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特許7106753ウェハレベルパッケージング方法及びパッケージング構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】ウェハレベルパッケージング方法及びパッケージング構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20220719BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20220719BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220719BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L25/08 Y
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021510856
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2018113107
(87)【国際公開番号】W WO2020047975
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】201811026716.3
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520281859
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅 海龍
(72)【発明者】
【氏名】ドロウィレイ クリフォード イアン
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108346639(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107104094(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105575825(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101996900(CN,A)
【文献】台湾特許出願公開第200423264(TW,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0311188(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0254237(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 25/065
H01L 25/07
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハレベルパッケージング方法であって、
デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合された複数の第1チップとを提供するステップであって、前記デバイスウェハは、前記第1チップを被覆する第1パッケージング層を有し、前記第1チップは、第1パッドが形成されたチップ正面と、前記チップ正面の反対側に向くチップ背面と、を含み、前記チップ正面を前記デバイスウェハに対向させるステップと、
前記第1パッケージング層をエッチングすることにより、少なくとも1つの前記第1チップを露出させる第1開口を前記第1パッケージング層内に形成するステップであって、前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面が信号を印加するのに適するように形成されるステップと、
前記第1開口において露出する前記第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部を被覆する金属層構造を形成するステップと、
前記チップ背面と前記金属層構造とを合金処理することにより、前記チップ背面の前記金属層構造を裏金属層とするステップと、
前記合金処理が行われた後に、前記裏金属層を被覆する第2パッケージング層を前記第1開口内に形成するステップであって、前記第2パッケージング層は、前記第1パッケージング層の頂部の前記金属層構造をさらに被覆するステップと、を含む、
ことを特徴とするウェハレベルパッケージング方法。
【請求項2】
印加される前記信号は接地信号又は電圧信号である、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項3】
印加される前記信号は接地信号であり、
前記裏金属層を被覆する前記第2パッケージング層を前記第1開口内に形成した後に、前記第2パッケージング層をエッチングすることにより、前記裏金属層を露出させる第2開口を前記第2パッケージング層内に形成するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項4】
印加される前記信号は電圧信号であり、
前記デバイスウェハ内に複数の第2チップが形成され、前記第2チップの前記第1チップに対向する表面に第2パッドが形成され、
前記第1パッケージング層をエッチングするステップでは、前記第1開口において前記第2パッドを露出させ、
前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造が前記第2パッドの表面にさらに形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項5】
前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造は、底部金属層と、前記底部金属層上に位置する遷移金属層と、前記遷移金属層上に位置する頂部金属層と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項6】
前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造が単層構造の底部金属層であり、
前記チップ背面と前記金属層構造とを合金処理した後に、前記裏金属層を被覆する前記第2パッケージング層を前記第1開口内に形成する前に、前記底部金属層に遷移金属層を形成するステップと、前記遷移金属層に頂部金属層を形成し、前記頂部金属層、前記遷移金属層、及び前記合金処理された前記底部金属層を前記裏金属層とするステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項7】
前記底部金属層の材料はTi、Cr、Al又はVであり、前記遷移金属層の材料はNiであり、前記頂部金属層の材料はAg又はAuである、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項8】
前記底部金属層、前記遷移金属層、及び前記頂部金属層のいずれかを形成するプロセスは、電気メッキプロセス、物理気相堆積プロセス、又は電子ビーム蒸着プロセスである、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項9】
前記合金処理のプロセスはアニールプロセスである、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項10】
前記合金処理のパラメータは、100℃~250℃のプロセス温度と、30分~180分のプロセス時間と、を含む、
ことを特徴とする請求項1又は9に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項11】
前記第1パッケージング層をエッチングするプロセスは、レーザエッチングプロセス、プラズマドライエッチングプロセス、又は反応性イオンエッチングプロセスである、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項12】
前記第2パッケージング層をエッチングするプロセスは、レーザエッチングプロセス、プラズマドライエッチングプロセス、又は反応性イオンエッチングプロセスである、
ことを特徴とする請求項3に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項13】
前記デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合された複数の前記第1チップとを提供するステップは、溶融接合プロセスを用いて前記第1チップを前記デバイスウェハに接合するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハレベルパッケージング方法。
【請求項14】
ウェハレベルパッケージング構造であって、
デバイスウェハと、
前記デバイスウェハ上に接合された複数の第1チップであって、前記第1チップは、第1パッドが形成されるチップ正面と、前記チップ正面の反対側に向くチップ背面と、を含み、前記チップ正面が前記デバイスウェハに対向する複数の第1チップと、
