(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】電動機
(51)【国際特許分類】
H02K 33/16 20060101AFI20220719BHJP
H02K 35/02 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
H02K33/16 A
H02K35/02
(21)【出願番号】P 2020530984
(86)(22)【出願日】2018-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2018083703
(87)【国際公開番号】W WO2019110694
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-08-04
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511027312
【氏名又は名称】アーエムエス エールエデー ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ギー ドゥレッセ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-バティスト ドレベ
(72)【発明者】
【氏名】アロルド ギユマン
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-182583(JP,A)
【文献】特開平11-285226(JP,A)
【文献】特開2013-121275(JP,A)
【文献】特表2016-537592(JP,A)
【文献】特開平06-292862(JP,A)
【文献】実開平05-095678(JP,U)
【文献】特開昭50-056512(JP,A)
【文献】特開2006-307813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/16
H02K 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、前記固定子に対して移動することができる可動の電機子(Am1)と、前記可動の電機子を前記固定子に接続する機械的な接続装置(R0)と、を備え、前記接続装置は、前記可動の電機子を前記固定子からつるすように設計された複数の板ばねを備え、各板ばねは、折り曲げの際に変形可能な少なくとも一つの弾性の板を備え、前記固定子は、少なくとも一つの第1の電気コイルと、第1の端子(Ba)と第2の端子(Bb)の間に少なくとも一つの第1のオープンループ(B)を形成してこれらの端子(Ba,Bb)の間に空隙(Etf)を規定する少なくとも一つの第1の磁心と、を有し、この第1のコイルは、前記第1の磁心の一部の周りに配置された、電磁機械(M1)において、前記複数の板ばねは、空隙面(P1)の一方の側に延在し、この空隙面(P1)は、この第1のループ(B)が延在する第1のループ面(P2)に垂直であり、この空隙面(P1)は、この第1のループ(B)の前記端子の間に配置されるとともに前記第1のループ(B)のこれらの端子から離間し、前記可動の電機子は、永久磁石を有することを特徴とし、前記複数の板ばねのうちの所定の板ばねの各々は、この所定の板ばねの第1の端部から延在し、前記第1の端部は、この所定の板ばねの第2の端部が前記可動の電機子に接続されている間は前記固定子に接続され、前記複数の板ばねのうちの板ばねの少なくとも一つは、前記ループ(B)の一方の側に存在し、前記複数の板ばねのうちの少なくともそれ以外は、前記ループ(B)の他方の側に存在し、前記電機子が前記固定子に対して前記ループ面(P2)に垂直な方向に並進運動を行ったときに前記可動の電機子を前記電機子の停止の位置に戻す弾性的な戻り力を生成するとともに前記空隙面(P1)と前記ループ面(P2)の両方に含まれる横断方向(A-A)における前記可動の電機子の動きを防止するように前記複数の板ばねが配置されたことを更に特徴とする機械。
【請求項2】
前記複数の板ばねのうちの板ばねの各々は、
前記所定の
板ばねの主面(Pp)の幅方向及び長さ方向に延在し、
前記所定の
板ばね
の主面(Pp)は、前記空隙面(P1)に垂直である請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記複数の板バネのうちの所定の板ばねは、互いに同一であり、前記機械が停止しているときにその主面(Pp)が互いに平行になるように配置され、前記複数の板ばねのうちの板ばねの個別の長さ(L)は、前記空隙面(P1)に垂直である一つの同一の方向(D)で長手方向に延在している請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記接続装置は、複数の第1の調整部を備える空隙調整装置を備え、前記板ばねの少なくとも一部は、前記空隙面(P1)に垂直な少なくとも一つの移動の方向(D)におけるこの所定の板ばねと前記固定子の間の相対移動を防止するために前記第1の調整部のうちの一つが入る第1の凹部を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記接続装置は、複数の第2の調整部を備える空隙調整装置を備え、前記板ばねの少なくとも一部は、前記空隙面(P1)に垂直な少なくとも一つの移動の方向(D)におけるこの所定の板ばねと前記可動の電機子の間の相対移動を防止するために前記第2の調整部のうちの一つが入る第2の凹部を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
前記固定子は、前記第1のループ(B1)のいずれかの側に配置された第1のキャリパー及び第2のキャリパーを備え、前記第1のキャリパーは、前記第1のループ(B1)の第1の面を押圧し、前記第2のキャリパーは、この第1のループの第2の面を押圧し、前記第1のループのこれらの第1の面及び第2の面は、前記第1のループのいずれかの側に延在し、前記第1のループ面(P2)に平行であり、これらの第1のキャリパー及び第2のキャリパーの各々は、調整自在の側面パッキン部を有し、
前記第1のキャリパーの前記調整自在の側面パッキン部は、前記空隙面(P1)に垂直なずれの方向のこの第1のループの第1の面に沿ったこの第1のキャリパーのずれを防止するように前記第1のループに対向するこの第1のキャリパーを横方向に配置するために、前記第1のループの互いに逆の第1の側面周辺及び第2の側面周辺に当接し、
前記第2のキャリパーの前記調整自在の側面パッキン部は、前記空隙面(P1)に垂直な前記ずれの方向の前記第1のループの前記第2の面に沿った前記第2のキャリパーのずれを防止するように前記第1のループに対向するこの第2のキャリパーを横方向に配置するために、前記第1のループの互いに逆の前記第1の側面周辺及び第2の側面周辺に当接した請求項1~5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
前記複数の板ばねは、板ばねの第1の対及び板ばねの第2の対を備え、前記板ばねの第1の対は、前記ループ(B)に一方の側に存在し、前記板ばねの第2の対は、前記ループ(B)に他方の側に存在する請求項1~6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記板ばねの第1の対の板ばねは、前記第1のループ面(P2)に平行であるとともに前記第1のループ面(P2)から離間して延在する前記可動の電機子の第1のエッジ(Bd1)の各端部に配置され、前記板ばねの第2の対の板ばねは、前記第1のループ面(P2)に平行であるとともに前記第1のループ面(P2)から離間して延在する前記可動の電機子の第2のエッジ(Bd2)の各端部に配置され、前記可動の電機子のこれらの第1のエッジ(Bd1)及び第2のエッジ(Bd2)は、前記第1のループ面(P2)のいずれかの側に配置され、延在の方向で前記ループ面(P2)に平行である請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記複数の板ばねのうちの板ばねの少なくとも一部は、前記空隙面(P1)に平行な延在の方向で前記空隙面(P1)に平行であるとともに前記空隙面(P1)から離間した前記可動の電機子の第1のエッジ(Bd1)の端部に配置された締結部により前記可動の電機子に接続されている請求項1~7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記可動の電機子は、前記磁石を離間して保持するために前記磁石の間に配置された磁石スペーサを備える請求項1~9にいずれか一項に記載の機械。
