(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】スラリー性状測定装置およびスラリー性状測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/18 20060101AFI20220720BHJP
C02F 11/147 20190101ALI20220720BHJP
【FI】
G01N33/18 A ZAB
C02F11/147
(21)【出願番号】P 2018057321
(22)【出願日】2018-03-24
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】591237331
【氏名又は名称】株式会社日吉
(74)【代理人】
【識別番号】100174643
【氏名又は名称】豊永 健
(74)【代理人】
【識別番号】100173613
【氏名又は名称】三崎 岳郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 昇
(72)【発明者】
【氏名】白玉 忠仁
(72)【発明者】
【氏名】護山 裕文
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-171637(JP,A)
【文献】特開平01-282445(JP,A)
【文献】特開昭63-175758(JP,A)
【文献】実開昭62-059851(JP,U)
【文献】特開2015-226882(JP,A)
【文献】特開平07-223000(JP,A)
【文献】特開2009-034481(JP,A)
【文献】特開平06-182399(JP,A)
【文献】特開2012-166117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0057264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/18,
G01N 11/02,
G01N 13/00,
C02F 1/52,
C02F 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の性状を測定するスラリー性状測定装置において、
ろ紙を載置する載置台と、
前記載置台に前記ろ紙を挟んだ状態で載置される筒状のリザーバと、
第1の距離から第2の距離および前記第2の距離から第3の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する計時手段と、
を有
し、
前記計時手段は、前記ろ紙とは離間して設けられることを特徴とするスラリー性状測定装置。
【請求項2】
前記載置台に前記ろ紙を押し付ける押さえ板を有することを特徴とする請求項1に記載のスラリー性状測定装置。
【請求項3】
前記載置台および前記押さえ板のいずれかに配置されて他方に配置された磁石および強磁性体のいずれかと向かい合う複数の磁石をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のスラリー性状測定装置。
【請求項4】
前記計時手段は、前記リザーバの外面からそれぞれ前記第1の距離、前記第2の距離および前記第3の距離で前記載置台の背面に配置されて周囲の静電容量を測定する第1のプローブ、第2のプローブおよび第3のプローブと、前記第1のプローブが静電容量の
変化を検出した時刻と前記第2のプローブが静電容量の変化を検出した時刻との差を計測する第1カウンターと、前記第2のプローブが静電容量の変化を検出した時刻と前記第3のプローブが静電容量の変化を検出した時刻との差を計測する第2カウンターと、を備えることを特徴とする請求項3に記載のスラリー性状測定装置。
【請求項5】
前記計時手段は、前記ろ紙を撮像可能に配置されたカメラと、前記カメラが撮像した前記ろ紙の画像から前記検査対象液の有無による前記ろ紙の見た目の違いを検出して第1の距離、第2の距離および第3の距離まで前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を求める画像処理部と、を備えることを特徴とする請求項
1に記載のスラリー性状測定装置。
【請求項6】
前記第2の距離と前記第1の距離の差、および、前記第3の距離と前記第2の距離の差は等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスラリー性状測定装置。
【請求項7】
被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の性状を測定するスラリー性状測定方法において、
ろ紙を載置台に載置するステップと、
筒状のリザーバを前記ろ紙を挟んだ状態で前記載置台に載置するステップと、
第1の距離から第2の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する第1計時ステップと、
前記第2の距離から第3の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する第2計時ステップと、
前記第1計時ステップで計測した時間に基づいて前記検査対象液の粘性を求め、前記第2計時ステップで測定した時間に基づいて前記検査対象液のフロックの粒径を求めるステップと、
