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  • 特許-電動弁駆動装置の開度表示器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】電動弁駆動装置の開度表示器
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20220720BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
F16K37/00 E
F16K31/04 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018027506
(22)【出願日】2018-02-20
(65)【公開番号】P2019143697
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2019-10-17
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000228419
【氏名又は名称】日本ギア工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 絵里香
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】田合 弘幸
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-233286(JP,A)
【文献】特開2000-234678(JP,A)
【文献】実開昭55-19819(JP,U)
【文献】特開2003-36759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
F16K 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁駆動装置の開度表示器であって複数の多色表示器の点灯数により弁の中間開度を段階的に表示するとともに、弁の開閉動作中は前記複数の多色表示器を開動作時と閉動作時とで異なる色で点滅させ、電動弁駆動装置の警報発生時には、前記複数の多色表示器を開閉動作時の色とは異なる色で点滅させて警報発生時の弁の中間開度を段階的に表示し、前記複数の多色表示器は環状に配列されることを特徴とする電動弁駆動装置の開度表示器。
【請求項2】
弁が全閉状態で電動弁駆動装置に警報が発生したときは、前記複数の多色表示器のうち1つだけが点滅し、弁が全開状態で電動弁駆動装置に警報が発生したときは、前記複数の多色表示器のすべてが点滅することを特徴とする請求項1記載の電動弁駆動装置の開度表示器。
【請求項3】
前記複数の多色表示器が弁の中間開度で段階的に点灯する際、弁開度が小さいときは隣接する多色表示器を避けて選択点灯することを特徴とする請求項1または2に記載の電動弁駆動装置の開度表示器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所等の各種プラントに設置されるバルブを駆動する電動弁駆動装置の開度表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動弁駆動装置には、駆動対象である弁の開度を表示する開度表示器が標準的または準標準的に備えられている。開度表示器には種々の形式のものがあるが、簡単なものでは、弁の開閉動作と連動する指針と目盛板とにより機械式に開度を表示するものがある。
【0003】
しかし、現在では電動弁駆動装置の小型・軽量化が図られ、電動弁駆動装置本体と一体化されたランプステーションと呼ばれる表示部が設けられ、そこに操作スイッチとともに弁の開度状態を表示するランプが備えられる。ランプステーションでは、弁の開度状態として、全開、全閉、全開/全閉以外の3つの状態を別々の3つのランプの点灯により表示している(特許文献1参照)。また、電動弁駆動装置に過大な負荷が掛かってトルク検知器による警報が発生した場合には、前記3つのランプとは異なる警報ランプで表示しているものもある。
【0004】
さらに、電動弁駆動装置の小型・軽量化を一段と進めた電子制御式の電動弁駆動装置では、コントロールパネルと呼ばれる操作部に、液晶表示器、LEDおよび操作スイッチが備えられ、そこに弁の開度状態や動作状態に加え、警報や故障情報等を1つの液晶表示器に数値や文字で表示しているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-29428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多数の電動弁駆動装置が設置されたプラントの日常監視作業において、弁の開度状態を現場で確認することは欠かすことのできない作業である。そのことは弁の開度状態をセンサにより検出・送信し、遠隔の制御室に設けた開度表示器に開度を表示している場合も同様である。遠隔表示された開度と実際の弁開度とが一致していることを確認する作業は、高い運転信頼性が求められるプラントにあっては、欠かすことができないからである。
【0007】
ここで、従来技術によるランプステーションでは、弁の開度状態を全開、全閉、全開/全閉以外という3つの状態でしか表示していなかったため、いわゆる中間開度に相当する場合、遠目や夜間では弁開度を簡単に確認することは困難であった。一方、コントロールパネルに備えられた液晶表示器等の弁開度を読み取るためには、電動弁駆動装置の機側1~2mの距離まで接近する必要があるし、開度表示器のほぼ正面から見ないと正しい読み取りができない問題がある。
【0008】
