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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】生体組織検査装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/45 20060101AFI20220720BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G01N21/45 Z
G02B21/06
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020201855
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2018560022の分割
【原出願日】2017-05-12
(65)【公開番号】P2021056231
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】10-2016-0058962
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホンキ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンキュ
(72)【発明者】
【氏名】ファンボ、ミンヨン
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523537(JP,A)
【文献】特開2013-212313(JP,A)
【文献】特開2015-200578(JP,A)
【文献】特開2013-137541(JP,A)
【文献】特表2010-509993(JP,A)
【文献】特開2009-109787(JP,A)
【文献】特許第6806797(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0182096(US,A1)
【文献】特開2014-121647(JP,A)
【文献】特開2001-215109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/83
G02B 21/00-21/36
G01B 11/00-11/30
A61B 1/00-1/32
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置において、
検査対象が載置されるステージ部と、
前記検査対象に対する光学映像を取得し、前記光学映像の中で選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するプローブ部と、を含み、
前記プローブ部または前記ステージ部は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するように移動可能であり、
前記プローブ部は、
前記光学映像を取得する光学撮像部と、
前記光干渉データを取得する光干渉検出部と、
倍率変更部を含む光誘導部と
前記光学撮像部のFOV(Field of view)内に照射地点が位置するようにガイドビームを照射するガイドビーム照射部と、を含み、
前記プローブ部または前記ステージ部は、前記光干渉検出部のz軸方向の測定範囲内に前記検査対象の表面が位置されるようにz軸上の位置調整が可能である、検査装置。
【請求項2】
前記光誘導部は、前記光学映像を取得するために照明光源から発光して前記検査対象で反射した照明光が前記光学撮像部まで誘導される第1光経路を形成し、前記光干渉データを取得するための測定光を前記検査対象に入射させて第2光経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記照明光源は、前記プローブ部内に備えられることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記照明光源は、前記プローブ部と別途に外部に備えられることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項5】
前記光誘導部は光経路制御要素を含み、
前記第1光経路と前記第2光経路は前記光経路制御要素と前記検査対象の間の区間で同軸をなして重なることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項6】
前記光経路制御要素は半透過鏡であって、
前記半透過鏡は前記照明光を通過させて前記測定光を屈折させるか、前記照明光を屈折させて前記測定光を反射させることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記倍率変更部は可変倍率対物レンズを含み、
前記第1光経路及び前記第2光経路は前記可変倍率対物レンズを通過することを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項8】
前記倍率変更部は複数の固定倍率対物レンズを含み、
前記複数の固定倍率対物レンズのいずれか1つは前記第1光経路及び前記第2光経路を通過させることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項9】
前記光干渉検出部は、
近赤外線光を照射する干渉光源と、
前記干渉光源からの近赤外線光を前記測定光と基準光に分離する光干渉測定用ビームスプリッタと、
前記基準光を反射させるための基準鏡と、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記基準鏡は、前記第2光経路が通過する固定倍率対物レンズの厚さに基づいて移動することを特徴とする請求項9に記載の検査装置。
【請求項11】
前記光学撮像部は、前記ガイドビームの照射地点が前記光学映像内で視覚的に識別されるように前記光学映像を取得し、
前記ガイドビームの照射地点は、前記選択された領域に含まれることを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項12】
前記ガイドビーム照射部は、前記第2光経路に沿って前記ガイドビームを照射することを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記z軸上の位置調整は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データの取得以後に行われることを特徴とする請求項に記載の検査装置。
【請求項14】