【請求項11】
前記複数の板ばねの各々は、複数の板を備える請求項1~10のいずれか一項に記載の機械。
【請求項12】
前記複数の板は、板セパレータによって互いに分離され、前記板セパレータは、これらの板セパレータの外部ずれ面に対するばねの
前記複数の板のずれを許容するために配置された請求項11に記載の機械。
【請求項13】
前記複数の板ばねの板の少なくとも一部は、孔あきであり、孔あきの板は、一方の側で二つの細長い板折り曲げゾーンを有するように前記板を貫通する少なくとも一つの孔を有する請求項1~12のいずれか一項に記載の機械。
【請求項14】
前記可動の電機子に含まれる前記磁石は、第1の磁石及び第2の磁石を備え、前記第1の磁石は、前記第1のループの第1の端子に向いた北の極性及び前記第1のループの第2の端子に向いた南の極性を有し、前記第2の磁石は、前記第1のループの第1の端子に向いた南の極性及び前記第1のループの第2の端子に向いた北の極性を有する請求項1~13のいずれか一項に記載の機械。
【請求項15】
前記第1の磁石及び前記第2の磁石の各々は、前記空隙面(P1)に及び前記第1のループ面(P2)に平行な長さに沿って延在する請求項14に記載の機械。
【請求項16】
前記可動の電機子(Am1)は、この可動の電機子(Am1)が前記第1のオープンループ(B)の前記第1の端子(Ba)と前記第2の端子(Bb)の間に配置されるように前記接続装置(R0)を介してつるされる請求項1~15のいずれか一項に記載の機械。
【請求項17】
前記第1のオープンループ(B)は、C形状の少なくとも第1の磁路を規定するように構成され、
前記少なくとも第1の磁路の端子はそれぞれ、前記第1のオープンループ(B)の前記第1の端子(Ba)及び前記第2の端子(Bb)によって形成される請求項16に記載の機械。
【請求項18】
45Hzと450Hzの間の振動数で前記可動の電機子が前記固定子に対して振動するように前記少なくとも一つの第1のコイルへの供給信号を生成する信号生成手段を備え、可動のアセンブリの共振周波数に±20%の範囲内で等しいこの振動数によって、前記固定子に対する移動が可能になり、この可動のアセンブリは、少なくとも前記複数の板ばね及び前記可動の電機子を備える請求項1~17のいずれか一項に記載の機械。
【請求項19】
前記複数の板ばねは、前記可動の電機子が前記可動の電機子の前記停止の位置に対して最大でも2mmの距離だけ移動するときに前記停止の位置に前記可動の電機子を戻す前記弾性的な戻り力が5Nと500Nの間の最大の力の値をとる全弾性スティフネスを有する請求項1~17のいずれか一項に記載の機械。
【請求項20】
前記固定子に対する前記可動の電機子の移動を設定信号に従って自動的に制御するように設計された供給信号の生成器を備える請求項1~17のいずれか一項に記載の機械。
【請求項21】
少なくとも一つの流体循環装置を備え、前記固定子は、前記流体循環装置の少なくとも一つのボディに取り付けられ、前記可動の電機子は、前記少なくとも一つのボディの内側に配置された流体輸送手段に取り付けられ、この流体輸送手段は、電動機の作動に応答してこの流体輸送手段が流体を前記流体循環装置の少なくとも一つのボディの流体注入口から前記流体循環装置の少なくとも一つのボディの流体排出口まで流体を輸送するように配置された請求項1~17のいずれか一項に記載の機械。
【請求項22】
前記少なくとも一つの流体循環装置は、ダイヤフラムが流体輸送手段であるリップルダイヤフラム流体循環装置であり、前記流体輸送手段は、前記可動の電機子に取り付けられたダイヤフラム上流端からダイヤフラム下流端までリップルを通過させることができる請求項21に記載の機械。
【請求項23】
前記固定子に対する前記可動の電機子の移動により作動させるように前記可動の電機子に取り付けられたツールを備え、このツールは、切削ツール、衝撃ツール、孔あけツール、振動伝達ツール、振動減衰ツール及び前記可動の電機子の移動に対して検査されるワークピースの物理パラメータを測定するツールを備えるツールからなる群から選択される請求項1~17のいずれか一項に記載の機械。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の複数の機械を備え、これらの機械の前記固定子は、他の一つに接続され、これらの機械の前記可動の電機子は、同一の振動数で振動するように設計されるアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機又は発電機のような電磁機械の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
コイルが設けられた固定子及び固定子に対して移動可能な電機子を有し、この電機子が永久磁石を有するとともにガイドウェイ及びらせんばねにより固定子に対して移動するようにガイドされ、固定子に対する停止の安定した位置に電機子を戻す戻り力を加えるようにらせんばねが配置された電磁機械が、例えば、米国特許第3746937号明細書から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような機械の効率は、ガイドウェイの摩擦により最小化される。電磁機械が欧州特許公開第1548917号明細書にも開示されているが、その電機子は、効率に影響を及ぼすために所定の応用に対して不所望であると考えられる寄生的な移動を有する。米国特許第6405599号明細書の電磁機械は、可動の電機子の寄生的な移動を減少させるが、エネルギー効率を改善する必要がある。
【0004】
本発明の目的は、可動の電機子が固定子に対して移動する際に接触部のあり得る摩擦及び消耗に関するエネルギー損失を制限する理想的な電磁機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明は、固定子と、固定子に対して移動することができる可動の電機子と、可動の電機子を固定子に接続する機械的な接続装置と、を備え、接続装置は、可動の電機子を固定子からつるすように設計された複数の板ばねを備え、各板ばねは、折り曲げの際に変形可能な少なくとも一つの弾性の板を備え、固定子は、少なくとも一つの第1の電気コイルと、第1の端子と第2の端子の間に少なくとも一つの第1のオープンループを形成してこれらの端子の間に空隙を規定する少なくとも一つの第1の磁心と、を有し、この第1のコイルは、第1の磁心の一部の周りに配置された電磁機械を提案する。
【0006】
本発明による電磁機械は、本質的には、複数の板ばねは、空隙面の一方の側に延在し、この空隙面は、この第1のループが延在する第1のループ面に垂直であり、この空隙面は、この第1のループの端子の間に配置されるとともに第1のループのこれらの端子から離間し、可動の電機子は、永久磁石を有することを特徴とする。
【0007】
本発明による電磁機械は、複数の板ばねのうちの所定の板ばねの各々は、この所定の板ばねの第1の端部から延在し、第1の端部は、この所定の板ばねの第2の端部が可動の電機子に接続されている(取り付けられている)間は固定子に接続され(取り付けられ)、複数の板ばねのうちの板ばねの少なくとも一つは、ループの一方の側に存在し、複数の板ばねのうちの少なくともそれ以外は、ループの他方の側に存在し、電機子が固定子に対してループ面に垂直な方向に並進運動を行ったときに可動の電機子を電機子の停止の位置に戻す弾性的な戻り力を生成するとともに空隙面とループ面の両方に含まれる横断方向における可動の電機子の動きを防止するように複数の板ばねが配置されたことを更に特徴とする。
【0008】
したがって、電機子が固定子に対してループ面に垂直な方向に並進運動を行うことを許容するとともに可動の電機子を電機子の停止の位置に戻す弾性的な戻り力を生成するように複数の板ばねが配置される。
【0009】
本発明の理解のために、可動の電機子の停止の位置は、(一つ以上の)コイルに給電されないとともに可動の電機子が固定子に対して動かないときに可動の電機子が存在する位置である。
【0010】
「空隙面とループ面の両方を含む方向の可動の電機子の移動を防止するために配置された複数の板ばね」の特徴は、複数のばねが、
ループ面に垂直な方向における固定子に対する可動の電機子の移動に弾性的に反発する第1の弾性スティフネスと、
