(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】適応型照明システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/115 20060101AFI20220719BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20220719BHJP
B60Q 11/00 20060101ALI20220719BHJP
B62J 6/024 20200101ALI20220719BHJP
B62J 6/023 20200101ALI20220719BHJP
【FI】
B60Q1/115
B60Q1/04 D
B60Q11/00 610B
B60Q11/00 625A
B60Q11/00 650C
B62J6/024
B62J6/023
(21)【出願番号】P 2020567232
(86)(22)【出願日】2019-06-04
(86)【国際出願番号】 US2019035426
(87)【国際公開番号】W WO2019236601
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-12-02
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505125314
【氏名又は名称】インディアン・モーターサイクル・インターナショナル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ アール ホーン
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-260895(JP,A)
【文献】特開2004-122913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/115
B60Q 1/04
B60Q 11/00
B62J 6/024
B62J 6/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両構造を有する車両のための照明システムであって、
第1の一次ロービーム要素、第2の一次ロービーム要素及び第3の一次ロービーム要素を含む複数の一次ロービーム要素であって、前記第2の一次ロービーム要素は、前記第1の一次ロービーム要素と前記第3の一次ロービーム要素との間に配置される、複数の一次ロービーム要素、
複数の二次ロービーム要素、
傾斜角度信号を生成する、前記車両構造に結合された傾斜角度センサ、及び、
前記傾斜角度信号に応答して前記複数の一次ロービーム要素及び前記複数の二次ロービーム要素を制御する、前記傾斜角度センサに結合されたコントローラ、
を含み、前記コントローラは、ロービーム動作中に常に点灯されるように前記第2の一次ロービーム要素を制御し、且つ前記第1の一次ロービーム要素及び前記第3の一次ロービーム要素は、前記傾斜角度信号に基づいて選択的に点灯されるように制御され、及び前記コントローラは、前記傾斜角度信号が所定の角度未満の角度に対応するときにすべて点灯されるように前記第1の一次ロービーム要素、前記第2の一次ロービーム要素及び前記第3の一次ロービーム要素を制御する、照明システム。
【請求項2】
一次ハイビーム要素及び二次ハイビーム要素をさらに含み、前記コントローラは、前記傾斜角度信号に応答して前記二次ハイビーム要素を制御する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記二次ハイビーム要素は、第1の二次ハイビーム要素及び第2の二次ハイビーム要素を含む、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1の二次ハイビーム要素及び前記第2の二次ハイビーム要素は、前記傾斜角度信号に基づいて選択的に活性化される、請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
複数のドライビングライトをさらに含み、前記コントローラは、前記傾斜角度信号に応答して前記ドライビングライトを制御する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項6】
前記傾斜角度信号が所定の角度より大きい傾斜角度に対応するとき、第1の二次ドライビングライト要素を点灯させ、且つ第2の二次ドライビングライト要素を点灯させない、請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
車両構造を有する車両のための照明システムであって、
一次ハイビーム要素、
第1の二次ハイビーム要素及び第2の二次ハイビーム要素を含む二次ハイビーム要素、
傾斜角度信号を生成する、前記車両構造に結合された傾斜角度センサ、及び、
前記傾斜角度信号に応答して前記第1の二次ハイビーム要素及び前記第2の二次ハイビーム要素を制御する、前記傾斜角度センサに結合されたコントローラ、
を含む照明システム。
【請求項8】
前記傾斜角度信号が所定の角度より大きい傾斜角度に対応するとき、前記第1の二次ハイビーム要素を点灯させ、且つ前記第2の二次ハイビーム要素を点灯させない、請求項7に記載の照明システム。
【請求項9】
前記一次ハイビーム要素を点灯させることをさらに含み、及び前記傾斜角度信号が所定の角度より大きい傾斜角度に対応するとき、前記第1の二次ハイビーム要素を点灯させ、且つ前記第2の二次ハイビーム要素を点灯させない、請求項8に記載の照明システム。
【請求項10】
複数のドライビングライトをさらに含み、前記コントローラは、前記傾斜角度信号に応答して前記ドライビングライトを制御する、請求項7に記載の照明システム。
【請求項11】
車両のライトアセンブリを動作させる方法であって、
前記車両の傾斜角度を判断すること、
前記傾斜角度に応答して一次ロービーム要素を選択的に制御することであって、前記複数のロービーム要素は、第1の一次ロービーム要素、第2の一次ロービーム要素及び第3の一次ロービーム要素を含み、前記第2の一次ロービーム要素は、前記第1の一次ロービーム要素と前記第3の一次ロービーム要素との間に配置される、選択的に制御すること、及び、
前記傾斜角度に応答して二次ロービーム要素を選択的に制御すること、ロービーム動作中に常に点灯されるように前記第2の一次ロービーム要素を制御することであって、前記第1の一次ロービーム要素及び前記第3の一次ロービーム要素は、前記傾斜角度信号に基づいて選択的に点灯されるように制御される、制御すること、及び前記傾斜角度信号が所定の角度未満の角度に対応するときにすべて点灯されるように前記第1の一次ロービーム要素、前記第2の一次ロービーム要素及び前記第3の一次ロービーム要素を制御すること、
を含む方法。
【請求項12】
前記傾斜角度を判断することは、
ロール角からバンク角度を判断すること、