前記z軸上の位置調整は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得することと共に行われることを特徴とする請求項に記載の検査装置。
【請求項15】
前記プローブ部は、前記プローブ部と前記検査対象の表面との間の距離を測定する距離測定部をさらに含み、
前記z軸上の位置調整は、前記距離測定部によって測定された距離に基づくことを特徴とする請求項に記載の検査装置。
【請求項16】
前記プローブ部または前記ステージ部は、前記光学撮像部のFOV(Field of view)または前記光干渉検出部のFOV内に、前記光学映像の中で選択された前記領域が含まれるようにx軸上、y軸上、またはx軸及びy軸上の位置調整が可能なことを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項17】
前記検査装置は、
前記光学映像を表示するディスプレイ部と、
前記光学映像の一部領域を選択するためのユーザ選択の入力を受ける入力部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項18】
前記光学映像、前記光干渉データ、または前記光学映像及び前記光干渉データをリアルタイムで共有可能なように外部伝送するための伝送部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項19】
ステージ部とプローブ部とを含む検査装置を用いた検査方法であって、
前記検査装置が、
検査対象に対する光学映像を取得する段階と、
前記光学映像の中で一部領域を選択する段階と、
前記光学映像の中で選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階と、を含み、
前記プローブ部または前記ステージ部は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するように移動可能であり、
前記プローブ部は、
前記光学映像を取得する光学撮像部と、
前記光干渉データを取得する光干渉検出部と、
倍率変更部を含む光誘導部と
前記光学撮像部のFOV(Field of view)内に照射地点が位置するようにガイドビームを照射するガイドビーム照射部と、を含み、
前記検査方法は、
前記光干渉検出部のz軸方向の測定範囲内に前記検査対象の表面が含まれるように前記プローブ部または前記ステージ部をz軸上の位置調整する段階をさらに含む、検査方法。
【請求項20】
前記z軸上位置を調整する段階は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階の後に行われることを特徴とする請求項19に記載の検査方法。
【請求項21】
前記z軸上位置を調整する段階は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階と共に行われることを特徴とする請求項19に記載の検査方法。
【請求項22】
前記光学撮像部または前記光干渉検出部のFOV(Field of view)内に前記選択された領域が含まれるように前記プローブ部または前記ステージ部のx軸上、y軸上、またはx軸及びy軸上位置を調整する段階をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の検査方法。
【請求項23】
前記プローブ部が前記光学映像または前記光干渉データを取得するための倍率を変更する段階をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の検査方法。
【請求項24】
前記光学映像の色を補正する段階をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織検査装置に関するものであり、より具体的には、光学技術を活用して生体組織を検査する生体組織検査装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体で発生する疾病に対する診断を下すために、疾病が疑われる部位の組織を摘出し、これを検査して疾病に対する診断を下す組織検査が活用されている。
【0003】
組織検査のためには、細胞吸入、コア生検、切開生検、切除生検のような方式を通じて組織を摘出した後、摘出された組織サンプルを切片化してスライドに製作し、染色をした後に顕微鏡で観察する方式が活用されている。スライドを製作する過程は、固定、脱水等を通じて硬化され、これを切片に切った後に染色して覆いガラスを被せる方式で行われる。
【0004】
このようにスライドを製作した後には、病理診断と判断を担当する医師が顕微鏡を通じて組織スライドを観察して正確な診断決定を下すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現代人は多様な疾病を体験しており、癌をはじめとする多様な疾病には、外科的な手術を通じて問題となる臓器を摘出する方式で治療する方法が用いられている。ところで、摘出のために外科的手術を行う場合、人体の臓器または患部内腫瘍組織など摘出対象である部位の位置と範囲を判断することは、通常、手術を執刀する医師の肉眼と経験に頼ってなされる。従って、摘出のための腫瘍組織の範囲を判定するのも医師が肉眼で観察できる範囲に限定され、肉眼で観察できないほどの小さい領域は、当該組織が腫瘍であるか否かを判定し難い。その結果、例えば、癌手術のために腫瘍組織を摘出する際に、通常、腫瘍が残存することを防止するためには肉眼で観察された腫瘍組織よりも広い部位を摘出する必要性が生じるようになり、これは患者の回復に追加の負担として作用することになる。腫瘍組織よりも広い部位を摘出するにもかかわらず、依然として表面に現れていない腫瘍を確認することは不可能な問題もある。
【0006】
このように実際の摘出対象と比較して広い領域を摘出すると危険な場合もある。例えば、甲状腺切除手術を行う場合、カルシウム代謝やホルモン分泌のような役割をする副甲状腺部位は、機能上切除されてはならない。しかし、肉眼では、一般甲状腺組織や副甲状腺部位、リンパ、または切除されても構わない脂肪組織を明確に区分することが容易ではなく、このような場合には、上述の癌組織の摘出方式のように腫瘍を含む部分を広く摘出する方式の手術自体を行うことができない。
【0007】
