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特許7106690機械的離脱を備えた閉塞性デバイス送達システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】機械的離脱を備えた閉塞性デバイス送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021000412
(22)【出願日】2021-01-05
(62)【分割の表示】P 2019152018の分割
【原出願日】2014-03-12
(65)【公開番号】P2021058689
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】13/802,101
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アール・スラザス
(72)【発明者】
【氏名】ファン・エイ・ロレンツォ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-051349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0209310(US,A1)
【文献】特表2010-521231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塞栓コイルのための送達システムであって、
遠位端と、対向する近位端と、内部を軸方向に貫通して画定される管腔とを有する送達チューブと、
前記送達チューブと前記塞栓コイルとの間に配置され、かつ、近位端及び対向する遠位端を有する、近位側コイル接合部と、
近位端及び対向する遠位端を有する離脱可能なワイヤであって、前記ワイヤの前記遠位端に末端機構が配置されており、かつ前記ワイヤが前記管腔を貫通して挿入可能であり、かつ前記送達チューブの前記近位端を超えて近位側に延出する、離脱可能なワイヤと、
前記塞栓コイルにより形成されるコイル管腔内に配置される少なくとも1本の伸張抵抗性部材であって、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端が、前記塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれが、前記塞栓コイルの近位端近くにも固定されている、少なくとも1本の伸張抵抗性部材と、
を含み、前記送達チューブの前記遠位端は、前記近位側コイル接合部に、いかなる方法によっても取り付けられることなく、前記ワイヤによって物理的に保持されており、
コイル接続部材が前記末端機構に縫うように通され、前記近位側コイル接合部に固定され、
前記ワイヤの前記近位端が近位方向に引っ張られる事により、前記コイル接続部材が機械的に破断されて、前記ワイヤが、前記近位側コイル接合部から離脱するようになっている、送達システム。
【請求項2】
前記コイル接続部材が、ポリマーで作製されている、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記コイル接続部材が、前記近位側コイル接合部に固定された末端を備えた実質的にU字形のワイヤであり、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの前記近位端が、前記近位側コイル接合部に固定されている、請求項1に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内の血管内に植え込むための閉塞性デバイス(例えば塞栓コイル)に関する。具体的には、本発明は、血管障害の処置における塞栓コイル送達システムのための改善された機械的離脱に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈瘤、及び他の動静脈奇形等の脈管疾患及び欠陥は、これらが重要な組織の付近に存在し、又は奇形への容易なアクセスが得られない場合、特に処置が困難である。これら両方の困難因子は、特に脳動脈瘤に当てはまる。頭部血管を包囲する傷つきやすい脳組織及び制限されたアクセスにより、頭部脈管系の欠陥を外科的に処置することは非常に困難であり、また多くの場合、危険を伴う。
【0003】
代わりの処置としては、カテーテル送達システムを用いて配置される塞栓コイルなどの脈管閉塞デバイスが挙げられる。脳動脈瘤を処置するのに使用されるそのようなシステムでは、塞栓コイル送達カテーテルの遠位端が、典型的には鼠径内の大腿動脈を通して患者の頭部脈管系ではない脈管系内に挿入され、頭蓋内の所定の送達部位へ案内される。
【0004】
様々な長さ(一般に約1cm~約30cm)及びあらかじめ選択された剛性の複数の塞栓コイルが、しばしば、脳動脈瘤内に連続的に詰め込まれ、これによってこの中の血流を制限しかつ塞栓形成を促す。典型的には、医師は最初に剛性の高いコイルを利用して動脈瘤内のフレームワークを確立し、次により柔軟なコイルを選択してそのフレームワーク内の空間を充填する。理想的には、各コイルが、動脈瘤とすでに植え込まれているコイルとの両方に従った形状になる。各後続コイルは、コイルが送達後に呈する傾向にある剛性、長さ、及びプレフォーム形状を含む因子に基づいて、個々に選択される。
