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  • 特許-化粧品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】化粧品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220720BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20220720BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20220720BHJP
   A61K 8/97 20170101ALI20220720BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20220720BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20220720BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20220720BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20220720BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A61K8/31
A61Q1/10
A61K8/02
A61K8/97
A61K8/19
A61K8/25
A61Q1/02
A61Q1/04
A45D34/04 515Z
A45D34/04 510A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017212820
(22)【出願日】2017-11-02
(65)【公開番号】P2019085351
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】矢野 秀和
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】実公昭57-019045(JP,Y1)
【文献】特開2011-207865(JP,A)
【文献】特許第6134998(JP,B1)
【文献】特開2017-109969(JP,A)
【文献】実開平03-088407(JP,U)
【文献】実開昭64-040321(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A45D 33/00-40/30
B43K 29/00-31/00
B65D 35/44-35/54、
39/00-55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有し、内部に固化した化粧料を収容した容器本体と、前記開口部に挿入される先端部に塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体と、を備え、前記蓋体を前記容器本体に取り付けたときに前記塗布体と前記化粧料とが接触するとともに前記化粧料が密閉される化粧品であって、
前記化粧料が、(A)25℃で固形のワックス、(B)粉体、(C)皮膜形成剤、及び(D)揮発性油剤を含み、
前記化粧料における前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分及び前記(D)成分の含有量がそれぞれ、化粧料全量を基準として、1~15質量%、1~40質量%、10~35質量%及び10~30質量%であり、
前記化粧料が、目元用化粧料である、化粧品。
【請求項2】
前記(C)皮膜形成剤が、トリメチルシロキシケイ酸である、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
前記(B)粉体が、炭酸カルシウムを含有する、請求項1又は2に記載の化粧品。
【請求項4】
前記(B)粉体が、光輝性粉体を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品。
【請求項5】
前記化粧料が、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、オレイン酸フィトステリル、ヘキサ(オレイン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)スクロース、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、又はビスジグリセリルポリアシルアジペート-2を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品。
【請求項6】
レオメーターを用いて、感圧軸1mmφ、針入速度6cm/min、針入深度10mmの条件で測定される、前記化粧料の25℃におけるバルク硬度が0.05~2.0Nである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品。
【請求項7】
前記(D)揮発性油剤が、メチルトリメチコンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油性固形化粧料は、ワックスなどの固形油、粉体、液状油を骨格として構成されており、基本的な要求特性として、製造時の充填成型性、塗布膜の伸びなどの使用性、化粧もちなどの化粧膜の性能がある。
【0003】
他方、化粧品の容器形態が多様化しており、例えば、使用方法の簡易性や低コスト化を図るものとして、化粧用チップ、パフなどの塗布体が常時化粧料に直接に接するような塗布具を備える容器が利用されている。この容器形態においては、保管時には、塗布体が化粧料中に沈み込まないことや、化粧料の油分が塗布体に染み込まないことが求められ、使用時には、塗布体に適量の化粧料が取れることや、化粧料が粉とびしないことが求められる。
