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特許7106670トランスデューサの共振周波数を補償するための駆動波形の調整
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  • 特許-トランスデューサの共振周波数を補償するための駆動波形の調整 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】トランスデューサの共振周波数を補償するための駆動波形の調整
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
G06F3/01 560
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020550720
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2019023126
(87)【国際公開番号】W WO2019183196
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】62/646,653
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/113,765
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517401657
【氏名又は名称】シーラス ロジック インターナショナル セミコンダクター リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンラディ、バディム
(72)【発明者】
【氏名】ストール、カール レンナルト
(72)【発明者】
【氏名】フー、ロン
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0153845(US,A1)
【文献】国際公開第2018/193513(WO,A1)
【文献】特開2017-126222(JP,A)
【文献】特開2013-109429(JP,A)
【文献】特開2012-170897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090253(US,A1)
【文献】米国特許第09720503(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、前記基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するステップを含む方法であって、前記時間調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定され
前記目標アクチュエータに関連する前記電気駆動波形を生成するステップは、振幅調整因子に従って前記基準アクチュエータに関連する前記基準駆動波形の振幅を増減するステップを更に含み、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、方法。
【請求項2】
前記時間調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数によって除算された前記基準アクチュエータの共振周波数に等しい算術比に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標アクチュエータは、線形共振アクチュエータである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの前記共振周波数の前記基準アクチュエータの前記共振周波数に対する、0と1との間の指数乗に引き上げられた算術比に等しい、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記目標アクチュエータの過度の偏位を防止するために、前記振幅調整因子による前記基準駆動波形の振幅に対する増加を無効化又は低減するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するステップを含む方法であって、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、方法。
【請求項7】
前記振幅調整因子は、0と1との間の指数乗に引き上げられた算術比に等しく、前記算術比は、前記基準アクチュエータの共振周波数によって除算された前記目標アクチュエータの共振周波数に等しい、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記目標アクチュエータの過度の偏位を防止するために、前記振幅調整因子による前記基準駆動波形の振幅に対する増加を無効化又は低減するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記目標アクチュエータは、線形共振アクチュエータである、請求項に記載の方法。
【請求項10】
