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特許7106768車両のドアロック解除方法、装置、システム、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】車両のドアロック解除方法、装置、システム、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220719BHJP
   B60R 25/25 20130101ALI20220719BHJP
   E05B 81/64 20140101ALI20220719BHJP
【FI】
E05B49/00 R
B60R25/25
E05B81/64
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021550214
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2020134272
(87)【国際公開番号】W WO2021164380
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】202010101756.0
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521336277
【氏名又は名称】シャンハイ センスタイム リンカン インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,チエンピン
(72)【発明者】
【氏名】スン,チエンユイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チュンイェン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,チョン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,リャン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シュアンピャオ
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-516646(JP,A)
【文献】国際公開第2019/227774(WO,A1)
【文献】特開平11-93485(JP,A)
【文献】特表2021-535517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
B60R 25/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することと、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することと、
前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことと、
顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することと、を含む、
ことを特徴とする車両のドアロック解除方法。
【請求項2】
車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することは、
前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含み、
あるいは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含み、
あるいは、
前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップした後、
予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、前記顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得するための取得モジュールと、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御するためのウェイクアップモジュールと、
前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うための顔認識モジュールと、
顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御するための制御モジュールと、を含む、
ことを特徴とする車両のドアロック解除装置。
【請求項7】
前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、
前記ウェイクアップモジュールは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられ、
あるいは、
前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、
前記ウェイクアップモジュールは、
前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、
前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられる、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
赤外線測距センサと、主制御チップと、顔認識モジュールと、画像収集モジュールとを含み、前記主制御チップは、前記赤外線測距センサ及び前記顔認識モジュールにそれぞれ接続され、前記画像収集モジュールは、前記顔認識モジュールに接続され、前記赤外線測距センサは、車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得するためのものであり、前記主制御チップは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記顔認識モジュールをウェイクアップし、前記顔認識モジュールによって前記画像収集モジュールをウェイクアップするためのものであり、前記画像収集モジュールは、ビデオストリームを収集するためのものであり、前記顔認識モジュールは、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うものであり、前記主制御チップは、顔認識の成功に応じて、ドアロック解除コマンドを車体制御モジュールに送信する、
ことを特徴とする車両のドアロック解除システム。
【請求項9】
1つ以上のプロセッサと、
実行可能なコマンドを記憶するためのメモリと、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なコマンドを呼び出して請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムコマンドは、プロセッサにより実行されると、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器で動作すると、前記電子機器のプロセッサに請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実現するためのコマンドを実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年2月19日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202010101756.0で、出願の名称が「車両のドアロック解除方法、装置、システム、電子機器及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、車両技術に関し、特に、車両のドアロック解除方法、装置、システム、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
人工知能技術の発展に伴い、コンピュータビジョンは、典型的な応用例であるスマートコックピットのようなカーエレクトロニクスに広く応用されている。スマートコックピットについて、ドアロックの解除の方式は、重要な開発方向の1つである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、車両のドアロック解除の技術的手段を提供する。
本開示の一方面によれば、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することと、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することと、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことと、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することと、を含む車両のドアロック解除方法を提供する。
可能な一実現形態では、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することは、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することを含む。
可能な一実現形態では、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含み、あるいは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。
可能な一実現形態では、前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含み、あるいは、前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。
可能な一実現形態では、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップした後、予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、前記顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されることをさらに含む。