以上のような問題を解決するために、前で説明したような組織検査を活用して、摘出された組織がいかなる組織に該当し、いかなる状態であるかを把握している。しかし、一般的に活用される組織検査は、スライド製作のために組織サンプルを固定液を介して固定させる過程や病理検査の滞積などにより結果を把握するまで数日以上の時間を要する場合が多いため、現実的に手術中に組織に対する判断を下すのに活用することは難しい。このような問題を解決するために用いられる凍結標本検査や凍結切片検査では、組織を固定する代わりに凍結し、凍結化された組織を切片化してスライドが製作される。しかし、このような過程も少なくとも30分ほどの時間が要され、これは手術を行う医師や患者の両方に大きな負担となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するために提案されたものであり、より具体的には、外科的手術中に組織検査を緊急に行わなければならない場合、手術中に対象組織を迅速に観察して判定できるように生体組織検査装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、検査対象が載置されるステージ部と、前記検査対象に対する光学映像を取得し、前記光学映像の中で選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するプローブ部とを含み、前記プローブ部または前記ステージ部は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するように移動可能なことを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記プローブ部は、前記光学映像を取得する光学撮像部、前記光干渉データを取得する光干渉検出部及び光誘導部を含み、前記光誘導部は、前記光学映像を取得するために照明光源から発光して検査対象で反射した照明光が光学撮像部まで誘導される第1光経路を形成し、前記光干渉データを取得するための測定光を前記検査対象に入射させて第2光経路を形成することを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記照明光源は、前記プローブ部内に備えられることを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記照明光源は、前記プローブ部と別途に外部に備えられることを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光誘導部は光経路制御要素を含み、前記第1光経路と前記第2光経路は前記光経路制御要素と前記検査対象の間の区間で同軸をなして重なることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光経路制御要素は半透過鏡であって、前記半透過鏡は前記照明光を通過させて前記測定光を屈折させるか、前記照明光を屈折させて前記測定光を反射させることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光誘導部は倍率変更部を含み、前記倍率変更部は可変倍率対物レンズを含み、前記第1光経路及び前記第2光経路は前記可変倍率対物レンズを通過することを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光誘導部は倍率変更部を含み、前記倍率変更部は複数の固定倍率対物レンズを含み、前記複数の固定倍率対物レンズのいずれか1つは前記第1光経路及び前記第2光経路を通過させることを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光干渉検出部は、近赤外線光を照射する干渉光源、前記干渉光源からの近赤外線光を前記測定光と基準光に分離する光干渉測定用ビームスプリッタ及び前記基準光を反射させるための基準鏡をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記基準鏡は、前記第2光経路が通過する固定倍率対物レンズの厚さに基づいて移動することを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記プローブ部は、前記光学撮像部のFOV(Field of view)内に照射地点が位置するようにガイドビームを照射するガイドビーム照射部をさらに含み、前記光学撮像部は、前記ガイドビームの照射地点が前記光学映像内で視覚的に識別されるように前記光学映像を取得し、前記ガイドビームの照射地点は、前記選択された領域に含まれることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記ガイドビーム照射部は、前記第2光経路に沿って前記ガイドビームを照射することを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記プローブ部または前記ステージ部は、前記光干渉検出部のz軸方向の測定範囲内に前記検査対象の表面が位置されるようにz軸上の位置調整が可能であることを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記z軸上の位置調整は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データの取得以後に行われることを特徴とする。
【0023】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記z軸上の位置調整は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得することと共に行われることを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記プローブ部は、前記プローブ部と前記検査対象の表面との間の距離を測定する距離測定部をさらに含み、前記z軸上の位置調整は、前記距離測定部によって測定された距離に基づくことを特徴とする。
【0025】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記プローブ部または前記ステージ部は、前記光学撮像部のFOVまたは前記光干渉検出部のFOV内に前記対応領域が含まれるようにx軸上、y軸上、またはx軸及びy軸上の位置調整が可能であることを特徴とする。
【0026】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光学映像を表示するディスプレイ部及び前記光学映像の一部領域を選択するためのユーザ選択の入力を受ける入力部をさらに含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の一実施例による生体組織検査装置は、前記光学映像、前記光干渉データ、または前記光学映像及び前記光干渉データをリアルタイムで共有可能なように外部伝送するための伝送部をさらに含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、ステージ部とプローブ部とを含む生体組織検査装置を用いた生体組織検査方法であって、前記生体組織検査装置が、検査対象に対する光学映像を取得する段階、前記光学映像の中で一部領域を選択する段階及び前記光学映像の中で選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階を含み、前記プローブ部または前記ステージ部は、前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得するように移動可能であることを特徴とする。
