(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】ユーザ分析装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220720BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2018147589
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】森谷 尚平
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ あおい
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-093015(JP,A)
【文献】特開2014-041539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に関連する内容を有する店舗関連コンテンツをユーザが閲覧した履歴を示す閲覧履歴情報に基づいて、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行い、重み付けされた店舗位置に基づいて、ユーザの消費行動に対応する地域範囲である消費行動圏の基準位置を算出し、算出された基準位置を基準とする前記消費行動圏を、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置の分布に基づいて導出する消費行動圏導出部
を備えるユーザ分析装置。
【請求項2】
前記消費行動圏導出部は、
前記閲覧履歴情報に基づいて取得される、店舗ごとの前記店舗関連コンテンツが閲覧された回数に基づいて、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行う
請求項1に記載のユーザ分析装置。
【請求項3】
前記消費行動圏導出部は、
前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとについての所定の属性をさらに利用して、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行う
請求項1または2に記載のユーザ分析装置。
【請求項4】
前記消費行動圏導出部は、
1のユーザにより前記店舗関連コンテンツが閲覧された複数の店舗の店舗位置の分布の状態に応じて前記複数の店舗の店舗位置を複数の集合に分割し、分割された集合ごとに前記基準位置を算出し、
前記1のユーザに対応して、前記分割された集合ごとに対応して算出された複数の基準位置をそれぞれ基準とする複数の消費行動圏を導出する
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザ分析装置。
【請求項5】
前記消費行動圏導出部は、
前記店舗関連コンテンツが閲覧された複数の店舗の店舗位置のうちで、所定の除外条件を満たす店舗位置を除外した店舗位置の分布に基づいて消費行動圏を導出する
請求項1から4のいずれか一項に記載のユーザ分析装置。
【請求項6】
前記消費行動圏導出部は、
予め定められた期間ごとに、ユーザごとの消費行動圏の基準位置を算出し、算出された基準位置を基準とする消費行動圏を導出する
請求項1から5のいずれか一項に記載のユーザ分析装置。
【請求項7】
消費行動圏が導出されたユーザのうちから、指定された地域範囲に該当する消費行動圏に対応するユーザを抽出するユーザ抽出部をさらに備える
請求項1から6のいずれか一項に記載のユーザ分析装置。
【請求項8】
前記ユーザ抽出部は、
指定された地域範囲に該当する消費行動圏に対応するユーザを抽出するにあたり、指定された地域範囲と重複する消費行動圏に対応するユーザの抽出と、指定された地域範囲に基準位置が含まれるユーザの抽出とのいずれかを実行する
請求項7に記載のユーザ分析装置。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザがユーザ端末装置を利用して店舗に関連する内容を有する店舗関連コンテンツを閲覧した履歴を示す閲覧履歴情報に基づいて、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行い、重み付けされた店舗位置に基づいて、ユーザの消費行動に対応する地域範囲である消費行動圏の基準位置を算出し、算出された基準位置を基準とする前記消費行動圏を、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置の分布に基づいて導出する消費行動圏導出部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ分析装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通勤や通学等に応じた顧客の移動経路を顧客管理サーバに予め登録し、顧客管理サーバは、指定された位置情報に対応する移動経路の顧客を検索し、情報配信サーバが、検索された顧客の端末装置に対して配信すべき情報を含む電子メールを送信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザに向けて広告等の情報を提供するにあたって、ユーザの消費行動の地理的範囲(消費行動圏)を把握し、把握された消費行動圏に合わせて情報を提供することが有効となる場合がある。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術のもとで把握されるのは、ユーザの通勤や通学等に対応する日常的な移動経路である。このような移動経路は、あくまでも日常生活における行動圏となるものであって、ユーザの消費行動圏として扱うことは適切でない。