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特許7107092画像形成装置、プリントジョブの終了通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】画像形成装置、プリントジョブの終了通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220720BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220720BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220720BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 838
G03G21/00 386
B41J29/38
B41J29/42 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018155366
(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公開番号】P2020031314
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】大畑 昭
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-153562(JP,A)
【文献】特開2016-043652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントジョブを含む複数のジョブを受け付け可能な受付手段と、
前記受付手段により受け付けた複数のジョブを実行するジョブ実行手段と、
自装置または外部に備えられ、生体情報の測定を行う測定機と、
前記ジョブ実行手段によるプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段によりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記測定機は生体情報の測定終了を通知する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通知手段は、自装置または前記測定機の少なくとも一方に備えられた表示手段への表示により、プリントジョブの実行終了を通知する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示手段は前記測定機による生体情報の測定終了をも表示する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判断手段は、プリントジョブの実行中に前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行中のプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断し、
前記判断手段によりユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、実行中のプリントジョブが前記測定機による生体情報の測定中のユーザーのジョブでないことを通知する請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、プリントジョブの実行が終了したことを、そのプリントジョブのユーザーの端末装置に通知する請求項1~5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記測定機による生体情報の測定中のユーザーの位置を認識する位置認識手段を備え、
前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記位置認識手段により認識された生体情報の測定中のユーザーの位置に基づいて、生体情報の測定中のユーザーのいない方向への視覚的または聴覚的方法によりプリントジョブの実行終了を通知する請求項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーの原稿読み取りを伴うプリントジョブが原稿読み取り中であれば、プリントジョブの実行終了を通知する請求項1~7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記測定機によるユーザーの生体情報の測定が片手測定で行われていれば、プリントジョブの実行
終了を通知し、両手測定で行われていれば通知を行わない請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記測定機による生体情報の測定中のユーザーの視線を検知する視線検知手段を備え、
前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記視線検知手段により検知された視線が、プリントジョブの実行終了を表示可能な表示手段に向いていなければ、前記通知手段は、前記表示手段にプリントジョブの実行終了を表示して通知し、視線が前記表示手段に向いていればプリントジョブの実行終了を表示しない請求項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
原稿読み取りを伴うプリントジョブの原稿及び/またはプリントジョブで出力された用紙の取り忘れがあった場合、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在するときは、前記通知手段は、測定終了後に原稿及び/または用紙の取り忘れを通知する請求項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
ファクシミリ装置を備え、
前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、前記ファクシミリ装置の通信音を鳴らさないように設定されている請求項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置が、
複数のプリントジョブを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けた複数のプリントジョブを連続的に実行するジョブ実行ステップと、
