(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】通信モード選択方法、装置、車両、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/23 20180101AFI20220719BHJP
H04W 4/46 20180101ALI20220719BHJP
H04W 76/14 20180101ALI20220719BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220719BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20220719BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20220719BHJP
【FI】
H04W76/23
H04W4/46
H04W76/14
H04W92/18
H04W24/08
H04W8/22
(21)【出願番号】P 2020537014
(86)(22)【出願日】2019-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2019070317
(87)【国際公開番号】W WO2019141093
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】201810049898.X
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521486206
【氏名又は名称】ホアウェイ クラウド コンピューティング テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Huawei Cloud Computing Technologies Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Huawei Cloud Data Center,Jiaoxinggong Road,Qianzhong Avenue, Gui’an New District, Guizhou,550025,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シャオグアン
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0349176(US,A1)
【文献】国際公開第2014/065167(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/209005(WO,A1)
【文献】特開2005-297955(JP,A)
【文献】特開2017-076958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信モード選択方法であって、
第1の通信モードで、車両隊列内にいる先行車両と後続車両との間のビークルツーエブリシング(V2X)サービスを送信する段階であって、前記第1の通信モードは、直接通信モードである、段階と、
前記先行車両が、前記第1の通信モードの信号品質を取得する段階と、
前記第1の通信モードの前記信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、前記先行車両が、前記後続車両に設定命令を送信する段階であって、前記設定命令は、第2の通信モードを有効にして前記先行車両と通信するよう前記後続車両に命令するのに用いられ、前記第2の通信モードは、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードである、段階と、
を備
え、
前記先行車両が、前記後続車両に設定命令を前記送信する段階の前に、前記方法は、
前記第1の通信モードの前記信号品質が前記第1の予め設定された条件を満たすとき、前記先行車両が、前記V2Xサービスのサービスタイプを取得する段階と、
前記V2Xサービスの前記サービスタイプが第1のサービスタイプである場合、前記先行車両が、前記後続車両に設定命令を前記送信する段階を実行する段階と
をさらに備える、方法。
【請求項2】
前記信号品質は信号信頼性であり、
前記先行車両が、前記第1の通信モードの信号品質を前記取得する段階は、
前記先行車両が、前記第1の通信モードにおける前記後続車両との通信の、第1の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する段階であって、前記第1の予め設定された条件は、前記第1の時間ウィンドウ内の前記信号信頼性が第1の閾値より低いことを含む、段階
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1の通信モードの前記信号品質が前記第1の予め設定された条件を満たすとき、前記先行車両が、前記後続車両のV2X性能情報に基づいて、前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートするか否かを決定する段階であって、前記V2X性能情報は、前記後続車両によってサポートされている通信モードを示すのに用いられる、段階と、
前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートする場合、前記先行車両が、前記後続車両に設定命令を前記送信する段階を実行する段階、又は、
前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートしない場合、前記先行車両が、前記車両隊列から前記後続車両を除去する段階と
をさらに備える、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の通信モードで、先行車両と後続車両との間のV2Xサービスを前記送信する段階の前に、前記方法は、
前記先行車両が、前記後続車両のV2X性能情報を取得する段階と、
前記先行車両が、前記後続車両の前記V2X性能情報を格納する段階と
をさらに備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記先行車両が、前記後続車両に対応している第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を決定する段階と、
前記先行車両が、前記後続車両に前記第2の時間ウィンドウ及び前記第2の閾値を送信する段階であって、前記後続車両は、前記第1の通信モードにおける前記先行車両との通信の、前記第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性が前記第2の閾値より低いことを検出したとき、前記第2の通信モードを有効にして前記先行車両と通信するよう構成される、段階
をさらに備える、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記後続車両が、前記先行車両によって送信された
前記設定命令を受信する段階と、
前記後続車両が、前記設定命令に基づいて、前記第2の通信モードを有効にして前記先行車両と通信する段
階と
を
更に備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の通信モードで、
前記後続車両と
前記先行車両との間の
前記V2Xサービスを前記送信する段階の前に、前記方法は、
前記後続車両が、前記先行車両に前記後続車両のV2X性能情報を送信する段階であって、前記V2X性能情報は、前記後続車両によってサポートされている通信モードを示すのに用いられる、段階
をさらに備える、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の通信モードで、
前記後続車両と
前記先行車両との間のV2Xサービスを前記送信する段階の前に、前記方法は、
前記後続車両が、前記第1の通信モードの信号品質を取得する段階と、
前記第1の通信モードの前記信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、前記後続車両が、前記第2の通信モードを有効にして前記先行車両と通信する段階と
をさらに備える、請求項
6又は
7に記載の方法。
【請求項9】
前記信号品質は信号信頼性であり、
前記後続車両が、前記第1の通信モードの信号品質を前記取得する段階は、
前記後続車両が、前記第1の通信モードにおける前記先行車両との通信の、第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する段階であって、前記第2の予め設定された条件は、前記第2の時間ウィンドウ内の前記信号信頼性が第2の閾値より低いことを含む、段階
を有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記第1の通信モードの前記信号品質が前記第2の予め設定された条件を満たすとき、前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートしない場合、前記後続車両が、前記車両隊列から離れて走行する段階
をさらに備える、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
車載通信装置であって、
処理モジュールと、通信モジュールとを備え、
