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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】加圧服
(51)【国際特許分類】
   A61G 10/02 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
A61G10/02 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022000790
(22)【出願日】2022-01-06
【審査請求日】2022-01-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391011113
【氏名又は名称】網矢 貞幸
(72)【発明者】
【氏名】網矢 貞幸
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0255531(US,A1)
【文献】特開2009-056277(JP,A)
【文献】中国実用新案第214103295(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧袋(1)には、加圧装置(2)とジッパー(3)と排出装置(4)とで構成されており、
該加圧袋(1)には密着部(1a)があり、該密着部(1a)は該ジッパー(3)の隣にあって、折れ曲がっていることで、該加圧袋(1)の圧力によって外服(5)に押さえ密着することで、該加圧袋(1)内の気圧を保ち、
該加圧装置(2)は、該加圧袋(1)に圧縮した空気を送るもので、
前記ジッパー(3)は、該加圧袋(1)を開閉して、人(6)が出入りするためのものであり、
前記排出装置(4)は、該加圧袋(1)の圧力を調節するためのものであり、
それらを包む外服(5)があることを特徴とする加圧服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登山で高山病にならないために使用する加圧服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高気圧カプセルは、密閉可能に構成されたカプセルの内部に使用者が横になった状態で入り、加圧ポンプからカプセル内に空気を送り込んで、カプセル内の圧力を周辺圧力よりも高くすることで、酸素濃度は変わらないが、肺が取り込める酸素量が多くなる。例えば、富士山の頂上は気圧が海面の約半分であり、そのため消費する酸素の量も半分である。すると、一部の人は高山病を患い、はき気、耳鳴り、心悸高進などが起こる。
【0003】
また登山用の加圧服は無かったし、宇宙服は小さいカプセルのようになっており、真空の状態では、何もしない状態が、体積が一番多い状態で、膝の関節を曲げるためには約50ccの空気が無くなり、宇宙服の中は圧縮されるので、圧縮されないように抵抗となり、約40キロの抵抗となる。つまり、膝の関節を曲げるためには、40キロの力が要ることになる。そこで、宇宙服では圧力を500HPaにして、富士山の頂上と同じ圧力にすると、半分の約20キロの抵抗ですむ。
【0004】
また特許文献2の特開2018-20097の名称 高気圧酸素カプセルは、図6のように数人の使用者が、一度に座った状態で使用できるものであり、組み立てが容易であるため、何処にでも運べる物があった。
【0005】
さらに、特開2018-102372の名称 密閉体のシール構造および密閉体、酸素カプセル構造および酸素カプセルは、内部ファスナーを閉める際にシール部材に隙間が発生せず空気の漏れを防止できるものがあったが、ファスナーで密閉するのは面倒であり、例えファスナーで目的を達成したとしても、その構造は複雑になり、複雑になったファスナーは故障することが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-37388
【文献】特開2018-20097
【文献】特開2018-102372
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の特許文献2の特開2018-20097の名称 高気圧酸素カプセルは、密閉可能に構成されたカプセルの内部に使用者が横になった状態で入り、加圧ポンプからカプセル内に空気を送り込んで、カプセル内の圧力を周辺圧力よりも高くすることで、酸素濃度は変わらないが、肺が取り込める酸素量が多くなっていたが、そのカプセルを山の頂上まで運ぶとなれば、持ち運びに時間がかかり、携帯とはいえなかった。
【0008】
