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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】バッテリー管理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220720BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20220720BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20220720BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220720BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/10 B
H02J7/10 L
H02J7/04 L
H02J7/00 301D
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020550120
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 KR2019017211
(87)【国際公開番号】W WO2020117000
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0157150
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、ジ ウォン
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/107687(WO,A1)
【文献】特開平08-139635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0178526(US,A1)
【文献】特開2012-222913(JP,A)
【文献】国際公開第2015/121979(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/125103(WO,A1)
【文献】特表2013-541320(JP,A)
【文献】国際公開第2015/092846(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0176202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/10
H02J 7/04
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と第1周波数を用いて通信可能な第1アンテナと、
前記外部装置からの第2周波数の信号を受信可能な第2アンテナと、
前記第2アンテナで受信された前記第2周波数の信号に基づいて電圧を生成する電圧生成部と、
前記電圧生成部で生成された電圧に基づいた信号がイネーブル信号として印加される駆動部と、
前記駆動部からの制御信号に基づいてバッテリーセルの状態を示すパラメータを測定するセルパラメータ測定部と、を含み、
前記イネーブル信号に基づいて前記駆動部が待機状態からウェークアップ状態に遷移
前記第2周波数の信号は、データを含まない、変調されていない信号である、セル管理制御機。
【請求項2】
前記第2周波数の信号は、前記第1周波数の信号よりエネルギー密度がより高い、請求項1に記載のセル管理制御機。
【請求項3】
前記第2アンテナで前記第2周波数の信号を受信できるようにインピーダンスをマッチングするインピーダンスマッチング回路をさらに含む、請求項1または2に記載のセル管理制御機。
【請求項4】
前記電圧生成部に蓄積されるエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のセル管理制御機。
【請求項5】
前記駆動部は、前記セルパラメータ測定部から受信した前記バッテリーセルのパラメータ値に基づいて前記バッテリーセルの異常有無を判断し、
前記バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、前記外部装置に前記バッテリーセルの異常状態を示すフォールト信号を第3周波数で伝送する、請求項1から4のいずれか一項に記載のセル管理制御機。
【請求項6】
前記第3周波数の信号は、前記第1周波数の信号よりエネルギー密度がより高い、請求項5に記載のセル管理制御機。
【請求項7】
前記フォールト信号は、前記第1アンテナを介して伝送される、請求項5または6に記載のセル管理制御機。
【請求項8】
前記駆動部に電力を供給する電源回路をさらに含み、
前記電源回路は、前記電圧生成部で生成された電圧が入力される時前記駆動部にイネーブル信号を印加し、
前記駆動部は、前記電源回路から印加される前記イネーブル信号に基づいてウェークアップ状態に遷移する、請求項1から7のいずれか一項に記載のセル管理制御機。
【請求項9】
前記駆動部に電力を供給する電源回路をさらに含み、
前記電源回路は、前記駆動部に電力を常時供給し、
前記駆動部は、前記電圧生成部で生成された前記電圧が前記イネーブル信号として印加される、請求項1から7のいずれか一項に記載のセル管理制御機。
【請求項10】
外部装置と第1周波数及び第2周波数を用いて通信可能な第1アンテナと、
前記外部装置を待機状態からウェークアップ状態に遷移するためのウェークアップ信号を前記第2周波数の信号として生成し前記第1アンテナを介して前記外部装置に伝送し、前記外部装置とのデータ送受信を前記第1周波数で行う制御部と、を含み、
前記制御部は前記第2周波数の信号のエネルギー密度が前記第1周波数の信号のエネルギー密度より大きくなるように前記第1周波数の信号及び第2周波数の信号を生成し、
前記制御部は、データを含まないよう変調されていない前記第2周波数の信号を生成する、バッテリー管理制御機。
【請求項11】
前記外部装置から第3周波数の信号を受信可能な第2アンテナをさらに含み、
前記制御部は、前記第2アンテナから前記第3周波数の信号を受信した時、前記外部装置がモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断する、請求項10に記載のバッテリー管理制御機。
【請求項12】
前記制御部は、前記第2アンテナから予め設定された基準以上のエネルギーを有する第3周波数の信号を受信することを検出する場合、前記外部装置がモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断する、請求項11に記載のバッテリー管理制御機。
【請求項13】
前記第2アンテナで前記第3周波数の信号を受信できるようにインピーダンスをマッチングするインピーダンスマッチング回路と、
前記インピーダンスマッチング回路を介して受信される信号によって蓄積されるエネルギーを放電させるための放電回路と、をさらに含む、請求項11または12に記載のバッテリー管理制御機。
【請求項14】
バッテリーセルの状態をモニタリングする複数のセル管理制御機と、
前記複数のセル管理制御機と通信して前記複数のセル管理制御機からフォールト信号を受信するバッテリー管理制御機と、を含み、
前記複数のセル管理制御機それぞれは、
前記バッテリー管理制御機と第1周波数を用いて通信できるように構成された第1アンテナと、前記バッテリー管理制御機から第2周波数の信号を受信できるように構成された第2アンテナと、前記第2アンテナで受信する前記第2周波数の信号に基づいて電圧を生成するように構成された電圧生成部と、前記電圧生成部で生成された電圧に基づいた信号がイネーブル信号として印加されるように構成された駆動部と、前記駆動部からの制御信号に基づいて前記バッテリーセルの状態を示すパラメータを測定するように構成されたセルパラメータ測定部と、を含み、
前記イネーブル信号に基づいて前記駆動部が待機状態からウェークアップ状態に遷移
前記第2周波数の信号は、データを含まない、変調されていない信号である、バッテリー管理システム。
【請求項15】
前記複数のセル管理制御機それぞれにおいて、
