IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図1
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図2
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図3
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図4
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図5
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図6
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図7
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図8
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図9
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図10
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図11
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図12
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図13
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図14
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図15
  • 特許-情報処理装置及び情報処理プログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220720BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018008556
(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公開番号】P2019128692
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】風間 勇志
(72)【発明者】
【氏名】石飛 康浩
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-219393(JP,A)
【文献】特開平08-190584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0165898(US,A1)
【文献】特開2003-122888(JP,A)
【文献】特開2017-204180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共同作業における残作業の担当者が該共同作業に参加していない場合、該共同作業に参加している者であって、該残作業に関する作業を前記担当者とともに行っていた作業者を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された作業者に、前記残作業の担当を依頼する依頼手段
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記共同作業は、文書の共同編集であって、
前記残作業に関する作業として、前記文書の残作業に該当する部分の編集とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記部分の編集を、前記担当者と同時に行っていた作業者を抽出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、パーソナルコンピュータを用いている作業者を抽出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記依頼手段によって依頼された作業者から断られた場合、前記残作業の担当者と口頭で打ち合わせができる作業者を抽出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記残作業の担当者と同じ拠点にいる作業者を抽出する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記依頼手段は、予め定められた条件を満たした場合を契機として、前記依頼を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予め定められた条件として、予め定められた残日数になった場合、又は、現工程が予定工程よりも遅くなった場合とする、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記残日数として、前記残作業の期限までの期間において、該残作業の担当者のスケジュールでの該残作業に割り当てることができる日数とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出手段は、携帯情報端末を用いている作業者は抽出しない、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、