【0005】
植え込みの際、医師は、蛍光可視化などの撮像技法によって見ながら、各塞栓コイルを操作し、満足できる位置にしてから、コイルを送達システムから離脱させる。送達後にコイルの両端が動脈瘤内に配置されたままであると有益である。さもないと、血管の主管腔に対して突き出たコイルの長さにより、動脈瘤の外で望ましくない凝血を招くからである。各後続コイルが離脱された後、次のコイルが、コイルの成長する塊の中にからまるリスクの増大にさらされることになり、これによって、コイルが動脈瘤内に挿入される深さが制限されることになる。
【0006】
塞栓コイルの再配置中又は回収を試みる際に、特にコイルがからまり、動脈瘤内へのコイルの完全な挿入が達成されていない場合には、コイルの伸張により困難が生じ得る。コイルに対して印加される引張り力が弾性限界を超えると、コイルは元の形状に戻らなくなる。伸張したコイルは、押し出し能力又は引き戻し能力が低減し、最適な位置への操作又は除去がいっそう困難になる。更に、伸張したコイルは伸張していないコイルよりも占める体積が少なく、これにより、動脈瘤内全体に配置された堅固な塞栓形成を促進するために動脈瘤に十分に充填するのに必要なコイルの数が増大する。
【0007】
そのような問題を回避するため、米国特許第5,853,418号(この全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているもののような、主コイルと、その主コイルに少なくとも2か所で固定的に取り付けられている細長い伸張抵抗性部材とを有する、伸張抵抗性デバイスが使用される。
【0008】
血管閉塞性コイルを脈管構造の望ましい場所(例えば動脈瘤)に送達するためには、最初に、蛍光透視法、超音波、又はその他の操舵可能なナビゲーションを用いて、標的部位に、小型の送達カテーテル又はマイクロカテーテルを配置することが知られている。送達ワイヤ又は「プッシャー」ワイヤをこのカテーテル管腔の近位端から通し、プッシャーワイヤの遠位端に接続された血管閉塞性コイルがそのカテーテルの遠位端開口部から延出し、標的部位の血管内に収まるようにする。この血管閉塞性デバイスは、端のプッシャーワイヤから解放又は離脱され、プッシャーワイヤはカテーテルを通って近位方向に引き戻される。患者の具体的なニーズに応じて、別の閉塞性デバイスをカテーテルを通して押し込むことができ、同様にして同じ部位で解放することができる。
【0009】
塞栓コイルが血管内の標的部位にいったん適切に配置された後、その塞栓コイルからワイヤを離脱させるには、いくつかの従来式の方法が使用される。プッシャーワイヤ端から血管閉塞性コイルを解放する1つの既知の方法は、電解的に切断可能な接合部の使用によるものであり、この接合部は、プッシャーワイヤの遠位端部分に沿って配置される露出部分又は離脱ゾーンである。この離脱ゾーンは典型的にステンレス鋼製であり、血管閉塞性デバイスのすぐ近位側に配置されている。電解的に切断可能な接合部は、電解の影響を受けやすく、プッシャーワイヤがイオン溶液(例えば血液又は他の体液)の存在下で帯電されると分解する。これによって、離脱ゾーンがカテーテルの遠位端から外に出て、患者の血管血液プールにさらされた後、導電性プッシャーワイヤに印加された電流が、患者の皮膚に取り付けられた電極、あるいは離れた部位の皮膚に挿入された導電性ニードルによって回路を形成し、この離脱ゾーンが電解により分解する。
【0010】
電解離脱を用いて配置される閉塞性デバイスにおける1つの欠点は、この電解プロセスでは、閉塞性エレメントの解放を実施するのに経過する一定の時間が必要なことである。この時間遅れは、米国特許第6,966,892号(この全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記述されているもののような熱離脱を利用した閉塞性送達デバイスについても欠点となっている。
【0011】
血管閉塞性デバイスの送達の他の従来式離脱技法には、米国特許第6,063,100号及び同第6,179,857号(このそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記述されているもののような、いったん適切に配置された後に液圧(例えば水圧離脱)を使用して塞栓コイルを解放することが含まれる。
【0012】
現行の離脱スキームに伴う主な問題は、離脱の信頼性、離脱のスピード、離脱機構の便利さ(例えば水圧離脱では高圧シリンジが必要であり、一方、電解離脱では、電池作動ボックスが必要になる)、及び遠位部分の長さ/硬さである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
よって、従来のデバイスに伴う上述の問題を解決する塞栓コイル送達システムの改善された機械的離脱を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、従来の機械的離脱システムに比べ、より単純で、より信頼性が高く、より迅速で、より便利であり、かつより短い剛性部分を有する、塞栓コイル送達のための改善された機械的離脱システムに関する。
【0015】