前記駆動部は、前記セルパラメータ測定部から受信した前記バッテリーセルのパラメータ値に基づいて前記バッテリーセルの異常有無を判断し、
前記バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、前記バッテリー管理制御機に前記バッテリーセルの異常状態を示す前記フォールト信号を予め設定された第3周波数で伝送し、
前記複数のセル管理制御機は、前記予め設定された第3周波数が互いに異なる周波数である、請求項14に記載のバッテリー管理システム。
【請求項16】
前記複数のセル管理制御機からの前記フォールト信号を受信するために、前記複数のセル管理制御機が前記フォールト信号を送信する互いに異なる第3周波数を含む周波数範囲をスキャニングする、請求項15に記載のバッテリー管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
本発明は、2018年12月7日に出願された韓国特許出願第10-2018-0157150号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容を本明細書の一部として含む。
【0003】
本発明は、バッテリーセル単位でバッテリーの状態をモニタリングする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
最近、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充電・放電が可能な電池であって、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池等と最近のリチウムイオン電池を全て含む意味である。二次電池のうちリチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池等に比べてエネルギー密度が遥かに高いという長所がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量で製作することができ、移動機器の電源として用いられる。また、リチウムイオン電池は、電気自動車の電源に使用範囲が拡張され次世代エネルギー保存媒体として注目を浴びている。
【0005】
二次電池は、一般的に複数のバッテリーパックで構成されるバッテリーシステムにおいて利用される。バッテリーシステムを構成するバッテリーパックは、複数のバッテリーモジュールが直列又は並列に連結されて構成され、それぞれのバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルでなり得る。このようなバッテリーシステムは、バッテリー管理システム(BMS、battery management system)によって状態及び動作が管理及び制御される。BMSは、マスターに該当するバッテリー管理制御機(BMC、Battery Management Controller)と複数のバッテリーパックをそれぞれ制御する複数のセル管理制御機(CMC、Cell Management Controller)を含んで構成される。そして、バッテリーパックに含まれたそれぞれのバッテリーモジュールとそれに含まれたバッテリーセルのそれぞれの状態は、対応されるCMCによりモニタリングされ、BMCにより収集されることでBMSによりバッテリーシステムがモニタリングされる。
【0006】
したがって、BMSがバッテリーセルの状態を正確に把握するためにはBMCとCMCを効率的に動作させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既存のバッテリー管理システムにおいて、BMCとCMCが無線通信を行う場合、CMCが周期的に起動することなくBMCと効率的に通信できるようにすることにある。
【0008】
また、本発明の目的は、CMCが監視するバッテリーモジュールのフォールト状態を伝達できる安全な経路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるセル管理制御機は、外部装置と第1周波数を用いて通信可能な第1アンテナと、外部装置からの第2周波数の信号を受信可能な第2アンテナと、第2アンテナで受信された第2周波数の信号に基づいて電圧を生成する電圧生成部と、電圧生成部で生成された電圧に基づいた信号がイネーブル信号として印加される駆動部と、駆動部からの制御信号に基づいてバッテリーセルの状態を示すパラメータを測定するセルパラメータ測定部と、を含み、イネーブル信号に基づいて駆動部が待機状態からウェークアップ状態に遷移する。
【0010】
本実施形態において、第1周波数と第2周波数は、異なる周波数であってもよく、同一の周波数であってもよい。
【0011】
本実施形態において、第2周波数の信号は、第1周波数の信号よりエネルギー密度がより高くてよい。
【0012】
本実施形態において、第2周波数の信号は、CW信号であってよい。
【0013】
本実施形態において、セル管理制御機は、第2アンテナで第2周波数の信号を受信できるようにインピーダンスをマッチングするインピーダンスマッチング回路をさらに含んでよい。
【0014】
本実施形態において、セル管理制御機は、電圧生成部に蓄積されるエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含んでよい。
【0015】
本実施形態において、駆動部は、セルパラメータ測定部から受信したバッテリーセルのパラメータ値に基づいてバッテリーセルの異常有無を判断し、バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、外部装置にバッテリーセルの異常状態を示すフォールト信号を第3周波数で伝送してよい。
【0016】
本実施形態において、第1周波数と第3周波数は異なる周波数であってもよく、同一の周波数であってもよい。
【0017】
本実施形態において、第3周波数の信号は、第1周波数の信号よりエネルギー密度がより高くてよい。
【0018】
本実施形態において、第3周波数の信号はCW信号であってよい。
【0019】
本実施形態において、フォールト信号は第1アンテナを介して伝送されてよい。
【0020】
本実施形態において、セル管理制御機は、駆動部に電力を供給する電源回路をさらに含み、電源回路は、電圧生成部で生成された電圧が入力される時駆動部にイネーブル信号を印加し、駆動部は、電源回路から印加されるイネーブル信号に基づいてウェークアップ状態に遷移してよい。
【0021】
本実施形態において、セル管理制御機は、駆動部に電力を供給する電源回路をさらに含み、電源回路は、駆動部に電力を常時供給し、駆動部は、電圧生成部で生成された電圧がイネーブル信号として印加されてよい。
【0022】
本発明の他の実施形態によるバッテリー管理制御機は、外部装置と第1周波数及び第2周波数を用いて通信可能な第1アンテナと、外部装置を待機状態からウェークアップ状態に遷移させるためのウェークアップ信号を第2周波数の信号として生成し第1アンテナを介して外部装置に伝送し、外部装置とのデータ送受信を第1周波数で行う制御部と、を含み、制御部は、第2周波数の信号のエネルギー密度が第1周波数の信号のエネルギー密度より大きくなるように第1周波数の信号及び第2周波数の信号を生成する。
【0023】
本実施形態において、バッテリー管理制御機は、外部装置から第3周波数の信号を受信可能な第2アンテナをさらに含み、制御部は、第2アンテナから第3周波数の信号を受信した時、外部装置がモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断してよい。
【0024】
本実施形態において、制御部は、第2アンテナから予め設定された基準以上のエネルギーを有する第3周波数の信号を受信することを検出する場合、外部装置がモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断してよい。
【0025】
本実施形態において、バッテリー管理制御機は、第2アンテナで第3周波数の信号を受信できるようにインピーダンスをマッチングするインピーダンスマッチング回路と、インピーダンスマッチング回路を介して受信される信号によって蓄積されるエネルギーを放電させるための放電回路とをさらに含んでよい。