また、電動弁駆動装置の設置される環境は様々であり、高所かつ複雑な配管ラインの奥に設置されることもある。電動弁駆動装置の機側1~2mの距離まで接近することが困難な箇所も少なくない。また、配管ラインには高い温度を有する部位もあり、電動弁駆動装置の機側1~2mの距離まで接近する際、監視員の安全確保に問題がある箇所もある。さらに、階段を昇降して高所に行き来するためには、少なからず時間を費やすことになる。また、建屋内の暗部や屋外に設置された電動弁駆動装置を夜間に監視しなければならない場合もある。
【0009】
本発明は、以上述べたような従来の電動弁駆動装置の開度表示器が有する問題を解決すべくなされたものであり、電動弁駆動装置の機側から10m程度離れた位置からでも弁開度を視認可能な電動弁駆動装置の開度表示器を提供することを目的とする。
【0010】
また、監視員が機側に近寄ることが困難な箇所に設置された電動弁駆動装置であっても、安全かつ正確に弁開度の読み取りが可能な電動弁駆動装置の開度表示器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、電動弁駆動装置の開度表示器であって複数の多色表示器の点灯数により弁の中間開度を段階的に表示するとともに、弁の開閉動作中は前記複数の多色表示器を開動作時と閉動作時とで異なる色で点滅させ、電動弁駆動装置の警報発生時には、前記複数の多色表示器を開閉動作時の色とは異なる色で点滅させて警報発生時の弁の中間開度を段階的に表示し、前記複数の多色表示器は環状に配列されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載の電動弁駆動装置の開度表示器において、弁が全閉状態で電動弁駆動装置に警報が発生したときは、前記複数の多色表示器のうち1つだけが点滅し、弁が全開状態で電動弁駆動装置に警報が発生したときは、前記複数の多色表示器のすべてが点滅することを特徴とするものである。
【0015】
請求項の発明は、請求項1または2に記載の電動弁駆動装置の開度表示器において、前記複数の多色表示器が弁の中間開度で段階的に点灯する際、弁開度が小さいときは隣接する多色表示器を避けて選択点灯することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電動弁駆動装置の設置場所から10m程度離れた位置からでも弁開度情報や警告情報を容易、かつ確実に視認できる。また、プラント建屋内の暗所に設置された電動弁駆動装置や、屋外に設置された電動弁駆動装置の弁開度情報等を夜間でも容易、かつ確実に視認できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による第1の実施形態を示す多色表示器の点灯・点滅パターン図である。
図2】本発明による第2の実施形態を示す多色表示器の点灯・点滅パターン図である。
図3】本発明による第3の実施形態を示す多色表示器の点灯・点滅パターン図である。
図4】本発明による第4の実施形態を示す多色表示器の点灯・点滅パターン図である。
図5】従来の電動弁駆動装置の開度表示の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図5は、電動弁駆動装置の弁開度を検出して開度表示器に表示する一般的なブロック図である。このブロック図は従来技術のみならず、本発明にも適用される。電動弁駆動装置1は、モータ2の回転をウォーム歯車等の減速歯車列3により減速してドライブスリーブ4に伝達し、該ドライブスリーブ4に内嵌されたステムナットを回転させる構造となっている。そして、仕切弁であればステムナットと螺合するステムシャフトを往復動作させて弁を開閉することになる。
【0019】
弁の開度情報は減速歯車列3から取り出した回転を更に減速し、開度検出器5で検出している。開度検出器5にはポテンショメータを用いてアナログ信号を取り出すこともできるし、アブソリュート式のロータリーエンコーダを用いてデジタル信号を取り出すこともできる。開度検出器5で検出された電気信号は信号処理部6で信号処理され、弁開度を開度表示器7に表示するようになっている。
【0020】
電子制御式の電動弁駆動装置では、液晶表示器に弁開度を0%~100%の数値として表示する場合が多い。しかし、その場合であっても液晶表示器では斜め方向からの正確な視認は難しいし、電動弁駆動装置の機側に近寄らなければ弁開度の確認は困難な場合が多い。このような事情から、液晶表示器とは別に弁の大まかな開度情報を確認すべく、弁の全開、全閉、それら以外の中間開度のいずれであるかを3つのランプまたはLEDを用いて表示している場合が多い。たとえば、全開状態では赤色ランプ、全閉状態では緑色ランプ、中間開度では橙色ランプを点灯させている。また、電動弁駆動装置に過大な負荷が掛かってトルク検知器による警報が発生した場合には、別のランプを点滅させて表示している。このことにより、機側から数mの距離があり、液晶表示器に表示された弁開度を直接視認できない場合であっても、弁が全開、全閉、中間開度のいずれの状態であるかを確認できるようになっている。
【0021】
しかし、弁が全開、全閉、中間開度のいずれの状態であるかを視認できるだけでは不十分な場合もある。中間開度の場合、1%刻みの開度情報までは必要ないものの、たとえば20%であるのか、60%であるのか程度の概略開度を知りたいという要望がある。本発明は、このような要望を満たすべく成されたものである。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による多色表示器の点灯・点滅パターンを示す図面である。多色表示器としては、市販されている赤色、緑色、橙色の3色の発光が可能な多色LEDを直線状に全部で5個配列している。5個の多色LEDの点灯数により弁開度を表示するとともに、弁の開閉動作時は5個の多色LEDを弁開度に応じて点滅させ、電動弁駆動装置の警報発生時には、警報発生時の弁開度に応じて点灯または点滅していた多色LEDを、開閉動作時の色と異なる色で点滅させるものである。