ヨー角加速度がヨー角加速度閾値未満であり、且つ前記バンク角度が不感帯の外にあるとき、修正されたバンク角度まで前記バンク角度を低減し、且つ一次ロービーム要素、前記二次ロービーム要素又は前記二次ハイビーム要素を活性化するために、前記修正されたバンク角度を使用すること、及び、
前記ヨー角加速度が前記ヨー角加速度閾値以上であるか、又は前記バンク角度が不感帯の外にないとき、一次ロービーム要素又は二次ハイビーム要素を活性化するために未修正バンク角度を使用すること、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の故障検出モジュールを有するライト制御モジュール制御モジュールを含
む車両のための適応型ライトアセンブリであって、
前記適応型ライトアセンブリ内の故障を検出する第2の故障検出モジュールを含むライト制御回路系、及び
前記第1の故障検出モジュールによって検出可能なエラーをシミュレートするために前記ライト制御回路系に結合された切り替え回路、
を含む適応型ライトアセンブリ。
【請求項14】
前記故障は、前記適応型ライトアセンブリ内のライトセグメントエラー、回路エラー、センサ又はソフトウェアエラーの1つに対応する、請求項13に記載の適応型ライトアセンブリ。
【請求項15】
前記切り替え回路は、前記適応型ライトアセンブリ内の電気的特性を変更する、請求項13に記載の適応型ライトアセンブリ。
【請求項16】
ライトアセンブリの故障を指示する方法であって、
第1の故障検出モジュールを含むライト制御回路系を含む適応型ライトアセンブリを車両ライト駆動制御モジュールに結合すること、
前記ライトアセンブリ内の故障を検出すること、
前記第1の故障検出モジュールによって検出可能なエラーをシミュレートするために
、前記ライトアセンブリ内のスイッチを制御
し、それによって電気的特性を形成すること、
第2の車両ライト駆動制御モジュールにおける前記電気的特性
の変化を検出すること、及び、
前記電気的特性の前記変化に応答して故障指示器を制御すること、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月5日出願の米国仮特許出願第62/680,722号明細書の非仮特許出願である2019年6月3日出願の米国特許出願公開第16/429,410号明細書に対する優先権を主張する。上記出願の両方の開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、車両のための適応型照明システムに関し、具体的には車両状態を補償する適応型照明システムに関する。
【背景技術】
【0003】
この章は、必ずしも従来技術ではない、本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
車両の運転手は、安全性を最大化するために周囲環境を認識すべきである。車両は、夜間の視界を改善するためのヘッドライトを必要とする。さらに、レーダなどの様々な他のタイプの電子部品も、様々な状態を改善及び感知するために車両において使用され得る。
【0005】
オートバイなどのいくつかの車両は、道路に対して移動するフレームを有する。すなわち、オートバイ操作者は、ターン中に車両のフレームを傾ける。ヘッドライト及びセンサは、車両又はフレームに取り付けられるため、ヘッドライト及びセンサの方向も傾斜中に準最適位置に配向される。例えば、ヘッドライトは、ビームを道路の先の方に提供するのではなく、むしろ車両の直前の実際の道路を照明し得る。レーダセンサ又は他のタイプのセンサも誤った方向に向けられる。
【0006】
車両の道路の先の方の道路だけでなく、車両の前の道路も照明することは、運転手が前方の道路の曲率及び道路における物体を認識するだけでなく、他の運転手がこの車両を認識するためにも重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この章は、本開示の一般的概要を提供するが、その完全な範囲の包括的開示又はその特徴のすべてではない。
【0008】
本開示は、限定しないが、オートバイなどの車両のヘッドライトを方向付けるためのシステム及び方法を提供する。本開示は、より良好な視界を運転手に提供し、且つ近付いてくる運転手にもより良好な視界を提供するために、車両角度に従ってロービーム、ハイビーム又はその両方を適合化する方法を提供する。
【0009】
本開示の一態様では、車両構造を有する車両のための照明システムは、複数の一次ロービーム要素、複数の二次ロービーム要素、車両構造に結合された傾斜角度センサ及び傾斜角度に応答して一次ロービーム要素及び二次ロービーム要素を制御する、傾斜角度センサに結合されたコントローラを含む。
【0010】
本発明の別の態様では、照明システムは、一次ハイビーム要素、二次ハイビーム要素、車両構造に結合された傾斜角度センサ及び傾斜角度に応答して二次ハイビーム要素を制御する、傾斜角度センサに結合されたコントローラを含む。
【0011】
本開示の別の態様では、方法は、車両の傾斜角度を判断すること、傾斜角度に応答して一次ロービーム要素を選択的に制御すること及び傾斜角度に応答して二次ロービーム要素を選択的に制御することを含む。
【0012】
本開示のさらに別の態様では、第1の故障検出モジュールを有するライト制御モジュール制御モジュールを含む車両のための適応型ライトアセンブリは、第2の故障検出モジュールを含むライト制御回路系を含む。第2の故障検出モジュールは、適応型ライト内の故障を検出する。切り替え回路は、第1の故障検出モジュールによって検出可能なエラーをシミュレートするためにライト制御回路系に結合される。
【0013】
本開示の別の態様では、ライトアセンブリ内の故障を指示する方法は、適応型ライトアセンブリを車両ライト駆動制御モジュールに結合することを含む。ライトアセンブリは、第1の故障検出モジュールを含むライト制御回路系を含む。本方法は、ライトアセンブリ内の故障を検出すること、第1の故障検出モジュールによって検出可能なエラーをシミュレートするために、ライトアセンブリ内のスイッチを制御し、それによって電気的特性を形成すること、車両ライト駆動制御モジュールにおける電気的特性の変化を検出すること及び電気的特性の変化に応答して故障指示器を制御することを含む。
【0014】
適用可能性のさらなる領域は、本明細書に記載された説明から明らかになる。本概要内の説明及び具体例は、例示の目的のみのためのものであるが、本開示の範囲を限定するように意図されていない。
【0015】
本明細書において説明される図面は、すべての可能な実施形態ではなく、選択された例のみのためのものであり、本開示の範囲を限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】ヘッドライト及び様々なセンサ位置を有するオートバイなどの車両の上面図である。
【
図2】本発明の一例によるヘッドライトの正面立面図である。
【
図4】ロービームの一次要素の第2の例の光出力の第2の例である。
【
図5】傾斜角度に関する角度位置におけるヘッドライトの線図である。
