする。
【0060】
いくつかの変形例では、カニューレ取り付けデバイスは、例えば、四方傾斜角錐形状又は他のテーパ状角錐形状などの、角錐台形状を有する位置付け構造を有してもよい。位置付け構造は、移動可能なクランプ構成要素、固定クランプ構成要素、又はカニューレの一部分を受容する領域を取り囲む別の構成要素、若しくは表面上に位置付けることができる。例えば、
図9A及び
図9Bに示されるように、移動可能なクランプ構成要素800は、平坦な表面820及び4つの角度付き表面822から形成された位置付け構造を有してもよい。位置決め及び取り付け構造の複数の表面820、822は、カニューレ又はトロカールが外科用ロボットシステムのロボットアームに確実に位置決めされ、かつ取り付けられることを可能にし得る。例えば、移動可能なクランプ構成要素800は、外科用ロボットシステム(例えば、ツールドライバ又はロボットアームの端部)に連結されてもよく、移動可能なクランプ構成要素800の位置決め及び取り付け構造は、カニューレ又はトロカールの一部分上に配設された対応する構造と嵌合するように構成されてもよい。位置決め及び取り付け構造がカニューレ又はトロカールの対応する構造と嵌合するとき、位置決め及び取り付け構造は、カニューレ又はトロカールをロボットアームに対して適所に固設することができる。移動可能なクランプ構成要素800は、本明細書に記載される係止構成要素のうちのいずれかなどの係止アセンブリによって、カニューレ又はトロカールの一部分上の適所に保持又はクランプされてもよい。移動可能なクランプ構成要素800は、移動可能なクランプ構成要素800がその周りで枢動し得る枢動点を形成するために、付加的な構造と係合するための開口部810(又は、代替的にペグ)を有してもよい。設定されるとき、移動可能なクランプ構成要素800は、クランプ構成要素230及びクランプ構成要素630と同様に、開放位置と閉鎖位置との間で枢動することができる。いくつかの変形例では、移動可能なクランプ構成要素800は、本明細書に記載される係止構成要素のうちのいずれかなどの係止構成要素が、ペグ又は同様の構造を介して移動可能なクランプ構成要素800に移動可能に連結することを可能にするスロットを有してもよい。
【0061】
図10は、2部材係止及び解放システムを有する、カニューレ1080などのカニューレを装着するための取り付けデバイスの別の例示的な変形例を図示する。取り付けデバイス1000は、
図2A~
図6を参照して説明される取り付けデバイス200を含む、本明細書に記載される1つ以上の他の取り付けデバイスと構造及び/又は機能において同様であり得、変形例は、例えば、(1)クランプ構成要素1030を閉鎖位置に付勢するように構成されたばね1060、及び(2)例えば、解放レバー1040などの係止構成要素の移動を制限するように構成された1つ以上の停止表面1062を含む。取り付けデバイス1000は、開放位置と閉鎖位置との間で移動することができる、レバー又はバーなどのクランプ構成要素1030を有してもよい。クランプ構成要素1030は、
図10に示されるように、ねじりばねなどのばね1060によって、閉鎖位置に付勢されてもよい。取り付けデバイス1000は、クランプ構成要素1030を閉鎖位置から開放位置に移動させることができる、解放レバー又はバー1040を有してもよい。解放レバー1040は、ペグ1050を介してクランプ構成要素1030に移動可能に連結される第1の端部を有してもよい。ペグ1050は、クランプ構成要素1030内に形成され、スロット1032の長さに沿って摺動するように構成されたスロット1032内に配設されてもよい。解放レバー1040はまた、ユーザ接触点又はハンドル1042を有する第2の端部を有してもよく、この第2の端部は、例えば、ユーザの手によって作動されて、解放レバー1040を移動させることができる。解放レバー1040の移動は、1つ以上の停止表面1062によって制限されてもよい。ハンドル1040は、ユーザによって方向1092に押されるか、又は押圧されて、方向1094に解放レバー1040の第1の端部を移動させる(例えば、方向1094のスロット1032の長さに沿ってペグ1050を並進させる)ことができる。解放レバー1040の第1の端部が方向1032に移動するとき、解放レバー1040は、ばね1060の付勢力を克服し、クランプ構成要素1030を閉鎖位置から開放位置に移動させることができる力をクランプ構成要素1030に及ぼし得る。開放位置では、クランプ構成要素1030は、カニューレ1080の一部分が、取り付けデバイス1000の領域に、方向1090で挿入されることを可能にしてもよい。ユーザがハンドル1040の押圧を停止するとき、ばね1060は、クランプ構成要素1030をその閉鎖位置に戻すように付勢することができ、クランプ構成要素1030は、カニューレ1080の一部分上に掛け止めして、取り付けデバイス1000の領域内にその部分を保持することができる。