【0029】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記プローブ部は光学撮像部及び光干渉検出部を含み、前記光干渉検出部のz軸方向の測定範囲内に前記検査対象の表面が含まれるように前記プローブ部または前記ステージ部のz軸上位置を調整する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記z軸上位置を調整する段階は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階の後に行われることを特徴とする。
【0031】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記z軸上位置を調整する段階は、前記光干渉検出部が前記選択された領域の検査対象に対する光干渉データを取得する段階と共に行われることを特徴とする。
【0032】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記プローブ部は光学撮像部及び光干渉検出部を含み、前記光学撮像部または前記光干渉検出部のFOV内に前記選択された領域が含まれるように前記プローブ部または前記ステージ部のx軸上、y軸上、またはx軸及びy軸上位置を調整する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記プローブ部が前記光学映像または前記光干渉データを取得するための倍率を変更する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の一実施例による生体組織検査方法は、前記光学映像の色を補正する段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明による検査装置及び方法を通じて、外科的手術を行う医師が摘出など手術の対象となる組織の領域を手術中リアルタイムで正確に把握できるように支援することにより、手術の迅速性、正確性かつ安定性を向上させることができるようにする。
【0036】
本発明による検査装置及び方法により、検査対象に対する光学映像を確認し、これに対して組織検査しようとする部位を早く選定することができる。
【0037】
本発明による検査装置及び方法により、スライド製作のような従来の生検の手続きを経なくても組織検査をリアルタイムで行うことができ、甲状腺手術の場合、広い範囲を切除する必要がなくなるため、副甲状腺の保護が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明による生体組織検査装置を示した構造図である。
図2】本発明による生体組織検査装置のプローブ部を示したものである。
図3】本発明による生体組織検査装置のプローブ部の光学撮像部を示したものである。
図4】本発明による生体組織検査装置の光干渉検出部を示したものである。
図5】本発明による生体組織検査装置の光誘導部を示したものである。
図6】本発明による生体組織検査装置において、倍率変更部の動作に応じて光干渉検出部が動作する方式を示したものである。
図7】本発明による生体組織検査装置で形成される光経路の構成を示したものである。
図8】本発明による生体組織検査装置のガイドビーム照射部の構成と動作を示したものである。
図9】本発明による生体組織検査装置のステージ部のx及びy軸方向の移動を示したものである。
図10】本発明による生体組織検査装置のステージ部のz軸方向の移動を示したものである。
図11】本発明による生体組織検査方法を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の実施例を通じて、本発明による生体組織検査装置とその方法に関する説明が提示される。
【0040】
<生体組織検査装置>
図1は、本発明の一実施例による生体組織検査装置を示したものである。本発明の一実施例による生体組織検査装置10は、プローブ部20とステージ部30とを含む。ステージ部30には、検査対象となる生体組織50が載置され、プローブ部20は、検査対象側に配置された対物レンズを介して検査対象に対する光学映像及び光干渉データを取得する。生体組織検査装置10には、領域選択部40が追加で含まれ得る。領域選択部40は検査対象に対して、ユーザが望む特定領域の光干渉データを取得するようにユーザに選択インターフェースを提供することができる。
【0041】
<プローブ部>
図2は、プローブ部20の構成を示したものである。プローブ部20は、検査対象の光学映像を取得するための光学撮像部100と、検査対象に対する光干渉データを取得するための光干渉検出部200、光学撮像部100と光干渉検出部200が検査対象50の光学映像と光干渉データを取得できるように照明光と測定光を誘導する光誘導部300を含む。
【0042】
<光学撮像部>
図3に示された光学撮像部100は、検査対象50の光学映像を取得する。光学映像は、検査対象に対する通常の2次元映像であってもよいが、必要によっては、その他の映像、例えば、3次元映像を取得することも可能である。以下では、説明の便宜のために、光学撮像部100が通常の2次元映像を取得するものとして説明する。
【0043】
図3に示されたように、光学撮像部100は、照明光115を検査対象に照射して映像の品質を高めるための照明光源110と、光が検査対象で反射して出てきた光を感知して電気信号に変換するための光感知部120とを含む。図3のように照明光源110が光感知部120の側面に付着する場合、照明光115は、ビームスプリッタ130を通じて検査対象50方向に方向が変換されて、光誘導部300を通過して検査対象に照射され得る。照明光115が検査対象で反射して出てきた光は再度光誘導部300を通過し、その後、光感知部120に到達することができる。
【0044】
一方、このような照明光115の経路は、1つの例示に過ぎない。他の例示として、照明光115は一直線で照射されて、光誘導部300を介して検査対象に照射されることもできる。または、以下で図7と関連して説明されるように、別途の外部照明光源170が配置され、外部照明光源170が光誘導部300を介しないまま照明光を検査対象50に照射することができる。