共同作業における残作業の担当者が該共同作業に参加していない場合、該共同作業に参加している者であって、該残作業に関する作業を前記担当者とともに行っていた作業者を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された作業者に、前記残作業の担当を依頼する依頼手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、すべての編集内容を一律に通知する場合と比較して、ユーザーにとって重要な、他のユーザーによる編集が行われたことを見落としにくくすることができる情報処理装置を提供することを課題とし、情報処理装置の取得手段は、複数のユーザーにより編集される文書について、編集された文書の要素を特定する情報と、要素を編集したユーザーを特定する情報とを少なくとも含む履歴情報を取得し、通知手段は、複数のユーザーのうち第一のユーザーが文書の要素を編集した後に、第二のユーザーが文書の要素を編集した場合に、第一のユーザーによる重要度に応じた表示態様で、文書の要素が編集された旨を、第一のユーザーに通知することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、文書の査読作業を行う文書管理装置において、複数のレビューメンバが場所的に離散されていても効率的な査読作業を行うことができ、しかもレビューメンバ間のコミュニケーションやコメントデータのアクセス管理を容易とすることを目的とし、複数の文書レビュー処理装置をそれぞれ相互にネットワークを介して接続し、その処理装置の各々に、レビュー対象文書毎にレビューメンバからのコメントデータへのアクセス管理を行うレビューメンバ管理手段と、査読者がコメントを入力するためのコメント作成手段と、回答者がコメントに対する回答を行うための回答作成手段と、必要とするコメントのみを検索するためのコメント検索手段と、検索結果を整理して表示するコメント表示手段と、複数の査読者や回答者によって作成されたコメント・回答データを管理してレビュー結果を表示・印刷するコメント管理手段と、レビューメンバ間の作業調整を行う各種通知文書の送付を管理するレビュー通知手段とを構成したことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-027427号公報
【文献】特開平06-274493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
共同作業で仕事を進めるための共同作業システムがある。残作業があるにもかかわらず、その残作業の担当者が作業をしていない場合がある。この場合、共同作業者の誰かに、その残作業を依頼することが考えられる。しかし、どの作業者に依頼するのが妥当であるか、判断することは困難である。
本発明は、共同作業における残作業の担当者がその共同作業に参加していない場合において、その残作業を知っている他の作業者に、残作業の担当を依頼することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、共同作業における残作業の担当者が該共同作業に参加していない場合、該共同作業に参加している者であって、該残作業に関する作業を前記担当者とともに行っていた作業者を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された作業者に、前記残作業の担当を依頼する依頼手段を有する情報処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記共同作業は、文書の共同編集であって、前記残作業に関する作業として、前記文書の残作業に該当する部分の編集とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記抽出手段は、前記部分の編集を、前記担当者と同時に行っていた作業者を抽出する、請求項2に記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記抽出手段は、文書を編集するのに適した機器を用いている作業者を抽出する、請求項2に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記抽出手段は、前記依頼手段によって依頼された作業者から断られた場合、前記残作業の担当者と口頭で打ち合わせができる作業者を抽出する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記抽出手段は、前記残作業の担当者と同じ拠点にいる作業者を抽出する、請求項5に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項7の発明は、前記依頼手段は、予め定められた条件を満たした場合を契機として、前記依頼を行う、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項8の発明は、前記予め定められた条件として、予め定められた残日数になった場合、又は、現工程が予定工程よりも遅くなった場合とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項9の発明は、前記残日数として、前記残作業の期限までの期間において、該残作業の担当者のスケジュールでの該残作業に割り当てることができる日数とする、請求項8に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項10の発明は、コンピュータを、共同作業における残作業の担当者が該共同作業に参加していない場合、該共同作業に参加している者であって、該残作業に関する作業を前記担当者とともに行っていた作業者を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された作業者に、前記残作業の担当を依頼する依頼手段として機能させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の情報処理装置によれば、共同作業における残作業の担当者がその共同作業に参加していない場合において、その残作業を知っている他の作業者に、残作業の担当を依頼することができる。
【0017】
請求項2の情報処理装置によれば、文書の共同編集を行う共同作業では、文書の残作業に該当する部分の編集作業が残作業に関する作業となる。
【0018】
請求項3の情報処理装置によれば、残作業の担当者と同時に対象となる部分の編集を行っていた作業者が抽出される。
【0019】
請求項4の情報処理装置によれば、文書を編集するのに適した機器を用いている作業者が抽出される。
【0020】
請求項5の情報処理装置によれば、依頼が断られた場合、残作業の担当者と口頭で打ち合わせができる作業者が抽出される。
【0021】