【0062】
本明細書に記載される係止構成要素と同様に、解放レバー1040は、オーバーセンタ係止機構として設計されてもよい。例えば、解放レバー1040が、
図10に示される位置にあるとき、解放レバー1040は、オーバーセンタ位置にあってもよい。オーバーセンタ位置では、解放レバー1040は、オーバーセンタ位置に留まるように付勢されてもよい(例えば、移動に抗して付勢される)。そのオーバーセンタ配置により、解放レバー1040は、解放レバー1040をその係止されたオーバーセンタ位置に保持する付勢力を経験し得る。
【0063】
いくつかの変形例では、取り付けデバイス1000は、クランプ構成要素1030から離間した、付加的なクランプ構成要素又は固定表面を有してもよい。クランプ構成要素1030及びこの付加的なクランプ構成要素は、カニューレ1080の一部分を受容するための領域を画定してもよい。カニューレ1080の一部分がクランプ構成要素1030及び付加的なクランプ構成要素によって画定される領域内に配設され、ユーザが、クランプ構成要素1030がその閉鎖位置に戻るように解放レバー1040を解放するとき、クランプ構成要素1030及び付加的なクランプ構成要素は、カニューレ1080の一部分の周囲にクランプして、クランプ構成要素1030及び付加的なクランプ構成要素によって画定される領域内に、カニューレ1080の一部分を保持することができる。
【0064】
本明細書に記載される他のカニューレ取り付けデバイスと同様に、取り付けデバイス1000はまた、非無菌であり得るクランプ構成要素1030と、無菌であり得るカニューレ1080との間に無菌バリアを提供するための無菌アダプタ1012を有してもよい。
ラチェット状変形例
【0065】
いくつかの変形例では、カニューレ取り付けデバイスは、カニューレをツールドライバ又はロボットアームに取り付けるための機構を有してもよく、これにより、カニューレが1つの方向において取り付けデバイスの領域内に容易に挿入されることを可能にするが、別の方向において取り外すことが困難である。かかる変形例では、ユーザは、カニューレを取り付けデバイスに挿入して、確実に取り付けるために、取り付けデバイスの構成要素を作動させる必要がない場合がある。取り付けデバイスは、カニューレが取り付けデバイスの一部分と接触するとき、カニューレが取り付けデバイスに取り付けられることを可能にするように設計されてもよい。
【0066】
例えば、カニューレ取り付けデバイス1100の例示的な変形例を
図11に図示する。カニューレ取り付けデバイス1100は、カニューレ近位部分1182を有するカニューレ1180と、カニューレ近位部分1182から遠位に延在するカニューレシャフト1184と、を受容するように構成される。
【0067】
カニューレ近位部分1182は、カニューレ近位部分1182の側面から延在する突起部1190(例えば、取り付け部分)を有してもよく、突起部1190は概して幅が狭くなる。例えば、突起部119は、概して、突起部1190の2つの対向する側面が突起部の中心線に向かってテーパ状になる台形プリズムの形状、又は突起部1190の4つの側面が突起部の中心線に向かってテーパ状になっている正方形の錐台の形状を有してもよい。突起部1190は、第1のテーパ状側面1196上に配置された角度付き歯1188、及び第2のテーパ状側面1194上に配置された角度付き歯1192を含んでもよい。角度付き歯1188、1192は、角度1198における挿入方向(例えば、挿入方向1199)に対して略垂直な方向から離れて角度付けされてもよい。角度1198は、例えば、約15~約50度、又は約20~約45度、又は約30~約35度であってもよい。角度付き歯1188は、角度付き歯1192の方向とは反対の方向に角度付けされてもよい。
【0068】
カニューレ取り付けデバイス1100は、カニューレ突起部1190を受容するための開口部又は領域1152にわたって互いに対向する少なくとも2つのプレート1120、1130を含んでもよい。プレート1120は、開口部1152に面する表面上に配設された角度付き歯1113を有してもよく、プレート1130は、開口部1152に面する表面上にもまた配設された角度付き歯1111を有してもよい。角度付き歯1111、1113は、角度1150によって挿入方向1199に対して略垂直な方向に対して角度付けされてもよい。角度1150は、例えば、約15~約50度、又は約20~約45度、又は約30~約35度であってもよい。角度1150は、角度付き歯1188、1192が、角度付き歯1111、1113と噛合係合し得るように、角度1198に対応してもよい。角度付き歯1188、1192と同様に、角度付き歯1111は、角度付き歯1113の方向と反対の方向に角度付けされてもよい。プレート1120は、付勢力F1を適用するばね1122などの付勢要素によってプレート1130に向かって付勢されてもよく、プレート1130は、付勢力F2を適用するばね1132などの別の付勢要素によってプレート1120に向かって付勢されてもよい。