【
図6A】傾斜角度に対応する
図5のライト要素の出力である。
【
図6B】
図5の中央のロービーム要素の光出力である。
【
図7A】ロービームの二次要素の2つの異なる例である。
【
図7B】ロービームの二次要素の2つの異なる例である。
【
図8A】
図2の一次及び二次ハイビームの出力の光プロットである。
【
図8B】
図2の一次及び二次ハイビームの出力の光プロットである。
【
図8C】
図2の一次及び二次ハイビームの出力の光プロットである。
【
図8D】
図2の一次及び二次ハイビームの出力の光プロットである。
【
図8E】
図2の一次及び二次ハイビームの出力の光プロットである。
【
図9A】ライトアセンブリ内に収容されたセンサの前面図及び側面図である。
【
図9B】ライトアセンブリ内に収容されたセンサの前面図及び側面図である。
【
図10A】車両の様々な速度に対応する様々な光パターンを示す線図である。
【
図10B】車両の様々な速度に対応する様々な光パターンを示す線図である。
【
図10C】車両の様々な速度に対応する様々な光パターンを示す線図である。
【
図14】リストアセンブリの焦点を制御するためのアクチュエータの概略図である。
【
図15】車両のハイビーム及びロービームを制御する方法のフローチャートである。
【
図16】車両のヘッドライトの焦点位置を調整する方法のフローチャートである。
【
図17】適応型ライト出力対照明不感帯の例を示す傾斜角度のプロットである。
【
図18A】計算傾斜角度及びヨー角加速のプロットであり、ヨー角加速が閾値帯内に低下して、計算ライト傾斜角度に不感帯に入るまで逓減することを開始させる例である。
【
図18B】計算傾斜角度及びヨー角加速度のプロットであり、ヨー角加速度が閾値不感帯内に低下して、計算ライト傾斜角度に逓減することを開始させ、加速が最大閾値を超えるとこの逓減を停止することを示す例である。
【
図19】車両のバンク角度に基づいて傾斜角度を補正する方法のフローチャートである。
【
図20A】本開示による故障検出システムの第1の例の概略図である。
【
図20B】本開示による故障検出システムの第1の例の概略図である。
【
図20C】本開示による故障検出システムの第1の例の概略図である。
【
図21A】本開示による故障検出システムを動作させる方法の簡略フローチャートである。
【
図21B】ハイビーム及びロービームの両方の別々の制御を有する故障検出システムを動作させる方法のフローチャートである。
【
図21C】適応型ライト内の故障をシミュレートするために開回路をシミュレートする方法のフローチャートである。
【
図21D】ロービームの電流の増加を有する故障検出システムを動作させる方法のフローチャートである。
【
図21E】閾値敏感パラメータにより故障検出システムを動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
対応参照符号は、添付図面のいくつかの図にわたって対応部分を指示する。
【0018】
次に、例示的実施形態が添付図面を参照してより詳細に説明される。以下の説明は、オートバイ適用のいくつかの例を含むが、本明細書における特徴は、スノーモービル、全地形車両、多目的車両、モペット、スクータなどの任意の適切な車両に適用され得ることが理解される。以下に開示される例は、網羅的であるように意図されていないか、又は本開示を、以下の詳細な説明に開示される正確な形式に限定するように意図されていない。むしろ、これらの例は、当業者がそれらの教示を利用し得るように選択及び説明される。
【0019】
ここで、
図1A~1Dを参照すると、オートバイなどの車両10が記載される。オートバイは、車両センサのための様々な取り付け構成を含む。
図1Aでは、車両の上面図が示される。車両センサは、車両の様々な位置に取り付けられ得る。車両センサは、様々なタイプのライト筐体内に取り込まれ得る。これは、センサ位置が明らかになることがない美学的に美しい外観を設計者が維持することを可能にする。車両10は、フレーム12、ハンドルバー14及びその1つが
図1Bに示される車輪16の対を含む。前輪は、センサ20が取り付けられるフェンダ18により囲まれ得る。上述のように、センサ20は、ライト筐体41内又はフェンダ18上に配置された他の装飾品内に取り込まれ得る。センサ20は、限定しないが、レーダ、ライダ又は他の近接センサであり得る。
【0020】
センサ22は、車両の操舵機構14に結合され得る。センサ22は、車両10の側面に向かう方向を含む様々な方向に向けられ得る。フレーム、ハイウェイバー及び下側フェアリングは、センサ22を取り付けるための好適な場所である。
【0021】
車両10は、座席24も含み得る。座席24は、車両10の両側面に向けられるセンサ26を含み得る。
【0022】
車両10は、サドルバッグ28も含み得る。サドルバッグ28は、その中に取り込まれた様々なセンサを有し得る。センサは、前向きセンサ30、後向きセンサ32又は横向きセンサ34を含み得る。
【0023】
車両10は、ヘッドライトアセンブリ40も含み得る。ヘッドライトアセンブリ40は、以下にさらに詳細に述べるような適応型ヘッドライトであり得る。加えて、ヘッドライトアセンブリ40は、視界センサなどのセンサ42を含み得る。
【0024】
次に、特に
図1Bを参照すると、車両10は、前輪16をフレームに固定するために使用されるフォーク44を含み得る。側部搭載センサ46が隣接車両を感知するために使用され得る。1つのセンサ46が各フォーク44上の車輪16のいずれかの側で使用され得る。
【0025】
次に、
図1Cを参照すると、車両10の正面図がさらに詳細に示される。この例では、センサ42は、
図1Aに示すようにヘッドライト40内に封入され得る。しかし、センサの様々な他の位置は、センサ50、52がヘッドライト40の下に位置することを含む。他のセンサ54は、ドライビングライト56内に位置し得る。センサ60は、方向指示器58内に位置し得る。
【0026】
次に、特に
図1Dを参照すると、車両10の一部分が切除されている。センサ42などのセンサをライト筐体62とヘッドライトアセンブリ40のレンズ64との間に置くことにより、コントローラ70は、離れた位置に位置し得る。すなわち、コントローラ70は、熱及び湿気の観点でより好ましい環境内に位置し得る。本例では、コントローラ70は、車両10の計器盤内に位置する。これは、マイクロプロセッサベースであるコントローラ70がより好ましい位置において動作することを可能にする。コントローラ70は、車両の姿勢を感知する慣性センサであり得るセンサ74を有する共通筐体72内に位置し得る。コントローラ70は車両制御モジュール(VCM)の一部として取り込まれ得る。
【0027】
ここで、