基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、前記基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するように構成されたデジタル信号プロセッサであって、前記時間調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、デジタル信号プロセッサと、
前記デジタル信号プロセッサに通信可能に結合され、前記電気駆動波形に従って前記目標アクチュエータを駆動するように構成された増幅器と
を備えるシステムであって、
前記目標アクチュエータに関連する前記電気駆動波形を生成することは、振幅調整因子に従って前記基準アクチュエータに関連する前記基準駆動波形の振幅を増減することを更に含み、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、システム
【請求項11】
前記時間調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数によって除算された前記基準アクチュエータの共振周波数に等しい算術比に等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記目標アクチュエータは、線形共振アクチュエータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの前記共振周波数の前記基準アクチュエータの前記共振周波数に対する、0と1との間の指数乗に引き上げられた算術比に等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記目標アクチュエータの過度の偏位を防止するために、前記振幅調整因子による前記基準駆動波形の振幅に対する増加を無効化又は低減することを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するように構成されたデジタル信号プロセッサであって、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、デジタル信号プロセッサと、
前記デジタル信号プロセッサに通信可能に結合され、前記電気駆動波形に従って前記目標アクチュエータを駆動するように構成された増幅器と
を備えるシステム。
【請求項16】
前記振幅調整因子は、0と1との間の指数乗に引き上げられた算術比に等しく、前記算術比は、前記基準アクチュエータの共振周波数によって除算された前記目標アクチュエータの共振周波数に等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記目標アクチュエータの過度の偏位を防止するために、前記振幅調整因子による前記基準駆動波形の振幅に対する増加を無効化又は低減することを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記目標アクチュエータは、線形共振アクチュエータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
コンピュータ実行可能命令が保持された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、プロセッサによって可読であり、前記命令は、読み込まれて実行された場合に、前記プロセッサに、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、前記基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成させ、前記時間調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定され
前記目標アクチュエータに関連する前記電気駆動波形を生成することは、振幅調整因子に従って前記基準アクチュエータに関連する前記基準駆動波形の振幅を増減することを更に含み、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、非一時的なコンピュータ可読媒体
【請求項20】
コンピュータ実行可能命令が保持された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、プロセッサによって可読であり、前記命令は、読み込まれて実行された場合に、前記プロセッサに、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成させ、前記振幅調整因子は、前記目標アクチュエータの共振周波数と前記基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、非一時的なコンピュータ可読媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ユーザインターフェースを有する電子デバイス(例えば、モバイルデバイス、ゲームコントローラ、インストルメントパネル、等)、より具体的には、モバイルデバイスにおける機械式ボタンの交換のためのシステム、静電容量センサのための力覚フィードバック、及び/又は他の適切な用途において使用するための力覚システムに関する。
【背景技術】
【0002】