前記デバイスウェハ上に位置し且つ前記第1チップを被覆する第1パッケージング層であって、少なくとも1つの前記第1チップを露出させる第1開口を有し、且つ前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面が信号を印加するのに適するように形成される第1パッケージング層と、
前記第1開口において露出する前記第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部を被覆する金属層構造であって、前記チップ背面に位置する金属層構造は、前記チップ背面と合金処理され、且つ裏金属層として用いられる金属層構造と、
前記第1開口内に位置し、且つ前記裏金属層及び前記第1パッケージング層の頂部の前記金属層構造を被覆する第2パッケージング層と、を含む、
ウェハレベルパッケージング構造。
【請求項15】
印加される前記信号は接地信号又は電圧信号である、
ことを特徴とする請求項14に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【請求項16】
印加される前記信号は接地信号であり、
前記ウェハレベルパッケージング構造は、前記第2パッケージング層内に位置し、前記裏金属層を露出させる第2開口をさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【請求項17】
印加される前記信号は電圧信号であり、
前記デバイスウェハ内に複数の第2チップが形成され、前記第2チップの前記第1チップに対向する表面に第2パッドが形成され、
前記第1開口において前記第2パッドを露出させ、且つ前記金属層構造は、前記第2パッドの表面に位置する、
ことを特徴とする請求項14に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【請求項18】
前記金属層構造は、底部金属層と、前記底部金属層上に位置する遷移金属層と、前記遷移金属層上に位置する頂部金属層と、を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【請求項19】
前記底部金属層の材料はTi、Cr、Al又はVであり、前記遷移金属層の材料はNiであり、前記頂部金属層の材料はAg又はAuである、
ことを特徴とする請求項18に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【請求項20】
前記底部金属層の厚さは1000Å~5000Åであり、前記遷移金属層の厚さは1000Å~5000Åであり、前記頂部金属層の厚さは1000Å~50000Åである、
ことを特徴とする請求項18に記載のウェハレベルパッケージング構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、半導体製造の分野に関し、特にウェハレベルパッケージング方法及びパッケージング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超大規模集積回路の発展傾向に伴い、集積回路の特徴サイズは減少し続け、集積回路のパッケージング技術に対する要求も高まっている。従来のパッケージング技術は、ボールグリッドアレイパッケージ(Ball Grid Array、BGA)と、チップスケールパッケージ(Chip Scale Package、CSP)と、ウェハレベルパッケージ(Wafer Level Package、WLP)と、3次元パッケージ(3D)と、システムパッケージ(System in Package、SiP)などを含む。
【0003】
現在、集積回路パッケージングのより低コスト、より信頼的、より高速、より高密度という目標を満たすために、先進的なパッケージング方法は、主にウェハレベルシステムパッケージ(Wafer Level Package System in Package、WLPSiP)を採用し、従来のシステムパッケージと比べて、ウェハレベルシステムパッケージは、ウェハ上でパッケージ集積プロセスを完了し、パッケージ構造の面積を大幅に減少し、製造コストを下げ、電気性能を最適化し、ロット製造などの優位性があり、仕事量と機器へのニーズを明らかに下げることができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例が解決しようとする問題は、ウェハレベルパッケージング構造の使用性能を向上させるためのウェハレベルパッケージング方法及びパッケージング構造を提供することである。
【0005】
上記問題を解決するために、本発明の実施例によれば、デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合された複数の第1チップとを提供するステップであって、前記デバイスウェハは、前記第1チップを被覆する第1パッケージング層を有し、前記第1チップは、第1パッドが形成されたチップ正面と、前記チップ正面と背向するチップ背面と、を含み、前記チップ正面を前記デバイスウェハに対向させるステップと、前記第1パッケージング層をエッチングすることにより、少なくとも1つの前記第1チップを露出させる第1開口を前記第1パッケージング層内に形成するステップであって、前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面がローディング信号のロードに用いられるステップと、前記第1開口において露出する前記第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部を被覆する金属層構造を形成するステップと、前記チップ背面と前記金属層構造とを合金処理することにより、前記チップ背面の前記金属層構造を裏金属層とするステップと、前記合金処理が行われた後に、前記裏金属層を被覆する第2パッケージング層を前記第1開口内に形成するステップであって、前記第2パッケージング層は、前記第1パッケージング層の頂部の前記金属層構造をさらに被覆するステップと、を含むウェハレベルパッケージング方法が提供される。
【0006】
選択的に、前記ローディング信号は接地信号又は電圧信号である。
【0007】
選択的に、前記ローディング信号は接地信号であり、前記裏金属層を被覆する前記第2パッケージング層を前記第1開口内に形成した後に、前記第2パッケージング層をエッチングすることにより、前記裏金属層を露出させる第2開口を前記第2パッケージング層内に形成するステップをさらに含む。
【0008】
選択的に、前記ローディング信号は電圧信号であり、前記デバイスウェハ内に複数の第2チップが形成され、前記第2チップの前記第1チップに対向する表面に第2パッドが形成され、前記第1パッケージング層をエッチングするステップでは、前記第1開口において前記第2パッドを露出させ、前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造が前記第2パッドの表面にさらに形成される。
【0009】
選択的に、前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造は、底部金属層と、前記底部金属層上に位置する遷移金属層と、前記遷移金属層上に位置する頂部金属層と、を含む。
【0010】
選択的に、
前記金属層構造を前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面に形成するステップでは、前記金属層構造が単層構造の底部金属層であり、前記チップ背面と前記金属層構造とを合金処理した後に、前記裏金属層を被覆する前記第2パッケージング層を前記第1開口内に形成する前に、前記底部金属層に遷移金属層を形成するステップと、前記遷移金属層に頂部金属層を形成し、前記頂部金属層、前記遷移金属層、及び前記合金処理された前記底部金属層を前記裏金属層とするステップと、をさらに含む。
【0011】
選択的に、前記底部金属層の材料はTi、Cr、Al又はVであり、前記遷移金属層の材料はNiであり、前記頂部金属層の材料はAg又はAuである。
【0012】
選択的に、前記底部金属層、前記遷移金属層、及び前記頂部金属層のいずれかを形成するプロセスは、電気メッキプロセス、物理気相堆積プロセス、又は電子ビーム蒸着プロセスである。
【0013】
選択的に、前記合金処理のプロセスはアニールプロセスである。
【0014】
選択的に、前記合金処理のパラメータは、100℃~250℃のプロセス温度と、30分~180分のプロセス時間と、を含む。
【0015】
選択的に、前記第1パッケージング層をエッチングするプロセスは、レーザエッチングプロセス、プラズマドライエッチングプロセス、又は反応性イオンエッチングプロセスである。
【0016】
選択的に、前記第2パッケージング層をエッチングするプロセスは、レーザエッチングプロセス、プラズマドライエッチングプロセス、又は反応性イオンエッチングプロセスである。
【0017】
選択的に、前記デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合された複数の前記第1チップとを提供するステップは、溶融接合プロセスを用いて前記第1チップを前記デバイスウェハに接合するステップを含む。
【0018】