【0045】
照明光源110が照射する照明光115は、可視光線であってもよい。光感知部120は、可視光線領域の光を感知できるCCDイメージセンサーまたはCMOSイメージセンサーであってもよい。光感知部120は、感知された光を電気信号に変換し、これを処理部140に伝えることができる。処理部140は、光感知部120から伝えられた電気信号に基づいて、検査対象50の映像を生成することができる。
【0046】
光学撮像部100により取得された検査対象50の光学映像は、それ自体で検査対象を観察するための資料として活用され得る。また、光学映像は、ステージ部30及びプローブ部20の移動及び操作に活用され得る。また、光学映像は、光干渉検出部200により測定しようとする領域を確認するためにも用いられ得る。
【0047】
また、本発明の一実施例では、光学映像が領域選択部40に提供されることができる。以下で再度説明されるが、ユーザは、領域選択部40を通じて確認しようとする領域を選択することができる。生体組織検査装置10は、ユーザが選択した領域に対して光干渉データを取得することができる。
【0048】
以上の説明による光学撮像部は、可視光線を光源にして検査対象の表面に対する2次元映像を取得するための構成を例示にして説明された。しかし、必要によっては、3次元映像を生成できるように必要な光学映像を撮影するための構成を含むことができる。例えば、両眼間の視差に基づいて3次元映像を生成する方式として、検査対象に対して所定の角度の差を置いて取得された2次元映像を合成することで3次元映像を生成することが可能である。このような方式で3次元映像を取得するためには、光学撮像部は検査対象に対して所定の角度の差を置いて配置された2台のカメラを含むことができる。または、光学撮像部は、カメラとカメラを移動させ得る移送部を含むことができる。この場合、移送部によってカメラが移動されるに伴い、互いに異なる角度で検査対象の2次元映像を取得することができる。または、パターン光を用いることによって検査対象の3次元映像を生成することも可能である。即ち、一定の周期を有するパターン光を、位相を変更しながら照射し、位相遷移されたパターン光が検査対象で形成するパターンの映像を取得した後、パターン映像を処理して検査対象の3次元映像を生成する方法が、本発明による検査装置に適用されることができる。このような方法を適用するために、光学撮像部は、パターン光を照射するためのパターン光照射装置及びパターン光が検査対象で形成する映像を取得するためのカメラと、測定されたパターン映像から3次元映像を生成する処理部を追加で含むことができる。
【0049】
<光干渉検出部>
光干渉検出部200は、検査対象の全体または一部に対する3次元映像を生成するために光干渉データを取得することができる。また、光干渉検出部200は、検査対象のうちユーザが選択した特定領域に対する光干渉データを取得することができる。図4の光干渉検出部200は、例示としてマイケルソン型の干渉計を用いる場合を示したものである。光干渉検出部200は、近赤外線光を照射するための干渉光源210、干渉光源210からの近赤外線光を測定光215と基準光225に分離するためのビームスプリッタ220、ビームスプリッタ220によって分離された基準光を反射させる基準鏡230と、測定光215と基準光225が形成した干渉光を感知して光干渉データを生成する干渉光感知部240を含むことができる。光干渉検出部200はまた、光干渉データから3次元映像を生成する処理部250を含むことができる。
【0050】
干渉光源210は、人体組職を深さ別に断層撮影できるように波長を可変(tunable)しながら光を照射することができる。光干渉測定で対象物の撮影のために用いられる光としては、赤外線領域である750~1300nm区間の波長を有するレーザが用いられ得る。特に、波長が長いほど人体組職を浸透できる深さが深くなるため、干渉光源が単一の波長のレーザのみを照射する代わりに、短い波長から長い波長に波長を変換させながらレーザを照射することにより検査対象50の表面から所定深さまで立体的な干渉信号を取得することができる。
【0051】
ビームスプリッタ220によって分離された測定光215は、後述の光誘導部300により経路が変更され、ステージ部30に載置された検査対象50に照射され得る。検査対象50に照射された測定光215は、検査対象50の表面で反射されるか、または波長に応じて一定深さまで浸透後に後方散乱される。その後、反射された測定光または後方散乱された測定光は、反対の経路を介して光干渉検出部200に戻る。測定光215と基準光225は、ビームスプリッタ220で干渉されて干渉光235を形成し、形成された干渉光235は、干渉光感知部240によって感知される。干渉光感知部240は、干渉光から光干渉データを生成して処理部250に伝える。処理部250は、光干渉データから検査対象50の断層映像を生成することにより、これから検査対象50の3次元映像を生成することができる。説明のために、干渉光感知部240及び処理部250がいずれも光干渉検出部200に含まれたものとして例示されたが、必要によっては干渉光感知部240と処理部250はそれぞれ、光干渉検出部200と別途に分離され得、光ケーブルなどの通信手段を介して光干渉検出部200と連結されることができる。
【0052】
ビームスプリッタ220は、干渉光源210からの光を測定光215と基準光225に分離する。前で説明したように、測定光215は、光誘導部300を介して検査対象50に照射され、検査対象50の表面で反射されるか、または一定深さまで透過後に後方散乱されて光干渉検出部200に戻る。基準光は、基準鏡230によって反射されてビームスプリッタ220にまた戻り、光干渉検出部に戻った測定光215と干渉して干渉光235を形成し、形成された干渉光は光干渉感知部240によって感知される。
【0053】
基準鏡230は、ビームスプリッタ220によって分離された基準光225を反射させて、検査対象50から反射または後方散乱されてきた測定光215と共に干渉光235を形成するようにする。このとき、測定光215と基準光225間の経路差が干渉光源210が照射した光の可干渉長さ(coherence length)以内である場合に、干渉光感知部240によって感知されることができるため、これを適切に調節するために基準鏡230の位置が移動され得る。これに関する詳細な説明は、後述する。
【0054】
<光誘導部>