本開示の一方面によれば、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得するための取得モジュールと、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御するためのウェイクアップモジュールと、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うための顔認識モジュールと、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御するための制御モジュールと、を含む車両のドアロック解除装置を提供する。
可能な一実現形態では、前記取得モジュールは、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することに用いられる。
可能な一実現形態では、前記ウェイクアップモジュールは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられ、あるいは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられる。
可能な一実現形態では、前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、前記ウェイクアップモジュールは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられ、あるいは、前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、前記ウェイクアップモジュールは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられる。
可能な一実現形態では、前記装置は、予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、前記顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されるためのスリープモジュールをさらに含む。
本開示の一方面によれば、赤外線測距センサと、主制御チップと、顔認識モジュールと、画像収集モジュールとを含み、前記主制御チップは、前記赤外線測距センサ及び前記顔認識モジュールにそれぞれ接続され、前記画像収集モジュールは、前記顔認識モジュールに接続され、前記赤外線測距センサは、車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得するためのものであり、前記主制御チップは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記顔認識モジュールをウェイクアップし、前記顔認識モジュールによって前記画像収集モジュールをウェイクアップするためのものであり、前記画像収集モジュールは、ビデオストリームを収集するためのものであり、前記顔認識モジュールは、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うものであり、前記主制御チップは、顔認識の成功に応じて、ドアロック解除コマンドを車体制御モジュールに送信する車両のドアロック解除システムを提供する。
本開示の一方面によれば、1つ以上のプロセッサと、実行可能なコマンドを記憶するためのメモリと、を含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なコマンドを呼び出して上記方法を実行するように構成される電子機器を提供する。
本開示の一方面によれば、コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドは、プロセッサにより実行されると、上記方法を実現させるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
本開示の一方面によれば、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器で動作すると、前記電子機器のプロセッサに上記方法を実現するためのコマンドを実行させるコンピュータプログラムを提供する。
本開示の実施例において、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得し、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御し、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行い、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することにより、赤外線測距センサをウェイクアップソースとして、顔によるドアロックの解除に用いられる画像収集モジュールをウェイクアップすることができる。これによって、車のキー又は携帯電話を身につけて且つブルートゥース(登録商標)を必ずオンにするという不便さを解決することもできるし、超音波方式の消費電力が大きいという問題を解決することもできる。ここで、赤外線測距センサは、測距が正確で、且つ測距速度が速いため、応答速度を向上させることができる。また、赤外線測距センサは、価格が低く、且つ環境の影響を受けず、高い実行可能性と実用性を有する。
【0005】
なお、上述した概略的な説明及び次の詳細な説明は、例示的及び解釈的なものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0006】
以下、図面を参照しながら例示的な実施例を詳細に説明することによって、本開示の他の特徴及び方面は明瞭になる。
ここで、本明細書の一部として組み込まれる図面は、本開示の実施例に適し、明細書と共に本開示の技術的解決手段の説明に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施例による車両のドアロック解除方法のフローチャートを示す。
図2】本開示の実施例における赤外線測距センサの測距原理の模式図を示す。
図3】本開示の実施例による車両のドアロック解除システムのブロック図を示す。
図4】本開示の実施例による車両のドアロック解除装置のブロック図を示す。
図5】本開示の実施例による電子機器800のブロック図を示す。
図6】本開示の実施例による電子機器1900のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照しながら本開示の様々な例示的な実施例、特徴および方面を詳細に説明する。図面における同じ符号は同じまたは類似する機能の要素を示す。図面において実施例の様々な方面を示したが、特に断らない限り、比例に従って図面を描く必要がない。
ここでの用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明されるいかなる実施例は他の実施例より好ましいまたは優れるものであると理解すべきではない。
本明細書における用語「及び/又は」は、単に関連対象との関連関係を記述するものであり、3つの関係が存在可能であることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在し、AとBの両方が存在し、Bのみが存在するという3つの場合を示してもよい。また、本明細書における用語「少なくとも1つ」は複数のうちのいずれか1つ、又は複数のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを示し、例えば、A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むことは、A、B及びCからなる集合から選択されたいずれか1つ又は複数の要素を含むことを示してもよい。
また、本開示をより効果的に説明するために、以下の具体的な実施形態において様々な具体的な詳細を示す。当業者であれば、本開示は何らかの具体的な詳細がなくても同様に実施できると理解すべきである。いくつかの実施例では、本開示の趣旨を強調するために、当業者が熟知している方法、手段、要素および回路について詳細な説明を行わない。
図1は、本開示の実施例による車両のドアロック解除方法のフローチャートを示す。前記車両のドアロック解除方法は、車両のドアロック解除装置により実行されてもよい。例えば、前記車両のドアロック解除方法は、車載装置又は他の処理装置により実行されてもよい。いくつかの可能な実現形態では、前記車両のドアロック解除方法は、プロセッサによりメモリに記憶されているコンピュータ読み取り可能なコマンドを呼び出すことで実現されてもよい。図1に示すように、前記車両のドアロック解除方法は、ステップS11~ステップS14を含む。
【0009】
ステップS11において、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得する。
【0010】
可能な一実現形態では、前記赤外線測距センサは、前記車両のBピラー、少なくとも1つのドア、及び少なくとも1つのバックミラーのうちの少なくとも1つに取り付けられてもよい。本開示の実施例におけるドアは、出入りのためのドア(例えば、左フロントドア、右フロントドア、左リアドア、右リアドア)を含んでもよいし、車両のトランクドアなどを含んでもよい。
【0011】
図2は、本開示の実施例における赤外線測距センサの測距原理の模式図を示す。本開示の実施例において、赤外線測距センサの送信機は、予め設定された周波数で赤外線を放射することができ、車外の対象物(例えばユーザ、歩行者、障害物など)が赤外線測距センサに近づくと、赤外線は反射されて戻ってきて、赤外線測距センサの受信機により受信される。赤外線の伝搬時間に基づいて、車外の対象物から赤外線測距センサまでの距離を計算することができ、例えば、車外の対象物と赤外線測距センサとの間の距離=赤外線の伝搬時間/2×光速である。赤外線測距センサは、取得した距離を主制御チップに送信し、主制御チップは、赤外線測距センサからの距離の受信時間に応じて、受信時間と距離との対応関係を含みうる距離情報を記憶することができる。これによって、距離情報に基づいて、各時刻に赤外線測距センサにより取得した距離値を決定することができる。ここで、主制御チップは、MCU(MicroController Unit、マイクロコントローラユニット)などであってもよい。
【0012】
本開示の実施例において、車外に対象物がない場合、赤外線測距センサの送信機から発せられた赤外線は反射されて戻ってこないが、このような場合には、赤外線測距センサは、距離値を測定できないか、又は取得された距離値がヌルである。赤外線測距センサは、距離値を測定できないか、又は取得された距離値がヌルである場合、距離情報を主制御チップに送信しなくてもよい。
【0013】
