(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】エアモータ
(51)【国際特許分類】
F04B 45/047 20060101AFI20220720BHJP
F04B 45/04 20060101ALI20220720BHJP
H01L 41/053 20060101ALI20220720BHJP
H01L 41/09 20060101ALI20220720BHJP
H02N 2/04 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
F04B45/047 C
F04B45/04 A
H01L41/053
H01L41/09
H02N2/04
(21)【出願番号】P 2018000924
(22)【出願日】2018-01-09
【審査請求日】2018-05-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-04
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1F, No.28, R&D 2nd Road, Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】莫 皓然
(72)【発明者】
【氏名】韓 永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲けい▼峰
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】熊谷 健治
【審判官】佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/145544(WO,A1)
【文献】特表2003-509624(JP,A)
【文献】国際公開第2016/009870(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0076530(US,A1)
【文献】特開2015-123012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B43/00-47/14
H01L41/053
H01L41/09
H02N2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させるエアモータ
の集合体であって、
本体と、
圧電アクチュエータと、を包括し、
そのうち、前記圧電アクチュエータは、前記本体内に設置され、前記圧電アクチュエータが駆動を受けると、前記本体内の気体流動を制御、駆動し、
前記本体は、単体構成であり、前記単体構成は、柱体及び錐体のうちいずれか一つであり、前記柱体は、N辺形柱体又は曲線形柱体とすることができ、前記N辺形柱体は、三角柱体、五角柱体、八角柱体
及び十二辺形柱体のうちのいずれか一つとし、前記単体構成は他の前記単体構成と接続し合うことで、複数の前記単体構成が組み合わさってなる集合体を構成し、
前記単体構成が三つ以上の時、前記単体構成は、もう一つの前記単体構成との間で、直列、並列及び直並列のうち少なくとも一つに接続し合い、前記集合体は、複数の単体構成によって構成され、前記集合体の平面に投影される外形は、三角形状、環状及びハニカム形状のうちのいずれか一つとし、前記単体構成が、異なる外形の前記集合体を構成することができ、前記集合体によって内部に伝送される気体圧力及び気体流量を増加するまたは調節することで、より強い駆動力と多変的な組合せ形態とを提供
し、前記集合体によって発生する特定の気体圧力及び特定の気体流量は、前記気体圧力を10mmHgから10000mmHgの全ての範囲の圧力で発生させ、前記気体流量を0.1リットル/minから1000リットル/minの全ての範囲の流量で発生させることを特徴とする、エアモータ
の集合体。
【請求項2】
前記圧電アクチュエータは、懸吊板と、前記懸吊板との間を接続する少なくとも一つのフレームを有する外枠と、前記懸吊板の外周輪郭を超過せず、前記懸吊板の第一表面に貼着する圧電板と、を包括することを特徴とする、請求項1に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項3】
前記単体構成の前記柱体の両端面は、対応し合う底面及び頂面であって、前記底面及び前記頂面の間にある如何なる水平断面の幾何学的形状は、いずれも同一であることを特徴とする、請求項1に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項4】
前記三角柱体は、正三角柱体、鈍角三角柱体及び鋭角三角柱体のうちのいずれか一つとすることを特徴とする、請求項3に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項5】