それに応じて、本発明の実施例によれば、デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合された複数の第1チップであって、前記第1チップは、第1パッドが形成されるチップ正面と、前記チップ正面と背向するチップ背面と、を含み、前記チップ正面が前記デバイスウェハに対向する複数の第1チップと、前記デバイスウェハ上に位置し且つ前記第1チップを被覆する第1パッケージング層であって、少なくとも1つの前記第1チップを露出させる第1開口を有し、且つ前記第1開口において露出する前記第1チップの前記チップ背面がローディング信号のロードに用いられる第1パッケージング層と、前記第1開口において露出する前記第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部を被覆する金属層構造であって、前記チップ背面に位置する金属層構造は、前記チップ背面と合金処理され、且つ裏金属層として用いられる金属層構造と、前記第1開口内に位置し、且つ前記裏金属層及び前記第1パッケージング層の頂部の前記金属層構造を被覆する第2パッケージング層と、を含むウェハレベルパッケージング構造が提供される。
【0019】
選択的に、前記ローディング信号は接地信号又は電圧信号である。
【0020】
選択的に、前記ローディング信号は接地信号であり、前記ウェハレベルパッケージング構造は、前記第2パッケージング層内に位置する、前記裏金属層を露出させる第2開口をさらに含む。
【0021】
選択的に、前記ローディング信号は電圧信号であり、前記デバイスウェハ内に、複数の第2チップが形成され、前記第2チップの前記第1チップに対向する表面に、第2パッドが形成され、前記第1開口において前記第2パッドを露出させ、且つ前記金属層構造は、前記第2パッドの表面にさらに位置する。
【0022】
選択的に、前記金属層構造は、底部金属層と、前記底部金属層上に位置する遷移金属層と、前記遷移金属層上に位置する頂部金属層と、を含む。
【0023】
選択的に、前記底部金属層の材料はTi、Cr、Al又はVであり、前記遷移金属層の材料はNiであり、前記頂部金属層の材料はAg又はAuである。
【0024】
選択的に、前記底部金属層の厚さは1000Å~5000Åであり、前記遷移金属層の厚さは1000Å~5000Åであり、前記頂部金属層の厚さは1000Å~50000Åである。
【0025】
従来技術と比べて、本発明の実施例の技術的解決手段は以下の利点を有する:
【0026】
本発明の実施例は、第1パッケージング層をエッチングすることにより、信号をローディングするのに適する第1チップのチップ背面を露出させた後に、前記第1開口から露出する第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部に被覆される金属層構造を形成し、且つ、前記チップ背面と金属層構造とを合金処理し、前記チップ背面の金属層構造を裏金属層として、続いて前記裏金属層に被覆される第2パッケージング層を形成し、前記裏金属層は、前記第1チップの裏面電極として用いられ、それにより、実際のプロセス要件に応じて、信号をローディングするのに適するチップ背面に信号(例えば、接地信号)をローディングすることができ、さらにウェハレベルパッケージング構造の使用性能を向上させることに役立つ。
【0027】
選択的な手段において、前記デバイスウェハ内に、複数の第2チップが形成され、前記第2チップの前記第1チップに対向する表面に、第2パッドが形成され、第1パッケージング層をエッチングした後に、前記パッケージング層内の第1開口から前記第2パッドを露出させ、且つ前記金属層構造が前記第2パッドの表面にさらに形成され、前記金属層構造と裏金属層を介して、前記第1チップのチップ背面と前記第2チップとの電気的接続を実現し、それにより前記第2チップを介して、前記チップ背面に電圧信号をローディングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図2】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図3】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図4】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図5】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図6】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図7】本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図8】本発明のウェハレベルパッケージング方法の他の実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図9】本発明のウェハレベルパッケージング方法の他の実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図10】本発明のウェハレベルパッケージング方法の他の実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
図11】本発明のウェハレベルパッケージング方法の他の実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
現在、ウェハレベルパッケージング構造の使用性能を向上させる必要がある。その使用性能を向上させる必要な理由を分析すると、次のようになる:
【0030】
ウェハレベルパッケージング構造は、デバイスウェハと、前記デバイスウェハ上に接合されたチップとを主に含み、前記デバイスウェハ上に位置し、且つ前記チップに被覆されるパッケージング層をさらに含み、前記パッケージング層は前記チップを包むため、前記ウェハレベルパッケージング構造において、前記チップのチップ背面に信号(例えば、接地信号又は電圧信号)をローディングすることが困難である。
【0031】
前記技術的問題を解決するために、本発明の実施例は、第1パッケージング層をエッチングすることにより、信号をローディングするのに適する第1チップのチップ背面を露出させた後に、前記第1開口から露出する第1チップ、前記第1開口の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層の頂部に被覆される金属層構造を形成し、且つ、前記チップ背面と金属層構造とを合金処理し、前記チップ背面の金属層構造を裏金属層として、続いて前記裏金属層に被覆される第2パッケージング層を形成し、前記裏金属層は、前記第1チップの裏面電極として用いられ、それにより、実際のプロセス要件に応じて、信号をローディングするのに適するチップ背面に信号(例えば、接地信号)をローディングすることができ、さらにウェハレベルパッケージング構造の使用性能を向上させることに役立つ。
【0032】
本発明の上記目的、特徴、及び利点をより明確に理解できるようにするために、本発明の具体的な実施例を添付図面に関連して以下に詳細に説明する。
【0033】
図1図7は本発明のウェハレベルパッケージング方法の一実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
【0034】
図1を参照すると、デバイスウェハ(CMOS Wafer)100と、前記デバイスウェハ100上に接合された複数の第1チップ200とを提供し、前記デバイスウェハ100には、前記第1チップ200に被覆される第1パッケージング層300を有し、前記第1チップ200は、第1パッド210が形成された第1チップ正面201と、前記第1チップ正面201と背向する第1チップ背面202と、を含み、前記第1チップ正面201が前記デバイスウェハ100に対向する。
【0035】
本実施例において、前記ウェハレベルパッケージング方法は、ウェハレベルシステムパッケージングを実現するために用いられる。前記デバイスウェハ100は、完了したデバイスで製作されたウェハであり、前記デバイスウェハ100は、半導体基板に堆積、エッチング等のプロセスによってNMOSデバイスとPMOSデバイス等のデバイスを形成し、前記デバイスに媒体層、金属相互接続構造、及び前記金属相互接続構造に電気的に接続されるパッド等の構造を形成するような、集積回路製作技術を採用して製作することができる。
【0036】
したがって、本実施例において、前記デバイスウェハ100内に、複数の第2チップ110が集積され、且つ前記第2チップ110内に、第2パッド(Pad)120が形成される。前記複数の第2チップ110は、同じタイプのチップであってもよいし、異なるタイプのチップであってもよい。
【0037】
本実施例において、前記第2パッド120は、前記デバイスウェハ100のボンドパッド(Bond Pad)であり、前記第2パッド120は、前記第2チップ110と他の回路との間の電気的接続を実現するために用いられる。
【0038】
なお、図示を容易にするために、本実施例において、前記デバイスウェハ100内に3つの第2チップ110が集積される場合を例に挙げて説明する。しかし、前記第2チップ110の数は、3つに限られない。