赤外線測距センサの消費電力は低く、通常uAレベルであるが、超音波レーダーの消費電力は高く、通常mAレベルである。したがって、赤外線測距センサは、超音波レーダーに比べて消費電力を大幅に低減することができる。ブルートゥース(登録商標)経由でカメラをウェイクアップして画像を収集することにより顔認識を行う方法に比べて、本開示の実施例は、赤外線測距センサで車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を取得して画像収集モジュールをウェイクアップすることにより、ユーザがブルートゥース(登録商標)機能を有する携帯端末(例えば携帯電話など)を身につけて、当該携帯端末で確認する必要はないため、ユーザ体験を改善することができる。さらに、赤外線測距センサは、高い測距精度を有する。
【0014】
可能な一実現形態では、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することは、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することを含む。
【0015】
この実現形態では、車両のスリープ状態は、赤外線測距センサ及び主制御チップ以外の車内のモジュールが全てスリープしている状態を示してもよい。車両がスリープ状態でないとき、通常、車内には運転者がいるため、車両がスリープ状態でないときは、通常、運転者の操作によって車両のドアロック解除を制御することができる。該実現形態では、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合にのみ、赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することができるが、前記車両がスリープ状態でないか、又はスリープであるがドアロックの未解除の状態でないとき、赤外線測距センサによって測距する必要はなく、これにより、消費電力を低減することができる。
【0016】
もちろん、他の可能な実現形態では、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合だけでなく、前記車両がスリープ状態でないか、又はスリープ状態であるがドアロックの未解除の状態でないときにも、赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することができるようにしてもよい。
【0017】
ステップS12において、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御する。
【0018】
ここで、第2距離閾値は、第1距離閾値に等しくても等しくなくてもよい。第2時間閾値は、第1時間閾値に等しくても等しくなくてもよい。
【0019】
一例において、前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達することは、前記距離が第2距離閾値以下となる間、前記距離が同じに維持されている継続時間が第2時間閾値に達することを示してもよい。他の例において、前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達することは、いずれかの期間における前記距離の分散度合いが所定値以下であり、該期間における距離がいずれも第2距離閾値以下であり、且つ該期間の長さが第2時間閾値以上であることを示してもよい。ここで、分散度合いは、標準偏差や分散などにより評価することができる。例えば、標準偏差を分散度合いとしてもよい。
【0020】
本開示の実施例において、主制御チップは、距離情報を記憶し、距離が徐々に減少するか否かを判断することができ、距離が徐々に減少する場合、距離が第1距離閾値以下となる継続時間が予め設定された第1時間閾値に達したか否かを判断することができ、又は距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したか否かを判断することができ、そうであれば、ドアを開放する意図があると判定し、そうでなければ、歩行者が通り過ぎたり、障害物がはためいたりする場合などのようにドアを開放する意図はないと判定することができる。本開示の実施例によれば、ユーザがドアを開放する意図はない場合にドアロックの解除の可能性を低減することができることによって、車両の安全性を向上させることができる。
【0021】
可能な一実現形態では、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。該実現形態では、「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達する」という条件が満たされるまで、顔認識モジュールは、スリープ状態として低消費電力動作を保持することができることによって、顔認証によるドア開放方式の動作消費電力を低減することができる。
【0022】
可能な一実現形態では、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。該実現形態では、「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達する」という条件が満たされるまで、顔認識モジュールは、スリープ状態として低消費電力動作を保持することができることによって、顔認証によるドア開放方式の動作消費電力を低減することができる。
【0023】
他の可能な実現形態では、前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。
【0024】
ここで、第2所定距離値は、顔認識を行う際にユーザと車両との間の最大許容距離値であってもよい。第1所定距離値は、第2所定距離値及びウェイクアップ距離に基づいて決定されてもよい。例えば、第1所定距離値は、第2所定距離値とウェイクアップ距離との和に等しいか、又はそれよりも僅かに大きく設定されてもよい。ここで、ウェイクアップ距離は、顔認識モジュールのウェイクアップ時間と平均歩行速度との積に等しくてもよく、顔認識モジュールのウェイクアップ時間は、顔認識モジュールがスリープ状態から動作状態への切り替えに必要な時間を示してもよい。
【0025】
この実現形態では、「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となる」という条件が満たされるまで、顔認識モジュールがスリープ状態として低消費電力動作を保持することができることによって、顔認証によるドア開放方式の動作消費電力を低減することができる。「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となる」という条件が満たされると、顔認識モジュールをウェイクアップし、ユーザがドアに到着する前に、顔認識モジュールを動作可能な状態にすることができることで、ユーザがドアに到着した後で顔認識モジュールのウェイクアップを待つ必要はなく、「前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達する」と、即ちユーザがドアに到着したと判定した場合、画像収集モジュールがビデオストリームを収集すると、すぐに、ウェイクアップされた顔認識モジュールによって顔認識を行ってドアを開放することができるため、顔認識効率を向上させ、ユーザ体験を改善することができる。また、ユーザがウェイクアップを感じることはないため、ユーザ体験をさらに向上させることができる。該実現形態では、「前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達する」という条件が満たされるまで、画像収集モジュールがビデオストリームを収集しないため、消費電力を低減することができるだけでなく、ドアロックが誤って解除される可能性を低減することができ、車両のドアロック解除の安全性を向上させることができる。したがって、該実現形態は、低消費電力での稼働と速やかな解錠の両方を満たすことができるため、顔認識モデュールモジュールの省電力、ユーザ体験、およびセキュリティ性などの各面のバランスがよく取れる解決策を提供している。
【0026】
他の可能な実現形態では、前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように前記画像収集モジュールをウェイクアップして制御することは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することと、を含む。
【0027】
ここで、第3所定距離値は、第1所定距離値に等しくても等しくなくてもよい。第4所定距離値は、第2所定距離値に等しくても等しくなくてもよい。第4所定距離値は、顔認識を行う際にユーザと車両との間の最大許容距離値であってもよい。第3所定距離値は、第4所定距離値及びウェイクアップ距離に基づいて決定されてもよい。例えば、第3所定距離値は、第4所定距離値とウェイクアップ距離との和に等しいか、又はそれよりも僅かに大きく設定されてもよい。
【0028】
この実現形態では、「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下である」という条件が満たされるまで、顔認識モジュールがスリープ状態として低消費電力動作を保持することができることによって、顔認証によるドア開放方式の動作消費電力を低減することができる。「前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下である」という条件が満たされると、顔認識モジュールをウェイクアップし、ユーザがドアに到着する前に、顔認識モジュールを動作可能な状態にすることができることで、ユーザがドアに到着した後で顔認識モジュールのウェイクアップを待つ必要はなく、「前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達する」と、即ちユーザがドアに到着したと判定した場合、画像収集モジュールがビデオストリームを収集すると、すぐに、ウェイクアップされた顔認識モジュールによって顔認識を行ってドアを開放することができるため、顔認識効率を向上させ、ユーザ体験を改善することができる。また、ユーザがウェイクアップを感じることはないため、ユーザ体験をさらに向上させることができる。該実現形態では、「前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達する」という条件が満たされるまで、画像収集モジュールがビデオストリームを収集しないため、消費電力を低減することができるだけでなく、ドアロックが誤って解除される可能性を低減することができ、車両のドアロック解除の安全性を向上させることができる。したがって、該実現形態は、低消費電力での稼働と速やかな解錠の両方を満たすことができるため、顔認識モデュールモジュールの省電力、ユーザ体験、およびセキュリティ性などの各面のバランスがよく取れる解決策を提供している。