前記通信モジュールは、第1の通信モードで、車両隊列内の後続車両とビークルツーエブリシング(V2X)サービス送信を実行するよう構成され、前記第1の通信モードは、直接通信モードであり、
前記処理モジュールは、前記第1の通信モードの信号品質を取得するよう構成され、
前記通信モジュールは、前記第1の通信モードの前記信号品質が第1の予め設定された条件を満たすことを前記処理モジュールが決定したとき、前記後続車両に設定命令を送信するようさらに構成され、前記設定命令は、第2の通信モードを有効にして前記車両隊列内の先行車両と通信するよう前記後続車両に命令するのに用いられ、前記第2の通信モードは、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであ
り、
前記処理モジュールは、前記第1の通信モードの前記信号品質が前記第1の予め設定された条件を満たすことを決定したとき、前記V2Xサービスのサービスタイプを取得するようさらに構成され、
前記通信モジュールは、前記V2Xサービスの前記サービスタイプが第1のサービスタイプであることを前記処理モジュールが決定したとき、前記後続車両に前記設定命令を送信するようさらに構成される、
装置。
【請求項12】
前記信号品質は信号信頼性であり、
前記処理モジュールは、前記第1の通信モードにおける前記後続車両との通信の、第1の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得するよう構成され、前記第1の予め設定された条件は、前記第1の時間ウィンドウ内の前記信号信頼性が第1の閾値より低いことを含む、
請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記処理モジュールは、前記第1の通信モードの前記信号品質が前記第1の予め設定された条件を満たすことを決定したとき、前記後続車両のV2X性能情報に基づいて、前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートするか否かを決定するようさらに構成され、前記V2X性能情報は、前記後続車両によってサポートされている通信モードを示すのに用いられ、
前記通信モジュールは、前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートすることを前記処理モジュールが決定するとき、前記後続車両に前記設定命令を送信するようさらに構成され、
前記処理モジュールは、前記後続車両が前記第2の通信モードをサポートしないことを決定したとき、前記車両隊列から前記後続車両を除去するようさらに構成される、
請求項
11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記通信モジュールは、前記後続車両のV2X性能情報を取得するようさらに構成され、
前記処理モジュールは、前記後続車両の前記V2X性能情報を格納するようさらに構成される、
請求項
11から
13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理モジュールは、前記後続車両に対応している第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を決定するようさらに構成され、
前記通信モジュールは、前記後続車両に前記第2の時間ウィンドウ及び前記第2の閾値を送信するようさらに構成され、前記後続車両は、前記第2の時間ウィンドウ内の前記第1の通信モードにおける前記先行車両との通信の信号信頼性が前記第2の閾値より低いことを検出したとき、前記第2の通信モードを有効にして前記先行車両と通信するよう構成される、
請求項
11から
14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
車両であって、請求項
11か
ら15のいずれか一項に記載の車載通信装
置を備える、車両。
【請求項17】
コンピュータに、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方
法を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月18日に中国国家知識産権局に出願され、「通信モード選択方法、装置、及び車両(COMMUNICATION MODE SELECTION METHOD, APPARATUS, AND VEHICLE)」と題された中国特許出願第201810049898号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願の実施形態は、車両のインターネット(Vehicle-to-Everything、V2X)技術の分野に関連し、特に、通信モード選択方法、装置、及び車両に関連する。
【背景技術】
【0003】
V2X技術では、車両情報が、車両に取り付けられたセンサ、車載端末、及び電子ラベルを用いることによって提供され、ビークルツービークル(Vehicle-to-Vehicle、V2V)、ビークルツーペデストリアン(Vehicle-to-Pedestrian、V2P)、及びビークルツーインフラストラクチャ(Vehicle-to-Infrastructure、V2I)の相互接続及び相互作用が様々な通信技術を用いることによって実装され、情報が効果的に用いられ、例えば、抽出されて、情報ネットワークプラットフォーム上で共有され、その結果、効果的な制御が実行されて、統合サービスが車両に提供される。
【0004】
隊列走行(platooning)は、V2Xの分野において重要な応用である。隊列走行は、V2V通信を通じて複数の車両が低遅延で互いに相互接続され、その結果、複数の車両が同時に走行する列ができることを意味する。列において、前進動作の方向における第1の車両が先行車両(Leading Vehicle、LV)であり、他の車両が後続車両(Following Vehicle、FV)である。全ての車両が走行中に互いとの距離を自動的に保ち、たとえ先行車両が加速され、減速され、ステアリングされ、又はブレーキをかけられても、後続車両はリアルタイムで同一動作を同期的に完了する。先行車両と後続車両との間の直接通信が、デバイスツーデバイス(Device to Device、D2D)技術を用いることによって実装される。例えば、先行車両と後続車両との間のダイレクトリンクがPC5インタフェースを用いることによって確立され、V2Xサービス、例えば、位置、道路トポロジー、交通信号灯、ステアリング、ブレーキ、及び車線変更等の情報が、ダイレクトリンクを用いることによって送信される。
【0005】
V2Xサービスが直接通信モードで先行車両と後続車両との間で送信されるとき、不十分な信号品質(例えば、信号輻輳、信号干渉、及び不十分な信号カバレッジ)が発生する場合がある。その結果として、サービス継続性が影響を受け、車両の走行安全性が脅かされる。
【発明の概要】
【0006】
本願は、通信モード選択方法、装置、及び車両を提供し、その結果、V2Xサービスが直接通信モードで先行車両と後続車両との間で送信されるとき、サービス継続性が不十分な信号品質に起因して影響を受けるので、車両の走行安全性が脅かされる、という先行技術における課題が解決される。
【0007】
一態様によれば、本願は、通信モード選択方法を提供する。方法は、第1の通信モードで、車両隊列内にいる先行車両と後続車両との間のV2Xサービスを送信する段階であって、第1の通信モードは、直接通信モードである、段階と、先行車両が、第1の通信モードの信号品質を取得する段階と、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両が、後続車両に設定命令を送信する段階であって、設定命令は、第2の通信モードを有効にして先行車両と通信するよう後続車両に命令するのに用いられる、段階と、後続車両が、先行車両によって送信された設定命令を受信する段階と、後続車両が、設定命令に基づいて、第2の通信モードを有効にして先行車両と通信する段階であって、第2の通信モードは、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードである、段階とを含む。
【0008】
本願で提供される解決手段において、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両は、後続車両に設定命令を送信し、その結果、後続車両が第2の通信モードを有効にして先行車両と通信するようトリガーされる。第2の通信モードはネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであるので、直接通信モードと比較して、第2の通信モードはより安定した信号品質を有する。したがって、先行車両と後続車両との間のサービス継続性が影響を受けないことが保証され、車両の走行安全性が脅かされることが防止される。
【0009】
可能な設計において、信号品質は信号信頼性である。先行車両が、第1の通信モードの信号品質を取得する段階は、先行車両が、第1の通信モードにおける後続車両との通信の、第1の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する段階であって、第1の予め設定された条件は、第1の時間ウィンドウ内の信号信頼性が第1の閾値より低いことを含む、段階を含む。
【0010】