図5に示された光誘導部300は、光学撮像部100からの照明光115、光干渉検出部200からの測定光215、または照明光115と測定光215のいずれもをステージ部30上の検査対象50に誘導する機能を行うことができる。光誘導部300は、光経路制御要素310と倍率変更部320を含むことができる。
【0055】
光経路制御要素310は、照明光115、測定光215、または照明光115と測定光215のいずれもの経路を制御することができる。照明光115と測定光215が、前で説明したように光誘導部300に入射して光経路制御要素310に到達する。図5に示されたように、光経路制御要素310は、照明光115をそのまま透過させて検査対象に照射することができる。また、光経路制御要素は、測定光215が照明光115と同軸になるように測定光の経路を調整して検査対象50に照射することができる。また、検査対象50から反射または後方散乱された照明光115’と測定光215’をそれぞれ、光学撮像部100と光干渉検出部200に返して光学映像及び光干渉データを取得するようにすることができる。
【0056】
光経路制御要素310としては、ダイクロイックフィルターミラーのような半透過鏡が用いられ得る。前で説明した例示でのように、光学撮像部100が可視光線照明光を用いて検査対象の2次元映像を取得し、光干渉検出部200が近赤外線光である測定光を用いて検査対象の3次元映像を取得するための光干渉データを取得しようとする場合、ダイクロイックフィルターミラーを用いれば、波長が異なる2つの光の光経路を個別的に制御することができる。従って、光学撮像部100で用いる照明光の性質が可視光線ではない領域であったり、光学撮像部100を介して取得しようとする光学映像が変わったり、または光干渉検出部200で光干渉データの取得のために用いる測定光の性質が変わる場合には、それに合った光学構成要素が代わりに用いられ得る。
【0057】
光誘導部300は、倍率変更部320を含むことができる。倍率変更部320は、撮影映像の倍率を変更する構成要素である。倍率変更部320では、相互間変更が可能な複数の固定倍率対物レンズが配置され、レンズを変更することにより検査対象に対する拡大した映像を取得することが可能である。または、倍率変更部320としては倍率が可変である単一の可変倍率対物レンズが用いられ得る。図3では、例示のために、回転板に各対物レンズが配置される形態が示されているが、その他にも複数のレンズを配置してこれを相互に変更できる他の同等な構成が用いられ得る。または、単一の可変倍率対物レンズが光経路制御要素310の下段に配置されることができる。また、前で説明したように、照明光115と測定光215が互いに異なる光軸を有して照射されなければならない場合には、それに合わせて倍率変更部の各レンズも複数セットで配置されることができる。
【0058】
倍率変更部320が倍率を変更する場合、レンズの特徴、例えば、レンズの厚さ及び焦点距離に応じて、光干渉検出部200の基準鏡230の位置が変動しなければならないこともある。図6は、複数の固定倍率対物レンズ322、324、326を用いる場合、基準鏡230が移動しなければならない原理を示したものである。光干渉検出部200で取得する光干渉データは、測定光215と基準光225との間の光経路差によって発生する干渉から取得され得るが、このとき、倍率変更部320で用いられるレンズの厚さによって光経路の経路差が追加で発生し得る。即ち、レンズの厚さL1、L2、L3が異なると、測定光が通過する自由空間の距離及びレンズの焦点距離が共に変更されるためWD1、WD2、WD3、測定光215が経る経路差が追加で発生する。従って、このように変更された経路差を反映させて測定光215と基準光225の干渉を感知するためには、基準光225が経る光経路を変更させることでレンズの変更によって測定光215が経る光経路の変更に合わせなければならない必要があり、このために基準鏡の位置が変更されることがある(P1、P2、P3)。
【0059】
以下、光誘導部300が光学撮像部100からの照明光115と光干渉検出部200からの測定光215を検査対象に誘導する第1光経路の形成について説明する。図7には、光学撮像部100からの照明光115が光誘導部300により第1光経路1115を介して検査対象50に照射される形状が示されている。光学映像を取得するための照明光115は、第1光経路1115に沿う。即ち、照明光は、最初に照明光源110から出射され、ビームスプリッタ130を経て光誘導部300に入射され、光誘導部300に入射された照明光115は、光誘導部300の光経路制御要素310を透過した後に倍率変更部320を経て検査対象に照射され、検査対象50に照射された照明光115は、検査対象50から反射されて光学撮像部に向かい、第1光経路1115を形成するようになる。
【0060】
一方、前記のような照明光の第1光経路1115は一例示に過ぎず、当業者は照明光を照射するために他の案を採択することができる。例えば、位置が異なる照明170から検査対象物50に照明光が他の光経路1715を介して照射され得る。この場合、他の光経路1715に沿う照明光は、光誘導部300を介さずに直接検査対象50に照射され得る。この場合にも、他の光経路1715を介して検査対象50に照射された照明光は、検査対象から反射されて、第1光経路1115と同一の経路に沿って光誘導部300を通過して光学撮像部100に向かうようになる。
【0061】
光干渉検出部200からの測定光215は、第2光経路1215に沿って光誘導部300により検査対象50に誘導され得る。前で説明したように、干渉光源210から出射された光はビームスプリッタ220で分離され、ビームスプリッタ220を透過した測定光215は、光誘導部300の光経路制御要素310に入射する。光経路制御要素310は、測定光215の経路を変更して、測定光が検査対象50に向かうようにする。
【0062】
光学映像を取得するための第1光経路1115と光干渉データを取得するための第2光経路1215は、光誘導部300の光経路制御要素310により一部区間1315を共有する。即ち、図7に示したように光学映像を取得するための第1光経路1115のうちの光経路制御要素310と検査対象50との間の光経路と、光干渉データを取得するための第2光経路1215のうちの光経路制御要素310と検査対象50との間の光経路は重なっている。または、前記のように光経路が重なって同軸に照射される代わりに、光誘導部300は、照明光115と測定光215が互いに異なる光軸を有して検査対象に照射されるように誘導することもできる。光学撮像部100のFOV(Field of View)は広い一方、光干渉検出部200のFOVはそれより狭いため、検査対象に対して光学撮像部100が取得した光学映像の多様な部分に対して光干渉検出部200で測定を行おうとする際に、このように互いに異なる光軸を有して照射されるようにする必要がある。特に、領域選択部40によりユーザが選択した領域に対して光干渉データを取得するように光誘導部300が測定光215を誘導することができる。