また登山服は無かったし、宇宙服は小さいカプセルのようになっており、真空の状態では、何もしない状態が、体積が一番多い状態で、膝の関節を曲げるためには約50ccの空気が無くなり、宇宙服の中に圧縮されるので、圧縮されないように抵抗となり、約40キロの抵抗となる。そこで、富士山の頂上と同じ圧力にすると、半分の約20キロの抵抗ですむが、体に添わせて作ることで、圧力の増減が少なく、関節の抵抗が少なくなる。
【0009】
そこで本発明の加圧服は、外服(5)はできるだけ体に添わしてあり、容積を小さくすることは、張力が少ない加圧服を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の加圧服は、加圧袋(1)には加圧装置(2)とジッパー(3)と排出装置(4)とで構成されている。
その加圧装置(2)は、加圧袋(1)に圧縮した空気を送るもので、手押し式のポンプや電動式ブロアや圧縮ボンベ(2c)等がある。
【0011】
前記ジッパー(3)は、その加圧袋(1)を開閉するためのもので、加圧袋(1)の中に人が出入りする物である。
前記排出装置(4)は、加圧袋(1)の圧力を調節するために排出して、加圧袋(1)を海面下の気圧にする物である。
それら加圧袋(1)を包む外服(5)は、加圧袋(1)が限度なく大きく広がり、破裂するのを防ぐことで目的を達成した。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加圧服は、次のような効果がある。
(イ) 外服に寝袋を使用すると、高山病を治療するカプセルになる。
(ロ) 外服に、ライダースーツのように体に添った物を使用すると、登山服になる。
(ハ) 登山服は、関節がぴったりなので、曲げ伸ばしに抵抗が加わらない。
(ニ) 高所登山服は、自分で加圧しながらでも登る。
(ホ) 加圧袋自体は、約100グラムと軽い。
(ヘ) 外服がない場合には、布テープを貼ると、その部分が延びないので、破裂を防ぐことができる。
(ト) 加圧袋の側面を折り返すことで、側面は加圧袋内部の気圧で外服に押し付けられてシールする。
(チ)したがって、ジッパーには空気を遮断することは期待しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】図は、患者を寝かせジッパーを閉めたところの平面図である。
図2】図は、ジッパーと密着部を頭の方から見た断面図である。
図3】図は、圧力を加えたところの側面から見た断面図である。
図4】図は、登山服の加圧袋を着たところの正面図である。
図5】図は、登山服の正面図である。
図6】図は、従来の高気圧酸素カプセルの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の加圧服の加圧袋(1)は、人(6)が加圧袋(1)に入って、加圧装置(2)で空気を送ると、何処までも大きくなり、しまいには破裂するので外服(5)で覆い、破裂するのを防ぐものである。その外服(5)は、伸び縮みがない繊維でできているので、加圧袋(1)に圧縮空気を入れても外服(5)は、その圧力に耐える物である。
【0015】
その外服(5)に、寝袋(5b)を使用した場合は、加圧袋(1)は寝袋(5b)の中に具備されており、その加圧袋(1)のジッパー(3)を開けて患者の人(6)が入り、そのジッパー(3)を締め、締めたジッパー(3)を折り畳み、密着部(1a)を作る。
【0016】
そして、寝袋(5b)のファスナー(5a)を締めた後、加圧袋(1)に加圧装置(2)から圧力を加える。すると、加圧袋(1)は大きくなり、それを阻止する寝袋(5b)は、伸び縮みが無いものであり、伸び縮みが無いため、加圧袋(1)の内部に空気が溜まり圧力が上る。そして密着部(1a)は、圧力によって寝袋(5b)に密着するため、折り畳んだ開放口のジッパー(3)から空気が漏れることは無い。したがって、ジッパー(3)は形を護るだけのもので、空気の漏れは密着部(1a)で護る。
【0017】
その寝袋(5b)は、高山病になったときに使用するものである。その中は多少の余裕があり、高山病の吐き気があるときは、自由に手足を動かすことができるため、エチケット袋を持って入り、嘔吐したときに自分で処理できる。つまり、必要以上に大きくすると、物理的に加わる力が大きくなるので、できるだけ小さくまとめることが最大の目的である。例えば、Φ8の肉厚1ミリの銅管は100MPaの圧力に耐えるが、直径100メートルのタンクでは、50ミリの外板で圧力0.2MPaが精々で、圧力差は500倍になるので、その形は小さい方が高圧に耐えるのは常識である。
【0018】