【0004】
上記の対策についてはこれまでにも検討がなされており、例えば、下記特許文献1には、デキストリン脂肪酸エステルやイヌリン脂肪酸エステルといった親油性のゲル化剤を化粧料に配合することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-79767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の化粧料は、バルク硬度が低いために塗布体が沈み込みやすく、直接肌に接する部分以外にも化粧料が付着するなど、使用性を満足するものではなかった。
【0007】
塗布体の沈み込みを抑制する方法として化粧料の硬度を高めることが考えられる。しかしながら、化粧料を硬くすると、塗布体に適量の化粧料を取ることが難しくなり、使用性が損なわれる傾向にある。また、化粧料の硬度は、製造時の充填成型性や化粧膜の性能が損なわれないように調整する必要がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の容器に充填された化粧料と、この化粧料に接する塗布体とを備える化粧品において、十分な充填成型性で充填された化粧料を有するとともに、化粧料に塗布体が沈みにくく、使用時には適量の化粧料を取ることができ、化粧もちなどの性能が十分な化粧膜を形成できる化粧品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、一端に開口部を有し、内部に化粧料を収容した容器本体と、開口部に挿入される先端部に塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体とを備え、蓋体を容器本体に取り付けたときに塗布体と化粧料とが接触するとともに化粧料が密閉される化粧品であって、化粧料が、(A)25℃で固形のワックス、(B)粉体、(C)皮膜形成剤、及び(D)揮発性油剤を含み、(C)皮膜形成剤の含有量が、化粧料全量を基準として10~40質量%である化粧品を提供する。
【0010】
本発明の化粧品は、上記化粧料が十分な充填成型性を有するとともに、化粧料に塗布体が沈みにくく、使用時には適量の化粧料を取ることができ、化粧もちなどの性能が十分な化粧膜を形成することができる。このような効果が奏される理由としては、化粧料が密閉される容器に上記構成を有する化粧料を適用することで、化粧料に配合される(D)揮発性油剤を有効に機能させることができ、この(D)成分と上記(A)成分及び上記特定量の(C)成分との組み合わせにより、化粧料のバルク硬度を高めても、充填成型性、化粧料の取れ、及び化粧膜の性能の両立が可能になったためと本発明者らは考えている。
【0011】
本発明に係る化粧料によって形成される化粧膜は、着色性、速乾性、化粧もち、耐二次付着性に優れたものになり得る。
【0012】
本発明の化粧品において、上記(A)25℃で固形のワックスが、炭化水素系ワックスと植物系ワックスとを含有することが好ましい。炭化水素系ワックスと植物系ワックスとを組み合わせることにより、使用時には適量の化粧料を取ることができ、保管時には内容物に塗布体が沈み込むことを十分抑制することができる。
【0013】
また、本発明の化粧品において、上記(B)粉体が炭酸カルシウムを含有し、上記化粧料が目元用化粧料であってもよい。
【0014】
さらに、本発明の化粧品において、上記(B)粉体が光輝性粉体を含有することができる。
【0015】
光輝性粉体は、華やかな印象や立体感、ツヤ感を与えることができ、特にポイントメークにかかる化粧料に多用されている。その一方で、光輝性粉体は、凝集しやすい性質を有しており、肌に塗布した際のパールむらや肌への密着感が小さいことに課題がある。本発明の化粧品によれば、光輝性粉体を配合する場合であっても、塗布ムラが十分に抑制され、十分な耐二次付着性を有する化粧膜を形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、所定の容器に充填された化粧料と、この化粧料に接する塗布体とを備える化粧品において、十分な充填成型性で充填された化粧料を有するとともに、化粧料に塗布体が沈みにくく、使用時には適量の化粧料を取ることができ、化粧もちなどの性能が十分な化粧膜を形成できる化粧品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る化粧品の一実施形態の模式断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態の化粧品は、一端に開口部を有し、内部に化粧料を収容した容器本体と、開口部に挿入される先端部に塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体とを備え、蓋体を容器本体に取り付けたときに塗布体と化粧料とが接触するとともに化粧料が密閉される。
【0019】
図1は、本実施形態に係る化粧品の模式断面図を示す。図1に示される化粧品100は、先端部に塗布体10が設けられた塗布具15から構成される蓋体20と、一端に開口部を有し、内部に本発明に係る化粧料30を収容した化粧料収容部35と、化粧料収容部35を開口部方向に押圧できる弾性体40とを含んでなる容器本体50とを備える(図1の(a)及び(b))。先端部に塗布体10が設けられた塗布具15において、塗布体10は、塗布具から露出している先端部10aと、塗布具の先端部15aに保持されている後端部10bとからなり、塗布具15は、塗布体の後端部10bを保持している先端部15aと、後端部15bとからなる。
【0020】
