(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】行動管理システムおよび行動管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220720BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20220720BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G06Q10/10 342
H04M3/42 U
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2018150930
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-08-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社エルテス内、平成30年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】516011590
【氏名又は名称】株式会社適正地盤構造設計
(74)【代理人】
【識別番号】100142114
【氏名又は名称】小石川 由紀乃
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】大山 雅充
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-195787(JP,A)
【文献】特開2010-165263(JP,A)
【文献】特開2005-148930(JP,A)
【文献】特開2016-053820(JP,A)
【文献】特開2010-053573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04M 3/42
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ機構を有する対象者端末と管理サーバとを備え、
両者の間での通信を含む情報処理によって上記対象者端末を保持する対象者の行動を管理するシステムであって、
上記対象者端末は、
所定の認証データを光学的に読取り可能なパターンコードとその周辺とを含む範囲が上記カメラ機構により撮影されたことに応じて、その撮影により取得した画像中のパターンコードから上記認証データを読み取ると共に、上記の撮影が行われた時刻を上記認証データの読取時刻として取得する読取手段と、
上記読取手段により読み取られた認証データおよび上記読取時刻を上記管理サーバに送信する第1の送信手段と、
上記の撮影により取得した画像を上記管理サーバに送信する第2の送信手段とを備え、
上記管理サーバは、
行動管理の対象者が行動すべき行動区域を表す行動区域認証データと、当該行動区域に対象者がいるべき時刻の範囲を表す時間データと、当該行動区域認証データを光学的に読取り可能なパターンコードであり上記行動区域に設置された行動区域コードとその周辺とを含む範囲の画像より成る行動区域コード画像とが、登録された認証データ格納手段と、
対象者の行動記録を保存するための行動記録格納手段と、
上記認証データ格納手段に登録されている行動区域認証データに一致する認証データと上記認証データ格納手段に登録されている時間データの範囲に入る読取時刻とを上記対象者端末から受信したことに応じて、当該認証データおよび当該読取時刻を対象者の行動記録として行動記録格納手段に保存する第1の記録手段と、
上記対象者端末から受信した画像を上記行動記録格納手段に保存された行動区域認証データに対応する行動区域コード画像と照合し、その照合の結果を上記行動記録格納手段に保存する第2の記録手段とを 備える、
ことを特徴とする行動管理システム。
【請求項2】
上記管理サーバの認証データ格納手段には、上記行動管理の対象者が行動すべき行動区域の位置を表す位置データが登録されており、
上記対象者端末は、GPS衛星から当該対象者端末の端末位置
を表す位置データを受信して上記管理サーバに
送信する第3の送信手段を備え、
上記管理サーバは、上記対象者端末から受信した
位置データを上記認証データ格納手段に登録されている位置データと照合し、その照合結果を上記行動記録格納手段に保存する第3の記録手段を備える、
請求項1
に記載の行動管理システム。
【請求項3】
上記対象者端末は、
上記第1および第2の送信手段による送信の後にあらかじめ決められた端末操作により所定のデータが生成されたことに応じて、当該データを実行確認データとして上記管理サーバに送信する第4の送信手段を備え、
上記管理サーバは、上記対象者端末から受信した
実行確認データを上記行動記録格納手段に保存する第4の記録手段を備える、
請求項1または2
に記載の行動管理システム。
【請求項4】
上記対象者端末は、
上記認証データの読取時刻から上記実行確認データの生成を伴う端末操作の実行時刻までの時間が所定の時間を過ぎたとき、時間超過通知を上記管理サーバに送信する通知手段と、上記の通知後に上記管理サーバから再認証リクエストを受信し、上記実行時刻から所定の時間内に上記カメラ機構によるパターンコードの撮影が再び行われたことに応じて、当該撮影により取得した画像を上記管理サーバに送信する第5の送信手段とを、備え、
上記管理サーバは、
上記対象者端末からの時間超過通知を受信したことに応じて当該対象者端末に上記再認証リクエストを送信するリクエスト送信手段と、当該再認証リクエストに応じて上記対象者端末から送信された画像を上記第2の記録手段により照合された行動区域コード画像と再照合し、その照合結果を前記行動記録格納手段に保存する照合手段とを備える、
請求項3に記載の行動管理システム。
【請求項5】
カメラ機構を有する対象者端末と管理サーバとを備えるシステムにおいて、上記対象者端末を保持する対象者の行動を管理する
ための方法であって、
上記対象者端末は、
所定の認証データを光学的に読取り可能なパターンコードとその周辺とを含む範囲が前記カメラ機構により撮影されたことに応じて、その撮影により取得した画像中のパターンコードから上記認証データを読み取ると共に、上記の撮影が行われた時刻を上記認証データの読取時刻として取得するステップと、
上記の読み取りにより得た認証データおよび上記読取時刻を上記管理サーバに送信するステップと、
上記の撮影により取得した画像を上記管理サーバに送信するステップと、
を実行し、
行動管理の対象者が行動すべき行動区域を表す行動区域認証データと、当該行動区域に対象者がいるべき時刻の範囲を表す時間データと、当該行動区域認証データを光学的に読取り可能なパターンコードであり上記行動区域に設置された行動区域コードとその周辺とを含む範囲の画像より成る行動区域コード画像とが、登録された上記管理サーバが、
上記対象者端末から上記登録された行動区域認証データに一致する認証データを受信したことに応じて、当該認証データおよび当該認証データと共に受信した読取時刻を対象者の行動記録として保存するステップと、
上記対象者端末から受信した画像を登録されている上記行動区域コード画像と照合し、その照合の結果を保存するステップとを、実行する、