図2を参照すると、ヘッドライトアセンブリ40がさらに詳細に示される。この例では、ロービーム要素の主要部分210が記載される。ロービーム要素210A、210B及び210Cは、ロービームの主要部分、すなわち第1の部分210を形成する。この例では、要素210A及び210Cは、適応型であり、これは、以下にさらに説明されるように、要素210A及び210Cが車両の傾斜角度に依存してオンする(光を発射する)又はオフする(光を発射しない)ように制御されることを意味する。ロービームの第1の二次部分220は、複数の要素220A、220B、220C及び220Dを使用して形成され得る。ロービームの第2の二次部分222は、要素222A、222B、222C及び222Dにより形成され得る。この例に示すように、4つのレンズが第1の二次部分220及び第2の二次部分222を形成するために使用される。しかし、様々な数の要素が使用され得る。
【0028】
要素220A~220D及び222A~222Dは、ライト筐体の周辺に少なくとも部分的に配置され得る。要素220A~220D及び222A~222Dは、形状が概ね長方形であり、半径方向内方向に延伸し得る。しかし、他の形状及びサイズが使用され得る。さらに、各要素又はいくつかの要素は、異なって整形され得る。
【0029】
主要部分230を有するハイビームも示される。主要部分230は、本例において示されるように単一レンズであり得る。
【0030】
ハイビームの二次部分232も記載される。ハイビームの二次部分232は、第1のレンズ232A及び第2のレンズ232Bを含み得る。ハイビームの二次部分232は、要素232A、232Bの一方又は他方又は両方が傾斜角度などの車両の様々な状態に依存して活性化され(すなわち発光し)得るという点で適応型であり得る。
【0031】
次に、
図3を参照すると、一次ロービーム要素210A、210B及び210Cの光出力が示される。画面は、車両の前の中央を表す0度におけるマーキング、中央から左側に向かう15度を表すマーキングL15及び中央の左側への30度を表すマーキングL30を有する。同様に、画面はまた、中央の右に15度のR15としてマーキングされた位置と、中央の右側への30度のR30としてマーキングされた位置とを有する。この例では、レンズ210Bは、L15~R15の領域を照明するように整形される。レンズ210Aは、L30~R30の領域を照明するように整形される。同様に、レンズ210CもL30~R30の領域を照明する。
【0032】
ここで、
図4を参照すると、画面310が同様の方法で示される。しかし、要素210A、210Cのそれぞれの要素のレンズは、光を様々な方向に向けるように変更される。すなわち、要素210Aは、0度~L30の領域を照明する。要素210Bは、
図3に説明したように、L15~R15の領域を照明し、要素210Cは、0度~R30の領域を照明する。車両10の構成に依存して、
図3又は4に記載の例のいずれかが実施され得る。
【0033】
動作中、ロービームの要素210A~210Cが選択的に活性化され得る。車両が比較的直線(すなわち傾斜角度なし)である標準運転モードでは、要素210A~210Cのすべてが道路面を照明するために使用され得る。しかし、車両がいずれかの方向に傾斜し始めると、個々の要素210A、210Cは、走行の経路内にない物体が照明されることを防止するためにオフにされ得るか又は強度が低減され得る。強度の低減は、「オン」強度の約25%であり得る。すなわち、車両が運転され、車両が傾斜すると、要素210A及び210Cは、車両の傾斜角度に応答して「オフ」するように又は低減された強度に選択的に制御され得る。すなわち、要素210A及び210Cの選択的制御は、0~100%であり得る。
【0034】
ここで、
図5を参照すると、
図2に示すヘッドライト40は、車両の傾斜角度に対応する角度510で記載される。
【0035】
次に、
図6Aを参照すると、道路610を含む景観のシミュレーション図が示される。この例では、光は、
図4に関して上に記載されたものと同様の方法で様々な部分を照明する一次ロービームライトを使用して生成される。しかし、この例では、要素210Cは、運転手注意散漫を低減し、且つ運転手が経路に集中することを促進するために、点灯されないか又は完全「オン」強度の約25%まで低減される。要素210Cは、走行方向の上を照明する。
【0036】
図6Bは、単一ロービーム要素210Bにより動作する、
図6Aと同様のミュレーション図である。
【0037】
次に、
図7Aを参照すると、二次部分222の出力の光出力プロットが記載される。この例では、要素222A~222Dからの光のすべてが比較目的のために示される。すべての要素220A~220Dの光出力は、鏡像である。この例では、要素に対応するレンズの形状は、
図7A及び7Bで異なって整形され得る。
図7Aでは、ハイパンチ出力ビームが要素毎に示される。要素は、示されないが、要素の出力は、参照符号により示される。
図7Aと
図7Bとを対比すると、
図7Aは、対応要素の端に向けられた大量の光を示すハイパンチ/シャープカットオフを有する。
図7Bでは、光の強度は、各要素の最右端に向かって低減される。様々なタイプの車両及び所望の技術的要件に依存して、パンチ又はカットオフを実現するための要素222A~222Dの好適な形状が車両設計により選択され得る。車両10が傾くと、要素222A~222Dは、所望の光出力を提供するために選択的且つ連続的に点灯され得る。
【0038】
次に、
図8A~8Cを参照すると、適応型ハイビームの出力が示される。
図8Aでは、
図2に示す一次要素230の光出力の画面プロットが記載される。
図8Bでは、二次要素232A及び232Bの両方が画面上の要素818及び820を形成する。図示のように、一次要素230と二次要素232A、232Bとの組み合わせ合成の出力がハイパンチ/低分散を提供する。しかし、低パンチ/高分散が所望される場合、要素232A及び232Bのレンズの形状は、ボックス822及び824に対応する光出力がハイビームにより形成されように変更され得る。
【0039】
次に、
図8Dを参照すると、要素232A及び232Bは、光出力を生成するために選択的に使用され得る。この例では、ヘッドライト及びしたがって車両の傾斜角度は、左に向いている。車両が左に傾く際、要素232Aに対応するハイビームを方向付けることは、望ましくない。この例では、要素232Aは、遮断され、したがって要素232Bの出力のみが提供される。すなわち、
図8Cは、ボックスの1つ(822に対応する)が遮断される、すなわち照明しない間の角度位置と解釈される。
【0040】
図8Eでは、ハイビームライト、ロービームライト、ドライビングライトの別の制御方式が様々な傾斜角度で示される。位置Eは、3つの一次ロービーム要素が点灯される垂直に対応する。十分な傾斜角度が検出されると、二次ロービームは、その方向に依存して照明を開始する。傾斜角度が所定量を超えると、中央の一次要素のみがより多くの二次要素と共に点灯される。最終的に、位置A及びIにおいて、4つの二次要素及び1つの一次ロービーム要素が点灯される。一次ロービーム要素は、ハイビームが選択されたときと同じように挙動する。しかし、所定の角度が増加すると、二次ハイビーム要素は、傾斜角度の方向に点灯される。
