(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 333Z
(21)【出願番号】P 2019117730
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】稲田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】野原 修平
(72)【発明者】
【氏名】古橋 和宏
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当たり判定確率が互いに異なる複数の設定値のうちの何れかに設定可能な遊技制御手段を備える遊技機において、
前記遊技機に保持されている遊技履歴情報を表示可能な遊技履歴情報表示手段と、
電源起動時に前記遊技履歴情報を初期化するか否かを抽選する初期化抽選手段
と、を備え
、
設定変更操作を伴う電源起動時、又は、リセット操作を伴う電源起動時と、これらを伴わない電源起動時とで、異なる割合で前記遊技履歴情報を初期化することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
大当たり判定確率が互いに異なる複数の設定値のうちの何れかに設定可能な遊技制御手段を備える遊技機において、
前記遊技機に保持されている遊技履歴情報を表示可能な遊技履歴情報表示手段と、
電源起動時に前記遊技履歴情報を初期化するか否かを抽選する初期化抽選手段
と、を備え
、
設定変更操作を伴う電源起動時、又は、リセット操作を伴う電源起動時には、前記遊技履歴情報を初期化する一方で、
前記設定変更操作、及び、前記リセット操作を伴わない電源起動時には、所定の割合で前記遊技履歴情報を初期化しないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例として、例えば下記特許文献1に記載されているように、大当たり遊技の実行中に前回の大当たりからの図柄変動ゲームの実行回数を遊技者に報知することで、現在遊技中の遊技台に関する遊技履歴情報を表示可能な遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているようなパチンコ遊技機は、大当たり遊技中という限られた期間内に、遊技台に関する遊技履歴情報を確認しながら遊技を行うことができるものではある。しかしこのような遊技機は、遊技を行う前の段階、又は、遊技台を選ぶために試打ちを行っている段階の遊技者に対して、積極的な遊技動機を与えられるとは言い難いものであった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題は、どの遊技台で遊技を行うか検討している者に対して、積極的な遊技動機を与えられる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
大当たり判定確率が互いに異なる複数の設定値のうちの何れかに設定可能な遊技制御手段を備える遊技機において、
前記遊技機に保持されている遊技履歴情報を表示可能な遊技履歴情報表示手段と、
電源起動時に前記遊技履歴情報を初期化するか否かを抽選する初期化抽選手段と、を備え、
設定変更操作を伴う電源起動時、又は、リセット操作を伴う電源起動時と、これらを伴わない電源起動時とで、異なる割合で前記遊技履歴情報を初期化することを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機によれば、どの遊技台で遊技を行うか検討している者に対して、積極的な遊技動機を与えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同遊技機の遊技機枠の構造を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図6】同遊技機の遊技制御基板及び払出制御基板に係わる電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】同遊技機の演出制御基板に係わる電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】(A)は遊技制御基板と遊技制御基板ケースとを示す斜視図であり、(B)は遊技制御基板と遊技制御基板ケースとを示す正面図である。
【
図10】遊技制御基板に設けられた7セグ表示器を示す説明図である。
【
図11】同遊技機の遊技制御基板、外部端子板、データ表示器、及び、ホールコンピュータの配線関係を説明するための説明図である。
【
図13】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数テーブルである。
【
図14】(A)は設定値「1」のときに用いる大当たり判定テーブル、(B)は設定値「2」のときに用いる大当たり判定テーブル、(C)は設定値「3」のときに用いる大当たり判定テーブル、(D)は設定値「4」のときに用いる大当たり判定テーブル、(E)は設定値「5」のときに用いる大当たり判定テーブル、(F)は設定値「6」のときに用いる大当たり判定テーブルである。
【
図15】(A)はリーチ判定テーブル、(B)は普通図柄当たり判定テーブル、(C)は普通図柄変動パターン選択テーブル。
【
図17】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図18】設定変更モードに関する操作の手順と演出態様の変化を示した説明図である。
【
図19】設定確認モードに関する操作の手順と演出態様の変化を示した説明図である。
【
図20】(A)は7セグ表示器にエラー表示が実行される場合を示した説明図である。(B)は表示画面での操作示唆画像と、スピーカから出力されるエラー音と、枠ランプ及び盤ランプでのエラー発光態様とを示した説明図である。
【
図21】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図23】設定変更モード処理のフローチャートである。
【
図24】設定値確認モード処理のフローチャートである。
【
図26】エラーモード処理のフローチャートである。
【
図27】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図29】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図30】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図31】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図32】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図33】受信コマンド解析処理のフローチャートの第1部分である。
【
図34】受信コマンド解析処理のフローチャートの第2部分である。
【
図35】受信コマンド解析処理のフローチャートの第3部分である。
【
図36】電源起動時変動ゲーム数リセット処理1のフローチャートである。
【
図37】第1リセット抽選処理のフローチャートである。
【
図38】第2リセット抽選処理のフローチャートである。
【
図39】(A)は設定値「1」のときに用いる第1リセットテーブル、(B)は設定値「2」のときに用いる第2リセットテーブル、(C)は設定値「3」のときに用いる第3リセットテーブル、(D)は設定値「4」のときに用いる第4リセットテーブル、(E)は設定値「5」のときに用いる第5リセットテーブル、(F)は設定値「6」のときに用いる第6リセットテーブルである。(G)は設定値「1」のときに用いる第7リセットテーブル、(H)は設定値「2」のときに用いる第8リセットテーブル、(I)は設定値「3」のときに用いる第9リセットテーブル、(J)は設定値「4」のときに用いる第10リセットテーブル、(K)は設定値「5」のときに用いる第11リセットテーブル、(L)は設定値「6」のときに用いる第12リセットテーブルである。
【
図40】(A)は設定値「1、2」の時に用いる第1リセット表示態様抽選テーブル、(B)は設定値「3、4」の時に用いる第2リセット表示態様抽選テーブル、(C)は設定値「5、6」の時に用いる第3リセット表示態様抽選テーブルである。
【
図41】電源起動時ミニキャラ演出処理1のフローチャートである。
【
図42】ミニキャラリセット抽選処理のフローチャートである。
【
図43】(A)は設定値「1」のときに用いる第1ミニキャラ判定テーブル、(B)は設定値「2」のときに用いる第2ミニキャラ判定テーブル、(C)は設定値「3」のときに用いる第3ミニキャラ判定テーブル、(D)は設定値「4」のときに用いる第4ミニキャラ判定テーブル、(E)は設定値「5」のときに用いる第5ミニキャラ判定テーブル、(F)は設定値「6」のときに用いる第6ミニキャラ判定テーブルである。
【
図44】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図45】補助演出開始処理のフローチャートである。
【
図46】(A)は設定値「1~3」のときに用いる第1ミニキャラ判定テーブル、(B)は設定値「4~6」のときに用いる第2ミニキャラ判定テーブル、(C)は設定値「1~3」のときに用いる第1ミニキャラセリフ判定テーブル、(D)は設定値「4~6」のときに用いる第2ミニキャラセリフ判定テーブル、(E)は設定値「1~3」のときに用いる第1動作パターン判定テーブル、(F)は設定値「4~6」のときに用いる第2動作パターン判定テーブル、(G)は設定値「1~5」のときに用いる第1ステータス情報更新テーブル、(H)は設定値「6」のときに用いる第2ステータス情報更新テーブルである。
【
図47】変動数表示更新処理のフローチャートである。
【
図48】(A)は、ミニキャラ情報のリセット表示における第1ミニキャラ画像MK1と、第1枠領域部YR1(白色枠、リセット時フレーム画像)を示した図である。(B)は、前回情報の継続表示における第2ミニキャラ画像MK2と、第2枠領域部YR2(青色枠、通常フレーム画像)を示した図である。(C)は、第3ミニキャラ画像MK3と文字予告演出MS1を実行した場合を示した図である。(D)は、第3ミニキャラ画像MK3と文字予告演出MS2を実行した場合を示した図である。
【
図49】(A)は、通常表示態様(白色)に当選した場合のリセット時表示態様を示した図である。(B)は、第1特殊表示態様(青色)に当選した場合のリセット時表示態様を示した図である。(C)は、第2特殊表示態様(赤色)に当選した場合のリセット時表示態様を示した図である。
【
図50】(A)は、特別表示態様(金色)に当選した場合のリセット時表示態様を示した図である。(B)は、前回の表示内容が第1特殊表示態様(青色)であった場合に、前回変動表示数情報を引継いだ場合を示した図である。(C)は、前回の表示内容が特別表示態様(金色)であった場合に、前回変動表示数情報を引継いだ場合を示した図である。
【
図51】電源起動時ミニキャラ演出処理2のフローチャートである。
【
図52】(A)は、第1設定変更時ミニキャラリセットテーブル、(B)は、第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルである。(C)は、第2設定変更時ミニキャラリセットテーブル、(D)は、第2設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルである。
【
図53】電源起動時ミニキャラリセット判定テーブルである。
【
図54】電源起動時変動ゲーム数リセット処理2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の実施形態(以下「本形態(第1形態)」とする)であるパチンコ遊技機PY1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機PY1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
【0010】
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、
図2に示すように、パチンコ遊技機PY1の外郭を構成するものであり、外枠22と内枠21と前扉23(前枠)とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
【0011】
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
【0012】
なお遊技機枠2において、外枠22を「基枠部」に相当するものと見れば、内枠21及び前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。また遊技機枠2において、外枠22及び内枠21を「基枠部」に相当するものと見れば、前扉23が「前枠部」に相当するものと見ることができる。
【0013】
図1~
図3に示すように、前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(
図1において不図示)が設けられている。
【0014】
遊技機枠2には、
図4に示す遊技盤1が取付けられている。
図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
【0015】
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段,画像表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。
【0016】
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0017】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0018】
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)、後述する変動ゲーム数情報表示演出や、補助演出(ミニキャラ演出)等を表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
【0019】
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0020】
また画像表示装置50の表示画面50aには、変動ゲーム数表示領域HRが表示画面50aの右上領域に設けられており、図柄変動ゲームの累積的な実行回数を、変動ゲーム数表示画像HSを表示することで遊技者に報知可能になっている。また、画像表示装置50の表示画面50aの右下領域には、補助演出表示領域MH(ミニキャラ演出表示領域)が設けられたおり、補助演出(ミニキャラ演出)を実行可能となっている。これら変動ゲーム数表示領域HRと補助演出表示領域MHの詳細に関しては後述する。
【0021】
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
【0022】
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0023】
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12(入球口)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
【0024】
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口12への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口12への入球を不可能とするものでなくてもよい。
【0025】
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口(特別入賞部)ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態(第1状態)と閉状態(第2状態)とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0026】
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
【0027】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0028】
第1流路R1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート13は配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
【0029】
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0030】
また
図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、
図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特
図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特
図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
【0031】
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
【0032】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
【0033】
特図表示器81では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0034】
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0035】
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
【0036】
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0037】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0038】
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
【0039】
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(
図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0040】
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
【0041】
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0042】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0043】
2.遊技機の電気的構成
次に
図6及び
図7に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図6及び
図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、払出制御基板170とともにメイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
【0044】
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ149、盤ランプ54、盤可動体55k、枠ランプ212等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
【0045】
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106の他、後述する設定値情報記憶部107とベース情報記憶部108とが設けられている。また遊技制御基板100には、7セグ表示器300と設定キーシリンダ180とが設けられているがこれらの説明は後述する。
【0046】
その他に、遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、および排出口センサ18aが接続されている。また、本形態における遊技制御基板100の遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)には、前扉開放センサTS1、内枠開放センサTS2がコネクタと配線を介して電気的に接続されている。よって、遊技制御用マイコン101は、遊技機の内枠21と前扉23の開放状態を把握することができるように構成されている。
【0047】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
【0048】
排出口センサ18aは、パチンコ遊技機PY1外へ遊技球を排出する排出口(図示省略)内に設けられて、排出口を通過した遊技球を検出するものである。排出口は、内枠21の下端部に設けられていて、遊技領域6に打ち込まれた遊技球は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、アウト口19の何れかに入球した後、最終的に排出口を通過するようになっている。従って、排出口を通過した遊技球を排出口センサ18aで検出することにより、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球を検出することが可能である。なお、遊技領域6に打ち込まれた全ての遊技球の数を、総発射球数と呼ぶことができる。また総発射級数は、パチンコ遊技機PY1外に排出される全ての遊技球の数と同じであるため、排出球数、総排出球数、アウト球数と呼ぶこともできる。
【0049】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
【0050】
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0051】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0052】
また遊技制御基板100には、外部端子板150(
図11参照)と接続し、各種の信号を一方向で遊技機から出力するためのコネクタが設けられており、遊技制御基板100のコネクタと、外部端子板150の各コネクタをそれぞれ配線(各種信号線)で接続することで、各情報をデータ表示器500及びホールコンピュータ600に出力することが可能となっている。この外部端子板150の詳細については後に詳述する。
【0053】
また、
図6に示すように、払出制御基板170(第1制御基板)は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を実行可能な払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)171を実装している。払出制御用マイコン171(払出制御手段)には、払い出しを制御するためのプログラムを記憶した払出用ROM173、ワークメモリとして使用される払出用RAM174、払出用ROM173に記憶されたプログラムを実行する払出用CPU172、データや信号の入出力を行うための払出用I/Oポート部(入出力回路)178が含まれている。なお、払出用ROM173は外付けであっても良い。
【0054】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。例えば、遊技球が第1始動口11に入球(入賞)すると、第1始動口センサ11aによる検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。これにより、遊技制御用マイコン101は、遊技球が第1始動口11に入球したことを示す賞球信号を払出制御基板170に出力すると共に、メイン賞球信号を外部端子板150に対して出力する。この場合、賞球信号を受信した払出制御用マイコン171は、払出用ROM173に記憶されている賞球数情報に基づいて、発射制御回路175を介して発射ソレノイド72sを駆動して、第1始動口11への入球に基づく賞球(例えば3個)の払い出しを行う。このとき、払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。そして、この賞球センサ73aによる検知が10球分貯まったことを契機に賞球信号が払出制御基板170から外部端子板150に対して出力される。尚、この遊技制御基板100から外部端子板150に対して出力されるメイン賞球信号と、払出制御基板170から外部端子板150に対して出力される賞球信号の説明は後述する。
【0055】
また本形態の払出制御基板170には、呼び出しスイッチYSが接続されており、この呼び出しスイッチYSには、遊技者による呼び出しスイッチの操作を検出可能な呼び出しセンサYS1と、この呼び出しセンサYS1の検出状態がオン状態である場合に点灯する呼び出し用LED(YS2)が設けられている。尚、この呼び出しスイッチYSと、払出制御基板170から出力される呼び出し信号の説明は後述する。
【0056】
次に
図6に示すように、遊技者による発射装置72のハンドル72k(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0057】
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0058】