ことを特徴とする行動管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動を管理する対象者がいる位置と時刻を正確に把握することにより、上記対象者の行動を管理する行動管理システムおよび行動管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
働き方改革の取り組みのひとつとして、長時間労働の改善があげられている。この施策を推進すれば、将来的には、働き手を職場に拘束する時間が減少する。そうすると、職場以外で業務を行うケースが増加していくことが見込まれる。
このような場合、社員が実際に「いつ」「どこにいて」「何をした」かの行動を把握する必要が生じてくる。
また、金属メーカーの検査記録や自動車メーカの車検記録など、データを不正に捏造する事件が大きく報道されている。このような観点からも、社員等が「いつ」「どこにいて」「何をした」かの行動を正確に記録することが求められる。
【0003】
たとえば位置情報を通知するシステムとして、本出願人は下記の特許文献1を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
上記特許文献1は、複数の端末装置とこれらの端末装置のそれぞれと交信する機能を有する管理装置とにより、同一グループに所属するメンバーについてのメンバー相互の位置情報を通知する位置情報通知システムに関するもので、端末装置の位置をGPSを利用して認識することが開示されている。また、メンバーが携帯する携帯可能情報記録媒体に媒体識別情報としてQRコード(登録商標)を利用し、メンバーの特定を行うことが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、管理する対象者の位置と時刻を正確に把握することはできない。
【0008】
上記問題に鑑み、 本発明は、 管理する対象者の位置と時刻を正確に把握することが可能な行動管理システムおよび行動管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1~4に記載の発明は、行動管理の対象者が保持する対象者端末と、管理サーバとの間での通信を含む情報処理によって、対象者の行動を管理する行動管理システムに係るものである。
上記対象者端末は、カメラ機構を有すると共に、以下の読取手段、第1の送信手段、第2の送信手段を具備する。
【0010】
読取手段は、所定の認証データを光学的に読取り可能なパターンコードおよびその周辺を含む範囲がカメラ機構により撮影されたことに応じて、その撮影により取得した画像中のパターンコードから上記認証データを読み取ると共に、上記の撮影が行われた時刻を上記認証データの読取時刻として取得する。
第1の送信手段は上記読取手段により読み取られた認証データおよび上記読取時刻を管理サーバに送信し、第2の送信手段は上記の撮影により取得した画像を管理サーバに送信する。
【0011】
管理サーバは、行動管理の対象者が行動すべき行動区域を表す行動区域認証データと、当該行動区域に対象者がいるべき時刻の範囲を表す時間データと、当該行動区域認証データを光学的に読取り可能なパターンコードであり上記行動区域に設置された行動区域コードとその周辺とを含む範囲の画像より成る行動区域コード画像とが、登録された認証データ格納手段と、対象者の行動記録を保存するための行動記録格納手段とを備える。
さらに管理サーバは、認証データ格納手段に登録されている行動区域データに一致する認証データと認証データ格納手段に登録されている時間データの範囲に入る読取時刻とを上記対象者端末から受信したことに応じて、当該認証データおよび当該読取時刻を対象者の行動記録として行動記録格納手段に保存する第1の記録手段と、上記対象者端末から受信した画像を上記行動記録格納手段に保存した行動区域認証データに対応する行動区域コード画像と照合し、その照合の結果を上記行動記録格納手段に保存する第2の記録手段とを備える。
【0012】
請求項2に記載の行動管理システムでは、管理サーバの認証データ格納手段に、さらに行動管理の対象者が行動すべき行動区域の位置を表す位置データが登録される。
対象者端末は、GPS衛星から当該対象者端末の端末位置を表す位置データを受信して上記管理サーバに送信する第3の送信手段を備える。管理サーバは、対象者端末から受信した位置データを上記認証データ格納手段に登録されている位置データと照合し、その照合結果を行動記録格納手段に保存する第3の記録手段を備える。
【0013】
請求項3に記載の行動管理システムでは、対象者端末は、第1および第2の送信手段による送信の後にあらかじめ決められた端末操作により所定のデータが生成されたことに応じて、当該データを実行確認データとして管理サーバに送信する第4の送信手段を備える。管理サーバは、対象者端末から受信した実行確認データを行動記録格納手段に保存する第4の記録手段を備える。
【0014】
請求項4に記載の行動管理システムは、請求項3に記載の構成と共に、対象者端末に下記の通知手段および第5の送信手段を加え、管理サーバに下記のリクエスト送信手段および照合手段を加えた。
対象者端末の通知手段は、上記認証データの読取時刻から実行確認データの生成を伴う端末装置の実行時刻までの時間が所定の時間を過ぎたとき、時間超過通知を管理サーバに送信する。第5の送信手段は、上記の通知後に管理サーバから再認証リクエストを受信し、上記実行時刻から所定の時間内に上記カメラ機構によるパターンコードの撮影が再び行われたことに応じて、当該撮影により取得した画像を管理サーバに送信する。
管理サーバのリクエスト送信手段は、対象者端末からの時間超過通知を受信したことに応じて当該対象者端末に上記再認証リクエストを送信する。照合手段は、当該再認証リクエストに応じて対象者端末から送信された画像を上記第2の記録手段により照合された行動区域コード画像と再照合し、その照合結果を行動記録格納手段に保存する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、カメラ機構を有する対象者端末と管理サーバとを備えるシステムにおいて、上記対象者端末を保持する対象者の行動を管理するための方法に関する。上記対象者端末は、所定の認証データを光学的に読取り可能なパターンコードとその周辺とを含む範囲が前記カメラ機構により撮影されたことに応じて、その撮影により取得した画像中のパターンコードから上記認証データを読み取ると共に、上記の撮影が行われた時刻を上記認証データの読取時刻として取得するステップと、上記の読み取りにより得た認証データおよび上記読取時刻を上記管理サーバに送信するステップと、上記の撮影により取得した画像を上記管理サーバに送信するステップとを、実行する。
管理サーバには、行動管理の対象者が行動すべき行動区域を表す行動区域認証データと、当該行動区域に対象者がいるべき時刻の範囲を表す時間データと、当該行動区域認証データを光学的に読取り可能なパターンコードであり上記行動区域に設置された行動区域コードとその周辺とを含む範囲の画像より成る行動区域コード画像とが、登録される。