空隙面とループ面の両方を備えた横断方向における固定子に対する可動の電機子の移動に弾性的に反発する横断スティフネスとも称される第2の弾性スティフネスであって、第1の弾性スティフネスより少なくとも100倍より大きく、好適には、この第1の弾性スティフネスより少なくとも200倍より大きい第2の弾性スティフネスと、
を有することを意味するものと理解されたい。
【0011】
したがって、複数の板ばねは、
一方では、ループ面に垂直な方向すなわちループ面に垂直な面に延在する方向における構造の移動を許容する第1のスティフネスが存在し、ループ面に垂直な移動の少なくとも一つの成分を有し、
他方では、第1のスティフネスより著しく大きく、かつ、可動の電機子の横断方向の移動を防止する第2のスティフネスが存在するように配置される。
【0012】
したがって、横断方向の移動を防止するという概念は、移動の許可の方向における移動の許可に対して解釈される。
【0013】
したがって、可動の電機子を横断方向に所定の距離だけ移動させるために、この可動の電機子を移動させるのに必要な力より少なくとも100倍より大きい力を、同一の所定の距離に亘って、ループ面に略垂直な方向に加える必要がある。
【0014】
この横断方向は、空隙面及びループ面に延在する。
【0015】
空隙面の一方の側に延在する板ばねを有することによって、空隙面のいずれかの側に存在するとともに固定子のいずれかの側に接続された板ばねが存在する状況よりも可動の電機子が移動するために板ばねに及ぼされる機械的張力を制限することができる。
【0016】
板ばねのこのような張力を最小にすることによって、
板ばねに張力をかけることに関連するエネルギー損失が制限されるとともに電磁機械のエネルギー効率が増大し、さらに、
ばねの消耗が制限され、これによって、機械の耐用年数が長くなる。
【0017】
この第1のコイルは、
電磁機械が電動機モードで動作中であるときに空隙に磁界を誘導できるようにするとともにこの第1のコイルが第1の電気信号によって給電されたときに可動の電機子を移動させることができるように、又は、
発電機モードにおいて、可動の電機子の移動の影響により磁界が空隙を通過するときに第1の電気信号を生成できるように、
状況に応じて第1の磁心の一部の周りに配置される。
【0018】
したがって、本発明による電磁機械は、発電機になることができる、又は、好適には、電動機になることができる。
【0019】
本発明を、後に説明する添付図面を参照しながら更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1B】固定子に対して電機子を支持するために電機子の一方の側に延在する四つの互いに同一の板ばねを見ることができる
図1Aの本発明による電磁機械可動の電機子の斜視図である。
【
図2】空隙に磁束を誘導するとともにこの空隙の磁束の変動に応答して電気信号を生成するために第1の磁心の互いに異なる二つのポイントに二つの巻きコイルを示す
図1Aの機械の横断面II-IIに沿った断面図である。
【
図3a】第1のループBが形成される面P2のいずれかの側にそれぞれ配置された二つの板ばねを備える本発明による機械の一例である。
【
図3b1】空隙における電機子の一方の方向及び他方の方向への交互の移動が生じるようにするために本発明による機械によって用いられる三つの連続的な状態の一つを示す。
【
図3b2】空隙における電機子の一方の方向及び他方の方向への交互の移動が生じるようにするために本発明による機械によって用いられる三つの連続的な状態の一つを示す。
【
図3b3】空隙における電機子の一方の方向及び他方の方向への交互の移動が生じるようにするために本発明による機械によって用いられる三つの連続的な状態の一つを示す。
【
図4】同一の板ばねの板が互いにスリップできるように配置された板セパレータによって同一の板ばねの板が互いに離間されたことがわかる板ばねの実施の形態を示す。
【
図5a】一方では第1の機械M1の可動の電機子に固定されるとともに他方では第2の機械M2の可動の電機子に固定される固定部Ps1によって互いに結合された本発明による二つの電磁機械を示し、これらの機械は、ここでは、結合された機械のこのアセンブリのいずれかの側に配置された固定子/板ばね接続と対向して結合され、このモードにおいて、機械が移動に同期したとき、接続部Ps1には、振動の振幅に応じて増大する張力が加えられ、これらの機械の間の同期の影響が増大する。
【
図5B】一方では第1の機械の可動の電機子に固定されるとともに他方では第2の機械の可動の電機子に固定される固定部によって互いに結合された本発明による二つの電磁機械M1,M2を示し、これらの機械は、ここでは、並列に結合され、このモードにおいて、機械が同期するとともに電機子が並進運動に互いに影響を及ぼすとき、接続部は、電機子が分離しているためにけん引なく同一の振幅の並進運動を行い、本実施の形態は、固定部Ps2に加えられる引張応力が少なくなるために効率の損失を制限する。
【
図6】機械のアセンブリを形成するために本発明による二つの電磁機械を結合する他の方法を示し、この場合、これらの機械の固定子は、機械/固定子の第1の磁気コアを形成する同一の固定子部を共有するために互いに接合され、これは、これらの機械の間の振動を制限し、特に、電機子の移動の結合を促進する。
【
図7】本発明による電磁機械M1及び循環装置Pxを備えるポンプアセンブリを示し、循環装置Pxは、流体を循環装置注入口ら循環装置排出口まで循環するとともに逆流を防止するように備え付けられた二つの逆流防止弁の間に延在するチャンバを規定する循環装置ボディと、この場合は電動機である本発明による電磁機械に属するアクチュエーティングロッドTa1の回帰性の振動運動に応じてチャンバの量を変動させるダイヤフラムと、を備える。
【
図8a】電磁機械、この場合、本発明による電動機を備える本発明による循環装置アセンブリの断面図であり、ダイヤフラムのリップルダイヤフラム流体循環装置ボディは、リップルを循環装置流入口と循環装置排出口の間で通過させるとともにこれによってこの循環装置における流体の流れを生じさせるボディに配置される。
【
図8b】
図8aの循環装置アセンブリを示すが
図8aの図に垂直な断面を示す。ここでは、ダイヤフラムMb1の外縁は、可動の電機子に固定された互いに平行な二つのアクチュエーティングロッドTa1,Ta2に接続され、アクチュエーティングロッドTa1,Ta2が、並進運動においてダイヤフラムの外縁を駆動するために延在し、したがって、流体を循環させるためにこのダイヤフラムMb1に沿って動くリップルを誘導する。
【
図9】例えば、
図7、
図8a及び
図8bにおけるようにポンプ/循環装置を駆動するために用いられる本発明による電磁機械に給電する装置を示し、この給電装置は、電源ネットワークを備え、その出力部において、電流を平滑化する(とともにネットワークの妨害を制限する)ために第1のフィルタを配置することができ、電流整流器が、この第1のフィルタの出力部に配置され、第2のフィルタF2が、この電流整流器の出力部に配置され、インバータが、この第2のフィルタF2と本発明による電磁機械/電動機との間に配置される。電圧を平滑化するとともに機械の寄生ノイズ又は振動を防止するために、インバータと機械M1の間で下流にフィルタを設置することもできる。ここでは、電磁機械と、遮断機を有する電源装置と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述したように、本発明は、本質的には、固定子St1と、固定子に対して移動することができる可動の電機子Am1と、可動の電機子を固定子に接続する機械的な接続装置St1と、を備える電磁機械M1に関する。
【0022】
接続装置は、可動の電機子Am1を固定子St1からつるすように設計された複数の板ばねR1,R2,R3,R4を備える。
【0023】
板ばねR1,R2,R3,R4はそれぞれ、折り曲げの際に変形可能な少なくとも一つの弾性の板Lmを備える。
【0024】
固定子St1は、少なくとも第1の電気コイルA1を備え、この場合、二つのコイルA1及びA2を備える。
【0025】
図3の例からわかるように、固定子St1は、第1の端子Baと第2の端子Bbの間に少なくとも一つのオープンループBを形成してこれらの端子Ba,Bbの間に空隙Etfを規定する少なくとも一つの第1の磁心Nx1も備える。
【0026】