【0063】
<ガイドビーム照射部>
図8に示されたように、生体組織検査装置10に、ガイドビーム照射部400が追加で配置されることができる。ガイドビーム照射部400は、光学撮像部100または光干渉検出部200とともに配置されたり、またはその他のプローブ部20の他の位置に配置されることができる。以下では、説明の便宜のために、ガイドビーム照射部400が光干渉検出部200とともに配置されたことを基準にして説明する。
【0064】
ガイドビーム照射部400は、ガイドビーム光源410とビームスプリッタ420を含むことができ、光干渉検出部200の測定光と同軸にガイドビーム415を照射する。ガイドビーム照射部400は、ガイドビームを照射することにより、どの領域に対して光干渉データの取得がなされているかを把握できるようにユーザを補助する。即ち、光干渉データの取得のために用いられる測定光215は赤外線または近赤外線領域のレーザ光であるため、肉眼では検査対象のどの部分に対する光干渉データの取得がなされているかを把握することはできない。従って、可視光線領域に該当するガイドビーム415を測定光と同軸に検査対象に照射することにより、現在、検査対象に対して光干渉データが取得されている領域がどこかをユーザが把握できるようにする。ガイドビーム415が測定光215と同軸に照射されるためのビームスプリッタ420のような構成が検査装置に付加され得る。例えば、ガイドビーム415をユーザが領域選択部40を通じて選択した検査対象の特定領域に照射して、ユーザが選択した領域に対する光干渉データの取得がなされていることを表示することができる。必要に応じて、ガイドビーム415は、測定光215と同軸に照射されないことがある。
【0065】
<距離測定部>
距離測定部500は、プローブ部30の一末端に、具体的には光誘導部300の末端に、さらに具体的には倍率変更部320とともに配置されることができる。距離測定部500は、倍率変更部320から検査対象50の表面間の距離を測定することができる。距離測定部500は、距離を測定するために赤外線、超音波及びレーザなどを用いることができる。距離測定部500が測定した距離は、光干渉検出部200が検査対象50に対する光干渉データを取得する際に、z軸方向の測定が正しくなされない問題を解決するために用いられ得る。詳しい事項は後述する。
【0066】
<領域選択部及び伝送部>
前で説明したように、本発明の生体組織検査装置は光学撮像部100により取得された検査対象の光学映像に対し、ユーザが望む領域に対する光干渉データを取得するようにすることができる。このために、本発明の生体組織検査装置は、領域選択部40を追加で含むことができる。領域選択部40は、光学撮像部100が取得した光学映像を表示するための表示部42と、表示部42に示された光学映像のうち特定の領域を選択するようにユーザ入力を受信するための入力装置44を含むことができる。表示部及び入力装置の具体的な構成は、従来の技術を活用することができる。
【0067】
本発明の生体組織検査装置10は、その他に伝送部70をさらに含むことができる。本発明は、手術中の迅速な生体組織検査を行うために提案されたが、場合によっては、検査の正確性を高めるために病院の病理課でも同一組織に対してリアルタイムで検査を行うことが必要なことがある。このような検査を行うために、生体組織検査装置は、伝送部を介して取得した光学映像及び光干渉データまたはこれから生成した3次元映像データ、その他患者に関するデータを手術中にリアルタイムで送受信することができる。
【0068】
<組織検査方法>
図9を参照して、本発明による組織検査方法を説明する。
【0069】
ステージ部30には、人体組職から採取したサンプルである検査対象50が位置することができる。光学撮像部100は、検査対象50に対する光学映像を取得することができる。光干渉検出部200は、光学映像の全部または一部に相応する検査対象の領域に対する光干渉データを取得することができる。光学撮像部100と光干渉検出部200のFOVが制限的であり、また、検査対象50の表面上段差により正確な光干渉データを取得できない問題も発生するため、このような問題を解決するためにステージ部30は、x軸、y軸及びz軸方向に移動することができる。
【0070】
例えば、図9に示されたように、ステージ部30上に検査対象50が位置しており、検査対象50に対する3次元映像を取得しようとする領域54を現在の光干渉検出部のFOV52内に移動させるためにステージ部30は、dx及びdyだけx、y方向に移動することができる。前記のようなx及びy軸方向への移動は、光学撮像部100が取得した光学映像または光干渉検出部200が取得した干渉信号に基づいてなされることができる。例えば、光学映像のうちユーザが選択した特定領域に対して3次元映像を通じて検査を行おうとする場合、検査対象の中で選択された領域に対応する領域が光干渉検出部200のFOV内に含まれるようにステージ部30がx軸及びy軸方向に移動することができる。一方、ステージ部30が移動せずに、代わりにプローブ部20が移動することにより同一にFOVに含まれる検査対象の領域を変更することができる。
【0071】
一方、検査対象50の表面上段差が大きい場合には、検査対象50に対する3次元映像の生成のために取得する光干渉データに歪曲が発生し得る。測定光が有する周波数などの特性や、光学系のレンズの特性などの要因により、検査対象50の表面上から測定光が浸透できる深さは、表面から数mm水準である。この数mmの区間を光干渉検出部の「z軸方向の測定範囲」と定義すると、検査対象50の表面上に存在する段差が、光干渉検出部のz軸方向の測定範囲を逸脱することがある。他の表現で、検査対象50の表面上に段差が存在し、高さが高い領域と高さが低い領域の表面上段差が、z軸方向の測定範囲より大きくなり得る。この場合、検査対象50の表面上高さが高い領域で反射された測定光の反射光や、あるいは高い領域の表面以下に浸透して後方散乱された測定光の後方散乱光から取得された光干渉データと比較する際、高さが低い領域で反射された測定光の反射光、及び高さが低い領域の表面以下に浸透して後方散乱された測定光の後方散乱光によって取得された光干渉データは、歪曲された形態で示され得る。従って、このような歪曲されたデータの発生を防止するか、または歪曲されたデータを除去して正確なデータを取得するために、検査対象50の位置をz軸方向に移動させる必要がある。
【0072】