【0026】
本発明の他の実施形態によるバッテリー管理システムは、バッテリーセルの状態をモニタリングする複数のセル管理制御機と、セル管理制御機と通信してセル管理制御機からバッテリーセルに対して測定したパラメータ値を受信するバッテリー管理制御機と、を含み、複数のセル管理制御機それぞれは、バッテリー管理制御機と第1周波数を用いて通信できるように構成された第1アンテナと、バッテリー管理制御機から第2周波数の信号を受信できるように構成された第2アンテナと、第2アンテナで受信する第2周波数の信号に基づいて電圧を生成するように構成された電圧生成部と、電圧生成部で生成された電圧に基づいた信号がイネーブル信号として印加されるように構成された駆動部と、駆動部からの制御信号に基づいてバッテリーセルの状態を示すパラメータを測定するように構成されたセルパラメータ測定部とを含み、イネーブル信号に基づいて駆動部が待機状態からウェークアップ状態に遷移する。
【0027】
本実施形態において、複数のセル管理制御機それぞれにおける駆動部は、セルパラメータ測定部から受信したバッテリーセルのパラメータ値に基づいてバッテリーセルの異常有無を判断し、バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、バッテリー管理制御機にバッテリーセルの異常状態を示すフォールト信号を予め設定された第3周波数で伝送し、複数のセル管理制御機は、予め設定された第3周波数が互いに異なる周波数であってよい。
【0028】
本実施形態において、バッテリー管理制御機は、複数のセル管理制御機からのフォールト信号を受信するために、複数のセル管理制御機がフォールト信号を送信する互いに異なる第3周波数を含む周波数範囲をスキャニングしてよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一側面によれば、CMCの待機電力を「0」に近く具現可能であり、バッテリーの電流消耗を減らしてバッテリーの放電を防止できる。
【0030】
本発明の一側面によれば、RFモジュールを追加せずにフォールト信号をBMCに伝達できる。また、本発明の一側面によれば、フォールト信号を直ちに伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態によるセル管理制御機の簡略な構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリー状態モニタリング方法の簡略な流れ図である。
図3】本発明の一実施形態によるセル管理制御機とバッテリー管理制御機の簡略な構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態又は他の実施形態の多段整流回路の具現例を示した図である。
図5】本発明の他の実施形態によるセル管理制御機の簡略な構成を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリー状態モニタリング方法の簡略な流れ図である。
図7】本発明の他の実施形態によるセル管理制御機とバッテリー管理制御機の簡略な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図を介して詳しく説明する。各図の構成要素に参照符号を付与することにおいて、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されるとしても、出来る限り同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が、本発明の実施形態に対する理解の妨げになると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0033】
従来には、BMSでバッテリーの状態及び性能を管理するために、マスターに該当するBMC(バッテリー管理制御機、battey management controller)が上位制御部から動作開始命令を受信すると、BMCはスレーブに該当する下位のCMC(セル管理制御機、cell management controller)を起動させて当該CMCが連結されるバッテリーセルの電圧又は温度等のバッテリー状態を示すパラメータのモニタリングを開始した。ここで、BMCとCMCは、BMSに含まれるモジュールである。
【0034】
従来のBMCとCMCとの無線通信が適用される場合、有線ではないため、CMCはBMCから受信されるウェークアップ(wake up)信号を受けるために、継続して若しくは周期的に起動して持続的に電流を消耗する。このようなCMCの持続的な電流消耗によって、不要な電流が消耗され、追ってバッテリーの放電を誘発し得る。
【0035】
したがって、BMCからバッテリー状態を確認するための信号を受信するために、CMCが周期的に起動する方法以外に、より効率的で、電流を節約できる方法が必要である。
【0036】
また、安全のために、CMCがバッテリーセルの状態(バッテリーセルの電圧及び温度を測定してバッテリーセルの状態をチェック)をチェックした後、バッテリーセル(又はモジュール)の状態に問題があると判断されれば、フォールト(fault)信号をBMCに伝達できる多様な経路が必要である。このような問題を解決するための本発明の構成及び動作方法を以下で説明する。
【0037】
先ず、図1を参照して本発明の一実施形態によるセル管理制御機100に対して説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態によるセル管理制御機100の簡略な構成を示す図である。
【0039】
セル管理制御機100は、第2アンテナ102、インピーダンスマッチング回路104、電圧生成部106、電源回路108、セルパラメータ測定部110、駆動部112、RFモジュール114及び第1アンテナ116を含んでよい。
【0040】
ここで、バッテリーの種類は特に限定されず、例えば、バッテリーは、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池等で構成されてよい。
【0041】
また、バッテリーは、複数のバッテリーセルが直列及び/又は並列に連結されているバッテリーモジュールで形成され、複数のバッテリーモジュールが直列及び/又は並列に連結されてバッテリーパックが形成される。バッテリーは、一つ以上のバッテリーパックを含んでよい。
【0042】
第2アンテナ102は、外部装置、例えば、BMCから第2周波数を有するRF信号を受信する。第2アンテナ102とは異なり第1アンテナ116は、外部装置から第1周波数を有するRF信号を受信して一般的な通信を行ってよい。第2アンテナ102で受信されるRF信号は、インピーダンスマッチング回路104を介してインピーダンスマッチングされる。すなわち、インピーダンスマッチング回路104は、受信されるRF信号のうち、予めマッチングされている周波数である第2周波数を有するRF信号を選別し、電圧生成部106に伝達する。
【0043】
第2アンテナ102で外部装置から受信されたRF信号は電圧生成部106に伝達される。
【0044】
第2アンテナ102からRF信号を受信した電圧生成部106は、受信されたRF信号を用いて電圧を生成する。すなわち、電圧生成部106は、第2アンテナ102で受信された第2周波数を有するRF信号に基づいて電圧を生成する。第2アンテナ102で受信する第2周波数を有するRF信号は、第1アンテナ116でBMCと通信するために送受信する第1周波数を有するRF信号に比べてエネルギー密度が高い。これは、第2周波数を有するRF信号に基づいて後述するイネーブル信号として利用できる電圧が生成されなければならないためである。このような第2周波数を有するRF信号は、データを含まない信号であってよい。すなわち、第2周波数を有するRF信号は、変調されていない信号であってよい。例えば、第2周波数を有するRF信号は、CW(Continuous Wave)信号であってよい。すなわち、第2周波数を有するRF信号は、単に所定のエネルギー密度以上のエネルギーをセル管理制御機100に伝達するための信号であってよい。
【0045】