本願で提供される解決手段において、信号信頼性が信号品質として用いられる。第1の通信モードにおける後続車両との通信の、第1の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得することによって、先行車両は第1の通信モードの信号品質を正確に取得する。
【0011】
他の可能な設計において、先行車両が、後続車両に設定命令を送信する段階の前に、方法は、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両が、V2Xサービスのサービスタイプを取得する段階と、V2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプである場合、先行車両が、後続車両に設定命令を送信する段階を実行する段階をさらに含む。
【0012】
本願で提供される解決手段において、現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプであることを決定したとき、先行車両は、第2の通信モードを有効にすることを示すのに用いられる設定命令を後続車両に送信する。このようにして、重要なサービスの信頼性のある送信が保証され得、加えて、重要ではない情報が送信されるとき、第2の通信モードが有効にされることが防止され、その結果、通信リソースが節約される。
【0013】
さらなる他の可能な設計において、上述の方法は、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両が、後続車両のV2X性能情報に基づいて、後続車両が第2の通信モードをサポートするか否かを決定する段階であって、V2X性能情報は、後続車両によってサポートされている通信モードを示すのに用いられる、段階と、後続車両が第2の通信モードをサポートする場合、先行車両が、後続車両に設定命令を送信する段階を実行する段階、又は、後続車両が第2の通信モードをサポートしない場合、先行車両が、車両隊列から後続車両を除去する段階とをさらに含む。
【0014】
本願で提供される解決手段において、先行車両は、V2X性能情報に基づいて、後続車両が第2の通信モードをサポートするか否かを決定する。後続車両が第2の通信モードをサポートしないとき、他の車両の走行が後続車両によって影響を受けるので、先行車両は車両隊列から後続車両を除去して他の車両の走行安全性が脅かされることを回避する。
【0015】
さらなる他の可能な設計において、第1の通信モードで、先行車両と後続車両との間のV2Xサービスを送信する段階の前に、方法は、後続車両が、先行車両に後続車両のV2X性能情報を送信する段階と、先行車両が、後続車両のV2X性能情報を受信して格納する段階とをさらに含む。
【0016】
本願で提供される解決手段において、先行車両は、後続車両のV2X性能情報を取得して格納し、続いて、V2X性能情報に基づいて、後続車両が第2の通信モードをサポートするか否かを決定する。後続車両が第2の通信モードをサポートしないとき、他の車両の走行が後続車両によって影響を受けるので、先行車両は車両隊列から後続車両を除去して他の車両の走行安全性が脅かされることを回避する。
【0017】
さらなる他の可能な設計において、上述の方法は、先行車両が、後続車両に対応している第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を決定する段階と、先行車両が、後続車両に第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を送信する段階であって、後続車両は、第1の通信モードにおける先行車両との通信の、第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性が第2の閾値より低いことを検出したとき、第2の通信モードを有効にして先行車両と通信するよう構成される、段階とをさらに含む。
【0018】
本願で提供される解決手段において、第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値が後続車両に送信され、その結果、後続車両は、第2の通信モードを有効にして先行車両と通信するか否かを独立して決定し得る。このようにして、先行車両と後続車両との間のサービス継続性が影響を受けないことが保証され、車両の走行安全性が脅かされることが防止される。
【0019】
さらなる他の可能な設計において、第1の通信モードで、後続車両と先行車両との間のV2Xサービスを送信する段階の後に、方法は、後続車両が、第1の通信モードの信号品質を取得する段階と、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両が、第2の通信モードを有効にして先行車両と通信する段階とをさらに含む。
【0020】
本願で提供される解決手段において、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両は、第2の通信モードを自動的に有効にして先行車両と通信する。第2の通信モードはネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであるので、直接通信モードと比較して、第2の通信モードはより安定した信号品質を有する。したがって、先行車両と後続車両との間のサービス継続性が影響を受けないことが保証され、車両の走行安全性が脅かされることが防止される。
【0021】
さらなる他の可能な設計において、信号品質は信号信頼性である。後続車両が、第1の通信モードの信号品質を取得する段階は、後続車両が、第1の通信モードにおける先行車両との通信の、第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する段階であって、第2の予め設定された条件は、第2の時間ウィンドウ内の信号信頼性が第2の閾値より低いことを含む、段階を含む。
【0022】
本願で提供される解決手段において、信号信頼性が、信号品質として用いられる。第1の通信モードにおける先行車両との通信の、第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得することによって、後続車両は、第1の通信モードの信号品質を正確に取得する。
【0023】
さらなる他の可能な設計において、方法は、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両が第2の通信モードをサポートしない場合、後続車両が、車両隊列から離れて走行する段階をさらに含む。
【0024】
本願で提供される解決手段において、後続車両が第2の通信モードをサポートしないとき、後続車両は、車両の走行に影響を与えるので、能動的に車両隊列から離れて走行して他の車両の走行安全性を脅かすことを回避する。
【0025】
他の態様によれば、本願は、車載通信装置を提供する。装置は、上述の方法を実装する機能を有する。機能がハードウェアによって実装されてよく、又は対応するソフトウェアを実行することによってハードウェアによって実装されてよい。ハードウェア又はソフトウェアは、上述の機能に対応する1又は複数のモジュールを含む。
【0026】
可能な設計において、車載通信装置の構造は、プロセッサ及び通信インタフェースを含む。プロセッサは、上述の方法における対応する機能を実行する際に車載通信装置をサポートするよう構成される。通信インタフェースは、車載通信装置と他の装置又はデバイスとの間の通信をサポートするよう構成される。さらに、車載通信装置は、メモリをさらに含み得る。メモリはプロセッサに連結されるよう構成され、メモリは車載通信装置によって必要とされるプログラム命令及びデータを格納する。
【0027】
さらなる他の態様によれば、本願は車両を提供する。車両は、上述の態様における車載通信装置を含む。
【0028】
さらなる他の態様によれば、本願は車載通信装置によって用いられるコンピュータソフトウェア命令を格納するよう構成されるコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータ記憶媒体は上述の態様を実行するために設計されたプログラムを含む。
【0029】
さらなる他の態様によれば、本願の実施形態はコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が実行されるとき、コンピュータプログラム製品は、上述の態様における方法を実行するよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本願の一実施形態に係るネットワークアーキテクチャの概略図である。
【0031】
【
図2】本願の一実施形態に係る隊列走行の適用シナリオの概略図である。
【0032】
【
図3】本願の一実施形態に係る通信モード選択方法のフローチャートである。
【0033】
【
図4】本願の他の実施形態に係る通信モード選択方法のフローチャートである。
【0034】
【
図5】本願の他の実施形態に係る通信モード選択方法のフローチャートである。
【0035】
【
図6A】本願の一実施形態に係る車載通信装置の概略ブロック図である。
【0036】
【
図6B】本願の一実施形態に係る車載通信装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本願の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にすべく、以下では、添付図面を参照して、本願の実装を詳細にさらに説明する。
