(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】小梁位置調整治具及び建物用ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/18 20060101AFI20220720BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
E04G21/18 C
E04B1/348 K
E04B1/348 Y
E04B1/348 H
(21)【出願番号】P 2019042800
(22)【出願日】2019-03-08
【審査請求日】2021-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】町田 大祐
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-112039(JP,A)
【文献】特開2016-183495(JP,A)
【文献】特開平09-296608(JP,A)
【文献】特開2017-014820(JP,A)
【文献】特開2017-020288(JP,A)
【文献】特開平11-129095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/22
E04B 1/00- 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿う一平面が大梁の基準面に当接される当て面とされた棒状の把持部と、
前記大梁に接合される小梁における前記大梁の長手方向に沿う幅寸法よりも小幅の所定寸法にされ前記把持部の長手方向の一端側において該把持部から突出するように設けられ、前記基準面に前記当て面が当接された状態で前記小梁の内部に挿入され、前記小梁の内面に当接されたことで該小梁を支持可能な挿入部と、
前記把持部の前記当て面と前記挿入部の前記小梁の内面への接触部分との間が所定寸法の段差となるように前記把持部と前記挿入部とを連結する連結部と、
を含む小梁位置調整治具。
【請求項2】
前記連結部に
おける前記当て面と前記挿入部の前記小梁の内面への接触部分との間の前記段差は、前記大梁の基準面と前記小梁の前記基準面側の面との間の間隔寸法
と前記小梁の肉厚
との和となる寸法に形成されている請求項1に記載の小梁位置調整治具。
【請求項3】
前記挿入部には、
前記小梁の内面への接触部分として、幅方向の中間部に突出され、前記小梁の内面に当接して該小梁を支持する支持部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の小梁位置調整治具。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の小梁位置調整治具を用いて、大梁側に小梁を接合した建物用ユニットの製造方法であって、
前記基準面が上方に向けられた前記大梁の長手方向の所定位置において、前記把持部の前記当て面を前記基準面に対して傾斜させかつ前記大梁の前記小梁側部分に当接させた状態で前記挿入部を前記小梁の内部に挿入し、
前記把持部の前記大梁の前記小梁側の接触部分を軸に前記当て面が前記基準面に面接触するように回転させて前記小梁を持ち上げ、
前記把持部の前記当て面が前記基準面に接触する位置まで前記小梁を持ち上げることで前記大梁に対して前記小梁を位置調整して、
位置調整後の状態で前記大梁側に前記小梁を接合する、
ことを含む建物用ユニットの製造方法。
【請求項5】
一対の前記大梁の間に架け渡される前記小梁の長手方向の両側を、並行して前記大梁の各々に対して位置調整することを含む請求項4に記載の建物用ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大梁に対する小梁の位置調整のための小梁位置調整治具、及び小梁位置調整治具を用いた建物用ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅には、複数の矩形枠状の建物用ユニットが用いられたユニット式住宅がある。ユニット式住宅では、縦横に隣接する建物用ユニットが連結されて軽量鉄骨構造の躯体が構成されている。
【0003】
特許文献1には、建物ユニット同士の梁間の段差を解消する梁高さ位置調整治具が開示されている。梁高さ位置調整治具は、上下方向の寸法が梁の高さ寸法より長い中間片、中間片の上下方向の一端から略直角に突出した梁受け片、及び中間片の上下方向の他端から梁受け片とは反対側に略直角に突出すると共にねじ軸が螺合される調整片を含む本体を備えている。梁高さ位置調整治具は、隣接する梁の間に本体の中間片を挿入し、梁受け片を一方の梁面に掛止めすると共に、調整片に螺合したねじ軸の先端を他方の梁面に当接させ、ねじ軸を回転させることで、隣接する梁の梁高さ位置が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建物用ユニットは、上側(天井側)及び下側(床側)にフレームを備えており、フレームは、一対の大梁の間に複数の小梁が架け渡されて略梯子状に構成されている。建物用ユニットでは、フレームを構成する複数の小梁の各々が大梁に対する高さ位置などが揃えられた状態で接合されていることが好ましい。
