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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】光源ユニット、および照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/16 20060101AFI20220720BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220720BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20220720BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220720BHJP
【FI】
F21V17/16 100
F21S2/00 230
F21V17/00 154
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018044822
(22)【出願日】2018-03-12
(65)【公開番号】P2019160533
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富田 拓未
(72)【発明者】
【氏名】棟近 正夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 肇
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-220034(JP,A)
【文献】特開2016-201334(JP,A)
【文献】特開2015-162378(JP,A)
【文献】特開2015-141769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/16
F21S 2/00
F21V 17/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部を有する光源ユニットと、
前記光源ユニットを保持する本体ユニットと、を備える照明器具であって、
前記光源ユニットは、前記光源部を覆う長尺状のセードを有し、
前記セードは、
前記光源部に対向して配置され、前記光源部の照射面側を覆う対向面部と、
前記対向面部の短手方向の両端から延出され、前記光源部の側面を覆う一対の側面部とを有し、
前記側面部は、前記セードの長手方向に亘って配置される平面部と、当該平面部の短手方向の一端と前記対向面部の短手方向の両端との間に配置される一対の溝部を有し、
前記溝部は、長手方向に亘って、前記側面部と前記対向面部の境界部分に位置するように設けられる、照明器具。
【請求項2】
前記一対の側面部は、互いに平行である、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
光源部を有する光源ユニットであって、
前記光源ユニットは、前記光源部を覆う長尺状のセードを有し、
前記セードは、
前記光源部に対向して配置され、前記光源部の照射面側を覆う対向面部と、
前記対向面部の短手方向の両端から延出され、前記光源部の側面を覆う一対の側面部とを有し、
前記側面部は、前記セードの長手方向に亘って配置される平面部と、当該平面部の短手方向の一端と前記対向面部の短手方向の両端との間に配置される一対の溝部を有し、
前記溝部は、長手方向に亘って、前記側面部と前記対向面部の境界部分に位置するように設けられる、光源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット、および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低消費電力、長寿命などの利点を有するLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を光源として用いた照明器具が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源ユニットにおいてLEDモジュールを覆うように、取付部に取り付けられる透光性カバー(セード)を有する照明器具が開示されている。具体的には、特許文献1に開示される透光性カバーは、一方の縁と他方の縁との間に形成され、断面が円弧状のカバー本体と、カバー本体の一方の縁を基端部として起立する第1のカバー側壁部と、カバー本体の他方の縁を基端部として起立する第2のカバー側壁部を備える。すなわち、透光性カバーは、側面に平面部として第1のカバー側壁部と第2のカバー側壁部を有している。当該第1のカバー側壁部と第2のカバー側壁部は、LEDモジュールの配置面に対して直交するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-76569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具では、透光性カバーの側面が平面であるため、作業者が光源ユニットを器具本体(本体ユニット)から取り外す際に、作業者が透光性カバーを手で掴みにくく(指で引掛ける部分がなく)、光源ユニットの着脱作業が煩雑であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本体ユニットから光源ユニットを取り外す際に、作業者がセードを手で掴み易くした光源ユニット、および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
光源部を有する光源ユニットと、
前記光源ユニットを保持する本体ユニットと、を備える照明器具であって、
前記光源ユニットは、前記光源部を覆う長尺状のセードを有し、
前記セードは、
前記光源部に対向して配置され、前記光源部の照射面側を覆う対向面部と、
前記対向面部の短手方向の両端から延出され、前記光源部の側面を覆う一対の側面部とを有し、
前記側面部は、前記セードの長手方向に亘って配置される平面部と、当該平面部の短手方向の一端と前記対向面部の短手方向の両端との間に配置される一対の溝部を有し、
前記溝部は、長手方向に亘って、前記側面部と前記対向面部の境界部分に位置するように設けられるものである。
【0009】
本願に開示する照明器具において、
前記一対の側面部は、互いに平行であることが好ましい。
【0010】
本願に開示する光源ユニットは、
光源部を有する光源ユニットであって、
前記光源ユニットは、前記光源部を覆う長尺状のセードを有し、
前記セードは、
前記光源部に対向して配置され、前記光源部の照射面側を覆う対向面部と、
前記対向面部の短手方向の両端から延出され、前記光源部の側面を覆う一対の側面部とを有し、
前記側面部は、前記セードの長手方向に亘って配置される平面部と、当該平面部の短手方向の一端と前記対向面部の短手方向の両端との間に配置される一対の溝部を有し、
前記溝部は、長手方向に亘って、前記側面部と前記対向面部の境界部分に位置するように設けられるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、側面部に溝部を設けたことで、本体ユニットから光源ユニットを取り外す際に、作業者が手で掴み易くすることができる。さらに、側面部に溝部を設けない構成と比較して、平面部の高さ寸法が視覚的に小さく感じられ、セード及び光源ユニットが薄く見える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を斜め下方から見た斜視図。