を有することを特徴とするスラリー性状測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の性状を測定するスラリー性状測定装置およびスラリー性状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下水などの被処理水の凝集処理において、凝集剤を添加することによって被処理水中の懸濁物質を凝集処理した後に、沈殿分離、加圧浮上分離、遠心分離、砂ろ過、膜分離などの固液分離が行われる。懸濁物質の凝集状態は、pH、凝集剤薬注量、攪拌条件などで変動する。このため、適切な条件下で凝集処理を行わなければ、被処理水の水質悪化を招き、次工程の固液分離処理に悪影響を及ぼすことがある。そこで、凝集剤の変更などの処理条件の変更に際して、懸濁物質の凝集状態を把握することが重要である。
【0003】
特許文献1には、浄水プロセス中の処理水の凝集状態を調べる方法が開示されている。また、懸濁物質の凝集状態の測定の方法として、CSTテストが知られている。CSTテストでは、ろ紙の上面に筒状のリザーバを配置し、リザーバに凝集処理したスラリーを投入し、ろ紙中の水の進行時間を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CSTテストは、簡便ではある。しかし、凝集して形成されたフロックがリザーバの底部に堆積して、水のろ紙への浸透が抑制されると、正確な測定ができない。
【0006】
そこで、本発明は、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の液粘性および凝集状態による液の浸透速度への影響を同時に測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明は、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の性状を測定するスラリー性状測定装置において、ろ紙を載置する載置台と、前記載置台に前記ろ紙を挟んだ状態で載置される筒状のリザーバと、第1の距離から第2の距離および前記第2の距離から第3の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する計時手段と、を有し、前記計時手段は、前記ろ紙とは離間して設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の性状を測定するスラリー性状測定方法において、ろ紙を載置台に載置するステップと、筒状のリザーバを前記ろ紙を挟んだ状態で前記載置台に載置するステップと、第1の距離から第2の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する第1計時ステップと、前記第2の距離から第3の距離まで前記リザーバに投入された前記検査対象液中の水が前記ろ紙中を進行する時間を計測する第2計時ステップと、前記第1計時ステップで計測した時間に基づいて前記検査対象液の粘性を求め、前記第2計時ステップで測定した時間に基づいて前記検査対象液のフロックの粒径を求めるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を凝集処理して生成された検査対象液の液粘性および凝集状態による液の浸透速度への影響を同時に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係るスラリー性状測定装置の第1の実施の形態の上面図である。
【
図2】本実施の形態のスラリー性状測定装置の断面図である。
【
図3】本実施の形態のスラリー性状測定装置の計測器のブロック図である。
【
図4】本発明に係るスラリー性状測定装置の第2の実施の形態の断面図である。
【
図5】本発明に係るスラリー性状測定装置の第3の実施の形態の上面図である。
【
図6】本発明に係るスラリー性状測定装置の第3の実施の形態の側面図である。
【
図7】本発明に係るスラリー性状測定装置の第3の実施の形態の載置台の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るスラリー性状測定装置のいくつかの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るスラリー性状測定装置の第1の実施の形態の上面図である。
図2は、本実施の形態のスラリー性状測定装置の断面図である。
【0013】
本実施の形態のスラリー性状測定装置81は、筐体11とリザーバ14と3つのプローブ15,16,17と計測器20とを有している。筐体11には、ろ紙90を載置する載置台12が形成されている。リザーバ14は、筒状である。リザーバ14は、たとえば円筒状である。リザーバ14の外径は、たとえば20mmである。
【0014】
3つのプローブ15,16,17は、いずれも静電容量を測定するプローブである。第1のプローブ15と第2のプローブ16と第3のプローブ17は、リザーバ14からの距離が異なる位置に配置されている。たとえば、第1のプローブ15と第2のプローブ16との間の距離、および、第2のプローブ16と第3のプローブ17との間の距離は、等しい。リザーバ14の外面と第1のプローブ15との間の距離、第1のプローブ15と第2のプローブ16との間の距離、および、第2のプローブ16と第3のプローブ17との間の距離は、たとえば、いずれも5mmである。
【0015】