当該管理サーバは、対象者端末から上記登録された行動区域認証データに一致する認証データを受信したことに応じて、当該認証データおよび当該認証データと共に受信した読取時刻を対象者の行動記録として保存するステップと、上記対象者端末から受信した画像を登録されている上記行動区域コード画像と照合し、その照合の結果を保存するステップとを実行する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1および5に記載の発明によれば、対象者端末が行動区域に設置された行動区域コードを撮影して得た画像から読み取って管理サーバに送信した認証データが管理サーバに登録されている行動区域認証データに一致し、上記の読み取りのための撮影が行われた時刻(読取時刻)が管理サーバに登録されている時間データの範囲に入ったことに応じて、上記認証データおよび読取時刻が対象者の行動記録として管理サーバの行動記録格納手段に保存される。
さらに、上記の撮影により生成された画像(行動区域コードおよびその周辺を含む範囲の画像)も管理サーバに送信され、管理サーバに登録されている行動区域コード画像と照合されて、その照合結果が行動記録格納手段に保存されるので、行動管理の対象者が、あらかじめ決められた行動区域にあらかじめ決められた時刻の範囲内にいたことを正確に把握することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、対象者端末がGPS衛星から取得した当該対象者端末の位置データを管理サーバに登録されている上記行動区域の位置データと照合することによっても、対象者の位置を把握することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、上記対象者端末があらかじめ決められた所定の端末操作を実行したことに応じて、その操作により生成された実行確認データが管理サーバに送信され、行動記録格納手段に保存される。
【0019】
上記端末操作として、たとえば、写真撮影、動画撮影、データ入力、音声録音、外部端末からのデータ入力等をあげることができる。上記実行確認データは、上記写真撮影で得られた画像データ、上記動画撮影で得られた動画データ、上記データ入力で入力されたデータ、上記音声録音で録音された音声データ、上記外部端末から入力されたデータ等である。本発明によれば、上記各操作が、あらかじめ決められた行動区域で決められた時間内に実行されたことを確認できる。このように、管理する対象者の位置と時刻および対象者端末の操作を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、上記対象者端末があらかじめ決められた所定の端末操作が実行されたときの時刻が認証データの読取時刻から所定の時間内でなかった場合に、対象者端末から管理サーバに時間超過通知が送信され、これに応じて管理サーバから対象者端末に再認証リクエストが送信される。さらに上記再認証リクエストの受信に応じて対象者端末で上記行動区域コードが再度撮影されると、生成された画像が管理サーバに送信され、第2の記録手段により照合された行動区域コード画像との再照合が行われ、その照合結果が行動記録格納手段に保存される。
よって、対象者端末から送信された画像が行動区域コード画像に一致するという照合結果が得られたことをもって、上記対象者端末を保有する行動管理の対象者が、上記再撮影のときにあらかじめ決められた行動区域にいたと把握することができる。
【0023】
本発明における行動区域コードとしては、たとえばバーコード・QRコード(登録商標)・SQRCコードなどを用いることができる。ここで、コードとは、情報が表現された記号・符号の体系をいい、これらに類するものであれば、行動区域コードとして各種のものを用いることができ、上記のものに限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の行動管理システムの第1実施形態を説明するシステム構成図である。
【
図2】上記実施形態に用いる対象者端末を説明するシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
【0026】
図1および
図2は、本発明の行動管理システム、方法、プログラムの一実施形態を説明するシステム構成図である。
図1は、管理サーバ1の詳細と対象者端末2を含むシステム全体を示す図である。
図2は、対象者端末2の詳細を示す図である。
【0027】
◆概要の説明
本実施形態は、行動管理の対象者が保持する対象者端末2と、管理サーバ1とを備え、上記管理サーバ1において、上記対象者端末2が存在する位置と時刻を特定することにより、対象者の行動を管理するシステムである。このシステムにより、本発明の行動管理プログラムを実行し、本発明の行動管理方法を実施することができる。
【0028】
本実施形態のシステムは、上記対象者端末2が、所定の行動区域に設置された行動区域コードから読み取った行動区域認証データと、上記行動区域認証データを読み取った読取時刻とを上記管理サーバ1に送信するとともに上記読取時刻を記録する。
上記管理サーバ1は、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データおよび読取時刻の記録と認証を行う。
【0029】
上記所定の行動区域は、行動管理の対象者が行動するべき区域である。上記行動区域はあらかじめ決められたものである。たとえば、上記対象者が社員である場合、その社員が業務を行うべき区域となる。たとえば、上記対象者が産業廃棄物の業者である場合、その業者が取り扱う産業廃棄物を廃棄すべき区域となる。
【0030】
上記行動区域コードは、上記行動区域に対して1つまたは複数設置されるコードである。たとえば、上記行動区域コードを上記行動区域の入口に設置することができる。上記行動区域コードとしては、具体的にはバーコードやQRコード(登録商標)等の光学的に読み取ることができるコードを使用することができる。
【0031】
上記行動区域認証データは、上記行動区域コードを読み取って得られるデータである。すなわち上記行動区域認証データは、上記行動区域コードの画像データおよび当該行動区域コードが設置された行動区域を特定する情報である。
【0032】
上記行動区域コードの読み取りは、後述するように、たとえば対象者端末2のカメラ機構51を利用することができる。上記カメラ機構51によって行動区域コードの画像データを取得し、当該画像データに写し込まれたコードを上記行動区域認証データに変換する。
【0033】
上記読取時刻は、上記対象者端末2のカメラ機構51が上記行動区域コードの画像データを取得した時刻である。
【0034】
上記記録と認証は、上記管理サーバ1には、あらかじめ行動区域に対応する行動区域認証データ21が格納されており、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データを照合することにより認証し、認証データ格納部20に格納することにより記録する。
【0035】
また、上記対象者端末2では、上記行動区域認証データを読み取った読取時刻を、データ格納部42に格納することにより記録する。
【0036】
◆基本構成の説明
管理サーバ1と対象者端末2は、インターネット5を介して相互に通信可能に接続されている。図では対象者端末2を1つしか示していないが、実際には行動管理の対象者は複数いて、複数の対象者がそれぞれ対象者端末2を保有して行動している。したがって、実際には複数の対象者端末2が、管理サーバ1と相互通信可能に接続されている。
【0037】