可動の電機子Am1は、この可動の電機子Am1が第1のオープンループBの第1の端子Baと第2の端子Bbの間に配置されるように接続装置R0を介してつるされる。このオープンループBは、C形状の少なくとも第1の磁路F1を規定するように構成され、このC形状の端子はそれぞれ、第1のオープンループBの第1の端子Ba及び第2の端子Bbによって形成される。第1のコイルA1は、空隙P1の一方の側において、第1の磁心Nxの一部の周りに配置され、それに対し、第2のコイルA2は、空隙P1の他方の側において、第1の磁心の他の部分の周りに配置される。
【0027】
第1のコイルA1は、第2のコイルA2と同様に、複数の固定子巻線、すなわち、周辺機器の電気絶縁体が被覆された導電材料の複数の巻線を有し、コイルの互いに隣接する巻線は、この絶縁材料によって互いに分離される。
【0028】
第1のコアは、磁界が第1のループの端子の間の空隙を通過するように第1のオープンループに沿って磁力線を導く磁心と称されるマイルドな強磁性体から構成された極部を形成する。空隙を通過する磁界は、作用磁界と称される。
【0029】
更に詳しくは、第1の磁心は、複数のマイルドな強磁性体の積層から形成される。
【0030】
第1の磁心は、第1のループ面P2に延在する第2のオープンループも形成する。換言すれば、これらの第1のオープンループ及び第2のオープンループはそれぞれCを形成し、これらのオープンループの端部は、固定子St1の空隙Etfを互いに規定するように適合する。
【0031】
第2のオープンループの端子は、空隙面のいずれかの側に延在する。
【0032】
第1のオープンループ及び第2のオープンループの第1の端子は、空隙面P1の一方の側に空隙の一端を互いに規定するように適合するとともに一致する。
【0033】
同様に、第1のオープンループ及び第2のオープンループの第2の端子は、空隙面P1の他方の側に空隙の他端を互いに規定するように適合するとともに一致する。
【0034】
電動機モードにおいて、これらのコイルの各々は、コイルに第1の電気信号が供給されるときに空隙に磁界を誘導するとともに可動の電機子を移動させてもよい。
【0035】
発電機モードにおいて、これらのコイルの各々は、可動の電機子の移動の影響により磁界が空隙Etfを通過するときに第1の電気信号を生成する。
【0036】
これらのコイルは、好適には、同一の巻方向で直列に取り付けられ、これらのコイルは、さらに、本発明による機械が一致した動きをするように互いに同一である。
【0037】
可動の電機子Am1の正確な移動を可能にするために、少なくとも一つのインバータを有する電源を設け、可能な場合には、電源を、
図9に示す更に複雑な電源に組み込む。
【0038】
図1Aを参照しながら説明するように、複数の板ばねR1,R2,R3,R4は、空隙面P1の一方の側に延在し、この空隙面P1は、この第1のループBが延在する第1のループ面P2に垂直である。
【0039】
この空隙面P1は、この第1のループBの端子の間に配置されるとともに第1のループBのこれらの端子から離間している。
【0040】
可動の電機子は、永久磁石Mn1,Mn2を有する。
【0041】
機械は、複数の板ばねR0のうちの所定の板ばねR1,R2,R3,R4の各々は、この所定の板ばねの第1の端部から延在し、第1の端部は、この所定の板ばねの第2の端部が可動の電機子Am1に接続されている(取り付けられている)間は固定子St1に接続される(取り付けられる)。
【0042】
複数の板ばねのうちのばねR1の少なくとも一つは、ループBの面の一方の側に存在し、複数の板ばねのうちのばねR2の少なくともそれ以外は、ループBの面の他方の側に存在する。
【0043】
ループ面P2に垂直な方向における固定子St1に対する可動の電機子Am1の並進運動を可能にするとともにこのループ面P2に含まれる方向における可動の電機子Am1の動きを防止するように複数の板ばねが配置される。
【0044】
そのために、複数の板ばねR1,R2,R3,R4は、ループ面P2の一方の側に配置された少なくとも一つの板ばね及びループ面P2の他方の側に配置された少なくとも一つの板ばねを備え、複数の板ばねのうちのある板ばねは、空隙面P1の一方の側のみに配置される。
【0045】
これらの板ばねは、空隙面P1及び空隙面P2に平行な方向から観察したとき、互いに平行な辺のうちのの二つが少なくとも二つの板ばねによって形成されるとともに他の二つの互いに平行な辺が可動の電機子Am1及び固定子St1のエッジによって形成される平行四辺形を形成する。
【0046】
複数の板ばねのうちの板ばねの各々は、組込接続によって固定子St1に接続した第1の端部と、組込接続によって可動の電機子Am1に接続した第2の端部と、を有する。
【0047】
したがって、可動の電機子Am1が固定子St1に対して移動すると、板ばねの各々は、
図3b2及び
図3b3に示すように二つの端部で折り曲げられる。
【0048】
各板ばねの組込接続及び平行四辺形配置のために、同一のばねの折り曲げは互いに逆方向となり、これらの折り曲げの一方は、ばねの面の一つに向きが合わされ、折り曲げの他方は、ばねの他の面に向きが合わされる。
【0049】
固定子St1に対する可動の電機子Am1の最大の移動の範囲内で、板ばねの変形は、これらの板ばねの全てに対して同一である。したがって、電機子は、固定子に対して常に同一の向きを維持し、それは、電動機の効率の観点から有利である。その理由は、ループ面P2に対する磁石の極のそれぞれの向きが一定のままであるからである。
【0050】
可動の電機子と固定子の間の接続のこのようなモードの一つの利点は、固定子と電機子の間の自由長の全体に沿ってもっぱら平坦である板ばねを使用できることである。
【0051】
これによって、板ばねの軸方向剛性のために空隙を減少させることができ、この剛性は、磁石が固定子によって引き付けられたときに板ばねの伸縮が長さの1/1000未満であることを保証するのに十分であると考えられる。この利点によって、空隙の磁気損失を制限することができ、したがって、システムの全体的な効率が上がる。
【0052】
これによって、所望の共振を取得するとともに圧力の分布を正確に制御するように材料の使用を最適化するために板ばねの設計を簡単化することができる。
【0053】
したがって、板ばねの製造が簡単化される。その理由は、凹凸又は丸みを帯びた固定エッジを用いることなく板ばねを簡単に平坦にすることができるからである。
【0054】
ばねを簡単化することによって、ばねの特性を再現することができ、これらのばねの大量生産が更に容易になる。
【0055】
したがって、面P2に垂直な並進運動の少なくとも一つの主要な第1の成分を有する可動の電機子(磁石支持)の並進運動が可能になり、並進運動の他の全ての成分は最小にされる。板ばねはそれぞれ、
ループ面P2に垂直な方向において専ら板ばねに加えられる応力(力)に起因する曲げの有利な方向の第1の曲げ剛性と、
ループ面P2に延在するとともに空隙面P1に平行な方向において専ら板ばねに付与される応力(力)に起因する曲げの/曲げを防止するのに有利でない方向の第2の曲げ剛性と、
を有する。
【0056】
曲げに有利でない方向の第2の曲げ剛性は、曲げの有利な方向の第1の曲げ剛性の少なくとも100倍より上であり、好適には、曲げの有利な方向の第1の曲げ剛性の少なくとも200倍より上である。
【0057】
第1の剛性は、ループ面P2に平行であるとともに空隙面P1に平行に延在する板ばねの曲げの軸線に対する板ばねの曲げ剛性に対応する。
【0058】
第2の剛性は、ループ面P2に垂直に延在する板ばねの曲げの軸に対する板ばねの曲げ剛性に対応する。
【0059】
図1Bに示すように、第2の剛性より著しく低い第1の剛性は、複数の板ばねのうちの板ばねの各々の断面Stの領域の2次モーメントによって得られる。
【0060】
したがって、複数の板ばねのうちの板ばねの一つの断面Stに対して、
この断面に延在するとともにループ面P2及び空隙面P1に平行なモーメントの第1の軸X1に対するこの板ばねのエリアの値の2次モーメントが存在し、モーメントは、2次モーメントの少なくとも100倍に等しく、好適には、この2次モーメントの200倍に等しく、
同一の断面に延在するモーメントの第2の軸Y1に対するこの板ばねのエリアの値の2次モーメントが存在し、モーメントのこの第2の軸Y1は、この断面のモーメントの第1の軸X1に垂直である(この場合、所定の板ばねの断面Stに対して、モーメントの第2の軸Y1は、空隙面P1に平行であるとともにループ面P2に垂直である。)。