線形共振アクチュエータ(LRA)及び他の振動アクチュエータ(例えば、回転アクチュエータ、振動モータ、等)は、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、携帯情報端末、ビデオゲームコントローラ、等)において益々使用されて、ユーザのこのようなデバイスとの対話処理のために振動フィードバックを生成する。典型的には、力/圧力センサが、ユーザのデバイスとの対話処理(例えば、デバイスの仮想ボタンへの指の押圧)を検出し、それに応答して線形共振アクチュエータが振動してユーザにフィードバックを提供する。例えば、線形共振アクチュエータは、ユーザに対して機械式ボタンクリックの感触を擬態するために、力に応答して振動してもよい。
【0003】
LRAは、質量体に力を加えることができる電動アクチュエータを有する質量体-ばねシステムを含んでもよく、質量体は、ばね又は一対のばねによって静止位置に中心が置かれる。質量体には、1つ以上の永久磁石が埋め込まれてもよい。ワイヤの1つ以上のコイルが磁石に電磁力を加え、質量体を移動させてもよい。ワイヤの1つ以上のコイルに印加される電流は、質量体をそのハウジングに対して移動させ、その中で振動させてもよい。典型的な使用においては、コイル端子に交流電圧が印加され、コイルに交流電流を発生させ、この結果、質量体に交流力を発生させ、印加された力に応答して質量体が移動する。ハウジングはまた、駆動力が大きすぎる場合に、偏位を制限し、損傷を防ぐために、止め具又は他の減衰構造を含んでもよい。質量体がハウジング内で振動すると、LRA又はLRAを含むモバイルデバイスを保持する人によって、ばね及び電動駆動によって生成される反力が力覚感覚として感じられてもよい。
【0004】
総合すると、LRAの質量体及びばねが機械的共振システムを形成する。所与の駆動電圧について、駆動振動周波数が質量体-ばねの固有周波数又は共振周波数に等しい場合に、最大の質量体振動が達成されてもよい。言い換えれば、共振動作は、エネルギー入力ごとに最高の振動加速度をもたらしてもよい。
【0005】
従って、駆動信号をLRAの質量体の運動に同期させることによって、共振うなりが生成してもよい。この同期駆動の方法は、開始周波数で駆動電圧を印加し、逆起電力(back-EMF)を感知することによって質量体の動きを検出し、駆動周波数を調整して質量体-ばねの固有共振周波数に一致させることによって実現されてもよい。このLRAを駆動する方法は、閉ループ共振駆動と呼ばれる。閉ループ共振駆動において確立されたLRAの共振周波数は保存されてもよく、システムは、保存された共振周波数で電圧波形をLRAに対して電気的に駆動するように構成されてもよい。このLRAを駆動する代替方法は、開ループ共振駆動と呼ばれてもよい。
【0006】
LRAの共振周波数fは、以下の関係によって与えられる。
【数1】

は共振周波数、kは単位距離当たりの力として表されるばね定数、mは移動する質量体の質量である。
【0007】
LRAの製造工程は通常、デバイス間のばらつきを最小限に抑えてデバイスを製造しようとするが、ある程度のばらつきは回避することができない。ユニット間のばね定数のばらつきは、LRAの共振周波数fにおけるばらつきの典型的な原因である。
【0008】
典型的なLRAが測定され、その共振周波数は、その後、全ての同様のユニットに適用されてもよい、校正値として使用される。このような解決策は簡単かもしれないが、それはユニット間の共振周波数のばらつきに対応しない。或いは、各個別のLRAの共振周波数が測定されてもよく、各々のための校正済み共振周波数を確立する。この測定は、専用の校正ステップ中に行われてもよく、共振校正測定は、LRAの寿命中に定期的に行われてもよい。何れの方法で校正が実行されても、特定のLRAのための代表的な共振周波数が確立され、この周波数の情報が、共振うなりタイプの電気駆動を各LRAに対して最適に調整することを可能にする。
【0009】
多くの高性能力覚システムは、非共振モードでLRAを駆動してもよく、質量体に静止状態から最大エネルギーまで速やかにエネルギーを与え、続いて止め具に対して質量体を速やかに制動させる。全体の操作は、合計で数サイクルのみであってもよく、正弦波の定常状態に到達しない。このタイプの短い波形駆動は、「バンプ」又は「クリック」と呼ばれてもよい。LRAのための制御システムが力覚効果の最後に保存されたLRAの機械的エネルギーを全て取り除こうとし、アフターリンギングを除去又は最小化する場合に、力覚効果の主観的な感覚が最大化する場合がある。アフターリンギングの抑制は、ゼロ速度及びゼロ変位で、LRAの質量体を中心位置にして終了しようとする、LRAの特性に校正された波形を適用することによって達成される場合がある。この方法においてLRAに適合された波形は、最適であると説明される場合がある。最適な波形は典型的には、理論と実験との組み合わせから得られる。
【0010】
過渡のLRA駆動波形は典型的には、LRAの質量体をその許容可能な偏位制限内で励起し、クリーンな振動終端を保証するという主な目的でチューニングされる。単一の最適な波形がなくてもよく、力覚効果の強度及び鮮明度のような所望の力覚印象をもたらす特性又は特性の組み合わせを有する複数の最適な波形が生成されてもよい。
【0011】