【0006】
一般に、大梁に接合される小梁には、一般構造用角形鋼管やリップ溝形鋼が多用されており、大梁に対する小梁の高さを調整して接合する際、小梁内に手を差し入れることで、小梁を容易に持ち上げることができる。
【0007】
しかしながら、フレームでは、小梁の先端が大梁に接近しているため、大梁に対する小梁の高さを調整して接合する際、小梁内に手を差し入れるのが難しく、大梁に対する小梁の位置調整が難しいという問題がある。
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、大梁に対する小梁の位置調整を容易にできる小梁位置調整治具、及び大梁に対する小梁の位置が揃えられた建物用ユニットの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の態様の小梁位置調整治具は、長手方向に沿う一平面が大梁の基準面に当接される当て面とされた棒状の把持部と、前記大梁に接合される小梁における前記大梁の長手方向に沿う幅寸法よりも小幅の所定寸法にされ前記把持部の長手方向の一端側において該把持部から突出するように設けられ、前記基準面に前記当て面が当接された状態で前記小梁の内部に挿入され、前記小梁の内面に当接されたことで該小梁を支持可能な挿入部と、前記把持部の前記当て面と前記挿入部の前記小梁の内面への接触部分との間が所定寸法の段差となるように前記把持部と前記挿入部とを連結する連結部と、を含む。
【0010】
第1の態様において、大梁に接合される小梁は、長手方向が大梁の長手方向と交差するように配置される。第1の態様の小梁位置調整治具では、長手方向に沿う一平面が大梁の基準面に当接される当て面とされた棒状の把持部、大梁側から小梁に挿入される挿入部、及び把持部と挿入部とを一体に連結する連結部により構成されている。
【0011】
ここで、大梁の長手方向の所定位置において、大梁の基準面に把持部の当て面を接触させて、挿入部を小梁内部に挿入することで、挿入部によって小梁を大梁の長手方向に対する凡その位置に配置できる。
【0012】
また、把持部の当て面を大梁の基準面に面接触させることで、連結部を介して把持部に連結されている挿入部によって小梁を持ち上げることができる。この連結部は、把持部の当て面と挿入部の小梁内面への接触部分との間が所定寸法の段差となるように把持部と挿入部とを連結している。このため、挿入部によって持ち上げられた小梁は、大梁の基準面に対して所定高さ位置に配置される。これにより、複数の小梁の各々の大梁の基準面に対する高さ位置を揃えるように容易に調整できる。
【0013】
第2の態様の小梁位置調整治具は、第1の態様において、前記連結部による前記段差は、前記大梁の基準面と前記小梁の前記基準面側の面との間の間隔寸法及び前記小梁の肉厚に基づいた寸法に形成されている。
【0014】
第2の態様の小梁位置調整治具では、連結部によって形成される把持部の当て面と挿入部の小梁との当接部分との間の段差が大梁の基準面と小梁の基準面側の面との間隔寸法及び小梁の肉厚に基づいた寸法とされている。これにより、段差の寸法が、小梁の肉厚を考慮して設定されるので、大梁の基準面に対する小梁の高さ位置を予め設定した位置に容易に調整できる。
【0015】
第3の態様の小梁位置調整治具は、第1又は第2の態様において、前記挿入部には、幅方向の中間部に突出され、前記小梁の内面に当接して該小梁を支持する支持部が設けられている。
【0016】
第3の態様の小梁位置調整治具では、挿入部の幅方向の中間部に支持部が突出されており、挿入部では、支持部が小梁の内面に当接される。
【0017】
一般に、大梁に接合される小梁には、一般構造用角形鋼管などが用いられており、一般構造用角形鋼管は、短辺に外形寸法の公差内において湾曲が残っていることが多い。一般構造用角形鋼管が用いられて小梁は、短辺が上側及び下側に配置されており、小梁は、上側の内面が上方に凸となるように湾曲している。
【0018】
このため、小梁を支持する際、挿入部の支持部が小梁の湾曲した内面に当接することで、小梁は、支持部が湾曲した中心位置に当接するように自重により滑って相対移動する。これにより、小梁を挿入部の幅方向の中間部に配置できるので、挿入部を小梁の内部に挿入して支持することで、小梁の大梁に対する上下方向及び大梁の長手方向(小梁において幅方向)の位置を容易に調整できる。
【0019】