また、特許文献1に記載の技術のもとでは、ユーザに移動経路を事前に登録しておいてもらう必要があることから、ユーザが登録を怠った場合には、移動経路を把握することもできなくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ユーザにより消費行動に関する地理的な情報が事前に登録されなくとも、ユーザの消費行動圏が適切に得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、店舗に関連する内容を有する店舗関連コンテンツをユーザが閲覧した履歴を示す閲覧履歴情報に基づいて、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行い、重み付けされた店舗位置に基づいて、ユーザの消費行動に対応する地域範囲である消費行動圏の基準位置を算出し、算出された基準位置を基準とする前記消費行動圏を、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置の分布に基づいて導出する消費行動圏導出部を備えるユーザ分析装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、ユーザがユーザ端末装置を利用して店舗に関連する内容を有する店舗関連コンテンツを閲覧した履歴を示す閲覧履歴情報に基づいて、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置について重み付けを行い、重み付けされた店舗位置に基づいて、ユーザの消費行動に対応する地域範囲である消費行動圏の基準位置を算出し、算出された基準位置を基準とする前記消費行動圏を、前記店舗関連コンテンツが閲覧された店舗ごとの店舗位置の分布に基づいて導出する消費行動圏導出部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザにより消費行動に関する地理的な情報が事前に登録されなくとも、ユーザの消費行動圏が適切に得られるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるユーザ分析システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における店舗関連コンテンツサーバの構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態における店舗関連コンテンツ情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における店舗情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるユーザ分析サーバの構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における消費行動圏情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態における消費行動圏の導出手法例について説明する図である。
【
図8】本実施形態における複数の消費行動圏の導出手法例について説明する図である。
【
図9】本実施形態におけるユーザ分析サーバが消費行動圏の導出に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態におけるユーザ分析サーバがユーザ抽出処理に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態としてのユーザ分析システムについて図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるユーザ分析システムの全体構成例を示す図である。同図のユーザ分析システムは、店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、ユーザ分析サーバ300(ユーザ分析装置の一例)、ユーザ分析情報利用端末400、及び情報提供サーバ500を備える。
【0012】
店舗関連コンテンツサーバ100とユーザ端末装置200とは例えばインターネットなどのネットワークを介して通信可能に接続される。また、店舗関連コンテンツサーバ100とユーザ分析サーバ300はネットワークを介して通信可能に接続される。また、ユーザ分析サーバ300とユーザ分析情報利用端末400はネットワークを介して通信可能に接続される。また、ユーザ分析情報利用端末400と情報提供サーバ500はネットワークを介して通信可能に接続される。ユーザ端末装置200と情報提供サーバ500は値とワークを介して通信可能に接続される。
【0013】
店舗関連コンテンツサーバ100は、店舗関連コンテンツの配信者が運用するサーバである。店舗関連コンテンツは、店舗に関連するコンテンツである。具体的に、店舗関連コンテンツは、1つには店舗に対応する広告主から投稿された電子チラシである。電子チラシとは、例えば新聞などの折り込み広告などに相当するチラシを電子化したコンテンツである。店舗関連コンテンツサーバ100は、ユーザへの電子チラシの配信に関連するサービスを提供する。
【0014】
また、店舗関連コンテンツサーバ100がユーザに向けて提供する店舗関連コンテンツは、店舗の端末からの広告記事の投稿をユーザの端末装置にプッシュ通知により提供するようなものあってもよい。また、店舗関連コンテンツサーバ100がユーザに向けて提供する店舗関連コンテンツは、クーポン、求人の記事や広告等であってもよい。
例えば、電子チラシの閲覧履歴に加えて、上記のような店舗関連コンテンツについての閲覧履歴も利用することで本実施形態のユーザ解析結果の精度を高めることが可能になる。
なお、以降においては説明を簡単にするため、店舗関連コンテンツが電子チラシである場合を例に挙げる。
【0015】
ユーザ端末装置200は、ユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末装置200は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)などのように、ネットワーク通信機能を有する端末装置である。
【0016】
ユーザ端末装置200には閲覧アプリケーションをインストールすることができる。閲覧アプリケーションは、店舗関連コンテンツサーバ100から送信された電子チラシを閲覧するためのアプリケーションである。
ユーザ端末装置200にインストールされた閲覧アプリケーションは、起動に応じて店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスする。店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスした閲覧アプリケーションは、ユーザの操作によって指定された電子チラシを店舗関連コンテンツサーバ100から取得し、取得された電子チラシを表示する。ユーザが表示された電子チラシを見ることにより、電子チラシの閲覧が行われる。
【0017】
また、ユーザ端末装置200には、ウェブブラウザをインストールすることができる。ウェブブラウザがユーザ端末装置200にインストールされている場合、ユーザは、ユーザ端末装置200上で動作するウェブブラウザに対する操作により電子チラシサービスウェブサイトにアクセスさせることができる。電子チラシサービスウェブサイトは、店舗関連コンテンツサーバ100が電子チラシの配信に関連するサービスの提供のためにインターネット上で提供するウェブサイトである。
ユーザ端末装置200が電子チラシサービスウェブサイトにアクセスしている状態のもと、ユーザが電子チラシサービスウェブサイト内の電子チラシのウェブページへのリンクを指定する操作を行うと、指定されたウェブページがウェブブラウザ上で表示される。このように表示される電子チラシをユーザが見ることで、電子チラシの閲覧が行われる。