上記管理サーバ1は、通信インターフェースや中央演算装置,大容量データ記憶装置などを備えたサーバシステムである。この管理サーバ1は、インターネット5を介してアクセスしてきた対象者端末2と、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)等のプロトコルに従ってデータ通信を行う。
【0038】
上記管理サーバ1は、HTMLやPHP,XML等の所定の言語で構築されたウェブサイトが構築され、対象者端末2からの要求に応じて、HTMLやPHP等のデジタル文書記述言語により記述された文書や画像を含むデータであるウェブページを対象者端末2へ向けて送信する。
【0039】
上記管理サーバ1には、固有のネットワークアドレス(URL)が与えられている。上記対象者端末2の使用者である行動管理の対象者は、それぞれの対象者端末2で、上記URLを指定することにより、管理サーバ1にアクセスすることができる。
【0040】
上記対象者端末2は、上記HTML等のデジタル文書記述言語により記述された文書や画像を含むデータについて、ブラウザにより上記ウェブサイトの閲覧をしうるようになっている。また、当該ウェブサイトにおいて、必要に応じて文書・画像等のデータや認証情報を管理サーバ1に対して送信するなど、所定の処理を実行しうるようになっている。これらの動作の詳細は後述する。
【0041】
上記管理サーバ1は、通信インターフェースや大容量データ記憶装置などを備えたサーバシステムであり、中央演算装置がハードディスク装置等の外部記憶装置に記録されたプログラムを読み出し、そのプログラムに従って処理を実行する。
【0042】
上記対象者端末2としては、たとえば、スマートフォン端末、タブレット端末、専用端末を用いることができる。上記対象者端末2は、インターネット5を介して管理サーバ1と接続されて相互に通信するとともに処理を実行し、後述するような種々の機能を実現する。
【0043】
◆機能の説明
つぎに、本実施形態の機能を説明する。本実施形態の機能には、基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能、操作認証機能がある。
【0044】
〔基本認証機能〕
上記基本認証機能は、上述したように、上記対象者端末2において、所定の行動区域に設置された行動区域コードを読み取って行動区域認証データに変換する。この行動区域認証データと、上記行動区域認証データを読み取った読取時刻とを上記管理サーバ1に送信するとともに上記読取時刻を記録する。上記管理サーバ1では、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データおよび読取時刻を認証し記録する。
【0045】
〔位置認証機能〕
上記位置認証機能は、上記対象者端末2において、GPS衛星から当該対象者端末2の端末位置を受信して上記管理サーバ1に送信する。上記管理サーバ1は、上記対象者端末2から受信した上記端末位置を、当該管理サーバ1に保持している上記行動区域の位置と照合して認証し、当該照合の結果と時刻を記録する。
【0046】
〔コード認証機能〕
上記コード認証機能は、上記対象者端末2において、上記行動区域コードとその周辺を含む範囲を撮影した行動区域コード画像を上記管理サーバ1に送信する。上記管理サーバ1は、上記対象者端末2から受信した上記行動区域コード画像を、当該管理サーバ1に保持している当該行動区域のコード画像と照合して認証し、当該照合の結果と時刻を記録する。
【0047】
上記コード画像は、上記行動区域コードとその周辺を含む範囲を撮影した画像である。上記行動区域コード画像は、例えば、つぎのようなものを用いることができる。行動区域コードとしてたとえば、壁面の上部、地上1.8m程度に設置された約5cm角のQRコード(登録商標)を使用する。上記行動区域コード画像は、上記QRコード(登録商標)とその周辺を含む約9cm角の範囲を撮影した画像、とすることができる。
【0048】
上記管理サーバ1は、上記行動区域に対応する行動区域コード画像をあらかじめ格納しておき、上記現場端末2において撮影された行動区域コード画像を受信する。上記管理サーバ1では、格納しておいたコード画像と受信した行動区域コード画像の双方を画像解析し、解析画像を対比する。解析画像の対比の結果、両者の一致性を認められれば、認証する。解析画像の対比の結果、両者の一致性が認められなければ、認証を拒否する。上記対象者端末2から受信した行動区域コード画像を認証することにより、当該行動区域コードが、対応する行動区域の設置場所から移動されていないことが担保される。
【0049】
〔操作認証機能〕
上記操作認証機能は、上記対象者端末2において、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内である場合、上記端末操作の実行により得られた実行確認データおよび上記実行時刻を上記管理サーバに送信する。これに応じ、上記管理サーバ1が、上記対象者端末2から受信した上記実行確認データおよび実行時刻の認証と記録を行う。
【0050】
上記端末操作としては、たとえば、写真撮影、動画撮影、データ入力、音声録音、外部端末からのデータ入力等をあげることができる。
上記実行確認データは、上記写真撮影で得られた画像データ、上記動画撮影で得られた動画データ、上記データ入力で入力されたデータ、上記音声録音で録音された音声データ、上記外部端末から入力されたデータ等である。
【0051】
また、上記対象者端末2において、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内でない場合、時間超過通知を上記管理サーバ1に送信する。これに応じ、上記管理サーバ1が、時間超過通知の受信に応じて再認証リクエストを上記対象者端末2に送信する。
上記再認証リクエストの受信に応じ、上記対象者端末2が、上記行動区域コードから再度読み取った再読取り行動区域認証データと、上記再読取り行動区域認証データの再読取時刻が、上記実行時刻から所定の時間内である場合、上記再読取り行動区域認証データと再読取時刻を管理サーバ1に送信する。これに応じ、上記管理サーバ1が、上記対象者端末2から受信した上記再読取り行動区域認証データおよび再読取時刻の認証と記録を行う。
【0052】
上記操作認証機能において、対象者端末2において行動区域コード画像を再取得して管理サーバ1に送信し、これに応じ、上記管理サーバ1が上記再取得された行動区域コード画像を認証し記録するようにしてもよい。
【0053】
◆システム構成の説明
以下にシステム構成について説明する。
【0054】
◇管理サーバ1
上記管理サーバ1は、システム制御部11とデータ格納部18とを備えている。
【0055】
上記管理サーバ1では、上記システム制御部11とデータ格納部18により上記対象者端末2と相互通信を行い、上述した基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能および操作認証機能をはじめとする各種機能を実現する。
【0056】
〔データ格納部18〕
上記データ格納部18は、認証データ格納部20と、行動記録格納部30とを備えている。
【0057】