本発明の別の一態様は、内部を軸方向に貫通して画定される管腔を有する送達チューブを含む塞栓コイルのための送達システムを目的とする。近位側コイル接合部は、送達チューブと塞栓コイルとの間に配置される。遠位端に配置された末端機構を有する離脱可能なワイヤは、管腔を貫通して挿入可能であり、かつ送達チューブの近位端を超えて近位側に延出する。少なくとも1本の伸張抵抗性部材が、塞栓コイルにより形成される管腔内に配置される。少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端は、塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれは、塞栓コイルの近位端近くにも固定されている。送達チューブの遠位端は、近位側接合部に対していかなる方法でも取り付けられることなしに、ワイヤによって物理的に保持されている。
【0016】
本発明の更に別の一態様は、内部を軸方向に貫通して画定される管腔を有する送達チューブを含む塞栓コイルのための送達システムに関する。近位側コイル接合部は、送達チューブと塞栓コイルとの間に配置される。この近位側コイル接合部は、接着剤、エポキシ、及び/又はポリマーのうち少なくとも1つで作製される継手であり、この継手に使用される接着剤又はエポキシの強度、並びにポリマーのデュロメータは、送達チューブの座屈強度よりも小さい。遠位端に配置された末端機構を有する離脱可能なワイヤは、管腔を貫通して挿入可能であり、かつ送達チューブの近位端を超えて近位側に延出する。少なくとも1本の伸張抵抗性部材が、塞栓コイルにより形成される管腔内に配置される。少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端は、塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれは、塞栓コイルの近位端近くにも固定されている。送達チューブの遠位端は、近位側接合部に対していかなる方法でも取り付けられることなしに、ワイヤによって物理的に保持されている。
【0017】
本発明の更に別の一態様は、前段落による送達システムを用いる方法を目的とし、これには、(i)末端機構が継手から引き抜かれるか、又は(ii)ワイヤが、機械的に弱められた標的部分で切断されるか、のいずれかまで、十分な所定の力でワイヤの近位端を引っ張る段階が含まれる。これで塞栓コイルはワイヤから解放可能になる。
【0018】
一方、本発明の更に別の一態様は、内部を軸方向に貫通して画定される管腔を有する送達チューブを含む塞栓コイルのための送達システムを目的とする。近位側コイル接合部は、送達チューブと塞栓コイルとの間に配置される。遠位端に配置された末端機構を有する離脱可能なワイヤは、管腔を貫通して挿入可能であり、かつ送達チューブの近位端を超えて近位側に延出する。少なくとも1本の伸張抵抗性部材が、塞栓コイルにより形成される管腔内に配置される。少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端は、塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれは、塞栓コイルの近位端近くにも固定されている。送達チューブの遠位端は、近位側接合部に対していかなる方法でも取り付けられることなしに、ワイヤによって物理的に保持されている。コイル接続部材は、末端機構を縫うように通され、近位側コイル接合部に固定される。
【0019】
本発明の更に別の一態様は、前段落による送達システムを用いる方法を目的とし、これには、コイル接続部材が、末端機構を縫うように通されているところで切断されるまで、十分な所定の力でワイヤの近位端を引っ張る段階が含まれる。これで塞栓コイルはワイヤから解放可能になる。
【0020】
本発明の更に別の一態様において、塞栓コイル用の送達システムには、内部を軸方向に貫通して画定される管腔を有する送達チューブが含まれる。近位側コイル接合部は、送達チューブと塞栓コイルとの間に配置される。遠位端に配置された末端機構を有する離脱可能なワイヤは、管腔を貫通して挿入可能であり、かつ送達チューブの近位端を超えて近位側に延出する。この近位側コイル接合部は、2要素嵌合アダプターを含み、これには、送達チューブの遠位端に固定されている第1構成要素と、塞栓コイルの近位端に固定されている第2構成要素とが含まれる。この2図嵌合アダプターは、ワイヤの末端機構を中に受容するために該2要素嵌合アダプターを内部を長手方向に貫通して画定される第1チャネルと、その第1チャネルを横断しかつ交差するよう画定された第2チャネルとを有する。この送達システムは更に、第2チャネルに受容可能で、かつワイヤの末端機構に縫うように通すことができる、コイル接続部材を含む。少なくとも1本の伸張抵抗性部材が、塞栓コイルにより形成される管腔内に配置される。少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端は、塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれは、塞栓コイルの近位端近くにも固定されている。送達チューブの遠位端は、近位側接合部に対していかなる方法でも取り付けられることなしに、ワイヤによって物理的に保持されている。
【0021】