【0038】
本願の実施形態で説明されるネットワークアーキテクチャ及びサービスシナリオは、本願の実施形態の技術的解決手段をより明確に説明することが意図され、本願の実施形態で提供される技術的解決手段に対する限定を構成しない。当業者は、ネットワークアーキテクチャの進化と新しいサービスシナリオの出現により、本願の実施形態で提供される技術的解決手段はまた、同様の技術的課題に適用可能であることを理解し得る。
【0039】
以下では、
図1及び
図2を参照して、本願の実施形態におけるいくつかの可能なネットワークアーキテクチャ及び適用シナリオを最初に説明する。
【0040】
図1は、本願の実施形態が適用可能であるネットワークアーキテクチャの概略図である。ネットワークアーキテクチャにおいて、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システムが、単に一例として用いられる。ネットワークアーキテクチャは、進化型パケットコア(Evolved Packet Core、EPC)11、進化型UMTS地上無線アクセスネットワーク(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network、E-UTRAN)12、ホームサブスクライバーサーバ(Home Subscriber Serv
er、HSS)13、V2Xアプリケーションサーバ(Application Server)14、V2X制御機能(Control Function)ノード15、道路沿いユニット(Roa
dside Unit、RSU)16、車両17、及び端末18を含み得る。
【0041】
EPC11は、LTEシステムのコアネットワークである。コアネットワークは、いくつかのコアネットワークデバイスを含む。コアネットワークデバイスの主な機能は、ユーザ接続を提供すること、ユーザを管理すること、サービス搬送を完了すること、及びベアラネットワークの機能を果たして外部ネットワークにインタフェースを提供することである。例えば、EPC11は、モビリティ管理ノード(Mobility Management Entity、MME)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、S-GW)及び、PDNゲートウェイ(PDN Gateway、P-GW)を含む。
【0042】
E-UTRAN12は、LTEシステムのアクセスネットワークである。アクセスネットワークは、いくつかのアクセスネットワークデバイスを含む。アクセスネットワークデバイスは基地局(Base Station、BS)であり得、基地局はアクセスネットワークに配置されて端末16に無線通信機能を提供する装置である。基地局は、マクロ基地局、ミクロ基地局、中継局、アクセスポイント等の様々な形態を含み得る。異なる無線アクセス技術を用いるシステムにおいて、基地局機能を有するデバイスの名称が異なる場合がある。例えば、デバイスは、LTEシステムにおいて進化型ノードB(evolved NodeB、eNB又はeNodeB)と称され、又は3G通信システムにおいてノードB(NodeB)と称される。
【0043】
端末18は、無線通信機能を有する様々なハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、若しくはコンピューティングデバイス、又は、無線モデムに接続される他の処理デバイス、及びユーザ機器(User Equipment、UE)、移動局(Mobile Station、MS)、端末デバイス(terminal device)等の様々な形態を含み得る。説明を簡単にするために、上述のデバイスは、まとめて端末と称される。
【0044】
アクセスネットワークデバイスとコアネットワークデバイスとは、無線インタフェース技術、例えば、S1インタフェースを用いることによって、互いに通信する。アクセスネットワークデバイスと端末18とはまた、無線インタフェース技術、例えば、Uuインタフェースを用いることによって、互いに通信する。
【0045】
HSS13は、ユーザの加入契約データ及び端末18の位置情報を管理するよう構成される。HSS13とコアネットワークデバイス(例えば、MME)とは、S6aインタフェースを用いることによって、互いに通信し得る。
【0046】
V2Xアプリケーションサーバ14は、主に、RSU16、車両17、及び端末18によってレポートされた情報を受信して格納し、RSU16、車両17、及び端末18からの要求に応答するよう構成される。例えば、隊列走行中、V2Xアプリケーションサーバ14は、先行車両によってレポートされた情報及びRSU16によってレポートされた情報に基づいて、先行車両及び後続車両が属する車両隊列の走行ルート及び走行速度等の走行ポリシーを決定し得、EPC11及びE-UTRAN12を用いることによって、先行車両に走行ポリシーを配信し得る。V2Xアプリケーションサーバ14は、異なるオペレータネットワークに適用され得る。V2Xアプリケーションサーバ14とコアネットワークデバイスとは、SGiインタフェースを用いることによって、互いに通信し得る。
【0047】
V2X制御機能ノード15は、車両17及び端末18にV2Xサービス許可パラメータを配信するよう構成される。V2Xサービス許可パラメータは、車両17及び端末18によって実行され得るV2X通信のタイプ、例えば、V2V通信、V2P通信、及びV2I通信を示すのに用いられる。V2X制御機能ノード15とV2Xアプリケーションサーバ14とは、V2インタフェースを用いることによって互いに通信し得、V2X制御機能ノード15は、V3インタフェースを用いることによって車両17及び端末18と通信し得、V2X制御機能ノード15とHSS13とは、V4インタフェースを用いることによって互いに通信し得る。
【0048】
RSU16は、マイクロ波読み取り/書き込みデバイス及びコントローラを含み得る。RSU16は、車両17によってレポートされた情報を受信し、車両17に道路の交通情報を配信するよう構成される。RSU16はデータストレージ及び処理機能を有し、道路状況及び走行車両等の交通情報を迅速で、且つ正確に検出し得、交通情報を処理した後、車両17に交通情報を送信する。RSU16とアクセスネットワークデバイスとは、無線インタフェース技術、例えばUuインタフェースを用いることによって互いに通信し得る。
【0049】
車両17は、自動運転車両又は非自動運転車両であり得る。V2Xの分野においては、隊列走行は、複数の車両17が低遅延で互いに相互接続され、その結果、複数の車両が同時に走行する列が走行のためにできることを意味する。車両17は車載通信装置を有し、車両17は、車載通信装置、例えば、RSU16を用いることによって、他の車両、端末18、又は他のデバイスと通信する。車載通信装置は、車載通信ボックスに統合された装置(テレマティックスボックス、T-BOX)であってよく、又は車体から分離した装置であってよい。加えて、車載通信装置は、車両17が工場から輸送される前に車両17内で組み立てられてよく、又は車両17が工場から輸送された後に車両17内で組み立てられてよい。車両17の車載通信装置及び端末18は、PC5インタフェースを用いることによって、互いに通信し得る。例えば、端末18は、PC5インタフェースを用いることによって、車両17に端末18の位置情報を送信する。車両17の車載通信装置及びRSU16は、PC5インタフェースを用いることによって、互いに通信し得る。例えば、RSU16は、PC5インタフェースを用いることによって、車両17に遠く離れた道路の交通情報を送信する。加えて、車両17の車載通信装置とアクセスネットワークデバイス(例えば、LTEシステムのeNB)はまた、無線インタフェース技術、例えば、Uuインタフェースを用いることによって、互いに通信し得る。
【0050】
図1に示されるネットワークアーキテクチャにおいて、LTEシステムが単に説明のための一例として用いられることが留意されるべきである。本願で説明される技術的解決手段は、LTEシステム、又は様々な無線アクセス技術を用いる他の無線通信システム、例えば、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、若しくはシングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access、SC-FDMA)等のアクセス技術を用いるシステムに適用され得る。加えて、技術的解決手段は、LTEシステムの後続の進化型システム、例えば、次世代のネットワークシステム、すなわち、第5世代(5th Generation、5G)システムに適用され得る。本願の実施形態においては、名詞「ネットワーク」及び「システム」が通常同義で用いられるが、名詞の意味が当業者によって理解され得る。
【0051】
図2は、隊列走行シナリオの概略図である。隊列走行の適用シナリオにおいて、複数の車両17が走行のために1つの車両隊列に形成され、各車両隊列は、1台の先行車両171及び少なくとも1台の後続車両172を含む。
【0052】
先行車両171は、前進動作の方向における車両隊列内の第1の車両であり、車両隊列を作成して管理するよう構成される。先行車両171は、RSU16に先行車両171によって検出された交通情報及び後続車両172によってレポートされた交通情報を送信し、RSU16によって配信された遠く離れた道路の交通情報を受信する。交通情報は、道路交通状況、例えば、前方の道路が混雑しているか否か、道路が滑らかであるか否か、及び他の車両が近いか否かを示すのに用いられる。先行車両171は、さらに、E-UTRAN12を用いることによって、V2Xアプリケーションサーバ14と通信し、V2Xアプリケーションサーバ14によって配信された走行ポリシーを受信し得る。