上記認証データ格納部20は、基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能および操作認証機能を実行するために必要な認証データを格納する。この例では、上記認証データとして、行動区域認証データ21、位置データ22、時間データ23、コード画像データ24、実行予定データ25が格納されている。
【0058】
上記行動区域認証データ21は、上記基本認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データを認証する際に照合するデータである。
上記時間データ23は、上記基本認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記読取時刻を認証する際に照合するデータである。
上記位置データ22は、上記位置認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記端末位置を認証する際に照合するデータである。
上記コード画像データ24は、上記コード認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記行動区域コード画像を認証する際に照合するデータである。
上記実行予定データ25は、上記操作認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記実行確認データを認証する際に照合するデータである。
【0059】
上記行動記録格納部30は、上記基本認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データと読取時刻が認証されると、当該認証された行動区域認証データと読取時刻を、当該対象者の行動記録として格納する。
また、上記行動記録格納部30は、上記位置認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記端末位置が認証されると、当該認証された端末位置を、当該対象者の行動記録として格納する。また、当該認証の際の照合の結果と時刻を格納し記録する。
また、上記行動記録格納部30は、上記コード認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記行動区域コード画像が認証されると、当該認証された行動区域コード画像を、当該対象者の行動記録として格納する。また、当該認証の際の照合の結果と時刻を格納し記録する。
また、上記行動記録格納部30は、上記操作認証機能において、上記対象者端末2から受信した上記実行確認データが認証されると、当該認証された実行確認データを、当該対象者の行動記録として格納する。
【0060】
〔システム制御部11〕
上記システム制御部11は、通信制御部10と解析認証部15を備えている。
【0061】
上記通信制御部10は、インターネット5を経由した管理サーバ1と対象者端末2との相互通信を制御する。この相互通信によってデータの授受が行われ、本実施形態における各種の機能を実現する。
【0062】
上記解析認証部15は、上述した基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能および操作認証機能を実現する。
【0063】
上記基本認証機能において、上記解析認証部15は、上記対象者端末2から受信した上記行動区域認証データおよび読取時刻を認証し記録する。すなわち、上記対象者端末2から上記行動区域認証データを受信すると、上記認証データ格納部20に格納された行動区域認証データ21と照合して認証する。また、上記対象者端末2から上記読取時刻を受信すると、上記認証データ格納部20に格納された時間データ23と照合して認証する。上記行動区域認証データと読取時刻が認証されると、当該認証された行動区域認証データと読取時刻を、当該対象者の行動記録として行動記録格納部30に格納し記録する。
【0064】
上記位置認証機能において、上記解析認証部15は、上記対象者端末2から受信した上記端末位置を、当該管理サーバ1に保持している上記行動区域の位置と照合して認証する。すなわち、上記対象者端末2から上記端末位置を受信すると、上記認証データ格納部20に格納された位置データ22と照合して認証する。上記端末位置が認証されると、当該認証された端末位置を、当該対象者の行動記録として行動記録格納部30に格納し記録する。また、当該認証の際の照合の結果と時刻を行動記録格納部30に格納し記録する。
【0065】
上記コード認証機能において、上記解析認証部15は、上記対象者端末2から受信した上記行動区域コード画像を、当該管理サーバ1に保持している当該行動区域のコード画像と照合して認証する。すなわち、上記対象者端末2から上記行動区域コード画像を受信すると、上記認証データ格納部20に格納されたコード画像データ24と照合して認証する。上記行動区域コード画像が認証されると、当該認証された行動区域コード画像を、当該対象者の行動記録として行動記録格納部30に格納し記録する。また、当該認証の際の照合の結果と時刻を格納し記録する。
【0066】
上記操作認証機能において、上記解析認証部15は、上記対象者端末2から受信した上記実行確認データを、当該管理サーバ1に保持している実行予定データ25と照合して認証する。すなわち、上記対象者端末2から上記実行確認データを受信すると、上記認証データ格納部20に格納された実行予定データ25と照合して認証する。上記実行確認データが認証されると、当該認証された実行確認データを、当該対象者の行動記録として行動記録格納部30に格納し記録する。
【0067】
◇対象者端末2
上記対象者端末2として、上述したように、スマートフォン端末やタブレット端末を用いることができる。また、上記対象者端末2には、専用端末を用いることもできる。上記専用端末としては、たとえばデータ送信機能、GPS機能、wi-fi機能、カメラ機構を内蔵し、専用アプリケーションソフトで動作するものとすることができる。
【0068】
上記対象者端末2は、送受信部40と、アプリケーション制御部41と、データ格納部42とを備えている。
また、上記対象者端末2は、静止画や動画などの画像データを撮影し記録するためのカメラ機構51を備えている。
また、上記対象者端末2は、タッチパネルなどの入力部54と、液晶ディスプレイ等の表示部55を備えている。
また、上記対象者端末2は、GPS衛星から当該対象者端末2の位置情報を受信して取得するGPSデータ受信部58と、時刻を計測する内部クロック59を備えている。
【0069】
上記アプリケーション制御部41は、本発明のアプリケーション機能を実現するために当該対象者端末2にインストールされたアプリケーションプログラムの機能を実行する。上記アプリケーション制御部41は、送受信制御部44、カメラ制御部45、格納制御部49を備えている。
【0070】
上記対象者端末2では、上記の構成により上記管理サーバ1と相互通信を行い、上述した基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能および操作認証機能をはじめとする各種機能を実現する。
【0071】
〔送受信部40〕
上記送受信部40はインターネット5を経由して管理サーバ1と通信し、データの送受信等を行う。上記送受信制御部44が上記送受信部40を制御する。つまり、上述した基本認証機能、位置認証機能、コード認証機能および操作認証機能を実行するときに必要なデータの送受信を行う。
【0072】