図1の(b)は、蓋体を容器本体に取り付けたときの形態を示しており、塗布体10と化粧料30とが接触するとともに、蓋体20によって化粧料30が密閉されている。本実施形態においては、容器本体50の内壁面の周方向に突起が設けられており、この突起が塗布具15の外壁面に当接して、容器本体と蓋体とが係止するとともに化粧料30を密閉する。
【0021】
なお、嵌合手段は上記の突起に限定されず、容器本体と蓋体とが係止し、化粧料を密閉できるものであれば、突起の位置、数、形状の変更を行ってもよく、その他の嵌合手段を採用してもよい。また、蓋体と容器本体との結合を螺合手段に変更することもできる。
【0022】
収容部35を押圧する弾性体40としてはバネなどを用いることができるが、同様の機能を有しているものであれば他の手段に変更が可能である。
【0023】
塗布体の材質としては、例えば、フェルト、ウレタン等の発泡プラスチック、ニトリルゴム等のエラストマー樹脂、毛髪、合成繊維などが挙げられる。塗布体は、芯材と芯材を覆う外層からなるものであってもよい。例えば、芯材が発泡プラスチックであり、外層がエラストマー樹脂であるもの、芯材としてのエラストマー樹脂にナイロン繊維を係着したものが挙げられる。塗布体は、化粧料の保持性能の良い多孔質材料が好ましい。
【0024】
従来、塗布体が肌に接して変形する場合、付着している化粧料が塊となって落下する、又は肌の不要な箇所に化粧料が付着するといった問題が生じやすい。化粧料の落下は、化粧料が油分としてワックスのみを含む場合に生じやすい。これに対し、本実施形態においては、化粧料として後述する本実施形態の化粧料が充填されていることにより、上記の問題を抑制することができる。
【0025】
塗布体の形状については、先端に進むにしたがってその直径が漸次小さくなるペン先あるいは筆先形状とすることが好ましい。ただし、塗布体の形状は、先細り形状に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、アイシャドウや口紅などの化粧用途に応じて、塗布体の形状は、球状、ヘラ状など種々選択することができる。
【0026】
本発明においては、本実施形態に係る容器形態と同様の機能を有している、すなわち、保管時に塗布体と化粧料とを接触させることができ、化粧料を密閉できるものであれば、公知の容器を制限なく採用することができる。そして、当該容器の化粧料収容部に本発明に係る化粧料を充填することができる。
【0027】
本発明に係る化粧料は、(A)25℃で固形のワックス(以下、(A)成分という場合もある)、(B)粉体(以下、(B)成分という場合もある)、(C)皮膜形成剤(以下、(C)成分という場合もある)、及び(D)揮発性油剤(以下、(D)成分という場合もある)を含む。
【0028】
<(A)25℃で固形のワックス>
25℃で固形のワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックス、セレシン、オケゾライト等の炭化水素系ワックス、硬化ヒマシ油、水添ホホバ油、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、鯨ロウ等の動物系ワックス等が挙げられる。その中でも、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、キャンデリラワックス、カルナウバロウが好ましい。
【0029】
上記のワックスは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
なお、本明細書において、25℃で固形のワックスとは、25℃で傾けた際に流動しないワックスを指す。
【0031】
塗布体の沈み込み抑制や、経時安定性の観点から、(A)成分が、炭化水素系ワックスと植物系ワックスとを含有することが好ましい。
この場合、これらの配合割合[炭化水素系ワックス]:[植物系ワックス]は質量比で10:1~1:10が好ましく、9:1~1:9がより好ましく、7:3~3:7がさらに好ましい。
【0032】
本実施形態の化粧料における(A)成分の含有量は、化粧料全量を基準として1~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましく、2~12質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量を上記の範囲であると、使用時には適量の化粧料を取ることができ、保管時には内容物に塗布体が沈み込みにくくすることができる。
【0033】
<(B)粉体>
粉体としては、通常化粧品に使用されるものであれば特に限定されず用いることが
できる。例えば、体質粉体、着色顔料等が挙げられる。
【0034】
体質粉体としては、無機粉体、合成無機粉体、有機粉体、金属セッケン、合成高分子粉体などが挙げられる。より具体的には、マイカ、カオリン、セリサイト、タルク、金雲母、合成雲母、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、ポリエチレン末、ウレタンビーズ、ポリメタクリル酸メチル、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。体質粉体の形状についても特に限定されないが、例えば、平均粒径が1~50μmの球状粉体を用いることができる。
【0035】
着色顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、パール顔料(雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等)、有機顔料(赤色228号、赤色226号、青色404号、赤色202号、黄色4号アルミニウムレーキ等)、天然色素(カルミン、ベニバナ等)などが挙げられる。
【0036】