電圧生成部106は、例えば、多段整流回路であってよい。但し、受信されたRF信号で駆動部112をウェークアップ状態に遷移させるほどの電圧を生成することが難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で具現してよい。すなわち、多段整流回路は、第2周波数を有するRF信号から生成されなければならない電圧によって段数が調節されてよい。
【0046】
電圧生成部106は、多段整流回路を構成するために複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のためにダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0047】
電圧生成部106でRF信号を受信して電圧を生成すれば、駆動部112でこれを感知してイネーブルされる。すなわち、駆動部112は、電圧生成部で生成された電圧に基づいた信号がイネーブル信号として印加される。このとき、駆動部112は、電源回路108から電力の供給を受ける。駆動部112は、例えば、セル管理制御機100内の構成それぞれを制御するMCU(Micro Controller Unit)であってよい。MCUは、大部分の電子製品に採用され電子製品の頭脳の役割を担う核心チップであって、単純時間予約から特殊な機能に至るまで製品の多様な特性をコントロールする役割を担う非メモリ半導体(システム半導体)である。
【0048】
電源回路108からイネーブル信号を受けてイネーブルされた駆動部112がRFモジュール114をイネーブルする。
【0049】
セルパラメータ測定部110は、バッテリーに連結され、駆動部112で受信した制御信号に基づいてバッテリーセルの状態を示すパラメータを測定する。バッテリーセルの状態を示すパラメータは、電圧又は温度のうち少なくとも一つであってよい。セルパラメータ測定部110は、本図で一つに示されているが、セル電圧測定部及びセル温度測定部の別個の構成で構成されてもよい。セルパラメータ測定部110で測定したセルの電圧及び温度に対するデータを駆動部112に伝送する。
【0050】
セルパラメータ測定部110から受信したバッテリーセルのパラメータ値に基づいて、駆動部112はバッテリーセルの異常有無を判断する。すなわち、セルパラメータ測定部110からセルの電圧及び温度に対するデータを受信した駆動部112は、当該セルの測定電圧及び温度がセルの正常動作の範囲内か否かを判断する。例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114に予め設定された周波数のフォールト信号を生成させる。また、例えば、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114にフォールト信号を生成させる。すなわち、バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、外部装置にバッテリーセルの異常状態を示すフォールト信号を第1周波数とは異なる第3周波数で伝送する。
【0051】
このとき、第3周波数で伝送する信号もまた第2周波数の信号と同様に、BMCと通信するために送受信する第1周波数を有するRF信号に比べてエネルギー密度が高い。これは、第3周波数を有するRF信号に基づいてバッテリー管理制御機(BMC)で電圧が生成されなければならないためである。そして、第3周波数を有するRF信号であるフォールト信号はデータを含まない信号であってよい。すなわち、第3周波数を有するRF信号は、変調されていない信号であってよい。例えば、第3周波数を有するRF信号は、CW(Continuous Wave)信号であってよい。すなわち、フォールト信号は、単に所定のエネルギー密度以上のエネルギーをBMCに伝達するための信号であってよい。
【0052】
本実施形態では、駆動部112とセルパラメータ測定部110が別途の構成でなるものと記載したが、これは例示的なもので、これらが一つの統合された構成で具現されてもよい。
【0053】
RFモジュール114は、駆動部112が電圧生成部106で生成された電圧に基づいたイネーブル信号を受信すると、駆動部112がイネーブルさせる。また、駆動部112がセルの状態に問題があると判断し、駆動部112からフォールト信号の生成信号を受信すると、RFモジュール114は第3周波数を有するフォールト信号を生成して第1アンテナ116に伝送する。
【0054】
第1アンテナ116は、RFモジュール114からフォールト信号を受信する。RFモジュール114からフォールト信号を受信した第1アンテナ116は、外部装置、例えばBMCにフォールト信号を伝送する。すなわち、フォールト信号は、第1アンテナを介して伝送される。また、第1アンテナ116は、BMCにフォールト信号を伝送すること以外にも、BMCと一般的な通信を行うアンテナである。
【0055】
一方、図示されてはいないが、電圧生成部106である多段整流回路に蓄積されたエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含んでよい。多段整流回路には、第2周波数の信号以外の信号やノイズによって所定のエネルギーが蓄積され得る。蓄積されたエネルギーがある程度以上になれば、第2周波数のRF信号を受信しなくても電圧生成部106が電圧を生成して駆動部112がイネーブルされる問題が発生し得る。したがって、多段整流回路に蓄積されたエネルギーを周期的に若しくは所定の条件を満たす時(例えば、蓄積されたエネルギーが基準値以上の時)に放電させる必要がある。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリー状態モニタリング方法の簡略な流れ図である。
【0057】
セル管理制御機100は、BMCからRF信号を受信する前までは、MCUがラッチ(latch)するのに必要な電力だけ消費するため、「0」に近い待機電力だけを消耗しながら待機できる。すなわち、セル管理制御機100は、RF信号を受信した後に動作するため、RF信号を受信する前に周期的に起動する必要がない。
【0058】
セル管理制御機100は、待機状態で、第2アンテナ102が外部装置、例えば、BMCから第2周波数を有するRF信号を受信する(S200)。このとき、インピーダンスマッチング回路104が第2アンテナ102で受信されるRF信号の中から予めマッチングされている周波数のRF信号を選別し、電圧生成部106に伝達する。
【0059】
第2アンテナ102でBMCから受信されたRF信号は電圧生成部106に伝達される。第2アンテナ102からRF信号を受信した電圧生成部106は駆動部112にイネーブル信号を伝送するための電圧を生成する(S202)。
【0060】
電圧生成部106は、例えば、整流回路であってよい。但し、電圧生成部106を構成する整流回路は、受信されたRF信号で駆動部112にイネーブル信号を生成して伝送するほどの電圧を生成することが難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で具現してよい。
【0061】
電圧生成部106は、多段整流回路を構成するために複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のために、ダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0062】
電圧生成部106でRF信号を受信して電圧を生成すれば、これを駆動部112で感知する(S204)。すなわち、駆動部112は、電圧生成部106で生成された電圧に基づいたイネーブル信号が印加される。電圧生成部106で生成された電圧を感知した駆動部112は、イネーブルされてセル管理制御機100内の各回路をイネーブルさせる(S206)。駆動部112は、例えば、セル管理制御機100内の構成をそれぞれ制御するMCUであってよい。
【0063】
すなわち、駆動部112がRFモジュール114をイネーブルさせる。駆動部112からイネーブル信号を受けた電源回路108は、バッテリーから電流の供給を受けてRFモジュール114に電力を供給する。本実施形態では、駆動部112は、電源回路108から最小限の常時電力の供給を受ける。セルパラメータ測定部110は、バッテリーから直接電力の供給を受けてもよく、電源回路108から供給を受けてもよい。