【0069】
カニューレ1180を取り付けデバイス1100に取り付けるために、カニューレ1180は、挿入方向1199において取り付けデバイス1100に向かって移動されて、カニューレ突起部1190を開口部1152に挿入することができる。カニューレ突起部1190の開口部1152への挿入は、角度付き歯1188が角度付き歯1111と係合すること、及び角度付き歯1192が角度付き歯1113と係合することを可能にするために、アダプタプレート1120、1130を離して変位させてもよい。角度付き歯1188、1192が角度付き歯1111、1113と係合されると、プレート1120、1130上の付勢力F1、F2は、プレート1120、1130を突起部1190上にクランプダウンさせ、カニューレ取り付けデバイス1100とカニューレ1180との連結を固設又は係止させる。いくつかの変形例では、機械的停止部及び/又は掛け金(例えば、クランプ構成においてプレート1120、1130を係止するため)が、連結部の固設に役立つように含まれてもよい。概して、ばね付勢力F1、F2のうちの少なくとも1つが克服されない限り、カニューレ突起部1190及び取り付けデバイス1100の相対移動は、一方向のみで許容され、そのためカニューレ突起部1190は、開口部1152に容易に挿入されるが、開口部1152から取り外されることは実質的に防止される。ばね1122、1132は、それぞれ、プレート1120、1130を互いに向かって付勢することができ、突起部1190を開口部1152内に保持し、並びに角度付き歯1111、1113と角度付き歯1188、1192との係合を維持する。いくつかの変形例では、機構(例えば、ボタン、レバー、ハンドル、圧搾機構)は、ばね付勢力を克服することによってばね1122、1132を圧縮し、プレート1120、1130を十分に離れて変位させて、開口部1152からカニューレ突起部1190を取り外すことを許容するために提供され得、それによってカニューレ1180を取り付けデバイス1100(及びツールドライバ又はロボットアーム)から分離する。有利には、
図11に示される例示的な変形例では、取り付けデバイス1100及びカニューレ1180は、二次機構の作動を必要とすることなく連結され得(例えば、取り付けデバイス1100及びカニューレ1180は、カニューレ1180を取り付けデバイス1100に「留める及び係止する」ための片手操作を介して連結されてもよい)、カニューレ1180は、取り付けデバイス1100及びカニューレ1180の係合解除を許容するために二次機構が作動されるまで、取り付けデバイス1100と共に確実に保持され得る。
【0070】
カニューレ取り付けデバイスの他の変形例はまた、異なる形状のカニューレ突起部を収容するためなど、異なる様式で、角度付き歯又は同様の角度付き特徴部を利用してもよい。例えば、
図11に示される変形例は、台形のプリズムの形状(突起部の2つの対向する側面が突起部の中心線に向かってテーパ状になる)、又は正方形錐台(突起部の4つの側面が突起部の中心線に向かってテーパ状になる)を概して有する突起部1190を受容するように構成され得るが、他の変形例は、カニューレアダプタ内の角度付きの歯又は隆起部と係合する環状の角度付き隆起部を有する円錐台形形状、又は角度付きの歯若しくは隆起部を有する矩形のプリズム形状若しくは円筒形状などの非テーパ状突起部形状などの、他のテーパ状突起部形状を受容するように構成されてもよい。
【0071】
いくつかの変形例では、無菌カニューレ1180から非無菌カニューレ取り付けデバイス1100を分離するための無菌アダプタ要素は、カニューレ取り付けデバイス1100上の非無菌角度付き歯1111、1113と、カニューレ1180上の無菌角度付き歯1188、1192との間に嵌入するドレープ又は他の無菌シート(例えば、プラスチック)を含み得る。プラスチックは、歯1111、1113、1188、1192間の摩擦が低減された軸受表面として機能し、それによってカニューレ突起部1190のカニューレ取り付けデバイス1100への挿入を更に促進することができる。
【0072】
別の例示的な変形例では、