LRAの駆動波形は、エネルギーを与える段階、持続する段階、及び制動する段階に分類されてもよい。エネルギーを与える段階の間には、駆動増幅器からLRAにエネルギーが伝達され、振動が増加する。持続する段階の間には、LRAの質量体の振動は一定のレベルに留まって、摩擦及び電気抵抗に応じて失われたエネルギーは増幅器によって置き換えられ、振動の振幅は変化しない。制動する段階の間には、駆動増幅器によって移動する質量体からエネルギーが抽出され、振動の振幅が減少する。短時間の過渡波形は、エネルギーを与える段階及び制動する段階を含んでもよいが、持続振動で短期間のみ動作してもよく、又は全く持続状態にならなくてもよく、その場合、駆動は、エネルギーを与える段階から制動する段階に直接移行する。
【0012】
過渡のLRAの励起の間に、その質量体の振動状態は、ゼロエネルギーから最大エネルギーに連続的に変化され、ゼロに戻ってもよい。過渡の駆動波形は、1つの固定周波数で生成されなくてもよいが、代わりに周波数が、波形全体に亘って変動してもよい。更に、時間内の任意の瞬間に、駆動は、周波数の組み合わせで構成されてもよく、そのため、過渡の波形は、特定の周波数を有するように特徴付けられることはできない。
【0013】
最適な過渡の駆動波形の波の形状が生成され、LRAと共に調整されて強い力覚効果をもたらし、続いて、波形の終端で制動し、完全にエネルギーを抽出して、アフターリンギングを防いでもよい。最適な過渡の駆動波形が第1のLRAに対して校正され、そして、異なる共振周波数を有する第2のLRAに適用される場合には、電圧波形は最適ではなく、典型的には、駆動波形の終了時にLRAに残留アフターリンギング振動が残る場合がある。このような状況は望ましくない場合がある。
【0014】
理想的には、生産ラインにある各LRAのために、最適な過渡の駆動波形がそれに適合するように共同開発される。しかし、このような波形チューニングを実行するために、振動を正確に測定する必要があり、測定は典型的には、加速度計で行われる。加速度計の測定手順及び波形チューニングプロセスを含めることは、大量生産ラインにおいては実用的でない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本開示の教示によれば、モバイルデバイスにおける力覚フィードバックに関連する欠点及び課題が、低減又は除去されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の実施形態によれば、方法は、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するステップを含んでもよく、時間調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される。
【0017】
本開示のこれらの実施形態及び他の実施形態によれば、方法は、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するステップを含んでもよく、振幅調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される。
【0018】
本開示のこれらの実施形態及び他の実施形態によれば、システムは、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するように構成されたデジタル信号プロセッサであって、時間調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、デジタル信号プロセッサと、デジタル信号プロセッサに通信可能に結合され、電気駆動波形に従って目標アクチュエータを駆動するように構成された増幅器とを含んでもよい。
【0019】
本開示のこれらの実施形態及び他の実施形態によれば、システムは、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成するように構成されたデジタル信号プロセッサであって、振幅調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、デジタル信号プロセッサと、デジタル信号プロセッサに通信可能に結合され、電気駆動波形に従って目標アクチュエータを駆動するように構成された増幅器とを含んでもよい。
【0020】
本開示のこれらの実施形態及び他の実施形態によれば、製造品は、非一時的なコンピュータ可読媒体と、コンピュータ可読媒体に保持されたコンピュータ実行可能命令であって、命令は、プロセッサによって可読であり、命令は、読み込まれて実行された場合に、プロセッサに、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形を伸縮することによって、基準駆動波形の時間領域において、時間調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成させ、時間調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、命令とを含んでもよい。
【0021】
本開示のこれらの実施形態及び他の実施形態によれば、製造品は、非一時的なコンピュータ可読媒体と、コンピュータ可読媒体に保持されたコンピュータ実行可能命令であって、命令は、プロセッサによって可読であり、命令は、読み込まれて実行された場合に、プロセッサに、基準アクチュエータに関連する基準駆動波形の振幅を増減することによって、振幅調整因子に従って目標アクチュエータに関連する電気駆動波形を生成させ、振幅調整因子は、目標アクチュエータの共振周波数と基準アクチュエータの共振周波数との間の差に基づいて決定される、命令とを含んでもよい。