請求項6の情報処理装置によれば、残作業の担当者と同じ拠点にいる作業者が抽出される。
【0022】
請求項7の情報処理装置によれば、予め定められた条件を満たした場合が契機となり、依頼が行われる。
【0023】
請求項8の情報処理装置によれば、予め定められた条件として、予め定められた残日数になった場合、現工程が予定工程よりも遅くなった場合とすることができる。
【0024】
請求項9の情報処理装置によれば、残日数として、残作業の期限までの期間において、その残作業の担当者のスケジュールでのその残作業に割り当てることができる日数とすることができる。
【0025】
請求項10の情報処理プログラムによれば、共同作業における残作業の担当者がその共同作業に参加していない場合において、その残作業を知っている他の作業者に、残作業の担当を依頼することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態による処理対象の例を示す説明図である。
図5】編集履歴テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図6】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図8】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図9】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図10】残作業テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図11】接続状態テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図12】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図13】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図14】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図15】スケジュールテーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図16】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、すべての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0028】
本実施の形態である情報処理装置100は、複数人の担当者による共同作業で仕事を進めるための共同作業システムに用いられ、特に、担当者の割り振り変更に関する処理を行うものであり、図1の例に示すように、編集履歴管理モジュール110、残作業管理モジュール120、クライアント状態検知モジュール130、作業担当者決定モジュール140を有している。共同作業として、文書の共同編集を例示して説明する。なお、文書(ファイルとも言われる)とは、テキストデータ、数値データ、図形データ、画像データ、動画データ、音声データ等、又はこれらの組み合わせであり、記憶、編集及び検索等の対象となり、システム又は利用者間で個別の単位として交換できるものをいい、これらに類似するものを含む。具体的には、文書作成プログラムによって作成された文書、画像読取装置(スキャナ等)で読み込まれた画像、Webページ等を含む。
【0029】
本実施の形態は、例えば、以下のような概要である。特に、この説明(本段落番号内の説明)は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものであり、この説明を用いて限定解釈することは意図していない。そして、この説明部分のみを用いて、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること(特許法第36条第6項第1号)の判断を行うべきではないことは当然である。
情報処理装置100を用いない共同作業システムでは、文書の共同編集時にすべてのユーザー端末が共同編集中であることを前提としている。共同編集中の文書内に残作業がある場合に、残作業の担当者が共同編集をしていないと、文書の完成期日までに残作業の実施漏れが起こり得る。
その場合、事前に残作業の担当者に作業依頼をしたとしても、担当者がすぐに作業を行うとは限らない。例えば、作業そのものを忘れたり、作業実施前に別の割り込み作業が発生したりすることがあるからである。
また、別の担当者に作業を割り振ろうとしても、誰に割り振ってよいか判断できないことが多い。
そこで、情報処理装置100は、文書の完成期日が迫ると、共同編集作業者の状態(接続状態、利用デバイス、接続拠点等)や、文書の内容(編集履歴)に基づいて、現在共同編集中の作業者の中から適切な作業担当者を割り当てる。その結果、残作業の実施漏れを防ぐことができる。
【0030】
編集履歴管理モジュール110は、文書に対して、いつ誰がどの部分を編集したかといった編集履歴を管理する。また、編集履歴を保持するための編集履歴蓄積装置を備えるようにしてもよい。
つまり、編集履歴管理モジュール110は、共同編集中の文書に対して、編集履歴(いつ、誰が、どの部分を、誰と編集したか等)を管理できる。また、電子会議システムにおいて、編集中に誰と対話していたかという履歴(具体的には、チャット等のメッセージ機能の使用履歴)も保持している。この履歴は、「誰と編集したか」を示す情報の一例としてもよい。
【0031】
残作業管理モジュール120は、文書編集の残作業(作業内容、担当者、作業の実施状況等)を管理する。残作業の情報を保持するための残作業保持装置を備えるようにしてもよい。
つまり、残作業管理モジュール120は、共同編集中の文書に対して、残作業を記録する。