前記錐体は、N辺形錐体及び曲線形錐体のうちのいずれか一つとすることができ、且つこのN値は、3以上であることを特徴とする、請求項1に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項6】
前記N辺形錐体は、三角錐体、正方形錐体、長方形錐体、菱形錐体、五角錐体、六角錐体、八角錐体
及び十二辺形錐体のうちのいずれか一つとすることを特徴とする、
請求項5に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項7】
前記三角錐体は、正三角錐体、鈍角三角錐体及び鋭角三角錐体のうちのいずれか一つとすることを特徴とする、請求項6に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項8】
前記懸吊板は、0.1nm~1mの間の長さと、0.1nm~1mの間の幅と、0.1nm~1mの間の厚さとを有することを特徴とする、請求項2に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項9】
前記懸吊板は、2cm~20cmの間の長さと、2cm~20cmの間の幅と、2cm~20cmの間の厚さとを有することを特徴とする、請求項8に記載のエアモータ
の集合体。
【請求項10】
前記エアモータ
の集合体は、共振片をさらに包括し、且つ前記本体は、気体導入板及び集気板によって構成され、そのうち、前記気体導入板、前記共振片、前記圧電アクチュエータ及び前記集気板が順次対応して積層するように設置され、且つ前記共振片は、前記圧電アクチュエータとの間に間隙を有することで、第一チャンバを形成することを定義し、前記圧電アクチュエータは、前記集気板と集気チャンバを形成し、前記圧電アクチュエータが駆動を受けると、気体は、前記気体導入板から入り込み、前記共振片に流れ込んで前記第一チャンバ内に入り込み、さらに気体の流れの下流に向かって前記集気チャンバまで伝送することを特徴とする、請求項1に記載のエアモータ
の集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアモータ、特に、電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させ、且つ異なるニーズに応じてこれに対応する本体の外観形態に製造設計したエアモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、医薬、コンピューターテクノロジー、印刷、エネルギー等の工業など分野を問わず、製品が精密化及び小型化の方向に発展しており、そのうち、小型ポンプ、噴霧器、インクジェットヘッド、工業印刷装置等の製品に含まれる流体輸送構造は、中でも重要な技術であるが、いかに革新的な構造で技術のボトルネックを打破するかが発展させるための重要な内容となっている。
【0003】
例えば、医藥産業において、空気圧動力を採用して駆動される計器や設備が多いが、通常は、従来のモータや空気圧バルブで気体輸送という目的を達している。しかしながら、これら従来のモータ及び気圧バルブの体積の制限を受けるため、これらの計器・設備は、装置全体の体積を縮小することが難しいことから、薄型化という目標を実現することが困難で、これをポータブル型にするという目的に達成することはさらに難しい。
【0004】
医薬産業以外の、その他の電子産業、印刷産業、エネルギー産業、ひいては一般の従来産業では、通常、従来のモータ、圧縮機、エンジン、発動機などの駆動装置が用いられているが、これら従来の駆動装置は、必要な動的エネルギーに達するため、大きな体積を有することで、その中に複雑で様々な駆動のためのコアを収容したり、駆動によって作動すると同時に、これに対応して大きな騒音や飛散する粉塵といった汚染が発生し、使用上の不便及び不快を引き起こしている。
【0005】
これを鑑み、従来で用いられるモータ、圧縮機、エンジン、発動機などの駆動装置の機材及び設備が直面している体積が大きい、騒音が大きいといった問題を解決するためのエアモータを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、医療産業、電子産業、印刷産業、エネルギー産業或いは従来産業にある様々な器材及び設備において応用することが可能で、電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させ、且つ異なるニーズに応じてこれに対応する本体の外観形態に製造設計することで、体積がニーズに応じて変化することが可能な上、騒音が少なく且つ応用性が高いエアモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達するため、本発明の比較的広義の実施態様は、電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させるエアモータであって、エアモータは、本体と、圧電アクチュエータと、を包括し、そのうち、圧電アクチュエータは、本体内に設置され、圧電アクチュエータが駆動を受けると、本体内の気体流動を制御、駆動することで、様々な形式のモータ、圧縮機、エンジン及び発動機に取って代わるものとして応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の第一の好ましい実施例に係るエアモータを示す組立図である。