【0022】
本開示の技術的利点は、図面、本明細書、及び特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかである。実施形態の目的及び利点は、少なくとも特許請求の範囲において特に指摘されている要素、特徴、及び組み合わせによって実現及び達成される。
【0023】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例及び説明であって、本開示に記載される特許請求の範囲を限定しないことが理解されるべきである。
【0024】
本実施形態及びその利点のより完全な理解は、同様の参照番号が同様の特徴を示す添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得られることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の実施形態による、例示的なモバイルデバイスの選択された構成要素のブロック図を示す。
図2】本開示の実施形態による、例示的な力覚駆動システムの選択された構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本開示の実施形態による、例示的なモバイルデバイス102の選択された構成要素のブロック図を示す。図1に示されるように、モバイルデバイス102は、筐体101、コントローラ103、メモリ104、力センサ105、マイクロフォン106、線形共振アクチュエータ107、無線送信機/受信機108、スピーカ110、及び力覚駆動システム112を備えてもよい。
【0027】
筐体101は、モバイルデバイス102の様々な構成要素を収容するための任意の適切な筐体、ケーシング、又は他の筐体を備えてもよい。筐体101は、プラスチック、金属、及び/又は任意の他の適切な材料から構築されてもよい。加えて、筐体101は、モバイルデバイス102がモバイルデバイス102のユーザの人に容易に持ち運びされるように適合(例えば、サイズ化及び成形)されてもよい。従って、モバイルデバイス102は、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、携帯情報端末、ノートブックコンピュータ、ビデオゲームコントローラ、又はモバイルデバイス102のユーザの人に容易に持ち運びされてもよい任意の他のデバイスを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0028】
コントローラ103は、筐体101内に収容されてもよく、プログラム命令及び/若しくはプロセスデータを解釈及び/若しくは実行するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよく、限定なしに、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラム命令及び/若しくはプロセスデータを解釈及び/若しくは実行するように構成された任意の他のデジタル若しくはアナログ回路を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、コントローラ103は、メモリ104及び/若しくはコントローラ103にアクセス可能な他のコンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令及び/若しくはプロセスデータを解釈並びに/又は実行する。
【0029】
メモリ104は、筐体101内に収容されてもよく、コントローラ103に通信可能に結合されてもよく、一定期間プログラム命令及び/若しくはデータを保持するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置(例えば、コンピュータ可読媒体)を含んでもよい。メモリ104は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)カード、フラッシュメモリ、磁気ストレージ、光磁気ストレージ、又はモバイルデバイス102への電源がオフになった後にデータを保持する揮発性若しくは不揮発性メモリの任意の適切な選択及び/若しくはアレイを含んでもよい。
【0030】
マイクロフォン106は、筐体101内に少なくとも部分的に収容されてもよく、コントローラ103に通信可能に結合されてもよく、マイクロフォン106に入射する音をコントローラ103によって処理され得る電気信号に変換するように構成される任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよく、このような音は、ダイアフラム又は膜で受け取られる音波振動に基づいて変化する電気容量を有するダイアフラム又は膜を使用して電気信号に変換される。マイクロフォン106は、静電マイクロフォン、コンデンサマイクロフォン、エレクトレットマイクロフォン、微小電気機械システム(MEM)マイクロフォン、又は任意の他の適切な容量性マイクロフォンを含んでもよい。
【0031】