また、残作業は、完成した場合のページ数、項目数、又は、章節等の構成等の目標値が定まっており、その目標値と現在での状況(ページ数、項目数、又は、章節等の構成等)との差分である。また、スケジュール(予定工程)が予め定まっている場合は、現在での状況(現工程)がそのスケジュールより遅れているときは、その遅れが残作業になる。また、アクションアイテムやToDoリストのように、やるべき事の項目(例えば、○○の差替、△△に反映、××の説明追記等々)がリスト化されたものを用意しておき、それらのやるべき事の項目のうち完了していない項目を残作業としてもよい。これらの目標値、予定工程、やるべき事の項目は、共同作業が始まる前に予め用意されていてもよいし、共同作業中に追加されたり、変更されたりしてもよい。もちろんのことながら、前者の残作業と後者の残作業の両方を含めて、残作業としてもよい。
【0032】
クライアント状態検知モジュール130は、ユーザー端末250の接続状態を把握する。
つまり、クライアント状態検知モジュール130は、共同編集中のユーザー端末250の接続情報(接続有無、利用デバイス、接続拠点等)を取得する。
具体的には、クライアント状態検知モジュール130は、ユーザー端末250が文書管理システム210内の電子会議システムに接続し、さらに文書を共同編集しているオンライン状態か、それとも文書管理システム210を利用していないオフライン状態かといった接続状態や、接続中に利用しているデバイスの種類(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末など)、そのデバイスがどの拠点から接続しているかといった情報を検知する。これらの情報は、ユーザー端末250と通信中か否か、通信している場合は、デバイスの種類、デバイスの位置(ユーザーがいる拠点(場所))等を問い合わせて、それらの情報を取得すればよい。
【0033】
作業担当者決定モジュール140は、クライアント状態検知モジュール130、残作業管理モジュール120、編集履歴管理モジュール110と連携し、未完了の残作業を実施するのに適した担当者を決定し、その担当者に残作業実施を催促する。
例えば、作業担当者決定モジュール140は、まず、残作業管理モジュール120、クライアント状態検知モジュール130による処理結果を用いて、未完了の残作業の担当者が、現在共同編集中である場合に、その担当者に残作業を実施するよう催促する。
そして、作業担当者決定モジュール140は、未完了の残作業の担当者が、現在共同編集中でない場合に、現在共同編集中の作業者の中から、編集履歴管理モジュール110、クライアント状態検知モジュール130による処理結果を用いて、新担当者を選定し、その新担当者に残作業を実施するように催促する。これによって、現在共同編集中の作業者に対して作業を割り振ることができるので、作業そのものを忘れたり、割り込み作業等による残作業の実施漏れが生じることを防ぐことができる。また、作業者の状況を考慮して適切な作業分担が行えるため、作業者の負荷を軽減することができる。
【0034】
具体的には、以下の処理を行う。
作業担当者決定モジュール140は、共同作業における残作業の担当者が、その共同作業に参加していない場合、その共同作業に参加している者であって、その残作業に関する作業を担当者(残作業の担当者)とともに行っていた作業者を抽出する。
そして、作業担当者決定モジュール140は、抽出した作業者に、残作業の担当を依頼する。
「共同作業に参加していない場合」として、共同作業システムにログインしていない状態である場合、その担当者がユーザー端末250を利用していない場合、そのユーザー端末250が通信回線に接続されていない場合等がある。
また、「共同作業」が文書の共同編集である場合、「残作業に関する作業」は文書の残作業に該当する部分の編集とする。ここで「共同編集」には、文書の新規作成、文書の修正等が含まれる。
【0035】
また、作業担当者決定モジュール140は、部分の編集を、残作業の担当者と同時に行っていた作業者を抽出するようにしてもよい。
また、作業担当者決定モジュール140は、文書を編集するのに適した機器を用いている作業者を抽出するようにしてもよい。「文書を編集するのに適した機器」として、例えば、パーソナルコンピュータ(ノートPCを含む)であり、携帯情報端末のように文書を編集するのに適していない機器は含まない。
【0036】
また、作業担当者決定モジュール140は、作業者に残作業の担当を依頼したにもかかわらず、その作業者から断られた場合、残作業の担当者と口頭で打ち合わせができる作業者を抽出する。「残作業の担当者と口頭で打ち合わせができる作業者」として、例えば、「残作業の担当者」と位置的に近い作業者が挙げられる。具体的な例として、作業担当者決定モジュール140は、残作業の担当者と同じ拠点にいる作業者を抽出するようにしてもよい。さらに、「残作業の担当者」と予め定められた距離以内にいる作業者としてもよいし、「残作業の担当者」と同じフロアにいる作業者としてもよい。
具体的には、残作業の元の担当者でなければ対応が困難な作業の場合、その残作業の元の担当者と同じ拠点にいる共同編集中の作業者の中から優先的に新担当者を選定し、その新担当者が元の担当者と連絡をとり、残作業を実施するように新担当者に通知する。なお、残作業の元の担当者のスケジュールと新担当者のスケジュールを参照し、両者が口頭で打ち合わせができる時間帯を抽出し、その時間帯で残作業を実施するように新担当者に通知するようにしてもよい。これによって、残作業の元の担当者でなければ対応できない作業であっても、その担当者に直接口頭で確認をとることにより、残作業の実施漏れを防ぐことができる。
【0037】
また、作業担当者決定モジュール140は、予め定められた条件を満たした場合を契機として、依頼を行うようにしてもよい。この「予め定められた条件」として、予め定められた残日数になった場合、又は、現工程が予定工程よりも遅くなった場合としてもよい。そして、残日数として、残作業の期限までの期間において、その残作業の担当者のスケジュールでのその残作業に割り当てることができる日数としてもよい。もちろんのことながら、作業担当者決定モジュール140は、各担当者のスケジュールをスケジュール管理装置、カレンダー管理装置等から取得する。そして、「残作業に割り当てることができる日数」として、残作業の期限までの期間において、就業時間内で予定が記載されていない時間(又は、その合計時間)を抽出すればよい。なお、「日数」の単位は日のみでなく、年、月、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0038】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100A、文書管理システム210A、文書管理システム210B、ユーザー端末250A、ユーザー端末250B、ユーザー端末250C、ユーザー端末250Dは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。文書管理システム210Bは、情報処理装置100Bを有している。また、情報処理装置100、文書管理システム210による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