【0039】
本実施例において、前記デバイスウェハ100の半導体基板はシリコン基板である。他の実施例において、前記半導体基板の材料は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイド、ガリウム砒素、又はガリウム化インジウムなどの他の材料でもよく、前記半導体基板は、絶縁体上のシリコン基板又は絶縁体上のゲルマニウム基板などの他のタイプの基板でもよい。前記半導体基板の材料は、プロセスの必要に適し、又は集積しやすい材料であってもよい。
【0040】
本実施例において、前記デバイスウェハ100は、前記第2パッド120を露出させる第2チップ正面101と、前記第2チップ正面101と背向する第2チップ背面102とを含み、前記複数の第1チップ200が前記デバイスウェハ100の第2チップ正面101に接合される。前記第2チップ背面202とは、前記デバイスウェハ100において前記第2パッド120から遠い片側の半導体基板の底面を指す。
【0041】
前記第1チップ200は被集積チップであり、前記第1チップ200は、能動素子、受動素子、マイクロ電気機械システム、光学素子などの素子のうちの1つ又は複数であってもよい。具体的には、前記第1チップ200は、メモリチップ、通信チップ、処理チップ、フラッシュメモリチップ、又は論理チップであってもよい。他の実施例において、前記第1チップは、他の機能チップであってもよい。
【0042】
本実施例において、前記ウェハレベルパッケージング方法は、機能の異なる複数の第1チップ200を1つのパッケージング構造に組み合わせるために用いられ、このため前記複数の第1チップ200は、機能の異なる複数のウェハをダイシングすることにより得られる。他の実施例において、実際のプロセス要件に応じて、前記複数の第1チップの機能タイプは、同じであってもよい。
【0043】
なお、本実施例のウェハレベルパッケージング方法は、ヘテロ集積を実現するために用いられ、このため前記複数の第1チップ200は、シリコンウェハで構成されるチップである。他の実施例において、前記第1チップは、他の材料で形成されるチップであってもよい。
【0044】
前記第1チップ200と前記第2チップ110とは同数であり、前記第1チップ200と前記第2チップ110とは一対一に対応し、且つ予め設定された相対位置関係を有する。本実施例において、前記デバイスウェハ100上の前記第1チップ200の投影は、前記第2チップ110と部分的に重なっている。他の実施例において、前記第1チップは、対応する第2チップと相互に位置合わせされてもよく、すなわち、前記デバイスウェハ上の前記第1チップの投影は、前記第2チップと重なっている。
【0045】
前記第1チップ200は、集積回路製作技術を採用して製作することができ、前記第1チップ200は、一般的には、半導体基板に形成されるNMOSデバイス又はPMOSデバイスなどのデバイスを含んでもよく、媒体層、金属相互接続構造及びパッドなどの構造をさらに含む。
【0046】
前記第1チップ200内に、前記第1パッド210が形成され、且つ前記第1チップ200の第1チップ正面201から、前記第1チップ200と他の回路との電気的接続を実現するための前記第1パッド210を露出させる。本実施例において、前記第1パッド210はボンドパッドである。
【0047】
本実施例において、デバイスウェハ100と、前記デバイスウェハ100上に接合された複数の第1チップ200とを提供するステップは、溶融接合(Fusion Bonding)プロセスを採用し、前記第1チップ200を前記デバイスウェハ100上に接合するステップを含む。
【0048】
溶融接合は、主に界面化学力を利用して接合を完了するプロセスである。前記溶融接合プロセスにより、前記第1チップ正面201と第2チップ正面101は、共有結合の方式により接合を実現するので、前記デバイスウェハ100と第1チップ200との接合強度が高くなり、それに応じてパッケージング歩留まりを向上させる。他の実施例において、前記デバイスウェハと第1チップとは、接着接合又はガラス媒体接合などの他の接合方式によって接合を実現することができる。
【0049】
前記第1パッケージング層300は、前記第1チップ200と前記デバイスウェハ100の第2チップ正面101に被覆され、封止及び防湿の役割を果たすことができ、それによって前記第1チップ200と第2チップ110を保護し、それにより前記第1チップ200と第2チップ110が損傷され、汚染され又は酸化される確率を低減させ、さらに得られたウェハレベルパッケージング構造の性能を最適化することに役立つ。
【0050】
本実施例において、前記第1封止層300の材料はエポキシ樹脂(Epoxy)である。エポキシ樹脂は、収縮率が低く、接着性が高く、耐食性が高く、電気特性に優れ、コストが低いなどという利点を有するため、電子デバイスと集積回路のパッケージング材料として広く用いられる。他の実施例において、前記第1パッケージング層の材料は、ポリイミド又はシリカゲルなどの熱硬化性材料であってもよい。
【0051】
本実施例において、射出成形プロセスによって前記第1パッケージング層300を形成し、射出成形プロセスの充填性が高いため、前記第1パッケージング層300を前記複数の第1チップ200の間に良好に充填させることができ、それにより前記第1チップ200と第2チップ110に対して良好なパッケージング効果を実現することができる。
【0052】
具体的には、射出成形プロセスによって、液体のプラスチック封止材又は固体のプラスチック封止材を利用し、前記第1封止層300を形成し、前記第1封止層300の形状はウェハ状であり、且つ前記ウェハ状の第1封止層300の直径は、前記デバイスウェハ100の直径と同じであってもよい。他の実施例において、前記第1パッケージング層は、他の適切な形状であってもよく、それに応じて他のパッケージングプロセスを採用して前記第1パッケージング層を形成してもよい。
【0053】
図2を参照すると、前記第1パッケージング層300をエッチングし、少なくとも1つの第1チップ200を露出させる第1開口301を前記第1パッケージング層300内に形成し、且つ前記第1開口301から露出する第1チップ背面202は、信号をローディングするのに適する。
【0054】
信号がローディングされる第1チップ背面202を露出させることにより、後続に前記第1チップ背面202に裏金属層を形成するためにプロセスベースを提供する。前記裏金属層は、信号をローディングするのに適する前記第1チップ200の裏面電極として用いることができる。
【0055】
なお、前記第1パッケージング層300をエッチングするプロセスの難易度を低減させるために、前記第1開口301の底部から、前記デバイスウェハ100の一部をさらに露出させ、それにより前記第2チップ正面101をエッチング停止位置とすることができる。
【0056】
本実施例において、前記ローディング信号は接地信号であり、すなわち、後続に前記第1チップ背面202に形成された裏金属層は、接地端に接続されるために用いられ、このため、前記第1チップ200に対応する第2チップ110への影響を回避するために、前記第1開口301から、前記第2チップ110の第2パッド120を露出させない。
【0057】
具体的には、レーザエッチングプロセスによって、前記第1パッケージング層300をエッチングする。
【0058】
レーザエッチングプロセスは、高エネルギレーザビームを利用して被エッチングワークの表面に照射し、それを溶解させ、ガス化させ、一定の深さの溝を形成させ、それによってエッチングの目的を実現する。レーザエッチングプロセスは、異なる図形、異なる角度の一括成形技術を実現することができ、マスク板を採用する必要がなく、エッチング良品率が高く、安定性が高く、柔軟性が高く、消耗品がなく、操作が簡便で、接触せず、汚染がなく、高精度で、プロセスコストが低いなどという特徴を有する。レーザエッチングの方式を採用することにより、前記第1開口301の大きさを正確に制御し、前記第1開口301のトポグラフィ品質を向上させ、それにより隣接する第1チップ200又は第2チップ110を露出させる確率を低減させることができる。
【0059】
他の実施例において、前記第1パッケージング層をエッチングするプロセスは、プラズマエッチングプロセス又は反応性イオンエッチングプロセスであってもよい。
【0060】
図3図4に関連して参照すると、図4は、図3における破線枠Aの中の金属層構造の拡大図であり、前記第1開口301を露出させる第1チップ200、前記第1開口301の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層300の頂部に被覆される金属層構造400を形成する。
【0061】
前記第1チップ背面202の金属層構造400は、後続の合金処理を経た後に、前記第1チップ背面202の裏金属層として用いられ、それによって接地信号をローディングする電極とする。
【0062】
後続の裏金属層の性能を向上させ、前記第1チップ200への悪影響を低減させるために、前記金属層構造400は、接触抵抗及び熱抵抗が低く、且つ熱応力が小さく、信頼性が高く、さらに、良好な電気的特性を保証するために、前記金属層構造400は、良好な導電性を有し、且つ前記第1チップ背面202とオーミックコンタクトを形成することができる。