計測器20は、プローブ15,16,17に接続されている。計測器20は、2つの表示器21,22を有している。
【0016】
図3は、本実施の形態のスラリー性状測定装置の計測器のブロック図である。
【0017】
本実施の形態のスラリー性状測定装置81の計測器は、第1カウンター23、第2カウンター24、第1表示器21および第2表示器22を有している。第1カウンター23は、第1のプローブ15および第2のプローブ16に接続されている。第2カウンター24は、第2のプローブ16および第3のプローブ17と接続されている。第1表示器21は、第1カウンター23に接続されている。第2表示器22は、第2カウンター24に接続されている。
【0018】
第1カウンター23は、第1のプローブ15が静電容量の変化を検出した時刻と第2のプローブ16が静電容量の変化を検出した時刻との差(時間)を計測する。第2カウンター24は、第2のプローブ16が静電容量の変化を検出した時刻と第3のプローブ17が静電容量の変化を検出した時刻との差(時間)を計測する。
【0019】
第1表示器21は、第1カウンター23が計測した時間を表示する。第2表示器22は、第2カウンター24が計測した時間を表示する。
【0020】
次に、本実施の形態のスラリー性状測定装置を用いたスラリー性状測定方法を説明する。
【0021】
本実施の形態のスラリー性状測定方法では、汚泥に高分子凝集剤を添加するなどして生成されたスラリーの性状を測定する。ここでスラリーの性状とは、少なくとも、液体部分の粘性、および、固体部分すなわち造粒凝集されたフロックの大きさを含むものとする。
【0022】
まず、汚泥に高分子凝集剤を添加して、測定対象のスラリー92を生成する。また、スラリー性状測定装置10の載置台12の上に、ろ紙90を配置する。さらに、ろ紙90の上にリザーバ14を置く。この際、リザーバ14は、ろ紙90の中心に配置する。
【0023】
次に、リザーバ14の上部の開口から測定対象のスラリー92をリザーバ14に注入する。これにより、スラリー92中の液体は、毛細管現象によりろ紙90中をリザーバ14に接する位置から外周に向かって進行する。
【0024】
スラリー92中の液体がろ紙90中を進行してプローブ15,16,17の上部に到達したら、プローブ15,16,17の周囲の静電容量が変化する。それらの静電容量の変化を検知することにより、それぞれのプローブ15,16,17の位置にスラリー92中の液体が進行した時刻を測定することができる。第1のプローブ15の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻をt1、第2のプローブ16の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻をt2、第3のプローブ17の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻をt3、とする。
【0025】
第1カウンター23は、第1のプローブ15の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻t1から第2のプローブ16の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻t2までの時間、すなわち第1進行時間(T1=t2-t1)を算出する。第2カウンター24は、第2のプローブ16の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻t2から第3のプローブ17の位置にスラリー92中の液体が到達した時刻t3までの時間、すなわち第2進行時間(T2=t3-t2)を算出する。
【0026】
第1の表示器21は、第1進行時間(T1)を表示する。第2の表示器22は、第2進行時間(T2)を表示する。
【0027】
同じ汚泥に高分子凝集剤を添加した場合であっても、高分子凝集剤の種類が異なる場合には、汚泥中の固体成分の凝集状態、すなわち、フロックの生成状態が異なる。また、同じ汚泥に高分子凝集剤を添加した場合であっても、高分子凝集剤の種類が異なる場合には、汚泥中の液体成分の粘性が異なる。
【0028】
液体成分の粘性が高い場合には、ろ紙90中の進行速度が遅くなる。これは特にリザーバ14に近い位置での影響が大きい。このため、第1進行時間T1が大きいほど、スラリー92中の液体の粘性が高い。
【0029】
スラリー92中の固体成分が凝集したフロックの粒径が小さい場合には、リザーバ14の下部に沈降し堆積したフロックによる液体のろ紙90への浸透が抑制される。このため、液体成分がろ紙90中のリザーバ14から離れた位置までの到達時刻は遅くなる。この影響は、フロックの堆積が進んだ状態、すなわち、リザーバ14へのスラリー92の注入からの経過時間が長いほど大きくなる。このため、第2進行時間T2が大きいほど、フロックの粒径が小さい。
【0030】
このように、本実施の形態では、汚泥に高分子凝集剤を添加するなどして生成されたスラリーの液粘性および凝集状態による液の浸透速度への影響を同時に測定することできる。
【0031】
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係るスラリー性状測定装置の第2の実施の形態の断面図である。
【0032】
本実施の形態のスラリー性状測定装置82は、底板31と側板32と上板33とを有している。底板31の上面は、ろ紙90を載置する載置台12である。