【0064】
駆動部112からセルパラメータ測定信号(制御信号)を受信したセルパラメータ測定部は、セルの電圧及び温度を測定する(S208)。セルパラメータ測定部110は、バッテリーセルと連結されてバッテリーセルの電圧及び温度を測定する。セルパラメータ測定部110がバッテリーセルの電圧及び温度を測定し、セルの電圧及び温度データを駆動部112に伝送する。
【0065】
セルパラメータ測定部110で測定されたセルの電圧及び温度データを受信した駆動部112は、受信したセルの電圧及び温度データに基づいてバッテリーセルに問題が発生したかを判断する(S210)。
【0066】
例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。または、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。
【0067】
駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114によりフォールト信号を生成させ第1アンテナ116を介してフォールト信号を外部装置に伝送するようにする(S212)。フォールト信号は、第2アンテナが受信するRF信号とは異なる周波数を有する信号である。また、フォールト信号は、外部装置でインピーダンスマッチングされる周波数を有する信号である。
【0068】
駆動部112でセルの状態に問題がないと判断されると、駆動を終了して再び待機モードに入る。但し、セルの状態に問題がないと判断される時にも、駆動部112は、RFモジュール114によりフォールト信号とは異なる周波数の信号を生成させることはできる。これは予め設定できる。
【0069】
図3には、本発明の一実施形態によるCMCとBMCの構成図が簡略に示されている。CMCは、バッテリーセルとモジュールの状態をモニタリング/管理するモジュールであり、BMCは、CMCから伝達される情報に基づいてバッテリー状態を診断/推定/管理するモジュールである。
【0070】
それぞれのバッテリーに連結されるCMCモジュールは、第1アンテナa1、第2アンテナb1、インピーダンスマッチング回路、多段整流回路、MCU、RFモジュール、セルパラメータ測定部及び電源回路を含む。
【0071】
また、BMCは、第1アンテナa2、第2アンテナb2、MCU、RFモジュール、多段整流回路、インピーダンスマッチング回路を含む。先立って説明した通り、CMC及びBMCは、多段整流回路に蓄積されたエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含んでよい。
【0072】
BMCのMCUは、RFモジュールにより第2周波数を有するRF信号を生成させ、第1アンテナa2を用いてCMCモジュールに伝送するようにする。すなわち、BMCの制御部は、CMCを待機状態からウェークアップ状態に遷移させるためのウェークアップ信号を、第2周波数を有する信号として生成し第1アンテナa2を介してCMCに伝送し、CMCと一般的なデータ送受信を、第1周波数を有するRF信号で行うようにする。CMCの第1アンテナa2を介して伝送されたRF信号は、第2アンテナb1から受信されてインピーダンスマッチング回路により周波数マッチングされ、MCUに伝達される。
【0073】
第2周波数を有する信号は、CMCとBMCがデータ通信を行うための信号ではない。第2周波数を有する信号は、単にCMCが待機状態からウェークアップ状態に遷移されれば良いため、信号内に命令やデータが含まれる必要はない。その代わりに、第2周波数を有する信号を用いてMCUがウェークアップ状態に遷移され得るイネーブル信号を生成しなければならないため、所定のエネルギー密度を有する必要がある。すなわち、第2周波数を有する信号のエネルギー密度は、CMCとBMCが通信する時に用いる第1周波数を有する信号のエネルギー密度より大きくなければならない。言い換えれば、第2周波数を有する信号は、データの送信ではなくエネルギーの伝達が主な目的である。
【0074】
第2アンテナb1が第1アンテナa2からRF信号を受信すると、多段整流回路は電圧を生成する。整流回路は、受信されたRF信号でMCUをウェークアップ状態に遷移させるほどの電圧を生成することが難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で構成されてよい。
【0075】
多段整流回路は、複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のために、ダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0076】
多段整流回路でRF信号を受信し、電圧を生成してイネーブル信号をMCUに伝送し、MCUでこの信号を感知してイネーブルされる。MCUは、電源回路から最小限の電力だけ供給を受けてイネーブル信号を待つ。イネーブルされたMCUは各回路をイネーブルさせる。
【0077】
MCUは、RFモジュールをイネーブルさせる。MCUからイネーブル信号を受けた電源回路がイネーブルされ、バッテリーから電流の供給を受けてMCU及びRFモジュールに電力を供給する。
【0078】
セルパラメータ測定部は、バッテリーに連結され、連結されたバッテリーの電圧及び温度を測定する。セルパラメータ測定部は、本図で一つに示されているが、セル電圧測定部及びセル温度測定部の別個の構成で構成されてもよい。セルパラメータ測定部で測定したセルの電圧及び温度に対するデータをMCUに伝送する。
【0079】
セルパラメータ測定部からセルの電圧及び温度に対するデータを受信した MCUは、当該セルの測定電圧及び温度がセルの正常動作の範囲内か否かを判断する。例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、MCUはセルの状態に問題があると判断する。MCUでセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュールによりフォールト信号を生成させる。また、例えば、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、MCUはセルの状態に問題があると判断する。MCUでセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュールによりフォールト信号を生成させる。
【0080】
RFモジュールは、MCUが多段整流回路で生成された電圧を感知してイネーブルされれば、MCUからイネーブル信号を受信してイネーブルされる。また、MCUがセルの状態に問題があると判断し、MCUからフォールト信号の生成信号を受信すると、RFモジュールはフォールト信号を生成して第1アンテナa1に伝送する。フォールト信号は、第2アンテナb1から受信されたRF信号とは異なる周波数を有する。
【0081】
第1アンテナa1は、RFモジュールからフォールト信号を受信する。RFモジュールからフォールト信号を受信した第1アンテナa1は、BMCに当該フォールト信号を伝送する。フォールト信号は、第1周波数及び第2周波数とは異なる第3周波数を有する。ここで、第3周波数有する信号は、データを有している信号ではない。第3周波数を有する信号は、単にBMCに対してバッテリーセルに異常が発生したことだけを通知すれば良い。したがって、信号内に命令やデータの含まれる必要はない。その代わりに、BMCで第3周波数を有する信号を受信したということが検出可能でなければならないため、所定のエネルギー密度を有する必要がある。すなわち、第3周波数を有する信号のエネルギー密度は、CMCとBMCが通信する時に用いる第1周波数を有する信号のエネルギー密度より大きくなければならない。言い換えれば、第3周波数を有する信号の送信は、エネルギーの伝達を介して特定イベントが発生したという事実を通知することを主な目的とする。
【0082】
BMCの第2アンテナb2は、CMCから伝送されたフォールト信号を受信する。当該フォールト信号の周波数は予め設定されているため、BMCのインピーダンスマッチング回路によってマッチングされる信号であって、第2アンテナb2で受信される。
