(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20220720BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220720BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220720BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220720BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220720BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220720BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
H05B33/10
(21)【出願番号】P 2018079874
(22)【出願日】2018-04-18
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0113353
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲玄▼ 雄
(72)【発明者】
【氏名】李 承 珪
(72)【発明者】
【氏名】郭 源 奎
(72)【発明者】
【氏名】朴 宗 元
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0162391(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103898441(CN,A)
【文献】特表2017-504937(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105789248(CN,A)
【文献】特開2017-040876(JP,A)
【文献】特開2010-286825(JP,A)
【文献】特開2006-313657(JP,A)
【文献】特開2017-084828(JP,A)
【文献】特開2004-079538(JP,A)
【文献】登録実用新案第3211280(JP,U)
【文献】特開2015-018242(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033306(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向と列方向とに隣接して整列される仮想の四角形の中心点に交互に位置する複数の
赤色発光領域及び複数の
緑色発光領域と、
前記仮想の四角形の頂点にそれぞれ位置する複数の
青色発光領域と、を含み、
前記
赤色発光領域、
緑色発光領域及び
青色発光領域の平面面積の差は、最も広い発光領域の平面面積の25%未満であ
り、
前記緑色発光領域の平面面積は、前記赤色発光領域の平面面積よりも大きく、
前記赤色発光領域の平面面積は、前記青色発光領域の平面面積よりも大きく、
前記青色発光領域の平面面積は、前記緑色発光領域の平面面積の75%以上であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に位置し、複数の
赤色画素電極、複数の
緑色画素電極及び複数の
青色画素電極を有する画素電極層と、
前記画素電極層上に位置し、前記
赤色画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第1開口部、前記
緑色画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第2開口部及び前記
青色画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第3開口部を有する画素定義層と、
それぞれが前記
赤色画素電極上に位置し、前記第1開口部に対応する前記
赤色発光領域を有する複数の
赤色発光層と、
それぞれが前記
緑色画素電極上に位置し、前記第2開口部に対応する前記
緑色発光領域を有する複数の
緑色発光層と、
それぞれが前記
青色画素電極上に位置し、前記第3開口部に対応する前記
青色発光領域を有する複数の
青色発光層と、
前記複数の
赤色発光層、
緑色発光層及び
青色発光層を覆う対向電極と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置が最大輝度で白色を表示するとき、
赤色発光領域に供給される電流量は、緑色発光領域に供給される電流量よりも多く、
緑色発光領域に供給される電流量は、青色発光領域に供給される電流量よりも多く、
青色発光領域に供給される電流量は、赤色発光領域に供給される電流量の75%以上であることを特徴とする請求項
2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記
赤色発光領域の平面形状と、前記
緑色発光領域との平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記
青色発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い正八角形状であり、
互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
赤色発光領域との距離と、互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
緑色発光領域との距離の差は、何れか大きい距離の5%
未満であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記
青色発光領域の平面形状は、角が丸い八角形状であり、
互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
赤色発光領域との距離は、互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
緑色発光領域との距離と、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記
青色発光領域の第1方向の長さと、前記
青色発光領域の第2方向の長さの差は、いずれか大きい長さの5%以下であり、
前記第1方向は、前記
赤色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記
緑色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であることを特徴とする請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記
青色発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であり、
互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
赤色発光領域との距離と、互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
緑色発光領域との距離の差は、いずれか大きい距離の5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記
青色発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い四角形または角が丸い長方形状であり、
互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
赤色発光領域との距離は、互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
緑色発光領域との距離と、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記
青色発光領域の第1方向の長さと、前記
青色発光領域の第2方向の長さの差は、何れか大きい長さの5%以下であり、
前記第1方向は、前記
赤色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記
緑色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であることを特徴とする請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
赤色発光領域との距離に対する、前記
青色発光領域の第1方向の長さの比率と、互いに隣接した前記
青色発光領域と前記
緑色発光領域との距離に対する、前記
青色発光領域の第2方向の長さの比率の差は、何れか大きい比率の5%以下であり、
前記第1方向は、前記
赤色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記
緑色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記
赤色発光領域と、前記
緑色発光領域との平面形状は、互いに実質的に同一形状であり、
前記
青色発光領域の平面形状は、前記
赤色発光領域の平面形状と、前記
緑色発光領域の平面形状とは異なることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
前記
青色発光領域の第1方向の長さと前記
青色発光領域の第2方向の長さとの差は、何れか大きい長さの10%
未満であり、
前記第1方向は、前記
赤色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記
緑色発光領域の中心から、前記