【0029】
本開示の実施例において、画像収集モジュールは、車両の車室外に取り付けられてもよい。車外のビデオストリームを収集するように、車両の車室外に設置された画像収集モジュールを制御することにより、車外のビデオストリームに基づいて車外の人の乗車意図を検出することができる。可能な一実現形態では、画像収集モジュールは、前記車両のBピラー、少なくとも1つのドア、少なくとも1つのバックミラーのうちの少なくとも1つに取り付けられてもよい。例えば、画像収集モジュールは、Bピラーの地上からの130cm~160cmに取り付けられてもよいが、ここでは限定されない。一例において、画像収集モジュールは、車両の2本のBピラー及びトランクに取り付けられてもよい。ここで、各Bピラーに前席乗員(運転者又は副運転者)の乗車位置に向ける画像収集モジュールと、後席乗員の乗車位置に向ける画像収集モジュールとが取り付けられてもよい。
【0030】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップした後、予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、前記顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されることをさらに含む。該実現形態は、顔認識モジュールをウェイクアップしてからの予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は顔認識モジュールをウェイクアップしてからの予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されることにより、消費電力を低減することができる。
【0031】
ステップS13において、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行う。
【0032】
例えば、前記ビデオストリームの第1画像に基づいて顔認識を行って、顔認識結果を得ることができる。ここで、前記第1画像は、顔の少なくとも一部を含んでもよい。第1画像は、ビデオストリームから選択された画像であってもよい。ここで、複数の方法でビデオストリームから画像を選択することができる。一具体例において、第1画像は、ビデオストリームから選択された、予め設定された品質条件を満たす画像であり、該予め設定された品質条件は、顔を含むか否か、顔が画像の中心領域に位置するか否か、顔が完全に画像に含まれるか否か、顔が画像に占める割合、顔の状態(例えば顔の角度)、画像の鮮明度、画像の露出度などの1つ又は任意の組み合わせを含んでもよいが、本開示の実施例はこれを限定するものではない。
【0033】
可能な一実現形態では、前記顔認識は、顔認証を含み、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことは、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像及び予め登録された顔特徴に基づいて顔認証を行うことを含む。該実現形態では、顔認証は、収集した画像の顔特徴を抽出し、収集した画像の顔特徴と予め登録された顔特徴とを照合し、同じ人の顔特徴に属するか否かを判断することに用いられ、例えば、収集した画像の顔特徴が車両所有者又は仮ユーザ(例えば車両所有者の友人や配達員など)の顔特徴に属するか否かを判断することができる。
【0034】
可能な一実現形態では、前記顔認識は、生体検出をさらに含み、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことは、前記画像収集モジュールのデプスセンサによって前記ビデオストリームの第1画像に対応する第1デプスマップを収集することと、前記第1画像及び前記第1デプスマップに基づいて生体検出を行うことと、を含む。該実現形態では、生体検出は、生体であるか否かを検証するためのものであり、例えば人体であるか否かを検証するためのものであってもよい。ここで、第1デプスマップは、第1画像に対応する。例えば、第1デプスマップ及び第1画像は、それぞれデプスセンサ及び画像センサにより同じシーンに対して収集したものであり、又は、第1デプスマップ及び第1画像は、デプスセンサ及び画像センサにより同じ時刻に同じ対象領域に対して収集したものであるが、本開示の実施例はこれを限定するものではない。ここで、画像センサは、RGBセンサ又は赤外線センサなどであってもよい。デプスセンサは、デプス情報を収集するためのセンサを示す。本開示の実施例は、デプスセンサの動作原理及び動作帯域を限定するものではない。例えば、デプスセンサは、2眼式赤外線センサ、TOFセンサ又は構造光センサなどであってもよい。
【0035】
可能な一実現形態では、前記顔認識は、権限認証をさらに含み、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことは、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて前記車外の対象物の解錠権限情報を取得することと、前記車外の対象物の解錠権限情報に基づいて権限認証を行うことと、を含む。該実現形態によれば、ユーザごとに異なる解錠権限情報を設定することができ、車両の安全性を向上させることができる。
【0036】
該実現形態の一例として、前記車外の対象物の解錠権限情報は、前記車外の対象物が解錠権限を持つドアの情報、前記車外の対象物が解錠権限を持つ時間、前記車外の対象物の対応する解錠権限回数の1つ以上を含む。
【0037】
例えば、前記車外の対象物が解錠権限を持つドアの情報は、全てのドア又はトランクドアであってもよい。例えば、車両所有者又はその家族、友人が解錠権限を持つドアは全てのドアであってもよく、配達員又は不動産管理会社のスタッフが解錠権限を持つドアはトランクドアであってもよい。ここで、車両所有者は、他人に解錠権限を持つドアの情報を設定することができる。
【0038】
例えば、車外の対象物が解錠権限を持つ時間は、全ての時間であってもよいし、又は予め設定された期間であってもよい。例えば、車両所有者又は車両所有者の家族が解錠権限を持つ時間は、全ての時間であってもよい。車両所有者は、他人に解錠権限を持つ時間を設定することができる。例えば、車両所有者の友人が車両所有者から車両を借りる応用シーンでは、車両所有者は、友人が解錠権限を持つ時間を2日間に設定することができる。また、例えば、車両所有者は、配達員から連絡された後、配達員が解錠権限を持つ時間を2020年1月20日13:00-14:00に設定することができる。
【0039】
例えば、車外の対象物の対応する解錠権限回数は、無制限回数又は有限回数であってもよい。例えば、車両所有者又は車両所有者の家族、友人の対応する解錠権限回数は、無制限回数であってもよい。また、例えば、配達員の対応する解錠権限回数は、有限回数、例えば1回であってもよい。
【0040】
ステップS14において、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御する。
【0041】
可能な一実現形態では、顔認識の成功に応じて、運転席のドアのロック解除及び/又は開放を制御することができる。
【0042】
他の可能な実現形態では、顔認識の成功に応じて、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアのロック解除及び/又は開放を制御することができ、例えば、前記ドアの状態情報がロックの未解除である場合、前記ドアのロックを解除するか、又はドアのロックを解除してドアを開放するように制御し、前記ドアの状態情報がロック解除済みで且つ未開放である場合、前記ドアを開放するように制御することにより、ユーザが手でドアを引いて開放することなく、顔認識に基づいてドアが自動的に開くようにすることができ、車両使用の利便性を向上させる。ここで、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアは、前記画像収集モジュールの位置に基づいて決定されてもよい。例えば、ビデオストリームが左側のBピラーに取り付けられ且つ前席乗員の乗車位置に向ける画像収集モジュールによって収集されたものである場合、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアは左フロントドアであってもよく、ビデオストリームが左側のBピラーに取り付けられ且つ後席乗員の乗車位置に向ける画像収集モジュールによって収集されたものである場合、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアは左リアドアであってもよく、ビデオストリームが右側のBピラーに取り付けられ且つ前席乗員の乗車位置に向ける画像収集モジュールによって収集されたものである場合、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアは右フロントドアであってもよく、ビデオストリームが右側のBピラーに取り付けられ且つ後席乗員の乗車位置に向ける画像収集モジュールによって収集されたものである場合、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアは右リアドアであってもよく、ビデオストリームがトランクドアに取り付けられた画像収集モジュールによって収集されたものである場合、前記ビデオストリームを収集する画像収集モジュールに対応するドアはトランクドアであってもよい。
【0043】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行った後、顔認識の失敗に応じて、前記車両に設置されたパスワードロック解除モジュールをアクティブ化して、パスワードによるロック解除フローを起動することをさらに含む。該実現形態では、パスワードによるロック解除は、顔認識によるロック解除の代替案である。顔認識の失敗の原因は、生体の検出結果が偽物であること、顔認証に失敗したこと、画像収集に失敗したこと(例えばカメラの故障)及び認識回数が所定回数を超えたことなどの少なくとも1つを含む。人が顔認識に失敗した場合、パスワードによるロック解除のフローを起動する。例えば、ユーザが入力したパスワードをBピラーのタッチスクリーンによって取得するようにしてもよい。一例において、パスワードの入力をM回、例えば5回連続して間違えると、パスワードによるロック解除は失効になるようにしてもよい。