【0083】
BMCの第2アンテナb2を介して受信されたフォールト信号をBMCのMCUで感知し、当該CMCが監視するバッテリーセルに問題が生じたことが分かる。すなわち、BMCの制御部は、第2アンテナb2から第3周波数を有する信号を受信した時、CMCがモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断する。
【0084】
第1アンテナa1は、RFモジュールからフォールト信号を受信する。RFモジュールからフォールト信号を受信した第1アンテナa1は、BMCにフォールト信号を伝送する。
【0085】
また、CMCの第1アンテナa1は、BMCの第1アンテナa2との間で第1周波数を有するRF信号を用いて一般的な通信を行う通信経路として用いられる。そして、CMCの第1アンテナa1は、BMCの第2アンテナb2に第3周波数を有するフォールト信号を伝送する。また、CMCの第2アンテナb1は、BMCの第1アンテナa2からウェークアップ信号を受信する。
【0086】
図4は、本発明の一実施形態による多段整流回路の具現例を示す図である。
【0087】
RF信号を受信して電圧を生成する多段整流回路は、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で具現が可能である。
【0088】
多段整流回路には、複数のダイオードと複数のキャパシタが含まれる。RF信号が入力される入力端にキャパシタの一端が並列に連結されており、それぞれのキャパシタの他端には、並列に連結されているダイオードの一端が連結される。それぞれのキャパシタの他端に並列に連結されているダイオードのうち一つのダイオードの他端にキャパシタがさらに連結される。また、RF信号が入力される入力端に並列に連結されるキャパシタのうち最も先端に連結されるキャパシタの他端に連結されるダイオードの他端から電圧が出力される。
【0089】
入力部に並列に連結されるキャパシタの数によって多段で具現されてよく、所望電圧の大きさによって多段の数が調節されて具現されてよい。
【0090】
また、多段整流回路に含まれるダイオードは、速い整流及び高電圧の形成のために、閾値電圧が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0091】
また、図4に示された多段整流回路は一例に過ぎず、公知の他の多段整流回路が適用されてもよいだろう。
【0092】
一方、図1から図4によるCMC及びBMCは、第1周波数から第3周波数に関連して異なる方式で動作してもよい。以下では、図3のCMC及びBMC構成に基づいた他の動作方式に対して説明する。
【0093】
他の動作方式の一例として、第1周波数信号及び第2周波数信号の周波数は、互いに同一であってもよい。データ通信や命令を送信する時に用いる信号はエネルギー密度が低いため、回路部品の動作に必要な電圧を生成することが容易ではない。したがって、イネーブル信号に用いる電圧を生成してCMCのMCUをウェークアップ状態に遷移させるためには、RF信号が所定のエネルギー密度を有していなければならない。したがって、第1周波数信号及び第2周波数信号の周波数を異にする代わりに、それぞれの信号が有するエネルギー密度を異にして、通信のための信号とウェークアップのための信号に区分することができる。
【0094】
他の動作方式の他の例として、第1周波数信号及び第3周波数信号の周波数は、互いに同一であってもよい。第3周波数信号は、フォールト信号としてデータを伝送する必要があるものではなく、第3周波数信号が受信されたという事実だけをBMCが把握できれば良い。すなわち、CMCからBMCに所定のエネルギーが伝達されれば良い。したがって、第3周波数信号も、第2周波数信号の場合と同様に、周波数を異にする代わりにそれぞれの信号が有するエネルギー密度を異にすることで、通信のための信号とフォールト信号を区分することができる。
【0095】
このように、第1周波数信号と第2周波数信号における周波数を同一にする場合、BMCは一つのRFモジュールだけ備えれば良いため、費用及び設置空間を節約できる。また、同様に、第1周波数信号と第3周波数信号における周波数を同一にする場合、CMCは一つのRFモジュールだけ備えれば良いため、費用及び設置空間を節約できる。
【0096】
図5は、本発明の他の実施形態によるセル管理制御機の簡略な構成を示す図である。
【0097】
セル管理制御機100は、第2アンテナ102、インピーダンスマッチング回路104、電圧生成部106、電源回路108、セルパラメータ測定部110、駆動部112、RFモジュール114及び第1アンテナ116を含んでいる。
【0098】
ここで、バッテリーの種類は特に限定されず、例えば、バッテリーは、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池等で構成されてよい。
【0099】
また、バッテリーは、複数の電池セルが直列及び/又は並列に連結されているバッテリーモジュールで形成され、複数のバッテリーモジュールは直列及び/又は並列に連結されたバッテリーパックを形成する。バッテリーは、一つ以上のバッテリーパックを含んでよい。
【0100】
第2アンテナ102は、外部装置、例えば、BMCから第2周波数を有するRF信号を受信する。第2アンテナ102で受信されるRF信号のうち、インピーダンスマッチング回路104でマッチングされた周波数を有するRF信号が電圧生成部106に伝達される。すなわち、インピーダンスマッチング回路104は、第2アンテナ102を介して受信されるRF信号の中から予めマッチングされている第2周波数を有するRF信号を選別し、電圧生成部106に伝達する。
【0101】
第2アンテナ102からRF信号を受信した電圧生成部106は、受信されたRF信号を用いて電圧を生成する。すなわち、電圧生成部106は、第2アンテナ102で受信された第2周波数を有するRF信号に基づいて電圧を生成する。第2アンテナ102で受信する第2周波数を有するRF信号は、第1アンテナ116でBMCと通信するために送受信する第1周波数を有するRF信号に比べてエネルギー密度が高い。このような第2周波数を有するRF信号は、データを含まない信号であってよい。すなわち、第2周波数を有するRF信号は、変調されていない信号であってよい。例えば、第2周波数を有するRF信号は、CW(Continuous Wave)信号であってよい。すなわち、第2周波数を有するRF信号は、単に所定のエネルギー密度以上のエネルギーをセル管理制御機100に伝達するための信号であってよい。
【0102】
電圧生成部106は、例えば、多段整流回路であってよい。但し、受信されたRF信号で駆動部112をウェークアップ状態に遷移させるほどの電圧を生成することが難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で構成されてよい。すなわち、多段整流回路は、第2周波数を有するRF信号から生成されなければならない電圧によって段数が調節されてよい。
【0103】
電圧生成部106は、多段整流回路を構成するために複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のために、ダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0104】
電圧生成部106でRF信号を受信して電圧を生成すれば、電源回路108でこれを感知してイネーブルされる。すなわち、電圧生成部106で生成された電圧が電源回路108をイネーブルさせるイネーブル信号となる。電源回路は、電圧生成部で生成された電圧が入力される時駆動部112にイネーブル信号を印加する。イネーブルされた電源回路108は、各回路をイネーブルさせる。電源回路108がイネーブルされ、セル管理制御機100内のそれぞれの回路の構成、駆動部112、RFモジュール114に電力を供給する。
【0105】
電源回路108から電力の供給を受けた駆動部112は、電源回路108から印加されるイネーブル信号に基づいてウェークアップ状態に遷移する。ウェークアップされた駆動部112は、セルパラメータ測定部110に制御信号を伝送し、セルの電圧又は温度を測定する。