【0039】
文書管理システム210には、電子化された文書を登録可能である。登録された文書に対して複数のユーザー端末250から共同編集できる機能を備えている。
また、文書管理システム210に、電子会議システムを備え、文書の共同編集中に、音声やチャットといった手段を使い、ユーザー端末250間でやりとりができるようにしてもよい。
【0040】
複数のユーザー端末250のユーザー260は、グループを形成して、共同して作業を行う。例えば、文書の共同編集を行う。
ユーザー端末250は、文書管理システム210にアクセスし、ユーザー260の操作にしたがって、文書管理システム210内の文書を共同で編集することができる。文書管理システム210とユーザー端末250とを、通信回線290を介して接続する場合、ユーザー端末250内のWebブラウザによって、文書を共同で編集できるようにしてもよい。
【0041】
図3は、本実施の形態(文書管理システム210)による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、各ユーザーの操作にしたがって、文書を編集する。
例えば、各ユーザー端末250でユーザーA、ユーザーB、ユーザーC、ユーザーDが、文書管理システム210内の文書400である「doc-123」を共同編集している。図4は、本実施の形態による処理対象の例を示す説明図である。文書400は、図1:410、段落420、図2:430、段落440を有している。これらに担当者が割り振られている。例えば、ユーザーAは、図1:410、図2:430を担当している。
【0042】
ステップS304では、その文書における編集履歴を収集する。
文書管理システム210が、文書400「doc-123」に対しての編集履歴を、編集履歴管理モジュール110に「編集したユーザーID」「編集日時」「文書ID」「編集箇所」「共同編集ユーザーID」等を保持する。例えば、編集履歴管理モジュール110内に編集履歴テーブル500が生成されることになる。図5は、編集履歴テーブル500のデータ構造例を示す説明図である。編集履歴テーブル500は、ユーザーID欄510、編集日時欄520、文書ID欄530、編集箇所欄540、共同編集ユーザーID欄550を有している。ユーザーID欄510は、本実施の形態において、ユーザーを一意に識別するための情報(ユーザーID:IDentification)を記憶している。編集日時欄520は、編集が行われた日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。文書ID欄530は、本実施の形態において、編集対象である文書を一意に識別するための情報(文書ID)を記憶している。編集箇所欄540は、その文書の編集箇所を記憶している。例えば、図1:410、段落420等である。共同編集ユーザーID欄550は、その編集箇所に対して共同して編集を行ったユーザーのユーザーIDを記憶している。なお、ここで「共同して編集を行ったユーザー」は、同じ編集箇所に対して同時に編集作業を行っていた者の他に、同時ではなく、同じ編集箇所に対して編集作業を行っていた者を含めてもよい。図5に示す例では、図1:410に対して、ユーザーAの他に、ユーザーB、ユーザーCが共同して編集していたこと、そして、図2:430に対して、ユーザーAの他に、ユーザーBが共同して編集していたことが記録されている。
なお、「編集箇所」は、文書の編集箇所を一意に識別できる情報であれば何でもよい。例えば、構造化文書の場合、構造化文書内の要素を一意に特定するためのIDが「編集箇所」に該当する。
【0043】
ステップS306では、文書が完成したか否かを判断し、完成した場合は処理を終了し(ステップS399)、それ以外の場合はステップS302へ戻る。
【0044】
図6図8の例に示す、いずれかのフローチャートによって処理を行う。
図6は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS602では、完成予定日を取得する。
例えば、文書400「doc-123」の公開日(完成予定日としてもよい)が「2017年4月1日」と設定されている。この公開日までに、文書を完成する必要がある。
【0045】
ステップS604では、「残日数<閾値」であるか否かを判断し、「残日数<閾値」の場合はステップS606へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS699)。ここでの残日数は、ステップS602で取得した完成予定日と現在の日付で算出すればよい。また、閾値は、予め定められた値であり、文書管理システム210に設定されている。例えば、予め文書の公開日の10日前に、残作業の状況を確認するよう文書管理システム210に設定されている。
【0046】
ステップS606では、残作業処理を行う。ステップS606の詳細な処理については、図9の例に示すフローチャートを用いて後述する。
【0047】
図7は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS702では、完成予定日を取得する。図6の例に示したフローチャート内のステップS602と同等の処理である。
ステップS704では、残作業の担当者のスケジュールを取得する。
【0048】
ステップS706では、完成予定日までの残作業に割り当てることのできる残日数を算出する。具体的な例として、完成予定日までの時間(就業時間)から、スケジュール内に記載されている残作業以外の予定の時間を差し引いた時間を算出する。