図2】同じく照明器具を下方から見た平面図。
図3】本体ユニットを示す斜視図。
図4】光源ユニットを示す斜視図。
図5図2に示す照明器具(本体ユニットと光源ユニットを分離した状態)を示すA-A線断面図。
図6図2におけるB-B線断面図。
図7】取付金具を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図。
図8】取付金具の変形例を示す側面図。
図9】取付バネを示す図であり、(a)(b)は斜視図、(c)は側面図。
図10】本体ユニットの下方に配置した光源ユニットを示す断面図。
図11】光源ユニットのフック部を本体ユニットの引掛部に引掛けた状態を示す断面図。
図12】光源ユニットを略水平に保持した状態を示す断面図。
図13】光源ユニットを本体ユニットに取り付けた状態を示す図。
図14】取付バネの変形例を示す斜視図。
図15】凹部の変形例を示す斜視部。
図16図6におけるセードの溝部を拡大して示す拡大断面図。
図17】光源ユニットを分解して示す分解斜視図。
図18図17における光源部の一部を拡大して示す部分拡大斜視図。
図19】(a)は取付バネの保持部により配線を保持した状態を示す上面図、(b)は(a)におけるC-C線断面図。
図20図19(a)におけるY矢視図。
図21】エンドキャップを示す斜視図。
図22】エンドキャップのガイド部に配線を配置した状態を示す断面図。
図23】取付金具の変形例を示す斜視図。
図24】取付バネの変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、図1から図22を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、LED53を光源とする照明器具である。照明器具11は、例えば天井面や壁面等の取付面(本実施形態では、天井面C)に直付けされるベースライトである。照明器具11の外形は、図2に示すように、平面視において短手方向の長さに対して長手方向の長さの比率が大きい細長い形状である。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における天井面や壁面等の取付面に対向する側を照明器具11の取付面側(照射面側の反対側)として説明する。また、照明器具11において、図1図3から図6図10から図13図16図20図22における上下方向を、照明器具11の「上下方向」として説明する。また、本実施形態の説明において、下方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。照明器具11等の断面形状を視た状態を断面視とする。
なお、照明器具11の形状は、本実施形態に示すような細長い形状に限らず、平面視における形状が円形形状やスクエア形状であってもよい。
また、本実施形態に係る照明器具11は、天井面Cに直付けする天井直付け型の照明器具であるが、特に限定するものでない。例えば、天井面等に埋め込んで取り付ける埋込型照明器具であってもよい。
【0014】
照明器具11は、照明器具11の器具本体となる本体ユニット21と、光源ユニット41と、を備える。
【0015】
本体ユニット21は、平面視において細長い長方形状であり、断面視において略台形状である。本体ユニット21は、図3に示すように照射面側(下側)に本体ユニット21の短手方向の中央部に、長手方向に沿って溝状に延出される凹部22を有する。凹部22は、断面略U字状であり、上面部(底面部)22aと、該上面部22aの短手方向の両端から下方に延設され、互いに対向する一対の側壁部22bとを有する。上面部22aは、取付部材(例えば、ボルト・ナット等)により天井面Cに近接して取り付けられる部分である。本体ユニット21は、光源ユニット41が凹部22に取り付けられた状態で、光源ユニット41を照射面側に保持する部材である。
【0016】
本体ユニット21は、凹部22、該凹部22の側壁部22bの下端部から斜め上方に延設される傾斜面部25、該傾斜面部25の上端部から上方に延設される側壁部24、及び本体ユニット21の長手方向の両端に配置され、凹部22と傾斜面部25の長手方向の両端を閉塞するエンド部材26、端子台62及び取付金具31を有している。本体ユニット21は、凹部22とエンド部材26とにより形成される、細長い長方形状の開口を有する有底箱状の空間を有している。
なお、本実施形態においては、本体ユニット21の照射面側に一つの凹部22を有する構成であるが、特に限定するものではない。例えば、複数の光源ユニット41を取付けるために本体ユニットの照射面側に複数の凹部を有する構成としてもよい。
また、上面部22a、側壁部22b、傾斜面部25、及び側壁部24は、一体成形される。また、上面部22aと側壁部22bと傾斜面部25と側壁部24とで一体成形された部材と、エンド部材26とは、別部材で構成される。
また、上面部22a、側壁部22b、傾斜面部25、及び側壁部24と、エンド部材26とは、一体成形されてもよい。
【0017】
傾斜面部25は、光源ユニット41が本体ユニット21に取り付けられた際に光源ユニット41に隣接する部分であり、傾斜面部25の照射面側表面が光源ユニット41から出射された光を下方や側方に向けて反射する光反射面となる。
【0018】
本体ユニット21を構成する材料としては、例えば熱伝導率の高いアルミニウムやアルミニウム合金、鉄や鉄合金等の金属材料が挙げられる。本体ユニット21は、光源ユニット41を保持可能な耐久性と、光源ユニット41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄合金等の金属材料を用いて形成されている。本体ユニット21は、例えば、板金(本実施形態では、鉄合金製の板金)を屈曲して加工することよりにより形成されている。なお、本体ユニット21は、光源ユニット41を保持可能な耐久性及び必要な放熱性が確保できる材料であれば、鉄合金などの金属に限らず、樹脂などの他の材料、もしくはそれらの組み合わせで形成することができる。
なお、エンド部材26を樹脂材料で成形し、他の部材を金属材料で形成してもよい。これにより、照明器具の軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【0019】
凹部22は、光源ユニット41の上端側(例えば、光源部51のLED53を点灯させるための電源装置61等)を収容する部分である。凹部22は、光源ユニット41の上端側が凹部22に取り付けられた際に、凹部22内に電源装置61、端子台62、配線等を収容するための高さ(深さ)及び幅が確保されている。凹部22には、凹部22の長手方向の中途部の複数箇所(本実施形態では、2箇所)に後述する光源ユニット41の取付バネ71を取り付けるための取付金具31が設けられている(図5参照)。凹部22の上面部22aには、光源ユニット41の長手方向の中央近傍に貫通孔27が形成されており、天井面Cの内側に配置された外部電源から延出される電源線(図示せず)が挿通される。
【0020】
端子台62は、上面部22aの照射面側に取り付けられている。端子台62は、凹部22内において取付金具31と貫通孔27との間に配置されている。端子台62には、電源線が接続される。