画像形成装置または外部に備えられた測定機により、生体情報の測定を行う測定ステップと、
前記ジョブ実行ステップによる1つのプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知ステップと、
を実行することを特徴とするプリントジョブの終了通知方法。
【請求項14】
生体情報の測定を行う測定機を備え、または前記測定機が外部に備えられた画像形成装置のコンピュータに、
複数のプリントジョブを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにより受け付けた複数のプリントジョブを連続的に実行するジョブ実行ステップと、
前記ジョブ実行ステップによる1つのプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザーの生体情報の測定を行うことが可能な画像形成装置、同装置で実行されるプリントジョブの終了通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、例えば、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等の複数の機能を有する多機能デジタル複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に、ストレス診断等のために血圧や心拍等の生体情報の測定を行う測定機を組み込んだものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。また、生体情報の測定は、人体の一部例えば両手を測定機に接触させて行われる場合が多い。
【0003】
ところで、上記のような画像形成装置にコピージョブを含む複数のプリントジョブが同時的に投入されることがある。画像形成装置は受け付けた複数のプリントジョブを順に実行するが、生産性を確保するため、ジョブとジョブの間の排紙間隔は1つのジョブの連続プリント中と同様に短く設定されている。このため1つのジョブの終了時にブザー音等を鳴らしてユーザーにジョブの終了を通知しているのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-30276号公報
【文献】特開2017-228996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、生体情報の測定を行う測定機が組み込まれた画像形成装置において、ユーザーが測定機による生体情報等の測定中に、プリントジョブの終了が通知されたとしても、両手を塞がれたユーザーは終了したプリントジョブが自身のものかどうかを排紙された用紙により確認することができないとか、確認のため測定機から手を離すと測定が中断してしまう、という課題がある。
【0006】
また、生体情報の測定は中断されたとしても、自身のプリントジョブが終了次第、出力物を持って立ち去りたいユーザーは、他のユーザーのジョブ終了通知を自身のジョブ終了通知と勘違いして測定を中断すると、無駄な待ち時間が発生してしまうという課題もある。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、ユーザーが生体情報の測定中であっても、自身のプリントジョブが終了したことを確実に認識することができ、他のユーザーのジョブの終了通知により生体情報の測定が中断される事態の発生を防止できる画像形成装置、同装置で実行されるプリントジョブの終了通知方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1)プリントジョブを含む複数のジョブを受け付け可能な受付手段と、前記受付手段により受け付けた複数のジョブを実行するジョブ実行手段と、自装置または外部に備えられ、生体情報の測定を行う測定機と、前記ジョブ実行手段によるプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段によりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記測定機は生体情報の測定終了を通知する前項1に記載の画像形成装置。
(3)前記通知手段は、自装置または前記測定機の少なくとも一方に備えられた表示手段への表示により、プリントジョブの実行終了を通知する前項1または2に記載の画像形成装置。
(4)前記表示手段は前記測定機による生体情報の測定終了をも表示する前項3に記載の画像形成装置。
(5)前記判断手段は、プリントジョブの実行中に前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行中のプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断し、前記判断手段によりユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、実行中のプリントジョブが前記測定機による生体情報の測定中のユーザーのジョブでないことを通知する前項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、プリントジョブの実行が終了したことを、そのプリントジョブのユーザーの端末装置に通知する前項1~5のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記測定手段による生体情報の測定中のユーザーの位置を認識する位置認識手段を備え、前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記位置認識手段により認識された生体情報の測定中のユーザーの位置に基づいて、生体情報の測定中のユーザーのいない方向への視覚的または聴覚的方法によりプリントジョブの実行終了を通知する前項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーの原稿読み取りを伴うプリントジョブが原稿読み取り中であれば、プリントジョブの実行終了を通知する前項1~7のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記通知手段は、前記測定機によるユーザーの生体情報の測定が片手測定で行われていれば、プリントジョブの実行終了を通知し、両手測定で行われていれば通知を行わない前項