本実施形態の化粧料は、塗布時の肌への密着性の観点から、(B)成分として、炭酸カルシウムを含有することが好ましい。この場合の化粧料は、特に、目元用化粧料として好適に用いることができる。具体的な用途として、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラが挙げられる。
【0037】
上記化粧料における炭酸カルシウムの含有量は、肌への良好な密着性と、きしみ感の少ない使用性とを両立する観点から、(B)成分の合計100質量部に対し、7.5~80質量部であることが好ましく、12~50質量部であることがより好ましい。
【0038】
本実施形態の化粧料は、(B)成分として、光輝性粉体を含有することができる。この場合、化粧膜にパール感を与えることができる。
【0039】
光輝性粉体としては、合成金雲母、雲母、ガラス、シリカ、アルミナ等の板状粉体の表面を、酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化クロム、水酸化クロム、金、銀、カルミン、有機顔料等の着色剤の1種または2種以上で被覆したものの他、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ポリエチレンテレフタレート・アルミ蒸着末、ポリエチレンテレフタレート・金蒸着積層末などのフィルム原反を任意形状に断裁したものなどが挙げられる。
【0040】
光輝性粉体は、アスペクト比が40~120であるものを用いることができる。また、光輝性粉体は、粒子径(最大径)が3~120μmであるものを用いることができる。
【0041】
本実施形態の化粧料が光輝性粉体を含有する場合、その含有量は、化粧料全量を基準として10~35質量%が好ましく、15~30質量%がより好ましい。本実施形態の化粧料によれば、光輝性粉体を上記含有量で含む場合であっても、塗布ムラが十分に抑制され、十分な耐二次付着性を有する化粧膜を形成することができ、華やかな印象や立体感、ツヤ感を与えることができる。
【0042】
(B)成分は、通常の方法により、撥水処理、撥水・撥油処理等の各種表面処理を施したものを用いることもできる。
【0043】
本実施形態の化粧料における(B)成分の含有量は、化粧料全量を基準として1~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましく、15~30質量%がさらに好ましい。
【0044】
<(C)皮膜形成剤>
皮膜形成剤としては、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル・シリコーン樹脂、ポリアルキルシルセスキオキサンなどが挙げられる。
【0045】
トリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物であり、[(CH-)SiO1/2[SiOで表される。市販品としては、BELSIL TMS803(旭化成ワッカーシリコーン社製)、KF-7312F、KF-7312J,KF7312K、KF7312T、X-21-5595(信越化学工業社製)など、揮発性油剤やシリコーン油と混合したものが挙げられる。
【0046】
アクリル・シリコーン樹脂は、アクリル樹脂の官能基にシリコーンが修飾された高分子のことである。アクリル・シリコーン樹脂は、特に限定されないが、例えば、アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアミド/アモジメチコン)コポリマーAMP、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーなどを用いることができる。市販品としては、KP-541、KP-543、KP-545、KP-549、KP-550、KP-575、KP-561P、KP-562P(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0047】
ポリアルキルシルセスキオキサンは、アルキル変性したシリコーンの分岐架橋体のことである。ポリアルキルシルセスキオキサンは、特に限定されないが、例えば、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリプロピルシルセスキオキサンなどを用いることができる。市販品としては、SilForm Flexible resin、SilForm Flexible fluid(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、670Fluid(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
【0048】
(C)成分は、化粧もち、耐二次付着性の観点から、トリメチルシロキシケイ酸が好ましい。
【0049】
本実施形態の化粧料において、皮膜形成剤の含有量は、化粧料組成物全量を基準として10~40質量%である。皮膜形成剤の含有量をこの範囲とすることにより、化粧料の取れ性と塗布体の沈み込みの抑制とを両立しつつ、着色性、化粧もち、耐二次付着性に優れた化粧膜を形成することができる。
【0050】
更に、化粧もち、耐二次付着性の観点から、本実施形態の化粧料における(C)成分の含有量は、化粧料全量を基準として10~35質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。
【0051】
<(D)揮発性油剤>
本明細書において、揮発性油剤とは、1気圧(101.325kPa)における沸点が250℃以下の油剤を意味する。
【0052】
揮発性油剤としては、メチルトリメチコン、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシリコーン系油剤、イソドデカン、イソパラフィンなどの炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの中でも、化粧もち、速乾性、経時安定性の観点から、メチルトリメチコンが好ましい。