【0021】
取付金具31は、本体ユニット21の凹部22内に配置される。取付金具31は、光源ユニット41が有する取付バネ71を取付可能である。取付金具31は、断面視略矩形状(略U字状)の金属製の部材である(図7(c)等参照)。取付金具31は、凹部22の上面部22aの照射面側に取り付けられる。取付金具31は、本体ユニット21の上面部22aの長手方向の中央に設けられた貫通孔27を中心に対向し、貫通孔27から等間隔離間した位置に配置される。
なお、上記のように、本実施形態では、一対の取付金具31が貫通孔27を中心に対向し、貫通孔27から等間隔離間した位置に配置されるが、これは一例であり、取付金具31は本体ユニット21の上面部22aの長手方向の任意の位置に配置することができる。
【0022】
図7に示すように、取付金具31は、延出部32と、延出部32に対向して配置される第2被係合部33と、連結部34とを有している。連結部34は、略板状であり、延出部32と、第2被係合部33とを連結する。連結部34には複数(本実施形態では2つ)の貫通孔35が形成される。取付金具31は、貫通孔35を介して凹部22の上面部22aに向かってビスを螺合することにより、凹部22に取り付けられる。
【0023】
延出部32は、連結部34の一端から連結部34の延出方向の外側に延出される部分であり、引掛部36と、第1被係合部37を有している。引掛部36は、取付バネ71のフック部72を引っ掛ける部分である。第1被係合部37は、取付バネ71の第1係合部72cが係合される部分である。
【0024】
引掛部36は、略板状で側面視略U字状であり、連結部34の一端から略垂直に延出されている。第1被係合部37は、略板状であり、引掛部36よりも連結部34の延出方向の外側に切り起こして形成されている。すなわち、第1被係合部37は、引掛部36に開口形成される略U字状の貫通孔38の上縁から連結部34の延出方向の一端から外側に張り出すように形成されている。第1被係合部37は、張出部37aと、基部37bと、屈曲部37cを有している。張出部37aは、略板状であり、連結部34の一端より引掛部36の外側に延出されている。基部37bは、略板状であり、張出部37aの一端から略垂直に延出されている。屈曲部37cは、屈曲した板状であり、基部37bの先端部から延設され、第1被係合部37に対向する第2被係合部33側に向けて突出する断面視略V字状の部分である。屈曲部37cは、先端部が第2被係合部33側に向かって斜め下方に延出される、略板状の傾斜面37dを有している。屈曲部37cには、取付バネ71の第1係合部72cが係合される。
【0025】
第2被係合部33は、基部33aと、屈曲部33bを有している。基部33aは、略板状であり、連結部34の他端から略垂直に延出されている。屈曲部33bは、屈曲した板状であり、基部33aの先端部から延設され、第2被係合部33に対向する延出部32側に向けて突出する断面視略V字状の部分である。屈曲部33bは、先端部が延出部32側に向かって斜め下方に延出される、略板状の傾斜面33cを有している。屈曲部33bには、取付バネ71の第2係合部73が係合される。
なお、延出部32と第2被係合部33は、上縁側のみで連結部34によって連結され、下縁側は離間している。これにより、第2被係合部33の先端側は自由端で、基端側のみが固定される固定端となるので、第2被係合部33の弾性変形を阻害しない。加えて、本実施形態の取付バネ71は、当該下縁側を連結する構造に比べて使用する材料が少なく済みコストダウンになるとともに、加工が容易なので、製造しやすい。
【0026】
また、図8には、取付金具31の変形例として取付金具31Aを示している。取付金具31Aは、取付金具31において第2被係合部33の引掛部36と対向する側に、先端部に傾斜面39aを有する傾斜延出部39をさらに設ける構成としている。このように構成することで、本体ユニット21に光源ユニット41を取り付ける際に、取付バネ71の第2係合部73を傾斜面39aに接触させることで、第2係合部73を取付金具31の第2被係合部33に案内し、光源ユニット41を本体ユニット21の正規の位置へ案内することができる。
【0027】
図5に示すように、光源ユニット41は、取付部材であるベース部材42、光源部(LEDモジュール基板)51、電源部である電源装置61、取付バネ71、セード81、一対のエンドキャップ91を主に備える。
【0028】
ベース部材42は、照射面側に光源部(LEDモジュール基板)51及びセード81を保持し、取付面側に電源装置61、取付バネ71を保持する部材である。ベース部材42は、長尺の金属製の板状部材である。ベース部材42は、光源部51で発生した熱を吸収し、ベース部材42の外側の空気に放出する放熱機能も有する。ベース部材42は、その長手方向の寸法及び短手方向の寸法が前述した凹部22と比べて、やや小さくなるように形成されている。
【0029】
光源取付部42aは、光源部(LEDモジュール基板)51が取り付けられる部分である。光源取付部42aは、ベース部材42の照射面側(下側)の平面視長方形状の板状部分である。ベース部材42は、光源部51で発生した熱を吸収し、ベース部材42の外側の空気に放出する放熱機能も有するため、光源部51が当接される光源取付部42aは、光源部51との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。
【0030】
光源部51は、照明器具11の照射面側に向けて光を出射する部分である。光源部51は、図6に示すように、モジュール基板である。光源部51は、平板状(横長状)に加工された長尺状の基板54上に、この基板54の長手方向に点光源である複数のLED53が、等間隔かつ略直線状に基板上に並べられて配置されたものである(図17参照)。複数のLED53は、基板54の短手方向において略中央に配置されている。なお、本実施形態では光源として複数のLED素子(表面実装タイプのLED素子)を用いたが、これに限らず、COB型発光モジュールや有機EL素子などを用いても良い。光源部51は、光源取付部42aの照射面側に当接して配置され、ビス等の取付部材により取り付けられる。光源部51は、配線63によって電源装置61と電気的に接続されている。
なお、光源部51は、熱伝導性シート(図示せず)や放熱グリスを介して光源取付部42aに取り付けてもよく、これにより、より高い放熱性を得ることもできる。
【0031】
図17に示すように、基板54の照射面側には、基板54の長手方向の少なくとも一方の端部に配線63が電気的に接続されるコネクタ64が設けられている。コネクタ64は、電源装置61との間を配線63を介して電気的に接続するためのものである。コネクタ64に配線63が接続されることで、基板54と電源装置61とが電気的に接続される。コネクタ64は、基板54の短手方向において複数のLED53とは異なる位置に配置されている。具体的には、コネクタ64は、図18に示すように、基板54の短手方向(幅方向)の中心からずれた位置に設けられている。
なお、図17図18においては、光源ユニット41及び電源装置61の上下方向は紙面の上下方向とは逆になっている。
【0032】