本発明の更に別の一態様は、前段落による送達システムを用いる方法を目的とし、これには、コイル接続部材を、2要素嵌合アダプターの第2チャネル及びワイヤの末端機構から完全に除去する段階が含まれる。これによりワイヤが近位方向に引っ張られ、塞栓コイルに取り付けられている第2構成要素が、送達チューブに取り付けられている第1構成要素から分離される。
【0022】
本発明の更に別の一態様は、内部を軸方向に貫通して画定される管腔を有する送達チューブを含む塞栓コイルのための送達システムを目的とする。近位側コイル接合部は、送達チューブと塞栓コイルとの間に配置される。遠位端に配置された末端機構を有する離脱可能なワイヤは、管腔を貫通して挿入可能であり、かつ送達チューブの近位端を超えて近位側に延出する。少なくとも1本の伸張抵抗性部材が、塞栓コイルにより形成される管腔内に配置される。少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端は、塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれは、塞栓コイルの近位端近くにも固定されている。送達チューブの遠位端は、近位側接合部に対していかなる方法でも取り付けられることなしに、ワイヤによって物理的に保持されている。開口部は、近位側コイル接合部を長手方向に貫通して画定される。ワイヤの末端機構は、近位側コイル接合部内に画定された開口部の直径よりも大きい最大直径を有し、これによりそれらの間に摩擦嵌めを形成し、ワイヤの末端機構をその中に保持する。
【0023】
本発明の更に別の一態様は、ワイヤの末端機構の最大直径と近位側コイル接合部の開口部との間の摩擦嵌めを克服するのに十分な所定の力で、ワイヤの近位端を引っ張ることにより、前段落の送達システムを用いる方法を目的とする。これにより、ワイヤは末端機構と共に、塞栓コイルから解放される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の以上その他の特徴は、本発明の実例となる実施形態の以下の詳細な説明と図面から、より容易に明らかになり、幾つかの図面全体にわたって類似の参照番号は類似の要素を示す。
図1A】本発明の塞栓コイル送達システムの第1実施形態の断面図であり、塞栓コイルは、間に配置された近位側コイル接合部(例えば、比較的低強度及び/又は比較的低デュロメータの粘着剤、エポキシ若しくはポリマー継手)を介してワイヤの遠位末端機構に固定されており、各伸張抵抗性部材の近位端は塞栓コイルの近位側コイルループ/巻き線に掛けられている。
図1B図1Aにおける塞栓コイル送達システムの別の一実施形態の断面図であり、各伸張抵抗性部材の近位端は近位側コイル接合部に埋め込まれている。
図1C図1Aの例示的なワイヤの拡大斜視図である。
図2A】本発明の塞栓コイル送達システムの第2実施形態の一連の連続断面図であり、塞栓コイルは、伸張抵抗性部材の近位端が内部を縫うように通っていることによりワイヤの遠位末端機構に固定されている。
図2B】本発明の塞栓コイル送達システムの第2実施形態の一連の連続断面図であり、塞栓コイルは、伸張抵抗性部材の近位端が内部を縫うように通っていることによりワイヤの遠位末端機構に固定されている。
図2C】本発明の塞栓コイル送達システムの第2実施形態の一連の連続断面図であり、塞栓コイルは、伸張抵抗性部材の近位端が内部を縫うように通っていることによりワイヤの遠位末端機構に固定されている。
図2D図2A~2Cの塞栓コイル送達システムの別の一実施形態の断面図であり、塞栓コイルは、近位側コイル接合部の近位端に取り付けられ内部を縫うように通っている別のコイル接続部材を介してワイヤの遠位末端機構に固定されている。
図2E図2A~2Cの塞栓コイル送達システムの別の一実施形態の断面図であり、塞栓コイルは、2要素嵌合アダプターと、そのアダプターを横断方向に貫通して配置された解放可能コイル接合部材とを介し、遠位末端機構を縫うように通って、ワイヤの遠位末端機構に固定されている。
図3A】本発明の塞栓コイル送達システムの第3実施形態の断面図であり、塞栓コイルは、近位側コイル接合部を備えた中間嵌合を介してワイヤの遠位末端機構に固定されており、各伸張抵抗性部材の近位端は塞栓コイルの近位側コイルループ/巻き線に掛けられている。
図3B図3Aの塞栓コイル送達システムの一連の拡大連続断面図である。
図3C図3Aの塞栓コイル送達システムの一連の拡大連続断面図である。
図3D図3Aの塞栓コイル送達システムの一連の拡大連続断面図である。
図3E図3A~3Dの塞栓コイル送達システムの別の一実施形態の断面図であり、伸張抵抗性部材の近位端は、中間コイル接合部に固定されている。
図3F図3Aのワイヤ370の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
用語「近位」/「近位側」及び「遠位」/「遠位側」はそれぞれ、医療デバイスを、その医療デバイスの先端(すなわち遠位端又は先導端)を患者の体内に挿入した状態で、患者に挿入するオペレーター(例えば外科医、医師、看護師、技官など)に近づく方向又は離れる方向を指す。よって例えば、「近位方向」はオペレーターに向かう方向を指し、「遠位端」はオペレーターから離れて医療デバイスの先導端又は先端に向かう方向を指すことになる。
【0026】