図12に示されるように、カニューレ取り付けデバイス1300は、カニューレ近位部分1382を有するカニューレ1380と、カニューレ近位部分1382から遠位に延在するカニューレシャフト1384と、を受容するように構成される。上記の、
図11に示されるカニューレ1180と同様に、カニューレ近位部分1382は、カニューレ近位部分1382の側面から延在する突起部1390(例えば、取り付け部分)を有してもよく、ここで突起部1390は、概して幅においてテーパ状となる(例えば、突起部1390の2つの対向する側面が突起部1390の中心線に向かってテーパ状となる、台形プリズムの形状を概して有する)。突起部1390は、突起部1390の少なくとも2つのテーパ状側面1394、1396上にラック状構成で配置された歯1392又は同様の構造を含んでもよい。カニューレ取り付けデバイス1300は、カニューレ突起部1390を受容する空間1352にわたって互いに対向する、少なくとも2つの回転ピニオン状要素1320、1330を含んでもよい。ピンオン状要素1320、1330の各々は、歯車の少なくとも一部分を含んでもよく、ピンオン状要素1320、1330の第1の側面は、平坦であってもよく、そのピンオン状要素1320、1330の第2の側面は、円形であってもよく、その上に配設された歯1324を有し得る。ピニオン状要素1320、1330の歯1324は、カニューレ1380上の歯1392と係合するように構成されてもよい。ピンオン状要素1320は、点1322の周りで回転するように構成されてもよく、ピニオン状要素1330は、点1332の周りで回転するように構成されてもよい。
【0073】
カニューレ突起部1390が方向1399に移動され、2つのピニオン状要素1320、1330間の空間1352に挿入されるとき、ピニオン状要素1320は、方向1398に回転してもよく、ピニオン状要素1330は、方向1397に回転してもよく、カニューレ突起部1390上の歯1392は、ピニオン状要素1320、1330上の歯1324と係合してもよい。一度カニューレ突起部1390が、2つのピニオン状要素1320、1330間の空間1352に挿入され、歯1392が、歯1324と係合すると、ピニオン状要素1320、1330は、ピニオン状要素1320、1330の平坦な表面上に作用する干渉要素によってその場所に係止されてもよい。例えば、干渉要素は、ピニオン状要素1320、1330を互いに向かって付勢して、突起部1390上にクランプダウンし、取り付けデバイス1300とカニューレ1380との連結を固設するばねを含んでもよい。カニューレ突起部1390は、空間1352に容易に挿入され得るが、空間1352内に突起部1390を保持するために、ばねがピニオン状要素1320、1330を互いに向かって付勢することにより、空間1352から取り外されることを実質的に防止される。干渉要素は、連結を固設又は係止することに役立つ付加的な機械的停止部を含んでもよい。機構(例えば、ボタン、レバー、ハンドル、圧搾機構など)が、ピニオン状要素1320、1330を反対方向に回転させて、空間1352からカニューレ突起部1390の取り外しを許容し、それによってカニューレ1380をツールドライバ又はロボットアームから分離するために、干渉要素によって適用される力を克服するために含まれてもよい。再び、有利には、この変形例では、カニューレ取り付けデバイス1300及びカニューレ1380は、二次機構の作動を必要とすることなく連結され得(例えば、取り付けデバイス1300及びカニューレ1380は、カニューレ1380を取り付けデバイス1300に「留める及び係止する」ための片手操作を介して連結されてもよい)、カニューレ1380は、取り付けデバイス1300及びカニューレ1380の係合解除を許容するために二次機構が作動されるまで、取り付けデバイス1300と共に確実に保持され得る。
【0074】
カニューレ取り付けデバイス1100と同様に、カニューレ取り付けデバイス1300の他の変形例は、カニューレ突起部1390の異なる形状(例えば、台形プリズム、正方形錐台、円錐台形など)を収容し得る。ピニオン状要素1320、1330は、略半円形であるものとして
図12に示されているが、他の変形例では、ピニオン状要素1320、1330は、円形(例えば、スポークを有するディスク又はリング状など)であってもよく、又は任意の好適な円形若しくは丸形セグメントを含んでもよい。更に、他の変形例では、ピニオン状要素1320、1330は、変化する半径を有してもよく、そのためピニオン状要素1320、1330が回転して、カニューレ突起部1390を受容する際、歯1324が歯1392と係合するピニオン状要素1320、1330の半径は、ますます狭くなり得、それによってピニオン状要素1320、1330とカニューレ突起部1390との間の係合を更に固設することができる。