【
図1C】
図1Bで図示されたエアモータの圧電アクチュエータを示す断面図である。
【
図2】本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体のN辺形柱体の外観を示す模式図である。
【
図3】本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体の曲線形柱体の外観を示す模式図である。
【
図4】本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体のN辺形錐体の外観を示す模式図である。
【
図5】本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体の曲線形錐体の外観を示す模式図である。
【
図6】本発明のもう一つの好ましい実施例に係る複数のエアモータにある本体が組み合わさってなる集合体の組み合せ方式を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴と利点を体現するいくつかの典型的実施例を以下において詳細に説明する。本発明は異なる態様において各種の変化が可能であり、そのいずれも本発明の範囲を逸脱せず、かつ本発明の説明及び図面は本質的に説明のために用いられ、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【0010】
本発明の第一の好ましい実施例に係るエアモータを示す組立図である
図1Aと、
図1Aの分解図である
図1Bとを参照すると、本発明に係るエアモータ1は、医療産業、電子産業、印刷産業、エネルギー産業或いは従来産業にある様々な器材及び設備において応用することが可能で、電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させている。本実施例において、
図1Bのように、エアモータ1は、本体10と、圧電アクチュエータ13とを包括し、そのうち、圧電アクチュエータ13は、本体10内に設置され、圧電アクチュエータ13が駆動を受けると、本体10内の気体流動を制御、駆動し、気体圧力を10mmHgから10000mmHg、気体流量を0.1リットル/minから1000リットル/min発生させることで、様々な形式のモータ、圧縮機、エンジン及び発動機に取って代わるものとして応用することができる。
【0011】
図1A及び
図1Bを続けて参照すると、本実施例において、エアモータ1は、圧電式エアポンプであって、気体流動を駆動させるために用い、且つ上述したとおり、エアモータ1は、本体10を包括し、本実施例において、本体10は、気体導入板11及び集気板16によって構成されるが、これに限らず、また、圧電アクチュエータ13は、本体10内に設置されることで、組立が完了すると、
図1Aのように、本体10によって構成された角柱状の外観だけが見えることとなっている。また、本発明に係るエアモータ1の内部構成は、圧電アクチュエータ13以外に複数の部材を包括しており、
図1Bのように、共振片12、絶縁片14及び導電片15などの構成をさらに包含し、これにより、エアモータ1の実際の構成は、気体導入板11、共振片12、圧電アクチュエータ13、絶縁片141、導電片15、もう一つの絶縁片142、集気板16等が順次積層するように設置されることによってなり、且つ圧電アクチュエータ13は、懸吊板130及び圧電セラミック板133によって組立てられてなっている。また、本実施例において、集気板16は、周縁に側壁168を有するスロット体構造であって、且つこの周縁によって構成する側壁168は、その底部のプレートとともに、圧電アクチュエータ13を設置するために用いる収容空間16aを定義している。
【0012】
図1Bをさらに続けて参照すると、本実施例において、気体導入板11は、少なくとも一つの気体導入孔110を有し、本実施例において、気体導入孔110の数量は、四つであるが、これに限らず、気体を装置外から大気圧の作用に順応して気体導入孔110からエアモータ1内に流入させるために用いている。共振片12は、可撓性材質によって構成することができるが、これに限らず、且つ共振片12は、その上に、中空孔120を有している。圧電アクチュエータ13は、圧電板133、懸吊板130及び外枠131を包括し、且つ外枠131は、懸吊板130及び外枠131の間を接続するために用いる少なくとも一つのフレーム132を有し、そのうち、圧電板133は、方形プレート状の構成であって、懸吊板130の外周輪郭を超過せず、即ち、その辺の長さは、懸吊板130の辺の長さより長くなく、懸吊板130の第一表面130b上に貼着することができる。また、