図1Aは、本発明による塞栓コイル送達のための第1実施形態の断面図である。離脱システム5は、近位端15、反対側の遠位端20、及び内部を軸方向に貫通して画定される管腔25を有する可撓性送達チューブ10(例えばハイポチューブ又はカテーテル)を含む。チューブ10は、単一の一体型構造であってよく、又は他の複数の構成要素又は部分であってもよく、例えば、第1材料(例えばステンレス鋼)製の近位部分、及び、第1材料とは異なる材料であってかつチューブの近位部分に接続される第2材料(例えばニチノール)製の可撓性遠位部分であってもよい。
【0027】
長手方向に対して実質的に垂直である複数のスリット30は、不連続な断続的形状でチューブ10内に画定され、遠位側可撓性部分の完全性を保持しながら、可撓性を強化し、かつワイヤがここから近位側に引っ張られたときの送達チューブの圧縮/座屈を最小限に抑える。スリット30間の配置、数及び間隔などの因子により、チューブ10の剛性/可撓性のレベル又は度合が決定される。複数の構成要素又は部分として構成されているチューブ10の場合において、断続的スリット30は、チューブ10の遠位部分にのみ画定されている。これらの断続的スリット30は、離脱システム5の作動中にチューブの軸方向圧縮を最小限に抑える。
【0028】
閉塞性デバイス(典型的に、コイル管腔65を画定する一連のループ/巻き線により形成された螺旋状塞栓コイル35)の開口近位端は、近位側コイル接合部50(例えば、比較的低強度及び/又は比較的低デュロメータの粘着剤、エポキシ若しくはポリマー継手)により、チューブ10の遠位端20に取り付けられている。すなわち、エポキシ/接着剤の比較的低い強度、あるいは、この接合部を充填するのに使用されるポリマーの比較的低いデュロメータ(これは引き裂き強度に関する)は、好ましくは送達チューブの座屈強度よりも小さい。開口近位端40の反対側にある、塞栓コイル35の遠位端45は、遠位ビーズ55によって閉じられている。コイル管腔65内に配置された、1本以上の伸張抵抗性(SR)部材60(例えば縫合フィラメント)は、患者への植え込み中に過剰な引っ張り力が塞栓コイル35に印加された場合に、伸張抵抗を提供する。好ましくは、各伸張抵抗性部材60は、近位端40から遠位端45までのコイル管腔65の全長にわたって長手方向に延在し、過剰な伸びを最小限に抑える。図1Aに図示されている本発明の一実施形態において、各伸張抵抗性縫合フィラメント60は、コイル管腔65を縫うように通り、その近位端は塞栓コイル35の開口近位側コイルループ/巻き線に掛けられており、その反対側の遠位端は塞栓コイル35の遠位端45(例えば遠位ビーズ55)に固定されている。図1Aのものとは異なる別の一実施形態が図1Bに示されており、各伸張抵抗性縫合フィラメント60の近位端は、塞栓コイル35の開口近位側巻き線に掛けられているのではなく、チューブ10と塞栓コイル35との間に配置された近位側コイル接合部50に埋め込まれている。
【0029】
図1Cを参照し、これは、自由な近位端75と、遠位末端機構80(例えば閉じた形状(ループ、投げ縄状、若しくはリング)又は開いた形状(フック))を備えた反対側の端とを有する、例示的なワイヤ70の拡大図である。ワイヤ70は、遠位末端機構80が、送達チューブ10を塞栓コイル35に接合している近位側コイル接合部50(例えば、エポキシ又は接着剤継手)の近位端内に固定された状態で、送達チューブ10の管腔25内を通って自由に動くことができる。ワイヤ70は、長手方向にチューブ10を超える長さを有し、これによりその近位端75は、チューブ10の近位端15を超えて近位側に延出する。塞栓コイル35が血管中の望ましい位置に適切に配置された後、塞栓コイル35は、その自由近位端75を近位側に引っ張ることによって送達チューブ10から離脱可能であり、これにより、反対側の端に配置された末端機構80が近位側コイル接合部50(例えば接着剤継手)から離脱/分離/引き離され、よって塞栓コイル35が血管内の標的部位で解放される。接着剤の近位側コイル接合部50から末端機構80が外れるようにする代わりに、ワイヤ70を、機械的に弱められた部分85(典型的には、ワイヤの他の部分に比較して小さな断面を有するワイヤ部分)を有するよう設計することができる。ワイヤ70の近位端75に対して近位方向に所定の力を印加すると、ワイヤ70は、弱められた部分85の位置で分離し、これによって塞栓コイルが(近位側コイル接合部と、塞栓コイルに固定されていたワイヤの遠位末端機構とが一緒に)解放される。弱められた部分85でワイヤを分離するのに必要な力の程度は、材料選択及び/又は断面直径の低減を含む1つ以上の因子に依存する。
【0030】
別の一実施形態が、図2A~2Cに示す連続図に示されており、塞栓コイルは、内部を縫うように通るSR部材の近位端を介してワイヤの遠位端に固定されている。具体的には、ワイヤ270を管腔225の近位端に導入していき、遠位末端機構280(閉じた形状(ループ、投げ縄状、若しくはリング)又は開いた形状(フック))が、送達チューブ210の遠位端220と近位側コイル接合部250との間に配置されるようにする。図2Aに示すように、ワイヤ270が適切に配置された後、遠位末端機構280が、例えば接着剤又はエポキシを介して、取り付け点295で送達チューブ210の遠位端220に固定される。図1Aの近位側コイル接合部50とは対照的に、図2Aの近位側コイル接合部250は、内部を軸方向に貫通して画定される開口部を有する機械的構造である。各SR部材260の遠位端は、塞栓コイル235の遠位端で遠位ビーズ255に固定される。各SR部材260の中間部分は、(例えば接着剤又はエポキシを介して)近位端近くで(すなわち、近位側接合部250の近くで)塞栓コイル235に固定される。各SR部材260の一対の近位端は、近位側コイル接合部250を軸方向に貫通して画定される開口部を通過し、遠位末端機構280を縫うように通る。