【0063】
このため、本実施例において、前記金属層構造400は金属積層構造であり、それにより異なる金属の特性を利用し、後続に形成された電極にプロセス要件を満たさせることができる。
【0064】
具体的には、前記金属層構造400は、底部金属層410と、前記底部金属層上に位置する遷移金属層420と、前記遷移金属層上に位置する頂部金属層430と、を含む。
【0065】
前記底部金属層410の材料は低バリア材料であり、且つ前記第1チップ背面202材料との接触抵抗が小さく、前記底部金属層410の材料は、前記第1チップ背面202材料と良好な浸潤性を有しそれによりオーミックコンタクト層として用いることができる。
【0066】
このため、本実施例において、前記底部金属層410の材料はTiである。Tiは、前記第1チップ背面202材料と良好な浸潤性を有し、オーミックコンタクトを形成しやすく、且つ高純度Tiを形成するプロセスの難易度が低く、したがって、Tiを前記底部金属層410の材料として選択することによって、前記金属層構造400を形成するプロセスの難易度を低減させることにも役立ち、さらに、Tiの化学的特性及び機械的特性が安定し、前記第1チップ背面202材料と良好な熱整合性を有するため、前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を大幅に向上させることができる。
【0067】
他の実施例において、前記底部金属層は、Cr、Al又はVであってもよい。
【0068】
前記底部金属層410の厚さが大きいほど、前記底部金属層410の抵抗値が大きくなるので、前記底部金属層410の厚さは大きすぎてはならず、そうしないと、前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させやすくなり、且つプロセス資源が無駄になる。しかし、前記底部金属層410の厚さも小さすぎてはならず、前記底部金属層410の厚さが小さすぎる場合、前記裏金属層450の品質と性能を低減させやすくなり、それに応じて前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させる可能性がある。このため、本実施例において、前記底部金属層410の厚さは1000Å~5000Åである。
【0069】
前記頂部金属層420は、抵抗率が低く、エレクトロマイグレーション耐性が高く、性能が安定し、酸化しにくいなどという特徴を有するため、導電層の役割を果たすことができ、且つ前記遷移金属層430に対して保護の役割を果たし、前記遷移金属層430の酸化発生の確率を低減させることができる。
【0070】
このため、本実施例において、前記頂部金属層420の材料はAgである。Agはプロセスに一般的に用いられ、コストが低い材料であるため、Agを前記頂部金属層420の材料として選択することによって、プロセスの難易度及びプロセスのコストを低減させることに役立つ。他の実施例において、前記頂部金属層の材料は、Auであってもよい。
【0071】
前記頂部金属層430の厚さが大きく、それにより前記遷移金属層420に対する保護の役割を効果的に向上させることができ、且つ後続に形成された裏金属層に接地信号をローディングする時に、前記裏金属層の信頼性を向上させることができ、それにより前記ウェハレベルパッケージング構造の性能安定性を向上させることができ、しかし、前記頂部金属層430の厚さも大きすぎてはならず、前記頂部金属層430の厚さが大きすぎる場合、前記頂部金属層430の抵抗値が大きすぎ、逆に前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させやすくなり、且つプロセス資源が無駄になる。このため、本実施例において、前記頂部金属層430の厚さは1000Å~50000Åである。
【0072】
前記遷移金属層420は、前記頂部金属層430の材料の前記底部金属層410内への拡散を阻止するために用いられ、且つ前記遷移金属層420の膨張係数は、前記頂部金属層430と底部金属層410との間にあり、適度な導電性と熱伝導性を有し、それにより熱整合作用を良好に実現することができ、また、前記遷移金属層420は、前記底部金属層410と頂部金属層430との密着性が良好であり、それにより前記金属層構造400の形成品質を向上させ、各金属層間でのドロップアウトの発生確率を低減させることに役立つ。このため、本実施例において、前記遷移金属層420の材料はNiである。
【0073】
それに応じて、前記遷移金属層420に良好な熱整合及びバリアの役割を果たさせることができるため、前記遷移金属層420の厚さは、前記底部金属層410の厚さよりも大きく、且つ前記遷移金属層420の厚さは、前記頂部金属層430の厚さよりも小さい。このため、本実施例において、前記遷移金属層420と頂部金属層420の厚さに基づいて、前記遷移金属層420の厚さは1000Å~5000Åである。
【0074】
前記底部金属層410、遷移金属層420、及び頂部金属層430のいずれかを形成するプロセスは、電気メッキプロセス、物理気相堆積プロセス、又は電子ビーム蒸着プロセスであり、前記金属層構造400の性能を向上させるために、前記底部金属層410、遷移金属層420、及び頂部金属層430を形成するプロセスは同じであり、それにより良好な品質及びモフォロジーを保証し、且つ各層の金属層の厚さをより良好に制御することができる。
【0075】
本実施例において、電気メッキプロセスによって、前記底部金属層、遷移金属層、及び頂部金属層を形成し、それにより各層の金属層の密着性及び機械的強度を向上させることに役立つ。それに応じて、前記金属層構造400は、前記第1チップ200、前記第1開口301の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層300の頂部をコンフォーマルに被覆する。他の実施例において、前記金属層構造は、前記第1開口内に充填されてもよい。
【0076】
図5を参照すると、前記第1チップ背面202と金属層構造400を合金処理440し、それによって前記第1チップ背面202の金属層構造400を裏金属層450とする。
【0077】
前記裏金属層450は、接地信号をローディングする電極として用いられ、且つ前記合金化処理410によって、前記第1チップ200の自己抵抗及び前記電極の接触抵抗を低減させることができ、それに応じて接地抵抗も低減させることができ、それにより電気エネルギの損失を低減させ、形成されたウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を向上させることに役立つ。
【0078】
本実施例において、前記合金処理440のプロセスはアニールプロセスである。前記アニールプロセスの温度環境下において、前記底部金属層410(図4に示すように)と前記第1チップ背面202の材料とは、接触面で相互に拡散して反応し、それにより接触面で合金化を実現する。
【0079】
具体的には、前記底部金属層410の材料はTiであり、前記第1チップ200の半導体基板はシリコン基板であり、それに応じて、前記合金処理440の後に、前記接触面にTiSi合金を形成することによって、オーミック接触を形成する。
【0080】
本実施例において、前記合金処理440の後に、前記第1チップ背面202の金属層構造400は、裏金属層450として用いられる。
【0081】
前記合金処理440のプロセス温度は、低すぎても高すぎてもならない。前記プロセス温度が低すぎる場合、前記底部金属層410と前記第1チップ背面202との接触面で、合金化を実現する速度が遅くなり、接触抵抗の低減に役立たず、それによりウェハレベルパッケージング構造の性能の低下を招きやすくなり、前記プロセス温度が高すぎる場合、前記第1チップ200と第2チップ110内のデバイスの性能に悪影響を与えやすく、ウェハレベルパッケージング構造の性能を低下させやすくなる。このため、本実施例において、前記合金処理440のプロセス温度は100℃~250℃である。
【0082】
前記合金処理440のプロセス時間は、短すぎても長くてもならない。前記プロセス時間が短すぎる場合、前記底部金属層410と前記第1チップ背面202との接触面で、合金化を実現するための十分な時間を提供することが困難であり、接触抵抗の低減に役立たず、それによりウェハレベルパッケージング構造の性能の低下を招きやすくなり、前記プロセス時間が長すぎる場合、熱バジェットが増加し、効率が低下し、且つ前記第1チップ200と第2チップ110内のデバイスの性能に悪影響を与えやすくなる。このため、本実施例において、前記合金処理440のプロセス時間は30分~180分である。
【0083】
本実施例において、前記合金処理440のプロセスパラメータを合理的に設定し、且つ前記プロセス温度とプロセス時間とを協働させることにより、合金化を効果的に実現する場合に、合金処理の効率を向上させ、且つマイナスの効果が発生する確率を低減させる。
【0084】