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)前記測定手段による生体情報の測定中のユーザーの視線を検知する視線検知手段を備え、前記判断手段により、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、前記視線検知手段により検知された視線が、プリントジョブの実行終了を表示可能な表示手段に向いていなければ、前記通知手段は、前記表示手段にプリントジョブの実行終了を表示して通知し、視線が前記表示手段に向いていればプリントジョブの実行終了を表示しない前項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)原稿読み取りを伴うプリントジョブの原稿及び/またはプリントジョブで出力された用紙の取り忘れがあった場合、前記測定手段による生体情報の測定中のユーザーが存在するときは、前記通知手段は、測定終了後に原稿及び/または用紙の取り忘れを通知する前項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)ファクシミリ装置を備え、前記測定手段による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、前記ファクシミリ装置の通信音を鳴らさないように設定されている前項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
(13)画像形成装置が、複数のプリントジョブを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けた複数のプリントジョブを連続的に実行するジョブ実行ステップと、画像形成装置または外部に備えられた測定機により、生体情報の測定を行う測定ステップと、前記ジョブ実行ステップによる1つのプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知ステップと、を実行することを特徴とするプリントジョブの終了通知方法。
(14)生体情報の測定を行う測定機を備え、または前記測定機が外部に備えられた画像形成装置のコンピュータに、複数のプリントジョブを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けた複数のプリントジョブを連続的に実行するジョブ実行ステップと、前記ジョブ実行ステップによる1つのプリントジョブの実行が終了した際に、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、前記測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップによりユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了を通知する通知ステップと、を実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0009】
前項(1)に記載の発明によれば、画像形成装置は、プリントジョブを含む複数のジョブを受け付けるとともに、受け付けた複数のジョブを順に実行する。画像形成装置または外部に備えられた測定機により、生体情報の測定が可能であるが、1つのプリントジョブの実行が終了した際に、生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかが判断され、ユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了が通知される。
【0010】
従って、測定機による生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブが終了したことを容易かつ確実に認識することができるから、他のユーザーのプリントジョブの終了を自身のプリントジョブの終了と勘違いして、測定中のユーザーが手を離してしまうこと等により測定を中断してしまう事態の発生を防止できる。
【0011】
前項(2)に記載の発明によれば、測定機からの通知によりユーザーは生体情報の測定が終了したことを認識することができる。
【0012】
前項(3)に記載の発明によれば、画像形成装置または測定機の少なくとも一方に備えられた表示手段の表示により、生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブが終了したことを認識することができる。
【0013】
前項(4)に記載の発明によれば、表示手段の表示により、ユーザーは生体情報の測定終了を認識できる。
【0014】
前項(5)に記載の発明によれば、実行中のプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でない場合、実行中のプリントジョブが生体情報の測定中のユーザーのジョブでないことが通知されるから、生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブの実行中でないことを容易に認識することができる。
【0015】
前項(6)に記載の発明によれば、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、プリントジョブの実行が終了したことが、そのプリントジョブのユーザーの端末装置に通知されるから、プリントジョブの実行を指示したユーザーは、自身のプリントジョブの実行が終了したことを容易に認識することができる。
【0016】
前項(7)に記載の発明によれば、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、生体情報の測定中のユーザーの位置に基づいて、生体情報の測定中のユーザーのいない方向への視覚的または聴覚的方法によりプリントジョブの実行終了が通知されるから、生体情報の測定中のユーザーが自身のプリントジョブの終了と勘違いして、測定中のユーザーが手を離してしまうこと等により生体情報の測定を中断してしまう事態の発生を防止しつつ、実行が終了したプリントジョブのユーザーに実行終了を知らせることができる。
【0017】