【0106】
セルパラメータ測定部110は、バッテリーに連結され、駆動部112で受信した制御信号に基づいてバッテリーセルの状態を示すパラメータを測定する。バッテリーセルの状態を示すパラメータは、電圧又は温度のうち少なくとも一つであってよい。セルパラメータ測定部110は、本図で一つに示されているが、セル電圧測定部及びセル温度測定部の別個の構成で構成されてもよい。セルパラメータ測定部110で測定したセルの電圧及び温度に対するデータを駆動部112に伝送する。
【0107】
セルパラメータ測定部110から受信したバッテリーセルのパラメータ値に基づいて、駆動部112は、バッテリーセルの異常有無を判断する。すなわち、セルパラメータ測定部110からセルの電圧及び温度に対するデータを受信した駆動部112は、当該セルの測定電圧及び温度がセルの正常動作の範囲内か否かを判断する。例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114によりフォールト信号を生成させる。また、例えば、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114によりフォールト信号を生成させる。すなわち、バッテリーセルに異常が発生したと判断された場合、外部装置にバッテリーセルの異常状態を示すフォールト信号を第1周波数とは異なる第3周波数で伝送する。
【0108】
このとき、第3周波数で伝送する信号も第2周波数の信号と同様に、BMCと通信するために送受信する第1周波数を有するRF信号に比べてエネルギー密度が高い。そして、第3周波数を有するRF信号であるフォールト信号は、データを含まない信号であってよい。すなわち、第3周波数を有するRF信号は、変調されていない信号であってよい。例えば、第3周波数を有するRF信号は、CW(Continuous Wave)信号であってよい。すなわち、フォールト信号は、単に所定のエネルギー密度以上のエネルギーをBMCに伝達するための信号であってよい。
【0109】
RFモジュール114は、電源回路108から電源が供給され、駆動部112によってイネーブルされる。また、駆動部112がセルの状態に問題があると判断し、駆動部112からフォールト信号の生成信号を受信すると、RFモジュール114は第3周波数を有するフォールト信号を生成して第1アンテナ116に伝送する。
【0110】
第1アンテナ116は、RFモジュール114からフォールト信号を受信する。RFモジュール114からフォールト信号を受信した第1アンテナ116は、外部装置、例えば、BMCにフォールト信号を伝送する。また、第1アンテナ116は、BMCにフォールト信号を伝送すること以外にも、BMCと一般的な通信を行うアンテナである。
【0111】
また、図示されてはいないが、多段整流回路に蓄積されたエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含んでよい。放電回路は、多段整流回路に蓄積されたエネルギーを周期的に若しくは所定の条件を満たす時(例えば、蓄積されたエネルギーが基準値以上の時)に放電させる。
【0112】
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリー状態モニタリング方法の簡略な流れ図である。
【0113】
セル管理制御機100は、第2アンテナb1を介してRF信号を受信した後に動作するため、RF信号を受信する前にBMCから信号を受信するために周期的に起動する必要がない。
【0114】
セル管理制御機100は普段待機状態でいながら、第2アンテナ102は、外部装置、例えば、BMCからRF信号を受信する(S500)。
【0115】
第2アンテナ102で受信されるRF信号のうち、インピーダンスマッチング回路104によって周波数がマッチングされるRF信号だけ電圧生成部106に伝達される。
【0116】
第2アンテナ102でBMCから受信されたRF信号は、電圧生成部106に伝達される。第2アンテナ102からRF信号を受信した電圧生成部106は、電源回路108をウェークアップ状態に遷移させるための電圧を生成する(S502)。このとき生成された電圧に基づいてイネーブル信号を電源回路108に印加する。
【0117】
電圧生成部106は、例えば、多段整流回路であってよい。但し、受信されたRF信号で電源回路108をウェークアップ状態に遷移させるほどの電圧を生成することが難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で具現してよい。
【0118】
電圧生成部106は、多段整流回路を構成するために複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のために、ダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0119】
電圧生成部106でRF信号を受信して電圧を生成すれば、電源回路108でこれを受信してイネーブルされる(S504)。電圧生成部106で生成された電圧によってイネーブルされた電源回路108は、セル管理制御機100 内の各回路に電力を供給しながらイネーブルさせる(S506)。駆動部112は、例えば、セル管理制御機100内の構成をそれぞれ制御するMCUであってよい。
【0120】
イネーブル信号を受信してウェークアップ状態に遷移された駆動部112は、パラメータ測定部110にセル電圧及び温度測定信号(制御信号)を伝送し、セル電圧及び温度を測定する(S508)。駆動部112によって駆動されたセルパラメータ測定部は、セルの電圧及び温度を測定する(S510)。セルパラメータ測定部110は、バッテリーセルと連結されてバッテリーセルの電圧及び温度を測定する。セルパラメータ測定部110がバッテリーセルの電圧及び温度を測定し、電圧及び温度データを駆動部112に伝送する。
【0121】
セルパラメータ測定部110で測定されたセルの電圧及び温度データを受信した駆動部112は、受信したセルの電圧及び温度データに基づいてバッテリーセルに問題が発生したかを判断する(S512)。
【0122】
例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。または、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、駆動部112はセルの状態に問題があると判断する。
【0123】
駆動部112でセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュール114により第3周波数を有するフォールト信号を生成させ、第1アンテナ116を介してフォールト信号を外部装置に伝送するようにする(S514)。このフォールト信号は、外部装置、例えば、BMCで予めインピーダンスマッチングされる信号である。
【0124】
駆動部112でセルの状態に問題がないと判断されれば、駆動を終了して再び待機モードに入る。但し、セルの状態に問題がないと判断される時にも、駆動部112は、RFモジュール114によりフォールト信号とは異なる周波数の信号を生成させることはできる。これは予め設定できる。
【0125】
図7には、本発明の他の実施形態によるCMCとBMCの構成図が簡略に示されている。
【0126】
それぞれのバッテリーに連結されるCMCモジュールは、第1アンテナa1、第2アンテナb1、インピーダンスマッチング回路、多段整流回路、MCU、RFモジュール、セルパラメータ測定部及び電源回路を含む。
【0127】
また、BMCは、第1アンテナa2、第2アンテナb2、MCU、RFモジュール、多段整流回路、インピーダンスマッチング回路を含む。先立って説明した通り、CMC及びBMCは、多段整流回路に蓄積されたエネルギーを放電させるための放電回路をさらに含んでよい。
【0128】