第4の態様の建物用ユニットの製造方法は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の小梁位置調整治具を用いて、大梁側に小梁を接合した建物用ユニットの製造方法であって、前記基準面が上方に向けられた前記大梁の長手方向の所定位置において、前記把持部の前記当て面を前記基準面に対して傾斜させかつ前記大梁の前記小梁側部分に当接させた状態で前記挿入部を前記小梁の内部に挿入し、前記把持部の前記大梁の前記小梁側の接触部分を軸に前記当て面が前記基準面に面接触するように回転させて前記小梁を持ち上げ、前記把持部の前記当て面が前記基準面に接触する位置まで前記小梁を持ち上げることで前記大梁に対して前記小梁を位置調整して、位置調整後の状態で前記大梁側に前記小梁を接合する、ことを含む。
【0020】
第4の態様の建物用ユニットの製造方法では、第1から第3の態様の何れか1の小梁位置調整治具を用いる。また、大梁は、基準面が上方に向けられて配置され、小梁は、大梁の幅方向の一側において、長手方向が大梁の長手方向と交差するように配置される。
【0021】
小梁位置調整治具は、大梁の長手方向の所定位置において、把持部の当て面が大梁の基準面(上面)に対向されると共に、挿入部が小梁側とされて配置され、挿入部が小梁の内部に挿入される。これにより、大梁の長手方向に対する小梁の凡その位置決めがなされる。
【0022】
次に、当て面が基準面に面接触するように把持部を大梁の小梁側の接触部分を軸に回転させる。これにより、挿入部が上方に移動して小梁の内面に当接し、小梁が持ち上げられる。この際、把持部の当て面と大梁の基準面との接触部分が支点となるので、小梁を容易に持ち上げることができる。
【0023】
この後、把持部の当て面が大梁の基準面に面接触されることで、小梁が大梁の基準面に対して所定高さ位置まで持ち上げられて支持される。これにより、大梁の基準面に対する小梁の高さ方向の位置が、把持部の当て面と挿入部の小梁内面への接触部分との間の段差に合わせた位置となるように容易に調整できる。また、小梁は、小梁位置調整治具によって位置調整された状態で支持されるので、大梁側への小梁の接合が容易になり、大梁に対して複数の小梁の各々の位置が揃えられた建物用ユニットの製造が容易になる。
【0024】
第5の態様の建物用ユニットの製造方法は、第4の態様において、一対の前記大梁の間に架け渡される前記小梁の長手方向の両側を、並行して前記大梁の各々に対して位置調整することを含む。
【0025】
第5の態様の建物用ユニットの製造方法では、一対の前記大梁の間に架け渡される小梁の長手方向の両側を、並行して大梁の各々に対して位置調整する。これにより、小梁位置調整治具によって小梁を長手方向が略水平状態にして持ち上げることができるので、小梁から挿入部が外れるのを抑制できて、小梁の位置調整を円滑に行うことができて、建物用ユニットの製造を円滑にできる。
【0026】
また、大梁に対して複数の小梁の各々の上下方向位置を水平に揃えて接合できるので、小梁の取り付け位置が揃った仕上り品質の高い建物用ユニットを製造できる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明の第1の態様の小梁位置調整治具によれば、大梁の基準面に対する小梁の高さ位置が、連結部によって形成される当て面と挿入部との間の段差に応じた位置に容易に調整できる、という効果を有する。
【0028】
第2の態様の小梁位置調整治具によれば、大梁の基準面に対する小梁の高さ位置を予め設定した位置に容易に調整できる、という効果を有する。
【0029】
第3の態様の小梁位置調整治具によれば、挿入部を小梁の内部に挿入して支持することで、小梁の大梁に対する上下方向及び長手方向の位置を容易に調整できる、という効果を有する。
【0030】
第4の態様の建物用ユニットの製造方法によれば、大梁の基準面に対する小梁の位置調整を容易にできて、大梁側に小梁を接合できるので、大梁に対して複数の小梁の位置が揃えられた建物用ユニットの製造が容易になる、という効果を有する。
【0031】
第5の態様の建物用ユニットの製造方法によれば、小梁を長手方向が略水平状態にして持ち上げて位置調整できるので、大梁側への小梁の接合を円滑にできて、建物用ユニットの製造を円滑にできる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】本実施形態に係る建物用ユニットを示す斜視図である。
【
図3】(A)は、大梁と小梁との接合部分を示す平面図、(B)は、(A)の3B-3B線に沿う断面図、(C)は、(A)の3C-3C線に沿う断面図である。
【
図4】小梁の一例を示す長手方向視の正面図である。
【
図5】(A)~(C)は、各々大梁への小梁の位置調整を示す大梁の長手方向視の断面図であり、(A)は、位置調整された状態を示し、(B)は、調整位置への小梁の移動途中を示し、(C)は、位置調整に先立って小梁を支持した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