【0031】
図2A~2Dに示されている実施形態において、近位側コイル接合部250は、(i)SR部材260を塞栓コイル235に固定する機能、(ii)近位側コイル接合部250と遠位末端機構280との間のSR部材260における緩みを最小限にする機能、及び(iii)ワイヤ270からの塞栓コイル235ポスト離脱(postdetachment)の伸張抵抗特性を保持する機能、の多機能目的を有する。
【0032】
塞栓コイル235のワイヤ270からの離脱は、図2Bの矢印で示すように、ワイヤ270の近位端を近位方向に引っ張ることにより実現され、これにより図2Cに示すように、機械的切断が(i)ワイヤ270に沿った最弱点、(ii)取り付け点295、又は(iii)SR部材260に沿った箇所、のうち1つで起こり、これにより塞栓コイル235が解放される。前に述べたように、機械的破断は、ワイヤ270、SR部材260に沿った望ましい位置の点、又は取り付け点295に配置された、所定の弱められた点(例えば直径低減)を標的とすることができる。
【0033】
図2Aにおいて、塞栓コイル235は、末端機構280(例えば閉ループ)を縫うように通るSR部材260を介してワイヤ270に取り付けられている。図2Dに示すように、別の方法として、SR部材260とは独立に、塞栓コイル235の近位端は、別のコイル接続部材297(好ましくはU字形)を介してワイヤ270の遠位端に取り付けることができ、この接続部材は、遠位末端機構280を縫うように通り、かつ近位側コイル接合部250内に固定されている。コイル接続部材297は、遠位末端機構280を破壊するか又はスロット入り送達チューブ210を座屈させるのに必要な力よりも少ない力で破断するような、ポリマー又は他の任意の材料で作製することができる。近位側コイル接合部250内には、各SR部材260の近位端も固定されている。もちろん、SR部材260は他の方法で、(図1Aに示すように)その近位端を塞栓コイル235の開いた主巻き線に縫うように通すことにより、定位置に固定することができる。
【0034】
図2Eに示す、この実施形態の更なるバリエーションにおいて、2要素嵌合アダプター290を使用して、送達チューブ210の遠位端と塞栓コイル235の近位端を接続することができる。図2Eに図示されている例示的な実施形態において、嵌合アダプター290には、送達チューブ210の遠位端に取り付けられている第1構成要素291と、塞栓コイル235の近位端に取り付けられている第2構成要素292とが含まれる。アダプター290は、その中に長手方向に画定される第1チャネル293を有する。第2チャネル294は、アダプター290を内部を横断方向に貫通するものとして画定され、第1チャネル293を遮断する。離脱ワイヤ270がアダプター290の第1チャネル291に導入され、これにより、その遠位末端機構280(例えば閉じた形状(ループ、投げ縄状、若しくはリング)又は開いた形状(フック))が第2チャネル294に実質的に揃うようにする。次に、コイル接続部材297(例えばピン又はロッド)を第2チャネル294に縫うように通し、遠位末端機構280に貫通させる。コイル接続部材297は、遠位末端機構280を破壊するのに必要な力よりも少ない力で破断又は分離するような、ポリマー又は他の材料で作製される。塞栓コイル235の離脱は、ワイヤ270の近位端を近位方向に引っ張ることにより実現され、これによりコイル接続部材297が破断し、血管内の望ましい位置で塞栓コイル235を解放する。
【0035】
図2Aに示す第2実施形態において、遠位末端機構280は送達チューブ10の遠位端から延出するが、近位側コイル接合部250には貫通していない。図3A~3Eに示すように、本発明による塞栓コイル送達システムの第3の実施形態において、ワイヤ370の遠位末端機構380は、近位側コイル接合部350を軸方向に貫通して画定される開口部396内に、干渉嵌め、押し嵌め又は摩擦嵌めによって拘束されるような寸法及び形状にされている。図に示すように、遠位末端機構380の1つの可能な構造は、近位端より大きな最大直径を有する遠位端を備えた、長手方向に先細の三角形である。具体的には、遠位末端機構380の最大直径は、近位側コイル接合部330内に画定される開口部396よりも大きいため、ワイヤに対して近位方向に所定の引っ張り力が印加されたときを除き、干渉嵌め、押し嵌め又は摩擦嵌めによって、この末端機構が内部を自由に通り抜けないよう拘束されている。遠位末端機構380を近位側コイル接合部330の開口部396から引っ張るのに必要な力は、それぞれの材料、及びそれらの間の寸法干渉などの因子に依存する。そのような因子を考慮に入れ、送達チューブ310の座屈強度よりも小さいが、配置中の塞栓コイル235に作用する典型的な操作力よりは大きい引き抜き力が提供される。
【0036】