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138が含まれている。演出用RAM124には、後述する設定値フラグ126等をはじめとする各種遊技に関する情報を記憶可能な記憶領域が設けられている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。上述したように、演出制御基板120は、払出制御基板170を介して電源基板190から電力(例えばDC5V等の電力)が供給されるようになっている。
【0059】
また
図7に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されていると共に、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお演出制御用マイコン121は、画像制御基板140の画像用入力回路145を介して制御信号を送信する。そして画像用CPU141は、画像制御基板140の画像用出力回路146を介して画像表示装置50に制御信号を送信する。
【0060】
画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0061】
画像制御基板140には、スピーカ149(音出力手段)が接続されている。演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の音声用CPU147を介してスピーカ149から音声、楽曲、効果音等を出力する。なお音声用CPU147は、画像用CPU141からの指令に基づいて、音声制御回路148を介してスピーカ149の音声制御を行う。スピーカ149から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。但し、音響データを画像制御基板140の画像用ROM142に格納しても良い。
【0062】
なお画像制御基板140にスピーカ149の音声制御を行わせたが、画像制御基板140とは別に音声制御基板を設けて、この音声制御基板にスピーカ149の音声制御を行わせても良い。この場合、音声制御基板は演出制御基板120に接続されていても良いし、画像制御基板140を介して演出制御基板120に接続されていても良い。また音声制御基板にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。
【0063】
また
図7に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0064】
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0065】
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、盤可動体55kの駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0066】
また演出制御基板120には、入力部検知センサ(演出ボタン検知センサ)40aおよびセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(
図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
【0067】
なお
図6及び
図7は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図6及び
図7に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、
図6及び
図7に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、
図6及び
図7に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
【0068】
図8に示すように、パチンコ遊技機PY1は電源基板190(電力供給部)を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び、払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路191が設けられている。バックアップ電源回路191は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ195が接続されている。電源スイッチ195のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
【0069】
電源基板190(電力供給部)は、パチンコ遊技機PY1の外部からAC24Vの電源を入力して、AC24Vの電源に基づいてパチンコ遊技機PY1の動作に必要な各種電圧(DC5V,DC12V,DC18V,DC24V,DC37V)の電力(電源)を生成するものである。なおDC5Vの電力は主に、各種の集積回路(IC)の電源として用いられる。またDC12Vの電力は主に、各種のセンサやソレノイドの電源として用いられる。またDC18Vの電力は主に、各種のLEDの電源として用いられる。またDC24Vの電力とDC37Vの電力は主に、演出用のモータ(駆動手段)の電源として用いられる。
【0070】
また電源基板190には、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM(Random Access Memory)104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)192が設けられている。RAMクリアスイッチ192は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190に設けられている。そのため、遊技機枠2を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ192を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ192は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ192が押下操作されると、RAMクリアスイッチ192がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。
【0071】
図9の(A)、(B)に示すように遊技制御基板100には、遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)の他に7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180とが設けられている。そして、設定キーシリンダ180(移行操作手段)は、
図9(A)(B)に示すように、遊技制御基板100上に設けられていて、「設定変更キー(図示省略)」と呼ばれるホールの店員のみが所持する「鍵」を挿入できるようになっている。設定キーシリンダ180は、挿入された設定キーを回転操作することで、
図9(B)に示す待機位置(初期位置)と、その待機位置から90度回転した回転位置(移動位置)との間で移動(回転)可能になっている。なお設定キーシリンダ180は、初期状態では待機位置になっていて、専用の設定キーを用いなければ、回転位置へ移動できないように構成されている。
【0072】
設定キーシリンダ180は、
図9(A)に示すように、遊技制御基板100に直接組付けられている略立方体状のベース部180bと、ベース部180bから後方に延びる円柱状の円柱部180cとを備えている。ベース部180bと円柱部180cは、黒色の合成樹脂で構成されていて、円柱部180cに設定キーを挿通可能な挿通穴が形成されている。
【0073】
ここで遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bには、設定キーシリンダ180の位置に対応して切り欠かれた露出部100Cが形成されている。露出部100Cは、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dと略同じ大きさの円形に形成されている。そのため、遊技制御基板100が遊技制御基板ケース100Aに収容された状態では、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dだけが、露出部100Cから露出するようになっている。
【0074】
更に、設定キーシリンダ180の円柱部180cの後面180dは、遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bと、略同一平面を形成している。つまり後面180dは、遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bに対して突出したり、引っ込んだりしているわけではない。こうして、円柱部180cの後面180dを遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bから突出させないことで、後面180dの角部分が破損し易くなるのを防ぐことが可能である。そして、後面180dを遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bと同一平面にすることで、露出部100Cと後面180dとの隙間をほぼ無くして、遊技制御基板ケース100Aの中に異物が侵入しないようにすることが可能である。その結果、設定キーシリンダ180に対する不正や、遊技制御基板100に不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
【0075】
また遊技制御基板ケース100Aの後面部100Bのうち、設定キーシリンダ180に対応する位置には、後方に延びる周壁部100Dが形成されている。周壁部100Dは、設定キーシリンダ180の円柱部180c及びベース部180bの後端部を囲むように、矩形状の周壁になっている。この周壁部100Dにより、例えば針金等が遊技制御基板ケース100Aの内部に侵入して、円柱部180cの周囲に不正に接触するのを防ぐことが可能である。また、不正な磁気の影響によって、後述する設定キーシリンダ180の内部に設けられた設定キーシリンダスイッチ180aの状態が切替えられる事態を生じ難くすることが可能である。
【0076】
また本形態における遊技制御基板100に設けられた遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)と、設定キーシリンダ180は同一の基板の表面に配設されているものである。またこの設定キーシリンダ180には、設定キーを挿入することで設定キーシリンダ180をオン状態(操作状態)及びオフ状態(非操作状態)に切り替えることが可能な構造になっている。そして、この設定キーシリンダ180の内部には、オン状態(操作状態)又はオフ状態(非操作状態)であるかを検出可能なように設定キーシリンダスイッチ180a(操作位置検出手段)が設けられている。そして、この設定キーシリンダスイッチ180a(操作位置検出手段)と、遊技制御用マイコン101(遊技制御手段)は電気的に接続されているため、遊技制御用マイコン101は、設定キーシリンダ180の操作の状態を把握することが可能な構成となっている。
【0077】
ここで
図9(A)(B)に示すように、遊技制御基板100上には、設定値を表示可能な7セグ表示器300(表示手段)が設けられている。そして7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によって実行されている。なお7セグ表示器300が、例えば演出制御基板120上ではなく、遊技制御基板100上に設けられているのは、以下の理由に基づく。即ち、遊技制御基板100(遊技制御用マイコン101)は、適正動作を確かめる試験の検査対象になっているところ、その遊技制御基板100によって設定値の表示が制御されれば、設定値の表示の信頼性が担保できるからである。
【0078】
図10に示すように、7セグ表示器300は、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。なお4連7セグは市場に多く流通している流通品であるため、4連7セグ(7セグ表示器300)を用いることで、表示手段を安価に構成することが可能である。
【0079】
本形態では、「1」~「6」までの何れかの設定値は、7セグ表示器300の第4表示領域340で表示される。また設定値が表示されるときには、第4表示領域340の点灯部分LB25~LB32が、設定値の数字を表すように点灯態様(発光し続ける発光態様)で発光する。なお第4表示領域340で設定値が表示されているときには、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330には何も表示されない。
【0080】
3.外部端子板150に係わる信号の説明
図6、
図8及び
図11に基づいて、本形態における外部端子板150、遊技制御基板100及び払出制御基板170の間にてやりとりされる信号の詳細について説明する。
【0081】
図8に示すようにパチンコ遊技機PY1の背部には外部端子板150が上部に配置されている。このように外部端子板150は、パチンコ遊技機PY1からの配線をホール側の設備であるデータ表示器500又はホールコンピュータ600と接続する場合に、配線の取り回し上の利便性を考慮した配置となっている。
【0082】
外部端子板150は、遊技制御用マイコン101から出力された信号を中継するものであり、データ表示器500やホールコンピュータ600といったパチンコ遊技機PY1の外部に配された外部接続機器に対して遊技機からの出力された信号を出力するためのものである。具体的には外部端子板150には、外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。そして、各チャネル(CN)には、それぞれのコネクタ部(CN1~CN11)が設けられている。そして、このコネクタ部に対して、遊技制御基板100及び払出制御基板170などからの各種配線(各種信号線)を各チャネル(CN)に対応するコネクタ部に接続する一方で、データ表示器500及びホールコンピュータ600側の各種配線(各種信号線)をこの各チャンネル(CN)と接続することで遊技機から出力された情報を外部接続機器に伝達可能としている。尚、遊技機側から出力される信号は、それぞれ一種類の信号が外部接続機器に対して出力される。
【0083】
図11に示すように本形態における外部端子板150と、遊技制御基板100及び払出制御基板170は、それぞれの基板上に設けられたコネクタ部(図示省略)に各種配線(各種信号線)を接続することにより電気的に接続されている。ここで、外部端子板150のコネクタ部について説明する。外部端子板150には、CN1~CN11の合計11個のコネクタ部が設けられている。そして、この各コネクタ部と遊技制御基板100及び払出制御基板170から各種配線(各種信号線)及び払出制御基板170からの各種配線(各種信号線)が接続されている。そして外部端子板150の各コネクタ部は更にホールに設置されたデータ表示器500又はホールコンピュータ600を接続するための各種配線(各種信号線)と接続することが可能となっている。これにより、遊技制御基板100及び払出制御基板170は、外部端子板150を介して、データ表示器500又はホールコンピュータ600に接続される。
【0084】
遊技制御基板100から接続される外部端子板150に設けられた各コネクタ部の役割は、9種類の信号(CN2:扉開放信号、CN3:図柄確定信号、CN4:始動口信号、CN5:大当たり信号、CN6:時短信号、CN7:高確中信号、CN8:メイン賞球信号、CN9:セキュリティ信号、CN10:設定変更中信号)が割り当てられている。そして、払出制御基板170からも同様に外部端子板150に設けられた各コネクタ部の役割は、2種類の信号(CN1:賞球信号、CN11:呼出信号)が割り当てられている。そして、これらの各種配線における信号の出力状態及び出力タイミングに関しては後述する。
【0085】
そしてホールに設置されたデータ表示器500は、遊技機から出力される情報の種類に応じたデータの表示や、遊技機に生じたエラーの報知、遊技者からの呼出しの報知などを行うことができ、同様にホールに設置されたホールコンピュータ600側の方でも遊技機から出力される各種情報の組み合わせにより、データの管理やセキュリティなどの対応を行うことができる。尚、これらの信号の種類及び配線の接続方法(配線とコネクタをどのように接続する、又は、配線を接続しない場合)などは、遊技機のスペック又はホールが把握したい情報の種類などの事情に応じて適宜変更が可能なものであり、本形態は説明のための一例に過ぎない。
【0086】
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
【0087】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0088】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は
図12に示す通りである。
図12に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
【0089】
より具体的には、特
図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特
図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特
図1_通常図柄」が停止表示される。
【0090】
また、特
図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒(所定期間)にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特
図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特
図2_通常図柄」が停止表示される。
【0091】
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
【0092】
なお
図12に示すように、特
図1の抽選および特
図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特
図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特
図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特
図1の抽選よりも特
図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0093】
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図13(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0094】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄EZのうち変動表示されている演出図柄EZが残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄EZがどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄EZの組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄EZは、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0095】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、
図13(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0096】
ここで本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりである否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定し得る。大当たり判定テーブルは、
図14(A)から
図14(F)に示すように、設定値の各々に対応して設けられている。本形態では、設定値として「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、又は「6」の6種類が設けられている。
【0097】
設定値は、大当たり判定処理で大当たりと判定される確率(「大当たり判定確率」と適宜呼ぶ)を定めるパラメータである。設定値は、後述するように、遊技場の従業員等によって設定される。
図14(A)~
図14(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルと、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルとがある。なお設定値の種類、及び大当たり判定テーブルの種類は、6種類に限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0098】
図14(A)~
図14(F)に示すように、各々の設定値に対応する大当たり判定テーブルのそれぞれには、大当たり又はハズレと判定される大当たり乱数値が振り分けられている。本パチンコ遊技機PY1は、設定値に対応した大当たり判定テーブルを用いて、大当たり又はハズレの何れかであるかを判定する。なお本形態では、小当たりに当選することがないように設定されているが、小当たりに当選することがあるように設定しても良い。また大当たりと判定される確率や、大当たりと判定される大当たり乱数値の振り分け方は、
図14(A)~
図14(F)に限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0099】
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
【0100】
本形態では
図14(A)~
図14(F)に示すように、各々の設定値において、高確率状態で用いられる大当たり判定テーブルの方が、通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定され易いように設定されている。更に、通常確率状態又は高確率状態の遊技状態において、同一の遊技状態であれば、設定値が高く設定されるほど、大当たりと判定され易いように設定されている。
【0101】
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。また
図15の(A)に示したようにリーチ(特定の変動時間以上に設定された演出)演出が選択される割合も時短状態よりも非時短状態の方が選ばれ易くなっている。また、
図16に示すようにリーチ無しハズレ及びリーチ有りハズレの何れの演出が選ばれた場合にも、非時短状態よりも時短状態の方が全体的に変動時間の短い演出パターンが選択され易いように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0102】
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図15(B)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0103】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(
図15(C)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
【0104】
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
【0105】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0106】
尚、これらの遊技状態に連動して遊技制御基板100から外部端子板150のCN6に接続された配線を介して、時短信号が出力される。同様に、遊技制御基板100から外部端子板150のCN7に接続された配線を介して、高確中信号が出力される。この時短信号は、特別図柄(特図表示器81)の変動時間短縮機能が作動状態となる時短状態中に出力状態となるものであり、特別図柄(特図表示器81)の変動時間短縮機能が終了となり非時短状態になりしだい直ちに時短信号の出力を停止するものである。同様に、高確中信号は、特別図柄(特図表示器81)の確率変動機能が作動状態となる高確率状態中に出力状態となるものであり、高確率状態が終了となり通常確率状態(非高確率状態)になりしだい直ちに高確中信号の出力を停止するものである。そして外部端子板150からの信号の出力状態からデータ表示器500及びホールコンピュータ600は遊技機の状態を知ることができ、遊技機の状態に合わせた報知を行うことができる。これらの各種信号に関しては後述する。
【0107】
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
【0108】
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0109】
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
【0110】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(
図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0111】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(
図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0112】
6.設定値の変更方法及び確定方法