建物としての住宅には、躯体が鉄骨軸組構造や鉄骨ラーメン構造などの軽量鉄骨構造の住宅があり、躯体が鉄骨ラーメン構造の住宅には、各々が直方体枠状に形成された複数の建物用ユニット10が用いられたユニット式住宅がある。本実施形態では、ユニット式住宅に用いられる建物用ユニット10の製造を説明する。
【0034】
ユニット式住宅は、複数の建物用ユニット10が水平方向(縦横)に配列されると共に、上下に配列され、縦横及び上下に隣接された建物用ユニット10同士が連結されている(図示省略)。
図2には、本実施形態に係る建物用ユニット10が斜視図にて示されている。
【0035】
図2に示すように、建物用ユニット10は、4本のフレーム支柱12を備えており、フレーム支柱12には、断面矩形(断面正方形)の一般構造用角形鋼管(一般建築用角形鋼管でもよい)が用いられている。フレーム支柱12は、各々長手方向が上下方向にされ、互いに平行とされて建物用ユニット10の四隅に配置されている。
【0036】
建物用ユニット10には、フレーム支柱12の上部(天井側)及び下部(床側)の各々に矩形枠状のフレーム14が配置されており、フレーム14は、天井側が天井フレーム14Aとされ、床側が床フレーム14Bとされている。建物用ユニット10は、フレーム支柱12の上部に天井フレーム14Aが接合され、フレーム支柱12の下部に床フレーム14Bが接合されて直方体枠状に形成されている。なお、天井フレーム14A及び床フレーム14Bは、基本的構造が同様にされており、以下の説明において天井フレーム14Aと床フレーム14Bとを区別しない場合には、フレーム14として説明する。
【0037】
フレーム14は、大梁として妻側に対で配置された大梁16(桁大梁)、及び桁側に対で配置された大梁18(妻大梁)を備えている。フレーム14は、大梁16及び大梁18の各々の端部がフレーム支柱12の長手方向端部の各々の接合部12Aに剛接合されて矩形枠状に形成されている。また、フレーム14には、複数の小梁20が配置されており、小梁20は、各々の長手方向が大梁18の長手方向と平行にされ、各々の長手方向の端部が一対の大梁16の各々に接合されることで、一対の大梁16の間に架け渡されている。これにより、フレーム14は、略梯子状に形成されている。
【0038】
すなわち、天井フレーム14Aは、大梁16としての桁天井大梁16Aと大梁18としての妻天井大梁18Aとによって矩形枠状に組まれている。また、天井フレーム14Aは、小梁20としての複数の天井小梁20Aの各々が妻天井大梁18Aと平行とされ、天井小梁20Aの各々の端部が桁天井大梁16Aに接合されて略梯子状に形成されている。
【0039】
また、床フレーム14Bは、大梁16としての桁床大梁16Bと大梁18としての妻床大梁18Bとによって矩形枠状に組まれている。また、床フレーム14Bは、小梁20としての複数の床小梁20Bの各々が妻床大梁18Bと平行とされ、床小梁20Bの各々の端部が桁床大梁16Bに接合されて略梯子状に形成されている。
【0040】
建物用ユニット10は、天井フレーム14Aの天井小梁20Aを天井下地として又は天井小梁20Aから吊り下げられて設けられた天井下地に天井板(図示省略)が取り付けられて天井が形成される。また、建物用ユニット10は、床フレーム14Bの床小梁20Bを床下地として又は床小梁20Bに配置された根太等を床下地として、床下地上に床板(図示省略)が取り付けられて床が形成される。
【0041】
したがって、天井フレーム14A及び床フレーム14Bの各々(フレーム14)では、桁天井大梁16A又は桁床大梁16B(大梁16)に対する上下方向の所定位置に揃えられて、天井小梁20A又は床小梁20B(小梁20)が接合されていることが好ましい。
【0042】
一方、建物用ユニット10は、製造工場において、フレーム14の各々(天井フレーム14A及び床フレーム14B)が製造され、製造されたフレーム14の各々がフレーム支柱12に接合されて製造される。
【0043】
ここで、フレーム14(天井フレーム14A及び床フレーム14B)を構成する大梁16(桁天井大梁16A及び桁床大梁16B)への小梁20(天井小梁20A及び床小梁20B)の接合を説明する。
図3(A)~
図3(C)には、大梁16と小梁20との接合部分の主要部が示され、
図4には、小梁20の一例が示されている。なお、
図3(A)には、大梁16と小梁20との接合部分が上方視(下方視も略同様)の平面図にて示され、
図3(B)及び
図3(C)には、各々
図3(A)における3B-3B線に沿う断面図及び3C-3C線に沿う断面図にて示されている。また、
図4には、小梁20の長手方向端面が平面図にて示されている。
【0044】
図3(A)~