電源装置61は、光源部51が有するLED53に配線63を介して給電を行って、LED53を点灯させるための装置である。電源装置61は、箱状の電源ケース内に直方形状に加工されたプリント配線板上に複数の電子部品が実装された電源回路が収容されたものである。電源装置61は、光源取付部42aの取付面側におけるベース部材42の長手方向の中央寄りに配置されている。電源装置61は、外部電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流を基板54に実装された複数のLED53に供給するためのものである。電源装置61は、配線(図示せず)を介して本体ユニット21の端子台62に電気的に接続されている。
【0033】
電源装置61は、図5に示すように、電源装置61は、光源取付部42aの貫通孔27に対向する位置に配置されている。電源装置61は、電源ケースの上面の一端部に傾斜面61aを備えている。当該傾斜面61aは、光源ユニット41を本体ユニット21に取り付けた際に貫通孔27に対向する。電源装置61に傾斜面61aを設けたことにより、光源ユニット41を本体ユニット21に取り付けた状態において、貫通孔27と電源装置61との間の空間を大きく確保できるため、貫通孔27から挿通する外部電源の電源線の急角度な屈曲を防止でき、電源線の被覆損傷や断線を防止することができる。
【0034】
照明器具11を天井面Cに取り付ける際には、外部電源の電源線を貫通孔27から引出して、本体ユニット21が天井面Cに固定される。電源装置61は、当該電源線が端子台62に接続されることにより、外部電源と電気的に接続される。電源装置61と光源部51は配線によって電気的に接続されている。
【0035】
取付バネ71は、本体ユニット21が有する取付金具31に着脱可能である。取付バネ71は、断面視略矩形状(略U字状)で弾性を有する金属製の部材である(図9参照)。取付バネ71は、例えば、金属製の板バネである。取付バネ71は、光源取付部42aの取付面側に取り付けられる。取付バネ71は、光源取付部42aの取付面側の長手方向の中央部を中心に対向し、中央部から等間隔離間した位置に配置される。すなわち、取付バネ71は、本体ユニット21の取付金具31に対応した位置に配置される。
【0036】
図9に示すように、取付バネ71は、フック部72と、フック部72に対向して配置される第2係合部73と、連結部74とを有している。連結部74は、略板状であり、フック部72と第2係合部73とを連結する。連結部74には複数(本実施形態では2つ)のビス止め用の貫通孔75が形成される。取付バネ71は、貫通孔75を介して光源取付部42aの取付面側からビスを螺合することにより、光源ユニット41の取付面側に取り付けられる。
【0037】
また、連結部74には、任意の位置に貫通孔76が形成される。貫通孔76は、光源取付部(シャーシ)42aに基板54をビスで固定した際に、光源取付部42aを貫通して取付面側に突出するビスの先端が連結部74に干渉するのを防ぐためのものである。
【0038】
また、図9に示すように、取付バネ71の連結部74には、上側(取付面側)に向かって凸状で側面視矩形状の保持部77を有している。保持部77は、例えば、電源装置61からLED53が複数実装された基板54に延びる二次側配線である配線63を光源取付部42aの照射側面に沿って保持するものである(図19(a)参照)。これにより、ベース部材42に配線63を固定する際に、取付バネ71の保持部77に配線63を通して保持するだけでよいので、配線63を固定する作業を容易に行うことができる。また、配線63の位置をベース部材42に沿って固定できるので、配線63がベース部材42から浮いた状態になることを防ぎ、引っ掛かることによる断線リスクを低減できる。この断線リスクを低減できる例としては、光源ユニット41を本体ユニット21に装着する際に、配線63を光源ユニット41と本体ユニット21との間に挟んでしまうことによる断線を防止できる。さらには、光源ユニット41を本体ユニット21から外す際に、配線63が本体ユニット21の取付金具31などに引っ掛かることによる断線を防止できる。また、ベース部材42に取付バネ71を取り付ける際に、同時に配線63の固定ができるので、照明器具11の組立作業性が向上する。
なお、保持部77の形状は、配線63が保持可能な形状であればよく、側面視矩形状以外の形状であってもよい。保持部77の形状は、例えば、半円状、半楕円状、三角形状等であってもよい。
【0039】
また、保持部77の高さ寸法および幅寸法は、配線63の太さ(外径)よりも僅かに大きいことが好ましい。これにより、配線63に連続的な押圧力がかからないので、配線63の被覆の損傷を防止できる。すなわち、保持部77の寸法が配線63よりも小さい場合、配線63に押圧力がかかり続ける状態になり、被覆損傷のリスクがあるからである。
【0040】
保持部77は、基板54の短手方向(幅方向)において複数のLED53よりも基板54の短手方向端部に近い位置に設けられる。保持部77は、基板54の短手方向(幅方向)において複数のLED53からずれた位置に設けられる。具体的には、複数のLED53は、基板54の短手方向(幅方向)の中心において基板54の長手方向に沿って配置されている。すなわち、複数のLED53は、図19(a)においてC-C線に沿って配置されている。これに対して、保持部77は、取付バネ71の幅方向の中心(C-C線)からずれた位置に設けられている。これにより、ベース部材の取付面側に配置される配線63と、基板54に配置される複数のLED53とが重ならないようにすることができるので、LED53が発する熱がベース部材42を介して配線63に伝わりにくくすることができる。ひいては、配線63の熱による劣化を防ぐことができる。
なお、基板54上におけるLED53の幅方向位置は、中心に限らず、幅方向端部側に寄った位置であってもよい。その際、LED53の幅方向位置と配線63の幅方向位置とが表裏(照射面側と取付面側)で重ならないよう、偏心方向が互いに異なるように構成することが好ましい。
【0041】
上述したように、基板54には、基板54の長手方向の少なくとも一方の端部に配線63が電気的に接続されるコネクタ64が設けられている。コネクタ64は、基板54の短手方向において複数のLED53が並んでいる位置とは異なる位置に配置される。また、保持部77は、基板54の短手方向においてコネクタ64に対応した位置に設けられる。すなわち、基板54の短手方向において保持部77とコネクタ64の位置を同じ位置とすることで、保持部77とコネクタ64との間に配置される配線63が基板54の長手方向に沿って略直線状になる。
このように、コネクタ64を基板54の短手方向において複数のLED53とは異なる位置に配置することで、基板54の長手方向の端部までLED53を配置できるので、光源ユニット41の長手方向の端部における光量を確保できる。また、LED53が並んで配置されている基板54の端部(LED列の端部)にコネクタ64を設けた場合、最も端部に配置されるLED53とコネクタ64との距離が近いため、コネクタ64がLED53の配光範囲内(例えば配光角度120度)に入りやすくなり、コネクタ64が隣接するLED53が発する光を遮り、セード81に影が生じるおそれがある。本実施形態では、LED列の端部にコネクタ64を設けず、LED列から幅方向にずれた位置にコネクタ64を配置するため、LED53とコネクタ64との距離を長くすることができるため、コネクタ64がLED53の配光範囲内(例えば配光角度120度)に入りにくくなり、セード81に影が生じるおそれが少ない。また、保持部77をコネクタ64に対応する位置に設けたことで、配線63を急角度で曲げて配置することがないため、配線63の断線リスクを低減できる。
