(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220720BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220720BHJP
H01M 10/6235 20140101ALI20220720BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220720BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20220720BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H01M10/613
H01M10/6235
H01M10/6563
H01M10/6566
(21)【出願番号】P 2021015906
(22)【出願日】2021-02-03
(62)【分割の表示】P 2018520731の分割
【原出願日】2017-04-28
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2016109137
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】喜嶋 裕司
(72)【発明者】
【氏名】小林 晃洋
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-207197(JP,A)
【文献】特開2000-048864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0122692(US,A1)
【文献】特開2006-278032(JP,A)
【文献】国際公開第2016/067808(WO,A1)
【文献】特開2015-019535(JP,A)
【文献】特開2012-074161(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208710(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/613
H01M 10/6235
H01M 10/6563
H01M 10/6566
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを充電するよう構成された充電用回路部品を有する基板と、
前記電池パックを装着可能に構成された上面部と、前記上面部の下方に設けられた下面部と、前記上面部と前記下面部を接続する側面部と、を有し、内部に前記充電用回路部品を収容するケースと、
前記ケースの内部に第1気流を発生させる第1のファンと、
前記ケースの内部に第2気流を発生させる第2のファンと、
前記第1気流と前記第2気流を互いに分離するリブと、
を備えた充電装置であって、
前記上面部は、前記電池パックを略水平方向に案内するよう構成された一対のレール部と、前記電池パックと対向する位置に設けられた第1の風窓と、を有し、
前記側面部は、第2の風窓と、前記第2の風窓と対向する側面に設けられた第3の風窓と、を有し、
前記下面部は、第4の風窓と、下方に向かって突出する複数の脚部と、を有し、
前記第1のファンは、前記第1の風窓と前記第2の風窓の間の位置に設けられ、
前記第2のファンは、前記第3の風窓と前記第4の風窓の間の位置に設けられ、
前記ケースは、(1)前記第1のファンによって前記第1の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第1気流が、前記第1の風窓の下方に向かうよう流れ、前記第2の風窓から前記ケースの外部に流出するとともに、(2)前記第2のファンによって前記第4の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第2気流が、前記基板と沿うように流れ、前記第3の風窓から前記ケースの外部に流出するよう構成された、
ことを特徴とする、充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置であって、
前記第1のファンは、前記第1のファンの回転軸が前記上面部を向いて前記上面部に装着された前記電池パックの下方に配置され、前記電池パックを冷却するための前記第1気流を発生し、
前記第2のファンは、前記第2のファンの回転軸が前記基板と略平行になるよ
う配置され、前記充電用回路部品を冷却するための前記第2気流を発生する、
ことを特徴とする、充電装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の充電装置であって、
前記充電用回路部品の一部に取り付けられた放熱フィンが前記第2のファンと対向して配置される、
ことを特徴とする、充電装置。
【請求項4】
電池パックを装着可能な電池パック装着部が設けられた上面部と、前記上面部の下方に設けられた下面部と、前記上面部と前記下面部を接続する側面部と、を有するケースと、
前記ケースの内部に設けられた充電用回路部品と、
前記充電用回路部品が設けられた基板と、
前記ケースの内部に第1気流を発生させる第1のファンと、
前記ケースの内部に第2気流を発生させる第2のファンと、
前記上面部に設けられ、前記第1気流を前記ケースの内部に吸い込む第1の風窓と、