近位側コイル接合部350は、塞栓コイル335の近位端に接着される。一方、塞栓コイル335は、遠位末端機構380と、近位側コイル接合部350内に画定される開口部396の内側表面との間の、干渉嵌めによって、ワイヤ370の遠位端に固定される。図3Aに示すように、血管内に導入する前に、少なくとも、遠位末端機構380の最大直径を有する部分が、好ましくは、近位側コイル接合部350の遠位端を超えて遠位方向に、塞栓コイル335の管腔365内に配置される。また、少なくとも、ワイヤ370に対するその位置から近位方向への提供された引き抜き力が、塞栓コイル335の配置中に作用する典型的な操作力を超えている限りにおいて、最大直径を有する遠位末端機構380の部分が近位側コイル接合部335の開口部396内のみに(コイル管腔365内に伸びることなしに)配置されることが想到され、かつ本明細書の意図される範囲内となる。機構380と、塞栓コイル335の管腔365の内側表面との間の干渉嵌め、押し嵌め又は摩擦嵌めの拡大部分図を、図3Bに示す。干渉嵌め、押し嵌め又は摩擦嵌めを確実にするために、遠位末端機構380の最大直径は、近位側コイル接合部350の開口部396の内径よりも大きい。
【0037】
図3Cに示すように、塞栓コイル335の離脱は、遠位末端機構380と、近位側コイル接合部350の開口部396との干渉嵌め、押し嵌め又は摩擦嵌めを克服するのに必要な所定の十分な力で、ワイヤ370の近位端を近位方向に引っ張ることによって達成され、これにより遠位末端機構380が内部を通り抜ける。ワイヤ370を更に近位方向に引っ張ることにより、図3Dに示すように、送達チューブ310内に画定された管腔325を完全に通過することができ、塞栓コイル335が近位側コイル接合部350と共に解放される。図3Aに示される例示的な実施形態において、塞栓コイル335の近位端340は、近位側コイル接合部350(例えば、比較的低強度の接着剤又はエポキシ継手)を介して送達チューブ310の遠位端320に取り付けられており、SR部材360の近位端は塞栓コイル335の開いた近位側巻き線の周りに掛けられている。別の構成として、図3Eにおいて、塞栓コイル335の近位端340は別の中間コイル接合部397に取り付けられており、これが、近位側コイル接合部350を介して送達チューブ310に接続される。この構成において、SR部材360の近位端は中間コイル接合部395に直接固定されている(例えば接着剤又はエポキシを介して)。
【0038】
ワイヤ370(遠位末端機構380を含む)を塞栓コイル335から完全に除去するのではなく、別の方法として、機械的に弱められた部分をワイヤ370に沿った標的位置に提供することができ、これによって、十分な所定の力を印加したときにその位置での分離が促進される。図3Fは、機械的に弱められた標的部分385を備えた図3Aのワイヤ370の拡大図であり、これにより、コイルを固定するワイヤを標的位置で分離することが可能になる。塞栓コイルが送達デバイスから解放されたとき、少なくとも遠位末端機構380は、近位側コイル接合部350の開口部396内に残る。機械的に弱められた標的部分385でワイヤ370を分離するのに必要な所定の力は、そのワイヤの機械的に弱められた部分の材料選択及び/又は断面の低減に基づく。
【0039】
本発明は、塞栓コイルの送達及び離脱に関して示され、かつ記述されている。他の閉塞性デバイスも想到され、かつ本発明の範囲内である。
【0040】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程のあらゆる組み合わせが本発明の範囲に含まれるものである点は明確に意図するところである。特定の要素を、1つの記載された実施形態から別の実施形態に置換することも充分に想定及び想到されることである。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、その性質上、あくまで概念的なものに過ぎない点も理解されるであろう。したがって、本明細書に付属する「特許請求の範囲」の記載のみに基づいて限定がなされるべきである点は意図するところである。
【0041】
本明細書に引用される発行特許、係属中の特許出願、刊行物、学術論文、書籍、又は他のあらゆる参照文献はいずれもその全容を本明細書に援用するものである。
【0042】
〔実施の態様〕
(1) 塞栓コイルのための送達システムであって、
遠位端と、対向する近位端と、内部を軸方向に貫通して画定される管腔とを有する送達チューブと、
前記送達チューブと前記塞栓コイルとの間に配置され、かつ、近位端及び対向する遠位端を有する、近位側コイル接合部と、
近位端及び対向する遠位端を有する離脱可能なワイヤであって、該ワイヤの該遠位端に末端機構が配置されており、かつ該ワイヤが前記管腔を貫通して挿入可能であり、かつ前記送達チューブの前記近位端を超えて近位側に延出する、離脱可能なワイヤと、
前記塞栓コイルにより形成されるコイル管腔内に配置される少なくとも1本の伸張抵抗性部材であって、該少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの遠位端が、前記塞栓コイルの遠位端に固定されており、一方、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれが、前記塞栓コイルの前記近位端近くにも固定されている、少なくとも1本の伸張抵抗性部材と、