【0075】
いくつかの変形例では、無菌カニューレ1380から非無菌カニューレ取り付けデバイス1300を分離するための無菌アダプタ要素は、各非無菌のピニオン状要素1320、1330と無菌突起部1390との間に配設された遊び歯車を含み得、これは非無菌部分と無菌部分との間の物理的分離を提供しながら、依然として、
図12を参照する上記の機構と実質的に同様の機構の動作を許容することができる。追加的に又は代替的に、ドレープ又は他の無菌シートが、非無菌歯1324と無菌歯1392との間に配設されてもよい。
【0076】
別の例示的な変形例では、
図13に示されるように、カニューレ取り付けデバイス1500は、カニューレ1580を受容するように構成され、カニューレ1580は、カニューレ近位部分1582と、カニューレ近位部分1582から遠位に延在するカニューレシャフト1584と、を有する。カニューレ近位部分1582は、カニューレ近位部分1582の側面から延在する突起部1590を有してもよく、突起部1590は、少なくとも1つの凹面1592を画定する凹凸表面を有する。凹面1592は、カニューレ取り付けデバイス1500上の少なくとも1つの特徴と係合するように構成される。例えば、カニューレ取り付けデバイス1500は、弁及び/又はポンプシステムを通してなど、流体(例えば、空気又は他の気体、液体など)で選択的に充填され得る、少なくとも1つの膨張可能なブラダ1520を含んでもよい。一実施例では、突起部1590は、突起部1590の外周の周囲に延在する環状チャネルなどの凹面1592を含んでもよく、ブラダ1520は、環状チャネルと嵌合、かつ係合するように構成されたトーラス状構造であってもよい。別の実施例では、突起部1590は、カニューレ取り付けデバイス1500の単一のブラダ1520と係合するように構成された凹面1592を有する少なくとも1つの側面を含む。更に別の実施例では、突起部1590は、それぞれの凹面1592を有する少なくとも2つの対向する側面を含み、その各々が、カニューレ取り付けデバイス1500上の空間又は開口部1552にわたって互いに対向する2つのブラダ1520のうちの1つと係合するように構成される。
【0077】
係合解除モードでは、ブラダ1520は、カニューレ1580の突起部1590が開口部1552に挿入されることを許容するように収縮されてもよい。一度突起部1590が開口部1552に挿入されると、ブラダ1520は、膨張され得る。いくつかの変形例では、突起部1590が開口部1520に所定の距離又は深さで挿入されるとき、突起部1590は、弁を自動的にトリガして、ブラダ1520を開放かつ膨張させることができる。トリガ機構は、接触センサ、圧力センサ、光学センサなどの機械的トリガ又は電気トリガであってもよい。付加的に又は代替的に、ユーザは、ブラダ1520の膨張を手動で開始してもよい。カニューレ取り付けデバイス1500内に配置された複数のブラダ1520が存在する変形例では、複数のブラダは、開口部1552内の突起部1590を自動的に中心に合わせ及び/又は別様に位置合わせするために、対称的に配置され、概して同一の範囲まで膨張されてもよく、これはカニューレ1580の他の部分を位置決めかつ位置合わせすることに役立ち得る。付加的に又は代替的に、複数のブレード1520のうちの少なくともいくつかは、突起部1590及び/又はカニューレの他の部分の位置ずれを補正するために、異なる範囲に膨張され得る。同様に、単一のブラダ1520が存在する変形例では、ブラダ1520は、カニューレを位置合わせし、及び/又はカニューレ1580内の固有の位置ずれを補正するために、選択された程度まで膨張され得る。取り付けデバイス1500からカニューレ1580の突起部1590を係合解除又は取り外すために、ブラダ1520は、突起部1590内の凹面1592とそれ以上係合しないように収縮されてもよい。ボタン又はスイッチなどの機構は、ブラダ1520が収縮することを可能にするために、バルブ又はポンプシステムの他の構成要素を解放するように作動させることができる。
【0078】
いくつかの変形例では、無菌カニューレ1580から非無菌カニューレ取り付けデバイス1500を分離するための無菌アダプタ要素はまた、カニューレ取り付けデバイス1500上の非無菌ブラダ1520とカニューレ1580の突起部1590との間に嵌入するドレープ又は他の無菌シート(例えば、プラスチック)を含んでもよい。
カム係止変形例
【0079】