【0041】
次に、
図9A、9Bを参照すると、ヘッドライト40’の簡略化バージョンが示される。ヘッドライト40’は、その中に収容されたセンサ42’を含み得る。センサ42’は、例えば、レーダセンサ又は光センサであり得る。当然のことながら、ヘッドライト40’は、
図2に記載の要素の1つ又は複数を含み得る。センサ42’は、好適には、レーダビーム912が外側レンズカバー910を通して発射されるようにその背後に置かれる。
【0042】
ヘッドライト40’が示されるが、センサ42’は、ブレーキライト、補助ライト、方向指示器などの様々なタイプのライト筐体内に含まれ得る。車両上のライトの多くの異なる位置又は他の位置が
図1Aに示されている。
【0043】
ヘッドライト40’は、車両から発射されるビームパターンの長さを変更する適応型ヘッドライトでもあり得る。
図10A~10Cに示すように、図示されたビームパターンは、
図10Aに示される時速30キロメートルなどの低速度でより広いW1及びより短いD1にある。
図10Bでは、ビームパターンは、時速60キロメートルにおいて中距離(長さD2及び幅W2)にあり、時速90キロメートルでは、
図10Cに示すように遠距離D3及び狭い幅W3にある。距離D1、D2及びD3は、時間に基づいて計算され得る。したがって、これらの距離は、6秒後に前方を見る時刻に対応し得る。したがって、距離D1~D3は、異なるが、照明される車両の前の長さ又は時間の量は、同じであり得る。したがって、速度に基づき、車両の前方のビームパターンの量が計算され得る。
【0044】
ここで、
図11を参照すると、制御システム1110のブロック線図が示される。この例では、
図1Dに示すコントローラ70に対応し得るコントローラ1112が記載される。この例では、制御システム1110は、レーダ筐体1114又はライト筐体1116の動作を制御し得る。すなわち、コントローラ1112は、レーダ筐体1114内のレーダの出力を制御し得る。コントローラ1112は、ライト筐体により提供される照明の量に望ましい距離に対応するために、外側レンズを短い距離移動することにより、システムの焦点長を調整するようにアクチュエータ1118を制御することにより、ライト筐体1116も制御し得る。アクチュエータ1118は、レンズを移動するか又は水若しくは油で満たされた膜内の圧力を変更する小型モータであり得る。この例は、以下の
図14において記載されることになる。
【0045】
スイッチ1130は、コントローラ1112と通信し得る。スイッチ1130は、ロービームヘッドライト出力又はハイビームヘッドライト出力を選択するために使用され得る。
【0046】
速度センサ1132は、車両の速度をコントローラ1112に提供し得る。車輪に結合される従来の回転センサを含む様々なタイプの速度センサが使用され得る。
【0047】
コントローラ1112は、慣性測定ユニット1140とも通信し得る。慣性測定ユニット1140は、車両の様々なタイプの運動を感知するために使用される1つ又は複数のセンサであり得る。慣性測定ユニット1140は、横方向加速度、縦方向加速度及び垂直加速度の信号を生成し得る。慣性測定ユニット1140は、ロールモーメント、ヨーモーメント及びピッチモーメントに対応する信号も生成し得る。車両の傾斜角度は、ヨーモーメント及びロールモーメントを使用することにより計算され得る。
【0048】
操舵輪角度センサ1146も本システム内に取り込まれ得る。操舵輪角度センサ1146は、車両のフレームに対する前輪の角度に対応する操舵輪角度を提供し得る。様々なセンサは、ヘッドライトが車両から投射する距離を制御するために、且つ一次ロービーム要素の数、二次ロービーム要素の数及び二次ハイビーム要素の数を車両の傾斜角度に基づいて制御するために使用され得る。
【0049】
ここで、
図12を参照すると、
図11のコントローラ1112のブロック線図がさらに詳細に示される。この例では、コントローラ1112内の様々なモジュールは、点灯される様々なライト要素を判断する。例えば、傾斜角度判断モジュール1210は、慣性測定ユニット1140から傾斜角度を判断する。特に、傾斜角度は、通常、車両のロール角に対応する。しかし、以下に述べるように、補正は、ヨー補正モジュール1211内のヨー角に基づく。したがって、傾斜角度判断モジュール1210の出力は、傾斜角度信号である。
【0050】
速度モジュール1212は、速度センサ1132の出力から速度信号を生成する。速度モジュールは、例えば速度センサ1132から複数のパルスを受信し、これらのパルスを車両速度に変換し得る。
【0051】
ピッチ角判断モジュール1214は、慣性測定ユニット1140からピッチ角を判断する。ピッチ角は、負荷に基づいてヘッドライトの方向を補償するために使用され得る。すなわち、単なるヘッドライトの左右運動を上回るものが補償され得る。車両の前端が車両の後端より高いことを車両のピッチ角が指示する場合、ヘッドライトは、上に示されたアクチュエータ1118を使用することにより、より下方位置に作動され得る。
【0052】
操舵角度モジュール1216は、操舵輪センサ1146から操舵輪角度信号を生成する。操舵輪角度は、照明に望ましい要素を判断するために車両の方向を判断するために使用され得る。
【0053】
ライト駆動制御モジュール1218は、適応型ライトの動作のモードを制御するために使用される。特に、ライト駆動制御モジュールは、ハイビーム、ロービーム及びこれらビームの切り替えを制御する。切り替え制御モジュール1220は、スイッチから切り換え信号を受信し、且つ出力をロービーム制御モジュール1222及びハイビーム制御モジュール1224に提供し得る。すなわち、切り替え制御モジュール1220は、ハイビーム又はロービームが車両により望まれるかに関する指標を生成し得る。傾斜角度1210に応答して又はヨー角加速度により補正された傾斜角度に応答して、ロービーム及びハイビームの一次要素及び二次要素は、上述のように所望の方法で制御され得る。焦点アクチュエータ1240は、車両の前の照明の所望の焦点及びしたがってビームパターンが変更され得るようにライト筐体1116の焦点を制御し得る。
【0054】
ここで、
図13を参照すると、ライト筐体1116がさらに詳細に示される。ライト筐体1116は、上に述べたアクチュエータコントローラ1308及びアクチュエータ1310を含み得る。コントローラ1308及びアクチュエータ1310(1118として
図11に示すような)は、筐体内にあり得るか、又は筐体外にあり得る。アクチュエータ1310は、レンズ要素の形状を変更するために又は発光体に対するレンズ要素の位置を変更するため油を加圧し得る。発光体は、例えば、LED又は白熱灯であり得る。LED発光体は、レンズが静止状態に保持されている間にも移動され得る。コントローラ1308及びアクチュエータ1310は、車両の傾斜角度に従ってハイビーム要素の1つ又は複数を制御するために二次ハイビーム要素232にも接続され得る。一次ロービーム要素210は、上述のようにそれぞれの個々の要素を点灯するか又はそれぞれの個々の要素の点灯を制御するためにアクチュエータ1310とも通信し得る。二次要素220、222は、車両の傾斜角度に基づいてアクチュエータ1310によっても制御され得る。レーダ要素42もアクチュエータ1310により制御され得る。