青色発光領域の中心に延びる方向であることを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数の
青色発光領域のうち、前記仮想の四角形それぞれの中心点に隣接するように位置する4個の前記
青色発光領域は、前記中心点を基準に、互いに上下対称であり、かつ、互いに左右対称であることを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記仮想の四角形の対角線方向1インチ内に、500個以上の
青色発光領域が配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記
赤色発光領域は、赤色光を放出し、前記
緑色発光領域は、緑色光を放出し、前記
青色発光領域は、青色光を放出することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記仮想の四角形は、実質的に長方形または正方形であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列されて同一形状を有する仮想の第1四角形及び第2四角形を含む基板と、
前記基板上に位置し、複数の
赤色画素電極、複数の
緑色画素電極及び複数の
青色画素電極を有する画素電極層と、
前記画素電極層上に位置し、前記
赤色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第1四角形の
一つの中心点に位置する複数の第1開口部、前記
緑色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第2四角形の
一つの中心点に位置する複数の第2開口部及び前記
青色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第1四角形及び第2四角形の頂点にそれぞれ位置する複数の第3開口部を有する画素定義層と、
前記
赤色画素電極上にそれぞれ位置し、少なくともそれぞれの一部分が、前記第1開口部を充填する複数の
赤色発光層と、
前記
緑色画素電極上にそれぞれ位置し、少なくともそれぞれの一部分が、前記第2開口部を充填する複数の
緑色発光層と、
前記
青色画素電極上にそれぞれ位置し、少なくともそれぞれの一部分が、前記第3開口部を充填する複数の
青色発光層と、
前記複数の
赤色発光層、
緑色発光層及び
青色発光層を覆う対向電極と、を含み、
前記第1開口部、第2開口部及び第3開口部の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満であ
り、
第2開口の面積は、第1開口の面積よりも大きく、
第1開口の面積は、第3開口の面積よりも大きく、
第3開口の面積は、第2開口の面積の75%以上であることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
前記複数の
赤色発光層のそれぞれが前記第1開口部に対応する
赤色発光領域を有し、
前記複数の
緑色発光層のそれぞれが前記第2開口部に対応する
緑色発光領域を有し、
前記複数の
青色発光層のそれぞれが前記第3開口部に対応する
青色発光領域を有することを特徴とする請求項
18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示装置が最大輝度で白色を表示するとき、
赤色発光領域に供給される電流量は、緑色発光領域に供給される電流量よりも多く、
緑色発光領域に供給される電流量は、青色発光領域に供給される電流量よりも多く、
青色発光領域に供給される電流量は、赤色発光領域に供給される電流量の75%以上であることを特徴とする請求項18に記載の表示装置。
【請求項21】
行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列され
、同じ形状を有する第1の仮想の四角形及び第2の仮想の四角形を含む基板を準備する段階と、
前記基板上に位置し、複数の
赤色画素電極、複数の
緑色画素電極及び複数の
青色画素電極を有する画素電極層を形成する段階と、
前記画素電極層上に位置し、前記
赤色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記第1の仮想の四角形の中心点に位置する複数の第1開口部、前記
緑色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記第2の仮想の四角形の中心点に位置する複数の第2開口部並びに前記
青色画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記第1の仮想の四角形及び前記第2の仮想の四角形の頂点に位置する複数の第3開口部を有する画素定義層を形成する段階と、
第1マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第1開口部を選択的に充填する複数の
赤色発光層を形成する段階
であって、前記複数の赤色発光層のそれぞれは、少なくとも前記赤色発光層のそれぞれの一部が前記第1開口部の一つを充填するように前記赤色画素電極の一つに設けられる段階と、
第2マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第2開口部を選択的に充填する複数の
緑色発光層を形成する段階
であって、前記複数の緑色発光層のそれぞれは、少なくとも前記緑色発光層のそれぞれの一部が前記第2開口部の一つを充填するように前記緑色画素電極の一つに設けられる段階と、
第3マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第3開口部の一部を選択的に充填する複数の
青色発光層の一部を形成する段階と、
第4マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第3開口部の残りを選択的に充填する複数の
青色発光層の残りを形成する段階
であって、前記複数の青色発光層のそれぞれは、少なくとも前記青色発光層のそれぞれの一部が前記第3開口部の一つを充填するように前記青色画素電極の一つに設けられる段階と、
前記複数の赤色発光層、前記複数の緑色発光層、及び前記複数の青色発光層を覆う対向電極を形成する段階と、を含み、
前記第1開口部、第2開口部及び第3開口部の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満であ
り、
第2開口の面積は、第1開口の面積よりも大きく、
第1開口の面積は、第3開口の面積よりも大きく、
第3開口の面積は、第2開口の面積の75%以上であることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項22】
前記第1開口部の平面形状と、前記第2開口部の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であることを特徴とする請求項21に記載の表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記第3開口部の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であり、
互いに隣接した前記第3開口部と前記第1開口部との距離と、互いに隣接した前記第3開口部と前記第2開口部との距離との差は、何れか大きい距離の5%以下であることを特徴とする請求項22に記載の表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記第3開口部の平面形状は、互いに対向する二辺間の距離と互いに対向する他の二辺間の距離との差が何れか大きい距離の5%以下である実質的に角が丸い長方形状であり、
互いに隣接した前記第3開口部と前記第1開口部との距離は、互いに隣接した前記第3開口部と前記第2開口部との距離と実質的に同一であることを特徴とする請求項22に記載の表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記第1開口部の平面面積は
、前記第2開口部の平面面積の90%以上であることを特徴とする請求項21に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に係り、さらに詳細には、有機発光表示装置の副画素配列構造に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、イメージを表示する装置であって、最近、有機発光表示装置(organic light emitting display)が注目されている。有機発光表示装置は、それ自体が発光する特性を有し、液晶表示装置(liquid crystal display device)とは異なり、別途の光源を必要としないので、厚みと重量とを減らすことができる。有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度、及び迅速な反応速度などの高品質な特性を示す。
【0003】
有機発光表示装置は、それぞれが互いに異なる色の光を発光する副画素を含み、副画素が発光し、イメージを表示する。ここで、副画素とは、イメージを表示するために光を放出する最小単位を意味し、隣接する副画素間には、各副画素を駆動するためのゲート線、データ線、駆動電源線などの電源線及び各副画素の形状または領域などを定義するための画素定義層のような絶縁層などが位置する。
【0004】