前項(8)に記載の発明によれば、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、生体情報の測定中のユーザーの原稿読み取りを伴うプリントジョブが原稿読み取り中であれば、他のユーザーのプリントジョブの実行終了が通知されても、生体情報の測定中のユーザーは自身のプリントジョブが終了したと勘違いすることはないので、プリントジョブの実行終了の通知を行うことで、他のユーザーにプリントジョブが終了したことを知らせることができる。
【0018】
前項(9)に記載の発明によれば、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、測定機によるユーザーの生体情報の測定が片手測定で行われていれば、一方の片手で排紙された用紙を確認して自身のプリントジョブの実行終了かどうかを確認できるから、プリントジョブの実行終了の通知が行われ、両手測定で行われていれば確認できないから、通知は行われない。
【0019】
前項(10)に記載の発明によれば、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、測定機による生体情報の測定中のユーザーが同一でないと判断された場合、視線検知手段により検知された視線が、プリントジョブの実行終了を表示可能な表示手段に向いていなければ、表示手段にプリントジョブの実行終了が表示され、視線が表示手段に向いていればプリントジョブの実行終了は表示されないから、他のユーザーのプリントジョブの終了を自身のプリントジョブの終了と勘違いして、測定を中断してしまう事態の発生を防止できる。
【0020】
前項(11)に記載の発明によれば、原稿読み取りを伴うプリントジョブの原稿及び/またはプリントジョブで出力された用紙の取り忘れがあった場合、生体情報の測定中のユーザーが存在するときは、測定終了後に、原稿及び/または用紙の取り忘れが通知されるから、生体情報の測定途中に原稿や用紙の取り忘れが通知されて、測定中のユーザーが手を離してしまうことによる測定の中断を防止できる。
【0021】
前項(12)に記載の発明によれば、生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、ファクシミリ装置の通信音を鳴らさないように設定されているから、生体情報の測定途中にファクシミリ装置の通信音によって、生体情報の測定中のユーザーが手を離してしまうことによる測定の中断を防止できる。
【0022】
前項(13)に記載の発明によれば、測定機による生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブが終了したことを容易かつ確実に認識することができるから、他のユーザーのプリントジョブの終了を自身のプリントジョブの終了と勘違いして、測定中のユーザーが手を離してしまうことにより測定を中断してしまう事態の発生を抑制できる。
【0023】
前項(14)に記載の発明によれば、測定機による生体情報の測定中のユーザーが、自身のプリントジョブが終了したことを容易かつ確実に認識することができる処理を、画像形成装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の正面図である。
図2】画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置の全体動作を示すフローチャートである。
図4図3におけるステップS4のジョブ中ユーザー通知処理の内容を示すフローチャートである。
図5図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理の内容を示すフローチャートである。
図6図5のフローチャートにおけるステップS508のユーザー位置確認処理の内容を示すフローチャートである。
図7図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理の別の例を示すフローチャートである。
図8図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理のさらに別の例を示すフローチャートである。
図9図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理のさらに別の例を示すフローチャートである。
図10図3のフローチャートにおけるステップS6の取り忘れ通知処理の内容を示すフローチャートである。
図11図3のフローチャートにおけるステップS7のFAX音処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この明細書において、「プリントジョブ」の語は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信されたプリントデータを印字するPCプリントジョブのみならず、画像読取装置(スキャナ)により読み取った原稿の画像を印字するコピージョブ、ボックスと称される記憶領域に保存されたデータを読み出して印字するジョブ等、印字対象データを用紙等の記録媒体に印字するジョブの全てを含む意味で用いられる。
【0026】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の正面図である。この実施形態では、画像形成装置1として、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等の機能を備えた多機能デジタル複合機である前述したMFPが用いられている。以下、画像形成装置をMFPともいう。
【0027】
MFP1は、MFP本体2を備えると共に、MFP本体2は、印字された記録媒体を排紙する排紙部21と、原稿をセットするための原稿載置部22等を備えている。
【0028】
また、MFP本体1の側面部には水平状の台3が突設されると共に、台3上には生体情報測定機4が載置されている。生体情報測定機4はMFP本体2とは別体で構成されたものであり、生体情報を検出するための検出器41を備えている。検出器41は、ユーザーが例えば検出器41の両側の把持部41a、41bをそれぞれ片方の手で把持することにより、ユーザーの生体情報である脈拍や血圧等を検出するものである。検出器41により検出されたユーザーの生体情報は、ブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信により生体情報測定機4に送信され、生体情報測定機4で測定管理され、必要に応じてストレス度等を計測するようになっている。
【0029】