図1Dの筐体72からの筐体1116の分離は、各筐体内の様々な部品の戦略的位置決め及び取り込みを可能にする。
【0055】
次に、
図14を参照すると、
図11に示すアクチュエータ1118は、車両の外部レンズ1410に結合されて示される。レンズ1410を、矢印1412により指示される方向に移動することにより、光出力は、狭いビーム1414から広いビーム1416に変更され得、その間のサイズとなる。したがって、外部レンズ1410の焦点をシフトすることにより、アクチュエータ1118は、ライトアセンブリの所望の光出力を提供する。アクチュエータ1118は、レンズの外面を操作する電気モータ、油で満たされた要素などの流圧要素又は水で満たされた要素であり得る。
【0056】
ここで、
図15を参照すると、車両のヘッドライトを制御する方法が記載される。工程1528では、車両の傾斜角度は、ハイビーム及びロービームの適切な要素が点灯又は消灯されるようにコントローラにより連続的に監視される。傾斜角度は、上述の慣性測定ユニットから判断される。しかし、個別傾斜角度センサも使用され得る。
【0057】
工程1530は、傾斜角度が第2の所定の角度未満であるかどうかを判断する。傾斜角度が第2の所定の角度未満である場合、工程1532は、すべての一次ロービーム要素を動作させる。ロービーム要素は、
図3、4に示される光を提供する方法で構成され得る。傾斜角度が第2の所定の角度未満である間に動作することにより、車両は、より垂直になる。
【0058】
工程1530に戻って参照すると、傾斜角度が所定の角度以上である場合、傾斜角度は、工程1540、1550及び1560において様々な閾値と比較される。したがって、点灯される二次ロービーム要素の量が変更される。車両の「ローサイド」では、これらの要素は、車両のハイサイドの要素が非活性化され得る間に1つずつ活性化される。これは、
図7A、7Bに示す照明パターンを可能にする。上述のように、ビーム要素が余りに高いために近付いてくる運転手を眩惑させないことが望ましい。したがって、工程1540では、傾斜角度が第3の所定傾斜角度より大きいと、適切な二次要素が作動される。すなわち、工程1542において、一方の側の二次ロービーム要素は、給電又は点灯され、反対側の要素は、消灯される。
【0059】
工程1550では、傾斜角度が第4の所定の角度より大きいかどうかが判断される。第4の所定の角度は、第3の所定の角度未満であろう。第3の所定の角度は、車両が相当な傾斜角度にあるという指標である。第4の所定の角度は、第3の所定の角度未満であり、工程1550では、傾斜角度が第4の所定の角度より大きいかどうかが判断される。傾斜角度が第4の所定の角度より大きい場合、工程1552は、選択された二次要素を点灯し、且つ傾斜角度に依存して車両の他方の側の他の選択された二次要素をオフにする。工程1560は、傾斜角度が第4の所定の角度以下である場合に行われる。工程1560では、傾斜の角度が第5の所定の角度より大きいかどうかが判断される。第5の所定の角度は、第4の所定の角度未満である。これは、小さい角度であるが、工程1530の第2の所定の角度より大きい角度でも車両がほぼ垂直であることを指示することを指示する。傾斜角度が第5の所定の角度より大きい場合、工程1562は、上述のように、傾斜角度に基づき、選択された二次要素を点灯し、他の二次要素を消灯する、すなわちオフにする。工程1552及び1562では、中央のいずれかの側の一次要素が消灯され得る。すなわち、点灯される二次要素の量は、傾斜角度に基づく。高傾斜角度では、
図7A及び
図7Bに示すすべての4つの要素は、車両のローサイドで点灯され得る。様々な角度閾値との比較の量は、要素の数に依存する。車両は、左右にターンするため、傾斜角度は、様々な要素を点灯又は消灯(すなわちオフに)するために使用される。ヘッドライトは、より楽しい効果を提供するために徐々にオフにされ得る。
【0060】
工程1560が否であり、且つ工程1532、1542、1552及び1562後、工程1564が行われる。工程1564では、ハイビーム又はロービームが望ましいかを判断するための切り替え設定が監視される。本明細書に記載の制御は、
図8Eに対応する。ハイビームが点灯される場合、工程1566は、傾斜角度が第1の所定の角度より大きいかどうかを判断するために使用される。角度が所定の角度以下である場合、一次ハイビーム要素が工程1568において作動される。工程1566に戻って参照すると、傾斜角度が所定の角度より大きいと、ハイビームの一次要素が二次要素の1つに加えて作動される。
【0061】
工程1564に戻って参照すると、ロービームが作動されるか又はハイビームが作動されることをスイッチが指示する場合に工程1570が行われる。すなわち、一例では、ロービームは、ハイビームとロービームとの両方に続いて作動される。工程1568及び1570後、本方法は、終了し、且つ傾斜角度が変化すると再開され得る。
【0062】
ここで、
図16を参照すると、ヘッドライトの焦点を調整する方法が記載される。工程1610では、車両速度が判断される。工程1612では、所望の明視距離が確立される。所望の明視距離は、ヘッドライトにより提供される照明の量に対応する時間に対応する。工程1614では、ヘッドライトの焦点位置が速度に基づいて判断される。低速度では、光の広がりは、より大きいことができるが、距離は、光ビームがより狭く、且つ車両の前のより遠い距離を照明する高速度におけるものと同じだけ大きくなる必要はない。工程1616では、アクチュエータがヘッドライトの計算焦点位置に基づいて制御される。車両速度が変化すると、
図16に記載の方法は、繰り返され、ヘッドライトの焦点長及び幅が変更される。
【0063】
ここで、
図17を参照すると、制御された光出力傾斜角度対適応型ライト出力レベルのプロットが記載される。光レベルが計算傾斜角度と整合しない不感帯1710が設けられる。不感帯1710内では、制御される光出力傾斜角度は、不整合のために零に設定される。肩領域1712A及び1712Bでは、制御される光出力傾斜角度は、不感帯における零から、光出力傾斜角度が実際の傾斜角度と整合する値まで上昇して戻る。
【0064】
次に、
図18Aを参照すると、不感帯1710が計算傾斜角度に対して示される。ヨー角加速度に対する最大及び最小閾値も示される。ヨー角加速度は、閾値帯内まで低下し、且つ計算光傾斜角度を不感帯に入るまで逓減し始めさせる。図示のように、ヨーが閾値内まで低下すると、計算傾斜角度は、1810において逓減し始める。計算傾斜角度が不感帯を下回ると、逓減は、1812において停止する。
【0065】
次に、