副画素を構成する有機発光層は、ファインメタルマスク(FMM:fine metal mask)などのマスクを利用して、有機発光物質を蒸着することによって形成される。副画素の開口率を確保するために隣接する有機発光層間の間隔を短く設計する場合、蒸着の信頼性が低下する。蒸着の信頼性向上のために隣接する有機発光層間の間隔を長く設計する場合、副画素の開口率が低下する。副画素の開口率は、イメージが表示される表示領域の全体面積に対して、有機発光層が位置して実際に光が放出される面積の比率を意味する。
【0005】
一方、高品質なイメージを表示する装置への需要の高まりに応じて、表示装置の解像度は、だんだんと高まっている。表示装置は、例えば、2個の副画素が1つの画素を構成するペンタイル方式の副画素配列構造を有し、有機発光層の面積及び駆動電流量は、だんだん小さくなっている。各副画素の有機発光物質の違いにより、各副画素の有機発光素子は、異なる寄生キャパシタンス及び駆動電流量を有する。寄生キャパシタンス及び駆動電流量の差により、低輝度において、特定の色相の副画素は、意図した量の光を遅く放出するという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態は、前述の問題点を解決するためのものであり、高解像度画素配列構造を有する表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の技術的課題を達成するための本発明の一側面による表示装置は、行方向と列方向とに隣接して整列される仮想の四角形の中心点に交互に位置する複数の第1発光領域、複数の第2発光領域、及び前記仮想の四角形の頂点にそれぞれ位置する複数の第3発光領域を含む。前記第1発光領域、第2発光領域及び第3発光領域の平面面積の差は、最も広い発光領域の平面面積の25%未満である。
【0008】
前記第3発光領域の平面面積は、前記第1発光領域の平面面積と、前記第2発光領域の平面面積との何れか大きい平面面積の75%以上であってもよい。
【0009】
前記表示装置は、基板と、前記基板上に位置し、複数の第1画素電極、複数の第2画素電極及び複数の第3画素電極を有する画素電極層と、前記画素電極層上に位置し、前記第1画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第1開口部、前記第2画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第2開口部及び前記第3画素電極の一部分をそれぞれ露出させる複数の第3開口部を有する画素定義層と、それぞれが前記第1画素電極上に位置し、前記第1開口部に対応する前記第1発光領域を有する複数の第1発光層、それぞれが前記第2画素電極上に位置し、前記第2開口部に対応する前記第2発光領域を有する複数の第2発光層、それぞれが前記第3画素電極上に位置し、前記第3開口部に対応する前記第3発光領域を有する複数の第3発光層と、前記複数の第1発光層、第2発光層及び第3発光層を覆う対向電極を含んでもよい。
【0010】
前記表示装置が最大輝度で白色を表示するとき、前記第3発光層に供給される電流量は、前記第1発光層に供給される電流量と、前記第2発光層に供給される電流量との何れか大きい電流量の75%以上であってもよい。
【0011】
前記第1発光領域の平面形状と、前記第2発光領域の平面形状とは、実質的に角が丸い直角菱形(rounded rectangular rhombus)状であってもよい。
【0012】
前記第3発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い正八角形(rounded regular octagon)状であってもよい。互いに隣接した前記第3発光領域と前記第1発光領域との距離と、互いに隣接した前記第3発光領域と前記第2発光領域との距離の差は、何れか大きい距離のおよそ5%以下であってもよい。
【0013】
前記第3発光領域の平面形状は、角が丸い八角形(rounded octagon)状であってもよい。互いに隣接した前記第3発光領域と前記第1発光領域との距離は、互いに隣接した前記第3発光領域と前記第2発光領域との距離と実質的に同一である。
【0014】
前記第3発光領域の第1方向の長さと、前記第3発光領域の第2方向の長さとの差は、何れか大きい長さの5%以下であってもよい。前記第1方向は、前記第1発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記第2発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であってもよい。
【0015】
前記第3発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。互いに隣接した前記第3発光領域と前記第1発光領域との距離と、互いに隣接した前記第3発光領域と前記第2発光領域との距離との差は、何れか大きい距離の5%以下であってもよい。
【0016】
前記第3発光領域の平面形状は、実質的に角が丸い四角形(rounded quadrangle)、または角が丸い長方形(rounded rectangle)状であってもよい。互いに隣接した前記第3発光領域と前記第1発光領域との距離は、互いに隣接した前記第3発光領域と前記第2発光領域との距離と実質的に同一である。
【0017】
前記第3発光領域の第1方向の長さと、前記第3発光領域の第2方向の長さとの差は、何れか大きい長さの5%以下であってもよい。前記第1方向は、前記第1発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記第2発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であってもよい。
【0018】
互いに隣接した前記第3発光領域と前記第1発光領域との距離に対する前記第3発光領域の第1方向の長さの比率と、互いに隣接した前記第3発光領域と前記第2発光領域との距離に対する前記第3発光領域の第2方向の長さの比率との差は、何れか大きい比率の5%以下であってもよい。前記第1方向は、前記第1発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記第2発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であってもよい。
【0019】
前記第1発光領域と、前記第2発光領域との平面形状は、互いに実質的に同一形状であってもよい。前記第3発光領域の平面形状は、前記第1発光領域の平面形状と、前記第2発光領域の平面形状とは異なっていてもよい。
【0020】
前記第3発光領域の第1方向の長さと前記第3発光領域の第2方向の長さとの差は、何れか大きい長さの5%以下であってもよい。前記第1方向は、前記第1発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であり、前記第2方向は、前記第2発光領域の中心から、前記第3発光領域の中心に延びる方向であってもよい。
【0021】
前記複数の第3発光領域のうち、前記仮想の四角形それぞれの中心点に隣接するように位置する4個の前記第3発光領域は、前記中心点を基準に、互いに上下対称であり、かつ、互いに左右対称であってもよい。
【0022】
前記仮想の四角形の対角線方向に1インチ内に、500個以上の第3発光領域が配置されてもよい。
【0023】
前記第1発光領域は、赤色光を放出し、前記第2発光領域は、緑色光を放出し、前記第3発光領域は、青色光を放出することができる。
【0024】
前記仮想の四角形は、実質的に長方形または正方形であってもよい。
【0025】
本発明の他の側面による表示装置は、行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列されて同一形状を有する仮想の第1四角形及び第2四角形を含む基板と、前記基板上に位置し、複数の第1画素電極、複数の第2画素電極及び複数の第3画素電極を有する画素電極層と、前記画素電極層上に位置し、前記第1画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第1四角形のそれぞれの中心点に位置する複数の第1開口部、前記第2画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第2四角形のそれぞれの中心点に位置する複数の第2開口部及び前記第3画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第1四角形及び第2四角形の頂点にそれぞれ位置する複数の第3開口部を有する画素定義層と、それぞれ前記第1画素電極上に位置し、少なくとも一部分が前記第1開口部を充填(filling)する複数の第1発光層と、前記第2画素電極上にそれぞれ位置し、少なくとも一部分が、前記第2開口部を充填する複数の第2発光層と、前記第3画素電極上にそれぞれ位置し、少なくとも一部分が、前記第3開口部を充填する複数の第3発光層と、前記複数の第1発光層、第2発光層及び第3発光層を覆う対向電極を含む。前記第1開口部、第2開口部及び第3開口部の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0026】
前記複数の第1発光層のそれぞれは、前記第1開口部に対応する第1発光領域を有してもよい。前記複数の第2発光層のそれぞれは、前記第2開口部に対応する第2発光領域を有してもよい。前記複数の第3発光層のそれぞれは、前記第3開口部に対応する第3発光領域を有してもよい。
【0027】