【0044】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に対して物体検出を行って、車外の対象物の所持物体情報を決定することをさらに含み、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することは、顔認識の成功で、且つ前記所持物体情報が物体を所持しているものであることに応じて、前記車両の少なくとも1つのドアを開放するように制御することを含む。
【0045】
ここで、車外の対象物の所持物体情報は、車外の対象物が所持している物体の情報を示してもよい。例えば、所持物体情報は、物体を所持しているか否かを示してもよく、所持している物体のカテゴリを示してもよい。
【0046】
この実現形態では、深層学習アーキテクチャに基づく物体検出ネットワークを採用してビデオストリームの少なくとも1枚の画像に対して物体検出を行うようにしてもよい。該実現形態では、物体検出ネットワークが認識可能な物体のカテゴリを限定しなくてもよく、当業者は実際の応用シーンのニーズに応じて物体検出ネットワークが認識可能な物体のカテゴリを柔軟に設定することができる。例えば、物体検出ネットワークが認識可能な物体のカテゴリは、傘、トロリーケース、カート、ベビーカー、ハンドバッグ、ショッピングバッグなどを含む。物体検出ネットワークを採用してビデオストリームの少なくとも1枚の画像に対して物体検出を行うことで、物体検出の精度及び速度を向上させることができる。
【0047】
この実現形態によれば、ユーザがドアを開放するのが不便な場合(例えばユーザがハンドバッグ、ショッピングバッグ、トロリーケース、傘などの物品を所持している場合)、ドア(例えば車両の左フロントドア、右フロントドア、左リアドア、右リアドア、トランクドア)が自動的に開くようにすることにより、ユーザが物品を手に持っている場合や雨が降っている場合などのシーンにおいて、ユーザの乗車及びトランクへの物品の置きが非常に容易にできる。該実現形態を採用することで、ユーザが車両に近づくと、意図的な動作(例えばボタンのタッチやジェスチャー)をすることなく、顔認識フローを自動的にトリガーすることができ、ドアを自動的に開放することができるため、ユーザがドアロックを解除したりドアを開放したりするために手を離す必要がなく、ユーザの乗車及びトランクへの物品の置きの体験を向上させることができる。
【0048】
この実現形態では、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像における人体の境界枠を検出し、前記境界枠に対応する領域に対して物体検出を行って、物体検出結果を得、前記物体検出結果に基づいて、車外の対象物の所持物体情報を決定することができる。例えば、前記ビデオストリームの第1画像における人体の境界枠を検出し、前記第1画像における前記境界枠に対応する領域に対して物体検出を行うことができる。ここで、前記境界枠に対応する領域は、前記境界枠によって限定される領域を示してもよい。該実現形態では、ビデオストリームの少なくとも1枚の画像における人体の境界枠を検出し、前記境界枠に対応する領域に対して物体検出を行うことにより、ビデオストリームの画像における背景部分による物体検出への干渉を低減することができ、物体検出の精度を向上させることができる。
【0049】
ここで、前記物体検出結果に基づいて、車外の対象物の所持物体情報を決定することは、前記物体検出結果が物体を検出したものである場合、前記物体と前記車外の対象物の手との間の距離を取得することと、前記距離に基づいて、前記車外の対象物の所持物体情報を決定することと、を含んでもよい。
【0050】
一例において、前記距離が予め設定された距離未満である場合、前記車外の対象物の所持物体情報が物体を所持しているものであると決定することができる。この例において、車外の対象物の所持物体情報を決定する際に、物体の寸法を考慮せずに、物体と車外の対象物の手との間の距離のみを考慮することができる。
【0051】
他の例において、前記物体検出結果に基づいて、車外の対象物の所持物体情報を決定することは、前記物体検出結果が物体を検出したものである場合、前記物体の寸法を取得することをさらに含んでもよい。前記距離に基づいて、前記車外の対象物の所持物体情報を決定することは、前記距離及び前記寸法に基づいて、前記車外の対象物の所持物体情報を決定することを含む。この例において、車外の対象物の所持物体情報を決定する際に、物体と車外の対象物の手との間の距離及び物体の寸法を同時に考慮することができる。
【0052】
ここで、前記距離及び前記寸法に基づいて、前記車外の対象物の所持物体情報を決定することは、前記距離が予め設定された距離以下であり、且つ前記寸法が予め設定された寸法以上である場合、前記車外の対象物の所持物体情報が物体を所持しているものであると決定することを含んでもよい。
【0053】
この例において、予め設定された距離は、0であってもよいし、0よりも大きく設定されてもよい。
【0054】
他の例において、前記物体検出結果に基づいて、車外の対象物の所持物体情報を決定することは、前記物体検出結果が物体を検出したものである場合、前記物体の寸法を取得することと、前記寸法に基づいて、車外の対象物の所持物体情報を決定することと、を含んでもよい。この例において、車外の対象物の所持物体情報を決定する際に、物体と車外の対象物の手との間の距離を考慮せずに、物体の寸法のみを考慮することができる。例えば、前記寸法が予め設定された寸法よりも大きい場合、前記車外の対象物の所持物体情報が物体を所持しているものであると決定する。
【0055】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に対して物体検出を行って、車外の対象物の所持物体情報を決定することをさらに含み、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することは、顔認識の成功で、且つ前記所持物体情報が予め設定されたカテゴリの物体を所持しているものであることに応じて、前記車両のトランクドアを開放するように制御することを含む。ここで、予め設定されたカテゴリは、トランクに置くのに適した物体のカテゴリを示してもよい。例えば、予め設定されたカテゴリは、トロリーケースなどを含んでもよい。該実現形態によれば、ユーザが予め設定されたカテゴリの物体を所持している際に、ユーザがトランクドアを手で開放することなく、トランクドアを自動的に開放して、トランクへの物体の置きが容易にできる。
【0056】
可能な一実現形態では、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することは、顔認識の成功で、且つ前記車外の対象物が運転者ではないことに応じて、前記車両の少なくとも1つの運転席以外のドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することを含んでもよい。該実現形態によれば、運転者以外の人に適したシートに対応するドアのロックの解除及び/又はドア開放を自動的に行うことができる。
【0057】
可能な一実現形態では、顔認識の成功、前記車外の対象物が運転者ではなく、且つ前記車外の対象物が物体を所持していることに応じて、前記車両の少なくとも1つの運転席以外のドアを開放するように制御することができる。該実現形態によれば、運転者以外の人に適したシートに対応するドアを自動的に開放することができる。
【0058】
可能な一実現形態では、前記車両の少なくとも1つのドアを開放するように制御することは、前記ドアの状態情報を取得することと、前記ドアの状態情報がロックの未解除である場合、前記ドアロックを解除して開放するように制御すること、及び/又は、前記ドアの状態情報がロック解除済みで且つ未開放である場合、前記ドアを開放するように制御することと、を含んでもよい。
【0059】
ここで、前記ドアの状態情報は、ロックの未解除、ロック解除済みで且つ未開放、開放済みであってもよい。該実現形態では、ドアを開放するように制御することは、ユーザが自動的に開放されたドア(例えばフロントドア又はリアドア)から車内に入ることができるか、又は自動的に開放されたドア(例えばトランクドア又はリアドア)から物品を置くことができるように、ドアを弾いて開放するように制御することを示してもよい。ドアを自動的に開放するように制御することにより、車両のドアロック解除後に、ユーザがドアを手で引いて開放する必要がない。
【0060】
可能な一実現形態では、前記方法は、ドア自動閉鎖条件が満たされた場合、前記ドアを閉鎖するように制御するか、又は、前記ドアを閉鎖してロックするように制御することをさらに含む。該実現形態では、ドア自動閉鎖条件が満たされた場合、前記ドアを閉鎖するように制御するか、又は、前記ドアを閉鎖してロックするように制御することにより、車両の安全を向上させることができる。一例において、前記ドア自動閉鎖条件は、ドアのロック解除又は開放の時間が予め設定された時間に達することを含んでもよい。
【0061】
可能な一実現形態では、ドアを制御するために、主制御チップを介して車体制御モジュール(BCM、Body Control Model)にドアロック解除コマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドを送信することができる。
【0062】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記画像収集モジュールにより収集した顔画像に基づいてユーザの登録を行うことと、車両所有者に対応する第1端末により収集又はアップロードした顔画像に基づいて遠隔登録を行い、収集又はアップロードした顔画像を含む登録情報を前記車両に送信することとの一つ又は二つをさらに含む。
【0063】
一例において、画像収集モジュールにより収集した顔画像に基づいて車両所有者の登録を行うことは、タッチスクリーンの登録ボタンがクリックされたことを検出すると、ユーザにパスワードの入力を要求し、パスワードの検証に成功した後、画像収集モジュールのRGBカメラを起動して顔画像を取得し、取得した顔画像に基づいて登録し、該顔画像の顔特徴を予め登録された顔特徴として抽出することで、後続の顔認証時に該予め登録された顔特徴に基づいて顔照合を行うことを含む。
【0064】