前記側面部に設けられ、前記第1気流を前記ケースの外部に流出する第2の風窓と、
前記下面部に設けられ、前記第2気流を前記ケースの内部に吸い込む第3の風窓と、
前記側面部のうち前記第2の風窓と対向する側面に設けられ、前記第2気流を前記ケースの外部に流出する第4の風窓と、を備え、
前記第1のファンは、前記第1のファンの回転軸が前記上面部を向いて前記電池パック装着部の下方に配置され、前記電池パック装着部に装着された前記電池パックを冷却するための前記第1気流を発生し、
前記第2のファンは、前記第2のファンの回転軸が前記基板と略平行になるように配置され、前記充電用回路部品を冷却するための前記第2気流を発生
する、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の充電装置であって、
前記第1気流と前記第2気流を互いに分離するリブを備え、
前記ケースは、(1)前記第1のファンによって前記第1の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第1気流が、前記第1の風窓の下方に向かうよう流れ、前記第2の風窓から前記ケースの外部に流出するとともに、(2)前記第2のファンによって前記第3の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第2気流が、前記基板と沿うように流れ、前記第4の風窓から前記ケースの外部に流出するよう構成された、
ことを特徴とする、充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコードレス電動工具に着脱可能に装着される電池パックを充電する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コードレス電動工具は、駆動源であるモータに電力を供給するための電池パックを着脱可能に装着する。電池パックは、充電可能なリチウム電池等の二次電池セルを内蔵する。電池パックの充電には充電装置が用いられる。充電装置は、充電中の電池パックを冷却するためのファンを内蔵する。充電装置に装着された電池パックの風窓と、充電装置の吸気口とが連通し、前記ファンの発生した気流が電池パックの内部を通って充電装置内に吸い込まれ、充電装置の排気口から排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電池パックの高容量化に伴い充電装置による充電時間の短縮化が進んでいる一方で、充電装置の小型化が進んでいる。そのため、充電中の電池パック及び充電用回路部品の発熱が懸案となっている。
【0005】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、充電中の電池パック及び充電用回路部品を好適に冷却することの可能な充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、充電装置である。この充電装置は、
電池パックを充電するよう構成された充電用回路部品を有する基板と、
前記電池パックを装着可能に構成された上面部と、前記上面部の下方に設けられた下面部と、前記上面部と前記下面部を接続する側面部と、を有し、内部に前記充電用回路部品を収容するケースと、
前記ケースの内部に第1気流を発生させる第1のファンと、
前記ケースの内部に第2気流を発生させる第2のファンと、
前記第1気流と前記第2気流を互いに分離するリブと、
を備えた充電装置であって、
前記上面部は、前記電池パックを略水平方向に案内するよう構成された一対のレール部と、前記電池パックと対向する位置に設けられた第1の風窓と、を有し、
前記側面部は、第2の風窓と、前記第2の風窓と対向する側面に設けられた第3の風窓と、を有し、
前記下面部は、第4の風窓と、下方に向かって突出する複数の脚部と、を有し、
前記第1のファンは、前記第1の風窓と前記第2の風窓の間の位置に設けられ、
前記第2のファンは、前記第3の風窓と前記第4の風窓の間の位置に設けられ、
前記ケースは、(1)前記第1のファンによって前記第1の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第1気流が、前記第1の風窓の下方に向かうよう流れ、前記第2の風窓から前記ケースの外部に流出するとともに、(2)前記第2のファンによって前記第4の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第2気流が、前記基板と沿うように流れ、前記第3の風窓から前記ケースの外部に流出するよう構成された、ことを特徴とする。
【0011】
前記第1のファンは、前記第1のファンの回転軸が前記上面部を向いて前記上面部に装着された前記電池パックの下方に配置され、前記電池パックを冷却するための前記第1気流を発生し、
前記第2のファンは、前記第2のファンの回転軸が前記基板と略平行になるよう配置され、前記充電用回路部品を冷却するための前記第2気流を発生してもよい。
【0012】
前記充電用回路部品の一部に取り付けられた放熱フィンが前記第2のファンと対向して配置されてもよい。
【0013】
本発明の別の態様は、充電装置である。この充電装置は、
電池パックを装着可能な電池パック装着部が設けられた上面部と、前記上面部の下方に設けられた下面部と、前記上面部と前記下面部を接続する側面部と、を有するケースと、