図3(C)に示すように、本実施形態において大梁16には、溝形鋼が用いられており(大梁18も同様)、大梁16は、ウエブ22の幅方向両端部にフランジ24が対で形成されている。フレーム14において一対の大梁16は、各々ウエブ22の幅方向が上下方向とされ、一方の大梁16のフランジ24の先端が他方の大梁16に向けられて配置されている。
【0045】
図3(B)及び
図4に示すように、本実施形態では、小梁20に一般構造用角形鋼管が用いられている。小梁20は、長手方向と交差する方向の断面が長尺略矩形状とされている。なお、以下では、小梁20において、断面幅方向両側の長辺をウエブ26とし、断面長手方向両側の短辺をフランジ28として説明する。
【0046】
小梁20は、長手方向が大梁18の長手方向と平行にされると共に、ウエブ26の幅方向が上下方向とされて、一対の大梁16の間に配置されており、小梁20は、フランジ28の一方が上側にされ他方が下側にされている。また、本実施形態では、小梁20の高さ寸法(上下方向の寸法)が大梁16の高さ寸法より小さく(短く)されている。
【0047】
図2に示すように、フレーム14には、複数の小梁20(天井小梁20A又は床小梁20B)が大梁16の長手方向に沿って所定の間隔で配置されており、フレーム14では、大梁16の長手方向に沿う小梁20の接合位置が予め定められている。
図2及び
図3(A)~
図3(C)に示すように、大梁16には、接合部材としての鋼板製のブラケット30が取り付けられており、ブラケット30は、小梁20の接合位置の各々において大梁16に接合されている。小梁20は、長手方向の両端部がブラケット30に接合されることでブラケット30を介して一対の大梁16の各々に接合されている。なお、本実施形態では、ブラケット30を例に説明するが、大梁16への小梁20の接合に用いる接合部材は、これに限らず、大梁16に小梁20を接合するための任意の構成を適用できる。
【0048】
図3(A)~
図3(C)に示すように、ブラケット30は、略矩形平板状の基部32、及び基部32の一方向の両端から突設された一対の側板部34を備えており、ブラケット30は、プレス成形により一方向と交差する方向から見て(上方視)略コ字状とされている。ブラケット30は、基部32が大梁16のウエブ22側とされると共に、一対の側板部34が大梁16の長手方向両側とされて、大梁16の一対のフランジ24の間に挿入配置されている。
【0049】
側板部34は、各々大梁16の長手方向視において基部32側が狭い略凸形状(略T字形状)とされており、側板部34は、各々基部32とは反対側の端部34Aが、一対のフランジ24の間から突出されている。また、側板部34の各々には、基部32側よりも広幅とされた部分(小幅の基部32側部分と端部34Aとの間の部分)にフランジ部36が形成されている。フランジ部36は、一対の側板部34の各々において、大梁16の上下方向の両端部が互いに離間する方向に折曲されて形成されており、フランジ部36の各々は、大梁16のフランジ24の内面に沿って延伸されている。
【0050】
ブラケット30は、基部32が大梁16のウエブ22に剛接合されると共に、一対のフランジ部36の各々が大梁16のフランジ24の各々の内面に剛接合されて大梁16に接合されている。ブラケット30は、一対の側板部34の内面の間隔寸法が、小梁20の幅寸法と同様にされている。フレーム14では、小梁20の長手方向の長さ寸法が一対の大梁16のフランジ24の先端の間隔寸法より僅かに短くされている。これにより、小梁20の各々が一対の大梁16の間に配置された際、小梁20の長手方向の先端と大梁16のフランジ24の先端との間には、所定の間隔寸法Dsの隙間が形成されている。
【0051】
小梁20は、大梁16のフランジ24から突出しているブラケット30の一対の端部34Aに挿入配置され、小梁20は、ウエブ26の外面が端部34Aの内面に溶接されて接合されている。これにより、小梁20は、長手方向の両端部が大梁16側に接合されている。
【0052】
本実施形態では、大梁16に対する小梁20の高さ方向の位置として、大梁16の一方のフランジ24の表面(外面)を基準面38とし、基準面38と基準面38側の小梁20のフランジ28の表面(外面)との間の高低差である段差寸法Buが設定されている。小梁20は、フランジ28の表面と基準面38(大梁16のフランジ24の表面)との間の段差(高低さ)が段差寸法Buとされることで、大梁16に対する上下方向が位置決めされる。
【0053】
なお、大梁16の基準面38は、建物用ユニット10に組み付けられた際に上方に向けられる面に限らず、下方に向けられる面であってもよく、この場合、製造されたフレーム14は上下が反転されて建物用ユニット10に組み付けられる。
【0054】
大梁16への小梁20の接合には、本実施形態に係る小梁位置調整治具としての鋼材製の治具40が用いられる。
図1には、本実施形態に係る治具40が斜視図にて示されている。
【0055】