ステップS708では、「残日数<閾値」であるか否かを判断し、「残日数<閾値」の場合はステップS710へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS799)。ここでの閾値は、予め定められた値であり、文書管理システム210に設定されている。この閾値は、残作業に要する日数であり、スケジュール上で残作業の担当者がその日数を確保できない場合に、ステップS710に進むことになる。
ステップS710では、残作業処理を行う。ステップS710の詳細な処理については、図9の例に示すフローチャートを用いて後述する。
【0049】
図8は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS802では、文書編集のワークフローにおける予定工程(その時点で、本来進んでいなければならない工程)、現工程(その時点での工程)を取得する。
ステップS804では、「現工程<予定工程」であるか否かを判断し、「現工程<予定工程」の場合はステップS806へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS899)。つまり、予定工程よりも遅れている場合は、ステップS806に進むことになる。
ステップS806では、残作業処理を行う。ステップS806の詳細な処理については、図9の例に示すフローチャートを用いて後述する。
【0050】
図9は、本実施の形態による処理例(ステップS606、ステップS710、ステップS806)を示すフローチャートである。
ステップS902では、残作業の担当者が接続状態か否かを判断し、接続状態の場合はステップS914へ進み、それ以外の場合はステップS904へ進む。
例えば、図6図8の例に示すフローチャートから進んできた場合(例えば、文書の公開日の10日前)に、未完了の残作業は、残作業管理モジュール120で残作業テーブル1000のように記録されていて、未完了の残作業として「W-001」「W-002」がある。図10は、残作業テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。残作業テーブル1000は、残作業ID欄1010、担当者ID欄1020、作業内容欄1030、状態欄1040を有している。残作業ID欄1010は、本実施の形態において、残作業を一意に識別するための情報(残作業ID)を記憶している。担当者ID欄1020は、本実施の形態において、担当者を一意に識別するための情報(担当者ID)を記憶している。作業内容欄1030は、その残作業における作業の内容を記憶している。状態欄1040は、その残作業の状態(完了又は未完了のいずれか一方)を記憶している。
【0051】
残作業「W-001」の担当者は「ユーザーA」である。しかし、クライアント状態検知モジュール130による処理結果により、現在の接続状態は、接続状態テーブル1100のようになっている。図11は、接続状態テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。
接続状態テーブル1100は、ユーザーID欄1110、接続状態欄1120、利用機器欄1130、接続元欄1140を有している。ユーザーID欄1110は、ユーザーIDを記憶している。接続状態欄1120は、そのユーザーIDのユーザーが使用しているユーザー端末250の接続状態を記憶している。利用機器欄1130は、そのユーザー端末250の利用機器種別を記憶している。接続元欄1140は、そのユーザー端末250の接続元の拠点を記憶している。この例では、ユーザーAのユーザー端末250は未接続である。
【0052】
ステップS904では、接続状態の作業者がいるか否かを判断し、接続状態の作業者がいる場合はステップS906へ進み、それ以外の場合は処理を終了する(ステップS999)。図11に示した例では、ユーザーB、ユーザーC、ユーザーDのユーザー端末250は接続状態であり、文書400「doc-123」を共同編集中である。
【0053】
ステップS906では、作業者抽出処理を行う。ステップS906の詳細な処理については、図12の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS908では、抽出された作業者に残作業の実施依頼を実施する。この実施依頼に用いるツールとして、例えば、共同作業システムに備え付けられたメッセージ機能を用いてもよいし、この他に、電子メール、チャット、電子掲示板、ソーシャルメディアを用いた通知、プッシュ通知、自動音声応答による電話発信等を用いてもよい。なお、電話発信として、例えば、Lync(登録商標)等を用いて行えばよい。
【0054】
ステップS910では、その作業者が依頼を受諾したか否かを判断し、受諾した場合は処理を終了し(ステップS999)、それ以外の場合はステップS912へ進む。
ステップS912では、元担当者の予定(スケジュール)を確認し、元担当者と連絡がとりやすい作業者を抽出し、元担当者とともに対応依頼を実施する。
ステップS914では、担当者に残作業の実施依頼を実施する。
【0055】
図12は、本実施の形態による処理例(ステップS906)を示すフローチャートである。
ステップS1202では、残作業の対象箇所の編集を共同で行っていた作業者を抽出する。
ステップS1204では、作業者を抽出できたか否かを判断し、抽出できた場合はステップS1212へ進み、それ以外の場合はステップS1206へ進む。
ステップS1206では、その対象箇所の周辺箇所の編集を行っていた作業者を抽出する。
ステップS1208では、作業者を抽出できたか否かを判断し、抽出できた場合はステップS1212へ進み、それ以外の場合はステップS1210へ進む。
ステップS1210では、接続状態の作業者から抽出する。
ステップS1212では、抽出した複数の作業者のうち、利用している機器がデスクトップPCである作業者を優先して抽出する。
【0056】
前述の例をもって具体例を示すと、以下のようになる。