これと関連して図10を参照すると、測定しようとする検査対象50に表面上段差があり、測定しようとする領域55の表面がz軸方向の測定範囲53を逸脱する場合には、当該領域の測定のためにステージ部30またはプローブ部20がz軸方向に移動することができる。1つの方法としては、検査対象50に対してまず光干渉データを全て取得した後に、表面上の段差により光干渉データが歪曲されたと判断される領域に対して再度光干渉データを取得することである。即ち、ステージ部30またはプローブ部20がz軸方向に移動して、光干渉データが歪曲されたと判断される領域の表面をz軸方向の測定範囲内に含ませた後に再度光干渉データの取得を行う方法がある。他の方法としては、検査対象50に対して光干渉データを取得する際に、検査対象の表面上の高さを測定しながらz軸方向の測定範囲内に検査対象の表面が常に含まれるようにリアルタイムでz軸方向にステージ部またはプローブ部を移動する方法がある。
【0073】
一方、ステージ部30またはプローブ部20がz軸方向に移動する際に、その移動の幅は距離測定部500が測定した倍率変更部320のレンズと検査対象50間の距離に基づいて自動でなされることができる。または、ステージ部30やプローブ部20がユーザによって操作が可能な操作部を含むことができ、ユーザが操作部を操作するに伴い、ステージ部30やプローブ部20がz軸方向に移動することができる。このような構成は、前で説明したz軸方向の測定範囲に検査対象の表面を含ませるためではなく、他の目的のためにも活用され得る。例えば、光学撮像部100が検査対象の2次元映像を取得するように構成された場合、ユーザは2次元映像を見て映像の焦点を合わせるために操作部を操作することで、ステージ部30またはプローブ部20を移動させることもできる。
【0074】
本発明による生体組織検査装置について、以上の実施例では、図1に示されたように光学撮像部100がステージ部30の垂直方向上段に位置し、光誘導部300の側面に光干渉検出部200が配置される構成を備えた。このような構成下では、光誘導部300の光経路制御要素310により光干渉検出部200からの測定光215の経路が変更される。しかし、このような構成は一例に過ぎず、当業者は光学撮像部100、光干渉検出部200及び光誘導部300の配置を前記実施例とは異にしても、同一の検査装置としての機能を行うように本発明を構成することができる。例えば、光誘導部300の垂直上方に光干渉検出部200が配置され、光学撮像部100は側面に配置されることができる。または、光学撮像部100と光干渉検出部200がいずれも光誘導部300の上段に位置することができる。この場合、光経路制御要素310が単一のビームスプリッタやダイクロイックフィルターミラー、複数のビームスプリッタや複数のダイクロイックフィルターミラーまたはこれらの組み合わせなどを配置して、照明光及び測定光を検査対象方向に誘導することで、前の実施例と同一の検査装置としての機能を行うことができる。
【0075】
光学映像と、光干渉データを処理して生成された3次元映像は、表示部60を通じて表示されることができる。ユーザは、表示部に示された映像から対象領域がいかなる組織に該当するかといかなる状態であるかなどを検査及び判断して、その後の手術の手続きを計画したり進めたりすることができる。
【0076】
図11は、本発明による生体組織検査装置を用いた検査方法の順序を示したものである。本発明による生体組織検査方法は、光学撮像部100により光学映像を取得する段階S100と光干渉検出部200により光干渉データを取得する段階S200とを含む。また、光学映像を取得した後、光干渉データを取得するのに先立ち、光干渉データを取得しようとする領域をユーザが選択する段階S150を経ることができる。前に生体組織検査装置について説明したように、光学映像及び光干渉信号を取得する段階に先立ち、光学撮像部100と光干渉検出部200のFOV内に検査対象の測定しようとする領域が含まれるようにプローブ部20またはステージ部30のx軸、y軸及びz軸上の位置を変更する段階S220、S240がさらに含まれ得、特にz軸上の位置を変更する段階は、前に説明したように、距離測定部500を通じて別途に測定されたプローブ部20と検査対象50との間の距離情報を用いて行われることができる(S242)。
【0077】
一方、光学映像を取得するのに先立ち、映像取得のための倍率を変更する段階が追加で含まれ得る(S120)。または、図示されてはいないものの、光学映像を取得する際の倍率と、光干渉データを生成する際の倍率を互いに異ならせるために、光学映像の取得後、光干渉データの取得に先立って倍率を変更することも可能である。この場合、前で説明したことにより、表示部に取得及び測定された映像を表示する際に倍率の差を示し得る表示をするか、または倍率が異なる映像に対する処理を通じて同一の倍率の映像で表示することができる。光誘導部300の光経路制御要素310は、検査対象から反射された照明光115と測定光215及びガイドビーム415を分離することができる。ここで、可視光線領域に属するガイドビーム415を分離する過程で可視光線領域を含む照明光215も一部波長が共に除去されることがある。従って、2次元映像を測定する段階では、このような一部波長の除去を復元するために、光学映像に対して色補正を追加で行うことができる(S140)。
【0078】
本発明による生体組織の検査方法は、機械やコンピュータによって読み取りが可能な格納媒体にプログラム命令語として格納されて行われることができる。プログラム命令語は、光学撮像部と光干渉検出部、プローブ部及びステージ部の動作を具体化するプログラム命令語を含むことができる。プログラムは、本発明による生体組織検査装置に含まれたコンピュータまたは処理装置によって行われることができ、一方では、本発明による生体組織検査装置と通信可能に連結された遠隔地のサーバーやコンピュータを通じて行われることができる。本発明による生体組織の検査方法が遠隔地のサーバーやコンピュータを通じて行われる方式は、遠隔地サーバーやコンピュータでは当該命令語を生体組織検査装置に伝え、生体組織検査装置は命令語によって方法を行った結果を遠隔地サーバーやコンピュータに伝え、これを再度遠隔地サーバーやコンピュータが解釈して追加の命令を伝える方式で行われることができる。
【0079】
本発明は、好ましい実施例を通じて説明されて例示されたが、当業者であれば添付の請求の範囲の事項及び範疇を逸脱せずに様々な変形及び変更がなされ得ることが分かるであろう。
【0080】
(符号の説明)10:生体組織検査装置、20:プローブ部、30:ステージ部、100:光学撮像部、200:光干渉検出部、300:光誘導部、400:ガイドビーム照射部、500:距離測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11