本発明の一側面による表示装置の製造方法は、行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列される第1の仮想の四角形及び第2の仮想の四角形を含む基板を準備する段階と、前記基板上に位置し、複数の第1画素電極、複数の第2画素電極及び複数の第3画素電極を有する画素電極層を形成する段階と、前記画素電極層上に位置し、前記第1画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記第1の仮想の四角形の中心点に位置する複数の第1開口部、前記第2画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記仮想の第2四角形の中心点に位置する複数の第2開口部並びに前記第3画素電極の一部分をそれぞれ露出させ、前記第1の仮想の四角形及び前記第2の仮想の四角形の頂点に位置する複数の第3開口部を有する画素定義層を形成する段階と、第1マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第1開口部を選択的に充填する複数の第1発光層を形成する段階と、第2マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第2開口部を選択的に充填する複数の第2発光層を形成する段階と、第3マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第3開口部の一部を選択的に充填する複数の第3発光層の一部を形成する段階と、第4マスクを利用し、前記複数の第1開口部、第2開口部及び第3開口部のうち、前記複数の第3開口部の残りを選択的に充填する複数の第3発光層の残りを形成する段階とを含む。前記第1開口部、第2開口部及び第3開口部の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0028】
前記第1開口部の平面形状と、前記第2開口部の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0029】
前記第3開口部の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。互いに隣接した前記第3開口部と前記第1開口部との距離と、互いに隣接した前記第3開口部と前記第2開口部との距離との差は、何れか大きい距離の5%以下であってもよい。
【0030】
前記第3開口部の平面形状は、互いに対向する二辺間の距離と互いに対向する他の二辺間の距離との差が何れか大きい距離の5%以下であって、実質的に角が丸い長方形状であってもよい。互いに隣接した前記第3開口部と前記第1開口部との距離は、互いに隣接した前記第3開口部と、前記第2開口部との距離と実質的に同一である。
【0031】
前記第3開口部の平面面積は、前記第2開口部の平面面積より狭く、かつ、前記第2開口部の平面面積の75%以上であってもよい。前記第1開口部の平面面積は、前記第2開口部の平面面積より狭く、かつ、前記第2開口部の平面面積の90%以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
【
図2】
図1のII-IIに沿って切り取った断面を概略的に図示する図面である。
【
図3】本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
【
図4】
図3のIV-IVに沿って切り取った断面を概略的に図示する図面である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
【
図6A】
図5の有機発光表示装置を製造するための第1マスクの一部を図示する図面である。
【
図6B】
図5の有機発光表示装置を製造するための第2マスクの一部を図示する図面である。
【
図6C】
図5の有機発光表示装置を製造するための第3マスクの一部を図示する図面である。
【
図6D】
図5の有機発光表示装置を製造するための第4マスクの一部を図示する図面である。
【
図7】
図6Aから
図6Dに図示された第1マスクから第4マスクを重畳したときの参考図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様に変形され、さまざまな実施形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に図示し、詳細に説明する。本発明の特徴、効果、及びそれらを達成する方法は、図面と共に、以下で詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態においても具体化されるのである。
【0034】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明について明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略する。図面を参照して説明するとき、同一または対応する構成要素には、同一の図面の符号を付し、それに係わる重複する説明は省略する。
【0035】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上または上部にあるとする場合、他の部分の真上にある場合だけではなく、その間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。図面においては、説明の便宜のために、構成要素はその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に図示された各構成要素の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に選択されたものなので、本発明は、必ずしも図示された形態に限定されるものではない。
【0036】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などが接続されたとする場合、膜、領域、構成要素が直接接続された場合だけではなく、膜、領域、構成要素の間に他の膜、領域、構成要素が介在し、間接的に接続された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に接続されたとする場合、膜、領域、構成要素などが直接電気的に接続された場合だけではなく、その間に、他の膜、領域、構成要素などが介在され、間接的に電気的接続された場合も含む。
【0037】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用される。明細書全体において、単数の表現は、文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0038】
添付図面において、例えば、製造技術及び/または公差により、図示された形状の変形が予想されうる。従って、本発明の実施形態は、本明細書に示された特定の形状に制限されるものであると解釈されてはならず、例えば、製造過程でもたらされる形状の変化を含まなければならない。
【0039】
以下、
図1及び
図2を参照し、本発明の一実施形態による有機発光表示装置の副画素配列構造について説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
図1は、説明の便宜のために、副画素の発光領域と、発光領域の形態や大きさなどを定義する画素定義層とを主として図示する。
図2は、
図1のII-IIに沿って切り取った断面を概略的に図示する。
【0041】
図1及び
図2に図示されているように、本発明の一実施形態による有機発光表示装置は、基板SUB、回路層CL、画素電極EL1を含む画素電極層ELL、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3、対向電極EL2、及び画素定義層PDLを含む。
【0042】
基板SUBは、ガラス、石英、セラミックス、金属及びプラスチックなどからなる絶縁性基板であってもよい。基板SUBがプラスチックなどで作られる場合、有機発光表示装置は、可撓性(flexible characteristic)、伸縮性(stretchable characteristic)、巻き取れる特性(rollable characteristic)を有してもよい。
【0043】
回路層CLは、基板SUB上に位置し、走査線、データ線、駆動電源線などを含む配線、配線に接続される薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)やキャパシタのような画素回路などを含んでもよい。1つの副画素は、2以上の薄膜トランジスタとキャパシタとを含み、走査線、データ線及び駆動電源線に接続される画素回路を含んでもよい。1つの副画素に含まれる2以上の薄膜トランジスタは、例えば、走査線を介して印加される走査信号に応じて、データ線を介して伝達されるデータ電圧をキャパシタに伝達するスイッチングトランジスタ及びキャパシタに保存された電圧に応じて駆動電源線と発光素子との間の駆動電流を生成する駆動トランジスタを含んでもよい。回路層CLは、公知の多様な構造を有してもよく、画素回路も、公知の多様な回路配置を有してもよい。
【0044】
画素電極EL1を含む画素電極層ELLは、回路層CL上に位置し、画素電極EL1は、回路層CL内のトランジスタに接続される。
図2に図示された画素電極EL1の上部には、第3発光層EML3が位置する。上部に第3発光層EML3が位置する画素電極EL1は、第3画素電極とも称される。このように、上部に第1発光層EML1が位置する画素電極EL1は、第1画素電極と称され、上部に第2発光層EML2が位置する画素電極EL1は、第2画素電極とも称される。画素電極層ELLは、第1画素電極、第2画素電極及び第3画素電極を含む。画素電極EL1の平面形状は、回路層CL内の画素回路の配置及び画素電極EL1上の発光領域EM1からEM3の配置によって、多様に設計されうる。
【0045】