前記ケースの内部に設けられた充電用回路部品と、
前記充電用回路部品が設けられた基板と、
前記ケースの内部に第1気流を発生させる第1のファンと、
前記ケースの内部に第2気流を発生させる第2のファンと、
前記上面部に設けられ、前記第1気流を前記ケースの内部に吸い込む第1の風窓と、
前記側面部に設けられ、前記第1気流を前記ケースの外部に流出する第2の風窓と、
前記下面部に設けられ、前記第2気流を前記ケースの内部に吸い込む第3の風窓と、
前記側面部のうち前記第2の風窓と対向する側面に設けられ、前記第2気流を前記ケースの外部に流出する第4の風窓と、を備え、
前記第1のファンは、前記第1のファンの回転軸が前記上面部を向いて前記電池パック装着部の下方に配置され、前記電池パック装着部に装着された前記電池パックを冷却するための前記第1気流を発生し、
前記第2のファンは、前記第2のファンの回転軸が前記基板と略平行になるように配置され、前記充電用回路部品を冷却するための前記第2気流を発生する、ことを特徴とする。
【0014】
前記第1気流と前記第2気流を互いに分離するリブを備え、
前記ケースは、(1)前記第1のファンによって前記第1の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第1気流が、前記第1の風窓の下方に向かうよう流れ、前記第2の風窓から前記ケースの外部に流出するとともに、(2)前記第2のファンによって前記第3の風窓から前記ケースの内部に流入した前記第2気流が、前記基板と沿うように流れ、前記第4の風窓から前記ケースの外部に流出するよう構成されてもよい。
【0017】
【0018】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、充電中の電池パック及び充電用回路部品を好適に冷却することの可能な充電装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る充電装置1Aの第1斜視図。
【
図4】充電装置1Aで充電可能な電池パック5の斜視図。
【
図5】充電装置1Aに電池パック5を装着した状態の斜視図。
【
図6】充電装置1Aに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【
図7】本発明の実施の形態2に係る充電装置1Bに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【
図9】本発明の実施の形態3に係る充電装置1Cに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【
図10】本発明の実施の形態4に係る充電装置1Dに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【
図11】本発明の実施の形態5に係る充電装置1Eに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【
図12】本発明の実施の形態6に係る充電装置1Fに電池パック5を装着した状態の正断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0022】
(実施の形態1)
図1~
図6を参照し、本発明の実施の形態1に係る充電装置1Aについて説明する。充電装置1Aは、上ケース2及び下ケース3を組み合わせたケースを備える。上ケース2及び下ケース3は、例えば樹脂成形体である。
図2及び
図3に示すように、下ケース3は、下面に設置部となる複数の脚部3aを有する。上ケース2は、電池パック5を着脱可能に装着(スライド装着)する電池パック装着部2aを上面に有する。充電装置1は、図示しない電源コードにより商用電源等の外部電源に接続され、当該外部電源からの供給電力により、電池パック装着部2aに装着した電池パック5を充電する。なお、充電に関する構成は従来と同じでよいのでここでは説明を省略する。
【0023】
図1に示すように、上ケース2は、電池パック装着部2aに開口する所定数の風窓7を有する。
図4に示すように、電池パック5は、上ケース2の電池パック装着部2aに臨む所定数の風窓5aを有する。風窓5a及び風窓7は、
図5及び
図6に示すように充電装置1Aに電池パック5を装着した状態で、相互に連通する。
図4及び
図5に示すように、電池パック5は、前面に風窓5bを有する。
図6に示すように、下ケース3は、下面に開口する風窓6を有する。風窓6は、電池パック装着部2aの下方に位置する。下ケース3は、風窓8を有する。風窓8は、自身と後述のファン15との間の風路に後述の充電用回路部品が存在する位置に開口する。本実施の形態では、電池パック5の風窓5aは吸気口であり、風窓5bは排気口である。また、充電装置1Aの風窓6は第1吸気口であり、風窓8は第2吸気口であり、風窓7は排気口である。
【0024】
図6に示すように、上ケース2及び下ケース3によって形成される内部空間には、基板4、基板4上に設けられた充電用回路部品、及びファン15が設けられる。充電用回路部品は、FET等のスイッチング素子21、フォトカプラ22、トランス23、ダイオード24、及び放熱フィン25~27等を含む。ファン15は、軸流ファンであって、下方から空気を吸い込んで上方に送り出すように、上ケース2のリブ13によって電池パック装着部2aの直下に保持される。基板4及びそれに設けられた充電用回路部品は、風窓6と風窓7との間を避けた位置に設けられる。ファン15の下方の空間と基板4の収容空間との間は、風窓7から浸入した水等の液体が基板4の収容空間に流出しないように、下ケース3のリブ14によって仕切られる。