【0042】
なお、本実施形態では、複数のLED53を基板54の短手方向(幅方向)において中央に1列並べて構成しているが、例えば、基板54の幅方向において任意の位置に複数列(2列、3列等)のLED53を並べて構成してもよい。この場合、その中心は複数列のLED53の幅方向中心になる。
【0043】
フック部72は、本体ユニット21が有する取付金具31の引掛部36に引っ掛ける部分である。フック部72は、当該引掛部36に引掛けることで、本体ユニット21に対して光源ユニット41を仮吊りするためのものである。
ここで、「仮吊り」とは、例えば、本体ユニット21に光源ユニットを取り付ける際に、配線接続又は修理点検等で光源ユニット41を本体ユニット21に一時的に吊下げた状態のことをいう。
【0044】
フック部72は、側面視鉤状であり、基部72aと、湾曲部72bと、第1係合部72cとを有している。基部72aは、略板状であり、連結部74の一端から略垂直に延出されている。湾曲部72bは、基部72aの先端部から延設され、側面視円弧状に湾曲した板状の部分である。第1係合部72cは、屈曲した板状であり、湾曲部72bの先端部から延設され、第1係合部72cに対向する基部72a側に向けて突出する断面視略V字状の部分である。第1係合部72cは、先端部が延出部32側に向かって斜め下方に延出される、略板状の傾斜面72dと、当該先端部から延設され、基部72aから離間する方向に向かって斜め下方に延出される、略板状の傾斜面72eを有している。第1係合部72cは、取付金具31の第1被係合部37(屈曲部37c)に係合する。
【0045】
第1被係合部37にフック部72の第1係合部72cが係合しているとき、当該第1係合部72cの傾斜面72dが第1被係合部37の傾斜面37dに当接して、取付バネ71の下方の移動が規制される。同様に、第2被係合部33に第2係合部73が係合しているとき、第2係合部73の傾斜面73cが第2被係合部33の傾斜面33cに当接して、取付バネ71の下方の移動が規制される。
【0046】
また、図7(c)に示すように、取付金具31における傾斜面33cの内側の先端部と傾斜面37dの内側の先端部との間の長さ寸法(幅寸法)をL2とする。つまり、長さ寸法L2は、第2被係合部33と第1被係合部37の間で最も間隔が短い部分の寸法である。図9(c)に示すように、取付バネ71における後述する湾曲部73bの中途部と湾曲部72bの先端部との間の長さ寸法(幅寸法)をL1、後述する基部73aの先端部と傾斜面72dの内側の先端部との間の長さ寸法(幅寸法)をL3とする。つまり、長さ寸法L1は、フック部72と第2係合部73の間で最も間隔が長い部分の寸法である。長さ寸法L3は、第1係合部72cと第2係合部73の間で最も間隔が短い部分の寸法である。上記L1、L2、L3の各寸法において、L3<L2<L1の条件を満たすことで、取付バネ71が取付金具31に係合する。
【0047】
また、図9(c)に示すように、第1係合部72cの傾斜面72eと基部72aの先端部との間の幅寸法をL4とし、図7(c)に示すように、引掛部36の厚さ寸法をL5とする。上記L4、L5の各寸法において、L5<L4の寸法関係にすることで、引掛部36をフック部72に引っ掛けることができる。
【0048】
第2係合部73は、基部73aと、湾曲部73bとを有している。基部73aは、略板状であり、連結部74の他端から略垂直に延出されている。湾曲部73bは、基部73aの先端部から延設され、第2係合部73に対向するフック部72側の反対側に向けて突出する側面視略円弧状の板状部分である。第2係合部73は、取付金具31の第2被係合部33に係合する。
【0049】
セード81は、光源取付部42aに取り付けられた光源部51の照射面側を覆うように取り付けられ、光源部51からの光を透過及び拡散させて、出射面を形成する。セード81は、長尺状で断面視略円弧状の部材である。セード81は、長手方向の全長がベース部材42の長手方向の全長と略同一である。セード81は、透光性を有する半透明(例えば、乳白色)のアクリル樹脂素材等で形成される。
なお、セードの形状は、本実施形態の形状に限定するものではない。例えば、セードの断面形状を断面半円状、断面四角状、断面台形状に構成することもできる。
【0050】
具体的には、図6に示すように、セード81は、光源部51に対向して配置され、光源部51の照射面側を覆う対向面部82と、対向面部82の短手方向の両端から上方に延出され、光源部51の側面を覆う一対の側面部83とを有する。
対向面部82は、断面視円弧状の部分であり、光源部51から離間する方向に向かって凸状に湾曲している。側面部83は、セードの長手方向に亘って配置される平面部84と、当該平面部84の短手方向の一端と対向面部82の短手方向の両端との間に配置される一対の溝部85を有する。溝部85は、セード81の長手方向に沿って連続的に形成されている。このように、側面部83に溝部85を設けたことで、本体ユニット21から光源ユニット41を取り外す際に、作業者が手で掴み易くすることができる。
【0051】
さらに、側面部83に溝部85を設けない構成と比較して、平面部84の高さ寸法が小さくなるため側面部83の高さ寸法が視覚的に小さく感じられ、セード81及び光源ユニット41が薄く見える。すなわち、セード81は、例えば、図6の矢印X方向から矢視した場合、セード81の側面に1本のライン状の溝部85が形成される。このライン状の溝部85を形成することで、比較的大きなセード81及び光源ユニット41であっても、視覚的に薄く、かつスタイリッシュに感じられるという意匠的な効果を得ることができる。
さらに、セード81は、側面部83に平面部84を有することで、光源部51からの光を側方に導きやすくなり、本体ユニット21の周囲にも光を配光させることができる。これにより、天井面Cが明るくなり、空間全体の明るさ感が得られる。
【0052】
また、一対の側面部83は、互いに平行に配置されている。例えば、一対の側面部を断面略「く」の字に形成した場合、側面部の剛性が低いものとなる。よって、光源ユニットを本体ユニットに装着する際に作業者がセードの下面を手で真上に押し上げると、セードの側面部(「く」の字の部分)が撓んで破損してしまう可能性がある。このような形状のセードの破損を防止するために、セードの側面部の肉厚を厚くして剛性を高める方法があるが、セードを厚くすると出射光量が低下するため光効率が低下する。
【0053】
これに対して本実施形態のように側面部83を略平面状とし、かつ互いに平行に配置することで、光効率を低下させずに側面部83の剛性を高めることができる。よって、光源ユニット41を本体ユニット21に装着する際に作業者がセード81の下面を手で真上に押し上げても側面部83が撓みにくいため、セード81の破損を防止できる。
【0054】
また、側面部83は、本体ユニット21の凹部22(一対の側壁部22b)から側方へ突出しない。例えば、セードを側方に突出させると、本体ユニットとセードとの間に隙間(空間)が生じ、突出部分の上面(取付面側)に埃が溜まりやすく、その埃によって天井面Cに影ができてしまう。これに対して、本実施形態は側面部83が側方に突出していないため、埃が溜まる部分がない。