なお、本実施例において、前記金属層構造400を形成した後に、前記合金処理440を形成することを例にして説明する。他の実施例において、金属層構造を前記第1開口から露出するチップ背面に形成するステップにおいて、前記金属層構造は、単層構造の底部金属層であってもよいし、それに応じて、前記合金処理の後に、それは、前記底部金属層に遷移金属層を形成するステップと、前記遷移金属層に頂部金属層を形成し、前記頂部金属層、遷移金属層、及び前記合金処理された底部金属層を前記裏金属層として用いられるステップと、を含む。
【0085】
前記遷移金属層と前記頂部金属層を形成する前に前記合金処理を行うことにより、前記合金処理の難易度を低減させ、それによって前記合金処理は合金化をより効率的かつ顕著に実現する。
【0086】
図6を参照すると、前記合金処理440の後(図5に示すように)に、前記裏金属層450に被覆される第2パッケージング層310を前記第1開口301(図5に示すように)内に形成し、前記第2パッケージング層310は、前記第1パッケージング層300の頂部の金属層構造400にさらに被覆される。
【0087】
前記第2パッケージング層310は、合金化されない金属層構造400及び前記裏金属層450を保護するために用いられ、それにより外部環境が前記金属層構造400と裏金属層450に影響を与えることを防止し、さらに前記ウェハレベルパッケージング構造の性能に影響を与えることを回避する。
【0088】
前記第2パッケージング層310についての具体的な説明は、前述の前記第1パッケージング層300に対する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0089】
なお、前記第2パッケージング層310を形成した後に、それは、前記第2チップ背面102によって、前記デバイスウェハ100を薄膜化し、且つ前記第2チップ110と電気的に接続されたシリコンビア相互接続構造を前記薄膜化されたデバイスウェハ100内に形成するステップをさらに含み、本実施例はここでは詳述しない。
【0090】
図7に関連して参照すると、本実施例において、前記第2パッケージング層310を形成した後に、それは、前記第2パッケージング層310をエッチングし、前記第2パッケージング層310内に、前記裏金属層450を露出させる第2開口311を形成するステップをさらに含む。
【0091】
前記第2開口311を形成した後に、前記第2開口311から前記裏金属層450を露出させ、それにより前記裏金属層450と他の回路との電気的接続を実現する。
【0092】
本実施例において、前記第2開口311から前記裏金属層450の表面の一部を露出させる。他の実施例において、実際のプロセス状況に応じて、前記第2開口から前記裏金属層の表面全体を露出させる。
【0093】
本実施例において、レーザエッチングプロセスによって、前記第2パッケージング層310をエッチングする。他の実施例において、前記第2パッケージング層をエッチングするプロセスは、プラズマエッチングプロセス又は反応性イオンエッチングプロセスであってもよい。
【0094】
前記第2パッケージング層310をエッチングするプロセスについての具体的な説明は、前述の前記第1パッケージング層300をエッチングするプロセスの対応する説明を参照されたいが、ここでは再度言及しない。
【0095】
図8図11は、本発明のウェハレベルパッケージング方法の他の実施例における各ステップに対応する構成概略図である。
【0096】
本実施例と前の実施例との同じ点は、ここでは再度言及せず、本実施例は、前記ローディング信号が電圧信号である点で、前の実施例と異なる。
【0097】
それに応じて、図8を参照すると、前記第1パッケージング層600をエッチングした後に、開口601を前記第1パッケージング層600内に形成し、且つ前記開口601から前記第2チップ410の第2パッド420を露出させる。
【0098】
前記第2パッド420を露出させることにより、後続に前記第1チップ500の第1チップ背面502と前記第2パッド420との電気的接続を実現するためにプロセスベースを提供する。
【0099】
具体的には、前記開口601を形成するステップは、デバイスウェハ400と、前記デバイスウェハ400上に接合された複数の第1チップ500とを提供するステップであって、前記デバイスウェハ400上に、前記第1チップ500に被覆される第1パッケージング層600が形成され、前記第1チップ500は、第1パッド510が形成された第1チップ正面501と、前記第1チップ正面501と背向する第1チップ背面502と、を含み、前記第1チップ正面501が前記デバイスウェハ400に対向するステップと、前記第1パッケージング層600をエッチングし、少なくとも1つの第1チップ500を露出させる開口601を前記第1パッケージング層600内に形成し、前記開口601から前記第1チップ500に対応する第2チップ410の第2パッド420をさらに露出させ、且つ前記開口601から露出する第1チップ背面502は、電圧信号をローディングするのに適するステップと、を含む。
【0100】
本実施例において、溶融接合プロセスによって、前記第1チップ500を前記デバイスウェハ400に接合することにより、前記デバイスウェハ400と第1チップ500との接合強度を向上させ、パッケージング歩留まりを向上させることに役立ち、それに応じて形成されたウェハレベルパッケージング構造の性能を向上させることにも役立つ。
【0101】
本実施例において、前記デバイスウェハ400は、前記第2パッド420を露出させる第2チップ正面401と、前記第2チップ正面401と背向する第2チップ背面402と、を含み、前記複数の第1チップ500が前記デバイスウェハ400の第2チップ正面401に接合される。
【0102】
なお、前記デバイスウェハ400を形成するプロセスにおいて、前記第2チップ正面401から前記第2パッド420を露出させ、且つ前記第2チップ410上の前記第2パッド420の位置は、前記第2チップ正面401上の前記第1チップ500の位置に依存し、それにより前記第1チップ500を前記デバイスウェハ400上に接合した後に、前記第1チップ500を前記第2パッド420から露出させ、それに応じて、前記第1パッケージング層600内に前記開口601を形成した後に、前記開口601から前記第2パッド420を露出させ、それにより前記第2パッド420を露出させるプロセスの難易度を低減させる。
【0103】
前記デバイスウェハ400、第1チップ500、第1パッケージング層600、及び前記開口601についての具体的な説明は、前述の実施例における対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0104】
図9を参照すると、前記開口601から露出する第1チップ500、前記開口601の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層600の頂部に被覆される金属層構造700を形成する。
【0105】
本実施例において、前記第1チップ500の第1チップ背面502は、電圧をローディングするのに適し、したがって、前記第1チップ背面502は、前記第2パッド420と電気的に接続されるのに適し、それにより前記第2パッド420を介して、電圧を前記第1チップ背面502にローディングすることができる。
【0106】
それに応じて、前記金属層構造700を形成するステップにおいて、前記金属層構造700が前記第2パッド420の表面にさらに形成され、前記金属層構造700と前記第2パッド420とを電気的に接続することにより、前記金属層構造700を介して、前記第1チップ背面502と前記第2パッド420とを電気的に接続する。
【0107】
本実施例において、電気メッキプロセスによって、前記金属層構造700を形成し、それに応じて、前記金属層構造700は、前記第1チップ500、前記開口601の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層600の頂部をコンフォーマルに被覆する。
【0108】
前記金属層構造700についての具体的な説明は、前述の実施例における対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0109】
図10及び図11に関連して参照すると、前記第1チップ背面502と金属層構造700を合金処理710し(図10に示すように)、前記第1チップ背面502の金属層構造700を金属層構造750として(図10に示すように)、前記合金処理710の後に、前記裏金属層750に被覆される第2パッケージング層610(図11に示すように)を前記開口601内に形成し、前記第2パッケージング層610は、前記第1パッケージング層600の頂部の金属層構造700にさらに被覆される。
【0110】
前記合金処理710の後に、前記金属層構造700の底部金属層(図示せず)と前記第1チップ背面502の材料とは、接触面で相互に拡散して反応し、それによりオーミック接触を形成する。
【0111】
前記第2パッケージング層610は、合金化されない金属層構造700及び前記裏金属層750に被覆される。前記金属層構造体700が前記第2パッド420と電気的に接続されるので、前記第2パッド420が外部回路と電気的に接続される方式によって、前記第1チップ背面502が外部回路と電気的に接続されることを実現でき、それにより前記第1チップ背面502に電圧信号をローディングする。