【0053】
本実施形態の化粧料における(D)成分の含有量は、化粧料全量を基準として10~30質量%が好ましく、15~25質量%がより好ましい。
【0054】
本実施形態の化粧料は、(A)成分及び(D)成分以外のその他の油性成分を含有することができる。その他の油性成分としては、例えば、通常化粧品に使用される固形油、ペースト状油、液状油を用いることができる。
【0055】
固形油としては、例えば、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、アルキル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等のシリコーン類、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン等の糖脂肪酸エステル類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸等、が挙げられる。
【0056】
ペースト状油としては、例えば、ワセリン、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、オレイン酸フィトステリル、ヘキサ(オレイン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)スクロース、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2等が挙げられる。
【0057】
液状油としては、例えば、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、トリエチルヘキサノイン、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸プロパンジオール、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル等のエステル油;ジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;流動パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー等の炭化水素油;ヒマワリ種子油、ホホバ種子油、オリーブ油等の植物油;イソステアリン酸等の高級脂肪酸;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等の高級アルコール、流動パラフィン、スクワラン、水添ポリイソブテン等の炭化水素油、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等のエステル油、ヒマシ油等の植物油、高級アルコール、高級脂肪酸、シリコーン油等が挙げられる。
【0058】
本実施形態においては、化粧もち及び耐二次付着性の観点から、化粧料がペースト状油を含有することが好ましい。上記のペースト状油の中でも、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ビスジグリセリルポリアシルアジペート-2が好ましい。
【0059】
本実施形態の化粧料には、上記成分の他に通常化粧品に使用される他の成分、例えば保湿剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、防腐剤、ビタミン類、美容成分、酸化防止剤、香料等を必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0060】
本実施形態の化粧料は、バルク硬度が0.05~2.0Nであることが好ましく、0.1~1.0Nであることがより好ましい。なお、化粧料のバルク硬度は以下の手順で測定される。まず、加熱により溶融した化粧料を容量30mLのスクリューカップに充填し、25℃にて一晩放置した測定用サンプルを用意する。この測定用サンプルについて、FUDOHレオメーター RT-2002D・D((株)レオテック製)を用い、感圧軸1φ、針入速度6cm/min、針入深度10mmで硬度を測定する。
【0061】
本実施形態に係る化粧品の用途としては特に限定されないが、口紅、ファンデーション、チーク、コンシーラー、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、化粧下地、ヘアカラー等のメイクアップ用化粧料や、トップコート用化粧料などが挙げられる。その中でもアイシャドウ、アイライナー、アイブロウが塗布体の形状からも好適である。
【0062】
本実施形態に係る化粧品の製造方法としては、例えば、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分、並びに必要に応じてその他の成分を混合して得られる化粧料バルクを、化粧料収容部に充填し、固化する方法が挙げられる。
【0063】
本実施形態の化粧料バルクは(D)揮発性溶剤を含むことから、十分な充填性を有することができる。なお、充填、固化後の化粧料における(D)成分の含有量が上述した好ましい範囲となるように、化粧料バルクにおける揮発性溶剤の含有量及び固化するときの乾燥条件を適宜調節することができる。この場合、調節に用いる揮発性溶剤としては、メチルトリメチコン、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシリコーン系油剤、イソドデカン、イソパラフィン等の炭化水素系溶剤が好ましい。
【実施例
【0064】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0065】
実施例に先立ち、各実施例で採用した評価方法を説明する。