設定値の変更方法について
図18を用いて説明する。本形態では、設定値を変更するためには、
図18に示すように設定変更モードに移行する必要がある。その設定変更モードに移行するためには、3つの条件が必要である。1つ目の条件は、RAMクリアスイッチ192が操作(オン状態)されていることである。2つ目の条件は、設定キーシリンダ180が、回転位置にあることである。そして、3つ目の条件は、電源スイッチ195をOFF操作からON操作に切替えることで、遮断状態から投入状態に切替える操作を行うことである。これらの3つの操作を電源投入操作の際に同時に行う事で、設定変更モードに移行することが可能となっている。
【0113】
設定値を変更する場合に7セグ表示器300での表示態様と、演出手段(画像表示装置50、スピーカ149、枠ランプ212及び盤ランプ54)での演出態様について説明する。(
図18参照)本形態では、上述したように設定値を変更するためには、3つの条件を満たして(所定の移行条件の成立に基づいて)、設定変更モードに移行する必要がある。具体的には、設定キーを用いて設定キーシリンダ180を待機位置から90度回転した回転位置にしておき、且つRAMクリアスイッチ192を押下操作した状態で、電源スイッチ195をOFF操作からON操作に切替える。これら3つの条件を満たす操作を、以下では「設定変更モード移行操作」と呼ぶことにする。設定変更モード移行操作は、一般的に遊技場の従業員が行うものであって、パチンコ遊技機PY1の裏側(
図8参照)を視認できない遊技者には行うことが不可能なものである。
【0114】
図18(A)に示すように、設定変更モード移行操作を行って、設定変更モードに移行すると、
図18(B)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、電源投入される前に設定されていた設定値(例えば「1」)が表示されるようになっている。つまり、前回の遊技中に設定されていた設定値の情報(以下「設定値情報」)は、遮断状態になっても消去されない。そのため、電源投入時に設定変更モード移行操作を行うと、記憶されている設定値情報に基づいて、前回の遊技中に設定されていた設定値が7セグ表示器300に表示される。
【0115】
また設定変更モードに移行すると、
図18(B)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定変更中」の文字を示す設定変更中画像SHが表示される。この設定変更中画像SHの表示の開始により、設定値の変更を行う遊技場の従業員(以下「設定変更者」と呼ぶ)に、設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また設定変更中画像SHは、設定変更モードが終了するまで表示画面50aに表示され続ける。そのため設定変更者は、設定変更中画像SHを見ることで、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
【0116】
また設定変更モードに移行すると、
図18(B)に示すように、スピーカ149から、「設定変更可能です」という音声が出力される。この「設定変更可能です」という音声の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを聴覚的に把握させることが可能である。また「設定変更可能です」という音声は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで繰り返し出力される。そのため設定変更者は、「設定変更可能です」という音声を聞き続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
【0117】
また設定変更モードに移行すると、
図18(B)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特別な第1発光態様で発光する。この第1発光態様での発光の開始により、設定変更者に設定変更モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また枠ランプ212及び盤ランプ54での第1発光態様の発光は、設定値を変更したタイミングを除き、設定変更モードが終了するまで継続する。そのため設定変更者は、第1発光態様の発光を見続ける限り、設定値の変更が可能である状況を把握することが可能である。
【0118】
ここで本形態では、設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ192を押下操作すると、設定値を変更できるようになっている。具体的には、RAMクリアスイッチ192を押下操作する度に、「1」⇒「2」⇒「3」⇒「4」⇒「5」⇒「6」の順番に、設定値を1つずつ上昇させることが可能である。そして設定値が「6」であるときに、RAMクリアスイッチ192を押下操作すると、設定値が「1」に戻るようになっている。
【0119】
こうして、設定値の切替えを行うための操作手段として、既存のRAMクリアスイッチ192を用いており、専用の操作手段を新たに設けたわけではない。従来では、RAMクリアスイッチ192は、電源投入時に遊技用RAM104及び払出用RAM174の記憶情報を消去するためだけに用いられていて、電源投入時以外には用いられないものであった。よって本形態のように、RAMクリアスイッチ192によって、設定値の切替えを行うための操作手段と、遊技用RAM104等の記憶情報を消去するための操作手段とを兼用することで、部品点数の削減を図ることが可能である。なお設定変更モードにおいて、RAMクリアスイッチ192を押下操作しても、押下操作したタイミングで遊技用RAM104等の記憶情報が消去されるわけではない。
【0120】
図18(B)に示すように、設定変更モードに移行したときに例えば7セグ表示器300に設定値「1」が表示された後、RAMクリアスイッチ192を押下操作すると、
図18(C)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、設定値「2」が表示される。つまり設定値「1」の表示から、設定値「2」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「2」に切替わったことを把握することが可能である。
【0121】
またRAMクリアスイッチ192を押下操作すると、
図18(C)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、設定変更中画像SHの上から重ねて、上向きの矢印を示す設定値変更画像YGが表示される。この設定値変更画像YGの表示により、設定変更者に設定値が変更(上昇)したことを把握させることが可能である。なお設定値変更画像YGは、RAMクリアスイッチ192を押下操作してから数秒間だけ表示された後に非表示になり、表示画面50aには再び設定変更中画像SHだけが表示されることになる。
【0122】
またRAMクリアスイッチ192を押下操作すると、
図18(C)に示すように、スピーカ149から、「設定値が変更されました」という音声が出力される。この「設定値が変更されました」という音声により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお「設定値が変更されました」という音声は、1回だけ出力されて、その後には上述したように「設定変更可能です」という音声の繰り返しに切替わることになる。
【0123】
またRAMクリアスイッチ192を押下操作すると、
図18(C)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54は、特別な第2発光態様で発光する。この第2発光態様での発光により、設定変更者に設定値が変更したことを把握させることが可能である。なお第2発光態様での発光は、RAMクリアスイッチ192を押下操作してから数秒間だけ実行されて、その後には上述したように第1発光態様での発光に戻ることになる。
【0124】
続いて、
図18(C)に示すように7セグ表示器300に設定値「2」が表示された状態で、RAMクリアスイッチ192を押下操作すると、
図18(D)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、設定値「3」が表示される。つまり設定値「2」の表示から、設定値「3」の表示に切替わる。これにより設定変更者は、設定値が「3」に切替わったことを把握することが可能である。
【0125】
また
図18(D)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには設定値変更画像YGが表示され、スピーカ149から「設定値が変更されました」という音声が出力され、枠ランプ212及び盤ランプ54が特別な第2発光態様で発光する。これらにより、設定変更者に再び設定値が変更したことを把握させることが可能である。
【0126】
ところで、設定変更モードにおいてRAMクリアスイッチ192が押下操作されるとき、設定変更者は基本的にパチンコ遊技機PY1の裏側(
図8参照)に向かい合っていて、7セグ表示器300を見ている。そのため、設定変更者にとっては、表示画面50aでの設定値変更画像YGの表示と、枠ランプ212及び盤ランプ54での特別な第2発光態様での発光を把握し難い。よって、設定値変更画像YGの表示と、特別な第2発光態様での発光は、主に本パチンコ遊技機PY1の周囲にいる遊技場の従業員に向けて、設定値が変更されたことを報知する意味になる。このようにして、周囲の遊技場の従業員が、設定値の変更を把握できることで、不正に設定値が変更されていないことを把握することが可能である。
【0127】
次に、設定値の確定方法について
図18(E)を用いて説明する。設定値を確定するためには、設定変更モードにおいて、設定キーを用いて設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる必要がある。これにより、設定変更モードが終了して、設定変更モードにおいて最後に表示されていた設定値が確定されることになる。なお設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる操作を、「設定確定操作」と適宜呼ぶことにする。
【0128】
設定確定操作が行われると、
図18(F)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定値を確定しました」の文字を示す設定値確定画像SKが表示される。この設定値確定画像SKの表示により、設定値が確定したことを設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に把握させることが可能である。なお設定値確定画像SKは、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ表示された後、非表示になる。
【0129】
また設定確定操作が行われると、
図18(F)に示すように、スピーカ149から、「設定値を確定しました」という音声が出力される。この「設定値を確定しました」という音声により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお「設定値を確定しました」という音声は、設定確定操作されたタイミングで1回だけ出力される。
【0130】
また設定確定操作が行われると、
図18(F)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特別な第3発光態様で発光する。この第3発光態様での発光により、設定変更者又は周囲の遊技場の従業員に設定値が確定したことを把握させることが可能である。なお第3発光態様での発光は、設定確定操作が行われてからごく僅かの時間だけ実行された後、終了する。
【0131】
ここで本形態では、設定確定操作を行って設定変更モードが終了すると、7セグ表示器300にて点灯態様(変更可能態様)で表示されていた設定値(例えば
図18(D)に示す「3」)が見えなくなる。つまり、設定値が非表示(非表示態様)になる。そして7セグ表示器300では替わりに、後述する初期表示(
図18(F)参照)が実行される。こうして設定変更者には、点灯態様で表示されていた設定値が非表示態様になることで、設定値の確定を把握させることが可能である。更に、設定値が確定された後に設定値が表示されないことで、確定された設定値を周囲に気付かれ難くすることが可能である。
【0132】
こうして設定値が確定されると、
図18(F)に示すように、7セグ表示器300での初期表示として、第1表示領域310から第4表示領域340までの全ての点灯部分LB1~LB32(
図10参照)が点灯する。こうして全ての点灯部分LB1~LB32が点灯することで、設定確定操作を行った設定変更者に対して、初期表示の実行を分かり易く示すことが可能である。
【0133】
7セグ表示器300での初期表示の意味は、以下の通りである。7セグ表示器300は、上述したように設定値を表示する他、後述するようにベースも表示するようになっている。しかしながら、7セグ表示器300で表示される設定値又はベースは、その7セグ表示器300が正常に機能していることを前提とするものであって、7セグ表示器300自体に故障や不具合、或いは不正な改造が施されている可能性が完全にないわけではない。
【0134】
そこで本形態では、設定変更モードが終了すると、自動的に7セグ表示器300で初期表示が実行される。これにより、設定変更者は、7セグ表示器300が正常に機能していることを把握することが可能である。つまり、設定変更モードで表示されていた設定値は正しい値であったことを確認することが可能である。更に、初期表示の後に表示されるベースも正しく表示されるだろうと認識することが可能である。なお電源投入時に設定変更モードに移行しない場合には、電源投入後すぐに7セグ表示器300にて初期表示が実行されることになる。
【0135】
尚、本形態では、
図18(G)のように「設定確定操作」が完了したことを条件に遊技機は、遊技可能状態へと移行する。つまり、設定キーシリンダ180、RAMクリアスイッチ192の操作を伴わない通常の電源投入時処理を経由した遊技可能な状態へと移行する。
【0136】
7.設定値の確認方法
設定値の確認方法について
図19を用いて説明する。本形態では、設定値の確認を行うためには、
図19に示すように設定確認モードに移行する必要がある。設定確認モードに移行するためには、前述の設定変更モードと異なり、2つの条件が必要である。1つ目の条件は、設定キーシリンダ180が、回転位置(オン状態)にあることである。次に2つ目の条件は、電源スイッチ195をON操作することで、遮断状態から投入状態に切替える操作を行うことである。つまり、設定変更モードではRAMクリアスイッチ192の操作を伴わずに設定キーシリンダ180を回転位置(オン状態)にした状態で電源スイッチ195をON操作することで移行するモードとなる。尚、前述の設定変更モードと設定確認モードでは類似点が多いため以下、主に相違点について説明する。
【0137】
図19(A)に示すように、設定確認モード移行操作を行って、設定確認モードに移行すると、
図19(B)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340には、電源投入される前に設定されていた設定値(例えば「6」)が表示されるようになっている。つまり、前回の遊技中に設定されていた設定値の情報(以下「設定値情報」)は、遮断状態になっても消去されない。そのため、電源投入時に設定確認モード移行操作を行うと、記憶されている設定値情報に基づいて、前回の遊技中に設定されていた設定値が7セグ表示器300に表示される。
【0138】
また設定確認モードに移行すると、
図19(B)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「現在の設定は6です」の文字を示す現在の設定に関する画像GSHが表示される。このように、現在の設定に関する画像GSHを見ることで、遊技機の後ろ側に配置された7セグ表示器300を見ずとも現在の設定を把握することが可能である。
【0139】
また設定確認モードに移行すると、
図19(B)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特別な第1発光態様で発光する。この第1発光態様での発光の開始により、設定確認者に設定確認モードに正しく移行できたことを把握させることが可能である。また枠ランプ212及び盤ランプ54での第1発光態様の発光は、設定確認モードが終了するまで継続する。このようにして設定変更者は、第1発光態様の発光を見続ける限り、設定確認モードであることを把握することが可能である。尚、この本形態では、設定変更モードと同様に第1発光態様での発光としたが設定確認モード専用の発光態様にて発光を行ってもよい。
【0140】
次に、設定確認モードの終了方法について
図19(C)を用いて説明する。設定確認モードを終了させるには、設定キーを用いて設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置の方へ回転させる必要がある。これにより、設定確認モードが終了する。
【0141】
設定確認モードの終了操作が行われると、
図19(D)に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、「設定確認モードを終了します。」の文字を示す現在設定値確認画像GSKが表示される。なおこの現在設定値確認画像GSKは、設定確認終了操作が行われてからごく僅かの時間だけ表示された後、非表示になる。
【0142】
また設定確認モードの終了操作が行われると、
図19(D)に示すように、スピーカ149から、「確認モードを終了します」という音声が出力されると共に、遊技可能状態へと移行する。
【0143】
8.設定値の未設定エラーについて
次に、パチンコ遊技機PY1に、設定値を示す情報(以下「設定値情報」と呼ぶ)が記憶されていない場合、設定値の未設定エラーについて説明する。設定値情報は、設定変更モードで設定値が変更される度に、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107(
図6参照)に記憶されるものである。但し、パチンコ遊技機PY1が生産工場から出荷(工場出荷)される際には、設定値情報記憶部107には、設定値情報が記憶されていない。つまり設定値が何も設定されていない状態になっている。
【0144】
本パチンコ遊技機PY1では、設定値が何も設定されていない状態で電源投入を行った場合に、エラーモードに移行し得るようにしている。なお設定値が何も設定されていない状態でも、設定変更モード移行操作を行えば、エラーモードではなく、設定変更モードに移行する。エラーモードは、パチンコ遊技機PY1にて遊技が不可能なモードであり、電源スイッチ195をOFF操作して電源を遮断しない限り、解除されないようになっている。
【0145】
エラーモードであるときには、
図20(A)に示すように、7セグ表示器300の第4表示領域340にて、点灯部分LB25、LB28、LB29、LB30、LB31(
図10参照)が、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。この発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。なおエラー点灯態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
【0146】
またエラーモードであるときには、
図20(B)に示すように、表示画面50aに、「設定値が設定されていません 設定変更モード移行操作を行って下さい」の文字を示す操作示唆画像SEが表示される。この操作示唆画像SEの表示により、遊技場の従業員等には、設定値を設定しなければならない状況を把握させることが可能である。なお操作示唆画像SEの表示は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
【0147】
またエラーモードであるときには、
図20(B)に示すように、スピーカ149から、特殊なエラー音が出力される。またこのときには、
図20(B)に示すように、枠ランプ212及び盤ランプ54が、特殊なエラー発光態様で発光する。これらエラー音の出力と、エラー発光態様での発光により、遊技場の従業員等には、エラーモードに移行していることを把握させることが可能である。なおエラー音の出力及びエラー発光態様での発光は、エラーモードが解除されるまで続くようになっている。
【0148】
尚、本形態ではこの未設定エラーが検出されている場合に、遊技制御基板100から外部端子板150のCN9に接続された配線を介して、セキュリティ信号が出力される。この信号によりデータ表示器500及びホールコンピュータ600では遊技機の設定が未設定であること、又は、設定情報に異常が発生していることを認識することができ、遊技機の設定に対する注意喚起を行うことができる。
【0149】
ここで本形態では、遊技用RAM104の設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報は、RAMクリアスイッチ192が押下操作されたときでも、消去されない。従って、工場出荷後に設定変更モード移行操作を行って、設定値情報記憶部107に設定値情報を一旦記憶させれば、その後に設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されていないという事態は生じない。よってこの場合には、次回以降の電源投入時でエラーモードに移行することはない。要するに、エラーモードに移行するのは、一度も設定値が設定されていない状態で、電源投入時に設定変更モード移行操作を行わなかった場合、もしくは、なんらかの不具合(ノイズ等)が発生して保持情報が消去されてしまった場合となる。このようにして、単にRAMクリアスイッチ192が押下操作された場合や、電源が投入されていない場合(遮断状態)でも、設定値情報を消去しないことで、不必要にエラーモードに移行するのを防ぐことが可能である。
【0150】
9.パチンコ遊技機の制御動作
次に、
図21~
図28に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、
図29~
図47に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0151】
[主制御メイン処理]遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、電源投入時に、遊技用ROM103から
図21に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
【0152】
図21に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S003)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図13に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0153】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0154】
[電源投入時処理]
図22に示すように、電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101はまず、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S010)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、RAMクリアスイッチ192がONであり(押下操作されていて)、且つ設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S011)。即ち、設定変更モード移行操作が実行されているか否かを判定する。設定変更モード移行操作が実行されていれば(S011でYES)、後述する設定変更モード処理(S012)を経て、ステップS013に進む。
【0155】
一方、ステップS011で設定変更モード移行操作が実行されていないと判定すれば(S011でNO)、続いて、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているか否かを判定する(S016)。設定値情報が記憶されていなければ(S016でNO)、未だ一度も設定値が設定されていないことになり、後述するエラーモード処理(S021)に進む。これに対して、設定値情報が記憶されていれば(S016でYES)、次に、RAMクリアスイッチ192がONであるか否かを判定する(S017)。要するにステップS017の処理は、設定変更モードには移行しないものの、RAMクリアスイッチ192を押下操作した状況か否かを判定する処理である。RAMクリアスイッチ192がONであれば(S017でYES)、ステップS013に進む。
【0156】
これに対して、RAMクリアスイッチ192がONでなければ(S017でNO)、続いて、設定キーシリンダスイッチ180aがONであるか否かを判定する(S018)。要するにステップS018の処理は、設定変更モードに移行しないものの、設定キーシリンダ180が回転状態になっている状況か否かを判定する処理である。設定キーシリンダスイッチ180aがONであれば(S018でYES)、後述する設定値確認モード処理を実行して(S019)、ステップS020に進む。一方、設定キーシリンダスイッチ180aがONでなければ(S018でNO)、電源投入時に、RAMクリアスイッチ192を押下操作しておらず、且つ設定キーシリンダ180を回転状態にしていないことになる。この場合には、ステップS019の設定確認モード処理を実行することなく、ステップS020に進む。ステップS020に進むと、後述する電断復旧時処理を実行して、ステップS022に進む。