【0055】
また、側面部83に平面部84を設けない構成とした場合、例えば、一対の側面部全体に湾曲した窪みを設けると、側面部の剛性が低いものとなる。よって、光源ユニットを本体ユニットに装着する際に作業者がセードの下面を手で真上に押し上げると、セードの側面部が撓んで破損してしまう可能性がある。このような形状のセードの破損を防止するために、セードの側面部の肉厚を厚くして剛性を高める方法があるが、セードを厚くすると出射光量が低下するため光効率が低下する。
これに対して本実施形態のように側面部83を略平面状とし、かつ互いに平行に配置することで、側面部83の剛性を高めることができる。よって、光源ユニット41を本体ユニット21に装着する際に作業者がセード81の下面を手で真上に押し上げても側面部83が撓みにくいため、セード81の破損を防止できる。
【0056】
セード81の短手方向端部(側面部83)は、本体ユニット21の凹部22(側壁部22b)よりも側方に突出しない。すなわち、本実施形態では、本体ユニット21の凹部22に光源ユニット41(セード81)を収容するためにセード81の短手方向の寸法が凹部22の短手方向の寸法よりもやや小さくなるように構成されている。そのため、セード81の側面部83の上端は、凹部22の側壁部22bと近接して配置される。セード81の側面部83は、平面視において本体ユニット21の傾斜面部25とは重ならない。
【0057】
また、本体ユニット21に光源ユニット41を取り付けた際には、セード81の短手方向端部が本体ユニット21に係止されることはなく、エンドキャップ91が本体ユニット21の長手方向の両端部(エンド部材26)に係止されることで、本体ユニット21に対する光源ユニット41の上下方向の位置決めができる。
【0058】
図16に示すように、溝部85は、平面部84の下端からセード81の短手方向の内側に向かって斜め下方に延出される第1面86と、第1面86の先端部からセード81の短手方向の外側に向かって斜め下方に延出される第2面87とを有している。溝部85は、第1面86と第2面87とが対向することで形成される空間である。第2面87は、照明器具11を例えば天井面Cに取り付けた状態において、天井面Cに対して傾斜した状態となる。第1面86と第2面87とは、各々の端部が連接され、溝部85の底部88が形成される。底部88は、その断面形状において第1面86と第2面87とのなす角は鋭角になるように形成されることが好ましい。このように溝部85を構成することで、セード81の長手方向の曲げ剛性(曲げ強度)を高めることができる。また、セード81の製造時において、例えば、セード81を押出成形により製造する際に、押出成形直後の軟質状態においても変形を抑えることができる。
【0059】
また、溝部85は、第2面87を設けたことにより、光源ユニット41を本体ユニット21から取り外す際に作業者が指先を溝部85に入れた場合に、第2面87があると指先を引掛けやすいので、光源ユニット41をより取り外し易くすることができる。
【0060】
溝部85は、第2面87と対向面部82の短手方向の両端部により、側方に突出して形成される先端部89を有する。先端部89は、平面部84よりも側方には突出しないように構成される。これにより、セード81の全体に凹凸感の少ない、すっきりとした意匠にすることができる。また、このような先端部89を設けることで、セード81の長手方向の曲げ剛性(曲げ強度)を高めることができる。また、セード81の製造時において、例えば、セード81を押出成形により製造する際に、押出成形直後の軟質状態においても変形を抑えることができる。
【0061】
溝部85は、長手方向に亘って、側面部83と対向面部82の境界部分に位置するように設けられている。すなわち、溝部85は、側面部83と対向面部82が交わる頂点部分付近(稜部付近)に位置するように設けられている。これにより、照明器具11を下方から見たときに溝部85を目立たなくすることができる。
【0062】
図17に示すように、一対のエンドキャップ91は、セード81の長手方向の両端部に取り付けられる。一対のエンドキャップ91は、セード81の長手方向の一対の端部に形成された一対の開口を閉塞する。エンドキャップ91は、セード81と同じ素材で形成される。なお、エンドキャップ91は、セード81と異なる素材で形成されていてもよい。なお、図19から図22には、一対のエンドキャップ91のうちの一方のエンドキャップ91を示しているが、他方のエンドキャップ91の構成は、一方のエンドキャップ91の構成と同様であり、説明を省略する。
【0063】
エンドキャップ91は、図20及び図21に示すように、ベース部92、延出部93、及びガイド部94を有する。ベース部92は、有底状でセード81の長手方向両端の開口部を覆う。延出部93は、平板状であり、セード81の長手方向の両端面に略直交する方向に延出している。延出部93は、ベース部92の上端から光源取付部42aの長手方向の端部の上面を覆うように延出される。ガイド部94は、延出部93の上面から上方に突出して設けられる。
【0064】
ガイド部94は、側面視略台形状で上方に延出される一対の側壁部94aと、一対の側壁部94aの背面側を連結する傾斜面部94bと、一対の側壁部94aの上面側を連結する天面部94cと、を有している。エンドキャップ91により、ベース部材42が組み付けられたセード81の長手方向の両端の開口部を覆った際に、ガイド部94により配線63を配置可能な空間Sが形成される(図22参照)。空間Sは、側壁部94a、傾斜面部94b及び天面部94cで囲まれた空間である。
【0065】
図5に示すように、一対のエンドキャップ91は、セード81の長手方向の両端に取り付けられる。一対のエンドキャップ91は、セード81の長手方向の一対の端部に形成された一対の開口を閉塞する。また、本体ユニット21に光源ユニット41が取り付けられた状態の照明器具11では、エンドキャップ91は、エンド部材26によって係止された状態となる。また、図6に示すように、照明器具11は、セード81の短手方向の両端部の一部が凹部22に収容される。エンドキャップ91は、セード81と同じ素材で形成される。なお、エンドキャップ91は、セード81と異なる素材で形成されていてもよい。
【0066】
次に、図10から図13を用いて、光源ユニット41を本体ユニット21に取り付ける手順を説明する。
先ず、作業者は、天井面Cに固定された本体ユニット21に本体ユニット21の下方から光源ユニット41を取り付けるに際して(図10参照)、光源ユニット41が有する取付バネ71のフック部72の先端部(第1係合部72c)を、本体ユニット21の取付金具31の貫通孔38に挿通して、引掛部36にフック部72を引掛ける(図11参照)。この場合、光源ユニット41は、取付バネ71の第2係合部73側が下側となるように傾斜した状態で本体ユニット21の下方に吊られる(この状態を、仮吊り状態という)。
【0067】