BMCのMCUは、RFモジュールにより第2周波数を有するRF信号を生成させ、第1アンテナa2を用いてCMCモジュールに伝送するようにする。すなわち、BMCの制御部は、CMCを待機状態からウェークアップ状態に遷移させるためのウェークアップ信号を、第2周波数を有する信号として生成し第1アンテナa2を介してCMCに伝送し、CMCとデータ送受信を、第1周波数を有するRF信号で行うようにする。RF信号は、所定の周波数を有する。CMCの第1アンテナa2を介して伝送されたRF信号は、第2アンテナb1で受信され、インピーダンスマッチング回路で周波数マッチングされる信号を選別し、多段整流回路に伝達される。
【0129】
前述の実施形態と同様に、第2周波数を有する信号は、CMCとBMCがデータ通信を行うための信号ではない。第2周波数を有する信号は、単にCMCが待機状態からウェークアップ状態に遷移されれば良いため、信号内に命令やデータが含まれる必要はない。その代わりに、第2周波数を有する信号を用いて電源回路がウェークアップ状態に遷移され得るイネーブル信号を生成しなければならないため、所定のエネルギー密度を有する必要がある。すなわち、第2周波数を有する信号のエネルギー密度は、CMCとBMCが通信する時に用いる第1周波数を有する信号のエネルギー密度より大きくなければならない。言い換えれば、第2周波数を有する信号は、データの送信ではなくエネルギーの伝達が主な目的である。
【0130】
第2アンテナb1が第1アンテナa2からRF信号を受信すると、多段整流回路は電圧を生成する。整流回路は、受信されたRF信号で電源回路を起動するほどの電圧を生成するこがは難しいため、高電圧を形成するために必要電圧まで多段で構成されてよい。
【0131】
多段整流回路は、複数のダイオードと複数のキャパシタを含んでよい。ダイオードは、例えば、速い整流及び高電圧の形成のために、ダイオードの閾値電圧(Vf)が低く、状態遷移速度が速いRFダイオードであってよい。
【0132】
多段整流回路でRF信号を受信して電圧を生成すれば、電源回路でこれをイネーブル信号と感知し(又は生成された電圧が印加され)イネーブルされて各回路に電力を供給する。すなわち、電源回路が各回路の構成MCU、RFモジュールをイネーブルさせる。
【0133】
電源回路からイネーブル信号を受信したMCUは、セルパラメータ測定部によりセルの電圧及び温度を測定するようにする。
【0134】
セルパラメータ測定部は、バッテリーに連結され、連結されたバッテリーの電圧及び温度を測定する。セルパラメータ測定部は、本図で一つに示されているが、セル電圧測定部及びセル温度測定部の別個の構成で構成されてもよい。セルパラメータ測定部で測定したセルの電圧及び温度に対するデータをMCUに伝送する。
【0135】
セルパラメータ測定部からセルの電圧及び温度に対するデータを受信したMCUは、当該セルの測定電圧及び温度がセルの正常動作の範囲内か否かを判断する。例えば、測定されたセルの電圧が第1閾値より大きいか第2閾値より小さければ、MCUはセルの状態に問題があると判断する。MCUでセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュールによりフォールト信号を生成させる。また、例えば、測定されたセルの温度が第3閾値より大きければ、MCUはセルの状態に問題があると判断する。MCUでセルの状態に問題があると判断されれば、RFモジュールによりフォールト信号を生成させる。
【0136】
RFモジュールは、MCUが電源回路からイネーブル信号を受信し、再びRFモジュールでイネーブル信号を伝送するとイネーブルされる。また、MCUがセルの状態に問題があると判断し、MCUからフォールト信号の生成信号を受信すると、RFモジュールはフォールト信号を生成して第1アンテナa1に伝送する。
【0137】
第1アンテナa1は、RFモジュールからフォールト信号を受信する。RFモジュールからフォールト信号を受信した第1アンテナa1は、BMCに当該フォールト信号を伝送する。ここで、第3周波数有する信号は、データを有している信号ではない。第3周波数を有する信号は、単にBMCに対してバッテリーセルに異常が発生したことだけを通知すれば良い。したがって、信号内に命令やデータの含まれる必要はない。その代わりに、BMCで第3周波数を有する信号を受信したということが検出可能でなければならないため、所定のエネルギー密度を有する必要がある。すなわち、第3周波数を有する信号のエネルギー密度は、CMCとBMCが通信する時に用いる第1周波数を有する信号のエネルギー密度より大きくなければならない。言い換えれば、第3周波数を有する信号の送信は、エネルギーの伝達を介して特定イベントが発生したという事実を通知することを主な目的とする。
【0138】
BMCの第2アンテナb2でCMCから伝送されたフォールト信号を受信する。当該フォールト信号の周波数は予め設定されているため、BMCのインピーダンスマッチング回路によってマッチングされる信号であって、第2アンテナb2で受信される。
【0139】
BMCの第2アンテナb2を介して受信されたフォールト信号をBMCのMCUで感知し、当該CMCが監視するバッテリーセルに問題が生じたことが分かる。すなわち、BMCの制御部は、第2アンテナb2から第3周波数を有する信号を受信した時、CMCがモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断する。フォールト信号は、エネルギー伝達によるイベント検出の通知が目的であるため、BMCのMCUは、第2アンテナb2から予め設定された基準以上のエネルギーを有する第3周波数の信号を受信することを検出する場合、CMCがモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したと判断してよい。
【0140】
また、CMCの第1アンテナa1は、BMCの第1アンテナa2との間で第1周波数を有するRF信号を用いて一般的な通信を行う通信経路として用いられる。そして、CMCの第1アンテナa1は、BMCの第2アンテナb2に第3周波数を有するフォールト信号を伝送する。また、CMCの第2アンテナb1は、BMCの第1アンテナa2からウェークアップ信号であるRF信号を受信する。
【0141】
図1から図4による実施形態の場合と同様に、第1周波数から第3周波数が互いに同一の周波数の場合にも図5から図7によるCMC及びBMCが動作できることが理解できるはずである。すなわち、第1周波数から第3周波数が互いに同一の周波数の場合、第2周波数の信号と第3周波数の信号は、エネルギー密度を異にすることで本発明の目的を達成することができるだろう。
【0142】
さらに、図4及び図7に示された通り、BMCが複数のCMCを管理する場合に次のような変形例を考慮することができる。
【0143】
複数のCMCそれぞれは同一の構成を有する。但し、CMCで自分がモニタリングするバッテリーセルに異常が発生したことを検出した場合、BMCに伝送するフォールト信号の周波数を互いに異なるように設定する。すなわち、フォールト信号の伝送のための第3周波数の信号における第3周波数が、各CMC別に互いに異なる。
【0144】
これと共に、BMCは、複数のCMCと第1周波数で通信を行うことに加え、複数のCMCのうちどのCMCからフォールト信号が受信されるのかをモニタリングしなければならない。すなわち、フォールト信号がどのCMCから送信されるのか分からないため、対象となる全ての周波数をスキャンしなければならない。よって、CMCのMCUは、インピーダンスマッチング回路のインピーダンスを調整するなどにより、複数のCMCがフォールト信号を送信することになる互いに異なる第3周波数を含む周波数範囲をスキャニングする。
【0145】
このような構成により、BMCは、どのCMCで異常が発生したのかを直ぐ把握できるようになる。すなわち、BMCがフォールト信号を受信した周波数を把握できるため、フォールト信号に他の情報が含まれていなくても、BMCはフォールト信号を送信したCMCを特定できるようになる。
【0146】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態と図によって説明されてはいるものの、本発明がこれによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能なことは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7