【0066】
<評価用容器の準備>
図1に示される容器本体及び蓋体と同様の構成を有する評価用容器を準備した。
【0067】
<評価方法>
[バルク硬度]
加熱により溶融した化粧料を容量30mLのスクリューカップに充填し、25℃にて一晩放置した測定用サンプルを用意した。この測定用サンプルについて、FUDOHレオメーター RT-2002D・D((株)レオテック製)を用い、感圧軸1φ、針入速度6cm/min、針入深度10mmで硬度を測定した。
なお、硬度が0.10N以上1.00N以下である場合を良好な硬さ、硬度が0.05N以上0.10N未満、又は1.00N超2.00N以下である場合を適度な硬さ、硬度が0.05N未満若しくは2.00N超又は測定不可の場合を硬さが不十分又は高すぎると判断できる。
【0068】
[充填成型性]
評価用容器の容器本体に脱泡後の化粧料を流し込み充填を行い、冷却固化させる際の充填状態を目視にて下記基準で判定した。
◎:良好
○:模様状の充填ムラが見られる
△:隙間がある充填ムラが見られる
×:充填できない
【0069】
[塗布体の沈み込み]
評価用容器の容器本体に脱泡後の化粧料を流し込み充填を行い、冷却固化した。ここに、先端部に化粧料塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体を取り付け、化粧料と化粧料塗布体とを接触させた後、取り外す操作を20回繰り返した。このときの化粧料塗布体の沈み込みを目視にて下記基準で判定した。
◎:塗布体の化粧料への沈み込みが、先端部(図1の10a)の70%未満の範囲である
○:塗布体の化粧料への沈み込みが、先端部(図1の10a)の70%~100%の範囲である
△:塗布具の先端部(図1の15a)の20%未満の範囲まで沈み込む
×:塗布具の先端部(図1の15a)の20%以上の範囲まで沈み込む
【0070】
[化粧料の取れ]
評価用容器の容器本体に脱泡後の化粧料を流し込み充填を行い、冷却固化した。ここに、先端部に塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体を取り付け、化粧品を用意した。この化粧品について10人の専門パネルによる使用性テストを行い、塗布体への化粧料の取れを下記評価基準に基づいて判定した。
(判断基準)
◎:10人中8人以上が、化粧料が適度に取れ、良好と判断。
○:10人中5~7人が、化粧料が適度に取れ、良好と判断。
△:10人中2~4人が、化粧料が適度に取れ、良好と判断。
×:10人中0~1人が、化粧料が適度に取れ、良好と判断。
【0071】
[化粧膜の評価]
評価用容器の容器本体に脱泡後の化粧料を流し込み充填を行い、冷却固化した。ここに、先端部に塗布体が設けられた塗布具を有する蓋体を取り付け、化粧品を用意した。この化粧品について10人の専門パネルによる使用性テストを行い、着色の良さ、速乾性、化粧もちの評価項目それぞれを下記評価基準に基づいて判定した。
(判断基準)
◎:10人中8人以上が良好と判断。
○:10人中5~7人が良好と判断。
△:10人中2~4人が良好と判断。
×:10人中0~1人が良好と判断。
【0072】
[耐二次付着性]
バイオスキンプレート(ビューラックス社製)上の1cm×3cmの範囲に化粧料を均一に塗布し、10分後、塗布部に紙を押圧し、化粧料の付着を目視にて下記の4段階で評価した。
(評価基準)
◎:紙への化粧料の付着が見られない
○:紙に微量の化粧料の付着が見られる
△:紙に少量の化粧料の付着が見られる
×:塗布した化粧料の半分以上が紙に付着している
【0073】
(実施例1~5、参考例6、比較例1)
表1に示す組成を有する化粧料(アイシャドウ)を、成分1~9を加熱溶解し、ここに成分10、11を添加し、混合撹拌することにより調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型した。
【0074】
(実施例7~13)
表2に示す組成を有する化粧料(アイシャドウ)を、成分1~12を加熱溶解し、ここに成分13及び14を添加し、混合撹拌することにより調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型した。
【0075】
(実施例14及び15、参考例16及び17、比較例2~4)
表3に示す組成を有する化粧料を、成分1~7を加熱溶解し、ここに成分8~10を添加し、混合撹拌することにより調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型した。
【0076】
(実施例18~19、比較例5~7)
表4に示す組成を有する化粧料を、成分1~9を加熱溶解し、ここに成分10~15を添加し、混合撹拌することにより調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型した。なお、比較例5は均一に混合することができなかったため、充填及び評価を行わなかった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
表1~4中、各成分の詳細は下記のとおりである。
(A)成分
ポリエチレンワックス-1:「PERFORMALENE 400」(BAKER HUGHES INC.製商品名、重量平均分子量400)
ポリエチレンワックス-2:「PERFORMALENE 500」(BAKER HUGHES INC.製商品名、重量平均分子量500)
ポリエチレンワックス-3:「PERFORMALENE 655」(BAKER HUGHES INC.製商品名、重量平均分子量655)
キャンデリラワックス:「精製キャンデリラワックスリファイン」(綿半トレーディング社製商品名)
【0082】
(B)成分
酸化チタン被覆マイカ末-1:「Timiron Starluster MP-115」(メルク社製商品名、粒径18~25μm)