なお、検出器41による生体情報の検出測定を、検出器41の両側の把持部41a、41bをそれぞれ片方の手で把持する両手測定により行うものとしたが、片手のみで把持する片手測定によって行う構成であっても良い。また、生体情報測定機4をMFP本体2とは別体で構成したが、生体情報測定機4をMFP本体2に一体的に組み込んで構成しても良い。
【0030】
図2はMFP1の電気的な構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、MFP1は、制御部100、記憶装置110、画像読取装置120、操作パネル130、画像出力装置140、プリンタコントローラ150、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)160、無線通信インターフェース(無線通信I/F)170、認証部180及びファクシミリ(以下、FAXともいう)装置190等を備え、互いにシステムバス175を介して接続されている。
【0032】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、S-RAM(Static Random Access Memory)103、NV-RAM(Non Volatile RAM)104及び時計IC105等を備えている。
【0033】
CPU101は、ROM102等に保存されている動作プログラムを実行することにより、MFP1の全体を統括的に制御する。例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能に制御する。更にこの実施形態では、プリントジョブの実行中または実行が終了した際に、生体情報測定機4による生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、実行中のプリントジョブまたは実行が終了したプリントジョブのユーザーと、生体情報測定機4による生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかを判断したり、判断結果に応じて、所定の通知を行う等の処理を行うが、詳細は後述する。
【0034】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムやその他のデータを格納する。
【0035】
S-RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に保存する。
【0036】
NV-RAM104は、バッテリでバックアップされた不揮発メモリであり、画像形成に係わる各種の設定等を記憶するものである。
【0037】
時計IC105は、時刻を計時すると共に、内部タイマーとして機能し処理時間の計測等を行う。
【0038】
記憶装置110は、ハードディスク等からなり、プログラムや各種データを保存する。
【0039】
画像読取装置120は、スキャナ等を備え、ラテンガラス上あるいは原稿載置部22にセットされた原稿を走査することによって読み取り、読み取った原稿を画像データに変換する。
【0040】
操作パネル130は、ユーザーがMFP1へジョブ等の指示や各種設定を行う際に用いられるものであり、リセットキー131、スタートキー132、ストップキー133、表示部134及びタッチパネル135等を備えている。
【0041】
リセットキー131は、設定をリセットする際に使用されるものであり、スタートキー132はスキャン等の開始操作に使用されるものであり、ストップキー133は動作を中断する場合等に押下されるものである。
【0042】
表示部134は、例えば液晶表示装置からなりメッセージや各種の操作画面等を表示するものであり、タッチパネル135は表示部134の画面上に形成され、ユーザーのタッチ操作を検出する。
【0043】
画像出力装置140は、画像読取装置120で読み取られた原稿の画像データや、端末装置3から送信されたプリントデータから生成された複写画像を用紙等の記録媒体上に印字し印刷物として出力するものである。画像読取装置120及び画像出力装置140等によりジョブ実行手段が形成される。
【0044】
プリンタコントローラ150は、ネットワークインターフェース160によって受信されたプリントデータから複写画像を生成するものである。
【0045】
ネットワークI/F160は、サーバーや端末装置等の外部装置との間でネットワーク5を介してデータの送受信を行う通信手段として機能する。
【0046】
無線通信インターフェース部170は、検出器41と生体情報測定機4との間で行われる短距離無線通信を、検出器41とMFP1との間でも行い、これによって検出器41の位置、つまり検出器41を把持するユーザーの位置を検出できるようになっている。なお、ユーザーの位置の検出は、MFP1の周囲に設けた1個または複数個の近接センサや人体検知センサ等によって行われても良い。
【0047】
認証部180はログインするユーザーの認証用情報を取得し、この認証用情報を予め記憶装置110等に保存されている照合用の情報と比較照合して認証を行うことで、ユーザーを特定するものである。なお、ユーザーの認証用情報と照合用の情報との比較照合は、外部の認証サーバーにより行い、認証部180が認証サーバーから認証結果を受信することにより認証が行われても良い。
【0048】
FAX装置190はFAX送受信部として機能する。
【0049】
生体情報測定機4は液晶パネル等からなる表示部42を備えており、生体情報測定機4による生体情報の測定結果や、測定終了等を表示部42に表示できるようになっている。また、生体情報測定機4はシステムバス175を介してMFP1の制御部100とも通信可能に接続されており、制御部100のCPU101は、生体情報測定を行っているユーザーの管理、生体情報の予測実行時間の登録、管理等を行い、また生体情報測定機4の表示部42に所定のメッセージ等を表示させる等の生体情報測定機4の制御を行えるようになっている。
【0050】
次に、図1に示したMFP1の動作を図3以降のフローチャートを参照して説明する。図3以降のフローチャートに示される動作は、MFP1のCPU101がROM102等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0051】