図18Bを参照すると、改善されたシステムは、ヨー角加速度が閾値を下回り、且つ計算傾斜角度が逓減を開始することを示す。しかし、ヨー角加速度が閾値より上昇すると、計算傾斜角度は、逓減を停止する。すなわち、ヨー角加速度が閾値帯内に低下すると、計算光傾斜角度を逓減し始めさせる。逓減は、ヨー角加速度が最大閾値を超えて戻ると直ちに停止する。
【0066】
すなわち、車両が直線を走行している間、ヨー角加速度はない。角を曲がる間、速度、角半径及びバンク角度などの要因に比例的に増加する測定可能なヨー角加速度が生じる。最小及び最大ヨー角加速度は、ヨー角加速度が最小ヨー角加速度と最大ヨー角加速度との間である場合に車両が角を曲がっていないことが想定され得るように定義され得る。本例では、プラス又はマイナス2度/秒2がヨー角加速度閾値として使用される。しかし、他の値が使用され得る。したがって、この閾値は、2度/秒2に対する最大絶対値として定義され得る。ヨー角加速度閾値は、低傾斜角度におけるロール角不正確性を補償するための非常に低い傾斜角度の指標として使用され得る。ヨー角加速度が最大ヨー角加速度閾値と最小ヨー角加速度閾値との間にあると、車両は、ロール加速度計算にかかわらず角を曲がっていない可能性が高い。したがって、ロール加速度計算は、バンク角度に基づいて補正され得る。ヨー角加速度が閾値内であると、計算バンク角度は、照明不感帯内に入るまで漸増的に低減され得る。
【0067】
ここで、
図19を参照すると、ライト傾斜角度を補正する方法のフローチャートが記載される。工程1910では、慣性測定ユニットは、ヨー角加速度及びロール加速度を含む様々な加速度を測定する。工程1912では、ロール加速度及び以前のバンク角度が新しいバンク角度を計算するために使用される。工程1914では、ヨー角加速度は、閾値未満であるかどうかが判断される。工程1914において、ヨー角加速度が閾値未満であると、バンク角度が判断され、不感帯と比較される。工程1916において、バンク角度が不感帯の外にあると、工程1918において、バンク角度は、低減される。ヨー角加速度が閾値以上であり、バンク角度が不感帯の外にない場合及び工程1918後、工程1920は、工程1922において点灯されるライト要素を計算するためにバンク角度を使用する。
【0068】
次に、
図20Aを参照すると、故障検出回路2010は、適応型ヘッドライト筐体2012を有する適応型ヘッドライトからの部品と、ライト駆動制御モジュール1218及び故障検出モジュール1226などの車両からの部品とを使用する。ライト駆動制御モジュール1218は、接続部2014を使用することにより適応型ヘッドライト筐体2012に結合される。この例では、ハイビーム入力2014A及びロービーム入力2014Bが記載される。適応型ヘッドライト筐体2012は、車両グラウンド2016など、コモン又はグラウンドに結合され得る。適応型ヘッドライト筐体2012は、ライト要素2022を駆動するために使用されるライト制御回路系2020を含む。多くの政府事業体は、車両製造者にヘッドライトが故障したときに指標を提供することを要求する。従来のヘッドライトは、非常に単純であり、車両内の故障検出モジュールは、電球のフィラメントが壊れたときなどに開回路を検出する能力を含む。典型的システムにおける別の故障モードは、過度に高い量の電流がライトアセンブリを通して引き込まれるときのものである。この場合、車両の故障検出システム1226は、特にいくつかのライト要素2022(又はそのセグメント)のみが故障したとき、車両操作者にライト要素2022の1つ又は複数における故障について適切に通知しないであろう。回路系又はソフトウェアにおけるエラーは、従来のシステムを使用することにより検出可能でないであろう。
【0069】
以下の例では、ライト制御回路2020は、故障検出モジュール2030及び切り替え制御回路2032を含み得る。切り替え制御回路2032は、筐体2012内のスイッチ2034A及び2034Bを制御するために使用される。通常設定では、スイッチ2034A及び2034Bは、接続部2014A及び2014Bのそれぞれと通信するために使用される。すなわち、通常動作では、コネクタ2014A及び2014Bは、スイッチ2034A及び2034Bのそれぞれを介してライト制御回路系2020に結合される。故障がハイビーム要素の1つにおいて検出されると、故障検出モジュール2032は、切り替え制御回路2032に伝達されるハイビーム故障信号を生成する。切り替え制御回路2032は、コネクタ2014Aとライト制御回路系2020との間に異なる回路部品を置くためにスイッチ2034Aの位置を変更する。この例では、抵抗性負荷2036Aが回路内に置かれる。抵抗性負荷2036Aは、電気接続部2014Aと切り替え制御回路2032との間の正常接続と異なる電気的特性を有する。電気的特性の変化を提供することにより、車両の故障検出モジュール1226は、故障がハイビーム要素内に存在することを車両操作者に指示するように故障指示器2040を制御し得る。故障指示器2040は、例えば、ハイビームが正しく機能していないことを車両操作者に指示するために、常時又は点滅のいずれかで点灯される琥珀色指示灯、コードエラーを生成するマルチセグメントLED、エラーを生成するタッチスクリーンディスプレイ又は急速に点滅するか若しくは特性のある他の変化を提供するためにハイビーム要素を駆動するために使用される回路系であり得る。
【0070】
ロービーム回路系も同じ方法で動作し得る。ロービーム回路系は、エラー又は故障が故障検出モジュール2030により検出されると、ロービーム回路系内に切り替えられる抵抗性負荷2036Bを含む。同様に、故障検出モジュール1226は、故障がロービームライト要素内に存在することを車両操作者に通知するように故障指示器2040を制御する。
【0071】
故障指示器2040は、適応型ヘッドライト筐体2012内の故障検出モジュール2030が故障を判断すると点灯され得る。故障は、限定しないが、ロービーム又はハイビーム要素の1つ又は複数が開回路を有することを含み得る。適応型ヘッドライトにおいて、ソフトウェアエラー、回路系誤動作、個々の発光ダイオードセグメント不具合、センサ誤差(例えばIMU)などの様々な他のエラーが検出され得る。
【0072】
次に、
図20Bを参照すると、エラーが発生したことを故障検出モジュール2026に指示する別の方法は、接続部2014A及び2014Bとライト制御回路系2020との間に開回路を提供することによる。この例では、スイッチ2050Aが筐体2012内のハイビーム回路内に配置され、スイッチ2050Bは、ロービーム回路内に配置される。故障検出モジュール2030がハイビームライト要素又はロービームライト要素内の故障を判断すると、適切なスイッチ2050A又は2050Bが開位置に活性化される。開回路を提供することにより、故障検出モジュール1226は、ハイビーム又はロービーム要素のいずれかの要素内の故障の適切な指標を提供する。
図20Aの回路の残りは、同じであり、
図20Bにおいて適切にラベルを付けられる。
【0073】
次に、
図20Cを参照すると、