無線送信機/受信機108は、筐体101内に収容されてもよく、コントローラ103に通信可能に結合されてもよく、アンテナの助けを借りて、無線周波数信号を生成及び送信し、並びに無線周波数信号を受信し、このような受信された信号によって搬送される情報をコントローラ103によって使用可能な形式に変換するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。無線送信機/受信機108は、限定なしに、セルラー通信(例えば、2G、3G、4G、LTE、等)、短距離無線通信(例えば、BLUETOOTH(登録商標))、商用ラジオ信号、テレビ信号、衛星ラジオ信号(例えば、GPS)、ワイヤレス・フィデリティ、等を含む様々なタイプの無線周波数信号を送信及び/又は受信するように構成されてもよい。
【0032】
スピーカ110は、少なくとも部分的に筐体101内に収容されてもよく、又は筐体101の外部にあってもよく、コントローラ103に通信可能に結合されてもよく、電気音声信号入力に応答して音を生成するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、スピーカは、円筒形磁気ギャップを通って軸線方向に移動するためにボイスコイルを拘束する可撓性サスペンションを介して剛性フレームに機械的に結合された軽量のダイアフラムを使用する動的ラウドスピーカーを備えてもよい。ボイスコイルに電気信号が加えられる場合には、磁場が電流によってボイスコイルにおいて発生し、可変電磁石になる。コイルと駆動磁気システムとが相互作用し、コイル(この結果、取り付けられたコーン)を前後に移動させる機械的な力を生成し、それによって、増幅器からの印加電気信号の制御下で音を再生する。
【0033】
力センサ105は、筐体101内に収容されてもよく、力、圧力、若しくは接触(例えば、人間の指との相互作用)を感知し、このような力、圧力、若しくは接触に応答して電気若しくは電子信号を生成するための任意の適切なシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、このような電気信号又は電子信号は、力センサに加えられる力、圧力、又は接触の大きさの関数であってもよい。これらの実施形態及び他の実施形態においては、このような電子又は電気信号は、力覚フィードバックが与えられる入力信号に関連する汎用入出力信号(GPIO)を含んでもよい(例えば、力覚フィードバックが与えられる容量性タッチスクリーンセンサ又は他の容量性センサ)。本開示における明確化及び解説の目的で、本明細書で使用される「力」という用語は、力だけでなく、力を示す物理的量、又は限定されないが圧力及び接触のような力に類似する物理的量を指してもよい。
【0034】
線形共振アクチュエータ107は、筐体101内に収容されてもよく、単一軸線に亘って振動機械力を生成するための任意の適切なシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、線形共振アクチュエータ107は、交流電圧に依存して、ばねに接続された可動質量体に対して押圧されたボイスコイルを駆動してもよい。ボイスコイルがばねの共振周波数で駆動される場合には、線形共振アクチュエータ107は知覚可能な力で振動してもよい。この結果、線形共振アクチュエータ107は、特定の周波数範囲内の力覚用途において有用であってもよい。明確化及び説明の目的で、本開示は線形共振アクチュエータ107の使用に関連して説明されるが、任意の他のタイプの振動アクチュエータ(例えば、偏心回転質量体アクチュエータ)が線形共振アクチュエータ107の代わりに又はそれに加えて使用されてもよいことが理解される。加えて、複数の軸線に亘って振動機械力を生成するように構成されたアクチュエータが、線形共振アクチュエータ107の代わりに又はそれに加えて使用されてもよいことがまた理解される。本開示の他の箇所で説明されるように、力覚駆動システム112から受信された信号に基づく線形共振アクチュエータ107は、機械式ボタンの交換及び静電容量センサーフィードバックの少なくとも1つのために、力覚フィードバックをモバイルデバイス102のユーザに提供してもよい。
【0035】
力覚駆動システム112は、筐体101内に収容されてもよく、力センサ105及び線形共振アクチュエータ107に通信可能に結合されてもよく、モバイルデバイス102に加えられた力(例えば、人間の指によってモバイルデバイス102の仮想ボタンに加えられる力)を示す力センサ105からの信号を受信し、モバイルデバイス102に加えられる力に応答して線形共振アクチュエータ107を駆動するための電子信号を生成するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。本開示の実施形態による例示的な統合力覚システムの詳細が図2に描写される。
【0036】
特定の例示的な構成要素が、上記でモバイルデバイス102に不可欠であるとして図1において描写されるが(例えば、コントローラ103、メモリ104、ユーザインターフェース105、マイクロフォン106、無線送信機/受信機108、スピーカ(複数可)110)、本開示によるモバイルデバイス102は、上記で具体的に列挙されていない1つ以上の構成要素を備えてもよい。例えば、図1は特定のユーザインターフェース構成要素を描写するが、モバイルデバイス102は、図1に描写されたものに加えて、限定されないがキーパッド、タッチスクリーン、及びディスプレイを含む1つ以上の他のユーザインターフェース構成要素を含んでもよく、この結果、ユーザがモバイルデバイス102及びその関連する構成要素と対話し、並びに/又はそれらをその他の方法で操作することを可能にする。