図1に示すように、治具40は、把持部としてのハンドル部42、連結部44及び挿入支持部46を備えている。ハンドル部42は、断面略矩形の棒状(本実施形態では、断面矩形の角柱状)とされており、ハンドル部42は、長手方向と交差する方向の一平面が当て面48とされている。治具40は、ハンドル部42の当て面48が下側とされて用いられる。
【0056】
また、挿入支持部46は、幅方向に長い略ブロック状とされており、挿入支持部46は、幅方向が当て面48(ハンドル部42)の幅方向とされ、ハンドル部42の長手方向の外側に配置されている。また、ハンドル部42と挿入支持部46とは、連結部44によって一体的に連結されている。挿入支持部46は、幅寸法が小梁20のウエブ26内面の間隔寸法よりも小さくされて、小梁20内に挿入可能にされている。
【0057】
挿入支持部46の幅寸法(挿入幅寸法)は、ウエブ26内面の間隔寸法(小梁内寸)の1/2以上であることが好ましく、ウエブ26内面の間隔寸法の2/3以上であることがより好ましい。また、挿入支持部46の幅寸法は、ウエブ26内面の間隔寸法からウエブ26の板厚(小梁板厚)の2倍を差し引いた寸法以下にされている。
((小梁内寸)-(小梁板厚)×2)≧(挿入幅寸法)
【0058】
これにより、挿入支持部46が小梁20内に挿入された際に、挿入支持部46と小梁20のウエブ26内面との隙間を小さくできて、治具40に対する大梁16の長手方向に沿う小梁20の位置を、小梁20に挿入した挿入支持部46によって制限できる。
【0059】
挿入支持部46は、ハンドル部42の当て面48が下側にされた際、上側となる上面46A(当て面48とは反対側に向けられる面)が当て面48と略平行とされている。また、挿入支持部46の上面46Aには、支持部50が形成されている。支持部50は、挿入支持部46の上面46Aの幅寸法よりも小幅とされており、支持部50は、上面46Aの幅方向の中間部に断面略矩形状となるように突出され、ハンドル部42の長手方向に沿って延設されている。
【0060】
連結部44は、略矩形のブロック状とされハンドル部42の当て面48及び挿入支持部46の上面46Aの各々に対して略直角にされている。治具40は、連結部44の一面の一端部からハンドル部42が延伸され、連結部44の一面とは反対側の面の他端部(一端部とは反対側の端部)から挿入支持部46が突出された形状にされている。
【0061】
連結部44は、ハンドル部42の長手方向に沿う寸法である厚さ寸法Dが、大梁16のフランジ24の先端と小梁20の先端との間隔寸法Dsよりも小さくされている(D<Ds)。これにより、治具40の連結部44は、大梁16のフランジ24の先端と小梁20の長手方向の先端(大梁16側の先端)との間に挿入可能にされている。
【0062】
また、治具40は、ハンドル部42の当て面48と挿入支持部46の支持部50の上端面との段差寸法Bが、大梁16に対する小梁20の上下方向の位置に基づいて設定されている。連結部44は、ハンドル部42の当て面48と支持部50の上端面とが、所定の段差寸法Bとなるようにハンドル部42と挿入支持部46との間に形成されている。
【0063】
本実施形態では、段差寸法Bが、段差寸法Buと小梁20の肉厚t(
図3(B)及び
図3(C)参照)の和に設定されている(B=Bu+t)。これにより、治具40のハンドル部42の当て面48を大梁16の基準面38に当接させると共に、挿入支持部46の支持部50を小梁20のフランジ28の内面に当接させた状態では、基準面38と小梁20の上側のフランジ28の表面(上面)との間の段差が、段差寸法Buとなるようにしている。
【0064】
本実施形態では、一例として、小梁20として125mm(高さ寸法)×50mm(幅寸法)×2.3mm(板厚すなわち肉厚t)で、内寸が45.4mmの一般構造用角形鋼管を用いている。この小梁20に対する治具40は、ハンドル部42の長さが挿入支持部46の長さ(連結部44からの突出長さ)に比して長くされている。本実施形態では、ハンドル部42の全長(連結部44部分を含む)が200mmとされている。また、本実施形態の治具40では、一例として、ハンドル部42、連結部44及び挿入支持部46の各々の幅寸法が40mmとされ、連結部44から挿入支持部46の先端までの長さが7.4mm、連結部44の厚さDが10mmとされている。さらに、本実施形態の治具40では、支持部50の幅寸法が10mm、支持部50の高さ寸法(挿入支持部46からの突出高さ)が10mmとされている。
【0065】
次に、本実施形態の作用として、
図5(A)~
図5(C)を参照しながら、建物用ユニット10を製造する際のフレーム14の大梁16に対する小梁20の位置調整を説明する。なお、
図5(A)~
図5(C)には、大梁16及びブラケット30が大梁16の長手方向視の断面図にて示されており、
図5(C)、
図5(B)、
図5(A)の順で大梁16への小梁20の位置調整の流れが示されている。
【0066】