【0025】
ファン15の発生する気流は、第1気流k1及び第2気流k2を含む。第1気流k1は、風窓6から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通らずに風窓7に向かって流れ、風窓7から排気される。第2気流k2は、風窓8から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、ファン15の吸込み側において第1気流k1と合流して風窓7に向かって流れ、風窓7から排気される。風窓7から排気された第1気流k1及び第2気流k2は、電池パック5の風窓5aから電池パック5内に入り、電池パック5内の電池セル等を冷却し、風窓5bから排気される。
【0026】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0027】
(1) 基板4上の充電用回路部品を第2気流k2により冷却しつつ、充電用回路部品を冷却していない第1気流k1を第2気流k2と合流させて電池パック5の冷却に利用するため、充電用回路部品を冷却した後の気流のみで電池パック5を冷却する場合と比較して、電池パック5の冷却効率を高めることができる。
【0028】
(2) 第1気流k1及び第2気流k2を単一のファン15で発生させるため、部品点数が少なくコスト安であり、また小型化に有利である。
【0029】
(3) 電池パック5を装着していない状態で風窓7から水等の液体が入り込んでも、風窓6から排水でき、防水面でも優れている。
【0030】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る充電装置1Bに電池パック5を装着した状態の正断面図である。
図8は、同状態の右側断面図である。なお、
図8において、風窓5bは、簡易的に1つのみを大きく示している。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。ファン15は、上方から空気を吸い込んで下方に送り出すように、下ケース3によって電池パック装着部2aの下方かつ風窓6の真上に保持される。ファン16は、軸流ファンであって、
図7中の右方(風窓7の下方の空間)から空気を吸い込んで左方(基板4及び充電用回路部品側)に送り出すように、下ケース3によって電池パック装着部2aの下方に保持される。風窓8は、自身とファン16との間の風路に基板4上の充電用回路部品が存在する位置に開口する。本実施の形態では、電池パック5の風窓5aは排気口であり、風窓5bは吸気口である。また、充電装置1Bの風窓6は第1排気口であり、風窓7は吸気口であり、風窓8は第2排気口である。
【0031】
ファン15及びファン16は、第1気流k1及び第2気流k2を発生する。第1気流k1は、風窓7から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通らずに風窓6に向かって流れ、風窓6から排気される。第2気流k2は、風窓7から吸い込まれ、第1気流k1から分岐し、基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気される。第1気流k1及び第2気流k2は、
図8に示すように、風窓7から吸い込まれる前に、電池パック5の風窓5bから電池パック5内に吸い込まれ、電池パック5内の電池セル5c等を冷却し、風窓5aから排気され、風窓7から充電装置1B内に吸い込まれる。
【0032】
本実施の形態によれば、2つのファン15,16によって発生した強力かつ新鮮な気流で電池パック5を冷却するため、電池パック5の冷却効率が高められる。また、電池パック5を冷却後の第2気流k2によって基板4上の充電用回路部品も冷却するため、充電用回路部品の発熱にも好適に対処できる。また、防水面では実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0033】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る充電装置1Cに電池パック5を装着した状態の正断面図である。充電装置1Cは、
図7に示した実施の形態2の充電装置1Bからファン15を無くしたものに相当する。本実施の形態では、風窓6は第1吸気口であり、風窓7は第2吸気口であり、風窓8は排気口である。ファン16は、第1気流k1及び第2気流k2を発生する。第1気流k1は、風窓7から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気される。第1気流k1は、風窓7から吸い込まれる前に、実施の形態2(
図8)と同様に、電池パック5を冷却する。第2気流k2は、風窓6から吸い込まれ、ファン16の吸込み側(風窓7の下方の空間)で第1気流k1と合流し、基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気される。
【0034】