【0157】
ステップS013では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする(S013)。但しこのときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報、及び、ベース情報記憶部に記憶されている情報についてはクリアしない。
【0158】
こうして、電源投入時にRAMクリアスイッチ192の押下操作があっても、設定値情報がクリアされないことで、電断前に設定されていた設定値で遊技を再開することが可能である。つまり、電源投入の度に設定変更モードに移行して設定値を設定しなくても、遊技を行うことが可能である。
【0159】
ステップS013の後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S014)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S015)、ステップS022に進む。ステップS022では、その他の電源投入時処理として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
【0160】
[設定変更モード処理]
図23に示すように、設定変更モード処理(S012)では、遊技制御用マイコン101はまず、演出制御基板120に対して、設定変更モードへの移行を通知するための設定モード移行コマンドを送信する(S030)。そして設定変更モードへの移行に伴い外部端子板150へ設定変更中信号を出力するために、出力設定をONに切替える(S031)。次に、設定値情報記憶部107に設定値情報が記憶されているかを判定する(S032)。設定値情報が記憶されていれば(S032でYES)、電断前に設定値が設定されているため、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S033)(
図18(B)参照)。具体的に、遊技制御用マイコン101は、シリアルデータ送信端子から設定値を表示するためのシリアルデータをLEDドライバ350に送信する。こうして設定変更者は、設定変更モード移行操作を行った直後に、電断前に設定されていた設定値を7セグ表示器300にて把握することが可能である。ステップS033の後、演出制御基板120に対して、現時点での設定値の情報(設定値情報)を通知するための第1設定値指定コマンド(表示用設定値コマンド)を送信して(S034)、ステップS035に進む。これに対して、ステップS032で、設定値情報が記憶されていなければ(S032でNO)、ステップS033及びS034をパスして、ステップS035に進む。
【0161】
ステップS035では、RAMクリアスイッチ192がONであるか否かを判定する。つまり、設定変更モードでRAMクリアスイッチ192が押下操作された状況か否かを判定する。ONであれば(S035でYES)、設定値を1つ繰り上げるために、新しい設定値情報を設定値情報記憶部107に記憶する(S036)。なお設定値が「6」であるとき、RAMクリアスイッチ192が押下操作された場合には、設定値が「1」であることを示す設定値情報が記憶されることになる。続いて、新しい設定値情報に基づいて、設定値を7セグ表示器300に表示する(S037)(
図18(B)、(C)、(D)参照)。これにより設定変更者には、設定値が繰り上がったことを把握させることが可能である。
【0162】
続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、設定値が変更されたことを通知するための設定値変更コマンドを送信する(S038)ことで、1つ繰り上がった設定値の情報(設定値情報)を通知する。そして、ステップS039では、設定キーシリンダスイッチがOFFであるか否かを判定する。即ち、設定確定操作が行われたか否かを判定する。OFFでなければ(S039でNO)、未だ設定変更モードを終了させるタイミングでないため、ステップS035に戻る。一方、OFFであれば(S039でYES)、演出制御基板120に対して、最終的に確定となった第2設定値指定コマンド(確定設定値コマンド)を送信し(S040)、設定変更モードの終了を通知するための設定モード終了コマンドを送信する(S041)。そして、設定変更中信号の出力設定をOFFにする(S042)。7セグ表示器300で表示していた設定値を非表示態様にして(S043)、上述したステップS013(
図22参照)に進む。こうして、設定キーシリンダスイッチ180aがOFFになるとすぐに、7セグ表示器300では設定値が見えなくなって、周囲に確定した設定値を把握させ難くすることが可能である。ステップS013以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。このようにして、設定変更モード処理では、遊技機が設定変更モードに移行したこと、及び、遊技機に関する設定値などの各種情報をコマンドを用いて演出制御基板120等のサブ制御基板に送信可能な状態とする。合わせて、遊技制御用マイコン101から外部端子板150へ出力する信号の出力設定を切替える。そして、これらのコマンドや信号は後述する
図27の出力処理(S106)の処理にて実行されるものである。
【0163】
[設定値確認モード処理]
図24に示すように、設定値確認モード処理(S019)では、遊技制御用マイコン101はまず、設定値情報に基づいて設定値を7セグ表示器300に表示する(S050)。続いて、7セグ表示器300で設定値の表示を開始してから一定時間(例えば3秒)が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S051でNO)、ステップS051の処理を繰り返すことになり、7セグ表示器300での設定値の表示が継続する。一方、経過していれば(S051でYES)、7セグ表示器300にて表示していた設定値を非表示態様にして(S052)、後述するステップS020(
図25の電断復旧時処理参照)に進む。以上、設定値確認モード処理(S019)では、上述した設定変更モード処理(S012)と異なり、設定値の変更を行うことはなくて、単に現時点での設定値を7セグ表示器300で表示するだけである。
【0164】
[電断時復旧処理]
図25に示すように、電断時復旧処理(S020)では、遊技制御用マイコン101はまず、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S060)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(
図28参照)でONにされるフラグである。電源断フラグがONでなければ(S060でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS065に進む。
【0165】
一方、電源断フラグがONであれば(S060でYES)、遊技用RAM104のチェックサムを算出して(S061)、これを電断時に格納(記憶)しておいた遊技用RAM104のチェックサム(
図28のステップS161参照)と一致するか否かを判定する(S062)。これらチェックサムの値が一致しなければ(S062でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が異常であると判断し、ステップS065に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S062でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS063に進む。
【0166】
ステップS063では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S064)、上述したステップS022(
図22参照)に進む。ステップS022以降の処理は、上述しているため、説明を省略する。
【0167】
一方、ステップS065では、遊技用RAM104に記憶されている情報をクリアする。このときには、設定値情報記憶部107に記憶されている設定値情報と、ベース情報記憶部108に記憶されているベースに係わる情報(総発射球数の情報、総賞球数の情報、1回前ベースの情報、2回前ベースの情報、3回前ベースの情報)についてはクリアしない。但し、ステップS065に進む場合は、正常に電源が遮断されていない可能性がある場合や、チェックサムの値が一致せずに遊技用RAM104の記憶内容が異常である可能性がある場合である。よって、ステップS065の処理の替わりに、設定値情報及びベースに係わる情報もクリアするようにしても良い。そしてこの場合には、設定値情報をクリアした後に、初期値の設定値として例えば「1」を示す設定値情報を設定値情報記憶部107に新たに記憶するようにしても良い。なおステップS065の処理において、遊技用RAM104にセットされている電源断フラグがONであれば、電源断フラグはOFFにされる。
【0168】
ステップS065の後、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S066)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、遊技用RAM104の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア通知コマンドを送信して(S067)、上述したステップS022(
図22参照)に進む。
【0169】
[エラーモード処理]
図26に示すように、エラーモード処理(S021)では、遊技制御用マイコン101はまず、7セグ表示器300の第4表示領域340にて「E」(
図20参照)の文字を示すためのエラー表示処理を実行する(S080)。これにより、7セグ表示器300の第4表示領域340では、「E」の文字を表すようにエラー点灯態様で発光する。こうして遊技場の従業員等には、7セグ表示器300で「E」の文字を見せることで、エラーモードへの移行を把握させることが可能である。
【0170】
続いて、遊技制御用マイコン101は、演出制御基板120に対して、エラーモードへの移行を通知するためのエラーコマンドを送信する(S081)と共に、外部端子板150に対してセキュリティ信号を出力するためにセキュリティ信号の出力設定をオン状態にする(S082)。その後は、電源投入時処理(S001、
図22参照)に戻ることなく、ループ処理を行う。こうして、エラーモードに移行した場合には、電源を遮断するまでエラーモードが継続する。よって、次回の電源投入時に設定変更モードに移行して、設定値を設定しなければ、遊技を開始することができないようになっている。
【0171】
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、
図27に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
【0172】
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a、排出口センサ18a(
図6参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なおセットされた賞球コマンドは、払出制御基板170に送信される。
【0173】
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(
図13(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(
図13(B)参照)を取得する。
【0174】
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を、設定値情報が示す設定値に基づく大当たり判定テーブル(
図14(A)~(F)参照)、当たり種別判定テーブル(
図12参照)、リーチ判定テーブル(
図15(A)参照)、特図変動パターン判定テーブル(
図16参照)を用いて判定する。なお
図14(A)~(F)に示す大当たり判定テーブルを用いて大当たりであるかを判定する大当たり判定処理が、「入球口への入球に基づいて行う判定処理」に相当する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図14参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の実行に際しては、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0175】
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数、普通図柄当たり判定テーブル(
図15(B)参照)を用いて判定すると共に、普通図柄変動パターン選択テーブル(
図15(C)参照)を用いて遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を選択する。そして、普図抽選の判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、
図17参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
【0176】
続いて、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理(S106)を実行する。出力処理(S106)では、外部端子板150への信号の出力についても行う。
【0177】
例えば、内枠21又は前扉23が開放されている場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、扉開放信号が出力される。扉開放信号は、第2CNに対して出力されるものであり、前扉開放センサTS1又は内枠開放センサTS2のいずれか一方でも開放状態が検出されている場合に出力される信号である。そして、前扉開放センサTS1及び内枠開放センサTS2のそれぞれが閉状態であると検出された場合にオフ状態となる信号である。本形態では、前扉開放センサTS1又は内枠開放センサTS2の2つのセンサを用いることで、内枠21及び前扉23のそれぞれの開放状態を検出可能な構成としているが、これらのセンサの設置個数や場所、扉開放信号の出力条件などは適宜変更可能である。このように内枠21及び前扉23の開放状態に対応して信号が出力されることにより、データ表示器500及びホールコンピュータ600では内枠21や前扉23が開いている状態であることを認識することができ、不正行為に対する注意喚起を事前に行うことができる。
【0178】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が停止表示された場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、図柄確定信号が出力される。図柄確定信号は、第3CNに対して出力されるものであり、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動が停止表示される(「大当たり図柄」又は「ハズレ図柄」が停止表示される)タイミングにて所定の長さで出力される信号である。そして、この図柄確定信号をデータ表示器500又はホールコンピュータ600は受信することにより、パチンコ遊技機PY1が何回、図柄変動ゲーム(特別図柄の変動表示)を行ったかを集計することが可能となる。尚、本形態では第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれの図柄変動が停止表示された場合のいずれの場合であっても1つの信号として出力する方法を採用しているが第1特別図柄にのみ対応する第1図柄確定信号と、第2特別図柄にのみ対応する第2図柄確定信号などのように、それぞれの図柄変動の停止表示に対応する専用の配線(信号線)を設けてもよい。
【0179】
第1始動口11に遊技球が入球した場合、及び、第2始動口12に遊技球が入球した場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、始動口信号が出力される。始動口信号は、第4CNに対して出力されるものであり、第1始動口センサ11a及び第2始動口センサ12aにて遊技球が検出されたタイミングにて所定の長さで出力される信号である。この始動口信号をデータ表示器500又はホールコンピュータ600は受信することにより、遊技機の始動口への入賞状態を集計することが可能となる。
【0180】
特別遊技(大当たり遊技)の実行期間中である場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、大当たり信号が出力される。大当たり信号は、第5CNに対して出力されるものであり、特別遊技の実行中は常にオン状態が維持され、特別遊技の終了にともないオフ状態となる信号である。このように特別遊技状態に対応して信号が出力されることにより、データ表示器500及びホールコンピュータ600では大当たりが発生したことを認識することができ、大当たりの発生に関する報知を行うことができる。
【0181】
遊技状態として、変動時間短縮機能が作動状態(時短状態)となっている場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、時短信号が出力される。時短信号は、第6CNに対して出力されるものであり、変動時間短縮機能が作動状態(時短状態)である場合に常にオン状態が維持され、変動時間短縮機能の終了(非時短状態)によりオフ状態となる信号である。同様に遊技状態として、確率変動機能が作動状態(高確率状態)となっている場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、高確中信号が出力される。高確中信号は、第7CNに対して出力されるものであり、高確率状態中である場合に常にオン状態が維持され、高確率状態が終了となり通常確率状態(非高確率状態)になるとオフ状態となる信号である。このように時短信号及び高確中信号が出力されることにより、データ表示器500及びホールコンピュータ600では遊技機が時短状態であること及び高確率状態であることを認識することができる。
【0182】
各入賞口に遊技球が入賞し賞球を払出すことが決定された場合には、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、メイン賞球信号が出力される。メイン賞球信号は、第8CNに対して出力されるものであり、払い出す予定の賞球が発生したタイミング(入賞口へ遊技球が入賞したタイミング)にて所定の長さで出力される信号である。このメイン賞球信号をデータ表示器500又はホールコンピュータ600が受信することにより、遊技機が払い出す予定の賞球数を集計することができる。尚、本実施形態では、遊技制御用マイコン101にて、予め賞球数を計数しており、10球分の賞球が発生する見込みとなった場合に1回の所定の長さの信号(1回のパルス信号)が出力される。尚、1球分の賞球の発生に応じて1回の所定の長さの信号(1回のパルス信号)を出力するなど、信号の出力条件は適宜変更可能である。
【0183】
またパチンコ遊技機PY1に関して何らかの不正行為が行われた場合、もしくは、各種エラーが検出された場合に、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、セキュリティ信号が出力される。セキュリティ信号は、第9CNに対して出力されるものであり、パチンコ遊技機PY1に異常状態が発生している期間中は常にオン状態が維持され、パチンコ遊技機PY1の異常状態が解消された場合にオフ状態となる信号である。
【0184】
パチンコ遊技機PY1が設定変更モードである場合に、遊技制御基板100から外部端子板150に対して、設定変更中信号が出力される。設定変更中信号は、第10CNに対して出力されるものであり、遊技制御用マイコン101が設定変更中であると判断している期間中にオン状態が維持され、遊技制御用マイコン101が設定変更を終了したと判断した際に、オフ状態となる信号である。この設定変更中信号により、データ表示器500及びホールコンピュータ600では遊技機の設定が変更中である旨を認識することができ、設定変更に対する注意喚起又は不正行為の報知を行うことができる。
【0185】
遊技機から賞球の払出しを行った場合に、払出制御基板170から外部端子板150に対して、賞球信号が出力される。賞球信号は、第1CNに対して情報が出力されるものであり、10球分の賞球の払出しが実行されたタイミングにて所定長さで出力される信号である。尚、本形態では10球分を1単位として賞球信号の出力タイミングとしたが100球分を1単位とするなど賞球信号の出力タイミングは任意に変更してもよい。この賞球信号をデータ表示器500又はホールコンピュータ600が受信することにより、遊技機から払い出された実際の賞球数を集計することができる。
【0186】
本形態では、パチンコ遊技機PY1に呼び出しスイッチYSが設けられており、遊技者はこの呼び出しスイッチYSを操作することでホールの店員を呼ぶことができる。呼び出しスイッチYSが操作された場合に、払出制御基板170から外部端子板150に対して、呼出し信号が出力される。この呼出し信号は呼び出しスイッチYSが検出状態となっている期間中はオン状態が維持され、呼び出しスイッチYSが非検出状態となった場合にオフ状態となる信号である。
【0187】
[電源断監視処理]電源断監視処理(S107)では、
図28に示すように、遊技制御用マイコン101はまず、電源断信号を入力したか否かを判定し(S160)、入力していなければ(S160でNO)、本処理を終える。電源断信号は、監視している電源の電圧(例えばDC24V)が所定期間(例えば25ms)に亘って検出されていないと、電源基板190から出力される信号である。電源断信号の入力があれば(S160でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104に格納するとともに(S161)、電源断フラグをONする(S162)。そして、遊技用RAM104へのアクセスの禁止設定を行う(S163)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(S005、
図27参照)に戻ることなくループ処理を行う。
【0188】
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は
図29~
図47に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
【0189】
[サブ制御メイン処理:
図29]演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、電源投入時に、演出用ROM123から
図29に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0190】
図29に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源起動時処理(S1001)を行う。ここでは、サブ側電源断フラグ(電断時にONされるフラグ)の確認や演出用RAM124の内容が正常であるか否かを確認する等の処理を行う。続く、ステップS1002では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
【0191】
ステップS1003では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S1004)。乱数シード更新処理(S1004)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0192】
乱数シード更新処理(S1004)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S1005)。コマンド送信処理(S1005)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出等)を実行する。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S1006)。以降、ステップS1003~S1006をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S1007)、1msタイマ割り込み処理(S1008)および10msタイマ割り込み処理(S1009)の実行が可能となる。
【0193】
[受信割り込み処理:
図30]受信割り込み処理(S1007)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち遊技制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S1008、S1009)に優先して実行される処理である。
図30に示すように、受信割り込み処理(S1007)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S1101)。
【0194】
[1msタイマ割り込み処理:
図31]1msタイマ割り込み処理(S1008)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図31に示すように、1msタイマ割り込み処理(S1008)ではまず、入力処理を行う(S1201)。入力処理(S1201)では、入力部検知センサ40a(
図7参照)やセレクトボタン検知センサ42a(
図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0195】