酸化チタン被覆マイカ末-2:「Timiron Supersilk MP-1005」(メルク社製商品名、粒径3.0~10μm)
酸化チタン被覆マイカ末-3:「Timiron Silk」(メルク社製商品名、粒径7~14μm)
酸化チタン被覆マイカ末-4:「Timiron Splenid」(メルク社製商品名、粒径18~25μm)
酸化チタン被覆マイカ末-5:「メタシャイン1080」(日本板硝子社製商品名、粒径75~100μm)
酸化チタン被覆マイカ末-6:「メタシャイン1120」(日本板硝子社製商品名、粒径105~135μm)
ジメチコン処理合成マイカ:「SA-PDM-10S」(三好化成社製商品名)
合成マイカ:「PDM-10L」(トピー工業社製商品名)
【0083】
(C)成分
トリメチルシロキシケイ酸:「BELSIL TMS 803」(旭化成ワッカーシリコーン社製商品名)
シリコンアクリレート:「KP-561」(信越化学工業社製商品名)
【0084】
(D)成分
メチルトリメチコン:「TMF-1.5」(信越化学工業社製商品名)
デカメチルテトラシロキサン:「KF-96L-1.5cs」(信越化学工業社製商品名)
デカメチルシクロペンタシロキサン:「KF-995」(信越化学工業社製商品名)
【0085】
(その他の成分)
ダイマー酸エステル-1:「Plandool-G」(日本精化社製商品名、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル ビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル))
メチルポリシロキサン:「KF-96A-6T」(信越化学工業社製商品名)
【0086】
表1~4に示されるように、実施例1~19で得られる化粧品は、充填成型性、塗布体の沈み込み、化粧料の取れ、着色のよさ、速乾性、化粧もち、耐二次付着性のすべてについて「△」、「○」又は「◎」の評価であった。
【0087】
(実施例20:アイシャドウ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. フィッシャートロプシュワックス *1 5.0
2. カルナウバワックス 5.0
3. 酸化チタン被覆マイカ末-1 25.0
4. ジメチコン処理合成マイカ 14.85
5. トコフェロール 0.05
6. ダイマー酸エステル-1 5.0
7. 酸化チタン 0.1
8. トリメチルシロキシケイ酸 20.0
9. メチルトリメチコン 25.0
【0088】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「CIREBELLE 108」(CIREBELLE社製商品名)
なお、成分3~9は表1~4に示すものと同様である。
【0089】
<製法>
成分1~7を加熱溶解し、ここに成分8、9を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、アイシャドウを得た。
【0090】
<評価>
得られたアイシャドウについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0091】
(実施例21:アイシャドウ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 3.0
2. キャンデリラワックス 7.0
3. 酸化チタン被覆マイカ末-1 25.0
4. ジメチコン処理合成マイカ 14.85
5. トコフェロール 0.05
6. ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸
/ロジン酸)ジペンタエリスリチル *1 5.0
7. 酸化チタン 0.1
8. トリメチルシロキシケイ酸 20.0
9. メチルトリメチコン 25.0
【0092】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「コスモール168ARV」(日清オイリオ社製商品名)
なお、成分1~5及び7~9は表1~4に示すものと同様である。
【0093】
<製法>
成分1~7を加熱溶解し、ここに成分8、9を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、アイシャドウを得た。
【0094】
<評価>
得られたアイシャドウについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0095】
(実施例22:アイシャドウ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 6.0
2. カルナウバワックス 4.0
3. 酸化チタン被覆マイカ末-1 25.0
4. ジメチコン処理合成マイカ 14.85
5. トコフェロール 0.05
6. ダイマー酸エステル-1 5.0
7. 酸化チタン 0.1
8. トリメチルシロキシケイ酸 20.0
9. メチルトリメチコン 25.0
【0096】
上記成分1及び3~9は表1~4に示すものと同様である。
【0097】
<製法>
成分1~7を加熱溶解し、ここに成分8、9を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、アイシャドウを得た。
【0098】
<評価>
得られたアイシャドウについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0099】
(実施例23:アイライナー)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 4.0
2. キャンデリラワックス 6.0
3. 黒酸化鉄被覆雲母チタン *1 4.0
4. 軽質炭酸カルシウム 5.0