【0061】
これは、空隙面P1及びループ面P2に平行な方向で測定した断面Stの最小幅より小さいループ面P2に垂直な方向で測定した断面Stの最大厚さを有する断面を有する板ばねを用いることによって得られる。
【0062】
これによって、電機子の並進運動が行われ、同時に、これらのばねに付与される張力/応力が制限される。その理由は、ばねが一端で固定子に固定されるからであり、固定子から離間したばねの端部によって電機子を簡単に移動させることができる。
【0063】
ばねに付与される張力の最大レベルを制限するとともに長さ全体に亘って応力を広げるばねの設計によりサスペンションシステムの剛性を制御することによって、ばねの消耗を制限することができ、これによって、機械の耐用年数が長くなる。
【0064】
これによって、機械M1の効率が上がる。
【0065】
図1A及び
図1Bに示すように、二つのアクチュエーティングロッドTa1,Ta2は、可動の電機子に接続され、これらのアクチュエーティングロッドTa1,Ta2は、互いに平行であるとともに第1のループ面P2に垂直な共通の方向に延在する。不所望な曲げの影響を制限するために、これらのアクチュエーティングロッドTa1,Ta2の各々を、対応する板ばねR1,R2の一つの対向するものに向ける。
【0066】
代替的には、可動の電機子から延在するとともに第1のループ面P2に垂直な方向を有する単一のアクチュエーティングロッドを有してもよい。この単一のロッドは、電機子の対称な面に固定される。この実施の形態によって、電磁機械の移動量を制限することができるが、
図1A、
図1B、
図2、
図6及び
図6bに示す二つのロッドの場合により旋回力に対する感度が高くなる。
【0067】
図1B及び
図2からわかるように、可動の電機子は、永久磁石Mn1,Mn2を包囲するフレームを備え、このフレームにおいて、いずれかの側に開口窓を形成する。有利には、磁石を、一つの大きな移動部を形成するためにこのフレームにオーバーモールドしてもよく、又は、このフレームを磁性材料でモールドしてもよく、この場合、磁石によって常に占有される領域のみが強力な磁界の通過により磁化され、その結果、全体で二つの対の互いに逆の磁極となる二つの永久的な磁化が形成される。
【0068】
この開口の利点は、
図2から理解できる。その理由は、磁石Mn1,Mn2の極にできるだけ近接するように第1のループの端子及び第2のループの端子を窓の右に配置できるからであり、したがって、機械M1の効率を向上させる。
【0069】
可動の電機子は、好適には、磁石を離間して保持するために磁石の間に配置される磁石スペーサを備える。
【0070】
このスペーサは、任意の非磁性体から構成され、好適には、磁石フレーム/支持体と同一の材料から構成される。
【0071】
したがって、磁石フレーム/磁石スペーサは、好適には、ガラス繊維又はビーズが充填された、ポリマー、ポリアセタール、デルリン(登録商標)、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリアミド(PA6,PA66,PA12)からなる材料の群から選択した材料から構成される。
【0072】
可動の電機子Am1に設けられる磁石は、第1の磁石Mn1及び第2の磁石Mn2を備える。
【0073】
第1の磁石Mn1は、第1のループBの第1の端子に向けられた北の極性Nと、第1のループBの第2の端子に向けられた南の極性Sと、を有し、第2の磁石Mn2は、第1のループBの第1の端子に向けられた南の極性Sと、第1のループBの第2の端子に向けられた北の極性Nと、を有する。
【0074】
第1の磁石及び第2の磁石の各々は、個別の長さ、個別の厚さ及び個別の幅を有し、第1の磁石及び第2の磁石の各々は、空隙面(P1)及び第1のループ面(P2)に平行な長さに沿って延在する。
【0075】
したがって、磁石の長さは、複数の板ばねによってガイドされる可動の電機子の並進運動の方向に垂直である。
【0076】
理想的には、複数の板ばねのうちの板ばねR1,R2,R3,R4の各々は、この所定のばねの主面Ppの幅方向及び長さ方向に延在し、この所定のばねのこの主面Ppは、空隙面P1に垂直である。
【0077】
換言すれば、これらの板ばねの板は、機械が静止状態であるとともに可動の電機子が移動する際にばねが折り曲げられたときに平坦である。
【0078】
この配置にもかかわらず、固定子に対する可動の電機子の移動の瞬時のそれぞれにおいて、板ばねの各々は、空隙面P1に互いに垂直であるとともに第1のループ面P2に互いに垂直である曲げ方向に十分に曲げ応力が加えられる。
【0079】
本実施の形態によれば、複数の所定のばねのうちの所定のばねが互いに同一であるとともに機械が静止状態であるときにその主面Ppが互いに平行であることが保証されるようなステップを行うことができる。
【0080】
したがって、
図2に示すように、
図3b1及び
図3b2を参照すると、複数の板ばねのうちの全ての板ばねは、可動の電機子が固定子に対して移動するときに等しく変形される。この移動の瞬時の各々において、
可動の電機子Am1は、空隙面P1及びループ面P2に垂直な面P3に延在する並進運動Dxの方向にのみ移動することができ、
可動の電機子Am1は、空隙面P1に対して常に同一の方向に向いたままである。
【0081】
複数の板ばねの向きを考えると、に第1のループ面P2及び空隙面P1に平行な横断方向における固定子に対する可動の電機子Am1の移動の可能性は、特に低く、すなわち、並進運動Dxの方向における固定子に対する可動の電機子Am1のあり得る移動の数千分の1未満である。したがって、空隙面P1及び第1のループ面P2に平行な方向における可動の電機子の移動は、防止されているとみなされる。
【0082】
したがって、面P3を横断する寄生移動及び面P3に垂直な軸に対する可動の電機子の寄生回転が防止される。
【0083】
繰り返すと、寄生移動及び寄生回転を防止することによって、寄生振動の影響により引き起こされる効率の損失を制限する。
【0084】
本実施の形態によれば、特に
図2に示すように、好適には、複数の板ばねのうちのばねの個別の長さLが空隙面P1に垂直な同一方向Dにおいて長手方向に延在することが保証されるステップを実行する。
【0085】
本実施の形態において、複数の板ばねのうちの所定の板ばねの各々は、第1の端部から第2の端部まで長手方向に延在し、これらの第1の端部及び第2の端部は、この所定のばねの長手方向の端部Lを構成する。
【0086】
代替的には、
図3aに示すように、複数の板ばねのうちの所定の板ばねの各々は、第1の端部から第2の端部まで幅方向に延在してもよく、これらの第1の端部及び第2の端部は、(長手方向の端部とは逆の)この所定のばねの横方向の端部を構成する。この所定のばねの長さLは、空隙面P1に平行であってもよい。
【0087】
ばねの板を曲げてもよく、曲げられた板の各々は、この板の長手方向に沿って曲げられる。
【0088】
同様に、電動機の使用中の疲労に対する感度を減少させるために板の少なくとも一部に仕上げ処理を施してもよい。このために、板の少なくとも一部は、研磨及び/又はピーニング(ショートピーニング)及び/又は例えばレーザを用いてマイクロピーニング(レーザピーニング)された外面を有してもよい。マイクロピーニングは、ピーニングされた板ばねの疲労強度を上げる。
【0089】
一つの好適な実施の形態において、接続装置R0は、複数の第1の調整部(この場合、複数の第1のピンG1)を備える空隙調整装置を備える。板ばねR1,R2,R3,R4の少なくとも一部は、空隙面P1に垂直な少なくとも一つの移動の方向Dにおけるこの所定の板ばねと固定子の間の相対移動を防止するために第1の調整部G1のうちの一つが入る凹部を有する。
【0090】
したがって、第1の調整部の各々は、空隙面P1に垂直な少なくとも一つの方向Dにおけるばねの移動を防止するために固定子に固定される。
【0091】
可動の電機子と第1のループの端子の間の空隙のクリアランスが小さくなるに従って、電磁機械の性能は、電磁機械が電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する又は力学的エネルギーに変換する効率に関して向上する。
【0092】
したがって、空隙面に垂直な方向における固定子に対する所定の板ばねの移動のおそれを制限することによって、可動の電機子が固定子にこすり付けられるおそれ、したがって、機械の効率が制御できない状態で変動するおそれを制限する。