図11に示す光源ユニット41の仮吊り状態の際、作業者は光源ユニット41を手で支えなくても光源ユニット41の位置が安定するため、例えば、作業者は両手を使って外部電源の電源線を端子台62に接続する作業を行うことができる。なお、端子台62は、接続後の電源線が容易に抜けないように、電源線の太さよりも細い空隙を有する接続端子が備わり、比較的強い力で電源線を差し込まなければ接続できないように構成されていることが多い。したがって、端子台62への電源線の接続は、作業者が両手を使って行うことが多い。このように光源ユニット41を仮吊り状態にすることで、作業者が一人で光源ユニット41の取付作業および電気的接続作業を行うことができる。これに対して、光源ユニットを仮吊り状態にできない照明器具の場合、一人の作業者が光源ユニットを手で持って落下しないように支えながら、もう一人の作業者が両手を使って電源線を端子台に接続する作業を行わないといけないため、作業者が少なくとも二人必要となり、作業効率が良くない。
【0068】
次に、図12に示すように、作業者は、光源ユニット41の取付バネ71の第2係合部73側を持ち上げて、光源ユニット41を略水平状態にする。それから、光源ユニット41を略水平状態に保持したまま、光源ユニット41を本体ユニット21に向けて上方に押し上げる。そして、作業者は、取付バネ71の第1係合部72cを取付金具31の第1被係合部37に係合させるとともに、取付バネ71の第2係合部73を取付金具31の第2被係合部33に係合させる。つまり、第1係合部72c及び第2係合部73は、光源ユニット41を上方に移動させることで、第1被係合部37及び第2被係合部33に係合する。具体的には、第1係合部72c及び第2係合部73が第1被係合部37及び第2被係合部33に係合する直前に湾曲部73bが屈曲部33bに当接し、湾曲部72bが屈曲部37cに当接する。その当接状態から光源ユニット41を上昇させることで、湾曲部73bが屈曲部33bに沿って移動し、第2係合部73が内側(フック部72側)へ弾性変形する。同様に、湾曲部72bが屈曲部37cに沿って移動し、フック部72が内側(第2係合部73側)へ弾性変形する。湾曲部73bが屈曲部33bのV字部分を乗り越えると第2係合部73が元の形状へ復帰し、傾斜面73cが傾斜面33cに当接する。同様に、湾曲部72bが屈曲部37cのV字部分を乗り越えるとフック部72が元の形状に復帰し、傾斜面72dが傾斜面37dに当接する。これにより、光源ユニット41は、その上端側が凹部22に収容された状態で、凹部22に取り付けられる(図13参照)。
【0069】
上述したように、第1係合部72c及び第2係合部73が第1被係合部37及び第2被係合部33に係合する直前に湾曲部73bが屈曲部33bに当接し、湾曲部72bが屈曲部37cに当接する。この際に、湾曲状の湾曲部73bが屈曲部33bの傾斜面33d(図12参照)に線接触し、湾曲状の湾曲部72bが屈曲部37cの傾斜面37e(図12参照)に線接触する。これにより、例えば、互いに面同士で面接触する場合に比べて摩擦が少なく、スムーズに係合することができる。また、湾曲状の湾曲部72b及び湾曲部73bは、湾曲状(凸状曲面状)に形成されているので、対応する傾斜面37e及び傾斜面33dに対して光源ユニット41の短手方向に多少移動しても傾斜面37e及び傾斜面33dにより湾曲部72b及び湾曲部73bが受けとめられる。すなわち、作業者が光源ユニット41を把持した状態で、多少手先がぶれて光源ユニット41がその短手方向に移動した場合であっても所定範囲で許容され、取付バネ71を取付金具31に係合することができる。
なお、「線接触」とは、正確に線状に接触している場合だけでなく、所定幅を有するが略線状に接触する場合も含む。
【0070】
また、本体ユニット21と光源ユニット41とは、図13に示す状態のときに、傾斜面37dに傾斜面72dが当接し、傾斜面33cに傾斜面73cが当接している。また、図13に示す状態のとき、光源ユニット41の重量では、湾曲部72bが屈曲部37cのV字部分を乗り越えることができず、フック部72が内側(第2係合部73側)に弾性変形しない。同様に、湾曲部73bが屈曲部33bのV字部分を乗り越えるができず、第2係合部73が内側(フック部72側)へ弾性変形しない。これにより、光源ユニット41の重量だけでは、取付バネ71が取付金具31から外れることがなく、光源ユニット41は本体ユニット21に安定して保持される。
【0071】
また、光源ユニット41を本体ユニット21から取り外す場合は、作業者は、例えば図13に示す光源ユニット41(セード81)の短手方向の両端部を把持して、下方(離間する方向)に引っ張り出すことで、第1係合部72c及び第2係合部73のそれぞれを第1被係合部37及び第2被係合部33から外して係合を解除することができる。具体的には、作業者が光源ユニット41(セード81)を下方に引っ張り出すように力を加えることで、傾斜面73cが屈曲部33bのV字部分を乗り越えて、第2係合部73が内側(フック部72側)へ弾性変形する。同様に、湾曲部72bが屈曲部37cのV字部分を乗り越えて、フック部72が内側(第2係合部73側)に弾性変形する。こうして、図13に示す係合状態から光源ユニット41を下方へ移動させると、取付バネ71が弾性変形し、取付バネ71と取付金具31の係合状態が外れる。
【0072】
そして、取付バネ71と取付金具31の係合状態が外れると、取付バネ71は弾性変形した状態から元の形状に復帰し、フック部72が貫通孔38を貫通した状態になる。具体的には、取付バネ71の基部72a側が延出部32の内側(第2被係合部33に対向する側)に位置し、取付バネ71の第1係合部72c側が延出部32の外側(第2被係合部33に対向する側の反対側)に位置している状態になる。
そして、さらに光源ユニット41が下降することで、湾曲部72bの内周側に引掛部36が入り込み、フック部72が引掛部36に引っ掛かった状態になる。
【0073】
このようにして、光源ユニット41を下方に移動させると、図12に示すようにフック部72が引掛部36に引っ掛かり、図11に示すように光源ユニット41が本体ユニット21に対して仮吊りされた状態になる。この後、図10に示すように引掛部36からフック部72を外して、光源ユニット41を本体ユニット21から取り外すことができる。このような構成により、作業者が光源ユニット41を本体ユニット21から取り外す際に、取付バネ71と取付金具31の係合解除後に誤って光源ユニット41を落下させても、フック部72が引掛部36に引っ掛かって仮吊り状態となり、光源ユニット41が地面に落下することを防ぐことができる。また、このように光源ユニット41を仮吊り状態にできることで配線作業や修理・点検作業を容易に行うことができる。
【0074】
フック部72の湾曲部72bは、図9(c)に示すように、その内周面が曲面状であり、側面視略円形状の空間S1を有している。例えば、光源ユニット41を本体ユニット21から取り外す際に、取付バネ71と取付金具31の係合解除後に誤って光源ユニット41を落下させても、取付金具31の引掛部36は空間S1内を衝突しながら落下時のバウンドを吸収することができ、湾曲部72bは引掛部36から外れにくい構成となっている。例えば、当該空間S1が側面視において細長い形状の狭い空間の場合は、光源ユニット41の短手方向(幅方向)に引掛部36が移動することができず、光源ユニット41の落下時のバウンドを吸収することが困難となり、引掛部36から外れ易くなる。
【0075】