【0112】
前記合金処理710及び第2パッケージング層610についての具体的な説明は、前述の実施例における対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0113】
それに応じて、本発明は、ウェハレベルパッケージング構造をさらに提供する。続いて図7を参照すると、本発明のウェハレベルパッケージング構造の一実施例の構成概略図が示される。
【0114】
前記ウェハレベルパッケージング構造は、デバイスウェハー100と、前記デバイスウェハ100上に接合される複数の第1チップ200であって、前記第1チップ200は、第1パッド210が形成される第1チップ正面201と、前記第1チップ正面201と背向する第1チップ背面202と、を含み、前記第1チップ正面201が前記デバイスウェハー100に対向する複数の第1チップ200と、前記デバイスウェハ100上に位置し且つ前記第1チップ200に被覆され、その内には、少なくとも1つの第1チップ200を露出させる第1開口301(図5に示すように)が形成され、且つ前記第1開口301から露出する第1チップ背面202は、信号をローディングするのに適する第1パッケージング層300と、前記第1開口301から露出する第1チップ200、前記第1開口301の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層300の頂部に被覆される金属層構造400であって、前記第1チップ背面202の金属層構造400は、前記第1チップ背面202と合金処理され、且つ前記第1チップ背面202に位置する金属層構造400は、裏金属層450として用いられる金属層構造400と、前記第1開口301内に位置し、且つ前記裏金属層450に被覆され、前記第2パッケージング層310は、前記第1パッケージング層300の頂部の金属層構造400にさらに被覆される第2パッケージング層310と、を含む。
【0115】
本実施例において、前記ウェハレベルパッケージング構造はウェハレベルシステムパッケージング構造であり、前記デバイスウェハレベル100は、前記デバイスウェハレベルパッケージング構造内に集積される。
【0116】
前記デバイスウェハ100は、完了したデバイスで製作されたウェハであり、前記デバイスウェハ100は、半導体基板に堆積、エッチング等のプロセスによってNMOSデバイスとPMOSデバイス等のデバイスを形成し、前記デバイスに媒体層、金属相互接続構造、及び前記金属相互接続構造に電気的に接続されるパッド等の構造を形成するような、集積回路製作技術を採用して製作することができる。
【0117】
したがって、本実施例において、前記デバイスウェハ100内に、複数の第2チップ110が集積され、且つ前記第2チップ110内に、第2パッド(Pad)120が形成される。前記複数の第2チップ110は、同じタイプのチップであってもよいし、異なるタイプのチップであってもよい。
【0118】
本実施例において、前記第2パッド120は、前記デバイスウェハ100のボンドパッド(Bond Pad)であり、前記第2パッド120は、前記第2チップ110と他の回路との間の電気的接続を実現するために用いられる。
【0119】
なお、図示を容易にするために、本実施例において、前記デバイスウェハ100内に3つの第2チップ110が集積される場合を例に挙げて説明する。しかし、前記第2チップ110の数は、3つに限られない。
【0120】
本実施例において、前記デバイスウェハ100は、前記第2パッド120を露出させる第2チップ正面101と、前記第2チップ正面101と背向する第2チップ背面102とを含み、前記複数の第1チップ200が前記デバイスウェハ100の第2チップ正面101に接合される。前記第2チップ背面202とは、前記デバイスウェハ100において前記第2パッド120から遠い片側の半導体基板の底面を指す。
【0121】
前記第1チップ200は、前記ウェハレベルパッケージング構造内に集積され、前記第1チップ200は、能動素子、受動素子、マイクロ電気機械システム、光学素子などの素子のうちの1つ又は複数であってもよい。具体的には、前記第1チップ200は、メモリチップ、通信チップ、処理チップ、フラッシュメモリチップ、又は論理チップであってもよい。他の実施例において、前記第1チップは、他の機能チップであってもよい。
【0122】
本実施例において、前記複数の第1チップ200は、機能の異なる複数のウェハをダイシングすることにより得られる。他の実施例において、実際のプロセス要件に応じて、前記複数の第1チップの機能タイプは、同じであってもよい。
【0123】
なお、本実施例のウェハレベルパッケージング方法は、ヘテロ集積を実現するために用いられ、このため前記複数の第1チップ200は、シリコンウェハで構成されるチップである。他の実施例において、前記第1チップは、他の材料で形成されるチップであってもよい。
【0124】
前記第1チップ200と前記第2チップ110とは同数であり、前記第1チップ200と前記第2チップ110とは一対一に対応し、且つ予め設定された相対位置関係を有する。本実施例において、前記デバイスウェハ100上の前記第1チップ200の投影は、前記第2チップ110と部分的に重なっている。
【0125】
他の実施例において、前記第1チップは、対応する第2チップと相互に位置合わせされてもよく、すなわち、前記デバイスウェハ上の前記第1チップの投影は、前記第2チップと重なっている。
【0126】
前記第1チップ200内に、第1パッド210が形成され、且つ前記第1チップ200の第1チップ正面201から、前記第1チップ200と他の回路との電気的接続を実現するための前記第1パッド210を露出させる。本実施例において、前記第1パッド210はボンドパッドである。
【0127】
前記第1パッケージング層300は、前記第1チップ200と前記デバイスウェハ100の第2チップ正面101に被覆され、封止及び防湿の役割を果たすことができ、それによって前記第1チップ200と第2チップ110を保護し、それにより前記第1チップ200と第2チップ110が損傷され、汚染され又は酸化される確率を低減させ、さらに得られたウェハレベルパッケージング構造の性能を最適化することに役立つ。
【0128】
本実施例において、前記第1封止層300の材料はエポキシ樹脂(Epoxy)である。エポキシ樹脂は、収縮率が低く、接着性が高く、耐食性が高く、電気特性に優れ、コストが低いなどという利点を有するため、電子デバイスと集積回路のパッケージング材料として広く用いられる。他の実施例において、前記第1パッケージング層300の材料は、ポリイミド又はシリカゲルなどの熱硬化性材料であってもよい。
【0129】
具体的には、前記第1パッケージング層300は、射出成形プロセスによって形成され、前記第1パッケージング層300の形状はウェハ状であり、且つ前記ウェハ状の第1パッケージング層300の直径は、前記デバイスウェハ100の直径と同じであってもよい。他の実施例において、前記第1パッケージング層は、他の適切な形状であってもよい。
【0130】
前記第1パッケージング層300に、信号をローディングするのに適する第1チップ背面202を露出させる第1開口301が形成され、それにより前記裏金属層450の形成のために空間位置を提供する。前記第1開口301は、前記第1パッケージング層300をエッチングすることにより形成されるので、前記第1開口301を形成するプロセスの難易度を低減させるために、前記第1開口301の底部から、前記デバイスウェハ100をさらに露出させ、それにより前記第2チップ正面101をエッチング停止位置とすることができる。
【0131】
本実施例において、前記裏金属層450は、接地信号をローディングする電極として用いられ、前記裏金属層450は、前記第1チップ背面202及び前記第1チップ背面202上に位置する金属層構造400を合金処理することによって形成されるので、前記第1チップ200の自己抵抗及び前記電極の接触抵抗が小さく、それに応じて接地抵抗を低減させることもでき、それにより電気エネルギの損失を低減させ、形成されたウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を向上させることに役立つ。
【0132】
前記裏金属層450の性能を向上させ、前記第1チップ200への悪影響を低減させるために、前記金属層構造400は、接触抵抗及び熱抵抗が低く、且つ熱応力が小さく、信頼性が高く、さらに、良好な電気的特性を保証するために、前記金属層構造400は、良好な導電性を有し、且つ前記第1チップ背面202とオーミックコンタクトを形成することができる。
【0133】
このため、本実施例において、前記金属層構造400は金属積層構造であり、それにより異なる金属の特性を利用し、前記裏金属層450の特性にプロセス要件を満たさせることができる。
【0134】
具体的には、図4に関連して参照すると、金属層構造400の拡大図を示し、前記金属層構造400は、底部金属層410と、前記底部金属層410上に位置する遷移金属層420と、前記遷移金属層420上に位置する頂部金属層430と、を含む。
【0135】