図3は全体動作を示すフローチャートである。ステップS1でMFPジョブ管理処理を実行する。MFPジョブ管理処理は、コピージョブ、スキャンジョブ(読み取った原稿の画像を所定宛先に送信するジョブ)、FAX送受信ジョブ、PCプリントジョブ、ボックスから読み出したデータを印字するジョブ、画像読取装置120で読み取った原稿の画像データをボックスに保存するジョブ等の各種のジョブを受け付けて、ジョブを指示したユーザーを特定するための識別情報であるユーザーID、ジョブを特定するためのジョブID、予測実行時間のそれぞれ登録・管理を行う処理である。なお、ユーザーIDは、PCプリントジョブの場合は、ジョブの実行を指示した外部装置側で付加され、MFP1により生成されたジョブについては、ジョブの受け付け時に認証部180で認証されたログインユーザーに対応するユーザーIDが付加される。
【0052】
ステップS2ではMFPジョブ実行処理を実行する。MFPジョブ実行処理は、MFPジョブ管理処理で登録された複数のジョブを登録順に実行する処理である。
【0053】
ステップS3では生体情報測定処理を行う。生体情報測定処理は、生体情報が測定されるユーザーを示すユーザーID、ジョブID、予測実行時間の登録・管理を行うと共に、生体情報の測定を実行する処理である。生体情報の測定は、ログインしているユーザーが行うものと考えられるため、ユーザーID、ジョブIDはログインユーザーのユーザーID、そのユーザーが作成し実行を指示したジョブがあればそのジョブIDを用いれば良い。また、PCプリントジョブ等のユーザーが生体情報の測定を行う場合は、別途認証処理を行ってユーザーIDを付与すれば良い。
【0054】
ステップS4ではジョブ中ユーザー通知処理を、ステップS5ではジョブ終了時ユーザー通知処理を、ステップS6では取り忘れ通知処理を、ステップS7ではFAX音処理を、それぞれ実行するが、これらの各処理については後述する。
【0055】
図4は、図3におけるステップS4のジョブ中ユーザー通知処理の内容を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS41ではプリントジョブの実行中かどうかを調べる。実行中でなければ(ステップS41でNO)、図4のフローチャートにリターンしてステップS5に進む。実行中であれば(ステップS41でYES)、ステップS42で、実行中ジョブのユーザーIDつまり実行中ジョブの実行を指示したユーザーを特定するためのユーザーIDを取得する。
【0057】
次いでステップS43で、生体情報測定中のユーザーのユーザーIDを取得したのち、ステップS44で、実行中ジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうか、換言すれば実行中のプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーが同一かどうか、を判断する。
【0058】
一致すれば(ステップS44でYES)、ステップS45で、測定中ユーザーのジョブを実行中であることを通知する。ユーザーIDが一致しなければ(ステップS44でNO)、ステップS46で、測定中ユーザーのジョブを実行中ではないことを通知する。通知は、MFP1または生体情報測定機の少なくとも一方により行い、MFP1の表示部134または生体情報測定機4の表示部42へのメッセージの表示により行っても良い。あるいはLED等のインジケータや音声等によって行ってもよい。
【0059】
このように、この実施形態では、実行中のプリントジョブのユーザーと、生体情報の測定中のユーザーが同一でない場合、実行中のプリントジョブが生体情報の測定中のユーザーのジョブでないことが通知されるから、生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブの実行中でないことを容易に認識することができる。
【0060】
図5は、図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理の内容を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS501ではプリントジョブが終了したかどうかを調べる。終了しなければ(ステップS501でNO)、ステップS509に進む。終了した場合(ステップS501でYES)、ステップS502で終了ジョブのユーザーIDを取得したのち、ステップS503で生体情報測定中のユーザーのユーザーIDを取得し、ステップS504で、終了ジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうかを判断する。
【0062】
一致すれば(ステップS504でYES)、ステップS505で、ジョブの実行終了を通知したのち、ステップS506で、ユーザーが指定した携帯端末等の端末装置へジョブ終了を通知することなく、ステップS509に進む。ジョブの実行終了の通知はMFP1,生体情報測定機4のいずれによって行われても良い。
【0063】
ステップS504でユーザーIDが一致しなければ(ステップS504でNO)、ステップS507で、終了ジョブのユーザーにより指定された端末装置へジョブ終了を通知した後、ステップS508でユーザー位置確認処理を実施して、ステップS509に進む。ユーザー位置確認処理については後述する。
【0064】
ステップS509では生体情報の測定が終了したかどうかを調べ、測定が終了すると(ステップS509でYES)、ステップS510で生体情報測定機4の表示部42への表示により測定終了を通知したのちリターンする。測定終了の通知はMFP1の表示部134への表示により行われても良い。ステップS509で測定が終了しなければ(ステップS509でNO)、リターンする。
【0065】
このようにこの実施形態では、実行が終了したプリントジョブのユーザーと、生体情報の測定中のユーザーが同一かどうかが判断され、ユーザーが同一であると判断された場合に、プリントジョブの実行終了が通知されるから、生体情報の測定中のユーザーは、自身のプリントジョブが終了したことを容易かつ確実に認識することができる。このため、他のユーザーのプリントジョブの終了を自身のプリントジョブの終了と勘違いして、生体情報測定中のユーザーが検出器41から手を離してしまうこと等により測定を中断してしまう事態の発生を防止できる。
【0066】
図6は、図5のフローチャートにおけるステップS508のユーザー位置確認処理の内容を示すフローチャートである。
【0067】