【0053】
後続車両172は、先行車両171によって送信された走行ポリシーを受信し、後続車両172によって検出された交通情報を先行車両171に送信するよう構成される。
【0054】
先行車両171と後続車両172との間、及び異なる後続車両172間の直接通信が、D2D技術を用いることによって実装される。D2D技術を用いることによって実装される通信モードは、直接通信モードと称される。例えば、通信がPC5インタフェースを用いることにより確立されるダイレクトリンクを用いることによって実行され、又は通信が専用狭域通信(Dedicated Short Range CommunicationDSRC)技術を用いることにより確立されるダイレクトリンクを用いることによって実行される。直接通信モードに加えて、先行車両171と後続車両172との間の通信はまた、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードで実行され得る。ネットワークデバイスは、アクセスネットワークデバイス121であってよく、又はアクセスネットワークデバイス121又はコアネットワークデバイスを含んでよく、又はアクセスネットワークデバイス121、コアネットワークデバイス、及びV2Xアプリケーションサーバ14を含んでよい。例えば、ネットワークデバイスがアクセスネットワークデバイス121であるとき、先行車両171又は後続車両172は後続車両172又は先行車両171に送信する必要がある情報をアクセスネットワークデバイス121に送信し、その後、アクセスネットワークデバイス121は後続車両172又は先行車両171に情報を転送する。他の一例では、ネットワークデバイスがアクセスネットワークデバイス121及びコアネットワークデバイスを含むとき、先行車両171又は後続車両172は、先行車両171又は後続車両172によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121に、後続車両172又は先行車両171に送信する必要がある情報を送信する。先行車両171又は後続車両172によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121は、コアネットワークデバイスに情報を転送し、その後、コアネットワークデバイスは、後続車両172又は先行車両171によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121に情報を転送する。次に、後続車両172又は先行車両171によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121は、後続車両172又は先行車両171に情報を配信する。先行車両171又は後続車両172によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121及び後続車両172又は先行車両171によってアクセスされるアクセスネットワークデバイス121は、アクセスネットワークデバイス121と同一であってよく、又は2つの異なるアクセスネットワークデバイス121であってよい。
【0055】
図3は、本願の一実施形態に係る通信モード選択方法のフローチャートである。方法は、
図2に示される隊列走行の適用シナリオに適用され得る。方法は、以下のいくつかのの段階を含み得る。
【0056】
段階301:V2Xサービスが、第1の通信モードで、車両隊列内にいる先行車両171と後続車両172との間で送信される。
【0057】
第1の通信モードは、直接通信モードである。直接通信モードは、D2D技術を用いることによって実装される通信モードである。例えば、ダイレクトリンクがPC5インタフェースを用いることによって先行車両171と後続車両172との間で確立され、V2Xサービスがダイレクトリンクを用いることによって送信される。V2Xサービスは、位置、道路トポロジー、交通信号灯、ステアリング、ブレーキ、又は車線変更等の、すなわち、先行車両171と後続車両172との間で交換される、任意の情報を含むがこれに限定されない。これは、本願の実施形態に限定されない。
【0058】
段階302:先行車両171は、第1の通信モードの信号品質を取得する。
【0059】
第1の通信モードの信号品質は、V2Xサービスが第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信されるとき、V2Xサービスのデータパケットが正確に受信される確率を反映するのに用いられる。第1の通信モードの信号品質は、信号強度及びパケット損失率等のパラメータに基づいて決定され得る。先行車両171は、第1の予め設定された時間間隔ごとに第1の通信モードの信号品質を取得してよく、第1の予め設定された時間間隔は予め設定された経験値であってよい。
【0060】
段階303:第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171は、後続車両172に設定命令を送信する。
【0061】
設定命令は、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信するよう後続車両172に命令するのに用いられる。第1の予め設定された条件は第1の通信モードの信号品質に固有の予め設定された条件であり、条件は第1の通信モードの信号品質が不十分であることを決定するのに用いられる。
【0062】
段階304:後続車両172は、設定命令に基づいて、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信する。
【0063】
第2の通信モードは、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードである。例えば、後続車両172は、Uuインタフェースを用いることによって、先行車両171と通信してV2Xサービスを送信する。
【0064】
任意選択的に、第2の通信モードを有効にした後、後続車両172は、第1の通信モードを無効にしない。言い換えれば、後続車両172は、第1の通信モードと第2の通信モードとの両方で先行車両171と通信し、V2Xサービスを送信する。
【0065】
本願の本実施形態で提供される解決手段において、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171は後続車両172に設定命令を送信し、その結果、後続車両172が第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信するようトリガーされる。第2の通信モードがネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであるので、直接通信モードと比較して、第2の通信モードはより安定した信号品質を有する。したがって、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受けないことが保証され、車両の走行安全性が脅かされることを防止される。
【0066】
図4は、本願の他の実施形態に係る通信モード選択方法のフローチャートである。方法は、
図2に示される隊列走行の適用シナリオに適用され得る。方法は、以下のいくつかのの段階を含み得る。
【0067】
段階401:後続車両172は、先行車両171に後続車両172のV2X性能情報を送信する。
【0068】
車両隊列が確立される、又は後続車両172が車両隊列に合流するとき、後続車両172は、先行車両171に後続車両172のV2X性能情報を送信する。V2X性能情報は、後続車両172によってサポートされている通信モードを示すのに用いられる。例えば、後続車両172が第1の通信モードのみをサポートするとき、後続車両172は先行車両171に第1のV2X性能情報を送信し、第1のV2X性能情報は、後続車両172が第1の通信モードをサポートすることを示すのに用いられる。代替的に、後続車両172が第1の通信モード及び第2の通信モードをサポートするとき、後続車両172は先行車両171に第2のV2X性能情報を送信し、第2のV2X性能情報は、後続車両172が第1の通信モード及び第2の通信モードをサポートすることを示すのに用いられる。
【0069】
任意選択的に、車両隊列が確立される、又は後続車両172が車両隊列に合流するとき、後続車両172は先行車両171に後続車両172のアドレス情報を送信する。アドレス情報は、後続車両172の通信アドレスを示すのに用いられる。例えば、通信アドレスは、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)アドレス、媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレス、及びポート番号のうちの任意の1つ又は組み合わせを含む。通信アドレス及びV2X性能情報は、同時に又は別々に送信され得る。これは、本願の実施形態に限定されない。
【0070】
段階402:先行車両171は、後続車両172のV2X性能情報を格納する。
【0071】