いくつかの変形例では、カニューレをツールドライバに取り付けるためのデバイスは、カム係止機構を含んでもよい。カニューレ取り付けデバイスは、カニューレを取り付ける及び解放するとき、片手を使用して動作可能であり得る。取り付けデバイスは、ユーザが解放機構を作動させてカニューレをデバイスから係合解除するまで、カニューレを確実に保持することができ、このため、取り付けデバイスは、カニューレの偶発的な解放を防止することができる。取り付けデバイスは、カニューレを取り付ける及び解放するために、ユーザからの最小限の力を必要とし得る。例えば、取り付けデバイスは、カニューレを取り付ける及び解放するために、ユーザが5ポンド未満の力を及ぼすことを必要とし得る。
【0080】
カニューレ取り付けデバイスのカム係止機構は、カニューレが取り付けデバイスの空洞又は凹部に挿入されるとき、カニューレに自動的に掛け止めする掛け金を含んでもよい。掛け金は、ねじりばねなどの付勢要素によって掛け止め位置(例えば、閉鎖位置)に付勢されてもよい。ユーザは、レバーを作動させて、掛け金を開放位置に移動又は回転させることができ、そのためカニューレの一部分が、取り付けデバイスの凹部に挿入され得る。レバーは、増力装置として機能する歯車システムを介して掛け金に接続されてもよい。例えば、歯車システムは、ねじりばね力を克服し、掛け金を移動させるために、ユーザがねじりばねによって適用された力よりも小さい力を及ぼすことを可能にし得る。ユーザは、レバー上に4ポンド力を及ぼすことができ、この力は、ユーザが6ポンドねじりばねを克服することに役立てるために、例えば、少なくとも1.5:1の歯車比を有する歯車システムによって乗算され得る。カム係止機構がカニューレを適所に固設したとき、カニューレ取り付けデバイスは、カニューレに作用する外部の力に抵抗することができる。例えば、カム係止機構の掛け金がカニューレ上に掛け止めされるとき、掛け金は、横方向の引張力がカニューレ上に及ぼされるとき、掛け金の潜在的な移動又は回転を低減させる、近方軸線位置合わせを有してもよい。取り付けデバイスは、取り付けデバイスに適用されたねじり力、曲げ力、及び他の力に抵抗することが可能であり得る。
【0081】
いくつかの変形例では、取り付けデバイスは、トロカール又はカニューレを感知及び/若しくは識別するための感知能力を有してもよい。例えば、取り付けデバイスは、掛け金がカニューレ又はトロカール上に掛け止めされているかどうかを判定するために、カム係止機構の掛け金の位置を検出するセンサを有してもよい。センサは、例えば、磁場を検出することが可能なホール効果センサなどのトランスデューサであってもよい。ホール効果センサは、掛け金の一部分上に配設された磁石の場所を検出することによって動作することができる。別の実施例として、取り付けデバイスは、取り付けデバイスに挿入されたトロカール又はカニューレのタイプを判定するセンサを有してもよい。センサは、例えば、特定のタイプのトロカール又はカニューレを識別することができる磁極又は磁界センサであってもよい。
【0082】
図14~
図15Bは、カニューレ1780などのカニューレを外科用テーブルのツールドライバ又はロボットアームに取り付けるための取り付けデバイスの例示的な変形例を示し、取り付けデバイスは、カム係止機構を含む。
図14は、取り付けデバイス1700の斜視図であり、
図15A~
図15Bは、2つの異なる構成における取り付けデバイス1700のカム係止機構の拡大図である。
図14に示されるように、取り付けデバイス1700は、レバー1710などの作動部材を含む。レバー1710は、歯車アセンブリ1720に接続され得る。作動させるとき、レバー1710は、歯車アセンブリ1720の1つ以上の歯車を駆動して、
図15A~
図15Bに図示されるような、掛け金1740などの係止部材を移動させることができる。
【0083】
カニューレ1780は、本明細書に記載される1つ以上の他のカニューレと構造及び/又は機能が類似し得る。例えば、カニューレ1780は、例えばハブ、接続金具、コネクタなどの近位部分1782を有してもよい。カニューレ1780の近位部分1782は、取り付け部分1790を含み得る。取り付け部分1790は、近位部分1782の側面から延在してもよい。カニューレ1780はまた、近位部分1782から遠位に延在するシャフト1784(
図14に部分的に図示される)を有してもよい。
【0084】
取り付けデバイス1700の掛け金1740は、
図14及び
図15Bに示されるような閉鎖位置と、