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S1202)。ランプデータ出力処理(S1202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ212や盤ランプ54を発光させるべく、セットされたランプデータ(枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御するデータ)をサブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162が枠ランプ212や盤ランプ54の発光を制御することで、後述するように、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様(
図18(B)参照)、特別な第2発光態様(
図18(C)(D)参照)、特別な第3発光態様(
図18(F)参照)、特殊なエラー発光態様(
図20(B)参照)で発光させることが可能である。
【0196】
次いで、駆動制御処理(S1203)を行う。駆動制御処理(S1203)では、演出に合うタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S1204)を行って、本処理を終える。
【0197】
[10msタイマ割り込み処理:
図32]10msタイマ割り込み処理(S1009)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図32に示すように、10msタイマ割り込み処理(S1009)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S1302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1303)。
【0198】
続いて、演出制御用マイコン121は、音声データ(スピーカ149からの音声を出力する制御データ)を作成し、画像制御基板140に音声データを出力する音声制御処理を実行する(S1304)。この音声制御処理(S1304)により、後述するように、「設定変更可能です」という音声(
図18の(B)(E)参照)、「設定値が変更されました」という音声(
図18の(C)(D)参照)、「設定値を確定しました」という音声(
図18の(F)参照)、特殊なエラー音)がスピーカ149から出力される。その後、演出制御用マイコン121は、ランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1305)、本処理を終える。
【0199】
[受信コマンド解析処理:
図33~
図35]受信コマンド解析処理(S1301)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定変更モード移行コマンドを受信したか否かを判定し(S1401)、受信していれば設定モード移行演出処理(S1402)を行う。
【0200】
設定モード移行演出処理(S1402)では、
図18(B)に示す設定変更中画像SHを表示するための設定モード移行演出コマンド等を演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定モード移行演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aに設定変更中画像SHを表示する。また設定モード移行演出処理(S1402)では、「設定変更可能です」という音声(
図18(B)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU147は、スピーカ149から「設定変更可能です」という音声を出力させる。また設定モード演出(S1402)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様(
図18(B)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第1発光態様で発光させる。以上により、設定変更中画像SHの表示と、「設定変更可能です」という音声と、特別な第1発光態様での発光とにより、設定変更者には、設定変更モードに移行して任意に設定値を変更できる状況であることを把握させることが可能である。
【0201】
続いて、第1設定値指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1403)。第1設定値指定コマンドを受信している場合は、第1設定値指定コマンドの値(設定変更モード移行時点の設定値の値)を設定値フラグ126にセット(S1404)し、次のステップS1405に進む。
【0202】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定値変更コマンドを受信したか否か判定し(S1405)、受信していれば設定変更フラグ127を「1」に設定する(S1406)と共に、受信した設定値変更コマンドの内容に応じて、設定値変更演出処理を行う(S1407)。設定値変更演出処理(S1407)では、
図18(C)や
図18(D)に示す設定値変更画像YGを表示するための設定値変更演出コマンド等を演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定値変更演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて設定変更中画像SHの上から重ねて(レイヤー状に)設定値変更画像YGを表示する。
【0203】
また設定値変更演出処理(S1407)では、「設定値が変更されました」という音声(
図18(C)又は
図18(D)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU147は、スピーカ149から「設定値が変更されました」という音声を出力させる。また設定値変更演出処理(S1407)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第2発光態様(
図18(C)又は
図18(D)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第2発光態様で発光させる。以上により、設定値変更画像YGの表示と、「設定値が変更されました」という音声と、特別な第2発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が変更された状況を把握させることが可能である。尚、本実施の形態では、いわゆる「設定の打ち替え」と呼ばれる同一の設定値に再設定する場合、例えば、設定値が「1」である場合に、設定変更モードに移行させ、設定値を再度「1」に設定するような場合であっても、設定変更を行ったものと判断するために、設定値変更コマンドの受信に基づいて、設定変更フラグ127の情報を「1」に変更するものとしている。また、既に設定変更フラグ127の情報が「1」である場合は、「1」のままにするものとしている。
【0204】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から第2設定値指定コマンドを受信したか否かを判定し(S1408)、第2設定値指定コマンドを受信した場合には、設定値フラグ更新処理(S1409)を行う。この設定値フラグ更新処理(S1409)では、第2設定値指定コマンドの内容に応じて設定値フラグ126の値を更新する。例えば、第2設定値指定コマンドの値が「1」の場合には、設定値フラグ126の値を「1」に更新する。同様に、第2設定値指定コマンドの値が「2」の場合には、設定値フラグ126の値を「2」に更新する。尚、本実施形態では設定が「1」から「6」の6段階の設定となっているため第2設定値指定コマンドの種類も6種類となっている。そして、これらの6種類の第2設定値指定コマンドの種類に応じて、設定値フラグ126の値を更新する。これにより、演出制御用マイコン121は、現時点での設定値を把握することが可能であり、画像表示装置50等の演出手段で設定値を示唆する示唆演出を実行可能である。
【0205】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から設定モード終了コマンドを受信したか否か判定し(S1410)、受信していれば設定モード終了演出処理(S1411)を行う。設定モード終了演出処理(S1411)では、
図18(F)に示す設定値確定画像SKを表示するための設定値確定演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、設定値確定演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて
図18(E)に示す設定変更中画像SHの表示から、
図18(F)に示す設定値確定画像SKの表示に切り替える。
【0206】
また設定モード終了演出処理(S1411)では、「設定値を確定しました」という音声(
図18(F)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU147は、スピーカ149から「設定値を確定しました」という音声を出力させる。また設定モード終了演出処理(S1411)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第3発光態様(
図18(F)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特別な第3発光態様で発光させる。以上により、設定値確定画像SKの表示と、「設定値を確定しました」という音声と、特別な第3発光態様での発光とにより、設定変更者だけでなく、周囲の遊技場の従業員にも、設定値が確定された状況を把握させることが可能である。
【0207】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からRAMクリア通知コマンドを受信したか否か判定し(S1412)、受信していればラムクリアフラグ125の値を「0」から「1」に変更(S1413)し、次のステップに移行する。
【0208】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から電源起動コマンドを受信したか否かを判定し(S1414)、受信していれば後述する電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)を実行する。そして、ラムクリアフラグを「1」から「0」に変更する(S1417)と共に、設定変更フラグ127を「1」から「0」に変更し(S1418)、次のステップに移行する。
【0209】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S1419)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S1420)を行った後に、後述する補助演出開始処理(S1421)を実行する。
【0210】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S1422)、受信していれば後述する変動数表示更新処理(S1423)を行った後に、変動演出終了処理(S1424)を行うと共に、補助演出終了処理を行う(S1425)。変動演出終了処理(S1424)、及び、補助演出終了処理(S1425)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出、及び、補助演出を終了させるための変動演出終了コマンド、及び、補助演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0211】
続いて、演出情報保存処理(S1426)を行う。演出情報保存処理(S1426)では、変動停止コマンドの受信に伴って確定した演出図柄に関する情報、及び、現在実行中の補助演出(ミニキャラ演出)に関する各種情報を演出用RAM124の遊技履歴情報保存領域129に保存する処理を行う。本実施の形態では、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3のそれぞれの最終停止図柄に関する情報、変動ゲーム数に関する情報(変動ゲーム数カウンタ128の値、変動ゲーム数表示領域HRの種類など)、各種ミニキャラに関する演出情報(ミニキャラの種類、特殊ミニキャラ判定演出の種類、ミニキャラポイントMPの累積値など)を保存する。
【0212】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1427)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1428)。オープニング演出選択処理(S1428)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0213】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1429)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1430)。ラウンド演出選択処理(S1430)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0214】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1431)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1432)。エンディング演出選択処理(S1432)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0215】
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエラーコマンドを受信したか否か判定し(S1433)、受信していればエラーモード報知処理を行う(S1434)。エラーモード報知処理(S1434)では、
図20(B)に示す操作示唆画像SEを表示するための操作示唆演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。これにより、操作示唆演出コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示画面50aにて
図20(B)に示す操作示唆画像SEを表示する。
【0216】
またエラーモード報知処理(S1434)では、特殊なエラー音(
図20(B)参照)を出力するための音声データを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、その音声データを受信した画像制御基板140の音声用CPU147は、スピーカ149から特殊なエラー音を出力させる。またエラーモード報知処理(S1434)では、枠ランプ212及び盤ランプ54を特殊なエラー発光態様(
図20(B)参照)で発光させるためのランプデータを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする。これにより、そのランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠ランプ212及び盤ランプ54を特殊なエラー発光態様で発光させる。以上により、操作示唆画像SEの表示と、特殊なエラー音と、特殊なエラー発光態様での発光とにより、遊技場の従業員に、エラーモードに移行していること、即ち設定値が設定されていないことを把握させることが可能である。また本形態では、この未設定エラーが検出されている場合に、遊技制御基板100から外部端子板150のCN9に接続された配線を介して、セキュリティ信号が出力される。この信号によりデータ表示器500及びホールコンピュータ600では遊技機の設定が未設定であること、又は、設定情報に異常が発生していることを認識することができ、遊技機自身のエラー発光態様及び特殊なエラー音と連動して、ホール側の設備でも遊技機の設定に対する注意喚起を行うことができる。
【0217】
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S1435)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、普通図柄の変動表示に伴う演出を行うための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S1301)を終える。
【0218】
[電源起動時変動ゲーム数リセット処理1]電源起動時変動ゲーム数リセット処理1について、
図36~
図40を用いて説明する。電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定変更フラグ127の値を確認する(S1601)。そして、設定変更フラグ127の値が「1」である場合(S1601でYES)は、後述する第1リセット抽選処理(S1603)を行う。一方で、設定変更フラグ127の値が「0」である場合(S1601でNO)は、ラムクリアフラグ125の値を確認する(S1602)。そして、ラムクリアフラグ125の値が「1」である場合(S1602の判定でYESの場合)は、後述する第1リセット抽選処理(S1603)を行う。一方で、ラムクリアフラグ125の値が「0」である場合(S1602でNO)は、後述する第2リセット抽選処理(S1604)を行う。続いて、第1リセット抽選処理(S1603)と第2リセット抽選処理(S1604)のそれぞれの判定を行った後に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)を行う。リセット抽選に当選した場合(S1605でYES)には変動ゲーム数カウンタ128の値に「0」をセットする(S1606)。
【0219】
続いて、演出制御用マイコン121は、リセット表示態様抽選処理(S1607)を行う。このリセット表示態様抽選処理(S1607)では、後述する
図40に示したような抽選テーブルを用いて、設定値毎にリセット表示態様に関する抽選を行う。そしてリセット表示態様抽選処理(S1607)にてリセット表示態様に当選した場合(S1608の判定にてYESの場合)には、第1リセット時変動ゲーム数表示処理(S1609)を行う。この第1リセット時変動ゲーム数表示処理(S1609)では、ステップS1608にて決定した特殊変動ゲーム数表示態様(後述する
図49の(B)第1特殊表示態様(青色)、
図49の(C)第2特殊表示態様(赤色)、
図50の(A)特別表示態様(金色))を表示画面50aに設けられた変動ゲーム数表示領域HRに表示する。一方で、リセット表示態様抽選処理(S1607)にてリセット表示態様に非当選となった場合(S1608の判定にてNOの場合)には、第2リセット時変動ゲーム数表示処理(S1610)を行う。この第2リセット時変動ゲーム数表示処理(S1610)では、ステップS1608にて決定した通常変動ゲーム数表示態様(後述する
図49の(A))を表示画面50aに設けられた変動ゲーム数表示領域HRに表示する。
【0220】
また、演出制御用マイコン121は、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)にて、非当選となった場合(S1605でNOの場合)には保存中の変動ゲーム数カウンタ128の値の再セット(S1611)を行う。そして、変動ゲーム数継続表示処理(S1612)では、後述する
図50の(B)、(C)に示すような前回の変動ゲーム数情報、変動ゲーム数表示領域HRの種類をそのまま引き継いだ変動ゲーム数情報継続表示画像HS2(継続表示画像)を、表示画面50aに設けられた変動ゲーム数表示領域HRに表示させる。
【0221】
次に、第1リセット抽選処理(S1603)、及び、第2リセット抽選処理(S1604)、の詳細について
図37~
図39を用いて説明する。本実施の形態における第1リセット抽選処理(S1603)、及び、第2リセット抽選処理(S1604)では、「1」~「6」の6段階の設定値の値に応じたリセットテーブル(
図39参照)を用いて変動ゲーム数カウンタ128の値(変動ゲーム数情報)をリセットするかと、前回変動表示数情報の引継ぎを行うかの抽選を行っている。
【0222】
第1リセット抽選処理(S1603)は、設定変更操作が行われた場合(S1601でYES)、及び、ラムクリア操作が行われ場合(S1602でYESの場合)に実行する。まず第1リセット抽選処理(S1603)では、
図37に示すように、演出制御用マイコン121は設定値の値が「6」であるか否かの判定(S1701)を行い設定値の値が「6」である場合には、第6リセットテーブル(
図39の(F)参照)を用いて抽選を行う(S1702)。尚、第6リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~94、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は95~99となっている。そして、第6リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0223】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「5」であるか否かの判定(S1704)を行い設定値の値が「5」である場合には、第5リセットテーブル(
図39の(E)参照)を用いて抽選を行う(S1705)。尚、第5リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~89、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は90~99となっている。そして、第5リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0224】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「4」であるか否かの判定(S1706)を行い設定値の値が「4」である場合には、第4リセットテーブル(
図39の(D)参照)を用いて抽選を行う(S1707)。尚、第4リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~84、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は85~99となっている。そして、第4リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0225】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「3」であるか否かの判定(S1708)を行い設定値の値が「3」である場合には、第3リセットテーブル(
図39の(C)参照)を用いて抽選を行う(S1709)。尚、第3リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~79、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は80~99となっている。そして、第3リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0226】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S1710)を行い設定値の値が「2」である場合には、第2リセットテーブル(
図39の(B)参照)を用いて抽選を行う(S1711)。尚、第2リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~74、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は75~99となっている。そして、第2リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。一方で、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S1710)を行い設定値の値が「2」ではない場合(設定値の値が「1」の場合)には、第1リセットテーブル(
図39の(A)参照)を用いて抽選を行う(S1712)。尚、第1リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~69の値となっており、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は70~99となっている。そして、第1リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1703)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0227】
このように設定変更操作があった場合(S1601の判定でYESの場合)、及び、設定変更操作が無くても、ラムクリア操作が行われた場合(S1602の判定でYESの場合)には、
図37で示したような第1リセット抽選処理(S1603)を行う。そして第1リセット抽選処理(S1603)では、
図39の(A)~(F)に示したように、各設定の値に応じて判定テーブルを用いて、変動ゲーム数のリセットを行うか、前回変動表示数情報を引継ぐかの判定を行う。尚、本実施の形態では、設定値の値が「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順で、設定値の値が高いほど(最高設定の「6」に近いほど)変動ゲーム数のリセットが選択され易く、前回変動表示数情報を引継ぐ割合が低くなるように設定されている。このように第1リセット抽選処理(S1603)を構成することにより、設定変更操作を行った場合、及び、リセット操作を行った場合には、高設定である方が変動ゲーム数のリセットが発生し易い。そのため、来店者は変動ゲーム数のリセットが表示されていることを確認することで、遊技機の設定値が高設定であることを期待して遊技機を選択し、遊技することとなる。