フレーム14では、大梁16に対する小梁20の上下方向の位置、大梁16の長手方向における小梁20の各々の位置が予め設定されており、大梁16には、長手方向における小梁20の接合位置の各々にブラケット30が取り付けられている。また、一対の大梁16は、各々フランジ24の一方の外面に設定した基準面38が上側にされると共に、ブラケット30側が互いに対向されて、予め設定された間隔で配置される。この際、一対の大梁16は、互いの基準面38が略面一(略水平)になるように配置される。
【0067】
大梁16に接合する複数の小梁20は、各々の一方のフランジ28が上方とされ、長手方向の端部が、ブラケット30の一対の側板部34の間となるように配置される。また、小梁20は、治具40が用いられて大梁16に対する位置調整が行われて、ブラケット30に接合される。
【0068】
治具40は、ハンドル部42の当て面48と挿入支持部46の支持部50上面(上端)との間の段差寸法Bが、大梁16の基準面38と小梁20の上側のフランジ28の上面との段差寸法Buに、小梁20のフランジ28の肉厚tを加えた寸法となっている。なお、大梁16への小梁20の位置調整及び接合は、各々の小梁20に対して、一対の大梁16の間で並行して行なわれる。
【0069】
ここで、
図5(C)に示すように、作業者は、治具40のハンドル部42を把持し、治具40のハンドル部42の当て面48を大梁16の基準面38に対向させた状態で、挿入支持部46を小梁20の長手方向先端から小梁20の内部に挿入する。これにより、治具40は、挿入支持部46の支持部50が小梁20の上側のフランジ28の内面に対向される。
【0070】
次に、ハンドル部42の当て面48の挿入支持部46側を大梁16のフランジ24(基準面38)に当接させた後、ハンドル部42の挿入支持部46とは反対側を、大梁16へ向けて押下げる。これにより、
図5(B)に示すように、治具40は、当て面48が大梁16の基準面38に向かうようにハンドル部42が回転され、ハンドル部42の当て面48と大梁16の基準面38との接触位置が支点にされて、挿入支持部46が上方移動する。挿入支持部46は、上方移動に伴って支持部50が小梁20の上側のフランジ28の内面に当接し、小梁20を持ち上げる。
【0071】
この際、一対の大梁16の各々において、治具40のハンドル部42が押下げられることで、小梁20は、長手方向が略水平状態で平行に持ち上げられる。これにより、治具40に支持された小梁20の長手方向の一側が低くなるように傾斜して、長手方向の他側から挿入支持部46が抜けて外れてしまうのが抑制される。また、小梁20の長手方向両側の治具40が、小梁20の長手方向への移動を制限できるので、小梁20を安定した状態で持ち上げることができる。
【0072】
この後、
図5(A)に示すように、ハンドル部42の当て面48が大梁16の基準面38に面接触することで、小梁20が大梁16に対して所定高さまで持ち上げられ、当て面48と基準面38との接触状態が維持されることで、小梁20が所定高さに保持される。
【0073】
ハンドル部42の当て面48と挿入支持部46の支持部50上面との間の段差寸法Bは、大梁16の基準面38と小梁20の上側のフランジ28の上面との段差寸法Buに、小梁20のフランジ28の肉厚tを加えた寸法となっている。これにより、小梁20は、上側のフランジ28の上面と大梁16の基準面38と間の段差が段差寸法Buとされて、小梁20は、大梁16の基準面38に対して所定の高さ位置に調整される。
【0074】
一方、小梁20には、一例として一般構造用角形鋼管を用いている。一般構造用角形鋼管は、鋼帯或いはシームレス鋼管(丸形鋼管)が、角形に加工されて製造される。このため、一般構造用角形鋼管は、外形寸法の公差内において長辺(ウエブ26)や短辺(フランジ28)に湾曲が残り易く、特に短辺に僅かな湾曲が残る。これにより、
図4に示すように、小梁20のフランジ28は、幅方向の中間部が凸となるように湾曲している。
【0075】
また、小梁20が持ち上げられる際には、小梁20のフランジ28の湾曲した内面に挿入支持部46の支持部50が当接される。このため、小梁20が持ち上げられる際には、小梁20が自重によって支持部50に対して滑るように幅方向に相対移動して、支持部50がフランジ28の幅方向中間位置に配置される(小梁20が
図4の二点鎖線位置から実線位置に移動)。
【0076】
これにより、小梁20は、治具40によって支持されることでウエブ26が上下方向に対して傾斜するのが抑制されるので、小梁20が上下方向に対して傾くのを抑制できる(小梁20のフランジ28表面が水平方向に対して傾斜するのを抑制できる)。また、挿入支持部46の支持部50が小梁20の幅方向中間位置で小梁20を支持するので、小梁20を大梁16の長手方向に対して適切に位置調整できて、小梁20をブラケット30の一対の側板部34(端部34A)の間に配置できる。