ステップS5081で、生体情報測定中のユーザーの位置を確認する。位置確認の結果、ユーザーがMFP1の手前に居る場合、ステップS5082に進み、MFP1の奥側のLEDを表示してジョブ終了を知らせ、ステップS5083で、パトランプをMFP1の奥側に向けて点灯してジョブ終了を知らせ、ステップS5084で、指向性スピーカーでMFP1の奥側に向けてジョブ終了を報知したのち、リターンする。LEDの表示、パトランプの点灯、指向性スピーカーによる報知のいずれか一つのみあるいは二つのみを実行しても良い。
【0068】
ユーザーがMFP1の左側に居る場合、ステップS5085に進み、MFP1の右側のLEDを表示してジョブ終了を知らせ、ステップS5086で、パトランプをMFP1の右側に向けて点灯してジョブ終了を知らせ、ステップS5087で、指向性スピーカーでMFP1の右側に向けてジョブ終了を報知したのち、リターンする。
【0069】
ユーザーがMFP1の右側に居る場合、ステップS5088に進み、MFP1の左側のLEDを表示してジョブ終了を知らせ、ステップS5089で、パトランプをMFP1の左側に向けて点灯してジョブ終了を知らせ、ステップS5090で、指向性スピーカーでMFP1の左側に向けてジョブ終了を報知したのち、リターンする。
【0070】
ユーザーがMFP1の奥に居る場合、ステップS5091に進み、MFP1の手前側のLEDを表示してジョブ終了を知らせ、ステップS5092で、パトランプをMFP1の手前側に向けて点灯してジョブ終了を知らせ、ステップS5093で、指向性スピーカーでMFP1の手前側に向けてジョブ終了を報知したのち、リターンする。
【0071】
このように、生体情報の測定中のユーザーと実行が終了したプリントジョブのユーザーが同一でないと判断された場合、生体情報の測定中のユーザーの位置に基づいて、生体情報の測定中のユーザーのいない方向へのLEDの表示やパトランプの点灯による視覚的方法、または指向性スピーカーでの報知による聴覚的方法によりプリントジョブの実行終了が通知されるから、生体情報の測定中のユーザーが他人のプリントジョブの終了通知を自身のプリントジョブの終了通知と勘違いして、検出器41から手を離すことにより生体情報の測定を中断してしまう事態の発生を防止しつつ、実行が終了したプリントジョブのユーザーに実行終了を知らせることができる。
【0072】
図7は、図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理の別の例を示すフローチャートである。この例では、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーが同一でなくても、生体情報の測定中のユーザーの原稿読み取りを伴うプリントジョブ(コピージョブ)が画像読取装置120による原稿の読み取り中である場合は、プリントジョブの終了を通知するようになっている。
【0073】
ステップS521ではプリントジョブが終了したかどうかを調べる。終了しなければ(ステップS521でNO)、リターンする。終了した場合(ステップS521でYES)、ステップS522で、終了ジョブのユーザーIDを取得し、ステップS523で、原稿読み取り中のプリントジョブ(スキャン中ジョブと記している)のユーザーIDを取得したのち、ステップS524で生体情報測定中のユーザーのユーザーIDを取得する。
【0074】
次いで、ステップS525で、終了したプリントジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうか、つまり終了ジョブは生体情報測定中のユーザーのプリントジョブかどうかを判断する。
【0075】
測定中ユーザーのプリントジョブであれば(ステップS525でYES)、ステップS526で、MFP1または生体情報測定機4によりプリントジョブの実行終了を通知したのち、リターンする。測定中ユーザーのプリントジョブでなければ(ステップS525でNO)、ステップS527で、スキャン中ジョブは生体情報測定中のユーザーのジョブかどうかを、スキャン中ジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうかにより判断する。スキャン中ジョブが生体情報測定中のユーザーのジョブであれば(ステップS527でYES)、ステップS526でプリントジョブの実行終了を通知したのち、リターンする。スキャン中ジョブが生体情報測定中のユーザーのジョブでなければ(ステップS527でNO)、ステップS528でプリントジョブの終了を通知せず、リターンする。
【0076】
このように、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーとが同一でないと判断された場合、生体情報の測定中のユーザーのプリントジョブが原稿読み取り中であれば、他のユーザーのプリントジョブの実行終了が通知されても、生体情報の測定中のユーザーは自身のプリントジョブが終了したと勘違いすることはない。このため、プリントジョブの終了通知を行うことで他のユーザーにプリントジョブが終了したことを知らせることができる。
【0077】
図8は、図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理のさらに別の例を示すフローチャートである。この例では、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーが同一でなくても、生体情報の測定が片手測定の場合には、プリントジョブの終了を通知するようになっている。
【0078】
ステップS531ではプリントジョブが終了したかどうかを調べる。終了しなければ(ステップS531でNO)、リターンする。終了した場合(ステップS531でYES)、ステップS532で、終了ジョブのユーザーIDを取得したのち、ステップS533で生体情報測定中のユーザーのユーザーIDを取得する。
【0079】
次いで、ステップS534で、終了したプリントジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうか、つまり終了ジョブは生体情報測定中のユーザーのプリントジョブかどうかを判断する。
【0080】
測定中ユーザーのプリントジョブであれば(ステップS534でYES)、ステップS535で、MFP1または生体情報測定機4によりプリントジョブの実行終了を通知したのち、リターンする。測定中ユーザーのプリントジョブでなければ(ステップS534でNO)、ステップS536で、生体情報の測定は片手測定かどうかを判断する。片手測定であれば(ステップS536でYES)、一方の片手により排紙された用紙を確認して自身のプリントジョブが終了したかどうかを確認できるから、ステップS535でプリントジョブの実行終了を通知したのち、リターンする。片手測定でなければ(ステップS536でNO)、ステップS537でプリントジョブの終了を通知せず、リターンする。