を含み、前記送達チューブの前記遠位端は、前記近位側接合部に、いかなる方法によっても取り付けられることなく、前記ワイヤによって物理的に保持されている、送達システム。
(2) 前記末端機構が、閉じた形状である、実施態様1に記載の送達システム。
(3) 前記近位側コイル接合部が、接着剤、エポキシ、及び/又はポリマーのうちの少なくとも1つから作製される継手であり、該継手に使用される該接着剤又はエポキシの強度、並びに該ポリマーのデュロメータは、前記送達チューブの座屈強度よりも小さい、実施態様1に記載の送達システム。
(4) 前記近位側コイル接合部の前記遠位端が、前記塞栓コイルの前記近位端に、前記継手を介して固定されており、かつ前記ワイヤの前記末端機構が前記継手に埋め込まれている、実施態様3に記載の送達システム。
(5) 前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの前記近位端が、前記継手に固定して埋め込まれているか、又は前記塞栓コイルの開いた近位側巻き線に固定して縫うように通されている、実施態様4に記載の送達システム。
【0043】
(6) 実施態様3に記載の送達システムを離脱するための方法であって、
(i)前記末端機構が前記継手から引き抜かれるか、又は(ii)前記ワイヤが、機械的に弱められた標的部分で切断されるか、のいずれかまで、十分な所定の力で前記ワイヤの前記近位端を引っ張る段階と、
前記塞栓コイルを該ワイヤから解放する段階と、を含む、方法。
(7) コイル接続部材が前記末端機構に縫うように通され、前記近位側コイル接合部に固定される、実施態様1に記載の送達システム。
(8) 前記コイル接続部材が、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材であり、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの中間部分が、前記近位側コイル接合部の前記近位端の近くに固定されている、実施態様7に記載の送達システム。
(9) 前記コイル接続部材が、前記近位側コイル接合部に固定された末端を備えた実質的にU字形のワイヤであり、前記少なくとも1本の伸張抵抗性部材それぞれの前記近位端が、前記近位側コイル接合部に固定されている、実施態様7に記載の送達システム。
(10) 実施態様7に記載の送達システムを使用する方法であって、
前記コイル接続部材が、前記末端機構に縫うように通されているところで切断されるまで、十分な所定の力で前記ワイヤの前記近位端を引っ張る段階と、
前記塞栓コイルを該ワイヤから解放する段階と、
を含む、方法。
【0044】
(11) 前記近位側コイル接合部が、2要素嵌合アダプターを含み、これには、前記送達チューブの前記遠位端に固定されている第1構成要素と、前記塞栓コイルの前記近位端に固定されている第2構成要素とが含まれ、該2要素嵌合アダプターは、前記ワイヤの前記末端機構を中に受容するために該2要素嵌合アダプターを長手方向に貫通して画定される第1チャネルと、該第1チャネルを横断しかつ交差するよう画定された第2チャネルとを有し、前記システムが、更に、該第2チャネルに受容可能で、かつ前記ワイヤの前記末端機構に縫うように通すことができる、コイル接続部材を含む、実施態様1に記載の送達システム。
(12) 実施態様11に記載のシステムを使用する方法であって、
前記コイル接続部材を、前記2要素嵌合アダプターの前記第2チャネル及び前記ワイヤの前記末端機構から完全に除去する段階と、
前記ワイヤを近位方向に引っ張り、前記塞栓コイルに取り付けられている前記第2構成要素を、前記送達チューブに取り付けられている前記第1構成要素から分離する段階と、
を含む、方法。
(13) 前記近位側コイル接合部が、その内部を長手方向に貫通して画定された開口部を有し、前記ワイヤの前記末端機構が、前記近位側コイル接合部内に画定された前記開口部の直径よりも大きい最大直径を有し、これによりそれらの間に摩擦嵌めを形成し、前記ワイヤの該末端機構を前記開口部の中に保持する、実施態様1に記載の送達システム。
(14) 前記末端機構の前記最大直径が、前記コイル管腔内に配置される、実施態様13に記載の送達システム。
(15) 前記末端機構の前記最大直径が、前記近位側コイル接合部の前記開口部内に配置される、実施態様13に記載の送達システム。
【0045】
(16) 前記伸張抵抗性部材それぞれの前記近位端が、前記塞栓コイルの前記近位端に固定されている、実施態様13に記載の送達システム。
(17) 前記伸張抵抗性部材それぞれの前記近位端が、前記塞栓コイルの前記近位端を閉じる中間コイル接合部に固定されているか、又は該塞栓コイルの開いた近位側巻き線に縫うように通されている、実施態様13に記載の送達システム。
(18) 実施態様13に記載の送達システムを使用する方法であって、
前記ワイヤの前記末端機構の前記最大直径と、前記近位側コイル接合部の前記開口部との間の摩擦嵌めを克服するのに十分な所定の力で、前記ワイヤの前記近位端を引っ張る段階と、
前記塞栓コイルから、前記ワイヤを前記末端機構と共に解放する段階と、を含む、方法。
(19) 前記送達チューブの遠位部分が、不連続な断続的形状でそれ自体に画定される複数の横断方向スリットを有する、実施態様1に記載のデバイス。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F