【0093】
選択的には、可動の電機子の磁石と第1のループ又は第2のループの端子の間で測定される空隙のクリアランスは、常に1.5mmより下であり、好適には、磁石面の間で0.5mm以下であり、これらの空隙のクリアランスは、好適には、これらの空隙のクリアランスの最大の空隙のクリアランスの値の30%の誤差はあるとしても互いに等しい。当然、これらの値は、本発明による電気機械の寸法に応じて異なってもよい。
【0094】
代替的には、固定子は、ノイズの原因となる振動の拡散を防止するために、固定子と固定子が取り付けられる場所(例えば、固定子のハウジング又は脚部)の間にダンパーを有する。固定子をハウジングの内部に配置することもでき、場合によっては、ハウジングの内部のノイズを防止する防音部を機械のハウジングの内部に配置することができる。ハウジングの内部と外部の間に防音部を設けるために、このハウジングが静止するガスケットを追加してもよい。
【0095】
一つの好適な実施の形態において、空隙調整装置R0は、複数の第2の調整部(この場合、
図1Bに見える複数の第2のピンG2)を備える。板ばねの少なくとも一部は、空隙面P1に垂直な少なくとも一つの移動の方向Dにおけるこの所定の板ばねと可動の電機子Am1の間の相対移動を防止するために第2の調整部のうちの一つが入る第2の凹部を有する。
【0096】
第2の調整部G2の各々は、可動の電機子Am1に固定される。
【0097】
したがって、空隙面Etfに垂直な方向Dにおける固定子St1及び可動の電機子Am1に対する所定の板ばねの移動のおそれを制限することによって、機械の効率が制御できない状態で変動するおそれを更に制限する。
【0098】
図1A及び
図2に示すように、固定子は、第1のループB1のいずれかの側に配置された(それぞれがU字形状の)第1のキャリパーEt1及び第2のキャリパーEt2を備える。第1のキャリパーEt1は、第1のループB1の第1の面を押圧し、第2のキャリパーEt2は、この第1のループB1の第2の面を押圧する。第1のループB1のこれらの第1の面及び第2の面は、第1のループのいずれかの側に延在し、第1のループ面P2に平行である。
【0099】
第1のキャリパーEt1及び第2のキャリパーEt2の各々は、調整自在の側面パッキン部V1,V2,Vx1,Vx2を有する。
【0100】
第1のキャリパーEt1の調整自在の側面パッキン部は、空隙面P1に垂直なずれの方向Dのこの第1のループの第1の面に沿ったこの第1のキャリパーEt1のずれを防止するように第1のループBに対向するこの第1のキャリパーEt1を横方向に配置するために、第1のループの互いに逆の第1の側面Ct1周辺及び第2の側面周辺Ct2に当接する。
【0101】
第2のキャリパーVx2の調整自在の側面パッキン部は、空隙面P1に垂直なずれの方向Dの第1のループの第2の面に沿った第2のキャリパーのずれを防止するように第1のループに対向するこの第2のキャリパーEt2を横方向に配置するために、第1のループBの互いに逆の第1の側面周辺Ct1及び第2の側面周辺Ct2に当接する。
【0102】
第1のキャリパーEt1の側面パッキン部は、
第1のループBの第1の側面周辺Ct1の一部の反対側に延在する側面突起Pt1の第1の対と、
第1のループBの第2の側面周辺Ct2の一部の反対側に延在する側面突起Pt2の第1の対と、
を備え、第1のキャリパーの所定の側面突起Pt1,Pt2はそれぞれ、この所定の突起V1,V2が延在する反対側の側面周辺に対する隣接部に到達するようにこの所定の側面突起を貫通する調整ねじV1,V2を有することに留意されたい。
【0103】
同様に、第2のキャリパーEt2の側面パッキン部は、
第1のループBの第1の側面周辺Ct1の一部の反対側に延在する側面突起Pt3の第1の対と、
第1のループBの第2の側面周辺Ct2の一部の反対側に延在する側面突起Pt4の第1の対と、
を備え、第1のキャリパーの所定の側面突起Pt3,Pt4はそれぞれ、この所定の突起が延在する反対側の側面周辺Ct1,Ct2に対する隣接部に到達するようにこの所定の側面突起を貫通する調整ねじVx2を有する。
【0104】
したがって、ねじV1,V2,Vx1,Vx2をキャリパーの突起の内外に移動させることによって、各キャリパーは、第1のループに対して正確に配置され、したがって、可動の電機子の側面とそれに対向する第1のループの端部との間で可動の電機子Am1の各側面に形成される空隙のクリアランスが決定される。
【0105】
一旦、第1のキャリパーEt1及び第2のキャリパーEt2が第1のループBに対して正確に配置されると、これらのキャリパーの全て又は一部を被覆するとともにこれらを第1のループに永久的に接合するために樹脂を塗布してよいことに留意されたい。
【0106】
振動と絶縁に関連する問題とを回避するとともに機械からの熱の散逸及びシステムの電気保安を改善するために固定子に対する樹脂のコーティングを用いることもできる。
【0107】
磁心を形成するために、ヒートシールラミネーション及び/又はヒートシールコイルを用いることもできる。巻きを振動による疲労から防ぐための保護を設けるために、一つ以上のコイルを包囲する絶縁樹脂又はラッカーを用いてもよい。その場合、必要なのは、ラミネーションを互いに接合する及び/又は一つ以上のコイルをラミネーションに接続するために機械を組み立てた後に加熱することだけである。
【0108】
各板ばねR1,R2,R3,R3を、固定子St1に固定してもよく、更に詳しくは、この場合はねじである貫通ロッドT1,T2を用いて対応するキャリパーEt1,Et2のうちの一つに固定してもよい。これらの締め付けボルトT1,T2を、ばねを固定子に強固に締結するために、更に詳しくは、対応するキャリパーの一つに締結するように貫通させる。
【0109】
所定の板ばねを固定子に対して配置するためにピンG1,G2が用いられる実施の形態において、このばねを対応するピンを用いて再配置した後に締結用の貫通ロッドT1,T2を準備することができる。したがって、複数のばねR1,R2,R3,R4のうちの所定のばねをそれぞれ、対応する位置決めピン及び対応するとともに固定子に孔を開ける二つの締結ロッドT1,T2を介して固定子に固定することができる。
【0110】
第1のキャリパーEt1及び第2のキャリパーEt2を用いるこれらの実施の形態において、対応するキャリパーの一つに固定することにより固定子に固定するために板ばねの第1の凹部に入る第1の調整部すなわちピンG1を準備してもよい。
【0111】
したがって、所定の板ばねをそれぞれ、
キャリパーと対応するばねの間に延在するとともにこの所定の板ばねが固定されるピンG1及び
このキャリパーを第1のループBに固定する手段
によって固定子に対して移動方向Dに動かないようにする。
【0112】
キャリパーを第1のループに固定する手段が
図1Aに見える締結ボルトBxを備えることに留意されたい。これらのボルトBxは、ボルトが貫通する一つ以上のキャリパーに対する内周クリアランスを有し、これによって、調整のために第1のループBに対するこれらのキャリパーの位置決めを可能にする。
【0113】
選択的に、
図1A及び
図1Bに示すように、複数の板ばねは、板ばねR1,R2,R3,R4の第1の対及び第2の対を備え、板ばねの第1の対R1,R3は、ループBの面の一方の側に存在し、板ばねの第2の対R2,R4は、ループBの面の一方の側に存在する。
【0114】
ばねの単一の対ではなくばねの二つの対を有することによって、ばねの一つが壊れた場合に可動の電機子が切り離されるおそれを制限することができる。
【0115】
ばねの第1の対のばねを第1のコイルA1のいずれかの側に配置してもよく、ばねの第2の対のばねを第1のコイルのいずれかの側に配置してもよく、これによって、スペースを節約することができる。
【0116】
板ばねR1,R3の第1の対の板ばねは、第1のループ面P2に平行に延在するとともに第1のループ面P2から離間した可動の電機子の第1のエッジBd1の各端部に配置され、板ばねR2,R4の第2の対の板ばねは、第1のループ面P2に平行に延在するとともに第1のループ面P2から離間した可動の電機子の第2のエッジBd2の各端部に配置される。可動の電機子のこれらの第1のエッジBd1及び第2のエッジBd2は、第1のループ面P2のいずれかの側に配置されるとともにループ面P2に平行であり、これらのエッジBd1,Bd2の各々は、特有であるとともに空隙面P1に平行な延在の方向に延在する。
【0117】