画素定義層PDLは、画素電極層ELLと回路層CLとの上に位置し、画素電極EL1の一部分を露出させる開口部OP1からOP3を有する。第1開口部OP1は、第1画素電極の一部分を露出させ、第2開口部OP2は、第2画素電極の一部分を露出させ、第3開口部OP3は、第3画素電極の一部分を露出させてもよい。
【0046】
画素定義層PDLの開口部OP1からOP3を介して露出される第1画素電極、第2画素電極及び第3画素電極の一部分の上には、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3が位置する。
【0047】
第1開口部OP1を介して露出される第1画素電極の一部分の上には、第1発光層EML1が位置し、第1発光層EML1は、第1開口部OP1内に充填される(filled)。第1開口部OP1に充填された第1発光層EML1は、第1画素電極の一部分と接触し、電流が流れると、第1色相の光を放出することができる。その場合、第1発光層EML1の全体の領域から第1色相の光が放出され、第1発光層EML1は、第1発光領域EM1と実質的に一致する。従って、第1発光領域EM1は、第1開口部OP1に対応する。
【0048】
第2開口部OP2を介して露出される第2画素電極の一部分の上には、第2発光層EML2が位置し、第2発光層EML2は、第2開口部OP2内に充填される。第2開口部OP2に充填された第2発光層EML2は、第2画素電極の一部分と接触し、電流が流れると、第2色相の光を放出することができる。その場合、第2発光層EML2の全体の領域から第2色相の光が放出され、第2発光層EML2は、第2発光領域EM2と実質的に一致する。従って、第2発光領域EM2は、第2開口部OP2に対応する。
【0049】
第3開口部OP3を介して露出される第3画素電極の一部分の上には、第3発光層EML3が位置し、第3発光層EML3は、第3開口部OP3内に充填される。第3開口部OP3に充填された第3発光層EML3は、第3画素電極の一部分と接触し、電流が流れると、第3色相の光を放出することができる。その場合、第3発光層EML3の全体の領域から第3色相の光が放出され、第3発光層EML3は、第3発光領域EM3と実質的に一致する。従って、第3発光領域EM3は、第3開口部OP3に対応する。
【0050】
第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3の断面プロファイル並びに第1発光層EML1、第2発光層EML3及び第3発光層EML3の発光物質に応じて、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3は、第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3とそれぞれ正確に対応しなくてもよい。例えば、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3は、第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3よりやや広かったり狭かったりする。
【0051】
画素定義層PDLの第1開口部OP1は、第1発光層EML1の第1発光領域EM1の平面形状、大きさ及び領域などを定義してもよい。画素定義層PDLの第2開口部OP2は、第2発光層EML2の第2発光領域EM2の平面形状、大きさ及び領域などを定義してもよい。画素定義層PDLの第1開口部OP1は、第3発光層EML3の第3発光領域EM3の平面形状、大きさ及び領域などを定義してもよい。
【0052】
画素電極EL1の端部は、画素定義層PDLによって覆われる。画素電極EL1は、正孔注入電極として機能するアノード(anode)電極や、カソード(cathode)電極であってもよい。画素電極EL1は、光透過性電極または光反射性電極によって形成されてもよい。
【0053】
第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の上には、対向電極EL2が位置する。対向電極EL2は、基板SUBの全面にわたって、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3を覆ってもよい。対向電極EL2は、それぞれ電子注入電極として機能するカソード電極や、アノード電極でもあってもよい。対向電極EL2は、光透過性電極または光反射性電極によって形成されてもよい。
【0054】
図2に図示されていないが、画素電極EL1は、回路層CLの絶縁層を貫通するビアプラグを介して(via plug)、回路層CL内のトランジスタに接続されてもよい。画素定義層PDLの開口部OP1からOP3の境界は、ビアプラグから所定の距離だけ離れて位置してもよい。
【0055】
画素電極EL1と、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3のうち1つ並びに対向電極EL2は、1つの発光素子を構成する。発光素子は、画素電極EL1に接続されたトランジスタを介して流れる駆動電流を用いて、駆動電流量によって決定される輝度で光を放出する。第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3それぞれの物質特性によって必要な駆動電流量が異なるだけではなく、発光効率も異なるため、目的とする輝度の光を放出するための平面面積も異なる。例えば、第2発光層EML2の発光効率が、第1発光層EML1や第3発光層EML3の発光効率より高い場合、実際に光を放出する第2発光領域EM2の平面面積は、実際に光を放出する第1発光領域EM1及び第3発光領域EM3の平面面積より狭くても、第2色相の光を放出するために第2発光層EML2が必要とする駆動電流量は、第1発光層EML1及び第3発光層EML3が必要とする駆動電流量よりも少ない。
【0056】
図1には、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3と、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3にそれぞれ対応する第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3とを有する画素定義層PDLが図示されている。
図1には、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3、並びに第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3がそれぞれ互いに対応するように図示されているが、互いに正確に一致しなくてもよい。
【0057】
他の実施形態によれば、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である
図3及び
図3のIV-IVに沿って切り取った断面を概略的に図示する
図4に図示されているように、第1発光層EML1の一部分が第1開口部OP1内に充填され、第1発光層EML1の残りの部分は、第1開口部OP1に隣接した画素定義層PDL上に位置してもよい。第1開口部OP1に充填された第1発光層EML1の一部分だけが、第1開口部OP1によって露出される第1画素電極の一部分と接触し、電流が流れたときに第1色相の光を放出してもよい。その場合、第1発光層EML1の一部分だけが第1色相の光を放出し、第1発光層EML1の当該一部分が第1発光領域EM1に対応する。従って、第1発光領域EM1は、第1開口部OP1によって露出される第1画素電極の一部分または第1開口部OP1に対応する。
【0058】
第2発光層EML2の一部分が第2開口部OP2内に充填され、第2発光層EML2の残りの部分は、第2開口部OP2に隣接した画素定義層PDL上に位置してもよい。第2開口部OP2に充填された第2発光層EML2の一部分だけが、第2開口部OP2によって露出される第2画素電極の一部分と接触し、電流が流れたときに第2色相の光を放出してもよい。その場合、第2発光層EML2の一部分だけが第2色相の光を放出し、第2発光層EML2の当該一部分が第2発光領域EM2に対応する。従って、第2発光領域EM2は、第2開口部OP2によって露出される第2画素電極の一部分または第2開口部OP2に対応する。
【0059】
第3発光層EML3の一部分が第3開口部OP3内に充填され、第3発光層EML3の残りの部分は、第3開口部OP3に隣接した画素定義層PDL上に位置してもよい。第3開口部OP3に充填された第3発光層EML3の一部分だけが、第3開口部OP3によって露出される第3画素電極の一部分と接触し、電流が流れたときに第3色相の光を放出してもよい。その場合、第3発光層EML3の一部分だけが第3色相の光を放出し、第3発光層EML3の当該一部分が第3発光領域EM3に対応する。従って、第3発光領域EM3は、第3開口部OP3によって露出される第3画素電極の一部分または第3開口部OP3に対応する。
【0060】
ただし、第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3の断面プロファイル並びに第1発光層EML1、第2発光層EML3及び第3発光層EML3の発光物質に応じて、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3は、第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3とそれぞれ正確に対応しなくてもよい。例えば、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3は、第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3よりやや広かったり狭かったりしてもよい。
【0061】