一例において、第1端末により収集又はアップロードした顔画像に基づいて遠隔登録を行い、収集又はアップロードした顔画像を含む登録情報を車両に送信する。該例において、ユーザ(例えば車両所有者)は携帯電話App(Application、アプリケーション)を介してTSP(Telematics Service Provider、テレマティクスサービスプロバイダー)クラウドに登録要求を送信することができ、ここで、登録要求は、第1端末が収集又はアップロードした顔画像を携帯することができる。例えば、第1端末により収集した顔画像は、ユーザ自身(車両所有者)の顔画像であってもよく、第1端末によりアップロードした顔画像は、ユーザ自身(車両所有者)、ユーザの友人又は配達員などの顔画像であってもよく、TSPクラウドは、登録要求をドア制御装置の車載T-Box(Telematics Box、遠隔情報プロセッサ)に送信し、車載T-Boxは、登録要求に基づいて顔認識機能をアクティブ化し、登録要求に含まれる顔画像の顔特徴を予め登録された顔特徴とすることで、後続の顔認証時に該予め登録された顔特徴に基づいて顔照合を行う。
【0065】
この実現形態の一例として、前記第1端末によりアップロードした顔画像は、第2端末から前記第1端末に送信した顔画像を含み、前記第2端末は仮ユーザに対応する端末であり、前記登録情報は、前記アップロードした顔画像に対応する解錠権限情報をさらに含む。例えば、仮ユーザは、配達員などであってもよい。該例において、車両所有者は、配達員などの仮ユーザに解錠権限情報を設定することができる。
【0066】
可能な一実現形態では、前記方法は、前記車両の乗員がシートを調節する情報を取得することと、前記乗員がシートを調節する情報に基づいて、前記乗員に対応するシート嗜好情報を生成又は更新することと、をさらに含む。ここで、前記乗員に対応するシート嗜好情報は、前記乗員が前記車両に搭乗する際にシートを調節する嗜好情報を反映することができる。該実現形態では、前記乗員に対応するシート嗜好情報を生成又は更新することにより、前記乗員が次回に前記車両に搭乗する際に、前記乗員に対応するシート嗜好情報に基づいて自動的にシート調節を行うことで、前記乗員の乗車体験を向上させることができる。
【0067】
可能な一実現形態では、前記乗員がシートを調節する情報に基づいて、前記乗員に対応するシート嗜好情報を生成又は更新することは、前記乗員が着座したシートの位置情報、及び前記乗員がシートを調節する情報に基づいて、前記乗員に対応するシート嗜好情報を生成又は更新することを含む。該実現形態では、前記乗員に対応するシート嗜好情報は、前記乗員がシートを調節する情報だけでなく、前記乗員が着座したシートの位置情報にも関連付けられてもよく、即ち、乗員ごとに異なる位置のシートに対応するシート嗜好情報を記録することができ、ユーザの乗車体験をさらに向上させることができる。
【0068】
可能な一実現形態では、前記方法は、顔認識結果に基づいて、乗員に対応するシート嗜好情報を取得することと、前記乗員に対応するシート嗜好情報に基づいて、前記乗員が着座したシートを調節することと、をさらに含む。該実現形態では、前記乗員に対応するシート嗜好情報に基づいて、乗員による手動調節を必要とせずに、乗員のシート情報を自動的に調節することによって、乗員の運転又は乗車の体験を向上させることができる。
【0069】
一例において、シートの高さ、前後、背もたれ及び温度などの1つ以上を調節することができる。
【0070】
この実現形態の一例として、前記乗員が着座したシートの位置情報を決定し、前記乗員が着座したシートの位置情報及び前記乗員に対応するシート嗜好情報に基づいて、前記乗員が着座したシートを調節するようにしてもよい。該例において、前記乗員が着座したシートの位置情報及び前記乗員に対応するシート嗜好情報に基づいて、乗員による手動調節を必要とせずに、乗員のシート情報を自動的に調節することによって、乗員の運転又は乗車の体験を向上させることができる。
【0071】
他の可能な実現形態では、前記顔認識結果に基づいて、乗員に対応する他のパーソナライズされた情報、例えばライト情報、温度情報、エアコン風力情報、音楽情報などを取得し、取得したパーソナライズされた情報に基づいて自動的に設定するようにしてもよい。
【0072】
本開示の実施例において、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得し、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御し、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行い、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することにより、赤外線測距センサをウェイクアップソースとして、顔によるドアロックの解除に用いられる画像収集モジュールをウェイクアップすることができる。これによって、車のキー又は携帯電話を身につけて且つブルートゥース(登録商標)を必ずオンにするという不便さを解決することもできるし、超音波方式の消費電力が大きいという問題を解決することもできる。ここで、赤外線測距センサは、測距が正確で、且つ測距速度が速いため、応答速度を向上させることができる。また、赤外線測距センサは、価格が低く、且つ環境の影響を受けず、高い実行可能性と実用性を有する。
【0073】
本開示で言及される上記各方法の実施例は、原理と論理に違反しない限り、相互に組み合わせて実施例を形成することができると理解すべきであり、紙数に限りがあるので、本開示ではその説明を省略する。
【0074】
当業者であれば、具体的な実施形態の上記方法において記載された各ステップの順序は、実施手順を厳密に当該順序に限定するものではない。各ステップの具体的な実行順序は、各ステップの機能と可能な内在的論理に応じて決定されることが理解される。
【0075】
なお、本開示は、車両のドアロック解除装置、システム、電子機器、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、プログラムをさらに提供し、これらのいずれも本開示で提供される車両のドアロック解除方法のいずれか1つを実現するために利用可能であり、対応する技術的手段及び説明については、方法の対応する記載を参照すればよく、ここで省略する。
【0076】
図3は、本開示の実施例による車両のドアロック解除システムのブロック図を示す。図3に示すように、前記車両のドアロック解除システムは、赤外線測距センサ31と、主制御チップ32と、顔認識モジュール33と、画像収集モジュール34とを含み、前記主制御チップ32は、前記赤外線測距センサ31及び前記顔認識モジュール33にそれぞれ接続され、前記画像収集モジュール34は、前記顔認識モジュール33に接続され、前記赤外線測距センサ31は、車外の対象物と前記赤外線測距センサ31との間の距離を継続的に取得することに用いられ、前記主制御チップ32は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記顔認識モジュール33をウェイクアップし、前記顔認識モジュール33によって前記画像収集モジュール34をウェイクアップすることに用いられ、前記画像収集モジュール34は、ビデオストリームを収集することに用いられ、前記顔認識モジュール33は、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うことに用いられ、前記主制御チップ32は、顔認識の成功に応じて、ドアロック解除コマンドを車体制御モジュールに送信する。
【0077】
図4は、本開示の実施例による車両のドアロック解除装置のブロック図を示す。図4に示すように、前記車両のドアロック解除装置は、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得するための取得モジュール41と、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、又は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御するためのウェイクアップモジュール42と、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行うための顔認識モジュール43と、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御するための制御モジュール44とを含む。
【0078】
可能な一実現形態では、前記取得モジュール41は、前記車両がスリープ状態にあるか、又はスリープで且つドアロックの未解除の状態にある場合、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得することに用いられる。
【0079】
可能な一実現形態では、前記ウェイクアップモジュール42は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられ、あるいは、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第2距離閾値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられる。
【0080】
可能な一実現形態では、前記第1距離閾値は、第1所定距離値及び第2所定距離値を含み、前記第1所定距離値が前記第2所定距離値よりも大きく、前記ウェイクアップモジュール42は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第1所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第2所定距離値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられ、あるいは、前記第2距離閾値は、第3所定距離値及び第4所定距離値を含み、前記第3所定距離値が前記第4所定距離値よりも大きく、前記ウェイクアップモジュール42は、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が前記第3所定距離値以下となることに応じて、前記車両に設置された顔認識モジュールをウェイクアップすることと、前記距離が前記第4所定距離値以下で一定に維持されている継続時間が第2時間閾値に達したことに応じて、ウェイクアップされた前記顔認識モジュールによって、前記画像収集モジュールがビデオストリームを収集するように制御することに用いられる。
【0081】
可能な一実現形態では、前記装置は、予め設定された時間内に顔画像が収集されなかった場合、又は予め設定された時間内に顔認識に成功しない場合、前記顔認識モジュールがスリープ状態に入るように制御されるためのスリープモジュールをさらに含む。
【0082】