その加圧袋(1)は、加圧装置(2)と排出装置(4)が具備されており、加圧装置(2)は山の約700HPaを、海面上の大気圧の約1000HPa以上に圧縮し、排出装置(4)は約1000HPa以上になるのを防ぐためと、常時空気を循環していないと酸素は消費されるので、排出装置(4)は圧力調整と、空気の排気を行う役目がある。
【0019】
その加圧装置(2)は、足踏み式のゴムボートに空気を入れるポンプや、鞴の空気を送るもの、または電動式のブロアや、圧縮空気ボンベ(2c)がある。そのボンベ(2c)は、大気の空気の中に、多少の酸素を加え、高山病になった患者により多くの酸素を供給する。
【0020】
排出装置(4)は、排気するノズルの気圧を1000ヘクトパスカルにする物で、簡単な装置では、圧力鍋の圧力逃がし弁やバネを使用した物などがあり、その他水の中にノズルを沈めると、1メートルで100ヘクトパスカルの加圧が得られるので、高山の700HPaなら300HPaを追加するため、3メートルの深さの水圧が必要である。
【0021】
また登山服は、人(6)との間に空間があると、それは関節を曲げるときに抵抗になるので、外服(5)にはライダースーツ(5c)のような、人(6)の体に密着した物を使用する。そのときに、全身タイツを使用すると、ライダースーツ(5c)が装着し易くなる。そのライダースーツ(5c)は、フルフェエスのヘルメットとブーツと、手袋には皮手袋または、布入りのゴム手袋を使用する。すると、体全体に空気が入り込むところが小さくなり、小さくなったライダースーツ(5c)は、自由に手足の曲げ伸ばしができる。
【実施例1】
【0022】
本発明の加圧服を、図面を参照して説明する。
図1の外服(5)は、救命用に寝袋(5b)を使用したものであり、患者を寝かせジッパーを閉めたところの平面図である。その図は、高山病になった人(6)を寝かせ、ジッパー(3)を閉めたところであり、人(6)は点線によって描かれている。そして、加圧装置(2)と排出装置(4)は、寝袋(5b)を貫通して、加圧袋(1)に装着されており、加圧装置(2)が加圧袋(1)に空気を送り、排出装置(4)は海面の大気圧を守る役目をする。
【0023】
そして、ジッパー(3)は加圧袋(1)に人(6)が出入りするための物で、スライダー付クリアパックとして、100円ショップで売られている物と同じ構造の物で良い。また、外服(5)は寝袋(5b)を使用しており、外服(5)と寝袋(5b)の引き出し線は同じところをさしているので、外服(5)の中の寝袋(5b)と言う意味である。
【0024】
その使用方法は、寝袋(5b)と加圧袋(1)とが、背中の部分で接着剤などを使用して貼り付けてあり、ジッパー(3)の開放部分から患者の人(6)を寝かせ、加圧袋(1)のジッパー(3)を閉めたところである。そして、寝袋(5b)のファスナー(5a)を閉めて、加圧装置(2)で圧力を加え、約1000HPaの気圧にすると、今まで薄い空気の中で酸素を消費していたが、海面上の空気と同じ気圧の空気を吸うことで、病気の原因の酸素を消費できるので、問題を解消できる。
【0025】
図2は、ジッパーと密着部を頭の方から見た断面図である。寝袋(5b)と、加圧された空気に挟まれた加圧袋(1)が、空気をシールする原理をあらわした図である。上の寝袋(5b)は、伸び縮みをしない物であり、空気を通す物である。また、繊維でなくとも網で作っても差し支えない。その網は、加圧袋(1)の強度によっても違うが、網目1センチでも差し支えなく使用できる。その寝袋(5b)と、人(6)の間には加圧袋(1)があり、その加圧袋(1)の中に加圧装置(2)で空気を入れる。
【0026】
すると、点線のように加圧袋(1)は、圧力によって寝袋(5b)に貼りつき、密着部(1a)が図のように密着し、密着した部分は空気を遮断する。つまり、圧力が加わっていない状態では、加圧袋(1)は自由に折れ曲がっているが、加圧袋(1)内に圧力を加えると、点線のように加圧袋(1)は寝袋(5b)に張り付いて、密着部(1a)を形成する。したがって、ジッパー(3)の構造が空気を遮断するわけでは無いので、ジッパー(3)は形を守るだけのものであって、空気を遮断する必要はない。
【0027】
図3は、ファスナー(5a)を閉めて、加圧袋(1)内に空気を送った状態を、横から見た断面図である。その寝袋(5b)の内側に加圧袋(1)が張り付いて、人(6)の顔にあたる部分はなにも無いので、加圧袋(1)は膨れた状態になっている。そして排出装置(4)は、加圧袋(1)内の圧力を守る物で、外気と加圧袋(1)内の気圧差を300HPaと設定するときには、加圧袋(1)内が300HPaを越えることで、300HPa以上になる空気を排出して気圧を守る。
【0028】