図3においては、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の平面形状は、それぞれ第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面形状と実質的に同一であり、それらに比べて、所定の大きさだけさらに大きいように図示されているが、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の平面形状は、それぞれ第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面形状と同一でなくてもよい。
【0062】
図3に図示されているように、画素定義層PDLの第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3は、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面形状、大きさ及び領域などをそれぞれ定義してもよい。画素電極EL1の端部は、画素定義層PDLによって覆われる。
【0063】
第2発光層EML2の発光効率が、第1発光層EML1や第3発光層EML3の発光効率より高い場合、実際に光を放出する第2発光領域EM2の平面面積は、実際に光を放出する第1発光領域EM1及び第3発光領域EM3の平面面積より狭くても、第2色相の光を放出するために第2発光層EML2が必要とする駆動電流量は、第1色相及び第3色相の光をそれぞれ放出するために、第1発光層EML1及び第3発光層EML3が必要とする駆動電流量よりも少ない。
【0064】
図3には、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3と、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3にそれぞれ対応する第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3とを有する画素定義層PDLが図示されているが、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3、並びに第1開口部OP1、第2開部OP2及び第3開口部OP3は、互いに正確に一致しなくてもよい。
【0065】
再び
図1を参照すると、行方向と列方向とに隣接して整列される仮想の四角形VRが図示されている。
図1には、仮想の四角形VRが正方形であるように図示されているが、それは、例示的なものであり、実質的に正方形に近い長方形、または実質的に正方形に近い平行四辺形であってもよい。以下では、仮想の四角形VRが正方形であると仮定して説明するが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0066】
複数の第1発光領域EM1と、複数の第2発光領域EM2は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3発光領域EM3は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面面積の差は、最も広い発光領域の平面面積の25%未満である。
【0067】
第1発光層EML1を含む第1副画素の個数と、第2発光層EML2を含む第2副画素の個数は、実質的に同一であり、第3発光層EML3を含む第3副画素の個数は、第1副画素の個数の2倍、または第2副画素の個数の2倍であってもよい。しかし、イメージが表示される表示領域の最外部における副画素の配置並びに表示領域の形状及び大きさにより、特定の色相の発光層が追加して配列されてもよい。その場合、第1副画素の個数と、第2副画素の個数とが正確には同一ではなかったり、第3副画素の個数が、第1副画素の個数、または第2副画素の個数の正確な2倍ではなかったりしてもよい。本実施形態によれば、有機発光表示装置のインチ当たりのピクセル数(pixels per inch)は、500以上であってもよい。例えば、仮想の四角形VRの対角線方向1インチ内に、500個以上の第3発光領域EM3または第3発光層EML3を含む第3副画素が配置されてもよい。
【0068】
仮想の四角形VRは、行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列される第1の仮想の四角形VR1と、第2の仮想の四角形VR2とを含む。第1の仮想の四角形VR1と、第2の仮想の四角形VR2は、いずれも同一形状を有してもよく、具体的には、実質的に正方形または長方形の形状を有してもよい。第1の仮想の四角形VR1は、その中心点に第1発光領域EM1が位置する仮想の四角形VRと定義されてもよく、第2の仮想の四角形VR2は、その中心点に第2発光領域EM2が位置する仮想の四角形VRと定義されてもよい。
【0069】
第1発光領域EM1は、第1の仮想の四角形VR1の中心点にそれぞれ位置してもよい。第1発光領域EM1の中心は、第1の仮想の四角形VR1の中心点と実質的に一致する。
【0070】
第1発光領域EM1の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形(rounded rectangular rhombus)状であってもよい。本明細書において直角菱形状とは、正方形が約45度回転し、対角線に対して行方向と列方向とで対称である形状を意味する。第1発光領域EM1の平面形状は、直角菱形に近い角が丸い菱形の形状や、面取りされた直角菱形の形状、または直角菱形の形状であってもよい。本明細書において、直角菱形に近い角が丸い菱形の形状や、面取りされた直角菱形の形状、または直角菱形の形状は、実質的に角が丸い直角菱形の形状に含まれる。
【0071】
第2発光領域EM2は、第2の仮想の四角形VR2の中心点にそれぞれ位置してもよい。第2発光領域EM2の中心は、第2の仮想の四角形VR2の中心点と実質的に一致する。第2発光領域EM2の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0072】
図1には、第1発光領域EM1の平面面積と、第2発光領域EM2の平面面積とが互いに実質的に同一であるように図示されるが、本発明は、それに限定されるものではない。一例によれば、第1発光領域EM1の平面面積と、第2発光領域EM2の平面面積との差は、何れか大きい平面面積の10%以下であってもよい。第1発光領域EM1の平面面積が、第2発光領域EM2の平面面積より狭くてもよい。他の例によれば、第1発光領域EM1の平面面積と、第2発光領域EM2の平面面積との差は、何れか大きい平面面積の5%以下であってもよい。さらに他の例によれば、第1発光領域EM1の平面面積と、第2発光領域EM2の平面面積との差は、何れか大きい平面面積の3%以下であってもよい。
【0073】
一例によれば、第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間の距離L2との差は、何れか大きい距離のおよそ5%以下であってもよい。他の例によれば、第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間の距離L2との差は、何れか大きい距離のおよそ2.5%以下であってもよい。さらに他の例によれば、第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間の距離L2との差は、何れか大きい距離のおよそ1.5%以下であってもよい。
【0074】
第3発光領域EM3は、行方向と列方向とで互いに隣接するように整列される第1の仮想の四角形VR1及び第2の仮想の四角形VR2の頂点にそれぞれ位置してもよい。第3発光領域EM3の中心は、仮想の四角形VRの頂点とそれぞれ実質的に一致する。
【0075】
一実施形態によれば、第3発光領域EM3の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い正八角形(rounded regular octagon)状であってもよい。第3発光領域EM3の平面形状は、正八角形の形状、または面取りされた正八角形の形状であってもよく、これらの形状は、実質的に角が丸い正八角形状と称されてもよい。
【0076】
第3発光領域EM3の平面形状が、実質的に角が丸い正八角形状である場合、第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間との距離L2の差に応じて、互いに隣接する第1発光領域EM1と第3発光領域EM3との距離Laと、互いに隣接する第2発光領域EM2と第3発光領域EM3との距離Lbとの差は、何れか大きい距離のおよそ5%未満であってもよい。他の例によれば、距離Laと距離Lbとの差は、何れか大きい距離のおよそ2%未満であってもよい。さらに他の例によれば、距離Laと距離Lbとの差は、何れか大きい距離のおよそ1%未満であってもよい。距離Laは、第1発光領域EM1のエッジと、第3発光領域EM3のエッジとの最短距離と定義されてもよく、距離Lbは、第2発光領域EM2のエッジと、第3発光領域EM3のエッジとの最短距離と定義されてもよい。例えば、距離Laと距離Lbは、いずれも10μmより大きく20μm未満であってもよい。例えば、距離Laと距離Lbは、いずれもおよそ18μmほどであってもよい。例えば、距離Laと距離Lbは、それぞれ約18.43μmと約18.35μmであり、距離Laは、距離Lbに比べ、およそ1%さらに長くてもよい。
【0077】