【0033】
側板32は、底板31のたとえば端部に接続され上方に伸びている。上板33は、側板32にたとえば端部を支持されている。上板33は、たとえば底板31と平行に配置されている。上板33には、板厚方向に貫通する貫通孔34が形成されている。上板33の上面には、カメラ41を備えたスマートフォン46がろ紙90を撮像可能に載置される。
【0034】
スマートフォン46は、カメラ41が撮像したろ紙90の画像から検査対象液の有無によるろ紙90の見た目の違いを検出して第1の距離、第2の距離および第3の距離まで検査対象液中の水がろ紙90中を進行する時間(t1、t2およびt3)を求める画像処理部として機能している。
【0035】
スマートフォン46は、第1の距離にスラリー92中の液体が到達した時刻t1から第2の距離にスラリー92中の液体が到達した時刻t2までの時間、すなわち第1進行時間(T1=t2-t1)を算出する。また、スマートフォン46は、、第2の距離にスラリー92中の液体が到達した時刻t2から第3の距離にスラリー92中の液体が到達した時刻t3までの時間、すなわち第2進行時間(T2=t3-t2)を算出する。
【0036】
スマートフォン46は、第1進行時間(T1)および第2進行時間(T2)を表示する。
【0037】
このように、本実施の形態でも、第1進行時間(T1)および第2進行時間(T2)を測定することができる。すなわち、本実施の形態でも、汚泥に高分子凝集剤を添加するなどして生成されたスラリーの液粘性および凝集状態による液の浸透速度への影響を同時に測定することできる。
【0038】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明に係るスラリー性状測定装置の第3の実施の形態の上面図である。
図6は、本実施の形態のスラリー性状測定装置の側面図である。
図7は、本実施の形態のスラリー性状測定装置の載置台の上面図である。
【0039】
本実施の形態のスラリー形状測定装置83は、筐体51とリザーバ14と押さえ板55とを有している。筐体51は、略直方体に形成されている。筐体51の一つの表面は、ろ紙90の載置台52である。載置台52の周囲のたとえば4か所には、筐体側磁石56が埋め込まれている。
【0040】
押さえ板55のほぼ中央には、リザーバ14の外径よりも少しだけ大きな直径のリザーバ配置孔58が形成されている。リザーバ配置孔58は、押さえ板55の板厚方向に貫通している。押さえ板55の周囲には、筐体側磁石56と重なる位置に、押さえ板側磁石57が埋め込まれている。筐体側磁石56と押さえ板側磁石57は、S極およびN極が向かい合うように配置されている。
【0041】
本実施の形態のスラリー性状測定装置においても、汚泥に高分子凝集剤を添加して、測定対象のスラリーを生成する。また、スラリー性状測定装置83の載置台52の上に、ろ紙90を配置する。さらに、ろ紙90の上に押さえ板55を置く。また、ろ紙90の上にリザーバ14を置く。この際、リザーバ14は、押さえ板55のリザーバ配置孔58に配置される。
【0042】
次に、リザーバ14の上部の開口から測定対象のスラリーをリザーバ14に注入する。これにより、スラリー中の液体は、毛細管現象によりろ紙90中をリザーバ14に接する位置から外周に向かって進行する。スラリー中の液体の進行に要する時間は、載置台52の背面に設けられたプローブ(図示せず)および計測器(図示せず)によって測定される。それらの時間は、表示器53に表示される。
【0043】
このように、本実施の形態では、汚泥に高分子凝集剤を添加するなどして生成されたスラリーの液粘性および凝集状態による液の浸透速度への影響を同時に測定することできる。
【0044】
本実施の形態のスラリー性状測定装置83では、ろ紙90が押さえ板55で載置台52に押さえつけられているため、ろ紙90と載置台52との接触状態が均一化するため、測定ごとのばらつき、および、ろ紙90の位置による液体の進行のばらつきが抑制される。このため、測定精度が向上する。さらに、ろ紙90が押さえ板55で載置台52に押さえつけられているため、載置台52と押さえ板55との間で毛細管現象が生じるため、液体の進行が促進される。
【0045】
載置台52および押さえ板55にはそれぞれ磁石が配置されているため、押さえ板55の載置台52に対する位置は変化しない。このため、リザーバ配置孔58の位置が筐体51に対して変化しない。したがって、リザーバ14を筐体51の所定の位置に配置することが容易である。その結果、リザーバ14のプローブに対する位置が変化しないため、測定ごとのばらつきが抑制される。本実施の形態では、載置台52および押さえ板55の両方に磁石を配置しているが、一方を磁石とし、他方を鉄などの強磁性体としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
11…筐体、12…載置台、14…リザーバ、15…プローブ、16…プローブ、17…プローブ、20…計測器、21…表示器、22…表示器、23…カウンター、24…カウンター、31…底板、32…側板、33…上板、34…貫通孔、41…カメラ、46…スマートフォン、51…筐体、52…載置台、53…表示器、55…押さえ板、56…筐体側磁石、57…押さえ板側磁石、58…リザーバ配置孔、81…スラリー性状測定装置、82…スラリー性状測定装置、83…スラリー性状測定装置、90…ろ紙、92…スラリー