図20Aに示す回路は、ハイビーム回路及びロービーム回路内にそれぞれ配置される電流引き込み要素2054A及び2054Bを含むように修正された。この例では、電流引き込み要素は、故障が指示されると切り替え制御回路系2020により切り替えられる。電流引き込み要素2054A及び2054Bは、故障検出モジュール2026がライト制御回路系2020全体をシャットダウンすることなく、故障が故障検出モジュール2026に指示されることを可能にするように大きさが決められ得る。電流引き込み要素2054A及び2054Bは、照明アセンブリ内の回路の電気的特性を変更するために使用される。
【0074】
次に、
図21Aを参照すると、工程2110は、適応型ヘッドライトが十分に機能的な方法で機能することを示す。工程2112では、故障が検出される。故障が検出されないと、工程2110が再び行われる。工程2112において故障が検出されると、工程2114は、ライト入力ピン/コネクタ上の電気的負荷をライト駆動制御モジュールに変更する。すなわち、ハイビーム又はロービーム又は一般的ライト制御接続部のいずれかの電気的特性が変更される。
【0075】
次に、
図21Bを参照すると、最初の2つの工程2110及び2112は、上記工程と同一である。しかし、このようにして、工程2116は、ハイビーム又はロービーム要素が活性状態であるかを判断する。ハイビーム要素が活性状態である場合、工程2118は、電気的負荷又は他の電気的特性の変化がハイビーム入力内に存在するかどうかを判断する。すなわち、接続部2014Aの電気的特性が提供されると、工程2118は、故障が故障指示器2040により指示されることを可能にする。
【0076】
工程2116において、ロードビームが活性状態であり、ロードビーム回路系の電気的負荷又は電気的特性が接続部2014Bにおいて指示されると、故障が故障指示器2040において指示され得る。
【0077】
次に、
図21Cを参照すると、同じ要素2110、2112及び2116は、この例で提供されるため、繰り返されない。工程2128では、ハイビームが故障を有すると判断された場合、開回路は、
図20Bに示された回路により生成される。工程2116においてロービームが活性状態のときにロービーム要素が故障を指示すると、工程2130は、開回路を生成し、故障が故障指示器2040により指示され得る。
【0078】
次に、
図21Dを参照すると、
図20Cのフローチャートは、工程2110、2112及び2116が同一であるという点で繰り返される。しかし、このようにして、工程2134は、ハイビームが工程2116において活性状態であり、且つ故障が故障検出モジュール2030により検出されると行われる。電流引き込みは、電流引き込み要素2054A又は2054Bを
図20Cのような回路系内に切り替えることにより増加され得る。ロービーム要素が工程2116において活性状態であり、且つ故障がロービーム要素の故障検出モジュール2030において検出されると、工程2136は、ロービーム入力における電流引き込みを増加し、したがって故障が故障検出回路2026において検出される。
【0079】
次に、
図21Eを参照すると、
図21Dの最初の3つの要素を有する方法が記載される。この例では、この説明は、繰り返されない。工程2116においてハイビームが活性状態であると、工程2140が行われる。工程2140では、電流引き込みは、故障を設定するために、車両制御モジュールの閾値を超えるが、電圧制御モジュールがライト駆動制御モジュール1218内のハイビームドライバをオフにする閾値未満までハイビームコネクタ2014A上で増加される。上に示したように、ヘッドライト筐体2012内の抵抗性負荷を追加する電子的作動式切り替えが行われ得る。例えば、抵抗性負荷2036Aが設けられ得る。当然のことながら、他の電気的特性も変更され感知され得る。
【0080】
工程2140後、工程2142は、ライト駆動制御モジュールを使用することによりエラー状態を検出する。ライト駆動制御モジュールは、車両制御モジュールの一部であり得る。したがって、ハイビーム故障は、ハイビームが正しく機能していないことを指示するために、丸ゲージなどのゲージを点滅することにより指示される。工程2144に加えて又はその代わりに、工程2146は、車両制御モジュールがロービーム光出力に切り替わることを可能にし、したがって、ハイビームは、故障がハイビーム要素において指示されると提供され得ない。
【0081】
工程2116に戻って参照すると、ロービームが活性状態である場合、工程2150は、故障を設定するために、車両制御モジュール閾値を超えるまでロービーム入力上の電流引き込みを増加する。電流引き込みは、ライト駆動制御モジュール1218内のロービームドライバをシャットダウンする、すなわちオフにするであろうものより小さい。これは、ロービームであること以外、工程2140に記載のものと同じ方法で行われる。工程2150後、工程2152は、故障検出モジュールにおける故障状態を検出し、ロービーム故障モード又は故障モードに入る。工程2152後、工程2144は、ロービームが故障しているという指標を生成するように行われ得る。
【0082】
工程2152に戻って参照すると、車両制御モジュールは、工程2154においてハイビーム入力にも切り替えられ得る。すなわち、ハイビームは、ロービームのフェールセーフとして使用され得る。しかし、ヘッドライトは、低減された量の光出力を提供するためにパルス化され得る。すなわち、パルス幅変調は、フェールセーフモードが提供され得るように、ハイビームから出力される光量を低減するために使用され得る。
【0083】
図20及び
図21において提供される方法では、適応型ヘッドライトのロービーム要素及びハイビーム要素の故障検出は、追加装備を車両内に設けることなく提供される。すなわち、既存の車両故障検出回路系が使用され得、適応型ヘッドライトが故障指示を提供するために使用される。これは、車両回路系のいかなる修正も提供される必要がないため、適応型ヘッドライトがアフターマーケット状況において提供されることを可能にする。しかし、故障検出は、提供される。
【0084】
また、抵抗性負荷は、
図21Aのスイッチに対して並列に置かれる。抵抗性負荷は、直列にも置かれ得る。重要なことは、ハイビーム又はロービーム回路系の電気的特性が変更されることと、車両内の故障検出回路が変化を検出し得ることとである。
【0085】
これまでの説明は、図解及び説明を目的として提供された。これまでの説明は、網羅的であることを目的としないか、又は本開示を限定することを目的としない。特定の例の個々の要素又は特徴は、一般的に、その特定の例に限定されないが、適用可能な場合、具体的に示されるか又は説明されなくても交換可能であり、選択された例において使用され得る。特定の例の個々の要素又は特徴は、多くの方法でも変更され得る。このような変形形態は、本開示から逸脱するものと見なされるべきではなく、すべてのこのような修正形態は、本開示の範囲に含まれるように意図される。