この状態で、橇や担架の上に乗せ移動することが可能で、高山病などの治療を行う病院などに搬送できる。このとき、寝袋(5b)の容量が小さいことが、この発明の特徴であり、胴周りをΦ500とすると、300HPaを加圧すると、約1キログラムの張力が加わるが、Φ2000の加圧タンクを使用すると、約10キログラムの張力がいるので、小さい方が良い。ここで、加圧袋(1)と外服(5)が別々にある理由は、加圧袋(1)は圧力を守るための物であり、外服(5)は容積が大きくなるのを防ぐための物であり。その2つを別々に配置したので、気圧のシールを守るために特別なジッパー(3)やファスナー(5a)が要らず、加圧袋(1)の密着部(1a)で気密を守るのが、この発明の特徴である。
【実施例2】
【0029】
登山用の、加圧服の説明をする。図4は、加圧袋(1)を着た状態の正面図である。加圧袋(1)は0.1ミリから0.01ミリの物であり、その加圧袋(1)を開閉口のジッパー(3)を開け、人(6)が入りジッパー(3)を閉めたところである。その、上からライダースーツ(5c)を着るが、その前に全身タイツを装着するとライダースーツ(5c)が着やすい。その加圧袋(1)は、手袋も一体化せれていればよく、手袋には鍋&#25681;みのような簡単な物で良い。しかし、一体化されていない状態であれば、手首に布テープを巻いて、空気の漏れを少なくすることで、手首の先は高山の圧力になっても、それほどの影響はない。
【0030】
図5は、高所登山服を装着した正面図である。加圧袋(1)の上に、外服(5)のライダースーツ(5c)のような服を着たところであり、ライダースーツ(5c)は人(6)の体にピッタリと密着するために、全身タイツを加圧袋(1)の上に着て、余分な空気を出し、その上にライダースーツ(5c)を装着すると簡単である。そして、ライダースーツ(5c)は肩から手首、腰から足首とファスナー(5a)を使用して密着させている。そのライダースーツ(5c)の繊維は空気を通すもので、繊維の伸び縮みがないものが良い。また、ヘルメットはフルフェエスの物を使用するため、加圧袋(1)は透明の物を使用する。
【0031】
ライダースーツ(5c)は、体に密着しているため、関節の曲げ伸ばしに空気の増減が少ないが、空気の増減が元で、関節の曲げ伸ばしに抵抗が気になるようであれば、関節の付近に布テープを貼ることで、関節に余分な空気を排除して、関節が動く安くなる。そして、そのライダースーツ(5c)の上に防寒着を着る。
【実施例3】
【0032】
符号と用語の詳細な説明をする。
加圧袋(1)は0.1ミリ~0.01ミリの物であり、前が見えるように透明のものを使用している。そして、救命用寝袋(5b)の場合は、寝袋(5b)の底にあたる部分が、接着剤などで、加圧袋(1)と一体化している。登山服用加圧袋(1)は、手袋と加圧袋(1)は一体化している方がよい。しかし、手袋が一体化していなくて、手首で圧力が漏れるものとしても、手首に布テープで閉めて漏れる量を少なくして、加圧袋(1)内と大気の圧力差が半分も無いのでは、それほど気を使うことはない。
密着部(1a)は、ジッパー(3)の隣で圧力が加わり、折れ曲がっているところをさす。その折れ曲がっているところが密着部(1a)で、空気が漏れないように圧力が密着部(1a)を抑え、密着している部分である。したがって、密着部(1a)があるのでジッパー(3)は形を保つだけで良い。
【0033】
加圧装置(2)は、手押し式の鞴、足踏み式のポンプでゴムボートを膨らませる物、または電動式のブロア(2b)や、潜水用のボンベ(2c)の圧縮空気などがある。その加圧装置(2)と加圧袋(1)の間にはカプラが具備されており、全ての外服(5)が着終わるまでは、カプラから呼吸する。その加圧装置(2)がボンベ(2c)の場合は、空気が貴重であるため、SO2溶接機やアルゴン溶接機に使用している流量計を使用して、毎分15リットル~60リットルの空気を消費する。そして、加圧袋(1)全体の圧力を守るのは、排出装置(4)である。
ボンベ(2c)は、水中に潜るときに使用するもので、その空気の中に酸素20%入っているが、その中に純粋な酸素を約5%混ぜても良い。そのボンベ(2c)には、流量計で空気の量を調節し、1分間に10リットル~50リットルに調節すると、空気を必要に応じて消費できる。
【0034】
ジッパー(3)は、人(6)が加圧袋(1)の中へ出入りするための物であり、シール自体は加圧袋(1)の密着部(1a)で空気が漏れないようになっているので、ジッパー(3)は開け閉めするためだけの物である。
排出装置(4)は、加圧袋(1)の空気を排出するためのもので、その排出装置(4)は圧力を1000パスカルに保つため、圧力釜の圧力弁または水中に入れて1000パスカルを保つ方法や、バネの力を利用するものなど色々考えられる。