【0018】
店舗関連コンテンツサーバ100は、上記のようにユーザにより行われる電子チラシの閲覧に関する履歴(閲覧履歴)を示す閲覧履歴情報を記憶する。閲覧履歴情報は、ユーザごとに対応付けられて管理される。つまり、本実施形態における閲覧履歴情報は、ユーザを一意に示すユーザIDごとに対応のユーザの閲覧履歴が対応付けられた構造である。
ユーザIDは、閲覧アプリケーションによるアクセスに対応しては、閲覧アプリケーションごとに一意となるように付与された識別子(アプリケーションID)を利用することができる。
また、ユーザIDは、ウェブブラウザによるアクセスに対応しては、アクセスに際して店舗関連コンテンツサーバ100から付与されるセッションIDを利用することができる。
また、ユーザIDは、ユーザアカウント認証によってログインしたうえで閲覧アプリケーションまたはウェブブラウザにより店舗関連コンテンツサーバ100にアクセスしている場合にはユーザアカウントと対応付けられたユーザの識別情報を利用することができる。
【0019】
また、本実施形態においては、例えば、ユーザ端末装置200からのリクエストに応じて店舗関連コンテンツサーバ100が電子チラシを送信したことを以て、1つの電子チラシについて1回の閲覧が行われたものして扱うことができる。なお、店舗関連コンテンツサーバ100は、例えば所定時間内に同じ電子チラシがリクエストされた場合には、1つの電子チラシについて1回の閲覧が行われたものとして扱ってよい。
【0020】
ユーザ分析サーバ300は、店舗関連コンテンツサーバ100が記憶する閲覧履歴情報を利用して、ユーザ端末装置200により店舗関連コンテンツを閲覧したユーザについての分析(ユーザ分析)を行う。本実施形態においては、ユーザ分析として、ユーザの消費行動圏を特定することが行われる。本実施形態における消費行動圏は、ユーザが日常において買い物やサービスの享受などに応じた消費行動を行う対象となる地理的な範囲である。
【0021】
ユーザ分析情報利用端末400は、ユーザ分析サーバ300のユーザ分析結果に基づく情報を出力する端末である。ユーザ分析情報利用端末400はオペレータが操作することができる。
ユーザ分析サーバ300は、ユーザ分析情報利用端末400からの要求に応じて、店舗関連コンテンツを閲覧したユーザのうちから、上記の要求において指定された対象地域範囲に消費行動圏が該当するユーザを抽出することができる。ユーザ分析情報利用端末400は、ユーザ分析サーバ300によりユーザの抽出結果を、例えば表示等によって出力することができる。対象地域範囲は、ユーザ分析情報利用端末400に対するオペレータの操作に応じて設定されてよい。この場合、オペレータは、例えば地図上で、中心位置と半径とを指定する操作を行うようにされてよい。指定された中心位置を中心とする半径による円に含まれる地域が対象地域範囲である。
【0022】
情報提供サーバ500は、ユーザ分析情報利用端末400により出力された情報に基づいて対象として選択したユーザのユーザ端末装置200に対して広告等の情報を提供するサーバである。一例として、ユーザ分析情報利用端末400は、例えば情報提供サーバ500から指定された対象地域範囲に消費行動圏が該当するユーザを抽出し、抽出されたユーザのユーザIDを抽出結果として情報提供サーバ500に送信する。情報提供サーバ500は、抽出結果として送信されたユーザIDが対応するユーザ端末装置200に対して、対象地域範囲に対応して提供すべき情報を送信する。このような情報の送信の態様は、特定に限定されないが、例えばプッシュ通知、ウェブページにて挿入される広告(例えば、バナー広告、リスティング広告、動画プラットフォーム上での動画広告等)を挙げることができる。
なお、ユーザ分析情報利用端末400により出力された情報に基づくユーザ端末装置200への情報の提供は、店舗関連コンテンツサーバ100も行うようにされてよい。
【0023】
図2を参照して、店舗関連コンテンツサーバ100の構成例について説明する。同図の店舗関連コンテンツサーバ100は、通信部101、制御部102、記憶部103を備える。
通信部101は、ネットワーク経由で通信を実行する。
【0024】
制御部102は、店舗関連コンテンツサーバ100における各種制御を実行する。制御部102としての機能は、店舗関連コンテンツサーバ100が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0025】
記憶部103は、店舗関連コンテンツサーバ100に対応する各種の情報を記憶する。同図の記憶部103は、店舗関連コンテンツ情報記憶部131、閲覧履歴情報記憶部132、店舗情報記憶部133、及びユーザ情報記憶部134を備える。
【0026】
店舗関連コンテンツ情報記憶部131は、店舗関連コンテンツ情報を記憶する。
図3は、店舗関連コンテンツ情報記憶部131が記憶する店舗関連コンテンツ情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1つの店舗関連コンテンツに対応する店舗関連コンテンツ情報である。1つの店舗関連コンテンツ情報は、コンテンツID、メタデータ、店舗ID、コンテンツデータの領域を含む。
コンテンツIDの領域は、対応の店舗関連コンテンツ(電子チラシ)を示す識別子であるコンテンツIDを格納する。
メタデータの領域は、対応の店舗関連コンテンツのメタデータを格納する。メタデータには、例えば対応の店舗関連コンテンツの有効期間が含まれる。また、店舗関連コンテンツ情報記憶部131において、電子チラシ以外の店舗関連コンテンツの種別の店舗関連コンテンツ情報も記憶される場合には、対応の店舗関連コンテンツの種別を示す情報等が含まれてよい。
店舗IDの領域は、対応の店舗関連コンテンツを投稿した店舗を示す識別子である店舗IDを格納する。
コンテンツデータの領域は、対応の店舗関連コンテンツとしてのデータ(コンテンツデータ)を格納する。店舗関連コンテンツが電子チラシである場合のコンテンツデータは、電子チラシとしての画像データを含む。
【0027】
説明を
図2に戻す。閲覧履歴情報記憶部132は、閲覧履歴情報を記憶する。図示は省略するが、閲覧履歴情報記憶部132は、ユーザIDごとに対応付けられた閲覧履歴情報を記憶する。つまり、閲覧履歴情報記憶部132は、店舗関連コンテンツを閲覧したことのあるユーザごとに対応付けて閲覧履歴情報を記憶する。1ユーザに対応付けられた閲覧履歴情報は、対応のユーザが閲覧した店舗関連コンテンツごとに、店舗関連コンテンツを示すコンテンツID、閲覧時刻等を含む。なお、閲覧履歴情報には、コンテンツIDが示すコンテンツを投稿した店舗の店舗IDも含まれてよい。
【0028】