【0023】
ここで、図1図4に示す本発明の電動弁駆動装置の多色LEDの点灯・点滅パターンについて説明する。停止時のパターンにおいて、円の中に斜め右上がりの斜線を付した多色LEDは緑色で点灯することを示し、円の中に斜め左上がりの斜線を付した多色LEDは橙色で点灯することを示し、黒丸印の多色LEDは赤色で点灯することを示している。また、動作時のパターンにおいて、二重丸印の多色LEDは点滅することを示している。図中では同じ二重丸印として区別されていないが、弁の開閉動作時には異なる色で点滅するようにされている。具体的には、開動作時は赤色で点滅する一方、閉動作時は緑色で点滅する。さらに、アラーム時のパターンにおいて、円の中に×を付した多色LEDは橙色で点滅することを示している。これらの点灯・点滅色は、図2図4に示す他の実施形態でも共通している。なお、点灯・点滅パターンの空欄は消灯を示している。
【0024】
先ず、電動弁駆動装置の停止時の弁開度の表示パターンについて説明する。弁開度の0%~100%を5段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点灯数が1個増加するようにされている。すなわち、弁開度が0%超~20%未満で停止している状態では1個の多色LEDだけが点灯する。弁開度が20%超~40%未満で停止している状態では2個の多色LEDが点灯し、弁開度が40%超~60%未満で停止している状態では3個の多色LEDが点灯し、弁開度が60%超~80%未満で停止している状態では4個の多色LEDが点灯し、弁開度が80%超~100%未満で停止している状態では5個の多色LEDが点灯する。そして、弁開度が0%で停止している状態では5個の多色LEDが緑色で点灯し、弁開度が100%で停止している状態では5個の多色LEDが赤色で点灯することを示している。したがって、多色LEDの点灯数により弁開度を20%刻みで視認することが可能となる。
【0025】
次に、電動弁駆動装置により弁が開閉動作しているときの動作表示パターンについて説明する。弁開度を5段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点滅数を1個増加するようにされている点は開度表示パターンと同じである。図1では同じ二重丸印として区別されていないが、開動作時は赤色で点滅する一方、閉動作時は緑色で点滅する。したがって、弁が開閉いずれの動作をしているか判別できるとともに、弁開度が5段階のうち、いずれの開度段階にあるか視認することが可能となる。
【0026】
また、本発明の開度表示器では、電動弁駆動装置に過大な負荷が作用し、トルク値などが警報レベルを超えた場合に警報(アラーム)を表示することとしている。そこで、警報表示パターンについて説明する。警報表示パターンについても、弁開度を5段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点滅数を1個増加するようにしている点は動作表示パターンと同じである。ただし、開閉動作時の色と異なる橙色で点滅する。そして、弁開度が0%で停止している状態で警報が発生したときは、1個の多色LEDが橙色で点滅し、弁開度が100%で停止している状態で警報が発生したときは、5個の多色LEDが橙色で点滅することとしている。したがって、弁開度が如何なる状態において警報が発生しているか容易に知ることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態による多色表示器の点灯・点滅パターンを示す図面である。第1の実施形態を示す図1では、全部で5個の多色LEDを使用して弁開度を5段階で表示しているのに対し、第2の実施形態を示す図2では、全部で7個の多色LEDを使用して弁開度を7段階で表示している点が大きく異なる。しかし、多色LEDを直線状に配列している点、停止時の多色LEDの点灯パターン、開閉動作時の多色LEDの点滅パターン、警報発生時の多色LEDの点滅パターンに関しては、大きく異なる点はない。
【0028】
先ず、電動弁駆動装置の停止時の弁開度の表示パターンについて説明する。弁開度の0%~100%を7段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点灯数が1個増加するようにされている。すなわち、弁開度が0%超~14.3%未満で停止している状態では1個の多色LEDだけが点灯する。そして、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点灯数は順次1個増加するようにされており、弁開度が85.7%超~100%未満で停止している状態では7個の多色LEDが点灯する。また、弁開度が0%で停止している状態では7個の多色LEDが緑色で点灯し、弁開度が100%で停止している状態では7個の多色LEDが赤色で点灯することを示している。したがって、5個の多色LEDを用いて弁開度を段階的に表示している第1の実施形態に較べると、この実施形態によれば、より詳しい弁開度を表示することができる。
【0029】
この実施形態における多色LEDの点灯・点滅パターンの特徴的な点は、多色LEDが弁開度に応じて点灯・点滅する際、弁開度が小さいときは隣接する多色LEDを避けて選択点灯することである。この点灯・点滅パターンにより、遠目や夜間でも点灯・点滅している多色LEDの数を確実に視認できる効果を奏する。
【0030】