板ばねの対の板ばねを可動の電機子Am1の第1のエッジ及び第2のエッジの各端部に配置することによって、可動の電機子が空隙面P1に垂直な向きの軸の回りで回転するのを防止する効果が上がる。
【0118】
更に詳しくは、板ばねの接続部は、可動の電機子の第1のエッジBd1及び第2のエッジBd2の長さに対して1/4未満でエッジに沿って可動の電機子Am1のコーナーのそれぞれ固定された周辺締結部At1,At2,At3,At4を介して可動の電機子に接続される。
【0119】
図4に示すように、複数の板ばねのうちの板ばねの各々は、複数の板を備えてもよい。これによって、電動機の共振周波数を変更するために、ばねからの板の除去又はばねへの板の追加により簡単な方法でばねの曲げ応力を調整することができる。他の利点は、すぐに壊れるおそれがある単一の高剛性の板ばねではなく複数の低剛性のばねに応力が広がることである。
【0120】
本実施の形態において、板は、板セパレータSxによって互いに切り離され、板セパレータSxは、これらの板セパレータの外部ずれ面に対するばねのこれらの板のずれを許容するために配置される。
【0121】
これらの板セパレータSxによって、機械が作動中であるときの板の間のノイズ及び加熱を制限するために板の間の直接的な接触を回避することができる。他の実施の形態において、これらのセパレータは、長さ全体ではなくばねの固定領域のみに存在してもよい。
【0122】
図1A及び
図1Bの実施の形態によれば、複数の板ばねR1,R2,R3,R3の板の少なくとも一部は孔あきであり、孔あきの板は、一方の側で二つの細長い板折り曲げゾーンを有するように板を貫通する少なくとも一つの孔Rx1を有する
【0123】
板ごとに二つの細長く離間した折り曲げゾーンを有することによって、所定の板が完全に破壊されるおそれを制限するとともに板が移動するときの集結及びウィンデージを制限することができる。これによって、曲げ応力が固定ゾーンに局所的に近接して保持されるのではなく曲げ応力をばねの表面領域全体に亘って分散させることができる。したがって、各板ばねの耐久性が向上する。機械の効率も向上する。板の曲げ応力のための好適なゾーン及び曲げの際の板の変形の好適な曲がりを規定するために同一の板が複数の孔あき部を有することもできる。
【0124】
本発明による電磁機械の動作を、
図3a、
図3b1、
図3b2及び
図3b3を参照して説明する。
【0125】
図3b1において、小さい強度の電流がコイルに生成される。この電流の強度が非常に小さいので、電機子の目立った移動が誘導されず、したがって、電機子が静止の位置のままである。
【0126】
その後、
図3b2において、電流の強度が
図3b1の場合に比べて増大し、空隙に誘導される磁束は、空隙の一方の側で北の極Nを有するとともに他方の側で南の極Sを有するのに十分である。永久磁石が互いに逆の極性を有するので、第1のループの第1の端子に向けられるのは第1の磁石の北の極Nであり、同一の第1の端子に向けられるのは第2の磁石の南の極Sである。
【0127】
それに対し、第1の磁石の南の極は、第1のループの第2の端子に向けられ、同一の第2の端子に向けられるのは第2の磁石の北の極である。
【0128】
その結果、
図3b2の磁束の影響によって、可動の電機子を第1の方向にシフトさせる横方向の力が生じるとともにこの第1の方向の移動に対する板ばねの曲げが生じる。
【0129】
図3b3において、空隙を通過する磁束が、コイルの電流の整流の影響によって反転する。この結果、可動の電機子を第2の方向にシフトさせる横方向の力が生じるとともにこの第2の方向の移動に対する板ばねの曲げが生じる。
【0130】
磁束を向きS1から逆の向きのS2に反転するとともにコイルの電流を整流することによって、支持部に対する電機子の交互の移動が生じ、所定の振動数で反発力を加えるばねが、電動機の効率を上げる。
【0131】
発電機モードにおいて、コイルの電流を誘導するのは電機子の往復運動である。
【0132】
本発明のよる電動機の種種のあり得る改善を、以下で説明する。
【0133】
電動機の暴走及び固定子に対する可動部の著しく大きい振幅を回避するために、エンドストップを追加してもよい。選択的には、これらのエンドストップは、可撓性である。エンドストップを、好適には、可動の電機子の上下(磁石支持部)に配置してもよい、又は、各ばねの下に配置してもよい、例えば、樹脂に固定してもよい。
【0134】
電磁機械が電動機である場合、この電動機は、周期的な交流信号を供給するパワーエレクトロニクスによって制御される。
【0135】
有利には、「電動機」動作において、この機会は、可動部の移動のために所望の信号を生成する制御エレクトロニクスによって給電される。
【0136】
有利には、これらのエレクトロニクスは、周期的な交流信号を供給する。
【0137】
有利には、これらのエレクトロニクスは、樹脂に封入される及び/又は固定子に固定される。
【0138】
有利には、エレクトロニクスは、直流ネットワーク又は交流ネットワークによって給電され(交流ネットワークの場合、電力が整流される。)、その後、電圧を、所望の移動を行うために直列又は並列に接続されたコイルの端子が接続される機械の端子に供給する。
【0139】
有利には、これらのエレクトロニクスは、交流ネットワークによって給電されるインバータを備えるチョッピングエレクトロニクスであり、この場合、インバータの上流又は下流でフィルタ処理が行われ又はフィルタ処理が行われず、インバータの上流又は下流で整流が行われ又は整流が行われず、場合によっては、インバータの上流又は下流で再度フィルタ処理が行われる。これらのエレクトロニクスを、PWM(パルス幅変調)電圧の形態でHブリッジ(例えば、MOSFET,IGBT,バイポーラ又はグラフェンタイプのトランジスタを用いるインバータ)を用いて反転動作を行わせることができる。
【0140】
有利には、これらのエレクトロニクスによって、移動の発振周波数及び移動の振幅を、電圧を用いて変更することができる。
【0141】
有利には、手動制御が必要なシステムに対して、電力の制御を、周波数のみを変更することができる、電圧のみを変更することができる又は両方を同時に変更することができる「可変装置」のように動作する回転つまみを用いて実現する。
【0142】
有利には、電動機は、センサからのフィードバックを用いる可動部の移動閉ループ制御部を備える。
【0143】
このセンサを、変位センサ、位置センサ、速度センサ、加速度センサ、又は、固定子に対する可動の電機子の位置を推定することができる任意のタイプのセンサとしてもよい。
【0144】
有利には、電動機を制御する制御エレクトロニクスは、電動機のベクトル制御を実行するようにプログラムされる。
【0145】
センサは、例えば、固定子と可動の電機子若しくは他の可動部のいずれかに配置してもよい、又は、測定されるのが電気量である場合にエレクトロニクスに配置してもよい。
【0146】
制御エレクトロニクスが機械M1の外部の装置と通信を行う手段を備えることもできる。
【0147】
その場合、パワーエレクトロニクスを、自動的に又は非自動的に遠隔で制御してもよい。そのために、産業分野向けIoT(IIoT)を利用してもよい。
【0148】
有利には、これらの制御エレクトロニクスは、本発明の他の電磁機械M2の制御エレクトロニクスと通信を行い、二つの移動部の周波数及び/又は振幅を同相で又はそれ以外で同期をとる。
【0149】
その場合、
図5A、
図5B及び
図6のように、少なくとも二つの電磁機械M1,M2はそれぞれ、同期をとるか同期をとらないかに応じて、ピースPs1,Ps2によって互いに固定された又は互いに固定されない可動の電機子を有してもよく、その可動部は、互いに接合される(
図5A及び
図5B)。
【0150】
これは、例えば、同一の振幅の移動に対してピースPs1,Ps2に伝達される力を増大するのに有利となる。
【0151】
有利には、機械の制御部は、振動を整合させるために互いに通信を行う。
【0152】
有利には、制御エレクトロニクスは、本発明の複数の機械を駆動してもよい。
【0153】
固定子が互いに接合された少なくとも二つの電磁機械M1,M2を有することもできる(
図6)。
【0154】
本実施の形態において、有利には、機械の制御部は、振動を整合させるために互いに通信を行う。
【0155】
有利には、伝達する力を増大するとともに単一のシステムの機械の寸法を減少させるために固定子及び可動の電機子を互いに接合する。
【0156】