【0081】
このように、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーとが同一でないと判断された場合、生体情報の測定が片手測定であれば、測定中のユーザーは排紙された用紙の確認により自身のプリントジョブが終了したかどうかを確認できるから、通知を行っても生体情報測定中のユーザーが検出器41から手を離して測定が中断されてしまうといった不都合を回避しつつ、他のユーザーにプリントジョブが終了したことを知らせることができる。
【0082】
図9は、図3におけるステップS5のジョブ終了時ユーザー通知処理のさらに別の例を示すフローチャートである。この例では、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーが同一でなくても、生体情報の測定中のユーザーが操作パネル130の表示部134を見ていなければ、プリントジョブの終了を表示部134に表示して通知するようになっている。
【0083】
ステップS541ではプリントジョブが終了したかどうかを調べる。終了しなければ(ステップS541でNO)、リターンする。終了した場合(ステップS541でYES)、ステップS542で、終了ジョブのユーザーIDを取得したのち、ステップS543で生体情報測定中のユーザーのユーザーIDを取得する。
【0084】
次いで、ステップS544で、終了したプリントジョブのユーザーIDと生体情報測定中のユーザーのユーザーIDが一致するかどうか、つまり終了ジョブは生体情報測定中のユーザーのプリントジョブかどうかを判断する。
【0085】
測定中ユーザーのプリントジョブであれば(ステップS544でYES)、ステップS545で、MFP1または生体情報測定機4によりプリントジョブの実行終了を通知したのち、リターンする。測定中ユーザーのプリントジョブでなければ(ステップS544でNO)、ステップS546で、生体情報の測定中のユーザーが操作パネル130の表示部134を見ていないかどうかを判断する。ユーザーが操作パネル130の表示部134を見ていないかどうかは、カメラ等の視線検知装置によりユーザーの視線を調べて判断しても良いし、ユーザーの位置確認により、操作パネル130の表示部134を視認可能な位置にユーザーがいるかどうかを調べることにより判断しても良い。
【0086】
生体情報の測定中のユーザーが操作パネル130の表示部134を見ていなければ(ステップS546でYES)、ステップS545でプリントジョブの実行終了を表示部134に表示して通知したのち、リターンする。操作パネル130の表示部134を見ていれば(ステップS546でNO)、ステップS547でプリントジョブの終了を通知せず、リターンする。
【0087】
このように、終了したプリントジョブのユーザーと生体情報の測定中のユーザーとが同一でないと判断された場合、ユーザーの視線が、プリントジョブの実行終了を表示可能な表示部134に向いていなければ、他のユーザーのプリントジョブの実行終了が通知されても、生体情報の測定中のユーザーは自身のプリントジョブが終了したと勘違いすることはないので、表示部134を介して通知を行うことで、他のユーザーにプリントジョブが終了したことを通知することができる。
【0088】
図10は、図3のフローチャートにおけるステップS6の取り忘れ通知処理の内容を示すフローチャートである。取り忘れ通知処理は、読取後の原稿や排紙された用紙の取り忘れがあった場合の通知処理である。
【0089】
ステップS61では排紙された用紙または読み取られた原稿の取り忘れが有るかどうかを調べ、取り忘れがなければ(ステップS61でNO)、リターンする。取り忘れがあれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、生体情報の測定中でないかどうかを判断する。
【0090】
測定中でなければ(ステップS62でYES)、ステップS63で、原稿または用紙を取り忘れていることの警告を行う。測定中であれば(ステップS62でNO)、ステップS64で測定終了かどうかを調べる。測定終了でなければ(ステップS64でNO)、測定終了まで待つ。測定が終了すると(ステップS64でYES)、ステップS63で、原稿または用紙を取り忘れていることの警告を行う。
【0091】
このように、原稿や用紙の取り忘れがあった場合、生体情報の測定中のユーザーが存在するときは、測定終了後に、原稿及や用紙の取り忘れが通知されるから、生体情報の測定途中に原稿や用紙の取り忘れが通知されて、測定中のユーザーが手を離してしまうことによる測定の中断を防止できる。
【0092】
図11は、図3のフローチャートにおけるステップS7のFAX音処理の内容を示すフローチャートである。
【0093】
ステップS71では生体情報の測定中でないかどうかを調べ、測定中でなければ(ステップS71でYES)、ステップS72で、FAX装置190においてFAX送受信音が鳴るのを許可した後、リターンする。測定中であれば(ステップS71でNO)、ステップS73でFAX送受信音が鳴るのを禁止した後、リターンする。
【0094】
このように、生体情報の測定中のユーザーが存在する場合、FAX装置190の通信音を鳴らさないように設定されているから、生体情報の測定途中にFAX装置の通信音によって、生体情報の測定中のユーザーが手を離してしまうことによる測定の中断を防止できる。
【符号の説明】
【0095】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
21 排紙部
22 原稿載置部
4 生体情報測定機
41 検出器
41a、41b 把持部
42 表示部
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 記憶装置
120 画像読取装置
130 操作パネル
134 表示部
140 画像出力装置
170 無線通信インターフェース
180 認証部
190 ファクシミリ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11