取付バネ71は、フック部72と第2係合部73を有しているが、それぞれ連結部74の両端部を固定端とし、フック部72と第2係合部73の各上端部を自由端とする片持ちバネを構成している。フック部72は、湾曲部72bを介して基部72aと第1係合部72cとが対向するように形成されているため、板バネの曲げ剛性(曲げ難さ)として第2係合部73より大きくなる。すなわち、フック部72は、板バネとして第2係合部73よりも曲げるのに力を要するように構成される。このように構成することで、取付バネ71を取付金具31に係合する際に、曲げ剛性がフック部72より小さい第2係合部73が屈曲部33bに当接して先に曲がり始めて、続いてフック部72(湾曲部72b)が屈曲部37cに当接して曲がり始める。このように、取付バネ71のフック部72と第2係合部73の曲げ剛性を異なるように構成することで、作業者が取付バネ71を取付金具31に係合する際に、大きな力を必要としない。また、取付バネ71を取付金具31に係合した場合、フック部72の第1係合部72cは、フック部72による比較的大きい曲げ剛性によりしっかりと第1被係合部37の屈曲部37cに係合されるため、取付バネ71が取付金具31から外れにくく、光源ユニット41が本体ユニット21に安定して保持される。
【0076】
図10に示すように、取付金具31は、その先端36aを本体ユニット21の凹部22に収まるように構成してもよい。すなわち、取付金具31は、その上下方向の高さ寸法H1(図7参照)を凹部22の高さ寸法(深さ寸法)Dよりも小さく構成してもよい。これにより、取付金具31が本体ユニット21の凹部22から外側に突出しないため、本体ユニット21の輸送時に取付金具31が周囲に接触して破損する可能性やガタツキが発生する可能性を低下させることができる。さらに、本体ユニット21をコンパクトに構成することができ、本体ユニット21の梱包時の省スペース化が達成できる。
また、図10に示すように、取付バネ71は、例えば、その上下方向の高さ寸法H2を電源装置61の高さ寸法H3よりも小さく構成してもよい。これにより、光源ユニット41をコンパクトに構成することができ、光源ユニット41の梱包時の省スペース化が達成できる。
【0077】
本実施形態に係る取付金具31又は取付バネ71は、それぞれの連結部34、74の中途部(例えば、中央部)で分割(図23図24参照)もしくは分離可能に構成してもよい。これにより、例えば、光源ユニット41の短手方向の寸法(幅寸法)が変更された場合であっても、分割された取付金具31又は取付バネ71を幅寸法に適宜合わせて配置することができる。
【0078】
取付バネ71は、一体もしくは分離しているかの構成は問わずに第2係合部73の代わりにフック部72を設けて、取付バネが一対のフック部72を有するように構成してもよい。これにより、取付バネの左右を共通化できるため、作業者が取付バネの取り付け方向を間違うことがなくなる。
【0079】
また、本実施形態では、光源ユニット41に取付バネ71を取り付け、本体ユニット21に取付金具31を取り付ける構成としているが、例えば、光源ユニット41側に取付金具31を取り付け、本体ユニット21側に取付バネ71を取り付ける構成としてもよい。
【0080】
上述したように、本実施形態の取付金具31は、本体ユニット21の上面部22aの長手方向の中央に設けられた貫通孔27を中心に対向し、貫通孔27から等間隔離間した位置に配置される。また、同様に取付バネ71も光源ユニット41の中央部から等間隔離間した位置に配置される。しかし、取付金具31及びこれに対応する取付バネ71の取付位置は特に限定するものではない。例えば、一対の取付金具31及び一対の取付バネ71の取付位置を照明器具11の本体ユニット21及び光源ユニット41の各長手方向の中央から等間隔ではなく、長手方向において非対称の位置に配置する構成としてもよい。このように構成することにより、作業者が本体ユニット21に対する光源ユニット41の取付向きを間違えて取り付けることを防ぐことができる。
【0081】
また、例えば、本実施形態の取付バネ71の変形例として、図14に示す取付バネ71Aのように、ビス止め用の貫通孔75・75の連結部74の長手方向の位置を異ならせて、非対称となる位置に配置してもよい。すなわち、連結部74の中心Cを軸として取付バネ71を180度回転させた際に、貫通孔75・75の各位置が回転対称とならない位置に貫通孔75・75を配置してもよい。このように構成することにより、作業者がベース部材42における取付バネ71、取付金具31の取付向きを間違えて取り付けられることを防ぐことができる。
【0082】
また、本実施形態では、取付バネ71のビス止め用の貫通孔75の位置、すなわちビスの位置を光源部(LEDモジュール基板)51の基板54の位置と重ならないように構成している。これにより、取付バネ71を固定するためのビスがベース部材42を貫通したとしても、ビスが基板54に干渉することを防止できる。ビスが基板54に干渉することを防止することで、ビスの先端で基板54が損傷したり、ビスによって基板54が持ち上げられて基板54とベース部材42の接触面積が低下し、光源部51の放熱性が低下したりすることを防止できる。
【0083】
また、図15に示すように、本実施形態の取付金具31に代えて、本体ユニット21の凹部22の一対の側壁部22bに取付バネ71を取り付ける部分を直接形成する構成にしてもよい。具体的には、一方の側壁部22bにフック部72を引っ掛ける引掛部23と、フック部72の第1係合部72cを係合する被係合部28を設ける。他方の側壁部22bに、第2係合部73が係合される第2被係合部29を設ける。これにより、取付金具31を省略できるので、部品点数を削減できる。
【0084】
また、取付バネ71(本実施形態では、2つの取付バネ71のうち少なくともいずれか一方)を電源装置61の電源ケースに一体形成する構成としてもよい。これにより、取付バネ71を省略できるので、部品点数を削減できる。
【0085】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11では、本体ユニット21の凹部22内に配置される取付金具31と、光源ユニット41において光源部51とは反対側に配置され、取付金具31に取り付け可能な取付バネ71と、を備え、光源ユニット41の取付バネ71が鉤状のフック部72を有し、取付金具31がフック部72を引っ掛ける引掛部36を有し、光源ユニット41を本体ユニット21の凹部22から取り外すために離間する方向に移動させた際に、フック部72が引掛部36に引っ掛かるように構成されている。すなわち、フック部72と引掛部36からなる光源ユニット41の落下防止構造が本体ユニット21の凹部22内に配置されているため、本体ユニット21の小型化が可能になる。
【0086】
本実施形態の照明器具11の形状は一例であり、本実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、照明器具11の形状が細長い形状以外のその他の形状である場合には、それに応じた形状とすることができる。また、光源ユニットを本体ユニットの形状に応じて適宜変形させることも可能である。
【符号の説明】
【0087】
11 照明器具
21 本体ユニット
22 凹部
31 取付金具
36 引掛部
41 光源ユニット
51 光源部
71 取付バネ
72 フック部
81 セード
82 対向面部
83 側面部
84 平面部
85 溝部
図1
図2
図3
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