先行車両171は後続車両172のV2X性能情報を格納し、その結果、後続の段階において、先行車両171は、後続車両172のV2X性能情報に基づいて、後続車両172によってサポートされている通信モードを決定し、したがって、後続車両172に設定命令を送信するか否かを決定する。
【0072】
任意選択的に、先行車両171は後続車両172のアドレス情報を格納し、その結果、後続の段階において、後続車両172とV2Xサービス送信を実行する必要があるとき、先行車両171は後続車両172の通信アドレスに基づいて、後続車両172と通信し得る。
【0073】
段階403:V2Xサービスが、第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信される。
【0074】
隊列走行中、V2Xサービス、例えば、位置、道路トポロジー、交通信号灯、ステアリング、ブレーキ、及び車線変更等の情報が、好ましくは、第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信される。第1の通信モードは直接通信モードであるので、V2Xサービスが直接通信モードで送信されるとき、遅延が短くて送信効率が高く、V2Xサービスが、好ましくは、第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信される。任意選択的に、位置情報は、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)データ、走行速度、及び後続車両の走行方向を含む。後続車両は、第3の予め設定された時間間隔ごとに後続車両の位置情報を先行車両に送信する。第3の予め設定された時間間隔は、予め設定された経験値であり得る。
【0075】
先行車両171と後続車両172との間で送信されるV2Xサービスは、車両隊列の正常走行を保証するのに用いられる。例えば、車両隊列が下り道で走行するとき、先行車両171は、前方の道路が下り道であることを検出したときに減速する必要がある。この場合、先行車両171は、減速して走行することを示すのに用いられる情報を後続車両172に送信する。減速して走行することを示すのに用いられる情報を受信した後、後続車両172は減速して走行する。最終的、車両隊列全体が減速して走行し、下り道の間、安全に走行する。
【0076】
段階404:先行車両171は、第1の通信モードの信号品質を取得する。
【0077】
任意選択的に、信号品質は信号信頼性である。信号信頼性は、信号強度及びパケット損失率等のパラメータに関連する。より高い信号強度及びより低いパケット損失率はより高い信号信頼性を示し、逆に、より低い信号強度及びより高いパケット損失率はより低い信号信頼性を示す。
【0078】
任意選択的に、先行車両171は、第1の通信モードにおける後続車両172との通信の、第1の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する。一例では、第1の時間ウィンドウが、時間範囲を用いることによって測定され得る。例えば、第1の時間ウィンドウは、第1の予め設定された期間である。第1の予め設定された期間ごとに、先行車両171は、第1の通信モードにおける後続車両172との通信の、第1の予め設定された期間内である信号信頼性に関する統計データを収集する。他の一例では、第1の時間ウィンドウが、情報量を用いることによって代替的に測定され得る。例えば、第1の時間ウィンドウは第1の情報量である。第1の情報量の情報を受信するたびに、先行車両171は、第1の通信モードにおける後続車両172との通信の、第1の情報量が受信される期間内である信号信頼性に関する統計データを収集する。第1の予め設定された期間の値及び第1の情報量の値は両方とも予め設定された経験値であり得る。
【0079】
段階405:第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171は、V2Xサービスのサービスタイプを取得する。
【0080】
信号品質が信号信頼性であるとき、第1の予め設定された条件が第1の時間ウィンドウに含まれ、信号信頼性が第1の閾値より低い。第1の閾値は信号信頼性に対して予め設定された決定閾値であり、例えば、第1の閾値が90%に予め設定される。先行車両171は、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすか否かを検出し、言い換えれば、第1の通信モードの信号信頼性が第1の時間ウィンドウにおける第1の閾値より低いか否かを検出する。第1の通信モードの信号信頼性が第1の閾値より低い場合、V2Xサービスが第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信されるとき、送信失敗又は送信情報の欠落等のケースが発生する場合がある。したがって、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受ける。
【0081】
第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171は、現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプを取得する。任意選択的に、V2Xサービスのサービスタイプは、第1のサービスタイプ及び第2のサービスタイプを含む。第1のサービスタイプは、ブレーキ、車線変更、又はステアリング等の車両の走行安全性に関連するサービスを意味する。第2のサービスタイプは、位置又は道路トポロジー等の車両の走行安全性に関連するサービスを意味する。本願の本実施形態において、第1のサービスタイプ及び第2のサービスタイプに含まれる特定のサービスは限定されない。特定のサービスは、実際の体験に従って設計者によって予め設定されてよく、又は前もってユーザによってカスタマイズされてよい。
【0082】
任意選択的に、各V2Xサービスはサービス識別子に対応している。サービス識別子はV2Xサービスを一意に示すのに用いられ、異なるV2Xサービスは異なるサービス識別子に対応している。例えば、減速して走行することに対応しているサービス識別子は001であり、加速して走行することに対応しているサービス識別子は002である。加えて、サービス識別子とサービスタイプとの間の対応関係が存在する。現在のV2Xサービスに対応している対応関係及びサービス識別子に基づいて、先行車両171はV2Xサービスのサービスタイプを取得する。
【0083】
段階406:V2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプである場合、先行車両171は、後続車両172のV2X性能情報に基づいて、後続車両172が第2の通信モードをサポートするか否かを決定する。後続車両172が第2の通信モードをサポートする場合、以下の段階407が実行され、又は後続車両172が第2の通信モードをサポートしない場合、以下の段階409が実行される。
【0084】
現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプを取得した後、先行車両171は、現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプであるか否かを検出する。
【0085】
現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプである場合、言い換えれば、現在送信されているV2Xサービスが車両の走行安全性に関連する場合、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受けないことを保証すべく、第2の通信モードが通信のために有効にされる必要がある。第2の通信モードが有効にされる前に、先行車両171は、後続車両172が第2の通信モードをサポートするか否かを決定する必要がある。
【0086】
現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプが第2のサービスタイプである場合、現在送信されているV2Xサービスが車両の走行安全性に関連しない。たとえ、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受ける場合であっても、車両の走行安全性が影響を受けない。この場合、第2の通信モードが有効にされる必要がない。現在のV2Xサービスが第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信され続け、車両隊列は走行を続ける。
【0087】
段階407:先行車両171は、後続車両172に設定命令を送信する。
【0088】
後続車両172が第2の通信モードをサポートするとき、先行車両171は、後続車両172に設定命令を送信する。設定命令は、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信するよう後続車両172に命令するのに用いられる。
【0089】
段階408:後続車両172は、設定命令に基づいて、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信する。
【0090】