有利には、可動部は、振動によって生じる不安定を除去するために同一の周波数であるが互いに逆の位相で動作する。
【0157】
図7に示すように、電磁機械を、少なくとも一つの流体輸送システムに接続してもよい。
【0158】
この実施の形態を、あらゆるタイプの流体輸送(ポンプ、ブロワー、コンプレッサー、インペラ)についての配合、混合又は撹拌に用いることができ、あらゆるタイプの流体(液体、気体、粉、泡、泥、顆粒、及び、血液又は生体細胞のような他の流体化しやすい物質又は不安定な液体等)は、ピストン、リップルダイヤフラム又は(「ダイヤフラムポンプ」タイプの)通常のダイヤフラムを介した転送を用いるが、これらの例に限定されるものではない。
【0159】
図8a及び
図8bに示すように、リップルダイヤフラムを用いて流体を輸送するシステムを、本発明による電磁機械に接続してもよい。
【0160】
図8a及び
図8bに示すアセンブリを、あらゆるタイプの輸送:ポンプ/換気/圧縮/推進に用いることができる。
【0161】
有利には、循環装置を、液体又は流体化しやすい物質に対する円盤状のリップルダイヤフラムポンプの形態としてもよい。
【0162】
この構造の種々の利点は、自給可能、制御可能又は連続的なスループットパルシング、せん断の減少、効率の増大、シーリング等である。
【0163】
有利には、電動機は、シーリングガスケット及び/又はブートにより循環装置のヘッドから絶縁される。
【0164】
他の実施の形態は、例えば、
図5A及び
図5Bにあるような本発明による二つの電動機の各電機子の間に延在するロッドTa1,Ta2又は接続部Ps1,Ps2を介して二つのリップルダイヤフラム循環装置と可動の電機子との結合にある。
【0165】
他の実施の形態は、本発明の二つの循環装置の互いの固定を伴い、その振動は、振動のある移動によって生じた不安定を除去するために同一の周波数であるが互いに逆の位相で生じる。
【0166】
他の実施の形態は、流体回路の液圧を増大するための循環装置の直列の配置にある。
【0167】
有利には、この循環装置は、正弦電圧で動作し、その周波数は、取り付けられたネットワークから直接取り出される又はチョッピングエレクトロニクス及び/又はトランスを用いて取得される50~450Hzに及ぶ。
【0168】
有利には、リップルダイヤフラムの上流及び/又は下流のチャンバにデフレクタが存在する。
【0169】
本発明による電動機の可動の電機子を、加工ツールに結合することもできる。
【0170】
そのようなツールは、切削ツール、衝撃ツール、孔あけツール、振動伝達ツール(バイブレータ)、振動減衰ツール、(選別プレートを取り付けることによる)成分を選別するためのツール、並びに、振動、伸長及び周波数の耐久試験のためのツールであってもよい。
【0171】
本発明による機械を、可動部の線形的な移動から取得したパラメータ(位置、速度、加速度、振動数)を測定する測定機器として用いてもよい。
【0172】
本発明による機械は、発電機モードで動作してよい。その場合、可動の電機子は、振動源に接続される。
【0173】
有利には、振動源は、機械のエネルギー回収を向上させるために機械の通過域の周波数である。
【0174】
有利には、このエネルギーは、電動機動作中に移動を行わせるエレクトロニクスと同一であってもよいチョッピングエレクトロニクスによって回収される。
【0175】
有利には、このエネルギー生成器は、電磁機械が電動機モードで動作するときに流体をポンプでくみ上げるとともに逆の場合において循環装置のヘッドを介して流体が通過する際のエネルギーを回収するために用いられるリップルダイヤフラムの振動によって給電される。流体は、流体が流れる方向が循環装置のヘッドであるときに常にエネルギーを生成することができる。これによって、例えば、生成されたエネルギーを短時間で分析することによる循環装置のヘッドに流れる流体の流速のスポット読出しのような循環装置の他の機能を可能にする。
【0176】
本発明による電動機は、直流電圧で動作するときに、連続的に移動する、すなわち、並進運動のカーブにおける不連続を形成しやすいステップを有することのない非常に正確なリニアモータを構成する。
【0177】
それに対し、交流電流又は整流された電流が給電される場合、理想的には、実際に供給される電力より動力を増大するために振動する移動が行われる。この交流電流は、零を中心としても零を中心としなくてもよく、例えば、可動部を停止状態に対して中心から外すように又は停止状態に対して単に可動部を再び中心にするために電流オフセットを含んでもよい。
【0178】
本発明による機械は、水処理、食品、薬剤、化学、薬学、航空、宇宙、石油化学製品、農業、原子核、発電、紙、海洋産業等のような種々の領域の応用に適してもよいが、それに限定されない。
【0179】
本発明の一つの特定の実施の形態において、複数の板ばねのうちのばねの少なくとも一部は、空隙面P1に平行に延在する延在の方向において第1のループ面P2に平行に延在するとともに第1のループ面P2から離間した可動の電機子の第1のエッジBd1の端部に配置された締結部により可動の電機子に接続される。
【0180】
本発明の一つの特定の実施の形態において、機械は、45Hzと450Hzの間の振動数で可動の電機子が固定子に対して振動するように少なくとも一つの第1のコイルに供給される信号の生成器を備え、可動のアセンブリの共振周波数に±20%の範囲内で等しいこの振動数によって、固定子に対する移動が可能になり、この可動のアセンブリは、少なくとも複数の板ばね及び可動の電機子を備える。
【0181】
共振周波数又は共振周波数に近い周波数で動作することによって、本発明による機械のエネルギー効率を上げることができる。
【0182】
本発明の一つの特定の実施の形態において、複数の板ばねは、可動の電機子が可動の電機子の停止の位置に対して最大でも2mmの距離だけ移動するときに停止の位置に可動の電機子を戻す弾性的な戻り力が5Nと500Nの間の最大の力の値をとる全弾性スティフネスを有する。
【0183】
ばねの高い剛性によって、特に小さい移動の大きさより大きい動作の周波数を有することができる。
【0184】
本発明の一つの特定の実施の形態において、機械は、固定子に対する可動の電機子の移動を設定信号に従って自動的に制御するように設計された供給信号の生成器を備える。
【0185】
本発明の一つの特定の実施の形態において、機械は、少なくとも一つの流体循環装置を備え、固定子は、流体循環装置の少なくとも一つのボディに取り付けられ、可動の電機子は、少なくとも一つのボディの内側に配置された流体輸送手段に取り付けられ、この流体輸送手段は、電動機の作動に応答してこの流体輸送手段が流体を流体循環装置の少なくとも一つのボディの流体注入口から流体循環装置の少なくとも一つのボディの流体排出口まで輸送するように配置される。
【0186】
この実施の形態によれば、それ自体の循環手段をそれぞれ設けた二つの流体循環装置が存在してもよく、これらの循環手段の各々は、可動の電機子に接続される。例えば、循環手段の一方を、この可動の電機子の一方の側で可動の電機子に接続することができ、それに対し、循環手段の他方を、この可動の電機子の他方の側で可動の電機子に接続することができる。
【0187】
本発明の一つの特定の実施の形態において、少なくとも一つの流体循環装置は、ダイヤフラムが流体輸送手段であるリップルダイヤフラム流体循環装置であり、流体輸送手段は、可動の電機子に取り付けられたダイヤフラム上流端からダイヤフラム下流端までリップルを通過させることができる。
【0188】
本発明の一つの特定の実施の形態において、機械は、固定子に対する可動の電機子の移動により作動させるように可動の電機子に取り付けられたツールを備え、このツールは、切削ツール、衝撃ツール、孔あけツール、振動伝達ツール、振動減衰ツール及び可動の電機子の移動に対して検査されるワークピースの物理パラメータを測定するツールを備えるツールからなる群から選択される。
【0189】
本発明の一つの特定の実施の形態において、本発明は、上述した実施の形態のいずれか一つによる複数の機械を備え、これらの機械の前記固定子は、他の一つに接続され、これらの機械の前記可動の電機子は、同一の振動数で振動するように設計されるアセンブリに関する。
【0190】
したがって、アセンブリのこれらの機械は、例えば、動作慣性を増大するために同相の同一周波数で振動してもよい又は振動の妨害及び不安定さを制限するために逆相の同一周波数で振動してもよい。