他の実施形態によれば、距離Laと距離Lbは、実質的に同一である。例えば、距離Laと距離Lbは、いずれも10μmより大きく20μm未満であってもよい。例えば、距離Laと距離Lbは、いずれもおよそ18μmほどであってもよい。例えば、距離Laと距離Lbは、いずれも約18.35μmであってもよい。距離Laと距離Lbは、それぞれ第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3を有する第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3を形成するための工程の臨界規格(critical dimension)として、互いに同一であってもよい。このとき、第3発光領域EM3の平面形状は、例えば、実質的に角が丸い八角形状、八角形状、または面取りされた八角形の形状であってもよい。
【0078】
第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間の距離L2との差に応じて、第3発光領域EM3の第1方向の長さL3aと、第3発光領域EM3の第2方向の長さL3bとの差は、何れか大きい長さのおよそ5%以下であってもよい。他の例によれば、長さL3aと長さL3bとの差は、何れか大きい長さのおよそ3%未満であってもよい。さらに他の例によれば、長さL3aと長さL3bとの差は、何れか大きい長さのおよそ2%未満であってもよい。第1方向は、第1発光領域EM1の中心から、第3発光領域EM3の中心に延びる方向と定義されてもよい。第2方向は、第2発光領域EM2の中心から、第3発光領域EM3の中心に延びる方向と定義されてもよい。第1発光領域EM1及び第2発光領域EM2に対する第3発光領域EM3の相対的な位置に応じて、第1方向と第2方向は、変化してもよい。長さL3aと長さL3bとに差が存在することにより、第3発光領域EM3の平面形状は、実質的に角が丸い正八角形状が第1方向または第2方向に潰れた形状であってもよい。
【0079】
多様な実施形態によれば、第1発光領域EM1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光領域EM2の対向する二辺間の距離L2との差が小さいために、互いに隣接した第3発光領域EM3と第1発光領域EM1との距離Laに対する第3発光領域EM3の第1方向の長さL3aの比率(L3a/La)と、互いに隣接した第3発光領域EM3と第2発光領域EM2との距離Lbに対する第3発光領域EM3の第2方向の長さL3bの比率(L3b/Lb)の差は、何れか大きい比率のおよそ5%以下であってもよい。他の例によれば、比率(L3a/La)と比率(L3b/Lb)との差は、何れか大きい比率のおよそ3%未満であってもよい。さらに他の例によれば、比率(L3a/La)と比率(L3b/Lb)との差は、何れか大きい比率のおよそ2%未満であってもよい。第1方向は、第1発光領域EM1の中心から、第3発光領域EM3の中心に延びる方向であり、第2方向は、第2発光領域EM2の中心から、第3発光領域EM3の中心に延びる方向と定義されてもよい。
【0080】
一実施形態によれば、第3発光領域EM3の平面形状が実質的に角が丸い八角形の形状を有することにより、互いに隣接した第3発光領域EM3間の距離Lcは、それぞれ第3発光領域EM3を有する第3発光層EML3をいずれも1つのマスク、例えば、ファインメタルマスクを利用して形成する工程の臨界規格よりも長い。例えば、距離Lcは、20μmより大きく40μm未満であってもよい。例えば、距離Lcは、およそ32.35μmであってもよい。
【0081】
一実施形態によれば第1発光領域EM1及び第2発光領域EM2の平面形状がいずれも実質的に角が丸い直角菱形状であり、第1発光領域EM1及び第2発光領域EM2の中心が、それぞれ第1の仮想の四角形VR1及び第2の仮想の四角形VR2の中心点と一致する場合、第1発光領域EM1と第2発光領域EM2との距離Ldは、行方向と列方向とにいずれも一定である。
【0082】
本実施形態によれば、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の間に、距離La、距離Lb及び距離Lcを確保することができるので、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3をそれぞれ有する第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3のそれぞれを、それらに対応するファインメタルマスクを利用して形成するだけではなく、ファインメタルマスクを利用した蒸着工程時における蒸着の信頼性が向上する。それにより、本実施形態によれば、蒸着の信頼性が向上した有機発光表示装置が提供される。
【0083】
第3発光領域EM3の平面面積は、第1発光領域EM1の平面面積及び第2発光領域EM2の平面面積よりも狭くてもよい。一例によれば、第3発光領域EM3の平面面積は、第1発光領域EM1の平面面積と第2発光領域EM2の平面面積の何れか大きい平面面積の75%以上であってもよい。他の例によれば、第3発光領域EM3の平面面積は、第1発光領域EM1の平面面積と第2発光領域EM2の平面面積の何れか大きい平面面積の80%以上であってもよい。
【0084】
第1発光領域EM1の平面面積は、第2発光領域EM2の平面面積の90%以上であってもよい。他の例によれば、第1発光領域EM1の平面面積は、第2発光領域EM2の平面面積の95%以上であってもよい。さらに他の例によれば、第1発光領域EM1の平面面積は、第2発光領域EM2の平面面積の97%以上であってもよい。
【0085】
例えば、第1発光領域EM1の平面面積、第2発光領域EM2の平面面積及び第3発光領域EM3の平面面積の比率は、0.975:1:0.771であってもよい。例えば、第1発光領域EM1を含む第1副画素の開口率は、約19.5%であり、第2発光領域EM2を含む第2副画素の開口率は、約20.0%であり、第3発光領域EM3を含む第3副画素の開口率は、約15.42%であってもよい。
【0086】
有機発光表示装置が、本実施形態による副画素配列構造を有することにより、有機発光表示装置が最大輝度で白色を表示するとき、すなわち、フルホワイト(full white)を表示するとき、第3発光層EML3に供給される電流量は、第1発光層EML1に供給される電流量と第2発光層EML2に供給される電流量の何れか多い電流量の75%以上であってもよい。他の例によれば、有機発光表示装置がフルホワイトを表示するとき、第3発光層EML3に供給される電流量は、第1発光層EML1に供給される電流量と第2発光層EML2に供給される電流量の何れか多い電流量の80%以上であってもよい。例えば、有機発光表示装置がフルホワイトを表示するとき、第3発光層EML3に供給される電流量を1とすれば、第1発光層EML1に供給される電流量は、およそ1.28であり、第2発光層EML2に供給される電流量は、およそ1.05であってもよい。
【0087】
本実施形態と異なり、第1発光領域EM1と第3発光領域EM3とが仮想の四角形VRの中心点に位置し、第2発光領域EM2が仮想の四角形VRの頂点に位置し、第2発光領域EM2の個数が、第1発光領域EM1または第3発光領域EM3の個数の2倍である場合には、第3発光領域EM3の平面面積とそこに供給される電流量は2倍になり、第2発光領域EM2の平面面積とそこに供給される電流量は1/2倍になる。このとき、第3発光領域EM3の平面面積は、第2発光領域EM2の平面面積のおよそ3倍になり、フルホワイトに表示されるとき、第3発光層EML3に供給される電流量は、第2発光層EML2に供給される電流量は、およそ4倍になる。このように、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面面積の偏りと、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3に供給される電流量の偏りとが大きくなると、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3が不均一に配置されるので、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の間に要求される間隔のため、有機発光表示装置の解像度を上げたりインチ当たりのピクセル数を増加させたりすることについての限界がある。それだけではなく、第2発光層EML2に供給される電流量が減少するため、白色に表示されなければならないにもかかわらず、意図せず、他の副画素に比べ遅く発光したり、赤色または紫色が一時的に表示されたりする問題が発生する。
【0088】
有機発光表示装置が、本実施形態による副画素配置構造を有することにより、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3の平面面積と、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3に供給される電流量とが相対的に均一になる。従って、有機発光表示装置の解像度を上げることができ、白色の代わりに赤色または紫色が一時的に表示される問題が解消される。本実施形態による有機発光表示装置は、さらに高品質のイメージを表示することができる。
【0089】
本実施形態によれば、第1発光層EML1は、赤色光を放出し、第2発光層EML2は、緑色光を放出し、第3発光層EML3は、青色光を放出してもよい。しかし、本発明は、それに限定されるものではなく、第1発光層EML1は、緑色光、青色光または白色光を放出し、第2発光層EML2は、赤色、青色または白色光を放出し、第3発光層EML3、は赤色、緑色光または白色光を放出し、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3が放出する光の色相は、互いに異なっていてもよい。
【0090】