図1Bのように、絶縁片14は、これに限らないが二つの絶縁片141、142とすることができ、且つ絶縁片141、導電片15及びもう一つの絶縁片142は、圧電アクチュエータ13と集気板16との間に順次挟着され、その形態は、圧電アクチュエータ13の外枠131にほぼ対応している形態である。また、集気板16は、その上で凹設することで集気チャンバ162を形成する表面160をさらに有し、気体導入板11の気体導入孔110から流入して下に向かって伝送する気体をこの集気チャンバ162内に一時的に蓄積させることができる。
【0013】
図1Bと、
図1Bで図示されたエアモータの圧電アクチュエータを示す断面図である
図1Cを同時に参照すると、
図1B及び
図1Cのように、圧電アクチュエータ13は、懸吊板130、外枠131、少なくとも1つのフレーム132及び圧電板133によって組立てられており、本実施例において、懸吊板130は、方形で、階段面を有する構成であって、第一表面130b及びそれに対応する第二表面130aを有しており、そのうち、懸吊板130の第二表面130aは、その上に、これに限らないが円形の凸起構成である凸部130cをさらに有し、圧電板133は、懸吊板130の第一表面130bに貼着し、印加電圧を用いて懸吊板130の湾曲振動を駆動している。外枠131は、懸吊板130の外周を囲繞するように設置し、その形態は、懸吊板130の形態とほぼ一致しており、且つ外枠131は少なくとも一つのフレーム132をさらに有しおり、本実施例を例とすると、少なくとも一つのフレーム132は四つのフレーム132があるが、これに限らず、これら数量は、実際に使用する状況に応じて変化を施すことができ、且つこの四つのフレーム132は、それぞれが懸吊板130及び外枠131の間を接続することで、弾性的な支持を提供している。また、フレーム132、懸吊板130及び外枠131の間には、流体の流通のために用いる少なくとも一つの空隙135をさらに有している。本実施例において、懸吊板130、外枠131及び四つのフレーム132は、これに限らないが一体成型の構成とすることができ、且つ金属プレートによって構成することができ、例えば、ステンレス材質によって構成することができるが、これに限らず、即ち、圧電アクチュエータ13は、圧電板133が金属プレートと貼着することによってなるが、これに限らない。一部の実施例において、圧電板133は、圧電セラミック板であるが、これに限らず、もう一部の実施例において、圧電板133は、複数のプレート状構成が積層することによってなることもでき、つまり、複数の圧電セラミック板が堆積するように組立てることによってなることもできることから、実際に使用する状況に応じて変化を施すことができる。
【0014】
図1Cのように、懸吊板130の第一表面130bは、外枠131の第一表面131b及びフレーム132の第一表面132bと平坦な共平面構造であると同時に、懸吊板130の第二表面130aは、外枠131の第二表面131a及びフレーム132の第二表面132aとも同じように平坦な共平面構造であり、本実施例を例とすると、懸吊板130は、方形の構成であって、懸吊板130の長さは、0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であって、その幅も、0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であり、その厚さは、0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であるが、これに限らない。また、外枠131の厚さは、懸吊板130の厚さと同じ、即ち0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であるが、これに限らない。また、圧電板133の辺の長さは、懸吊板130の辺の長さより長くなく、圧電板133の長さは、0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であって、その幅も、0.1nm~1mの間であり、好ましくは2cm~20cmの間であり、その厚さは、0.1nm~50mmの間であり、好ましくは1mm~20mmの間であるが、これに限らない。
【0015】
図1A、
図1B以外に、
図1Aの断面図である
図1Dを参照すると、
図1Bのように、本発明に係るエアモータ1にある気体導入板11、共振片12、圧電アクチュエータ13、絶縁片141、導電片15、もう一つの絶縁片142及び集気板16などが順次積層するように組立てられると、その外観の形態は
図1Aのように、その内部構造は