外服(5)は、伸び縮みが無いもので、加圧袋(1)の膨れるのを押さえ込むものである。したがって、圧力には関係なく、圧力がもたらす引っ張りの力だけを守るものであるから、気密性は求めないので、加圧装置(2)や排出装置(4)の管を貫通させる孔は大きく取っても問題はない。そのため、網を使用しても問題はない。網目の大きさは、一辺が10センチ以下の物がよく、加圧袋(1)の厚みが厚い物は、それ以上大きくても問題はない。
ファスナー(5a)は、外服(5)のファスナー(5a)であり、ファスナー(5a)の代わりにボタン、マジックファスナーや、そのファスナー(5a)が故障した場合には、布テープなどを代用する。
【0035】
寝袋(5b)は、空気を通す布製の物で、伸び縮みが無い物が良い。そして、高山病になった人(6)を簡易的に、その中に収納するもので、外服(5)としては登山には寝袋(5b)があるので採用した。その寝袋(5b)は、高山病になった人(6)を助けるために作られたものであるから、高山病の吐き気が生じたとき、自分で処置できるくらいの空間が必要であるもで、エチケット袋も持って入ることが望ましい。
ライダースーツ(5c)は、オートバイを乗るライダーが着ている服と同じようなもので、体にピッタリとフィットしている。そのライダースーツ(5c)は、足首と手首を装着し易くするために、膝から足首、肘から手首とファスナー(5a)が付いており、隙間を無いようにしている。また手袋は伸び縮みが無いもので、手首を布テープで止めていけばなおよい。また、ヘルメットはフルフェイスの物が良い。そこで、余裕のある加圧袋(1)と、体に密着するライダースーツ(5c)では装着するのが難しいので、全身タイツを着て、加圧袋(1)の中の余分な空気を排出して、ライダースーツ(5c)の装着する。
【0036】
人(6)は、寝袋(5b)に入っているのは高山病の患者で、ライダースーツ(5c)を着ている人(6)は高所登山家である。
従来のカプセル(7)は、特開2018-102372の名称 密閉体のシール構造および密閉体、酸素カプセル構造および酸素カプセルである。
出入口(7a)は、その従来のカプセル(7)の人が出入りするための場所である。
【0037】
手押し式のポンプは、鞴や足踏み式のポンプで、ゴムボートに空気を充填するものであり、圧力は最大500ミリ/H2Oである。
ブロアは、電機を使用する物で、電源は電池を使用しているが、小さい物でも1立方/min以上であり、出力が大きすぎる欠点がある。
大気は、地球を取りまく空気の層をいう。その地表からの高さ20キロ以下にある成分は窒素、酸素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気を主成分として高度約90キロまでは、その組成の変化はほとんどない。
大気圧は、この場合は海面の圧力である。
全身タイツは、ストッキングのような材質で、全身を覆うものであり、体を適度に締め付けるので、ライダースーツ(5c)を着るときの、加圧袋(1)の空気を排出するときに着る物である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この加圧服は、潜水病にも使用できる。潜水病は、何気圧もの圧力にさらされていた人が、急激に大気圧に戻ると、血管内に溶け込んでいた窒素が溶け出し、いろいろな障害を起こすものであった。そのとき従来のカプセル(7)で、潜水していた圧力に戻す治療法があったが、寝袋(5b)式の加圧服は携帯に便利である。
【0039】
この場合、患者を加圧袋(1)の中に寝かせ、ジッパー(3)とファスナー(5a)を締めて、加圧装置(2)から空気を送り、排出装置(4)の圧力を徐々に上げて、水中と同じ圧力にして、窒素を血液の中へ溶かすことで、血管が再開することもある。
【符号の説明】
【0040】
1 加圧袋 1a 密着部
2 加圧装置 2c ボンベ
3 ジッパー 4 排出装置
5 外服 5a ファスナー 5b 寝袋 5c ライダースーツ
6 人
7 従来のカプセル 7a 出入口
【要約】
【課題】 従来のカプセルは、大がかりで、山の上まで異動することはできていなかった。そこで本発明は、外服(5)があるので、加圧袋(1)が必要以上に膨れず、そのため圧力に伴う張力が少ない。
【解決手段】 本発明の加圧服は加圧袋(1)があり、その加圧袋(1)には加圧装置(2)とジッパー(3)と排出装置(4)とで構成されている。その加圧装置(2)は、加圧袋(1)に圧縮した空気を送るもので、ジッパー(3)は加圧袋(1)を開閉するためのもので、排出装置(4)は加圧袋(1)の圧力を調節するための物であり、それらを包む外服(5)があることで目的を達成した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6