(1)残作業テーブル1000から、残作業「W-001」は、「図1を最新版に差替える作業」である。作業担当者決定モジュール140は、編集履歴管理モジュール110からユーザーAが図1を編集していた際に頻繁に対話していたユーザーとして、ユーザーB、ユーザーCを取得する。また、作業担当者決定モジュール140は、クライアント状態検知モジュール130からユーザーCはスマートフォンを利用していることから、図1の編集は困難と判断し、デスクトップPCを利用しているユーザーBを優先的に担当者に決定する。
なお、別の担当者割り当ての方法として、図1の近くの領域を最も頻繁に編集しているユーザーの中から残作業の担当者を除く担当者を割り当ててもよい。
そして、作業担当者決定モジュール140は、ユーザーBに残作業「W-001」を代わりに実施するように、ユーザーBの端末に対応依頼のメッセージを表示する。
【0057】
(2)残作業「W-002」の担当者も未接続のユーザーAである。作業担当者決定モジュール140は、編集履歴管理モジュール110から頻繁に対応していたユーザーとしてユーザーBを選定し、対応依頼のメッセージを表示したが、「ユーザーB」は対応方法がわからなかったため、対応依頼を断った。
【0058】
(3)そこで、作業担当者決定モジュール140は、ユーザーAの予定情報(スケジュール)を参照し、ユーザーAは、拠点Aにいることがわかる。そして、現在接続中のユーザーの中でユーザーAと同じ拠点Aから接続しているユーザーDを担当者に決定する。ユーザーDは口頭でユーザーAの指示を受け、残作業「W-002」を実施することになる。
予定情報として、例えば、スケジュールテーブル1500がある。図15は、スケジュールテーブル1500のデータ構造例を示す説明図である。スケジュールテーブル1500は、ユーザー欄1510、日時欄1520、場所欄1530、予定欄1540を有している。ユーザー欄1510は、ユーザーを記憶している。日時欄1520は、日時を記憶している。場所欄1530は、そのユーザーがその日時にいる場所を記憶している。予定欄1540は、そのユーザーのその日時での予定を記憶している。
【0059】
図9の例に示したフローチャート内のステップS908では、例えば、新担当者(ユーザーB)に対して依頼画面1300を表示する。
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。依頼画面1300には、依頼文領域1310、Yesボタン1320、Noボタン1330を表示する。
依頼文領域1310には、例えば『作業依頼 ユーザーB様 ユーザーA様の代わりに、文書400に対して、作業「図1を最新版に差替え」をお願いします』と表示する。ユーザーBは、Yesボタン1320、Noボタン1330を選択する。
【0060】
図9の例に示したフローチャート内のステップS912では、例えば、新担当者(ユーザーD)に対して依頼画面1400を表示する。
図14は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。依頼画面1400には、依頼文領域1410、Yesボタン1420、Noボタン1430を表示する。
依頼文領域1410には、例えば『作業依頼 ユーザーD様 ユーザーD様と同じ拠点にいるユーザーA様と相談して、ユーザーA様の代わりに、文書400に対して、作業「図1を最新版に差替え」をお願いします』と表示する。ユーザーDは、Yesボタン1420、Noボタン1430を選択する。
【0061】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、図16に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1601を用い、記憶装置としてRAM1602、ROM1603、HD1604を用いている。HD1604として、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)を用いてもよい。編集履歴管理モジュール110、残作業管理モジュール120、クライアント状態検知モジュール130、作業担当者決定モジュール140等のプログラムを実行するCPU1601と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1602と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1603と、文書、編集履歴テーブル500、残作業テーブル1000、接続状態テーブル1100、スケジュールテーブル1500等を記憶する補助記憶装置(フラッシュ・メモリ等であってもよい)であるHD1604と、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク、カメラ(視線検知カメラ等を含む)等に対する利用者の操作(動作、音声、視線等を含む)に基づいてデータを受け付ける受付装置1606と、CRT、液晶ディスプレイ、スピーカー等の出力装置1605と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1607、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1608により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0062】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、図16に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図16に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図16に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0063】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
100…情報処理装置
110…編集履歴管理モジュール
120…残作業管理モジュール
130…クライアント状態検知モジュール
140…作業担当者決定モジュール
210…文書管理システム
250…ユーザー端末
260…ユーザー
290…通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16