【0228】
一方で、第2リセット抽選処理(S1604)は、設定変更操作が行われなかった場合(S1601でNO)で、且つ、ラムクリア操作が行われなかった場合(S1602でNOの場合)に、実行されるものである。この第2リセット抽選処理(S1604)では、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「6」であるか否かの判定(S1801)を行い設定値の値が「6」である場合には、第12リセットテーブル(
図39の(L)参照)を用いて抽選を行う(S1802)。尚、第12リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~5、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は6~99となっている。そして、第12リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0229】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「5」であるか否かの判定(S1804)を行い設定値の値が「5」である場合には、第11リセットテーブル(
図39の(K)参照)を用いて抽選を行う(S1804)。尚、第11リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~4、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は5~99となっている。そして、第11リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0230】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「4」であるか否かの判定(S1806)を行い設定値の値が「4」である場合には、第10リセットテーブル(
図39の(J)参照)を用いて抽選を行う(S1707)。尚、第10リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~3、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は4~99となっている。そして、第10リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0231】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「3」であるか否かの判定(S1808)を行い設定値の値が「3」である場合には、第9リセットテーブル(
図39の(I)参照)を用いて抽選を行う(S1809)。尚、第9リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0~2、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は3~99となっている。そして、第9リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0232】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S1810)を行い設定値の値が「2」である場合には、第8リセットテーブル(
図39の(H)参照)を用いて抽選を行う(S1811)。尚、第8リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0、1、前回変動表示数情報の引継ぐに当選の場合の判定値は2~99となっている。そして、第8リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。一方で、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S1810)を行い設定値の値が「2」ではない場合(設定値の値が「1」の場合)には、第7リセットテーブル(
図39の(G)参照)を用いて抽選を行う(S1812)。尚、第7リセットテーブルの変動ゲーム数のリセットの場合の判定値は0のみとなっており、1~99となっている。そして、第7リセットテーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする(S1803)と共に、リセット抽選に当選したか否かの判定(S1605)へと続く。
【0233】
このように、設定変更操作が行われなかった場合(S1601の判定でNOの場合)、及び、ラムクリア操作が行われなかった場合(S1602の判定でNOの場合)には、
図36で示したような第2リセット抽選処理(S1604)を行う。そして第2リセット抽選処理では、
図39の(G)~(L)に示したように、各設定の値に応じて判定テーブルを用いて、変動ゲーム数のリセットを行うか、前回変動表示数情報を引継ぐか判定を行う。尚、本実施の形態では、第2リセット抽選処理(S1604)も第1リセット抽選処理(S1603)も同様に、設定値の値が「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順で、設定値の値が高いほど(最高設定の「6」に近いほど)変動ゲーム数のリセットが選択され易く、前回変動表示数情報を引継ぐ割合が低くなるように設定されている。ただし、第1リセット抽選処理(S1603)の場合は、前回の変動表示数情報を引継ぐ場合に比して、変動ゲーム数のリセットが選択される割合が極めて高く設定されているのに対し、第2リセット抽選処理(S1604)の場合は、前回の変動表示数情報を引継ぐ場合に比して、変動ゲーム数のリセットが選択される割合が極めて低く設定されている。このように構成することにより、設定変更操作を行った場合、及び、リセット操作を行った場合には、高設定である方が変動ゲーム数のリセットが発生し易い。更に、設定変更操作を行わなかった場合、及び、リセット操作を行わなかった場合でも高設定であれば、変動ゲーム数のリセットが発生し易くなっている。そのため、来店者は変動ゲーム数のリセットが表示されていることを確認することで、遊技機の設定値が高設定であることを期待して遊技機を選択し、遊技することとなる。
【0234】
また、リセット表示態様抽選処理(S1607)では、
図40に示した(A)~(C)の判定テーブルを用いて、特殊変動ゲーム数表示態様を行うか否かの抽選を行う。リセット表示態様抽選処理(S1607)では、設定値の値が「1」、「2」である場合には、第1リセット表示態様抽選テーブル(
図40の(A)参照)を用いて抽選を行う(S1607)。尚、第1リセット表示態様抽選テーブルの判定値の範囲は、通常変動ゲーム数表示態様(白色)の判定値が0~49、第1特殊表示態様(青色)の判定値が50~79、第2特殊表示態様(赤色)の判定値が80~99、特別表示態様(金色)の場合は判定値が設定されていない。次に、設定値の値が「3」、「4」である場合には、第2リセット表示態様抽選テーブル(
図40の(B)参照)を用いて抽選を行う(S1607)。尚、第2リセット表示態様抽選テーブルの判定値の範囲は、通常変動ゲーム数表示態様(白色)の判定値が0~29、第1特殊表示態様(青色)の判定値が30~69、第2特殊表示態様(赤色)の判定値が70~99、特別表示態様(金色)の判定値が設定されていない。次に設定値の値が「5」、「6」である場合には、第3リセット表示態様抽選テーブル(
図40の(C)参照)を用いて抽選を行う(S1607)。尚、第3リセット表示態様抽選テーブルの判定値の範囲は、通常変動ゲーム数表示態様(白色)に当選の場合の判定値が0~9、第1特殊表示態様(青色)の判定値が10~29、第2特殊表示態様(赤色)の判定値が30~79、特別表示態様(金色)の判定値は80~99となっている。このように、リセット表示態様抽選処理(S1607)では、変動ゲーム数がリセットされた場合に表示されるリセット表示態様(後述する
図49の(A)~(C)、及び、
図50の(A))を設定値の値に応じて抽選することで、現在の設定値(設定変更後の設定値、リセット操作後の設定値を含む、リセット抽選に当選した場合の設定値)に関する示唆を行うことができる。
【0235】
[電源起動時ミニキャラ演出処理1]、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)の詳細について
図41~
図43を用いて説明する。本実施の形態における電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)では、設定値の値が「1」~「6」の6段階の設定になっているため、それぞれの設定値の値に応じたミニキャラ判定テーブル(
図43参照)を用いてミニキャラを用いた演出の種類に関する抽選を行う。
【0236】
図41に示した通り、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定変更フラグ127の値を確認する(S1901)。そして、設定変更フラグ127の値が「1」である場合(S1901の判定でYESの場合)は、後述するミニキャラリセット抽選処理(S1903)を行う。一方で、設定変更フラグ127の値が「0」である場合(S1901の判定でNOの場合)は、ラムクリアフラグ125の値を確認する(S1902)。ここで、ラムクリアフラグ125の値が「1」である場合(S1902の判定でYESの場合)は、後述するミニキャラリセット抽選処理(S1903)を行う。一方で、ラムクリアフラグ125の値が「0」である場合(S1902の判定でNOの場合)は、後述する前回情報の継続表示処理処理(S1906)を行う。また、後述するステップS1903のミニキャラリセット抽選処理では、ミニキャラ情報のリセットに関する抽選を行う。
【0237】
ステップS1903に続いて、ミニキャラ情報のリセットに当選したか否かの判定(S1904)を行う。この判定の結果が、ミニキャラ情報のリセットに当選の場合(S1904でNO)には、ミニキャラ情報のリセット表示処理を行う(S1905)。このミニキャラ情報のリセット表示処理では後述する
図48の(A)のようにミニキャラ情報のリセット表示画像を表示する。
一方で、ミニキャラ情報のリセットに当選したか否かの判定(S1904)の結果が、ミニキャラ情報のリセットに非選の場合(S1904でNO)には、前回情報の継続表示処理(S1906)を行う。つまり、この前回情報の継続表示処理は、ラムクリア操作が行われなかった場合で且つ設定変更操作が行われなかった場合、及び、ミニキャラリセット抽選処理(S1903)において、ミニキャラ情報のリセットに当選しなかった場合に実行される。そして、この前回情報の継続表示処理(S1906)では、直前の電源OFF操作時に遊技履歴情報保存領域129に保存したミニキャラ情報を再度読み込み、直前の電源OFF操作時に保存されているミニキャラ情報(ミニキャラポイント情報、ステータス情報、枠領域部の色情報等)に基づき、直前の電源OFF時に表示されていた内容を引き続き表示する。
【0238】
次に、ミニキャラリセット抽選処理(S1903)の詳細について説明する。まず、
図42に示した通り、ミニキャラリセット抽選処理(S1903)では、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「6」であるか否かの判定(S2001)を行い設定値の値が「6」である場合には、第6ミニキャラ判定テーブル(
図43の(F)参照)を用いて抽選を行う(S2002)。尚、第6ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~4、ミニキャラ情報をリセットする場合が5~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第6ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセット(S2003)する。
【0239】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「5」であるか否かの判定(S2004)を行い設定値の値が「5」である場合には、第5ミニキャラ判定テーブル(
図43の(E)参照)を用いて抽選を行う(S2005)。尚、第5ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~9、ミニキャラ情報をリセットする場合が10~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第5ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセット(S2003)する。
【0240】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「4」であるか否かの判定(S2006)を行い設定値の値が「4」である場合には、第4ミニキャラ判定テーブル(
図43の(D)参照)を用いて抽選を行う(S2007)。尚、第4ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~14、ミニキャラ情報をリセットする場合が15~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第4ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセット(S2003)する。
【0241】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「3」であるか否かの判定(S2008)を行い設定値の値が「3」である場合には、第3ミニキャラ判定テーブル(
図43の(C)参照)を用いて抽選を行う(S2009)。尚、第3ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~19、ミニキャラ情報をリセットする場合が20~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第4ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセット(S2003)する。
【0242】
続いて、演出制御用マイコン121は、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S2010)を行い設定値の値が「2」である場合には、第2ミニキャラ判定テーブル(
図43の(B)参照)を用いて抽選を行う(S2011)。尚、第2ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~24、ミニキャラ情報をリセットする場合が25~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第2ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする。一方で、設定値の値が「2」であるか否かの判定(S2010)を行い設定値の値が「2」ではない場合(設定値の値が「1」の場合)には、第1ミニキャラ判定テーブル(
図43の(A)参照)を用いて抽選を行う(S2012)。尚、第1ミニキャラ判定テーブルの判定値は、前回情報の継続表示の場合が0~29、ミニキャラ情報をリセットする場合が30~99とそれぞれ判定値が割り振られている。そして、第1ミニキャラ判定テーブルを用いた判定結果情報を演出制御用マイコン121の所定の記憶領域にセットする。
【0243】
電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)では、基本的に設定変更操作が行われなかった場合(S1901の判定でNO)、及び、ラムクリア操作が行われなかった場合(S1902の判定でNO)には、前回情報の継続表示処理(S1906)が実行される。しかし、設定変更操作が行われた場合であっても、ラムクリア操作が行われた場合であっても、ミニキャラリセット抽選処理(S1904)にて前回情報の継続表示が選択された場合には、前回情報の継続表示処理(S1906)が実行されることとなる。つまり、ラムクリア操作を行った場合であっても、設定変更操作が行われた場合であっても、ミニキャラリセット抽選処理(S1903)の判定の結果に応じて、前回情報の継続表示が行われる場合もある。そのため、遊技者にとってみれば電源起動時に表示されるミニキャラに関する表示態様が、前回情報の継続表示となっていた場合であっても、設定変更が行われた可能性が残されているため来店者は設定変更に期待して遊技を行うことができる。
【0244】
また、本実施形態では、
図43で示された第1ミニキャラ判定テーブル~第6ミニキャラ判定テーブルに設定されている判定値の傾向により、低設定であるほど(設定値「1」に近いほど)前回情報の継続表示が選ばれ易くなっている。一方で、高設定であるほど(設定値「6」に近いほど)前回情報の継続表示が選ばれ難くなっている。そのため、現在の設定値(設定変更後の設定値、リセット操作後の設定値を含む、ミニキャラ情報のリセット抽選に当選した場合の設定値)が高設定であるほど、ミニキャラ情報のリセット表示が行われ易いため、来店者はリセット表示が行われている遊技機を選んで遊技することで高設定に変更されたことを期待して遊技を行うことができる。
【0245】
[変動演出開始処理:
図44]変動演出開始処理(S1420)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S2101)。変動開始コマンドには、変動パターン(
図16参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報、ミニキャラ演出(補助演出)に関する詳細な演出パターン情報が含まれている。次に演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S2102)。そして、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S2103)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、設定値を示唆する示唆演出の有無、示唆演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
【0246】
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出選択処理を行う(S2104)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。次いで、選択した変動演出パターンに応じて駆動データを設定するための駆動データ設定処理を実行する(S2105)。
【0247】
その後、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S2106)、変動演出開始処理(S1420)を終了する。ステップS2106でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出を行う。
【0248】
[補助演出開始処理:
図45]補助演出開始処理(S1421)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S2201)。変動開始コマンドには、変動パターン(
図16参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報、及び、ミニキャラ演出(補助演出)に関する詳細な演出パターン情報が含まれている。そして、この補助演出開始処理(S1421)では、後述するステップS2202~S2206の処理によりミニキャラに関する演出パターンの詳細として、現在設定されているミニキャラの種類(MK1~MK5)、ミニキャラのセリフ(MS1、MS2等)、ミニキャラの動作パターン(動作パターンA~動作パターンE)、ミニキャラポイントMPを決定する。このミニキャラポイントMPは、後述する
図46に示した各種判定テーブルによる抽選結果により、付与されるポイント数が決定される。そして、後述する
図48の(A)~(D)のように、補助演出表示領域MHの左上にミニキャラポイントMPの累積値が表示されることで、現在のミニキャラポイントMPを確認することができると共に、遊技者はこのミニキャラポイントMPの累積値から遊技機の設定値を推測することができる。尚、ミニキャラポイントMPの初期値は「0000」となるため、ミニキャラポイントMPのリセット条件が成立した場合には「0000」が表示される。
【0249】
演出制御用マイコン121は、まず変動開始コマンドを解析し(S2201)、変動パターン情報の中に含まれているミニキャラ演出(補助演出)に関する詳細な演出パターン情報を判定することでミニキャラ演出を実行するか否かを決定する(S2202)。そして、ミニキャラ演出を実行する旨のミニキャラに関する演出パターン情報が含まれている場合には、次のステップS2203へ移行する。
【0250】
まず、ミニキャラ選択処理(S2203)では、設定値の値が1~3の場合には、
図46の(A)に示した第1ミニキャラ判定テーブルを用いる一方で、設定値の値が4~6の場合には、
図46の(B)に示した第2ミニキャラ判定テーブルを用いて、表示するミニキャラの種類をキャラクタA~キャラクタEの5種類の中から選択する。尚、本実施の形態では、第2ミニキャラ判定テーブルではキャラクタEが選択され得るが、第1ミニキャラ判定テーブルではキャラクタEは選択され得ない。よって、このような振分を採用することで、キャラクタEが表示された遊技機は、設定値の値が4以上であることが確定する。また、選択され得るキャラクタA、B、Cのポイント倍率は1.0倍で同じであるが、キャラクタDの場合は2.0倍、キャラクタEの場合は3.0倍とポイント取得時の倍率が異なっている。これにより、全体的にキャラクタD(高設定示唆キャラ)、及び、キャラクタE(高設定確定予告キャラ)が選択され易くなっている第2ミニキャラ判定テーブルの方がポイントが増加し易い傾向となっている。
【0251】
続いて、ミニキャラセリフ選択処理(S2204)では、設定値の値が1~3の場合には、
図46の(C)に示した第1ミニキャラセリフ判定テーブルを用いる一方で、設定値の値が4~6の場合には、
図46の(D)に示した第2ミニキャラセリフ判定テーブルを用いて、表示する文字予告演出MSの内容(ミニキャラのセリフ内容と種類(文字の色))を抽選する。この時、白文字予告が選択された場合には、白文字予告に分類されているメッセージ群の中から一つのセリフを選択し表示する。白文字予告の例として
図48の(C)に示したような「1ポイントゲット(MS1)」という文字予告演出MSのパターンが含まれている。同様に赤文字予告に分類されているメッセージの例として
図48の(D)に示したような「5ポイントゲット(MS2)」という文字予告演出MSのパターンが含まれている。他にも文字予告演出MSのセリフの種類は多数あるが説明を省略する。尚、本実施の形態では、第2ミニキャラセリフ判定テーブルでは虹文字が選択され得るが、第1ミニキャラ判定テーブルでは虹文字は選択され得ない。よって、このような振分を採用することで、虹文字(高設定確定文字予告)が表示された遊技機は、設定値の値が4以上であることが確定する。また、選択され得るセリフの種類(文字の色)は、第1ミニキャラセリフ判定テーブルよりも、第2ミニキャラ判定テーブルの方が、増加ポイント数が多い、赤文字(高設定示唆文字予告)、金文字(高設定示唆文字予告)、虹文字(高設定確定文字予告)が選択され易い傾向になっている。よって、ミニキャラセリフが実行された場合において、第2ミニキャラ判定テーブルの方がポイントが増加し易い傾向となっている。
【0252】
続いて、ミニキャラ動作パターン選択処理(S2205)では、設定値の値が1~3の場合には、
図46の(E)に示した第1動作パターン判定テーブルを用いる一方で、設定値の値が4~6の場合には、
図46の(F)に示した第2動作パターン判定テーブルを用いて、表示するミニキャラ動作演出の種類(アクションパターン)を動作パターンA、動作パターンB、動作パターンC、動作パターンDの4種類の中から選択する。尚、本実施の形態では、第2動作パターン判定テーブルでは動作パターンDが選択され得るが、第1動作パターン判定テーブルでは動作パターンDは選択され得ない。よって、このような振分を採用することで、動作パターンDが表示された遊技機は、設定値の値が4以上であることが確定する。また、選択され得るミニキャラ動作パターンの種類(アクションパターン)は、第1動作パターン判定テーブルよりも、第2動作パターン判定テーブルの方が、増加ポイント数が多い動作パターンB、動作パターンC、動作パターンDが選択され易い傾向になっている。よって、ミニキャラの動作演出が実行された場合において、第2動作パターン判定テーブルの方がポイントが増加し易い傾向となっている。
【0253】
続いて、ミニキャラポイント更新処理(S2206)では、ミニキャラ選択処理(S2203)、ミニキャラセリフ選択処理(S2204)、及び、ミニキャラ動作パターン選択処理(S2205)の抽選結果に応じて、ミニキャラポイントの更新を行う。このミニキャラポイントの更新処理では、ミニキャラ選択処理(S2203)にて選択されたキャラクタの種類に応じて設定されているポイント倍率を基準とし、ミニキャラセリフ選択処理(S2204)で決定された増加ポイント、及び、ミニキャラ動作パターン選択処理(S2205)で決定された増加ポイントの合算値にポイント倍率をかけ合わせたものをミニキャラポイントMPの加算値として、現在のミニキャラポイントを更新する。例えば、選択されたミニキャラの種類が「キャラクタA:倍率1.0倍」である場合に、セリフの色が「白文字予告:1ポイント」、動作パターンが「動作パターンA:1ポイント」が選択された場合には、合計2ポイント増加する。同様に選択されたミニキャラの種類が「キャラクタE:倍率3.0倍」である場合に、セリフの色が「虹文字予告:100ポイント」、動作パターンが「動作パターンE:100ポイント」が選択された場合には、合計600ポイント増加する。このようにすることで、遊技した変動ゲームの数が少ないにも関わらず、高ポイントを取得している遊技機は、設定値の値が高く設定されていることに期待感が持てるようになる。