〔格納制御部49〕
上記格納制御部49は、データ格納部42に対するデータの格納を制御する。
【0073】
〔データ格納部42〕
上記データ格納部42は、画像データ,時刻データ,位置データ,その他のデータを格納する。上記画像データは、たとえば行動区域コードを読み取ることにより得た行動区域コード画像等である。上記時刻データは、たとえば上記読取時刻である。上記位置データは、たとえばGPS衛星から受信した当該対象者端末2の位置情報である。また、上記読み取った行動区域コードから変換された行動区域認証データを格納する。また、上記操作認証機能の実行で取得する実行確認データを格納する。さらに、上記基本認証機能において、上記行動区域認証データを読み取った読取時刻を格納し記録する。
【0074】
〔カメラ制御部45〕
上記カメラ制御部45は、カメラ機構51を制御し、静止画や動画などの画像データを撮影して取得する。撮像中の映像は表示部55に表示され、入力部54の操作により静止画を記録したり動画を記録することができる。撮影された画像データは、上述したデータ格納部42に格納することができる。
上記カメラ機構51による画像の撮影は、上述したように、本発明のアプリケーションプログラムの動作としてカメラ制御部45の制御によって撮影される。また、本発明のアプリケーションプログラムの動作としてカメラ制御部45の制御によらず、上記カメラ機構51によって画像を撮影することもできる。
【0075】
上記カメラ機構51で撮影することによる画像データの取得により、上記行動区域認証データの読み取りを行うことができ、上記行動区域コード画像を取得することができる。つまり、行動区域コードを読取るときにカメラ機構51が動作し、行動区域コードを読み取るのと同時に、行動区域コードの周囲を含む行動区域コード画像の撮影を行う。
【0076】
〔GPSデータ受信部58〕
上記GPSデータ受信部58は、GPS衛星から当該対象者端末2の位置情報を受信する。GPS衛星から受信した当該対象者端末2の位置情報は、上記送受信制御部44により管理サーバ1に送信される。
【0077】
〔内部クロック59〕
上記内部クロック59は、上記対象者端末2のカメラ機構45が上記行動区域コードの画像データを取得した時刻を計測する。
【0078】
◆動作の説明
上記行動管理システムは、つぎのように動作することにより、本発明の行動管理プログラムを実行し、本発明の行動管理方法を実施する。
【0079】
◇対象者端末2の動作
(1)アプリケーションプログラムの起動
対象者端末2においてアプリケーションプログラムを起動する。起動されたアプリケーションプログラムは、アプリケーション制御部41で制御されて動作する。
【0080】
(2)ログイン
対象者端末2を管理サーバ1にログインさせるログイン動作を実行する。上記ログイン動作では、まず対象者端末2を管理サーバ1に接続し、所定のログイン画面を対象者端末2の表示部55に表示させる。このログイン画面において、所定のIDとパスワードなどの認証情報を入力して管理サーバ1に送信し、認証を受けてログインする。このログインにより、当該対象者端末2と管理サーバ1とのあいだで相互通信が可能となる。
【0081】
(3)基本認証動作
基本認証動作は、あらかじめ、上記対象者端末2において取得した行動区域認証データとその読取時刻を、上記管理サーバ1に送信して認証を受ける。
上記行動区域認証データは、所定の行動区域に設置された行動区域コードの画像をカメラ機構51によって取得し、その画像を変換することにより取得する。上記読取時刻は、カメラ機構51によって上記画像を取得した時刻を内部クロック59から取得する。取得した上記行動区域認証データと読取時刻を保持しておき、対象者端末2が管理サーバ1にログインした状態でそれらを送信する。上記行動区域認証データと読取時刻はデータ格納部42に格納し記録する。
【0082】
(4)位置認証動作
上記位置認証動作は、上記対象者端末2において取得した当該対象者端末2の端末位置とその取得時刻を、上記管理サーバ1に送信して認証を受ける。
上記端末位置は、GPSデータ受信部58によりGPS衛星から受信することにより取得する。このとき、GPSデータ受信部58によって上記端末位置を取得した取得時刻を内部クロック59から取得する。上記端末位置と取得時刻を保持しておき、対象者端末2が管理サーバ1にログインした状態でそれらを送信する。上記端末位置と取得時刻はデータ格納部42に格納してもよい。
【0083】
(5)コード認証動作
上記コード認証動作は、上記対象者端末2において取得した行動区域コード画像とその取得時刻を、上記管理サーバ1に送信して認証を受ける。
行動区域コード画像は、カメラ機構51によって上記行動区域コードとその周辺を含む範囲を撮影した画像である。このとき、カメラ機構51によって行動区域コード画像を取得した取得時刻を内部クロック59から取得する。上記行動区域コード画像と取得時刻を保持しておき、対象者端末2が管理サーバ1にログインした状態でそれらを送信する。上記行動区域コード画像と取得時刻はデータ格納部42に格納してもよい。
【0084】
(6)操作認証動作
上記操作認証動作は、上記対象者端末2において、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内である場合、上記端末操作の実行により得られた実行確認データおよび上記実行時刻を上記管理サーバ1に送信する。
【0085】
また、上記対象者端末1において、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内でない場合、時間超過通知を上記管理サーバ1に送信する。
【0086】
上記再認証リクエストの受信に応じ、上記対象者端末2が、上記行動区域コードから再度読み取った再読取り行動区域認証データと、上記再読取り行動区域認証データの再読取時刻が、上記実行時刻から所定の時間内である場合、上記再読取り行動区域認証データと再読取時刻を管理サーバ1に送信する。
【0087】
(7)ログアウト
必要な認証動作が終了するとログアウト動作を行い、対象者端末2と管理サーバ1の通信を終了する。
【0088】
◇管理サーバ1の動作
管理サーバ1は、対象者端末2と相互通信を行ないながら、以下の処理を行う。
(1)待機
対象者端末2からのログイン要求を待機する。
【0089】
(2)ログイン
対象者端末2からログイン要求があったとき、IDとパスワードなどの認証情報を受信し、それを認証してログインさせる。このログインにより、ログインした対象者端末2と管理サーバ1とのあいだで相互通信が可能となる。
【0090】
(3)基本認証動作
基本認証動作は、上記対象者端末2から送信された行動区域認証データとその読取時刻を受信し、その認証と記録を行う。
上記行動区域認証データは、認証データ格納部20に格納された行動区域認証データ21と照合する。受信した行動区域認証データが、格納された行動区域認証データ21と一致すれば、受信した行動区域認証データを認証する。上記読取時刻は、認証データ格納部20に格納された時間データ23と照合する。受信した読取時刻が、格納された時間データ23の範囲内にあれば、受信した読取時刻を認証する。
認証した行動区域認証データと読取時刻は、上記ログインのときに受信したIDと関連付けて行動記録格納部30に格納する。
【0091】
(4)位置認証動作