具体的に実機で確認したところ、直径3mmの多色LEDを10mm間隔で7個直線状に並べ、隣接する2個を点灯した状態で5m離れると、点灯数が1個か2個かを明確に判別することはできなかったが、1個飛ばして20mm間隔で2個点灯すると、明確に2個が点灯していることを確認できた。もちろん監視員の視力の影響を受けるが、前記確認結果は同一人で確認した結果である。また、直径5mmの多色LEDを10mm間隔で7個直線状に並べ、隣接する2個を点灯した場合、10m離れると点灯数が1個か2個かを明確に判別することはできなかったが、1個飛ばして20mm間隔で2個点灯すると、10m離れた位置からも2個が点灯していることを明確に確認できた。
【0031】
電動弁駆動装置により弁が開閉動作しているときの動作表示パターンについては、弁開度が7段階で表示されるのに応じて、開閉動作時に点滅する多色LEDの個数も7段階で表示される。開動作時は赤色で点滅する一方、閉動作時は緑色で点滅する点は第1の実施形態と同じである。
【0032】
警報表示パターンについても弁開度を7段階に分割している点を除き、第1の実施形態と同じである。すなわち、警報表示パターンは、弁開度を7段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点滅数を1個増加するようにしており、開閉動作時の色と異なる橙色で点滅する。そして、弁開度が0%で停止している状態で警報が発生したときは、1個の多色LEDが橙色で点滅し、弁開度が100%で停止している状態で警報が発生したときは、5個の多色LEDが橙色で点滅することとしている。
【0033】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態による多色表示器の点灯・点滅パターンを示す図面である。第3の実施形態では、5個の多色LEDを環状に配置している点が、第1の実施形態や第2の実施形態と大きく異なる。電動弁駆動装置の停止時に点灯する多色LEDの弁開度に対する個数および色は第1の実施形態と同じである。ただし、弁開度が小さいときは、隣接する多色LEDを避けて選択点灯するようにされている。
【0034】
電動弁駆動装置の開閉動作時における動作表示パターンおよび警報表示パターンは、多色LEDの配置が異なる点を除き、点滅個数および点滅色は第1の実施形態と同じである。すなわち、弁開度を5段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点滅数を1個増加するようにされている。そして、開動作中は赤色で点滅する一方、閉動作中は緑色で点滅する。また、弁開度が0%で停止している状態で警報が発生したときは、1個の多色LEDが橙色で点滅し、弁開度が100%で停止している状態で警報が発生したときは、5個の多色LEDが橙色で点滅することとしている。
【0035】
この実施形態によれば、配置する多色LEDの個数を増加させても、第1の実施形態のように直線状に配置する場合に較べると、専有スペースが少なくて済む特徴がある。逆に同じ専有スペースに配置する場合、隣り合う多色LEDの間隔を大きくすることができ、視認性を向上することが可能となる。
【0036】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態による多色表示器の点灯・点滅パターンを示す図面である。この第4の実施形態では、6個の多色LEDが環状に配置されているとともに、その中心にも1個の多色LEDを追加し、合計7個の多色LEDを配置している点が第3の実施形態と大きく異なる。すなわち、多色LEDの配置は、直線状配置と環状配置とを組み合わせたものということができる。
【0037】
電動弁駆動装置の開閉動作時における動作表示パターンおよび警報表示パターンは、多色LEDの配置と個数が異なる点を除き、第3の実施形態とほぼ同じである。すなわち、弁開度を7段階に分割し、弁開度が1段階増加するごとに多色LEDの点滅数を1個増加するようにされている。そして、開動作時は赤色で点滅する一方、閉動作時は緑色で点滅する。また、弁開度が0%で停止している状態で警報が発生したときは、1個の多色LEDが橙色で点滅し、弁開度が100%で停止している状態で警報が発生したときは、7個の多色LEDが橙色で点滅することとしている。
【0038】
この実施形態によれば、第3の実施形態に較べると、より詳しい弁開度を表示することができる。
【0039】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施をすることができる。例えば、上述した実施形態では、多色LEDとして、赤色、緑色、橙色の3色の発光が可能なものを用いたが、色は他の色であっても適用でき、前記3色に限定されない。また、たとえば多色LEDにより5色以上を発光させれば、動作時やアラーム時において点滅に代えて点灯で表示することができ、さらに停止時の弁開度表示において点灯に代えて点滅で表示することができる。要するに、停止時、動作時、アラーム時における各パターンが識別可能であればよく、上述した実施形態に示した点灯・点滅パターンに限定されるものではない。
【0040】
また、弁開度が大きくなると多色LEDの点灯数が増加する例について説明したが、逆に弁開度が小さくなると、多色LEDの点灯数が増加するようにしてもよい。さらに、多色LEDを5個用いた例と7個用いた例について説明したが、3個以上であれば多色LEDは何個であっても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る電動弁駆動装置の開度表示器は、各種プラントの配管等に設けられる電動弁駆動装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 電動弁駆動装置
7 開度表示器
図1
図2
図3
図4
図5