図15Aに示されるような開放位置との間で移動可能であってもよい。掛け金1740は、例えば、カニューレ1780の取り付け部分1790内に形成された対応する形状の凹部1794内に掛け止めするように構成された突出部1748を含んでもよい。代替的に、掛け金1740は、カニューレ1780の取り付け部分1790上に配設された対応する形状の突出部を受容するように構成される凹部を含んでもよい。突出部1748が凹部1794に掛け止めされるとき、掛け金1740は、取り付け部分1790が外科用テーブルのツールドライバ又はロボットアームに確実に取り付けられることを確実とし得る。掛け金1740は、ばね1746などの付勢要素によって閉鎖位置に付勢されてもよい。掛け金1740が閉鎖位置にあるとき、掛け金1740の突出部1748は、取り付け部分1790が挿入され得る、取り付けデバイス1700の空間又は領域1750内に配設されてもよい。しかし、突出部1748が領域1750内に配設されるとき、突出部1748は、取り付け部分1790が領域1750に完全に挿入されることを実質的に防止し得る。例えば、突出部1748の表面は、取り付け部分1790の先端表面に接触し、取り付け部分1790が更に領域1750に挿入されることを防止してもよい。
【0085】
したがって、カニューレ1780を取り付けデバイス1700に取り付けるとき、ユーザは、
図5Aに示される開放位置に掛け金1740を移動させる必要があり得、そのため突出部1748は、カニューレ1780の取り付け部分1790を受容するために領域1750内に配設されない。ユーザは、例えば、レバー1710を押下することによってレバー1710を作動させて、掛け金1740を移動させることができる。有利には、レバー1710は、片手を使用してユーザによって作動され得る。レバー1710は、歯車アセンブリ1720の1つ以上の歯車及びリンク(例えば、歯車1722、1726、及びリンク1734)の移動を駆動して、掛け金1740を移動させてもよい。ばね1746の付勢力は、掛け金1740が開放位置に移動することを可能にするために克服されなければならない。しかし、好適な歯車比を有する増力装置として作用するように設計され得る歯車アセンブリ1720の歯車の相対的なサイズに基づいて、ユーザによって適用される力は、ばね付勢力を克服し、掛け金1740を開放位置に移動させるために、ばね1746の付勢力未満であり得る。例えば、レバー1710は、第1の歯車1722に取り付けられ得る。第1の歯車1722は、第1の歯車1722の中心1730から距離1731で配設された歯1724を有してもよい。第1の歯車1722の歯1724は、第2の歯車1726の歯1728と係合するように構成されてもよい。第2の歯車1726の歯1728は、第2の歯車1726の中心1732から距離1733で配設されてもよい。距離1731が、距離1733よりも大きいとき、2つの歯車1722、1726は、増力装置として作用することができ、それにより、ユーザがばね1746の付勢力を克服するためにより少ない力を適用することを可能にする。例えば、ユーザは、第1の歯車と第2の歯車との間の歯車比が約1.5:1である場合、6ポンドのばね付勢力を克服するために、4ポンド力を適用する必要があるのみであり得る。いくつかの変形例では、2つの歯車1722、1726は、歯車アセンブリ1720の有効歯車比及び力乗算効果を増加させ得る、1つ以上の付加的な歯車と直列に接続されてもよい。2つの歯車1722、1726の回転は、リンク1734の移動を駆動することができる。リンク1734が、
図15Aに示されるようなその位置に移動するとき、リンク1734の部分1738は、掛け金1740の部分1742と係合し、それによって掛け金1740をその開放位置に移動させることができる。
【0086】
掛け金1740が、その開放位置にあると、ユーザは、
図15Aに示されるように、カニューレ1780の取り付け部分1790を取り付けデバイス1700の領域1750に挿入することができる。次いで、ユーザは、
図15Bに示されるように、ばね1746が掛け金1740をその閉鎖位置に戻すように付勢することを可能にするために、レバー1710を解放してもよい。掛け金1740がその閉鎖位置に戻るように付勢されるとき、掛け金の突出部1748は、取り付け部分1790の凹部1814内に配設され、取り付け部分1790を取り付けデバイス1700の領域1750内に固設することができる。閉鎖位置では、掛け金1740は、近方軸又はオーバーセンタ位置合わせを有してもよく、そのためカニューレ1780に引張力が及ぼされるとき、掛け金1740は、移動又は回転に抵抗し得る。例示的な変形例では、取り付けデバイスは、最大250インチ-ポンド(in-lb)のモーメント及び/又は最大37 Nの力に抵抗するように設計されてもよい。
【0087】