【0037】
図2は、本開示の実施形態による、例示的な力覚駆動システム112の選択された構成要素のブロック図を示す。幾つかの実施形態においては、図2の力覚駆動システム112が、図1の力覚駆動システム112を実装するために使用されてもよい。図2に示されるように、力覚駆動システム112は、デジタル信号プロセッサ(DSP)202、メモリ204、及び増幅器206を含んでもよい。
【0038】
DSP202は、プログラム命令及び/若しくはプロセスデータを解釈及び/若しくは実行するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、DSP202は、メモリ204及び/又はDSP202にアクセス可能な他のコンピュータ可読媒体に保存されたプログラム命令及び/又はプロセスデータを解釈及び/又は実行してもよい。
【0039】
メモリ204は、DSP202に通信可能に結合されてもよく、プログラム命令及び/若しくはデータを一定期間保持するように構成された任意のシステム、デバイス、又は装置(例えば、コンピュータ可読媒体)を含んでもよい。メモリ204は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)カード、フラッシュメモリ、磁気ストレージ、光磁気ストレージ、又はモバイルデバイス102への電源がオフになった後にデータを保持する揮発性若しくは不揮発性メモリの任意の適切な選択及び/若しくはアレイを含んでもよい。図2は、不可欠のメモリ204を有するように力覚駆動システム112を描写するが、幾つかの実施形態においては、力覚駆動システム112は、メモリを含まなくてもよく、代わりに、本明細書で説明されるメモリ204の機能を行うために、メモリ104のような力覚駆動システム112の外部のメモリを利用してもよい。
【0040】
増幅器206は、DSP202に電気的に結合されてもよく、出力信号VOUTを生成するために、入力信号VIN(例えば、時変電圧若しくは電流)の電力を増加させるように構成された任意の適切な電子システム、デバイス、又は装置を含んでもよい。例えば、増幅器206は、信号の振幅を増大させるために、電源(明確には示されていない)からの電力を使用してもよい。増幅器206は、限定なしに、D級増幅器を含む任意の適切な増幅器のクラスを含んでもよい。
【0041】
動作中に、メモリ204は、基準駆動波形V(t)を保存してもよい。基準駆動波形V(t)は、値がまたメモリ204に保存されてもよい、共振周波数f0_Rを有する基準線形共振アクチュエータと共に使用するために最適化された駆動波形を含んでもよい。このような基準線形共振アクチュエータは、製造又はプロセスのばらつき及び許容誤差に起因する違いを除いて、モバイルデバイス10に存在する線形共振アクチュエータ107と全ての重要な点で類似してもよいので、線形共振アクチュエータ107の共振周波数F0_T(本明細書では目標共振周波数と呼ばれる)は、このようなプロセスのばらつき及び許容誤差に従って、基準線形共振アクチュエータの共振周波数f0_Rから変動してもよい。
【0042】
基準駆動波形V(t)は、基準線形共振アクチュエータの試験及び特徴付けを含む任意の適切な方法で導出されてもよく、基準共振周波数f0_Rは、このような基準共振周波数f0_Rの測定に基づいて決定されてもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、基準線形共振アクチュエータは、駆動波形V(t)が基準線形共振アクチュエータに所望の力覚効果を提供するために、共振周波数f0_Rを決定し、基準駆動波形V(t)を最適化するように試験され、特徴付けられてもよく、基準駆動波形V(t)及び共振周波数f0_Rは、製造又はプロセスのばらつき及び許容誤差に起因する違いを除いて、基準共振アクチュエータと全ての重要な点で類似する線形共振アクチュエータを使用するモバイルデバイスのために、力覚駆動システム112のメモリ204に保存されてもよい。
【0043】
動作中に、デジタル信号プロセッサ202は、力センサ105(例えば、力センサ105とのユーザ相互作用を検出する力センサ105)からの適切なトリガ信号VSENSEの受信に応答して、線形共振アクチュエータ107を駆動する出力駆動信号VOUTを生成するために、増幅器206によって増幅されてもよい目標駆動波形V(t)を生成及び出力してもよい。以下でより詳細に説明されるように、デジタル信号プロセッサ202は、基準共振周波数f0_Rと目標共振周波数f0_Tとの間の差に基づいて目標駆動波形V(t)を生成するために基準駆動波形V(t)を変更して、基準駆動波形V(t)から目標駆動波形V(t)を導出してもよい。例えば、デジタル信号プロセッサ202は、目標駆動波形V(t)を生成するために、時間領域補償及び振幅領域補償の一方又は両方を基準駆動波形V(t)に適用してもよい。
【0044】