任意選択的に、第2の通信モードを有効にした後、後続車両172は第1の通信モードを無効にせず、第1の通信モードで先行車両171とV2Xサービス送信をさらに実行し得る。例えば、第1の通信モードは通信がPC5インタフェースを用いることによって実行されるモードであり、第2の通信モードは通信がUuインタフェースを用いることによって実行されるモードである。第2の通信モードが有効にされた後、後続車両172にV2Xサービスを送信するとき、先行車両171は、PC5インタフェースを用いることによって後続車両172にV2Xサービスを送信し、Uuインタフェースを用いることによって後続車両172にV2Xサービスを同時に送信する。
【0091】
段階409:先行車両171は、車両隊列から後続車両172を除去する。
【0092】
後続車両172が第2の通信モードをサポートしないとき、先行車両171は第2の通信モードで後続車両172と通信できず、その結果として、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受けないことを保証できない。この場合、サービス継続性が影響を受けるので、先行車両171は車両隊列から後続車両172を除去し、後続車両172の走行安全性が影響を受けることを回避する。
【0093】
任意選択的に、車両隊列から後続車両172を除去することに加えて、先行車両171は、後続車両172に車両隊列から離れる命令を送信する。車両隊列から離れる命令は、車両隊列から離れて走行するよう後続車両172に命令するのに用いられる。車両隊列から離れる命令を受信した後、後続車両172は、車両隊列から離れて走行する。
【0094】
本実施形態で提供される解決手段において、第1の通信モードの信号品質が第1の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171は後続車両172に設定命令を送信し、その結果、後続車両172が第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信するようトリガーされる。第2の通信モードはネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであるので、直接通信モードと比較して、第2の通信モードはより安定した信号品質を有する。したがって、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受けないことを保証し、車両の走行安全性が脅かされることが防止される。
【0095】
加えて、現在送信されているV2Xサービスのサービスタイプが第1のサービスタイプであることを決定したとき、先行車両171は、第2の通信モードを有効にすることを示すのに用いられる設定命令を後続車両172に送信する。このようにして、重要なサービスの信頼性のある送信が保証され得、加えて、重要ではない情報が送信されるとき、第2の通信モードが有効にされることが防止され、その結果、通信リソースが節約される。
【0096】
加えて、車両隊列が確立される、又は後続車両172が車両隊列に合流するとき、後続車両172は先行車両171に後続車両172のV2X性能情報を送信し、その結果、第2の通信モードが有効にされる必要があることを決定したとき、先行車両171は、後続車両172が第2の通信モードをサポートするか否かを正確に決定し得る。後続車両172が第2の通信モードをサポートしないとき、他の車両の走行が後続車両171によって影響を受けるので、先行車両171は車両隊列から後続車両172を除去して他の車両の走行安全性が脅かされることを回避する。
【0097】
図3及び
図4における実施形態において、通信モードが隊列走行の適用シナリオにおける先行車両171によって選択されることが説明される。
図5における以下の実施形態において、通信モードが隊列走行の適用シナリオにおける後続車両172によって選択されることが説明される。
【0098】
図5は、本願の他の実施形態に係る、通信モード選択方法のフローチャートである。方法は、
図2に示される隊列走行の適用シナリオに適用され得る。方法は、以下のいくつかの段階を含み得る。
【0099】
段階501:後続車両172は、先行車両171に後続車両172のV2X性能情報を送信する。
【0100】
任意選択的に、車両隊列が確立される、又は後続車両172が車両隊列に合流するとき、先行車両171にV2X性能情報を送信することに加えて、後続車両172は、先行車両171に後続車両172の自動運転レベルを送信する。自動運転レベルは、後続車両172によってサポートされている自動運転の性能のレベルを示すのに用いられる。より高い自動運転レベルは後続車両172によってサポートされているより多くの自動運転機能及びより高い性能を示し、より低い自動運転レベルは後続車両172によってサポートされているより少ない自動運転機能及びより低い性能を示す。自動運転レベルは、予め設定されて予め分類されてよい。これは、本願の実施形態に限定されない。例えば、自動運転レベルは、国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)の基準に従って、0から4の5つのレベルに分類される。
【0101】
段階502:先行車両171は、後続車両172のV2X性能情報を格納する。
【0102】
段階503:先行車両171は、後続車両172に対応している第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を決定する。
【0103】
第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値が後続車両172の先行車両171によって設定され、且つ、後続車両172が信号信頼性を決定するときに用いられるパラメータである。第2の時間ウィンドウは第2の予め設定された期間又は第2の情報量である。第2の予め設定された期間の値及び第2の情報量の値は両方とも予め設定された経験値であり得る。第2の閾値は信号信頼性の対して予め設定された決定閾値であり、例えば、第2の閾値が60%に予め設定される。任意選択的に、第2の閾値は第1の閾値より低い。
【0104】
可能な実装において、車両隊列内の全ての後続車両172は、同一の第2の時間ウィンドウ及び同一の第2の閾値に対応する。
【0105】
他の可能な実装において、車両隊列内の全ての後続車両172は、異なる第2の時間ウィンドウ及び異なる第2の閾値に対応する。例えば、先行車両171は、後続車両172の自動運転レベルに基づいて、後続車両172に対応する第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を決定する。より高い自動運転レベルは第2の閾値のより小さい値及び第2の時間ウィンドウのより大きい値を示し、より低い自動運転レベルは第2の閾値のより大きい値及び第2の時間ウィンドウのより小さい値を示す。
【0106】
段階504:先行車両171は、後続車両172に第2の時間ウィンドウ及び第2の閾値を送信する。
【0107】
段階505:V2Xサービスが、第1の通信モードで、先行車両171と後続車両172との間で送信される。
【0108】
段階506:後続車両172は、第1の通信モードの信号品質を取得する。
【0109】
任意選択的に、信号品質は信号信頼性である。信号信頼性は、信号強度及びパケット損失率等のパラメータに関連する。より高い信号強度及びより低いパケット損失率はより高い信号信頼性を示し、逆に、より低い信号強度及びより高いパケット損失率はより低い信号信頼性を示す。
【0110】
任意選択的に、後続車両172は第2の予め設定された時間間隔ごとに第1の通信モードの信号品質を取得し、第2の予め設定された時間間隔は予め設定された経験値であり得る。
【0111】
任意選択的に、後続車両172は、第1の通信モードにおける先行車両171との通信の、第2の時間ウィンドウ内である信号信頼性を取得する。
【0112】
段階507:第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両172は、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信する。
【0113】
第2の予め設定された条件は第1の通信モードの信号品質に固有の予め設定された条件であり、条件は第1の通信モードの信号品質が不十分であることを決定するのに用いられる。
【0114】
信号品質が信号信頼性であるとき、第2の予め設定された条件が第2の時間ウィンドウに含まれ、信号信頼性が第2の閾値より低い。後続車両172は、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすか否かを検出し、言い換えれば、第1の通信モードの信号信頼性が第2の時間ウィンドウにおける第2の閾値より低いか否かを検出する。第1の通信モードの信号信頼性が第2の閾値より低い場合、V2Xサービスが第1の通信モードで先行車両171と後続車両172との間で送信されるとき、送信失敗又は送信情報の欠落等のケースが発生する場合がある。したがって、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受ける。したがって、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両172は、第2の通信モードを有効にして先行車両171と通信する。
【0115】
任意選択的に、先行車両171と通信すべく第2の通信モードを有効にした後、後続車両172は、第1の通信モードを無効にしない。言い換えれば、後続車両172は、第1の通信モードと第2の通信モードとの両方で先行車両171と通信し、V2Xサービスを送信する。
【0116】