本実施の形態によれば、第1気流k1によって電池パック5を冷却しつつ、電池パック5を冷却していない第2気流k2を第1気流k1と合流させて基板4上の充電用回路部品の冷却に利用するため、電池パック5を冷却した後の気流のみで充電用回路部品を冷却する場合と比較して、充電用回路部品の冷却効率を高めることができる。また、第1気流k1及び第2気流k2を単一のファン16で発生させるため、実施の形態1と同様に、部品点数が少なくコスト安であり、小型化に有利である。また、防水面においても実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0035】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4に係る充電装置1Dに電池パック5を装着した状態の正断面図である。充電装置1Dは、
図9に示した実施の形態3のものと比較して、ファン17が追加され、下ケース3の風窓8が上ケース2に風窓9に替わった点で相違し、その他の点で一致する。ファン17は、基板4上の充電用回路部品を挟んでファン16の反対側に設けられ、
図10の右方(充電用回路部品側)から空気を吸い込んで左方風窓9側に送り出すように、下ケース3によって保持される。本実施の形態によれば、ファンが2つになったことにより、実施の形態3と比較して部品点数は増加するが、冷却風の風量を増大させることができる。また、排気口となる風窓9が充電装置1Dの上部に設けられるため、充電用回路部品の上部を重点的に冷却できる。
【0036】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る充電装置1Eに電池パック5を装着した状態の正断面図である。充電装置1Eは、
図6に示した実施の形態1のものと比較して、ファン16が追加され、下ケース3に吸気口となる風窓10が追加された点で相違し、その他の点で一致する。ファン16は、
図9に示した実施の形態3と同様の配置である。ファン15及びファン16は、第1気流k1及び第2気流k2を発生する。第1気流k1は、風窓6から吸い込まれ、ファン15及びファン16の吸込み側において第2気流k2と合流し、一部は基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気され、残りは基板4上の充電用回路部品を通らずに風窓7に向かって流れ、風窓7から排気される。第2気流k2は、風窓10から吸い込まれ、ファン15及びファン16の吸込み側において第1気流k1と合流し、一部は基板4上の充電用回路部品を通らずに風窓7に向かって流れ、風窓7から排気され、残りは基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気される。本実施の形態によれば、2つのファン15,16によって発生した強力かつ新鮮な気流で電池パック5及び基板4上の充電用回路部品を冷却するため、電池パック5及び充電用回路部品の冷却効率が高められる。また、防水面では実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0037】
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6に係る充電装置1Fに電池パック5を装着した状態の正断面図である。充電装置1Fは、
図11に示した実施の形態5のものと比較して、第1気流k1及び第2気流k2がリブ12によってガイドされて互いに分離している(独立している)点で相違し、その他の点で一致する。ファン15及びファン16は、第1気流k1及び第2気流k2を発生する。第1気流k1は、風窓6から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通り(充電用回路部品を冷却し)、風窓8に向かって流れ、風窓8から排気される。第2気流k2は、風窓10から吸い込まれ、基板4上の充電用回路部品を通らずに風窓7に向かって流れ、風窓7から排気される。本実施の形態によれば、2つのファン15,16によって発生した強力かつ新鮮な気流で電池パック5及び基板4上の充電用回路部品を冷却するため、電池パック5及び充電用回路部品の冷却効率が高められる。また、防水面では実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0038】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0039】
図7、
図11及び
図12の構成において、ファン15及びファン16に替えて例えば斜め配置の単一の遠心ファンを用いることで、単一ファンによって第1気流k1及び第2気流k2を発生させてもよい。この場合、冷却風の風量は落ちるが部品点数を削減できる。
図11及び
図12において、ファン15及びファン16の向きを反転させ、風窓7,8が吸気口、風窓6,10が排気口になるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1A~1F…充電装置(充電器)、2…上ケース(上外枠)、2a…電池パック装着部、3…下ケース(下外枠)、3a…脚部、4…基板(メイン基板)、5…電池パック、5a,5b…風窓、6~10…風窓、12~14…リブ、15~17…ファン、21…スイッチング素子、22…フォトカプラ、23…トランス、24…ダイオード、25~27…放熱フィン、k1…第1気流、k2…第2気流