領域1750は、取り付け部分1790の形状に対応する形状であってもよい。変形例では、領域1750は、直径約42ミリメートル(mm)を有するカニューレ1780(例えば、取り付け部分1790)の一部分を収容するように設計することができるが、他の変形例では、取り付けデバイスは、より大きい又はより小さい直径を有するカニューレを収容するように修正されてもよい。いくつかの変形例では、取り付け部分17910は、円筒形又は楕円形の断面形状(例えば、卵形又は細長い円形形状)を有してもよい。楕円形の断面形状の細長い側面は、例えば、領域1750に対するカニューレの回転及び並進を防止することに役立ち得る。他の変形例では、取り付け部分1790は、異なって形成されてもよく(例えば、台形プリズム形状、正方形錐台形状、角錐台形状などを有する)、領域1750は、取り付け部分1790を受容するように対応して成形されてもよい。いくつかの態様では、領域1750は、取り付け部分1790の領域1750へのより容易な挿入を促進するために、テーパ状であってもよい(及び取り付け部分1790は、これに対応してテーパ状であってもよい)。
【0088】
取り付けデバイス1700は、取り付けデバイス1700の他の構成要素の位置及び/又は取り付けデバイス1700に挿入されたトロカール若しくはカニューレのタイプを感知するための1つ以上のセンサを含んでもよい。例えば、センサ1760は、掛け金1740の部分1742に近接して位置決めされてもよく、掛け金1740が閉鎖位置にあり、カニューレ上に掛け止めされたときを検出することができる。センサ1760は、掛け金1740の移動に応じて、読み取り信号又は電気信号を提供する光学センサ、磁気センサ、又は他のタイプのセンサであってもよい。いくつかの変形例では、掛け金1740は、磁界を生成し得る1つ以上の磁石を含んでもよく、この磁石は、センサ1760によって検出されて、掛け金1740の位置を判定し、トロカール又はカニューレが取り付けデバイス1700に挿入されたかどうかを判定することができる。別の実施例では、取り付けデバイス1700は、トロカール又はカニューレが取り付けデバイス1700に挿入されるとき、カニューレ1780などのトロカール又はカニューレの表面に近接して位置決めされたセンサ1770を有してもよい。代替的に又は付加的に、センサ1770は、トロカール又はカニューレの存在に応じて、読み取り信号又は電気信号を提供する、光学センサ、磁気センサ、又は他のタイプのセンサであってもよい。トロカール又はカニューレは、センサ1770によって検出され、トロカール若しくはカニューレが取り付けデバイス1700に適切に配置されかつ取り付けられているかどうか、及び/又はトロカール若しくはカニューレのタイプ(例えば、トロカール又はカニューレが、特定のサイズであるか、又は特定のタイプ及びサイズの器具を受容するように構成されているか)を検出するために使用され得る磁界を生成し得る、磁石又は他の電気構成部品を含み得る。付加的に又は代替的に、トロカール又はカニューレは、センサ1770によって検出(例えば、走査、撮像)されて、トロカール又はカニューレのタイプを判定することができる、バーコード又は他のタイプの識別特徴を有してもよい。
【0089】
いくつかの変形例では、無菌カニューレ1780から非無菌取り付けデバイス1700を分離するための無菌アダプタ要素1792はまた、取り付けデバイス1700上の非無菌掛け金1740とカニューレ1780の取り付け部分1790との間に嵌入するドレープ又は他の無菌シート(例えば、プラスチック)を含んでもよい。無菌アダプタ要素17912は、2つが互いに係合されたとき、非無菌掛け金1740及び取り付け部分1790の形状に適合することができるように、十分に可撓性であってもよい。
【0090】
上記の方法が、特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、特定の事象の順序は修正されてもよい。更に、特定の事象は、それが可能であるとき、並列処理で同時に実行されてもよく、並びに上記のように順次実行されてもよい。
【0091】
上記の概略図及び/又は実施形態が、特定の配向又は位置で配置された特定の構成要素を示す場合、構成要素の配置は修正されてもよい。実施形態が詳細に示され、説明されてきた一方で、形態及び詳細において様々な変更がなされ得ることが理解されるであろう。本明細書に記載の装置及び/又は方法のいずれの部分も、相互に排他的な組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。本明細書に記載された実施形態は、記載された異なる実施形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的な組み合わせを含むことができる。