前記底部金属層410の材料は低バリア材料であり、且つ前記第1チップ背面202材料との接触抵抗が小さく、前記底部金属層410の材料は、前記第1チップ背面202材料と良好な浸潤性を有しそれによりオーミックコンタクト層として用いることができる。
【0136】
このため、本実施例において、前記底部金属層410の材料はTiである。Tiは、前記第1チップ背面202材料と良好な浸潤性を有し、オーミックコンタクトを形成しやすく、且つ高純度Tiを形成するプロセスの難易度が低く、したがって、Tiを前記底部金属層410の材料として選択することによって、前記金属層構造400を形成するプロセスの難易度を低減させることにも役立ち、さらに、Tiの化学的特性及び機械的特性が安定し、前記第1チップ背面202材料と良好な熱整合性を有するため、前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を大幅に向上させることができる。
【0137】
他の実施例において、前記底部金属層は、Cr、Al又はVであってもよい。
【0138】
前記底部金属層410の厚さが大きいほど、前記底部金属層410の抵抗値が大きくなるので、前記底部金属層410の厚さは大きすぎてはならず、そうしないと、前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させやすくなり、且つプロセス資源が無駄になる。しかし、前記底部金属層410の厚さも小さすぎてはならず、前記底部金属層410の厚さが小さすぎる場合、後続の合金処理の効果を低下させやすくなり、それに応じて前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させる可能性がある。このため、本実施例において、前記底部金属層410の厚さは1000Å~5000Åである。
【0139】
前記頂部金属層430は、抵抗率が低く、エレクトロマイグレーション耐性が高く、性能が安定し、酸化しにくいなどという特徴を有するため、導電層の役割を果たすことができ、且つ前記遷移金属層420に対して保護の役割を果たし、前記遷移金属層420の酸化発生の確率を低減させることができる。
【0140】
このため、本実施例において、前記頂部金属層430の材料はAgである。Agはプロセスに一般的に用いられ、コストが低い材料であるため、Agを前記頂部金属層430の材料として選択することによって、プロセスの難易度及びプロセスのコストを低減させることに役立つ。
【0141】
他の実施例において、前記頂部金属層の材料は、Auであってもよい。
【0142】
前記頂部金属層430の厚さが大きく、それにより前記遷移金属層420に対する保護の役割を効果的に向上させることができ、且つ前記裏金属層450に接地信号をローディングする時に、前記裏金属層450の信頼性を向上させることができ、それにより前記ウェハレベルパッケージング構造の性能安定性を向上させることができ、しかし、前記頂部金属層430の厚さも大きすぎてはならず、前記頂部金属層430の厚さが大きすぎる場合、前記頂部金属層430の抵抗値が大きすぎ、逆に前記ウェハレベルパッケージング構造の性能及び信頼性を低下させやすくなり、且つプロセス資源が無駄になる。このため、本実施例において、前記頂部金属層の厚さは1000Å~50000Åである。
【0143】
前記遷移金属層420は、前記頂部金属層430の材料の前記底部金属層410内への拡散を阻止するために用いられ、且つ前記遷移金属層420の膨張係数は、前記頂部金属層430と底部金属層410との間にあり、適度な導電性と熱伝導性を有し、それにより熱整合作用を良好に実現することができ、また、前記遷移金属層420は、前記底部金属層410と頂部金属層430との密着性が良好であり、それにより前記金属層構造400の形成品質を向上させ、各金属層間でのドロップアウトの発生確率を低減させることに役立つ。このため、本実施例において、前記遷移金属層420の材料はNiである。
【0144】
それに応じて、前記遷移金属層420に良好な熱整合及びバリアの役割を果たさせることができるため、前記遷移金属層420の厚さは、前記底部金属層410の厚さよりも大きく、且つ前記遷移金属層420の厚さは、前記頂部金属層430の厚さよりも小さい。このため、本実施例において、前記遷移金属層420と頂部金属層430の厚さに基づいて、前記遷移金属層420の厚さは1000Å~5000Åである。
【0145】
本実施例において、前記裏金属層450は、前記第1チップ背面202及び前記第1チップ背面202上に位置する金属層構造400を、合金処理することによって形成されるので、前記裏金属層450は、底部金属層410と、前記底部金属層410上に位置する遷移金属層420と、前記遷移金属層420上に位置する頂部金属層430と、をさらに含み、且つ、前記底部金属層410は、前記第1チップ背面202と合金化を実現し、すなわち、前記底部金属層410と前記第1チップ背面202との接触面は、合金を有する(図示せず)。
【0146】
具体的には、前記底部金属層410の材料はTiであり、前記第1チップ200の半導体基板はシリコン基板であり、それに応じて、前記底部金属層410と前記第1チップ背面202との接触面はTiSi合金を有し、それによりオーミック接触を形成する。
【0147】
本実施例において、前記金属層構造400は、前記第1開口301から露出する第1チップ200、前記第1開口301の底部と側壁、及び前記第1パッケージング層300の頂部をコンフォーマルに被覆する。他の実施例において、前記金属層構造は、前記第1開口内に充填されてもよい。
【0148】
前記第2パッケージング層310は、前記金属層構造400と前記裏金属層450を保護するために用いられ、それにより外部環境が前記金属層構造400と裏金属層450に影響を与えることを防止し、さらに前記ウェハレベルパッケージング構造の性能に影響を与えることを回避する。
【0149】
本実施例において、前記第1開口301から露出する第1チップ背面202は、接地信号をローディングするのに適するので、前記ウェハレベルパッケージング構造は、前記第2パッケージング層310内に位置する、前記裏金属層450を露出させる第2開口311をさらに含む。
【0150】
前記第2開口311から前記裏金属層450を露出させることにより、前記裏金属層450と他の回路との電気的接続を実現する。
【0151】
本実施例において、前記第2開口311から前記裏金属層450の表面の一部を露出させる。他の実施例において、実際のプロセス状況に応じて、前記第2開口から前記裏金属層の表面全体を露出させる。
【0152】
前記第2パッケージング層310についての具体的な説明は、前述の前記第1パッケージング層300の対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0153】
なお、本実施例において、前記デバイスウェハ100は、ウェハの薄型化処理されたものであり、前記薄型化されたデバイスウェハ100に、前記第2チップ110と電気的に接続されるシリコンビア相互接続構造(図示せず)がさらに形成されるが、本実施例はここでは詳述しない。
【0154】
本実施例に記載のウェハレベルパッケージング構造は、前述の第1実施例に記載のウェハレベルパッケージング方法を採用して形成されてもよいし、他のパッケージング方法を採用して形成されてもよい。本実施例において、前記ウェハレベルパッケージング構造についての具体的な説明は、前述の実施例における対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0155】
続いて図11を参照すると、本発明のウェハレベルパッケージング構造の他の実施例の構成概略図が示される。
【0156】
本実施例と前の実施例との同じ点は、ここでは再度言及せず、本実施例は、前記ローディング信号が電圧信号である点で、前の実施例と異なる。
【0157】
それに応じて、前記第1パッケージング層600内の開口601(図10に示すように)から前記第2パッド420をさらに露出させ、且つ前記金属層構造700は、前記第2パッド420表面にも位置する。
【0158】
前記金属層構造700は、前記第2パッド420と電気的に接続され、それにより金属層構造700を介して、前記第1チップ背面502と前記第2パッド420とを電気的に接続し、さらに前記第2パッド420を介して、前記裏金属層750に電圧をローディングし、それにより前記第1チップ背面502に電圧信号をローディングすることができる。
【0159】
本実施例に記載のウェハレベルパッケージング構造は、前述の第2実施例に記載のウェハレベルパッケージング方法を採用して形成されてもよいし、他のパッケージング方法を採用して形成されてもよい。本実施例において、前記ウェハレベルパッケージング構造についての具体的な説明は、前述の実施例における対応する説明を参照されたいが、本実施例はここでは再度言及しない。
【0160】
本発明は上記のように開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができるので、本発明の保護範囲は、請求項に限定された範囲に準じるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11