店舗情報記憶部133は、店舗関連コンテンツを投稿した店舗ごとの店舗情報を記憶する。
図4は、店舗情報記憶部133が記憶する店舗情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1つの店舗に対応する店舗情報である。1つの店舗に対応する店舗情報には店舗IDが対応付けられている。
1つの店舗情報は、例えば店舗名、住所、店舗位置等の領域を含む。店舗名の領域は、対応の店舗の名称(店舗名)を格納する。住所の領域は、対応の店舗の住所を格納する。店舗位置の領域は、対応の店舗位置を格納する。本実施形態において、店舗位置は、緯度及び経度によって表される。
【0029】
説明を
図2に戻す。ユーザ情報記憶部134は、ユーザごとに関連するユーザ情報を記憶する。ユーザ情報記憶部134は、ユーザごとに、ユーザIDとユーザ情報とを対応付けて記憶する。1ユーザに対応するユーザ情報には、ユーザ名、ユーザの各種属性(性別、年齢層等)を示すユーザ属性情報が含まれてよい。このようなユーザ情報は、例えば閲覧アプリケーションにおけるユーザプロフィールの入力画面に対するユーザの入力操作に応じて得られるようにされてよい。あるいは、ユーザ情報は、ユーザ端末装置200にて表示させたユーザプロフィール登録用のウェブページに対する操作に応じて得られるようにされてよい。
【0030】
図5を参照して、ユーザ分析サーバ300の構成例について説明する。同図のユーザ分析サーバ300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。
通信部301は、ネットワーク経由で通信を実行する。
【0031】
制御部302は、ユーザ分析サーバ300における各種制御を実行する。制御部302としての機能は、ユーザ分析サーバ300が備えるCPUがプログラムを実行することによって実現される。
制御部302は、消費行動圏導出部321と、ユーザ抽出部322とを備える。消費行動圏導出部321は、消費行動圏を導出する。ユーザ抽出部322は、消費行動圏が導出されたユーザのうちから、抽出対象エリアとして指定された地域範囲に該当する消費行動圏に対応するユーザを抽出する。
【0032】
記憶部303は、ユーザ分析サーバ300に対応する各種の情報を記憶する。同図の記憶部303は、消費行動圏情報記憶部331を記憶する。消費行動圏情報は、ユーザごとに導出された消費行動圏に関する情報である。
図6は、消費行動圏情報記憶部331が記憶する消費行動圏情報の一例を示している。同図における1レコード(1行)が1のユーザに対応する消費行動圏情報である。1のユーザに対応する消費行動圏情報は、ユーザID、消費行動圏、閲覧履歴情報、ユーザ属性情報の領域を含む。
ユーザIDの領域は、対応のユーザを示すユーザIDを格納する。
消費行動圏の領域は、対応のユーザについて導出された消費行動圏を示す情報が格納される。同図の例では、消費行動圏は、基準位置と圏半径との組み合わせによって表される。つまり、同図の例における消費行動圏は、基準位置を中心として圏半径を有する円の地域範囲として表される。また、同図では、基準位置は、緯度及び経度によって示される例を挙げている。
【0033】
また、同図では、ユーザID「ST000001」に対応して複数(この場合は2つ)の消費行動圏の情報が格納されている。即ち、本実施形態においては、後述するように、ユーザの現実の消費行動圏が複数の異なる地域範囲に分散している場合、これに対応して、複数の消費行動圏が導出される。
【0034】
閲覧履歴情報の領域は、対応のユーザの閲覧履歴情報を格納する。閲覧履歴情報の領域に格納される閲覧履歴情報は、店舗関連コンテンツサーバ100の閲覧履歴情報記憶部132に記憶される閲覧履歴情報から取得される。
ユーザ属性情報の領域は、対応のユーザについての属性を示すユーザ属性情報を格納する。ユーザ属性情報の領域に格納されるユーザ属性情報は、店舗関連コンテンツサーバ100のユーザ情報に記憶されるユーザ属性情報から取得される。
【0035】
なお、閲覧履歴情報とユーザ属性情報については、消費行動圏情報から省略されてよい。しかしながら、同図のように消費行動圏情報に閲覧履歴情報とユーザ属性情報とを含めておくことで、閲覧履歴情報やユーザ属性情報に基づくユーザに関する情報をユーザ分析情報利用端末400に送信するにあたり、ユーザ分析サーバ300が、逐一、店舗関連コンテンツサーバ100から対象ユーザの閲覧履歴情報やユーザ属性情報を取得する処理を行う必要がない。
【0036】
図7を参照して、本実施形態のユーザ分析サーバ300による、1ユーザに対応する消費行動圏の導出手法例について説明する。
図7(A)には、1のユーザの閲覧履歴に対応する店舗が地
図MP上に反映されている。つまり、同図においては、地
図MP上にて、ユーザが過去の一定期間において閲覧した電子チラシが対応する店舗の位置(店舗位置)が展開されている。同図には、地
図MP上において12個の店舗位置PS-1~PS-12が配置された例が示されている。以下の説明において店舗位置PS-1~PS-12について特に区別しない場合には、店舗位置PSと記載する。
【0037】
ユーザ分析サーバ300において、消費行動圏導出部321は、1ユーザの消費行動圏の導出にあたり、同図に示されるように、ユーザが過去の或る一定期間において閲覧した電子チラシが対応する店舗ごとの店舗位置を取得する。このため、消費行動圏導出部321は、対応のユーザについての過去の一定期間の閲覧履歴情報を、店舗関連コンテンツサーバ100から取得する。消費行動圏導出部321は、取得された閲覧履歴情報を利用して、ユーザが閲覧した電子チラシに対応する店舗の店舗IDを抽出する。そのうえで、消費行動圏導出部321は、抽出した店舗IDごとの店舗位置を、店舗関連コンテンツサーバ100の店舗情報記憶部133が記憶する店舗情報から取得する。このような処理の結果、同図に示されるように、消費行動圏導出部321は、ユーザが過去の一定期間において閲覧した電子チラシが対応する店舗の位置(店舗位置)を取得することができる。
【0038】
ここで、上記のように取得された店舗位置のうちには、例えばユーザが、たまたま何らかの事情で閲覧してしまった、ユーザの日常生活の行動範囲から大きく離れている店舗の電子チラシを閲覧したことにより得られたノイズ的なものも含まれている可能性がある。このようなノイズ的な店舗位置が得られる状況としては、例えば、ユーザが旅行などで滞在している場所に対応する電子チラシを適当に閲覧したような場合を挙げることができる。このようなノイズ的な店舗位置が消費行動圏の導出に用いられると、導出される消費行動圏の精度が低くなる。
【0039】
そこで、消費行動圏導出部321は、取得された店舗位置PS-1~PS-12のうちでノイズとして除外すべき店舗位置PSとしての条件(除外条件)を満たす店舗位置PSを、消費行動圏の導出に用いる店舗位置PSから除外する処理(除外処理)を実行する。同図においては、除外処理の結果、2つの店舗位置PS-11、PS-12が除外された例が示される。