本開示の実施例において、車両の車室外に設置された赤外線測距センサによって車外の対象物と前記赤外線測距センサとの間の距離を継続的に取得し、前記距離が徐々に減少し、且つ前記距離が第1距離閾値以下となる継続時間が第1時間閾値に達したことに応じて、ビデオストリームを収集するように、前記車両に設置された画像収集モジュールをウェイクアップして制御し、前記ビデオストリームの少なくとも1枚の画像に基づいて顔認識を行い、顔認識の成功に応じて、前記車両の少なくとも1つのドアロックの解除及び/又はドア開放を行うように制御することにより、赤外線測距センサをウェイクアップソースとして、顔によるドアロックの解除に用いられる画像収集モジュールをウェイクアップすることができ、車のキー又は携帯電話を身につけて且つブルートゥース(登録商標)を必ずオンにするという不便さを解決することもできるし、超音波方式の消費電力が大きいという問題を解決することもできる。ここで、赤外線測距センサは、測距が正確で、且つ測距速度が速いため、応答速度を向上させることができる。また、赤外線測距センサは、価格が低く、且つ環境の影響を受けず、高い実行可能性と実用性を有する。
【0083】
いくつかの実施例では、本開示の実施例で提供された装置に備える機能又はモジュールは、上記の方法実施例に記載の方法を実行するために用いることができ、その具体的な実施については上記の方法実施例の記載を参照すればよく、説明を簡潔化するために、ここでは重複の説明を省略する。
【0084】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドは、プロセッサにより実行されると、上記方法を実現させるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。ここで、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、非揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよく、又は揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
【0085】
本開示の実施例は、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードが電子機器で動作すると、前記電子機器のプロセッサに上記方法を実現するためのコマンドを実行させるコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0086】
本開示の実施例は、コンピュータ読み取り可能なコマンドが記憶されているコンピュータプログラム製品であって、コマンドは実行されると、コンピュータに上記の実施例のいずれか1つに係る車両のドアロック解除方法の動作を実行させる他のコンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0087】
本開示の実施例は、1つ以上のプロセッサと、実行可能なコマンドを記憶するためのメモリと、を含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なコマンドを呼び出して上記方法を実行するように構成される電子機器をさらに提供する。
【0088】
電子機器は、端末、サーバ又は他の形態の装置として提供されてもよい。例えば、前記端末は、車載装置又は他の処理装置であってもよい。
【0089】
図5は、本開示の実施例に係る電子機器800のブロック図を示す。例えば、電子機器800は車載機器、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信機器、ゲームコンソール、タブレット型機器、医療機器、フィットネス機器、パーソナル・デジタル・アシスタント等の端末であってもよい。
【0090】
図5を参照すると、電子機器800は、処理コンポーネント802、メモリ804、電源コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O)のインタフェース812、センサコンポーネント814、および通信コンポーネント816のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0091】
処理コンポーネント802は通常、電子機器800の全体的な動作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ動作および記録動作に関連する動作を制御する。処理コンポーネント802は、上記方法の全てまたは一部のステップを実行するために、命令を実行する一つ以上のプロセッサ820を含んでもよい。また、処理コンポーネント802は、他のコンポーネントとのインタラクションのための一つ以上のモジュールを含んでもよい。例えば、処理コンポーネント802は、マルチメディアコンポーネント808とのインタラクションのために、マルチメディアモジュールを含んでもよい。
【0092】
メモリ804は電子機器800での動作をサポートするための様々なタイプのデータを記憶するように構成される。これらのデータは、例として、電子機器800において操作するあらゆるアプリケーションプログラムまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、ピクチャー、ビデオなどを含む。メモリ804は、例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なタイプの揮発性または不揮発性記憶装置またはそれらの組み合わせによって実現できる。
【0093】
電源コンポーネント806は電子機器800の各コンポーネントに電力を供給する。電源コンポーネント806は電源管理システム、一つ以上の電源、および電子機器800のための電力生成、管理および配分に関連する他のコンポーネントを含んでもよい。
【0094】
マルチメディアコンポーネント808は前記電子機器800とユーザとの間で出力インタフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例では、スクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)およびタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するタッチスクリーンとして実現してもよい。タッチパネルは、タッチ、スライドおよびタッチパネルでのジェスチャーを検知するように、一つ以上のタッチセンサを含む。前記タッチセンサはタッチまたはスライド動きの境界を検知するのみならず、前記タッチまたはスライド操作に関連する持続時間および圧力を検出するようにしてもよい。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント808は前面カメラおよび/または背面カメラを含む。電子機器800が動作モード、例えば撮影モードまたは撮像モードになる場合、前面カメラおよび/または背面カメラは外部のマルチメディアデータを受信するようにしてもよい。各前面カメラおよび背面カメラは、固定された光学レンズ系、または焦点距離および光学ズーム能力を有するものであってもよい。
【0095】
オーディオコンポーネント810はオーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は、一つのマイク(MIC)を含み、マイク(MIC)は、電子機器800が動作モード、例えば呼び出しモード、記録モードおよび音声認識モードになる場合、外部のオーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号はさらにメモリ804に記憶されるか、または通信コンポーネント816を介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント810はさらに、オーディオ信号を出力するためのスピーカーを含む。
【0096】
I/Oインタフェース812は処理コンポーネント802と周辺インタフェースモジュールとの間でインタフェースを提供し、上記周辺インタフェースモジュールはキーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンはホームボタン、音量ボタン、スタートボタンおよびロックボタンを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0097】
センサコンポーネント814は電子機器800の各方面の状態評価のために一つ以上のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント814は電子機器800のオン/オフ状態、例えば電子機器800の表示装置およびキーパッドのようなコンポーネントの相対的位置決めを検出でき、センサコンポーネント814はさらに、電子機器800または電子機器800のあるコンポーネントの位置の変化、ユーザと電子機器800との接触の有無、電子機器800の方位または加減速および電子機器800の温度変化を検出できる。センサコンポーネント814は、いかなる物理的接触もない場合に近傍の物体の存在を検出するように構成される近接センサを含んでもよい。センサコンポーネント814はさらに、CMOSまたはCCDイメージセンサのような、イメージングアプリケーションにおいて使用するための光センサを含んでもよい。いくつかの実施例では、該センサコンポーネント814はさらに、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサを含んでもよい。
【0098】
通信コンポーネント816は電子機器800と他の機器との有線または無線通信を実現するように構成される。電子機器800は通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2G、3G、4G/LTE、5Gまたはそれらの組み合わせにアクセスできる。一例示的実施例では、通信コンポーネント816は放送チャネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号または放送関連情報を受信する。一例示的実施例では、前記通信コンポーネント816はさらに、近距離通信を促進させるために、近距離無線通信(NFC)モジュールを含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(BT、登録商標)技術および他の技術によって実現できる。
【0099】
例示的な実施例では、電子機器800は一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタルシグナルプロセッサ(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子要素によって実現され、上記方法を実行するために用いられることができる。