図2に示されるように、デジタル信号プロセッサ202は、線形共振アクチュエータ107の測定に基づいて、目標共振周波数f0_Tを決定してもよい。例えば、幾つかの実施形態においては、デジタル信号プロセッサ202は、限定なしに、温度を含む多数の因子に起因して、経時的に変動してもよい目標共振周波数f0_Tを継続的又は定期的に測定し、目標共振周波数f0_Tが経時的に変動すると、目標駆動波形V(t)を適合させてもよい。しかし、他の実施形態においては、目標共振周波数f0_Tは、製造中に又はその最初の起動時に1回測定されるだけでもよく、目標共振周波数f0_Tの値は、メモリ204に記録され、力覚駆動システム112及び線形共振アクチュエータ107の寿命全体に亘って目標駆動波形V(t)の生成のために使用される。
【0045】
上述のように、デジタル信号プロセッサ202は、時間領域補償を基準駆動波形V(t)に適用することによって、目標駆動波形V(t)を生成してもよい。時間領域補償を使用して、デジタル信号プロセッサ202は、時間調整因子Aに従って、基準駆動波形V(t)の時間領域において基準駆動波形V(t)を伸縮することによって、目標駆動波形V(t)を生成してもよく、時間調整因子Aは、目標共振周波数f0_Tと基準共振周波数f0_Rとの間の差に基づいて決定される。幾つかの実施形態においては、時間調整因子Aは、目標共振周波数f0_Tによって除算された基準共振周波数f0_Rに等しい算術比に等しくてもよい。例えば、以下の式である。
【数2】
【0046】
時間調整因子Aは、目標駆動波形V(t)の時間領域が基準駆動波形V(t)と比較して時間に対して調整される量を表してもよい。例えば、目標駆動波形V(t)と基準駆動波形V(t)との間の関係は、以下の式によって与えられてもよい。
【数3】
【0047】
上述のように、デジタル信号プロセッサ202は、時間領域補償を適用することに加えて、又はその代わりに、基準駆動波形V(t)に振幅領域補償を適用することによって、目標駆動波形V(t)を生成してもよい。振幅領域補償を使用して、デジタル信号プロセッサ202は、振幅調整因子Aに従って、基準駆動波形V(t)の振幅を増減させることによって、目標駆動波形V(t)を生成してもよく、振幅調整係数Aは、目標共振周波数f0_Tと基準共振周波数f0_Rとの間の差に基づいて決定される。幾つかの実施形態においては、振幅調整因子Aは、0と1との間の指数乗に引き上げられた算術比に等しくてもよく、算術比は、基準共振周波数f0_Rによって除算された目標共振周波数f0_Tに等しい。例えば、以下の式である。
【数4】

指数aは、0≦a≦1のようなべき指数である。べき指数aは、共振周波数偏差に関連する必要な振幅補正の量を表してもよい。べき指数aの値が小さい場合は、べき指数aの値が大きい場合より、周波数における偏差を補正するために必要な補正が小さくてもよい。べき指数aの値は、特性評価のために使用される一連の線形共振アクチュエータに亘って最小振動レベルばらつきをもたらすべき指数aの最適値を選択するために、校正/特性評価実験を実行することによって決定されてもよい。
【0048】
振幅調整因子Aは、基準駆動波形V(t)の振幅領域が目標駆動波形V(t)を生成するために調整される量を表してもよい。例えば、目標駆動波形V(t)と基準駆動波形V(t)との間の関係は、以下の式によって与えられてもよい。
【数5】
【0049】
上述のように、幾つかの実施形態においては、目標駆動波形V(t)を生成するために、時間領域調整及び振幅領域調整の両方が基準駆動波形V(t)に適用されてもよい。このような実施形態においては、目標駆動波形V(t)は、以下の式によって与えられてもよい。
【数6】

T‘(t)は、以下の式によって与えられる時間領域調整中間目標波形である。
【数7】
【0050】
場合によっては、目標駆動波形V(t)を生成するために基準駆動波形V(t)に適用される計算された振幅調整は、線形共振アクチュエータ107の質量体の過度の偏位を引き起こす場合がある。このような場合には、デジタル信号プロセッサ202は、線形共振アクチュエータ107の質量体の過度の偏位を防止するために、基準駆動波形の振幅に対する増加を無効化してもよく、又は低減してもよい。
【0051】
本開示は、当業者が理解する本明細書の例示的な実施形態に対する全ての変化、置換、変形、改変、及び変更を包含する。同様に、適切な場合には、添付の特許請求の範囲は、当業者が理解する本明細書の例示的な実施形態に対する全ての変化、置換、変形、改変、及び変更を包含する。その上、特定の機能を実行するように適合され、配置され、能力があり、構成され、使用可能であり、動作可能であり、又は作動する装置若しくはシステム又は装置若しくはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲における参照は、その装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、配置され、能力があり、構成され、有効化され、動作可能であり、又は操作可能である限り、その装置、システム、又は構成要素を包含する。
【0052】
本明細書に列挙された全ての例及び条件付き言語は、本発明及び技術を進めるために発明者によって貢献された概念を理解する際に読者を助けるための教育的目的が意図され、このような具体的に列挙される例及び条件に限定されないように解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変化、置換、及び改変がなされることができるが理解されるべきである。
図1
図2