除外条件としては特に限定されない。一例として、除外条件は、最も距離が近い他の店舗位置PSとの距離が一定以上であり、かつ対応の電子チラシの閲覧頻度が一定以下である、としてよい。
【0040】
この場合、消費行動圏の導出に利用する店舗位置PSは、店舗位置PS-1~PS-10となる。同図では、利用店舗位置PS-1~PS-10を全て含む最小の円を消費行動圏RGとして導出した例が示されている。
しかしながら、ユーザとしては、日常生活において、利用店舗位置PS-1~PS-10のそれぞれに対応する店舗を均等に利用しているとは限らず、特定の店舗のロイヤルティ(例えば、利用頻度、依存度、愛着度、信頼度等)が高い場合も多い。このような観点からすると、同図のように設定される消費行動圏RGでは、単にユーザが日常生活において利用する可能性のある店舗を含む地域を示すに留まり、ユーザの店舗に対するロイヤルティは反映されない。消費行動圏RGについてユーザの店舗へのロイヤルティが反映されるものとなれば、消費行動圏RGを用いたユーザの消費活動に対する施策を図るにあたり、消費行動圏RGがより有用なものとなって好ましい。
【0041】
そこで、本実施形態の消費行動圏導出部321は、以下に説明するように消費行動圏RGを導出する。
図7(B)には、
図7(A)と同様の店舗位置PS-1~PS-12が地
図MP上に展開されている。本実施形態においても、消費行動圏導出部321は、
図7(A)にて説明したのと同様の除外処理によって、店舗位置PS-1~PS-12のうち、2つの店舗位置PS-11、PS-12を利用店舗位置PSから除外し、利用店舗位置PS-1~PS-10を得る。
【0042】
そのうえで、本実施形態の消費行動圏導出部321は、利用店舗位置PS-1~PS-10に対応する店舗ごとの電子チラシの閲覧回数を取得する。消費行動圏導出部321は、店舗ごとの電子チラシの閲覧回数について、対応のユーザの閲覧履歴情報を参照することで取得できる。
【0043】
消費行動圏導出部321は、取得した店舗ごとの電子チラシの閲覧回数を利用して、利用店舗位置PS-1~PS-10のそれぞれに重み付け値を付与する。消費行動圏導出部321は、付与された重み付け値に基づいて基準位置PRを算出する。このために、消費行動圏導出部321は、例えば、店舗位置PS-1~PS-10の重心を算出してよい。重心の算出にあたり、消費行動圏導出部321は、利用店舗位置PS-1~PS-10ごとの重み付け値を利用する。消費行動圏導出部321は、このように算出された重心を基準位置PRとしてよい。本実施形態において、基準位置PRは、緯度及び経度によって表される。
上記のように算出される基準位置PRは、店舗位置PS-1~PS-10ごとに対応する店舗のうちで、ユーザのロイヤルティの高い店舗に近い位置に存在している可能性が高い。
【0044】
消費行動圏導出部321は、上記のように算出した基準位置PRを中心として、利用店舗位置PS-1~PS-10を含む最小の円(基準位置PRから最も遠い利用店舗位置PS-3までの距離を半径とする円)を導出する。このように導出される円が本実施形態の消費行動圏RGである。消費行動圏RGは、基準位置PRを中心とし、基準位置PRから最も遠い距離の店舗位置PSまでの半径として表すことができる。
このように導出された消費行動圏RGは、中心である基準位置PRに近いほど、消費行動においてユーザにとっての価値が高くなることを表すものとして捉えることができる。
【0045】
また、ユーザによっては、例えば自宅周辺及び勤務地周辺とのそれぞれで日常の消費活動を行うような場合もある。つまり、1のユーザが複数の消費行動圏を持つような場合がある。本実施形態においては、このような場合に対応して、1のユーザについて複数の消費行動圏を導出することができる。そこで、
図8を参照して、複数の消費行動圏の導出手法例について説明する。
【0046】
同図においては、地
図MP上にて26個の店舗位置PS-1~PS-12、PS-21~PS-34が展開されている。店舗位置PS-1~PS-34は、1のユーザが過去の一定期間において閲覧した電子チラシに対応する店舗ごとの位置である。また、同図では、店舗位置PS-1~PS-12については、
図7と同様のものを示している。即ち、同図では、
図7に示される店舗位置PS-1~PS-12に、さらに店舗位置PS-21~PS-34が追加された例を示している。
同図の例では、消費行動圏導出部321は、まず、除外処理によって、店舗位置PS-1~PS-12、PS-21~PS-34のうちから、店舗位置PS-11、PS-12、PS-31~PS-34を利用店舗位置PSから除外する。この結果、利用店舗位置PS-1~PS-10、PS-21~PS-30が得られる。
【0047】
消費行動圏導出部321は、利用店舗位置PS-1~PS-10、PS-21~PS-30の地
図MP上での分布に基づいて、利用店舗位置PS-1~PS-10、PS-21~PS-30の集合を、2つの利用店舗位置の集合に分割するようにグループ化を行う。利用店舗位置のグループ化にあたっては、例えば相互の距離が一定以下の利用店舗位置PSを1つの集合に属させていくように処理を行うようにされればよい。この場合、相互の距離が一定以上となる利用店舗位置PSについてはそれぞれが異なる集合に属するようにされ、結果的に、同図のように複数の利用店舗位置PSの集合が得られる。
同図では、利用店舗位置PS-1~PS-10が属する集合と、利用店舗位置PS-21~PS-30が属する集合との2つの集合が得られた例が示される。
【0048】
このように利用店舗位置PSが複数の集合に分割された場合、消費行動圏導出部321は、複数の集合ごとに対応する消費行動圏RGを導出する。つまり、同図の場合、消費行動圏導出部321は、利用店舗位置PS-1~PS-10の集合に対応する消費行動圏RG-1と、利用店舗位置PS-21~PS-30の集合に対応する消費行動圏RG-2とを導出する。
この場合、消費行動圏導出部321は、消費行動圏RG-1の導出のために、利用店舗位置PS-1~PS-10ごとに対応する店舗の電子チラシの閲覧回数に基づいて、利用店舗位置PS-1~PS-10ごとに重み付け値を設定する。消費行動圏導出部321は、設定された重み付け値を利用して利用店舗位置PS-1~PS-10に対応する基準位置PR-1を算出する。消費行動圏導出部321は、算出された基準位置PR-1を中心として、利用店舗位置PS-1~PS-10を含む最小の円を、消費行動圏RG-1として導出する。