【0077】
ここで、挿入支持部46の幅寸法は、小梁20のウエブ26内面の間隔寸法の1/2以上とされている。このため、小梁20は、挿入支持部46が挿入されることで、治具40により大梁16の長手方向に対して凡その位置調整がなされ、挿入支持部46の支持部50は、小梁20の幅方向の中間位置近傍に対向される。
【0078】
また、挿入部支持部46の幅寸法は、ウエブ26内面の間隔寸法からウエブ26の板厚(小梁板厚)の2倍を差し引いた寸法以下としている。小梁20に挿入支持部46を挿入する際、小梁20の内面(ウエブ26内面)と挿入支持部46との隙間が小さすぎると(挿入支持部46の幅寸法が小梁20の内寸ぎりぎりの場合)、治具40が小梁20(小梁20の長手方向)に対して斜めになる(傾く)と、挿入支持部46が小梁20の内面に接触してしまい、挿入支持部46を挿入し難くなる。
【0079】
また、小梁20のフランジ28の湾曲に比して支持部50の高さ寸法(挿入支持部46の上面46Aからの支持部50の上端面の高さ寸法)が低かったり、挿入支持部46の幅寸法が大き過ぎたりすると、挿入支持部46の幅方向の端部がフランジ28の内面に接触し易くなる。
【0080】
ここから、挿入支持部46の幅寸法は、挿入支持部46と小梁20の内面との間に小梁20(ウエブ26)の板厚以上の隙間を設けることができる寸法にされている。また、挿入支持部46の幅寸法は、小梁20のフランジ28の湾曲の強さ(湾曲が大きいか小さいか)や支持部50の高さを考慮して設定される。これにより、治具40は、小梁20への挿入支持部46の挿入を容易にできて、支持部50により小梁20を確実に支持できるので、小梁20を大梁16に接合する際(特に、小梁20の位置決めを行う際)の作業性を向上できる。
【0081】
この後、治具40によって小梁20を支持している状態で、作業者が小梁20のウエブ26をブラケット30の側板部34の端部34Aに接合することで、小梁20が大梁16に対して適切な位置に接合される。また、治具40を用いて複数の小梁20の各々を位置決めすることで、フレーム14は、複数の小梁20の各々の大梁16の上下方向の位置を揃えて大梁16に接合できる。
【0082】
このようにして大梁16に小梁20が接合されて製造された建物用ユニット10では、天井フレーム14Aに高さ位置が略均一に揃えられた天井小梁20Aが配置されると共に、床フレーム14Bに高さ位置が略均一に揃えられた床小梁20Bが配置される。このため、建物用ユニット10は、天井及び床の施工が容易となる。
【0083】
なお、以上説明した本実施形態では、大梁16の上面よりも小梁20の上面が低くなるように接合する際の治具40を例に説明した。しかしながら、小梁位置調整治具は、大梁の上面と小梁の上面とが略面一に接合される構成であってもよく、大梁の上面よりも小梁の上面が上方となるように接合される構成であってもよい。これらの場合においても、大梁の上面と小梁の上面との段差寸法及び小梁の肉厚を考慮して、把持部と挿入部とを連結する連結部が形成されていればよい。
【0084】
また、本実施形態では、挿入支持部46に断面矩形状の支持部50を設けたが、支持部は、これに限るものではない。支持部は、挿入部の幅方向の中間位置が小梁の内面に当接可能とすればよく、例えば、幅方向の中間部から幅方向の両側に向けて傾斜された略山形状(略台形状)などの形状であってもよい。また、支持部は、上面が平面に限らず、円弧状の曲面であってもよく、小梁の内面に曲面が当接されることで、支持部の接触位置が小梁の幅方向中間位置に移動するのをより円滑にできる。
【0085】
さらに、本実施形態では、大梁16(桁天井大梁16A及び桁床大梁16B)として、溝形鋼を用いた。しかしながら、大梁は、溝形鋼に限らず、H形鋼であってもよく、一般構造用角形鋼管等であってもよい。また、本実施形態では、小梁20(天井小梁20A及び床小梁20B)として一般構造用角形鋼管を用いた。しかしながら、小梁は、リップ溝形鋼などであってもよい。
【0086】
また、本実施形態では、鉄骨ラーメン構造の躯体を形成する建物用ユニット10を例に説明した。しかしながら、小梁位置調整治具は、躯体を構成する鉄骨軸組構造において、大梁側に小梁を接合する際の大梁に対する小梁の位置調整に適用してもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 建物用ユニット
14 フレーム
14A 天井フレーム
14B 床フレーム
16 大梁
16A 桁天井大梁(大梁)
16B 桁床大梁(大梁)
20 小梁
20A 天井小梁(小梁)
20B 床小梁(小梁)
22 ウエブ
24 フランジ
26 ウエブ
28 フランジ
30 ブラケット
32 基部
34 側板部
38 基準面
40 治具(小梁位置調整治具)
42 ハンドル部(把持部)
44 連結部
46 挿入支持部(挿入部)
48 当て面
50 支持部(挿入部)