【0254】
続いて、ミニキャラポイント更新処理(S2206)では、設定値の値が1~5の場合には、
図46の(G)に示した第1ステータス情報更新テーブルを用いて、表示されるキャラクタの服装、所持アイテム(ステータス情報FA)、及び、枠領域部YRの色を変更する。一方で、設定値の値が6の場合には、
図46の(H)に示した第2ステータス情報更新テーブルを用いて、表示されるキャラクタの服装、所持アイテム(ステータス情報FA)、及び、枠領域部YRの色を変更する。また第1ステータス情報更新テーブルよりも第2ステータス情報更新テーブルの方が、服装Cセット、及び、服装Dセットの閾値が低く設定されている。更に第2ステータス情報更新テーブルにのみ服装Eが設定されている。このようにすることで、高設定(6)である場合には、少ないゲーム数であっても服装Cセット、服装Dセットが選択され易くなっているため、設定1~5の場合よりも早いゲーム数で高設定(6)であることを推測することができる。また服装Eセットは、高設定(6)の場合にしか選択されることが無いため、服装Eセットが選択された場合には設定値の値が6であることが確定となる。
【0255】
また、ミニキャラポイント更新処理(S2206)では、ミニキャラポイントの累積値に応じて枠領域部YRの色を変更している。例えば、設定値の値が1~5の場合には、第1ステータス情報更新テーブルにて枠領域部YRの色を変更する。第1ステータス情報更新テーブルでは、枠領域部YRの色が青色枠(第2枠領域部YR2、第1通常フレーム画像)から、赤色枠(第3枠領域部YR3、第2通常フレーム画像)に変更されるために必要なミニキャラポイントは6000以上となる。一方で、設定値の値が「6」の場合には、第2ステータス情報更新テーブルにて枠領域部YRの色を変更する。この第2ステータス情報更新テーブルでは、枠領域部が赤色枠(第3枠領域部YR3、第2通常フレーム画像)から金色枠(第4枠領域部YR4、特殊フレーム画像)に変更されるために必要なミニキャラポイントは3000以上となっている。つまり、高設定(6)の場合には他の設定値の場合に比して、枠領域部YRの色が少ないポイント数(浅いゲーム数)の段階で赤色枠(第3枠領域部YR3、第2通常フレーム画像)から金色枠(第4枠領域部YR4、特殊フレーム画像)に変更され易くなっている。そのため、この累計ポイントの数値と枠領域部YRの色の関係に注視することで、設定値を推測することが可能となっている。
【0256】
続いて、ステップS2207では、選択されたミニキャラの種類(MK1~MK5)、ミニキャラのセリフの種類(MS1、MS2等)、ミニキャラの動作パターンの種類(動作パターンA~動作パターンD)、ミニキャラの服装とアイテム等の補助演出を開始するための補助演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S2106)、補助演出開始処理(S1421)を終了する。
【0257】
[変動数表示更新処理:
図47]変動数表示更新処理(S1423)では、まず演出制御用マイコン121は、変動停止コマンドを解析(S2301)して演出用RAM124の変動ゲーム数カウンタ128の値を+1更新する(S2302)。続いて、演出用RAM124は、更新した変動ゲーム数カウンタ128の値を遊技履歴情報保存領域129に保存する変動ゲーム数カウンタ保存処理(S2303)を実行し、変動ゲーム数表示内容を更新する(S2304)ための制御を行う。これにより後述する
図49、
図50等に示された変動ゲーム数表示領域HRに表示された変動ゲーム数画像の表示数は、図柄変動ゲームの進行に合わせて+1ずつ更新されて表示されることとなる。
【0258】
ここで、本実施の形態のミニキャラ演出(補助演出)の表示態様について、
図48を用いて説明する。
図48(A)に示したように、補助演出表示領域MHには、補助演出表示領域MHの外郭をなす部分に枠領域部YRが設けられている。そして、この枠領域部の内側に補助演出表示領域MHが設けられており、この表示領域の中において、ミニキャラ演出が実行可能となっている。このミニキャラ演出の動作パターンは後述するミニキャラ動作パターン選択処理(S2205)にて抽選された内容のミニキャラの動作画像を表示する。また、本実施形態では、枠領域部YRの色と形状は
図48(A)のような白色の枠部を備えた第1枠領域部YR1(白色枠、リセット時フレーム画像)と、
図48(B)のような青色の枠部を備えた第2枠領域部YR2(青色枠、第1通常フレーム画像)、
図48(C)のような赤色の枠部を備えた第3枠領域部YR3(赤色枠、第2通常フレーム画像)、
図48(D)のような金色の枠部を備えた第4枠領域部YR4(金色枠、特殊フレーム画像)の4種類が設けられている。この枠領域部YRの色の変化に関しては、詳細を後述する。
【0259】
また、補助演出表示領域MHには、
図48(A)、(B)に示したようにミニキャラのみが表示される場合と、
図48(C)、(D)に示したようにミニキャラに加えて文字で予告演出を行う場合がある。この文字予告演出(MS1、MS2)が行われる場合には、ミニキャラセリフ表示領域MSRに文字が表示されると共に、文字の色とミニキャラセリフ表示領域MSRの色が連動しており、白色、赤色、金色、虹色と変更可能となっている。そして、ミニキャラセリフ表示領域MSRにて後述するミニキャラセリフ判定処理(S2204)にて抽選された内容のミニキャラのセリフを抽選で決定された所定の色にて表示する。尚、本実施形態において、表示されるミニキャラの種類はキャラクタA(
図48の(A)、第1ミニキャラ画像MK1)、キャラクタB(
図48の(B)、第2ミニキャラ画像MK2)、キャラクタC(
図48の(C)、(D)、第3ミニキャラ画像MK3)の他にも、図示を省略するキャラクタD(第4ミニキャラ画像MK4)、キャラクタE(第5ミニキャラ画像MK5)があり、全5種類となっている。また、ミニキャラ演出の実行時には後述するミニキャラセリフが表示される場合と、ミニキャラが所定の動作パターンにてアクションを行う場合があるがミニキャラの具体的なアクション内容に関しては図示を省略する。
【0260】
また、補助演出表示領域MHには、
図48の(A)~(D)に示したようにミニキャラポイントMPが左上に表示されている。
図48の(A)で示したように、ミニキャラリセットが行われた場合にはミニキャラポイントMPの値がリセットされリセット画像MP1、「0000」が表示される。一方で、前回情報の継続表示が行われた場合には
図48の(B)で示したようにミニキャラ継続表示画像MP2、本実施の形態では「0513」が表示される。また、
図48の(C)、(D)で示したようにミニキャラポイントMPが増加するに従って、このミニキャラポイントMPの値はMP3、MP4などに更新される。
【0261】
また、各ミニキャラは、ミニキャラポイントMPの累積値に応じて、キャラクタの服装、所持アイテム(ステータス情報FA)が変化する。具体的には、「服装Aセット(FA1)」、「服装Bセット(FA2)、「服装Cセット(FA3)、「服装Dセット(FA4)、「服装Eセット(FA5)の5種類が設定されている。
【0262】
そして、
図48の(A)は、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)の処理にて、ミニキャラ情報のリセット表示処理(S1905)が実行された場合における表示態様の一例である。この表示例では、キャラクタA(MK1)が選択されており、ミニキャラポイントMPが「0000(初期値)」を表示している。そして、ミニキャラポイントが「0000(初期値)」の場合には、第1ステータス情報更新テーブル(
図46の(G)参照)、及び、第2ステータス情報更新テーブル(
図46の(H)参照)共に、服装・アイテムの種類は「服装Aセット(FA1)」、枠領域部YRの色は「白色」となっているため、服装Aセット(FA1)を装備し、白色枠(第1枠領域部YR1)が表示されることとなる。従って、
図48の(A)のような表示態様が選択された場合は、ホールの店員により設定変更操作が行われた場合、又は、ラムクリア操作が行われた場合であって、且つ、ミニキャラ情報のリセットに当選した場合(S1904でYES)の場合が考えられる。従って、遊技者は、
図48の(A)のようなリセット表示態様を見ることで、設定変更操作が行われたことを期待して遊技を行うこととなる。
【0263】
次に、
図48の(B)の場合は、キャラクタB(MK2)を選択した場合に、ミニキャラポイントMPが「0513」ポイントの場合の表示例である。このような表示態様が表示される場面は、遊技者が遊技を行った際にミニキャラポイントMPが「0513」ポイントとなった場合と、既にミニキャラポイントMPが「0513」ポイントとなった後に、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)の処理にて、前回情報の継続表示処理(S1906)が実行された場合が考えられる。そして、ミニキャラポイントMPの値が「0513」の場合には、第1ステータス情報更新テーブル(
図46の(G)参照)、及び、第2ステータス情報更新テーブル(
図46の(H)参照)共に、服装・アイテムの種類は「服装Bセット(FA2)」、枠領域部YRの色は「青色」となっているため、服装Bセット(FA2)を装備し、青色枠(第2枠領域部YR2)が表示されることとなる。ここで、来店者はこのような表示態様をみた場合には、前日の情報(前回の情報)が継続表示されているため、前日の設定値のまま遊技台が放置されているのではないかと推測することとなる。よって、遊技者は
図48の(B)のような画表示態様を見た場合には、前日の設定値が据え置かれた状態に期待して遊技を行う事となる。
【0264】
次に
図48の(C)の場合は、キャラクタC(MK3)を選択した場合にミニキャラポイントが「6666」ポイントの場合の表示例である。このような表示態様が表示される場面は、遊技者が遊技を行った際にミニキャラポイントMPが「6666」ポイントとなった場合と、既にミニキャラポイントMPが「6666」ポイントとなった後に、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1403)の処理にて、前回情報の継続表示処理(S1906)が実行された場合が考えられる。この表示例では、もし設定が1~5の範囲であれば、第1ステータス情報更新テーブル(
図46の(G)参照)にて判定されるわけなので「6666」は「6000~7999」の範囲となる。この場合は、「服装Dセット(FA4)」、及び、赤色枠(第3枠領域部YR3)が表示されることとなる。一方で、もし設定が6であれば、第2ステータス情報更新テーブル(
図46の(H)参照)の場合だと、「6666」は「5000以上」となるため、「服装Eセット(FA5)」、及び、金色枠(第4枠領域部YR4)が選択されるはずである。つまり、
図48の(C)のような表示態様となった場合には、後者の設定6の場合が否定され、設定1~5であることが推測可能となる。ここで、来店者はこのような表示態様をみた場合には、前日の情報(前回の情報)が継続表示されているため、前日の設定値のまま遊技台が放置されているのではないかと推測することとなる。
【0265】
次に
図48の(D)の場合では、ミニキャラポイントが「3333」と表示されていると共に、「服装Dセット(FA4)」、及び、金色枠(第4枠領域部YR4)が表示されている。このような表示態様が表示される場面は、遊技者が遊技を行った際にミニキャラポイントMPが「3333」ポイントとなった場合と、既にミニキャラポイントMPが「3333」ポイントとなった後に、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)の処理にて、前回情報の継続表示処理(S1906)が実行された場合が考えられる。この表示例では、もし設定が1~5の範囲であれば、第1ステータス情報更新テーブル(
図46の(G)参照)にて判定されるわけであるから、「3333」の場合は、服装Cセット(FA3)が選択され、枠の色は青色枠(第2枠領域部YR2)が選択されるべき所である。しかし、
図48の(D)では、「服装Dセット(FA4)」、及び、金色枠(第4枠領域部YR4)が表示されている。つまり、
図48の(D)のような表示態様となった場合には、前者の設定1~5の場合が否定され、設定6であることが推測可能となる。ここで、来店者がこのような表示態様をみた場合には、前日の情報(前回の情報)が継続表示されているため、前日の設定値のまま遊技台が放置されているのではないかと推測することとなるだけでなく、設定6であることに大きな期待を抱いて遊技を行うこととなる。
【0266】
このようにミニキャラを用いた補助演出の内容、及び、遊技の累積的な履歴情報に基づいてステータス情報FAを更新し、キャラクタの服装・アイテム及び枠領域部YRを変更することによって、遊技者及び来店者は設定を推測するための判断材料とすることができる。また、ホールの営業が開始された時点における、キャラクタの服装、所持アイテム(ステータス情報FA)を確認することで、設定変更がなされている可能性を推測するための判断材料とすることができる。
【0267】
次に、本実施の形態の変動数表示態様について、
図49及び
図50を用いて説明する。
図49及び
図50に示すように、画像表示装置50の表示画面50aには、変動ゲーム数表示領域HRが表示画面50aの右上領域に設けられており、図柄変動ゲームの累積的な実行回数を、変動ゲーム数表示画像HSを表示することで遊技者に報知可能になっている。
図49の(A)は、上述の
図36のステップS1607の判定にて通常変動ゲーム数表示態様(白色)が選択された場合(S1608の判定にてNOの場合)に表示される表示態様である。通常変動ゲーム数表示態様HR1では、変動ゲーム数表示領域HRを白色で表示すると共に、変動ゲーム数表示画像HSをリセット時の変動ゲーム数表示画像HS1(リセット表示画像)を表示する。
図49の(B)は、上述の
図36のステップS1607の判定にて第1特殊表示態様(青色)が選択された場合(S1608の判定にてYESの場合)に表示される可能性がある表示態様である。第1特殊表示態様HR2では、変動ゲーム数表示領域HRを青色で表示すると共に、変動ゲーム数表示画像HSをリセット時の変動ゲーム数表示画像HS1(リセット表示画像)を表示する。
図49の(C)は、上述の
図36のステップS1607の判定にて第2特殊表示態様(赤色)が選択された場合(S1608の判定にてYESの場合)に表示される可能性がある表示態様である。第2特殊表示態様HR3では、変動ゲーム数表示領域HRを赤色で表示すると共に、変動ゲーム数表示画像HSをリセット時の変動ゲーム数表示画像HS1(リセット表示画像)を表示する。
図50の(A)は、上述の
図36のステップS1607の判定にて特別表示態様(金色)が選択された場合(S1608の判定にてYESの場合)に表示される可能性がある表示態様である。特別表示態様HR4では、変動ゲーム数表示領域HRを金色で表示すると共に、変動ゲーム数表示画像HSをリセット時の変動ゲーム数表示画像HS1(リセット表示画像)を表示する。
【0268】
このように、本実施の形態では、変動ゲーム数表示画像HSが「0000」、つまり、リセットされたことを示すリセット時の変動ゲーム数表示画像HS1を表示する場合であっても、
図49の(A)のような通常変動ゲーム数表示態様HR1を表示する場合と、
図49の(B)のような第1特殊表示態様HR2を表示する場合、
図49の(C)のような第2特殊表示態様HR3を表示する場合、及び、
図50の(A)のような特別表示態様HR4を表示する場合がある。そして、これらの変動ゲーム数表示領域HRの表示態様は、
図36のステップS1607のリセット表示態様抽選処理にて、
図40で示した設定毎に異なる抽選テーブルによって決定されている。そのため、高設定であるほど(設定値が「6」に近いほど)特殊表示態様(第1特殊表示態様HR2、第2特殊表示態様HR3、特別表示態様HR4)が表示され易くなっている。逆に低設定であるほど(設定値が「1」に近いほど)通常変動ゲーム数表示態様HR1が表示され易く、特殊表示態様(第1特殊表示態様HR2、第2特殊表示態様HR3、特別表示態様HR4)が表示され難くなっている。このように構成することで、来店者は変動ゲーム数表示領域HRの表示態様から遊技機の設定変更だけでなく、現在の設定値の値を推測することができるため、高設定であることが期待できそうな遊技機を積極的に選択し遊技を行うことができる。
【0269】
また、
図50の(B)は、上述の
図36のステップS1605の判定にてNOが選択された場合、つまり、変動ゲーム数の継続表示が選択された場合であって、且つ、前回の変動ゲーム数表示領域HRとして、第1特殊表示態様HR2が選択されていた場合における表示例である。
図50の(C)は、上述の
図36のステップS1605の判定にてNOが選択された場合、つまり、変動ゲーム数の継続表示が選択された場合であって、且つ、前回の変動ゲーム数表示領域HRとして、特別表示態様HR4が選択されていた場合における表示例である。このように変動ゲーム数の継続表示が選択された場合であっても、例えば、
図50の(C)のように前回の変動ゲーム数表示領域HRとして、特別表示態様HR4が表示されている場合には、前回の設定値の値が設定「5」、又は、「6」である可能性が高いと来店者は推測することができるため、リセット時の変動ゲーム数表示画像HS1(リセット表示画像)が表示されていなくとも遊技機の稼働が低下することはない。もちろん、前回の設定値の値が「5」又は「6」であったために、
図50の(C)のような特別表示態様HR4が表示されていたとしても、単に、設定変更操作を行った場合であって、且つ、第1リセット抽選処理にて前回変動表示数情報を引継ぐに当選した場合にも同様の表示態様が選択される場合もあるため、ホール来店者はこれらの判断材料から設定を推測しながら遊技機を選択し遊技を行うという新たな楽しみを得ることができる。
【0270】
このように、変動ゲーム数表示領域HRの色が通常時の白色の枠(通常変動ゲーム数表示態様HR1)である場合と、特殊表示態様(第1特殊表示態様HR2、第2特殊表示態様HR3、特別表示態様HR4)である場合のいずれかであるかを確認することで、来店者は遊技機の設定変更操作、リセット操作、及び、現在の設定値を推測するという新たな楽しみを得ることができる。
【0271】
そして、本実施の形態のように、変動ゲーム数表示領域HR、補助演出表示領域MHのそれぞれの表示態様を確認することで、来店者は遊技機の設定変更操作、リセット操作、及び、現在の設定値を推測するという新たな楽しみを得ることができる。
【0272】
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1、設定機能を備えた遊技機において、電源起動時に設定変更操作を行った場合、ラムクリア操作を行った場合、又は、
設定変更操作、及び、ラムクリア操作を行わなかった場合に応じて、前回の電源遮断時に保存した演出内容(遊技履歴情報)を引継ぐか否かの抽選を行っている。そのため、来店者は設定が変更されたか否かを推測することで、これから遊技しようとする遊技機、又は、既に遊技を行っている遊技機の設定を推測しながら遊技を行うことができる。
【0273】
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0274】
また上記した実施形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
【0275】
また、スロットマシンのタイプは、設定が変更可能な遊技機であればどのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。
【0276】
上記した実施形態では、
図41の電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定変更操作の有無の確認(S1901)と、ラムクリア操作の有無の確認(S1902)を行うことで、ミニキャラリセット抽選処理(S1903)を行うか、前回情報の継続表示処理(S1906)を行うかを決定していた。これを
図51に示したような電源起動時ミニキャラ演出処理2(S1416’)に変更してもよい。電源起動時ミニキャラ演出処理2(S1416’)では、演出制御用マイコン121は、設定変更操作の有無の確認(S1901’)と、ラムクリア操作の有無の確認(S1902’)を行う旨の処理は同じであるが、設定変更フラグ127の値が「1」である場合(S1901’でYES)、及び、ラムクリアフラグ125の値が「1」である場合(S1902’でYES)には、第1ミニキャラリセット抽選処理(S1903’)を行う一方で、設定変更フラグ127の値が「0」である場合(S1901’でNO)、及び、ラムクリアフラグ125の値が「0」である場合(S1902’でNO)には、第2ミニキャラリセット抽選処理(S1904’)を行う点で異なる。そして、続くステップでミニキャラ情報のリセットに当選したかの判定(S1905’)でYESの場合には、ミニキャラ情報のリセット表示処理(S1906’)を実行する一方で、ミニキャラ情報のリセットに当選したかの判定(S1905’)でNOの場合には前回情報の継続表示処理(S1907’)を実行する。
【0277】
第1ミニキャラリセット抽選処理(S1903’)では、
図52の(A)、第1設定変更時ミニキャラリセットテーブルを用いて判定する。この第1設定変更時ミニキャラリセットテーブルでは、ミニキャラ情報のリセットの場合の判定値の範囲は0~99となっているのに対し、前回情報の継続表示の場合の判定値は設定されていない。そのため、前回情報の継続表示に当選することはない振分になっている。つまり、設定変更を行った場合には、ミニキャラ情報が必ずリセットされる。一方で、第2ミニキャラリセット抽選処理(S1904’)では、
図52の(B)、第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルを用いて判定する。この第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルでは、ミニキャラ情報のリセットの場合の判定値の範囲は0~29となっているのに対し、前回情報の継続表示の場合の判定値の範囲は、30~99となっている。つまり、設定変更を行った場合には、ミニキャラ情報のリセットが行われる可能性が30%ほどあり、前回情報の継続表示が行われる可能性が70%ほどある。続くミニキャラ情報のリセットに当選したか否かの判定(S1905’)の結果がYESの場合には、ミニキャラ情報のリセット表示処理(S1906’)を行う事で、
図48の(A)で示したようなミニキャラのリセット表示画像を表示する制御を行う一方で、ミニキャラ情報のリセットに当選したか否かの判定(S1905’)の結果がNOの場合には、前回情報の継続表示処理(S1907’)を行う。この前回情報の継続表示処理は、
図41の前回情報の継続表示処理(S1906)と同様の処理を行うため説明は省略する。
【0278】
このようにすることで設定変更操作を行った場合、及び、ラムクリア操作を行った場合には必ず、ミニキャラ情報のリセットが発生するため、ホールの店員による任意の操作でミニキャラ情報のリセット状態にすることができる。また、ホールの店員による設定変更操作、及び、ラムクリア操作を行うことなく、通常の電源オン操作のみで営業を行っていたとしても、一定の割合(上記した実施形態の例では30%)でミニキャラのリセットが発生することとなるため、ホールの店員の作業負担を軽減させることができる。また、設定値にかかわらず一定の割合でミニキャラのリセットが発生することとなるため来店者にとってみれば、複雑な推測を行うことなく、設定変更に期待して遊技を行うことができる。
【0279】
また電源起動時ミニキャラ演出処理2(S1416’)における、第1ミニキャラリセット抽選処理(S1903’)では、
図52の(A)第1設定変更時ミニキャラリセットテーブル(必ずリセットに当選する抽選テーブル)を採用する一方で、第2ミニキャラリセット抽選処理(S1904’)では、
図52の(B)第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルを採用していた。これを第1ミニキャラリセット抽選処理(S1903’)では、
図52の(C)第2設定変更時ミニキャラリセットテーブルを採用する一方で、第2ミニキャラリセット抽選処理(S1904’)では、
図52の(D)第2設定変更なし時ミニキャラリセットテーブル(必ず前回変情報の継続表示に当選するテーブル)に変更してもよい。
【0280】
図52の(C)に示す第2設定変更時ミニキャラリセットテーブルでは、ミニキャラ情報のリセットの場合の判定値の範囲は0~69となっているのに対し、前回情報の継続表示の場合の判定値の範囲は30~99となっている。つまり、設定変更を行った場合には、ミニキャラ情報のリセットが行われる可能性が70%ほどあり、前回情報の継続表示が行われる可能性が30%ほどある。そして、
図52の(D)に示す第2設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルでは、ミニキャラ情報のリセットの場合の判定値の範囲は設定されていない。一方で、前回情報の継続表示の場合の判定値の範囲は0~99となっている。このようにすることで、設定変更を行った場合には、70%の確率でミニキャラ情報がリセットされるが、30%の確率で前回情報の継続表示が実行される。また、設定変更を行わなかった場合には、ミニキャラ情報のリセットは行われず、100%の確率で前回情報の継続表示が実行される構成とすることができる。