上記位置認証動作は、上記対象者端末2から送信された当該対象者端末2の端末位置とその取得時刻を受信し、その認証と記録を行う。また、管理サーバ1は、当該認証の際の照合の結果と時刻を記録する。
上記端末位置は、認証データ格納部20に格納された位置データ22と照合する。受信した端末位置が、格納された位置データ22の範囲内にあれば、受信した位置データを認証する。上記取得時刻は、認証データ格納部20に格納された時間データ23と照合する。受信した取得時刻が、格納された時間データ23の範囲内にあれば、受信した取得時刻を認証する。
認証した端末位置と取得時刻および照合の結果と時刻は、上記ログインのときに受信したIDと関連付けて行動記録格納部30に格納する。
【0092】
(5)コード認証動作
上記コード認証動作は、上記対象者端末2から送信された行動区域コード画像とその取得時刻を受信し、その認証と記録を行う。
上記行動区域コード画像は、認証データ格納部20に格納されたコード画像データ24と照合する。受信した行動区域コード画像は画像解析を行い、格納されたコード画像データ24と一致する範囲内にあれば、受信した行動区域コード画像を認証する。上記取得時刻は、認証データ格納部20に格納された時間データ23と照合する。受信した取得時刻が、格納された時間データ23の範囲内にあれば、受信した取得時刻を認証する。
認証した行動区域コード画像と取得時刻は、上記ログインのときに受信したIDと関連付けて行動記録格納部30に格納する。また、当該認証の際の照合の結果と時刻を格納し記録する。
【0093】
(6)操作認証動作
上記操作認証動作は、上記対象者端末2から上記実行確認データを受信したときに、それに応じて、上記管理サーバ1が、実行時刻の認証と記録を行う。
また、上記対象者端末2から時間超過通知を受信したときに、それに応じて、上記管理サーバ1が、再認証リクエストを上記対象者端末2に送信する。
また、上記対象者端末2から上記再読取り行動区域認証データと再読取時刻を管理サーバ1を受信したときに、これに応じて、上記管理サーバ1が、上記対象者端末2から受信した上記再読取り行動区域認証データおよび再読取時刻の認証と記録を行う。
【0094】
(7)ログアウト
必要な認証動作が終了すると対象者端末2からの要求に従ってログアウト動作を行い、管理サーバ1と対象者端末2との通信を終了する。
【0095】
◆実施形態の作用効果
以上のように、上記実施形態では、つぎの作用効果を奏する。
【0096】
本実施形態は、上記対象者端末が、所定の行動区域に設置された行動区域コードから読み取った行動区域認証データと、上記行動区域認証データを読み取った読取時刻とを上記管理サーバに送信するとともに上記読取時刻を記録する。
上記管理サーバは、上記対象者端末から受信した上記行動区域認証データおよび読取時刻の記録と認証を行う。
これにより、上記対象者端末が、所定の行動区域に設置された行動区域コードを読み取ったこととその読取り時刻が管理サーバで記録される。これにより、上記対象者端末が所定の読取時刻に所定の行動区域に存在したことが担保される。したがって、上記対象者端末を保有する行動管理の対象者が、上記所定の読取時刻に所定の行動区域にいたことになる。これにより、管理する対象者の位置と時刻を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0097】
本実施形態は、上記対象者端末が、GPS衛星から当該対象者端末の端末位置を受信して上記管理サーバに送信する。上記管理サーバは、上記対象者端末から受信した上記端末位置を、当該管理サーバに保持している上記行動区域の位置と照合して認証し、当該照合の結果と時刻を記録する。
これにより、上記対象者端末の端末位置を、あらかじめ予定していた行動区域の位置と照合して認証し、GPS衛星からの位置情報によっても確認できる。したがって、管理する対象者の位置と時刻を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0098】
本実施形態は、上記対象者端末が、上記行動区域コードとその周辺を含む範囲を撮影した行動区域コード画像を上記管理サーバに送信する。上記管理サーバは、上記対象者端末から受信した上記行動区域コード画像を、当該管理サーバに保持している当該行動区域のコード画像と照合して認証し、当該照合の結果と時刻を記録する。
これにより、上記対象者端末の端末位置を、上記行動区域コード画像によっても確認できる。したがって、管理する対象者の位置と時刻を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0099】
本実施形態は、上記対象者端末が、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内である場合、上記端末操作の実行により得られた実行確認データおよび上記実行時刻を上記管理サーバに送信する。これに応じ、上記管理サーバが、上記対象者端末から受信した上記実行確認データおよび実行時刻の認証と記録を行う。
これにより、対象者端末が所定の端末操作を実行したことが管理サーバにおいて確認される。上記端末操作としては、たとえば、写真撮影、動画撮影、データ入力、音声録音、外部端末からのデータ入力等をあげることができる。上記実行確認データは、上記写真撮影で得られた画像データ、上記動画撮影で得られた動画データ、上記データ入力で入力されたデータ、上記音声録音で録音された音声データ、上記外部端末から入力されたデータ等である。したがって、上記各操作が、所定の区域で所定の時間に実行されたことが確認できる。このように、管理する対象者の位置と時刻および対象者端末の操作を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0100】
本実施形態は、上記対象者端末が、あらかじめ決められた所定の端末操作の実行をしたときの実行時刻が、上記記録された上記読取時刻から所定の時間内でない場合、時間超過通知を上記管理サーバに送信する。これに応じ、上記管理サーバが、時間超過通知の受信に応じて再認証リクエストを上記対象者端末に送信する。さらに上記再認証リクエストの受信に応じ、上記対象者端末が、上記行動区域コードから再度読み取った再読取り行動区域認証データと、上記再読取り行動区域認証データの再読取時刻が、上記実行時刻から所定の時間内である場合、上記再読取り行動区域認証データと再読取時刻を上記管理サーバに送信する。これに応じ、上記管理サーバが、上記対象者端末から受信した上記再読取り行動区域認証データおよび再読取時刻の認証と記録を行う。
これにより、上記対象者端末が、所定の行動区域に設置された行動区域コードを再度読み取ったこととその再読取時刻が管理サーバに記録される。これにより、上記対象者端末が再読取時刻に所定の行動区域に存在したことが担保される。したがって、上記対象者端末を保有する行動管理の対象者が、上記再読取時刻に所定の行動区域にいたことになる。これにより、管理する対象者の位置と時刻を正確に把握し、上記対象者の行動を管理することができる。
【0101】
◆まとめと具体例
社会では、管理する側とされる側が存在する。たとえば上司と部下、産業廃棄物の排出事業者と産廃処理業者、工事発注者と受注者などがあげられる。
【0102】