また、消費行動圏導出部321は、消費行動圏RG-2の導出のために、利用店舗位置PS-21~PS-30ごとに対応する店舗の電子チラシの閲覧回数に基づいて、利用店舗位置PS-21~PS-30ごとに重み付け値を設定する。消費行動圏導出部321は、設定された重み付け値を利用して利用店舗位置PS-21~PS-30に対応する基準位置PR-2を算出する。消費行動圏導出部321は、算出された基準位置PR-2を中心として、利用店舗位置PS-21~PS-30を含む最小の円(基準位置PR-2から最も遠い利用店舗位置PS-29までの距離を半径とする円)を、消費行動圏RG-2として導出する。
【0049】
消費行動圏導出部321は、上記のように導出された消費行動圏の情報を、消費行動圏情報記憶部331に記憶させる。また、消費行動圏導出部321は、ユーザごとの消費行動圏の情報を例えば1日程度の周期で更新する。ユーザが消費の対象とする商品、サービスは、常に同じではなく、例えばこれまで欲しかったものを購入したり、インターネット、マスメディア、知人等から情報を得たりするなどのきっかけで、比較的短い周期で変化し得る。そこで、上記のように消費行動圏の情報が定期的に更新されるようにすることで、ユーザの消費に関する関心等の変化に追従して適切な消費行動圏を得ることができる。
【0050】
図9のフローチャートを参照して、本実施形態のユーザ分析サーバ300が消費行動圏の導出に関連して実行する処理手順例について説明する。説明を簡単にすることの便宜上同図では、1のユーザの消費行動圏を導出する処理について説明する。
【0051】
ステップS101:ユーザ分析サーバ300において消費行動圏導出部321は、消費行動圏の更新タイミングに至るのを待機する。消費行動圏の更新タイミングは、一定期間ごととなるように定められている。
【0052】
ステップS102:更新タイミングに至ったことが判定された場合、消費行動圏導出部321は、対象のユーザについての過去の一定期間における閲覧履歴情報を、店舗関連コンテンツサーバ100から取得する。
この場合、消費行動圏導出部321は、ユーザIDを指定した情報を含む閲覧履歴情報要求を店舗関連コンテンツサーバ100に送信する。店舗関連コンテンツサーバ100の制御部102は、受信された閲覧履歴情報要求において指定されるユーザIDに対応付けられている閲覧履歴情報を閲覧履歴情報記憶部132から読み出し、読み出した閲覧履歴情報をユーザ分析サーバ300に送信する。消費行動圏導出部321は、このように店舗関連コンテンツサーバ100から送信された閲覧履歴情報を取得する。
【0053】
ステップS103:消費行動圏導出部321は、ステップS102により取得された閲覧履歴情報より閲覧されたことが示される電子チラシに対応する店舗の店舗位置を取得する。
このため、消費行動圏導出部321は、閲覧履歴情報において閲覧したことが示される電子チラシのコンテンツIDを含む店舗位置要求を店舗関連コンテンツサーバ100に送信する。
店舗関連コンテンツサーバ100の制御部102は、受信された店舗位置要求に含まれるコンテンツIDに対応する店舗IDを、店舗関連コンテンツ情報記憶部131から取得する。制御部102は、取得した店舗IDごとに対応する店舗位置を、店舗情報記憶部133から取得する。制御部102は、取得した店舗位置をユーザ分析サーバ300に送信する。消費行動圏導出部321は、このように店舗関連コンテンツサーバ100から送信された店舗位置を取得する。
【0054】
ステップS104:消費行動圏導出部321は、ステップS103により取得された店舗位置のうちから、消費行動圏の導出の利用対象外となる店舗位置を、除外処理によって除外する。これにより、ステップS103により取得された店舗位置のうちから、利用店舗位置が特定される。
【0055】
ステップS105:消費行動圏導出部321は、利用店舗位置について1以上の集合に属させるようにグループ化の処理を実行する。
ステップS106:消費行動圏導出部321は、ステップS105により得られた店舗位置の集合ごとに基準位置を算出する。
ステップS107:消費行動圏導出部321は、算出された基準位置ごとに対応する消費行動圏を導出する。前述のように、消費行動圏導出部321は、基準位置を中心とし、集合において基準位置から最も遠い距離の店舗位置までを半径とする範囲を消費行動圏とする。
【0056】
ステップS108:消費行動圏導出部321は、ステップS107により導出された消費行動圏により、消費行動圏情報記憶部331に記憶される対象のユーザの消費行動圏情報の内容を更新する。
この際、消費行動圏導出部321は、対象のユーザの消費行動圏情報における領域のうち、消費行動圏の基準位置と圏半径の情報を更新する。また、消費行動圏導出部321は、ステップS108での消費行動圏情報の更新にあたり、消費行動圏情報における領域の情報に加えて、閲覧履歴情報の領域の情報についても、ステップS102により取得した閲覧履歴情報の内容が反映されるように更新してよい。
なお、消費行動圏情報におけるユーザ属性情報については、店舗関連コンテンツサーバ100が記憶するユーザ属性情報が更新されたタイミングに同期して更新されればよい。
【0057】
また、例えば1回の更新タイミングに対応して複数のユーザの消費行動圏情報を更新する場合には、消費行動圏導出部321は、同図のステップS101の処理の後において、対象のユーザごとに、ステップS102~S108の処理を実行すればよい。
【0058】
ユーザ分析情報利用端末400のオペレータは、ユーザ分析情報利用端末400をユーザ分析サーバ300にアクセスさせ、ユーザ分析サーバ300のユーザ分析結果を利用して得られた情報をユーザ分析情報利用端末400にて出力させることができる。
具体的に、オペレータは、ユーザ分析情報利用端末400を操作して抽出対象エリアとしての地域範囲を指定することができる。抽出対象エリアは、ユーザの抽出範囲として定められる地域範囲であり、例えば、ユーザに向けて提供する広告の対象となる地域範囲に応じて定められてよい。
ユーザ分析サーバ300は、指定された抽出対象エリアに消費行動圏が該当するユーザを抽出する処理(ユーザ抽出処理)を実行する。ユーザ分析サーバ300は、ユーザ抽出処理によるユーザ抽出結果をユーザ分析情報利用端末400に送信する。ユーザ分析情報利用端末400は、受信されたユーザ抽出結果を、表示、印刷等により出力することができる。
【0059】
そこで、
図10のフローチャートを参照して、ユーザ分析サーバ300がユーザ抽出処理に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:ユーザ分析情報利用端末400のオペレータは、ユーザ分析サーバ300が提供するユーザ抽出処理に対応するウェブページ(ユーザ抽出ウェブページ)にアクセスするためのログインの操作を行う。ログインの操作に応じて、ユーザ分析情報利用端末400からはログイン要求が送信される。ユーザ分析サーバ300のユーザ抽出部322は、受信されたログイン要求に応じた認証処理を実行する。