任意選択的に、後続車両172が第2の通信モードをサポートしない場合、後続車両172は車両隊列から離れて走行する。
【0117】
任意選択的に、後続車両172が車両隊列から離れて走行するとき、後続車両172は先行車両171に離脱情報を送信する。離脱情報は、車両隊列から後続車両172を除去するよう先行車両171に命令するのに用いられる。
【0118】
本実施形態で提供される解決手段において、第1の通信モードの信号品質が第2の予め設定された条件を満たすとき、後続車両172は、第2の通信モードを自動的に有効にして先行車両171と通信する。第2の通信モードは、ネットワークデバイスが転送を実行する通信モードであるので、直接通信モードと比較して、第2の通信モードはより安定した信号品質を有する。したがって、先行車両171と後続車両172との間のサービス継続性が影響を受けないことが保証され、車両の走行安全性が脅かされることが防止される。
【0119】
加えて、後続車両172が第2の通信モードをサポートしないとき、後続車両172は、車両の走行に影響を与えるので、能動的に車両隊列から離れて走行して他の車両の走行安全性を脅かすことを回避する。
【0120】
上述では、先行車両171と後続車両172との間の相互作用の観点から、本願の実施形態で提供される解決手段を主に説明する。車両の車載通信装置が上述の機能を実装する各機能を実行するための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含み得ることが理解され得る。本願で開示された実施形態で説明されたモジュール及びアルゴリズムの段階を参照して、本願の実施形態が、ハードウェア又はハードウェア及びコンピュータソフトウェアの組み合わせの形態で実装され得る。ある機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるか否かは、本技術的解決手段の特定の用途又は設計制約に依存する。当業者は特定の用途ごとに説明された機能を実装する異なる方法を用い得るが、実装が本願の実施形態における技術的解決手段の範囲外にあるとみなされるべきではない。
【0121】
本願の実施形態において、車載通信装置が、上述の方法例に基づいて、機能モジュールに分割され得る。例えば、各機能モジュールが各機能に基づく分割によって取得されてよく、2又はそれより多くの機能が1つの処理モジュールに統合され得る。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてよく、又はソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてよい。本願の本実施形態において、モジュール分割は一例であり、単に論理的な機能分割に過ぎないことが留意されるべきである。実際の実装において、他分割方式が用いられ得る。
【0122】
統合モジュールが用いられるとき、
図6Aは、上述の実施形態における車載通信装置の可能な概略構造図である。車載通信装置600は、処理モジュール602及び通信モジュール603を含む。処理モジュール602は、車載通信装置600の動作を制御して管理するよう構成される。例えば、車載通信装置600が先行車両171の車載通信装置であるとき、処理モジュール602は、
図3の段階301から段階303と、
図4の段階402から段階407及び段階409と、
図5の段階502から505とを実行し、及び/又は本明細書で説明された技術の他の段階を実行すべく、車載通信装置600をサポートするよう構成される。車載通信装置600が後続車両172の車載通信装置であるとき、処理モジュール602は、
図3の段階301及び段階304と、
図4の段階401、段階403、及び段階408と、
図5の段階501、段階506、及び段階507とを実行し、及び/又は本明細書で説明された技術の他の段階を実行すべく、車載通信装置600をサポートするよう構成される。通信モジュール603は、車載通信装置600と他の車両の車載通信装置又は他のデバイスとの間の通信をサポートするよう構成される。車載通信装置600は、車載通信装置600のプログラムコード及びデータを格納するよう構成される、格納モジュール601をさらに含み得る。
【0123】
処理モジュール602は、中央演算処理装置(Central Processing Unit、CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing、DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、又は他のプログラム可能な論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネント、又はそれらの組み合わせ等のプロセッサ又はコントローラであり得る。プロセッサは、本願に開示される内容を参照して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装又は実行し得る。プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1又は複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせであり得る。通信モジュール603は、通信インタフェース、トランシーバー、トランシーバー回路等であり得る。通信インタフェースは一般用語であり、一台の車両の車載通信装置と他の車両の車載通信装置との間のインタフェース、及び、車載通信装置とアクセスネットワークデバイスとの間のインタフェース等の1又は複数のインタフェースを含み得る。格納モジュール601はメモリであり得る。
【0124】
処理モジュール602がプロセッサであり、通信モジュール603が通信インタフェースであり、格納モジュール601がメモリであるとき、本願の本実施形態における車載通信装置は、
図6Bに示される車載通信装置であり得る。
【0125】
図6Bを参照すると、車載通信装置610は、プロセッサ612、通信インタフェース613、及びメモリ611を含む。任意選択的に、車載通信装置610はバス614をさらに含み得る。通信インタフェース613、プロセッサ612、及びメモリ611が、バス614を用いることによって相互接続される。バス614は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、略してPCI)バス、拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、略してEISA)バス等であり得る。バス614が、アドレスバス、データバス、制御バス等に分類され得る。表現を簡単にするために、1つの太線のみが
図6Bにおいてバスを表すのに用いられるが、これは1つのバスのみ又は1つのタイプのバスのみが存在することを意味しない。
【0126】
本願の本実施形態で開示された内容との組み合わせで説明された方法の段階が、ハードウェアによって実装されてよく、又はソフトウェア命令を実行することによりプロセッサによって実装されてよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含み得る。ソフトウェアモジュールが、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(Read Only Memory、ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能なハードディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、又は、当技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体に格納され得る。例えば、記憶媒体がプロセッサに連結され、その結果、プロセッサは記憶媒体から情報を読み取り得、又は記憶媒体に情報を書き込み得る。当然ながら、記憶媒体はプロセッサのコンポーネントであり得る。プロセッサ及び記憶媒体がASICに配置され得る。加えて、ASICが車載通信装置に配置され得る。当然ながら、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとして車載通信装置内に存在し得る。
【0127】
当業者であれば、上述の1又は複数の例において、本願の実施形態で説明された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得ることが認識されるべきである。ソフトウェアによって実装されるとき、上述の機能が、コンピュータ可読媒体に格納され得、又はコンピュータ可読媒体内の1又は複数の命令又はコードとして送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。ここで、通信媒体は、コンピュータプログラムが1つの場所から他の場所に送信されることを可能にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。
【0128】
上述の特定の実装において、本願の実施形態の目的、技術的解決手段、及び利益がさらに詳細に説明される。上述の説明が単に本願の実施形態の特定の実装に過ぎず、本願の実施形態の保護範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。本願の実施形態の技術的解決手段に基づいて行われる任意の修正、同等の置換、又は改善が本願の実施形態の保護範囲に含まれるだろう。