【0281】
このように構成することで設定変更操作を行わない場合で、且つ、ラムクリア操作を行わなかった場合、言い換えると、通常の電源オン操作のみとした場合には、必ず前回情報の継続表示が引き継がれるようにすることができる。そして、設定変更操作を行った場合、及び、ラムクリア操作を行った場合であっても、一定の割合(上記した実施形態の例では30%)で前回変動表示数情報が引き継がれる事となる。このようにすることで、ミニキャラ情報のリセットの発生頻度を抑える方向に調整することができるため、来店者にとってみればミニキャラ情報のリセットが発生した遊技機機に対して、設定変更に期待して遊技を行うことができる。また、前回情報が継続表示されていたからと言って設定変更に全く期待できないわけではないため、設定変更に期待する楽しみが生じる。
【0282】
上記した実施形態のように第1設定変更時ミニキャラリセットテーブル、又は、第2設定変更時ミニキャラリセットテーブルと、第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブル、又は、第2設定変更なし時ミニキャラリセットテーブルのように、設定変更時と設定変更なし時の2つのミニキャラリセットテーブルを備えることで、設定変更時、又は、設定変更を行わない場合でそれぞれミニキャラ情報のリセット割合を変更することができる。また、この実施形態では、設定変更時、又は、設定変更を行わない場合のそれぞれに分けてミニキャラリセットテーブルを設けたが、
図42のミニキャラリセット抽選処理(S1903)のように設定1~設定6のそれぞれの場合に、それぞれの設定値に対応したミニキャラ判定テーブルを用いて抽選を行ってもよい。
【0283】
上記した実施の形態では、
図37の第1リセット抽選処理(S1603)、
図38の第2リセット抽選処理(S1604)、
図42のミニキャラリセット抽選処理(S1903)では、設定1~6のそれぞれに対して、専用の判定テーブルを設けていた。しかし、これらを例えば、電源起動時に、設定値の値に係わらず前回情報の継続表示と、ミニキャラ情報のリセットの抽選を
図53で示す電源起動時ミニキャラ判定テーブルで抽選するようにしてもよい。
【0284】
また、本実施の形態では、
図45で示したように補助演出開始処理(S1421)の中でミニキャラ選択処理(S2203)が実行され、ミニキャラが変更され得るように構成されていた。これをミニキャラ選択処理(S2203)を無くし、デモ演出実行時に遊技者の演出ボタン(入力部)40k及びセレクトボタン42kの操作により、遊技者の好みにミニキャラを選択可能に構成してもよい。またこの場合は、デモ演出実行時に設定値の値に応じて選択可能となるにミニキャラの種類は、キャラクタA~キャラクタCのみとして、ポイント倍率が1.0倍で固定をなるようにすればよい。もしくは、キャラクタA~キャラクタEを自由に選択可能としておく一方で、ポイント倍率を一律で1.0倍とすればよい。また、遊技機にミニキャラに関する設定情報をキーコードの入力により設定可能な遊技機とすることで、自由にミニキャラを選択可能とし、
図45で示したミニキャラセリフ選択処理(S2204)、ミニキャラ動作パターン選択処理(S2205)を用いてミニキャラポイント更新処理を行うことで、遊技者の好みのキャラに差を設けることなくミニキャラポイントを貯めるという補助遊技を楽しむことができる。
【0285】
上記した実施形態では、
図46の(A)、(B)に示したように、ミニキャラ判定テーブルを「設定1~3」又は「設定4~6」というように、複数の設定をグループ化してキャラクタの種類のテーブルを設けた。これを設定1~6のそれぞれに対して、ミニキャラ判定テーブルを個別に設けてもよい。同様に
図46の(C)、(D)に示したミニキャラセリフ判定テーブル、
図46の(E)、(F)に示した動作パターン判定テーブル、
図46の(G)、(H)に示したステータス情報更新テーブルに関しても、設定1~6のそれぞれに対して、専用の判定テーブルを設けても良い。
【0286】
上記した実施形態では、
図46の(G)、(H)に示したように、ミニキャラポイントの累積値と、服装・アイテムの種類及び枠領域部の色を紐付して変更可能に構成されていた。これをミニキャラポイントの累積値に対して服装・アイテムの種類と、枠領域部の色をそれぞれ個別の振分値を用いて選択するようにしてもよい。
【0287】
上記した実施形態では、
図46で示したようにミニキャラポイントMPのリセットと、枠領域部YRのリセット表示が実質的に連動するものとした。これを変更し、ミニキャラポイントMPのリセット判定と、枠領域部YRのリセット判定を別々に行うように変更してもよい。この場合、例えばミニキャラポイントMPがリセットされ「0000」と表示されている場合でも、枠領域部YRの色だけ前回の電源OFF操作時に保存した枠領域部YRの色を継続して表示する場合が発生したり、逆に、枠領域部YRの色だけ白色となっているのにミニキャラポイントMPがリセットされず前回の電源OFF操作時に保存したミニキャラポイントMPの値のままになっているという場合を創出したりすることができる。これにより、電源起動時のミニキャラ演出のバリエーションを多彩に、且つ、複雑にすることができる。
【0288】
上記した実施形態では、
図48で示したように補助演出表示領域MHに具体的なミニキャラポイントMPの数値を表示するものであった。これを表示することなく、服装Aセット~服装Eセットのように、服装の種類で曖昧に累積ポイントを示唆するように変更し得てもよい。また累積ポイントはそのままポイントとして表示するだけでなく、ロールプレイングゲームなどを模して、経験値やレベルといったような表現で表示するようにしてもよい。
【0289】
上記した実施形態では、
図36の電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)の処理にて、設定変更が行われた場合の抽選として第1~第6リセットテーブルを用いる一方で、設定変更が行われなかった場合の抽選として第7~第12リセットテーブルを設けると共に、それぞれの設定値に対応するリセットテーブルを設けた。これを変更し、一部、又は、全てのリセットテーブルを共通の振分値として使用してもよい。または、設定変更が行われた場合、及び、設定変更が行われなかった場合共に、1つの判定テーブルを共通して使用してもよい。
【0290】
例えば、
図36の電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)の処理を、
図54で示すような電源起動時変動ゲーム数リセット処理2(S1415’)に変更してもよい。この変更例では、ステップS1603の第1リセット抽選処理を変動ゲーム数のリセット決定(S1603’)に変更する点で異なる。
【0291】
電源起動時変動ゲーム数リセット処理2(S1415’)ではまず、演出制御用マイコン121は、設定変更フラグ127の値が「1」を確認する(S1601)。そして、設定変更フラグ127の値が「1」である場合(S1601でYES)は、変動ゲーム数のリセットを行うことを決定する(S1603’)。一方で、設定変更フラグ127の値が「0」である場合(S1601でNO)は、ラムクリアフラグ125の値を確認する(S1602)。ここで、ラムクリアフラグ125の値が「1」である場合(S1602の判定でYESの場合)は、変動ゲーム数のリセットを行うことを決定する(S1603’)。一方で、ラムクリアフラグ125の値が「0」である場合(S1602でNO)は、第2リセット抽選処理(S1604)を行う。以降の処理は、電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)と同様になるため説明を省略する。
【0292】
このように、ラムクリア操作が行われた場合、及び、設定変更操作が行われた場合には、変動ゲーム数のリセットに関する抽選を行うことなく、変動ゲーム数をリセットするようにしてもよい。また、本変更例では、ステップS1603の第1リセット抽選処理を変動ゲーム数のリセット決定(S1603’)に変更したが、ステップS1604の第2リセット抽選処理を変動ゲーム数のリセット決定(S1604’)に変更してもよい。
【0293】
上記した実施の形態では、
図37の第1リセット抽選処理(S1603)、
図38の第2リセット抽選処理(S1604)、
図42のミニキャラリセット抽選処理(S1903)では、設定1~6のそれぞれに対して、専用の判定テーブルを設けていた。しかし、これらを例えば、設定1~3、設定4~6などのように二つの設定値グループに分ける等、一部の判定値を共通化した判定テーブルを設けてもよいし、特定の設定の場合には必ずリセット抽選に当選する判定テーブル等を用いてもよい。
【0294】
上記した実施の形態では、
図49の(A)~(C)、
図50の(A)で示したように、リセット時には、リセット時の変動ゲーム数表示画像(「0000」、リセット表示画像)HS1を表示するものであった。そして前回の変動ゲーム数情報を引継いだ場合には変動ゲーム数情報継続表示画像HS2(継続表示画像)を表示するものであった。これに替えて、リセット時に、「0000」を表示することなく、前回の変動ゲーム数とは無関係な数字、「0777(スリーセブン)」、「0758(ナゴヤ)」などの特殊な数字(数字予告画像)で設定変更が行われた旨の示唆や、高設定である旨の示唆を行うようにしてもよい。このようにする場合は、
図36の電源起動時変動ゲーム数リセット処理1のステップS1607のリセット表示態様抽選処理の内容、
図40で示した第1リセット表示態様抽選テーブル、第2リセット表示態様抽選テーブル、第3リセット表示態様抽選テーブルで行った変動ゲーム数表示領域HRの色の抽選に替えて、特殊変動ゲーム数表示画像(「0777(スリーセブン)」、「0758(ナゴヤ)」などの特殊な数字)を抽選で選択するように構成すればよい。
【0295】
上記した実施形態では、
図36で示した電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)、
図41で示した電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)、
図51で示した電源起動時ミニキャラ演出処理2(S1403’)、
図54で示した電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1402’)では、先に設定変更フラグ127の判定を行った後に、ラムクリアフラグ125の判定を行うというものであった。これを先にラムクリアフラグ125の判定を行った後に、設定変更フラグ127の判定を行うように変更してもよい。また、本実施形態ではラムクリアフラグの確認のための判定、及び、設定変更フラグ127の確認のための判定の両方を行うものとなっていた。しかしこれを変更し、ラムクリアフラグ125の確認のための判定のみとしてもよいし、設定変更フラグ127の確認のための判定のみとしてもよい。特に、一般的な遊技機においては、設定変更操作(同一設定への打ち替えを含む)を行った際には、設定値の変更に伴って遊技制御基板100の遊技用RAM104、及び、演出制御基板120の演出用RAM124の双方を初期化した後に再設定された設定値に対応する情報を再設定するため、設定変更フラグ127の判定のみで、ラムクリアフラグ125の判定を省略してもよい。
【0296】
上記した実施形態では、遊技履歴情報として、変動ゲーム数情報、及び、ミニキャラ情報などを遊技履歴情報の例に挙げた。しかし、これらに限定されることはなく、遊技の結果に基づいて決定された遊技の履歴に関するものであればよい。例えば、大当たりの実行回数、確変や時短などの実行回数、大当たり・確変・時短の連続発生回数、確変や時短中に実行されうる演出モードの内容、遊技時間、遊技球の獲得球数、遊技球の発射球数など、遊技に関する履歴情報であれば、本実施の形態の遊技履歴情報として採用することができる。
【0297】
上記した実施形態では、電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)等の抽選は、電源起動に伴って必ず実行されるものであった。これらを変更し、ホールの店員によって、電源起動時変動ゲーム数リセット処理1(S1415)、電源起動時ミニキャラ演出処理1(S1416)等の設定変更操作、リセット操作に係わる演出、又は、設定示唆演出に係わる演出の無効化を選択可能にしてもよい。又は、ホールの店員による専門の操作によって、無効化の選択だけでなく、リセット抽選の発生割合(判定テーブルの判定値の範囲などの振分)等をカスタマイズ可能にしてもよい。
【0298】
また、表示画面50aに設けられた変動ゲーム数表示領域HR、補助演出表示領域MHの外郭をなす部分に設けられた枠領域部YRは、常に表示画面50aに表示していても良いし、リーチ演出や大当たり演出などの所定の演出の実行時には非表示状態としてもよい。また、本実施形態の図で示した位置に捉われずに、表示する場所を移動させてもよいし、拡大、縮小などの変形をしてもよい。または、いわゆるサブ液晶と呼ばれる画像表示装置50とは異なる画像表示装置50Xを遊技盤、又は、遊技機枠に新たに設け、そのサブ液晶において変動ゲーム数表示領域HR、枠領域部YRを、客待ちデモ実行中などの遊技者が遊技していない状態であっても常に画像表示装置50、又は、画像表示装置50Xに表示することで、変動ゲーム数情報を見ながら遊技者が遊技台を選択することができる。また、変動ゲーム数表示領域HRや枠領域部YRのような「枠」を備えずに、数字の背部にエフェクト画像を加えた画像としてもよい。
【0299】
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0300】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
大当たり判定確率が互いに異なる複数の設定値のうちの何れかに設定可能な遊技制御手段を備える遊技機(PY1)において、
前記遊技機に保持されている遊技履歴情報(変動ゲーム数情報)を表示可能な遊技履歴情報表示手段(変動ゲーム数表示領域HRにて変動ゲーム数情報を表示させる演出制御用マイコン121)と、
電源起動時に前記遊技履歴情報を初期化するか否かを抽選する初期化抽選手段(
図36のS1415、電源起動時変動ゲーム数リセット処理1を実行する演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
【0301】
この構成の遊技機によれば、いわゆる「RAMクリア操作」を行うことで、遊技に関する情報をリセットさせる操作を行わずとも、電源起動時の初期化抽選手段の抽選結果に応じて、電源断時に保存した所定の演出内容リセットされた状態にすることができる。このようにすることで、遊技者は遊技機の設定が変更されたことに期待感を持って遊技を行うことができる。
【0302】
手段A2に係る発明は、
A1に記載の遊技機であって、設定変更操作を伴う電源起動時(
図36のS1601でYES)、又は、リセット操作を伴う電源起動時(
図36のS1602でYES)と、これらを伴わない電源起動時(
図36のS1602でNO)とで、異なる割合で前記遊技履歴情報を初期化(第1リセット抽選処理S1603又は第2リセット抽選処理S1604を実行する演出制御用マイコン121)することを特徴とする遊技機である。
【0303】
この構成の遊技機によれば、いわゆる「RAMクリア操作」を行うことで遊技履歴情報をリセットさせる操作を行わずとも、電源起動時の初期化抽選手段の抽選結果に応じて、リセットされた状態に遊技機とすることができる。このようにすることで、遊技者は遊技機の設定が変更されたことに期待感を持って遊技を行うことができる。
【0304】
手段A3に係る発明は、
A2に記載の遊技機であって、前記遊技履歴情報を初期化する割合は、前記複数の設定値のそれぞれに対応して設定されている(
図39の(A)~(L)の設定毎のリセットテーブル)ことを特徴とする遊技機である。
【0305】
この構成の遊技機によれば、遊技履歴情報(変動ゲーム数情報)がリセットされているか、前回の(前日の営業終了時の)遊技履歴情報(変動ゲーム数情報)がそのまま維持されているかを確認することで、遊技者は遊技機の設定が変更されているか否かと、現在の遊技機の設定値を推測することで、遊技機の設定が変更されたことに期待感をもって遊技を行うことができる。
【0306】
手段A4に係る発明は、
A1に記載の遊技機であって、設定変更操作を伴う電源起動時(
図54のS1601でYES)、又は、リセット操作を伴う電源起動時(
図54のS1602でYES)には、前記遊技履歴情報を初期化する(
図54のS1603’)一方で、前記設定変更操作、及び、前記リセット操作を伴わない電源起動時(
図54のS1602でNO)には、所定の割合で前記遊技履歴情報を初期化しない(第2リセット抽選処理S1604を行う演出制御用マイコン121)ことを特徴とする遊技機である。
【0307】
この構成の遊技機によれば、設定変更操作を伴う電源起動時、又は、リセット操作を伴う電源起動時である場合には、必ず遊技履歴情報(変動ゲーム数情報)のリセットを発生するようにする一方で、設定変更操作、及び、リセット操作を伴わない電源起動時には所定の割合で遊技履歴情報が初期化されない(
図39の各リセットテーブルに示したように、「前回変動表示数情報を引継ぐ」への判定値が1個以上、必ず振り分けられている)ように設定されている。このようにすることで、ホールの店員の手により、リセット操作、及び、設定変更操作を行った場合には、必ず遊技履歴情報が初期化されることとなるが、リセット操作、及び、設定変更操作を伴わない通常の電源起動時の場合には、少なくとも、所定の割合で遊技履歴情報(変動ゲーム数のリセット)が初期化されない可能性が残ることとなるため、来店者はこれらの遊技履歴情報の表示態様を手掛かりに遊技する遊技機を選択することができる。
【0308】
手段A5に係る発明は、
A4に記載の遊技機であって、前記設定変更操作、及び、前記リセット操作を伴わない電源起動時には、前記遊技履歴情報を初期化する割合よりも初期化しない割合の方が高い(
図39の第7~第12リセットテーブルでは、変動ゲーム数のリセットよりも、前回変動表示数情報を引継ぐ場合の割合が高い)ことを特徴とする遊技機である。
【0309】
この構成の遊技機によれば、設定変更操作、及び、リセット操作を伴わない電源起動時には、遊技履歴情報(変動ゲーム数のリセット)が初期化される割合に比して、前回変動表示数情報を引き継ぐ(初期化しない割合)方が選択され易くなっている。つまり、設定変更操作、及び、リセット操作を伴わない電源起動時、通常の電源起動時の場合には、むやみに遊技履歴情報のリセットを発生させないように調整することで、遊技履歴情報がリセットされた場合における設定変更が行われたことに対する期待感を高めることができる。
【0310】
ところで、特開2000-334125号公報には、大当たり遊技中に遊技機の遊技履歴情報に関する説明を行う事で、遊技者への興趣を向上させる遊技機が記載されている。しかし、このような遊技機では、実際に遊技を行っている遊技者に対しては稼働の向上という効果が得られるかもしれないが、遊技を行う前の段階において、どの遊技台で遊ぶかを選択する際の積極的な判断材料を提供できるというものではなかった。それに対して、本実施の形態の遊技機は、設定変更操作、又は、いわゆる「ラムクリ操作」を行わずとも遊技履歴情報がリセットされる場合があるため、来店者及び遊技者が遊技台を選ぶ際に積極的な遊技動機となる情報を提供可能となっている。
【0311】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
大当たり判定確率が互いに異なる複数の設定値のうちの何れかに設定可能な遊技制御手段を備える遊技機(PY1)において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出を制御する演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出制御手段は、電源起動時の設定変更操作の有無に応じた抽選確率にて、電源遮断時に保存した所定の演出内容をそのまま引継ぐか否かの抽選を行う継続抽選手段(
図41のS1416、電源起動時ミニキャラ演出処理1を実行する演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
【0312】
この構成の遊技機によれば、電源起動時の継続抽選手段の抽選結果に応じて、電源断時に保存した所定の演出内容を引継いだ状態となる場合がある。そのため、来店者及び遊技者は遊技機の設定が変更されたこと、又は、遊技機の設定が前日のまま据え置かれたことを推測しながら遊技を行うことができる。
【0313】
手段B2に係る発明は、
B1に記載の遊技機であって、当該遊技機に保持されている遊技履歴情報(ミニキャラ情報)を表示可能な遊技履歴情報表示手段(補助演出表示領域MHにてミニキャラ情報を表示させる演出制御用マイコン121)、を備え、
前記所定の演出内容は、前記遊技履歴情報の内容であることを特徴とする遊技機である。
【0314】
この構成の遊技機によれば、遊技履歴情報を表示可能な遊技履歴情報表示手段を備えており、電源遮断時に保存した遊技履歴情報を電源起動時の継続抽選手段の抽選結果に応じて、電源断時に保存した所定の演出内容を引継いだ状態にすることができる。
【0315】
手段B3に係る発明は、
B2に記載の遊技機であって、前記遊技履歴情報は、遊技の進行に伴って付与されるポイント(ミニキャラポイントMP)に基づいて更新されるものであり、
前記演出制御手段は、前記ポイントの累積値に応じて遊技履歴情報の表示態様(ミニキャラの服装・アイテムの種類、枠表示部の色)を変更する(
図45の補助演出開始処理S1421を実行する)ことを特徴とする遊技機である。
【0316】
この構成の遊技機によれば、遊技の進行に伴って付与されるミニキャラポイントMPの累積値に応じて、遊技履歴情報の表示態様(服装・アイテムの種類、枠表示部の色)を変更する。そのため、遊技履歴情報の表示態様に応じて、来店者及び遊技者は遊技履歴情報の良し悪しを感覚的に把握することができる。
【0317】
手段B4に係る発明は、
B3に記載の遊技機であって、前記ポイントの累積値を表示可能なポイント数表示手段(
図48の補助演出表示領域MHにミニキャラポイントMPを表示する演出制御用マイコン121)を備えていることを特徴とする遊技機である。
【0318】
この構成の遊技機によれば、遊技の進行に伴って付与されるポイントに関する累積値を、実際の数値として表示することにより、来店者及び遊技者は遊技履歴情報の良し悪しをより詳細に把握することができる。また、表示されているポイントの数値と、ミニキャラの服装・アイテムの種類及び枠領域部の色の組み合わせに応じて、より正確に遊技機の設定値を推測することが可能となる。
【0319】
手段B5に係る発明は、
B1からB4までのいずれかに記載の遊技機であって、前記継続抽選手段は、前記設定変更操作を伴う電源起動時には第1抽選確率にて、前記所定の演出内容を引継ぐか否かの抽選を行う(
図51の第1ミニキャラリセット抽選処理S1903’を実行する演出制御用マイコン121)一方で、前記設定変更操作を伴わない電源起動時には第2抽選確率にて、前記所定の演出内容を引継ぐか否かの抽選を行う(
図51の第2ミニキャラリセット抽選処理S1904’を実行する演出制御用マイコン121)ことを特徴とする遊技機である。
【0320】
この構成の遊技機によれば、設定変更操作を伴う電源起動時の場合、設定変更操作を伴わない電源起動時の場合に応じて、ミニキャラポイントMPの累積値をそのまま引継ぐか否かの抽選に当選する抽選割合を設定することができる。そのため、前回のミニキャラポイントMPの継続状態から設定値が変更されたか否かを推測するという新たな楽しみをもって遊技を行うことができる。
【0321】
手段B6に係る発明は、
B5に記載の遊技機であって、
前記継続抽選手段は、前記第2抽選確率での抽選(設定変更を行わなかった場合の抽選)において、前記所定の演出内容を引継がない旨を決定することがある(
図52の(B)第1設定変更なし時ミニキャラリセットテーブル実行する演出制御用マイコン121)ことを特徴とする遊技機である。
【0322】
この構成の遊技機によれば、設定変更操作を行わなかった場合でも、リセットされることがある。よってリセットされたからといって設定変更されたことが確定するわけではないので、来店者及び遊技者に対して遊技機を選ぶ楽しさを提供できる。
【0323】
ところで、特開2006-326329号には、始動口への遊技球の入球個数が予め定められた個数に達する毎に、建築物キャラクタを成長させるという大当たり遊技とは異なる新たな遊技性を与える遊技機が記載されている。しかし、このような遊技機では、実際に遊技を行っている遊技者に対して遊技意欲を高めるという効果が得られるものであるが、遊技を行う前の段階において、どの遊技台で遊ぶかを選択する際の積極的な判断材料を提供できるというものではなかった。それに対して、本実施の形態の遊技機は、設定変更操作、又は、いわゆる「ラムクリ操作」を行った場合であっても遊技履歴情報がリセットされることなく、電源断時に保存した所定の演出内容を引継いだ状態となる場合がある。そのため、来店者及び遊技者が遊技台を選ぶ際に積極的な遊技動機となる情報を提供可能となっている。
【符号の説明】
【0324】
PY1…パチンコ遊技機
50…画像表示装置
50a…表示画面
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
HR…変動ゲーム数表示領域
HS…変動ゲーム数表示画像
MH…補助演出表示領域
MP…ミニキャラポイント