ステップS202:認証処理によって認証が成立すると、ユーザ抽出部322は、ユーザ抽出ウェブページをユーザ分析情報利用端末400に送信する。ユーザ分析情報利用端末400は、送信されたユーザ抽出ウェブページを表示部にて表示させる。表示されたユーザ抽出ウェブページは、オペレータがユーザ抽出に関連する操作を行う操作画面となる。
【0060】
ステップS203:ユーザ分析情報利用端末400のオペレータは、表示されたユーザ抽出ウェブページに対して、抽出対象エリアを指定する操作(抽出対象エリア指定操作)を行うことができる。抽出対象エリア指定操作は、例えばユーザ抽出ウェブページの画面にて表示された地図上で抽出対象エリアの中心位置を指定する操作と、抽出対象エリアの半径を指定する操作とを含む。
【0061】
また、ユーザ抽出ウェブページは、抽出基準を指定(選択)する操作が可能とされている。抽出基準として、1つは、抽出対象エリアに消費行動圏の少なくとも一部が重複するユーザを抽出対象ユーザとする、というように消費行動圏を基準とするものである(第1抽出基準)。抽出基準として、もう1つは、抽出対象エリアに消費行動圏に基準位置が含まれるユーザを抽出対象ユーザとする、というように基準位置を基準とするものである(第2抽出基準)。オペレータは、操作により第1抽出基準と第2抽出基準とのいずれかを指定することができる。
なお、抽出基準としてはさらに多くの選択肢があってよい。例えば、抽出対象エリアと重複する消費行動圏の面積比率が所定の閾値以上であることが抽出基準の選択肢に含まれてよい。この場合において、異なる閾値ごとに対応する抽出基準が選択肢に含まれてよい。
【0062】
また、ユーザ抽出ウェブページは、上記の抽出基準(第1抽出基準及び第2抽出基準)に加えて、さらに抽出するユーザについての絞り込み条件として、1以上のユーザ属性等を指定する操作が行えるようにされてよい。
【0063】
オペレータは、抽出対象エリアの指定、抽出基準の指定、絞り込み条件の指定等を行ったうえで、例えばユーザ抽出処理の実行を指示する操作(実行指示操作)を行う。
実行指示操作が行われたことに応じて、ユーザ分析情報利用端末400は、ユーザ抽出要求を、ユーザ分析サーバ300に送信する。ユーザ抽出要求には、指定された抽出対象エリアと抽出基準とを示す情報が含まれる。
ユーザ抽出ウェブページの送信後において、ユーザ抽出部322は、ユーザ抽出要求が受信されるのを待機する。
【0064】
ステップS204:ユーザ抽出要求が受信されると、ユーザ抽出部322は、受信されたユーザ抽出要求に含まれる抽出対象エリアの情報を利用して、ユーザ抽出処理に用いる抽出対象エリアを設定する。
ステップS205:また、ユーザ抽出部322は、受信されたユーザ抽出要求に含まれる抽出基準が第1抽出基準と第2抽出基準とのいずれを示しているのかについて判定する。
【0065】
ステップS206:ステップS205にて第1抽出基準が指定されていると判定された場合、ユーザ抽出部322は、ステップS204にて設定された抽出対象エリアに対して、消費行動圏の少なくとも一部が重複するユーザを抽出する。
この際、ユーザ抽出部322は、消費行動圏情報記憶部331が記憶する消費行動圏のうちで、設定された抽出対象エリアに含まれる位置(緯度、経度)のいずれかに一致する位置を含む消費行動圏を特定する。ユーザ抽出部322は、消費行動圏情報において、特定された消費行動圏に対応付けられたユーザIDを特定する。このように特定されたユーザIDが、ステップS206におけるユーザの抽出結果として得られる。
【0066】
ステップS207:一方、ステップS205にて第2抽出基準が指定されていると判定された場合、ユーザ抽出部322は、ステップS204にて設定された抽出対象エリアに対して、基準位置が含まれるユーザを抽出する。
この際、ユーザ抽出部322は、消費行動圏情報記憶部331が記憶する基準位置のうちで、設定された抽出対象エリアに含まれる位置(緯度、経度)のいずれかと一致するものを特定する。ユーザ抽出部322は、消費行動圏情報において、特定された基準位置に対応付けられたユーザIDを特定する。このように特定されたユーザIDが、ステップS207におけるユーザの抽出結果として得られる。
【0067】
ステップS208:ユーザ抽出部322は、ステップS206またはステップS207により得られたユーザ抽出結果を示す情報(抽出結果情報)を、ユーザ分析情報利用端末400に送信する。抽出結果情報は、ステップS206またはステップS207により特定されたユーザIDのリストを含む。また、抽出結果情報には、例えば特定されたユーザIDに対応付けられたユーザ属性情報等も含まれてよい。
なお、個人情報保護等の観点から、抽出されたユーザ数が一定以下であるような場合には、抽出結果情報として、ユーザ数が一定以下であることによりエラーとなったことを示す情報を送信するようにしてよい。
【0068】
ユーザ分析情報利用端末400は、受信された抽出結果情報を利用して、ユーザ抽出ウェブページにて、ユーザの抽出結果を示す画面(ユーザ抽出結果画面)情報が所定の態様で表示されるように出力する。
ユーザ抽出結果画面においては、例えば抽出されたユーザの数を示す情報が提示されてよい。また、抽出結果画面において、地図上に抽出対象エリアを配置したうえで、抽出されたユーザの消費行動圏を示す円や基準位置を示すマーク等を配置するようにしてもよい。ユーザ抽出結果画面においては、抽出されたユーザがいずれのユーザ属性に属しているのかを示す情報が提示されてもよい。例えば、ユーザ属性ごとに属するユーザの人数が提示されるようにしてよい、この際、例えば抽出されたユーザ全員に対して各ユーザ属性に属するユーザの人数の比率が提示されるようにしてよい。このようなユーザの人数の比率を提示するにあたっては、円グラフ、棒グラフ等のグラフを用いることができる。
【0069】
ステップS209:ステップS208の処理の後、あるいはステップS203にてユーザ抽出要求が受信されないことが判定された場合、ユーザ抽出部322は、ユーザ分析情報利用端末400がログアウトしたか否かについて判定する。
ユーザ分析情報利用端末400がログアウトしていないと判定された場合にはステップS203に処理が戻される。一方、ユーザ分析情報利用端末400がログアウトしたことが判定された場合には同図の処理を終了する。
【0070】
情報提供サーバ500は、ユーザ分析情報利用端末400により上記のように出力されたユーザの抽出結果に基づいて、特定のユーザに向けて情報提供をすることができる。具体的に、情報提供サーバ500は、ユーザ分析情報利用端末400により出力されたユーザの抽出結果が示すユーザのユーザIDに対応するユーザ端末装置200に対して、抽出対象エリアに該当する店舗の広告等の情報を提供(送信)する。情報提供サーバ500による情報の提供の態様は、例えば閲覧アプリケーションへのプッシュ通知であってもよいし、情報提供サーバ500が提供するウェブページに所定の態様で挿入される広告であってもよい。