5. トコフェロール 0.05
6. ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル *2 11.0
7. グンジョウ 1.0
8. 黒酸化鉄 30.0
9. 黄酸化鉄 0.1
10.ベンガラ 0.1
11.酸化チタン 0.1
12.トリメチルシロキシケイ酸 *3 24.0
13.メチルトリメチコン 14.65
【0100】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「Colorana Mica Black」(メルク社製商品名)
*2:「サラコスDP-518N」(日清オイリオ社製商品名)
*3:「KF-7312T」(信越化学工業社製商品名)

なお、成分1、2、5、11及び13は表1~4に示すものと同様である。
【0101】
<製法>
成分1~11を加熱溶解し、ここに成分12、13を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、アイライナーを得た。
【0102】
<評価>
得られたアイライナーについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0103】
(実施例24:リップ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 4.0
2. キャンデリラワックス 4.0
3. ジメチコン処理合成マイカ 32.7
4. トコフェロール 0.05
5. ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル *1 11.0
6. 青1 0.1
7. 黒酸化鉄 0.05
8. 黄酸化鉄 1.0
9. ベンガラ 0.1
10.酸化チタン 1.0
11.赤202 4.0
12.軽質炭酸カルシウム 5.0
13.トリメチルシロキシケイ酸 12.0
14.メチルトリメチコン 25.0
【0104】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「サラコスDP-518N」(日清オイリオ社製商品名)
なお、成分1~4、10、13、及び14は表1~4に示すものと同様である。
【0105】
<製法>
成分1~12を加熱溶解し、ここに成分13、14を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、リップを得た。
【0106】
<評価>
得られたリップについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0107】
(実施例25:コンシーラー)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 4.0
2. キャンデリラワックス 6.0
3. ジメチコン処理合成マイカ 0.7
4. トコフェロール 0.05
5. ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル *1 11.0
6. 黒酸化鉄 0.05
7. 黄酸化鉄 2.0
8. ベンガラ 0.3
9. 酸化チタン 24.9
10.軽質炭酸カルシウム 5.0
11.トリメチルシロキシケイ酸 23.0
12.メチルトリメチコン 23.0
【0108】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「サラコスDP-518N」(日清オイリオ社製商品名)
なお、成分1~4、9、11、及び12は表1~4に示すものと同様である。
【0109】
<製法>
成分1~10を加熱溶解し、ここに成分11、12を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、コンシーラーを得た。
【0110】
<評価>
得られたコンシーラーについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0111】
(実施例26:アイブロウ)
(成分) (配合割合(質量%))
1. ポリエチレンワックス-1 3.0
2. キャンデリラワックス 2.0
3. ジメチコン処理合成マイカ 22.35
4. トコフェロール 0.05
5. ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル *1 11.0
6. 黒酸化鉄 2.2
7. 黄酸化鉄 2.1
8. ベンガラ 1.6
9. 酸化チタン 4.7
10.軽質炭酸カルシウム 5.0
11.トリメチルシロキシケイ酸 23.0
12.メチルトリメチコン 23.0
【0112】
上記成分の詳細は下記のとおりである。
*1:「サラコスDP-518N」(日清オイリオ社製商品名)
なお、成分1~4、9、11、及び12は表1~4に示すものと同様である。
【0113】
<製法>
成分1~10を加熱溶解し、ここに成分11、12を添加し、混合撹拌することにより化粧料を調製した。次いで、得られた化粧料を脱泡後、上記評価用容器の容器本体に直接充填し、冷却し成型し、アイブロウを得た。
【0114】
<評価>
得られたアイブロウについて、上記と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0115】
【表5】
【0116】
表5に示されるように、実施例20~26で得られる化粧品は、充填成型性、塗布体の沈み込み、化粧料の取れ、着色のよさ、速乾性、化粧もち、耐二次付着性のすべてについて「○」又は「◎」の評価であった。
【符号の説明】
【0117】
10…塗布体、10a…先端部、10b…後端部、15…塗布具、15a…先端部、15b…後端部、20…蓋体、30…化粧料、35…化粧料収容部、40…弾性体、50…容器本体、100…化粧品。
図1