図1Dのようになり、エアモータ1から分かるとおり、共振片12は、圧電アクチュエータ13との間に間隙を有し、この間隙は、充填層136によってなるか、或いはその他の構成上の設計によって構成することができ、これにより、気体を一時的に保存するために用いる第一チャンバ121を形成することを定義し、且つ第一チャンバ121は、圧電アクチュエータ13の空隙135によって圧電アクチュエータ13と集気板16との間で定義された集気チャンバ162と連通し合っており、これにより、圧電アクチュエータ13が駆動を受けると、外部の気体は、気体導入板11上にある少なくとも一つの気体導入孔110から入り込み、共振片12に流れ込んで第一チャンバ121内に入り込み、さらに下に向かって集気チャンバ162内まで伝送することができる。
【0016】
図1A乃至
図1Dと、本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体のN辺形柱体の外観を示す模式図である
図2を同時に参照すると、
図1A乃至
図1Dのように、本発明の第一の好ましい実施例に係るエアモータ1の本体10は、単体構成であって、且つ単体構成は、柱体であって、且つ本実施例における柱体は、四角柱体であるが、この柱体の実施態様は、これに限らず、N辺形柱体或いは曲線形柱体のいずれか一つとすることができ、且つこのN値は、3以上である。これら実施例において、柱体の両端面は、対応し合う底面及び頂面であって、この底面及び頂面の間にある如何なる水平断面の幾何学的形状は、いずれも同一である。例示すると、
図2のように、図示された本発明に係るエアモータの本体は、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)のような異なる態様の五つのN辺形柱体A、B、C、D、Eとすることができ、そのうち、N辺形柱体Aは三角柱体の形態、N辺形柱体Bは四角柱体の形態、N辺形柱体Cは五角柱体の形態、N辺形柱体Dは六角柱体の形態、N辺形柱体Eは八角柱体の形態であって、各々、頂面A0、B0、C0、D0、E0と、底面A1、B1、C1、D1、E1とをそれぞれ有するが、この底面A1、B1、C1、D1、E1及び頂面A0、B0、C0、D0、E0の間にある如何なる水平断面の幾何学的形状は、いずれも同一である。また、上述したこれら形態以外に、三角柱体は、正三角柱体、鈍角三角柱体或いは鋭角三角柱体のいずれか一つというように、さらに細分することができ、また、もう一つの好ましい実施例において、柱体は、四角柱体であって、正方形柱体、長方形柱体或いは菱形柱体などに細分することができ、延いては、その他の多変形柱体とすることができ、例えば、十二辺形柱体、不規則多辺形柱体なども本発明の範疇にあり、即ち、これら多辺形柱体の形態は、実際のニーズに応じて変化を施すことができる。
【0017】
本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体の曲線形柱体の外観を示す模式図である
図3を参照すると、図示されたとおり、本発明に係る本体の柱体は、(a)、(b)のような異なる態様の曲線形柱体F、Gとすることもでき、そのうち、曲線形柱体Fは半球形柱体、曲線形柱体Gは半楕円形柱体であって、これら以外に、曲線形柱体は、不規則曲面柱体とすることもできる。
【0018】
次に、本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体のN辺形錐体の外観を示す模式図である
図4と、本発明のその他の好ましい実施例に係るエアモータにある本体の曲線形錐体の外観を示す模式図である
図5とを同時に参照すると、これら実施態様において、エアモータの本体は、上述したものと同じように、単体構成であるが、この単体構成は、錐体であって、この錐体は、N辺形錐体或いは曲線形錐体のいずれか一つとすることができ、且つこのN値は、3以上である。また、この単体構成の形態が錐体であるため、その両端は、対応し合う底面及び頂部であって、底面は、頂部の表面積と異なっている。例示すると、
図4のように、態様(a)で図示されたN辺形錐体Hは三角錐体、態様(b)で図示されたN辺形錐体Iは四角錐体、態様(c)で図示されたN辺形錐体Jは五角錐体となっている。また、三角錐体は正三角錐体、鈍角三角錐体或いは鋭角三角錐体のいずれか一つの形態に、四角錐体は正方形錐体或いは長方形錐体の形態に、さらに細分することができ、且つ上述したN辺形錐体の形態以外に、八角錐体、十二辺形錐体或いは不規則多辺形柱体なども本発明の範疇にある。
図5について、エアモータの本体は、曲線形錐体の実施態様であって、この曲線形錐体Kは、半球形錐体の形態であるが、これ以外に、半楕円形錐体或いは不規則曲面錐体とすることもでき、これに限らない。
【0019】