対象者端末2の使用者(行動管理の対象者)は、行動区域内でなんらかのタスクがありその行動区域でなんらかの動作をする。予定を計画し、行動し、タスクを消化し、その計画を実行する。人的な理由に起因して、対象者がタスクを失念し、計画が不実行となる場合がある。本システムは、それを補助する機能を有するのである。
つまり、あらかじめその日のタスクを管理サーバ1に記録させ、タスクが実行されない場合にアラート(再認証リクエスト)を対象者端末2に通知し、タスク忘れを防止する。
【0103】
〔具体例1〕
たとえば、対象者端末2の使用者(C氏とする)が、産廃処理業者の収集運搬車の運転手であるケースを説明する。
【0104】
この場合、その日のC氏のタスクは予め決まっている。たとえば、〇月〇日午前中に排出事業者であるAB産業(第1の行動区域)で産廃を積み込み、動作1(写真撮影)を実行し、その日の午後15時までに中間処理施設であるCD開発(第2の行動区域)まで運び、計量して動作2(計量の重量の入力)を行う。これらの行動予定を、実行予定データとしてあらかじめ管理サーバ1に記録しておく。
【0105】
使用者(C氏)が午前中に第1の行動区域であるAB産業に到着し、行動区域認証コードを読込んでから設定時間内に写真撮影を済ませた場合、管理サーバ1はタスクを消化したと判定し、再認証リクエストは出さない。
【0106】
しかし、使用者(C氏)が第2の行動区域であるCD開発で計量重量の入力を失念し、その行動区域から出た場合、管理サーバ1はタスクが残った状態で行動区域から逸脱したと判定し、再認証リクエストを対象者端末2に送信する。こうして、使用者(C氏)に対し、第2の行動区域であるCD開発に戻ってタスクを完了させる行動を促す。
【0107】
GPSでの位置情報と行動区域との照合を1分ごとに行わせることもできる。このようにすることにより、戻ってタスクを消化できる。タスクを変更しようとする場合や、タスクが実行されていない場合などは、対象者端末2の会社の上司や所有者などにも通知し、対象者が不正な行動やさぼり行動を出来ないようにする。
【0108】
行動区域内でタスクの時間の経過をタイマーに検知させることもできる。このようにすることにより、行動区域内でのタスク忘れが解消される。タスクを対象者端末2の操作とすることで、行動は正確に管理される。
【0109】
〔具体例2〕
たとえば、働き方改革で大手広告代理店B社に勤めるA氏が、週に1日だけ会社以外の場所でのテレワークを許可されたケースを説明する。
【0110】
会社のPCとA氏所有の対象者端末2(スマートフォン)には、おなじソフトウエアがインストールされている。会社が支給したノートPCのモニター画面付近にA氏のPC(メーカーや社内管理番号と)の情報が記録された行動区域認証コード(例えば1cm角)を貼り、その横に会社のロゴ(たとえば1cm角)を貼り、行動区域認証コードと周りの風景(会社のロゴ)画像をA氏の対象者端末2で撮影して管理サーバ1に送信する。
【0111】
会社はA氏にテレワークの日の行動の予定の提出を求める。どこで何をしたのかをA氏が管理サーバ1に予め登録したテレワークの行動区域であれば、それを認証する。所定の行動区域外であれば認証しない。
【0112】
A氏は自宅で作業内容を、午前中はメールの処理で午後からは企画書2件を完成させるタスクとした。
A氏は当該対象者端末2のアプリケーションプログラムを起動させ、まず管理サーバ1に個人のID/PWで仮ログインした後、地図上に自宅設定範囲(半径50m)と対象者端末2位置が合致したので自宅(行動区域)にログインとなる。アプリケーションプログラムの起動時は、1分おきにGPSで対象者端末2位置を照合し、対象者端末2が逸脱した場合は会社の上司の端末と本人の対象者端末2に通報し、システムを停止させ、再度ログインから始めることになる。
【0113】
A氏は午前中に自宅で会社のノートPCにてメールのやり取りを行っていると、システムから対象者端末2とノートPCにプッシュ通知でタスク実行を指示され、ノートPCに設置した行動区域認証コードを対象者端末2で読取って承認後10秒以内にプッシュ通知を含めたメール画面を対象者端末2で撮影し、管理サーバ1にアップし、上司がそのメール画面を共有し確認する。
【0114】
画面撮影送信までの時間をプッシュ通知到着から1分以内に行い、同様に午後にも設定した時間付近になるとプッシュ通知が対象者端末2とノートPC画面に現れタスクの実行を要求されその都度、A氏は企画書1件目の画面と2件目の画面をそれぞれ撮影し、送信する。
【0115】
送信した画像には読み取った行動区域認証コードを検索の指標としてアップした行動予定情報から紐付いている情報が付加され表示される。
例えば午前中の画像には、テレワーク作業報告として作業場所:A氏自宅、作業内容:メール処理、作業時間:10:50が付加され表示され、上司も視認性が良い。
終業時間の17:00の30分前になっても企画書2件目の画像がアップされてこない場合、管理サーバ1はプッシュ通知にてタスク忘れを防止する。
【0116】
システムが勝手にノートPCに付属しているカメラで撮影するわけでもないし、撮影者本人の行動の記録なので、うそや誤魔化しが効かない。対象者端末2を自宅に置いたまま外出した場合などはプッシュ通知に対応できない。また違うノートPCを並べての画面を写真撮影するなどの対策にプッシュ通知を含めて撮影させる。居眠り等がないようにプッシュ通知到着より1分以内に画像送信とした。
会社に出社した際にノートPCのログと合わせるなど他の方法と組み合わせることもできる。
【0117】
行動区域を1日中会社に設定し、予定を企画書作成1件、会議室でミーティング15時から2時間などと設定した場合に本当に会議室にいたのかを行動区域認証コードを会議室のテーブルに設置するなどし、読み取ってから所定時間内(10秒以内)会議室内のメンバーを撮影する、あるいは録音するなどすれば、会議室で予定時間内に会議をしていたと、管理サーバ1に記録される。
【0118】
企画書作成は上司が操作してある特定の時間(今すぐとかに)にプッシュ通知をして報告を要求することが出来る。A氏のデスクかフリーデスクスタイルでも出勤して着席した席に行動区域認証コードを貼っておく、各会議室や応接室に行動区域認証コードを細かく設置し、読込みを習慣化していけば、高層ビルの大きなフロアでも、いつ、どこで、何をしたのかがわかり、ビルから出ていないことがGPSでわかる。会社の入口に出勤退勤用の行動区域認証コードを設置すれば勤怠管理も兼用できる
タスクを残して駅などに移動した場合はGPSでエリア外に出たことを検知し、再認証リクエストを対象者端末2に送信できる。
【0119】
◆変形例
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
【符号の説明】
【0120】
1:管理サーバ
2:対象者端末
5:インターネット
10:通信制御部
11:システム制御部
15:解析認証部
18:データ格納部
20:認証データ格納部
21:行動区域認証データ
22:位置データ
23:時間データ
24:コード画像データ
25:実行予定データ
30:行動記録格納部
40:送受信部
41:アプリケーション制御部
42:データ格納部
44:送受信制御部
45:カメラ制御部
49:格納制御部
51:カメラ機構
54:入力部
55:表示部
58:GPSデータ受信部
59:内部クロック