【0071】
これまでの説明から理解されるように、本実施形態において導出される消費行動圏は、ユーザが閲覧した電子チラシの閲覧履歴に基づいている。電子チラシは、これから購入しようとする商品やサービスに関心のあるユーザにより閲覧されるものであり、逆に既に購入してしまった商品やサービスに対応する電子チラシをユーザが閲覧することは期待できない。このような点から、消費行動圏は、ユーザについての現時点以降において予測されるユーザの消費行動の地域的範囲であるということができる。このため、本実施形態の消費行動圏に基づいてユーザに広告等の情報提供を行うことは、例えば、ユーザの消費行動の結果としての購買履歴等に基づく場合よりも高い効果を期待できる。
また、本実施形態の消費行動圏の導出にあたっては、ユーザが閲覧した電子チラシに対応する店舗の位置が利用される。即ち、本実施形態においては、ユーザが事前に消費行動に関する地理的な情報を提供していなくとも、ユーザの消費行動圏を適切に導出することができる。
【0072】
なお、上記の説明では、消費行動圏導出部321は、消費行動圏の基準位置の算出にあたり、店舗単位に応じた電子チラシの閲覧回数に基づいて設定した重み付け値を店舗位置に付与するようにされていた。
重み付け値の設定にあたっては、さらに電子チラシの閲覧回数(閲覧履歴)以外の要素が利用されてよい。例えば、消費行動圏導出部321は、閲覧履歴に加えて、さらに店舗に関する属性(店舗属性)のうちの所定の店舗属性を利用してよい。具体例として、消費行動圏導出部321は、店舗規模を示す店舗属性をさらに利用して店舗位置の重み付け値を設定することで、店舗単位の電子チラシの閲覧回数に加えて店舗規模も加味された消費行動圏を導出することができる。
このように店舗属性を利用して店舗位置の重み付け値を設定する場合、例えば店舗関連コンテンツサーバ100の店舗情報記憶部133に、店舗ごとに対応させて、重み付け値の設定に利用される店舗属性の情報を記憶させておいてよい。そのうえで、消費行動圏導出部321は、店舗位置の重み付け値を設定するにあたり、閲覧履歴情報により閲覧されたことが示される電子チラシに対応する店舗ごとに、店舗位置とともに店舗属性の情報も店舗情報記憶133から取得してよい。
また、消費行動圏導出部321は、店舗属性を利用して店舗位置の重み付け値を設定するにあたり、店舗属性に基づいて、一定の条件に該当する(あるいは該当しない)店舗位置の重み付け値をゼロとしてもよい。これにより、電子チラシが閲覧された店舗であっても、一定の条件に該当する(あるいは該当しない)特定の店舗が消費行動圏の導出に影響を及ぼさないようにしたり、所定の属性に該当する店舗に限定した店舗位置による消費行動圏を導出することができる。
なお、消費行動圏算出部321は、例えば所定の店舗属性と所定のユーザ属性との組み合わせに応じた優先度を重み付け値に反映させてもよい。一例として、性別のユーザ属性が女性であるユーザについては、店舗の属性として店舗種別や販売商品種別が女性向きとされる店舗(例えば、化粧品販売店、女性会員限定のフィットネスクラブ等)の店舗位置に高い優先度を設定し、設定される重み付け値が高くなるようにしてよい。
なお、消費行動圏導出部321は、電子チラシの閲覧回数を利用せずに、店舗属性を利用して消費行動圏の基準位置を算出してもよい。
【0073】
なお、上記の説明では、消費行動圏は、基準位置を中心とする円である例を説明した。しかしながら、消費行動圏は、円以外の形状であってよい。例えば、基準位置は、利用店舗位置ごとの重み付けに応じて定まることから、利用店舗位置の位置関係によっては、導出される消費行動圏において店舗位置が存在しない範囲が多く含まれる結果となる可能性がある。このような場合に対応して、例えば消費行動圏については店舗位置が存在しない範囲を縮小するように楕円等の形状とするようにしてよい。
また、例えば川幅の広い河川などがあって、地元の住民に関してその河川を渡って消費行動をとることがないような知見が得られているような場合がある。そこで、ユーザ分析サーバ300の消費行動圏導出部321は、このような知見に基づくデータを利用して消費行動圏を導出してもよい。つまり、消費行動圏導出部321は、基準位置と基準位置を中心とする半径による円の消費行動圏を導出したうえで、地図と照合させる。照合の結果、消費行動圏が上記の河川のような消費行動の分断要素によって分断される場合には、河川により分断される消費行動圏部分のうちの一方を削除するようにして消費行動圏を補正してもよい。削除にあたっては、例えば分断される消費行動圏部分ごとに、店舗位置の数や、店舗ごとの電子チラシの閲覧履歴等に基づいて重要度を求め、重要度の低い消費行動圏部分を削除してよい。
【0074】
図9のフローチャートの処理では、消費行動圏導出部321は、電子チラシが閲覧された店舗に対応する店舗位置のうちから、消費行動圏に含めるべきでない店舗位置を除外し、この後に、除外されずに残った店舗位置を利用して消費行動圏を導出していた。
しかしながら、店舗位置の除外と消費行動圏の導出の手順は、同時的に行われてもよい。例えば、消費行動圏に含めることのできる店舗位置を所定の条件に従って特定していった結果、条件に該当せずに残った店舗位置が消費行動圏に含めるべきでないものとして特定されるようにしてよい。
また、消費行動圏導出部321としての処理は、学習処理やAI(Artificial Intelligence)処理が用いられてよい。
【0075】
なお、上述の店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、ユーザ分析サーバ300、ユーザ分析情報利用端末400、情報提供サーバ500等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の店舗関連コンテンツサーバ100、ユーザ端末装置200、ユーザ分析サーバ300、ユーザ分析情報利用端末400、情報提供サーバ500等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 店舗関連コンテンツサーバ、101 通信部、102 制御部、103 記憶部、131 店舗関連コンテンツ情報記憶部、132 閲覧履歴情報記憶部、133 店舗情報記憶部、134 ユーザ情報記憶部、200 ユーザ端末装置、300 ユーザ分析サーバ、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、321 消費行動圏導出部、322 ユーザ抽出部、331 消費行動圏情報記憶部、400 ユーザ分析情報利用端末、500 情報提供サーバ