上述したこれら実施態様から分かるとおり、本発明に係るエアモータの本体は、応用したい器材及び設備のニーズに応じて、本体の外観形態の設計を変更することができ、たとえ本体の外観形態をどのように変化させたとしても、その内部に設置した構成は、第一の好ましい実施例にある内部構成と同一で、その外部輪郭だけが本体の形態変化に応じて対応するように変更し、その構成、設置方式、作動方法及び機能は、いずれも同一であって、外観形態の変化による影響を受けることはない。
【0020】
本発明のもう一つの好ましい実施例に係る複数のエアモータにある本体が組み合わさってなる集合体の組み合せ方式を示す模式図である
図6を参照すると、上述したとおり、本発明に係るエアモータの本体は単体構成であって、複数のエアモータが対応するように接続すると、複数の単体構成の間を、直列、並列、直並列或いは堆積するように接続し合うことで、複数の単体構成が組み合わさってなる集合体を構成し、この集合体によって内部に伝送される気体圧力及び気体流量を増加したり、調節したりしている。例示すると、
図6にある態様(a)のように、エアモータ1及びもう一つのエアモータ2の二つの単体構成が直列に接続することによってなり、態様(b)については、直列に接続すると同時に並列に接続した集合体であって、そのうち、エアモータ1及びエアモータ2の二つの単体構成が直列に接続し合い、エアモータ3及びエアモータ4の二つの単体構成が直列に接続し合い、直列に接続し合ったエアモータ1及びエアモータ2と、エアモータ3及びエアモータ4とをさらに並列に接続することで、直列に接続すると同時に並列に接続した集合体を構成している。態様(c)については、同じように、直列に接続することによって構成する集合体であるが、エアモータ1、2、3、4、5及び6の単体構成が直列に接続し合うことで、環状の集合体を構成している。これら実施態様から分かるとおり、これら集合体は、複数の単体構成によって構成する組合せ式幾何学形状体で、この組合せ式幾何学形状体は、帯状、マトリックス状、
三角形状、環状、ハニカム形状或いは
不規則形状のいずれか一つであるが、これに限らない。
【0021】
このことから分かるとおり、本発明に係るエアモータの本体は、単体構成であるが、この単体構成は、異なるニーズに応じて外観形態を変更することができ、また、ニーズに応じて複数のエアモータの単体構成を組合せ、異なる組合せ式幾何学形状体である集合体を構成し、組み合せ方式の変化により、伝送する気体圧力及び気体流量を増加させることができるだけでなく、これら集合体は、幅広い応用性をさらに有し、より強い駆動力と、多変的な組合せ形態とを提供することができることから、医療産業、電子産業、印刷産業、エネルギー産業或いは従来産業にある様々な器材及び設備において応用することに適している。
【0022】
以上のことから、本発明が提供するエアモータは、医療産業、電子産業、印刷産業、エネルギー産業或いは従来産業にある様々な器材及び設備において応用することが可能で、電気エネルギーを動的エネルギーに変換し、この動的エネルギーを用いて特定の気体圧力及び特定の気体流量を発生させ、且つ本体と、本体内に設置する圧電アクチュエータとを有し、本体は、異なるニーズに応じて異なる外観形態に製造設計することができ、また、圧電アクチュエータの駆動により、気体流動を制御、駆動し、気体圧力を10mmHgから10000mmHg、気体流量を0.1リットル/minから1000リットル/min発生させることができ、さらに、エアモータの本体である複数の単体構成を組合わせることで、集合体を構成し、充分な駆動力に達すると同時に、体積がニーズに応じて変更することが可能であったり、騒音を低減したり、応用性が幅広いといった様々な利点を兼ね備えることができる。
【0023】
本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者であればさまざまな工夫と修飾が可能であるが、それらはいずれも本発明の特許請求の範囲が求める保護を逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0024】
1 エアモータ
2 エアモータ
3 エアモータ
4 エアモータ
5 エアモータ
6 エアモータ
10 本体
11 気体導入板
110 気体導入孔
12 共振片
120 中空孔
121 第一チャンバ
13 圧電アクチュエータ
130 懸吊板
130a 懸吊板の第二表面
130b 懸吊板の第一表面
130c 凸部
131 外枠
131a 外枠の第二表面
131b 外枠の第一表面
132 フレーム
132a フレームの第二表面
132b フレームの第一表面
133 圧電セラミック板
136 充填層
141 絶縁片
142 絶縁片
15 導電片
16 集気板
16a 収容空間
160 表面
162 集気チャンバ
168 側壁
A N辺形柱体
B N辺形柱体
C N辺形柱体
D N辺形柱体
E N辺形柱体
F 曲線形柱体
G 曲線形柱体
H N辺形錐体
I N辺形錐体
J N辺形錐体
K 曲線形錐体
A1、B1、C1、D1、E1 底面
A0、B0、C0、D0、E0 頂面