【0100】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ804が提供され、上記コンピュータプログラム命令は、電子機器800のプロセッサ820によって実行されと、上記方法を実行させることができる。
【0101】
図6は、本開示の実施例に係る電子機器1900のブロック図を示す。例えば、電子機器1900はサーバとして提供されてもよい。図6を参照すると、電子機器1900は、一つ以上のプロセッサを含む処理コンポーネント1922、および、処理コンポーネント1922によって実行可能な命令例えばアプリケーションプログラムを記憶するための、メモリ1932を代表とするメモリ資源を含む。メモリ1932に記憶されているアプリケーションプログラムは、それぞれが1つの命令群に対応する一つ以上のモジュールを含んでもよい。また、処理コンポーネント1922は命令を実行することによって上記方法を実行するように構成される。
【0102】
電子機器1900はさらに、電子機器1900の電源管理を実行するように構成される電源コンポーネント1926、電子機器1900をネットワークに接続するように構成される有線または無線ネットワークインタフェース1950、および入出力(I/O)インタフェース1958を含んでもよい。電子機器1900はメモリ1932に記憶されているオペレーティングシステム、例えばWindows Server(登録商標)、Mac OS X(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登録商標)または類似するものに基づいて動作できる。
【0103】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ1932が提供され、上記コンピュータプログラム命令は、電子機器1900の処理コンポーネント1922によって実行されと、上記方法を実行させることができる。
【0104】
本開示はシステム、方法および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の各方面を実現させるためのコンピュータ可読プログラム命令が有しているコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。
【0105】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行機器に使用される命令を保存および記憶可能な有形装置であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適当な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例(非網羅的リスト)としては、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、例えば命令が記憶されているせん孔カードまたはスロット内突起構造のような機械的符号化装置、および上記の任意の適当な組み合わせを含む。ここで使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、瞬時信号自体、例えば無線電波または他の自由に伝播される電磁波、導波路または他の伝送媒体を経由して伝播される電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過するパルス光)、または電線を経由して伝送される電気信号と解釈されるものではない。
【0106】
ここで記述したコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各計算/処理機器にダウンロードされてもよいし、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークおよび/または無線ネットワークを介して外部のコンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードされてもよい。ネットワークは銅伝送ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理機器内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースはネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、該コンピュータ可読プログラム命令を転送し、各計算/処理機器内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶させる。
【0107】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラム命令はアセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似するプログラミング言語などの一般的な手続き型プログラミング言語を含める一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたは目標コードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいてかつ部分的にリモートコンピュータにおいて実行されてもよく、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバにおいて実行されてもよい。リモートコンピュータに関与する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを経由してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または、(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを経由して)外部コンピュータに接続されてもよい。いくつかの実施例では、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)などの電子回路をパーソナライズし、該電子回路によりコンピュータ可読プログラム命令を実行することにより、本開示の各方面を実現するようにしてもよい。
【0108】
ここで本開示の実施例に係る方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照しながら本開示の各態様を説明したが、フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックおよびフローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータ可読プログラム命令によって実現できることを理解すべきである。
【0109】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供され、これらの命令がコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現ように、装置を製造してもよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他の機器を特定の方式で動作させるようにしてもよい。これにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作の各方面を実現する命令を有する製品を含む。
【0110】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他の機器に一連の動作ステップを実行させることにより、コンピュータにより実施なプロセスを生成するようにしてもよい。このようにして、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器において実行される命令により、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する。
【0111】
図面のうちフローチャートおよびブロック図は、本開示の複数の実施例に係るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分を代表することができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分は指定された論理機能を実現するための一つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替としての実現形態では、ブロックに表記される機能は、図面に付した順序と異なって実現してもよい。例えば、連続的な二つのブロックは実質的に並列に実行してもよく、また、係る機能によって、逆な順序で実行してもよい。なお、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定される機能または動作を実行するハードウェアに基づく専用システムによって実現してもよいし、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実現してもよいことにも注意すべきである。
【0112】
このコンピュータプログラム製品は、具体的にハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せによって実現できる。選択可能的な一実施例では、前記コンピュータプログラム製品はコンピュータ記憶媒体として具現化される。選択可能的な別の実施例では、コンピュータプログラム製品はソフトウェア製品、例えば、ソフトウェア開発キット(Software Development Kit、略称SDK)等として具現化される。
【0113】
以上、本開示の各実施例を記述したが、上記説明は例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、かつ披露された各実施例に限定されるものでもない。当業者にとって、説明された各実施例の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正および変更が自明である。本明細書に選ばれた用語は、各実施例の原理、実際の適用または既存技術に対する改善を好適に解釈するか、または他の当業者に本文に披露された各実施例を理解させるためのものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6