第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3は、画素定義層PDLの第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3にそれぞれ対応する。複数の第1開口部OP1と、複数の第2開口部OP2は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3開口部OP3は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0091】
第1開口部OP1の個数と、第2開口部OP2の個数は、実質的に同一であってもよく、第3開口部OP3の個数は、第1開口部OP1の個数の2倍、または第2開口部OP2の個数の2倍であってもよい。ただし、第1開口部OP1の個数と、第2開口部OP2の個数は、正確に同一でなくてもよい。また、第3開口部OP3の個数は、第1開口部OP1の個数、または第2開口部OP2の個数の正確な2倍であってもよい。
【0092】
第1開口部OP1は、第1の仮想の四角形VR1の中心点にそれぞれ位置してもよい。第1開口部OP1の中心は、第1の仮想の四角形VR1の中心点と実質的に一致してもよい。第1開口部OP1の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0093】
第2開口部OP2は、第2の仮想の四角形VR2の中心点にそれぞれ位置してもよい。第2開口部OP2の中心は、第2の仮想の四角形VR2の中心点と実質的に一致する。第2開口部OP2の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0094】
図1には、第1開口部OP1の平面面積と、第2開口部OP2の平面面積とが互いに実質的に同一であるように図示されているが、本発明は、それに限定されるものではない。一例によれば、第1開口部OP1の平面面積と、第2開口部OP2の平面面積との差は、何れか大きい平面面積の10%以下、5%以下または3%以下であってもよい。第1開口部OP1の平面面積が、第2開口部OP2の平面面積よりも狭くてもよい。第1開口部OP1の対向する二辺間の距離L1と、第2開口部OP2の対向する二辺間の距離L2との差は、いずれか大きい距離のおよそ5%以下、およそ2.5%以下またはおよそ1.5%以下であってもよい。
【0095】
第3開口部OP3は、行方向と列方向とに互いに隣接するように整列される第1の仮想の四角形VR1及び第2の仮想の四角形VR2の頂点にそれぞれ位置してもよい。第3開口部OP3の中心は、仮想の四角形VRの頂点とそれぞれ実質的に一致する。
【0096】
一実施形態によれば、第3開口部OP3の平面形状は、
図1に図示されているように、実質的に角が丸い正八角形状であってもよい。その場合、距離L1と距離L2との差により、互いに隣接する第1開口部OP1と第3開口部OP3との距離Laと、互いに隣接する第2開口部OP2と第3開口部OP3との距離Lbとの差は、何れか大きい距離の差のおよそ5%未満、およそ2%未満またはおよそ1%未満であってもよい。距離Laは、第1開口部OP1のエッジと、第3開口部OP3のエッジとの最短距離と定義されてもよく、距離Lbは、第2開口部OP2のエッジと第3開口部OP3のエッジとの最短距離と定義されてもよい。
【0097】
他の実施形態によれば、距離Laと距離Lbは、実質的に同一である。その場合、距離L1と距離L2との差により、第3開口部OP3の平面形状は、実質的に角が丸い八角形状、例えば、八角形状、または面取りされた八角形の形状であってもよい。第3開口部OP3の平面形状は、実質的に角が丸い正八角形状が、第1方向または第2方向に潰れた形状であってもよい。
【0098】
距離L1と距離L2との差に応じて、第3開口部OP3の第1方向の長さL3aと、第3開口部OP3の第2方向の長さL3bとの差は、何れか大きい長さのおよそ5%以下、およそ3%以下またはおよそ2%以下であってもよい。第1方向は、第1開口部OP1の中心から、第3開口部OP3の中心に延びる方向と定義されてもよい。第2方向は、第2開口部OP2の中心から、第3開口部OP3の中心に延びる方向と定義されてもよい。第1開口部OP1及び第2開口部OP2に対する第3開口部OP3それぞれの相対的な位置に応じて、第3開口部OP3の第1方向と第2方向は、変化してもよい。
【0099】
多様な実施形態によれば、距離L1と距離L2との差が大きくないために、距離Laに対する長さL3aの比率(L3a/La)と、距離Lbに対する長さL3bの比率(L3b/Lb)との差は、何れか大きい比率のおよそ5%以下、およそ3%未満またはおよそ2%未満であってもよい。
【0100】
第3開口部OP3の平面面積は、第1開口部OP1の平面面積及び第2開口部OP2の平面面積よりも狭くてもよい。第3開口部OP3の平面面積は、第1開口部OP1の平面面積と第2開口部OP2の平面面積の何れか大きい平面面積の75%以上または80%以上であってもよい。第1開口部OP1の平面面積は、第2開口部OP2の平面面積の90%以上または95%以上であってもよい。
【0101】
図1に図示されていないが、画素定義層PDL上に、有機発光物質の蒸着工程に使用されるマスクによって生成された構造物の表面が損傷されることを防止するためのスペーサが配置されてもよい。スペーサは、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の間に位置し、所定の高さまたは厚みを有してもよく、その平面形状は、実質的に長方形または正方形であってもよい。
【0102】
以下、
図5を参照し、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の副画素配列構造について説明する。
【0103】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
図5に図示された有機発光表示装置は、第3発光領域EM3’及び第3発光層EML3’を除いては、
図1に図示された有機発光表示装置と実質的に同一である。同一構成要素に係わる説明は、反復しない。
【0104】
図5には、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’をそれぞれ有する第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3’並びに第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’にそれぞれ対応する第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3’を有する画素定義層PDLが図示されている。
図5には、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’が、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3’と実質的にそれぞれ一致するように図示されている。しかし、それは、例示的なものであり、
図3に図示されているように、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’が、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3’の一部領域にそれぞれ対応してもよい。
【0105】
図5を参照すれば、行方向と列方向とに隣接して整列される仮想の四角形VRが図示されている。仮想の四角形VRは、正方形、実質的に正方形に近い長方形、または実質的に正方形に近い平行四辺形であってもよい。
【0106】
複数の第1発光領域EM1と、複数の第2発光領域EM2は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3発光領域EM3’は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0107】
複数の第1開口部OP1と、複数の第2開口部OP2は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3開口部OP3’は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3’の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0108】
第1発光層EML1を含む第1副画素と、第2発光層EML2を含む第2副画素は、互いに同一個数で存在し、第3発光層EML3を含む第3副画素は、第1副画素の個数の2倍、または第2副画素の個数の2倍ほど存在してもよい。ただし、第1副画素の個数と、第2副画素の個数は、異なってもよい。第3副画素の個数は、第1副画素または第2副画素の個数の正確な2倍でなくてもよい。本実施形態によれば、有機発光表示装置のインチ当たりのピクセル数は、520以上であってもよい。例えば、仮想の四角形VRの対角線方向1インチ内に、520個以上の第3発光領域EM3または第3発光層EML3を含む第3副画素が配置されてもよい。
【0109】
仮想の四角形VRは、行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列される第1の仮想の四角形VR1と、第2の仮想の四角形VR2とを含む。第1の仮想の四角形VR1及び第2の仮想の四角形VR2は、いずれも同一形状を有してもよい。
【0110】
第1発光領域EM1または第1開口部OP1は、第1の仮想の四角形VR1の中心点にそれぞれ位置してもよい。第1発光領域EM1または第1開口部OP1の中心は、第1の仮想の四角形VR1の中心点と実質的に一致する。第1発光領域EM1または第1開口部OP1の平面形状は、
図5に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0111】
第2発光領域EM2または第2開口部OP2は、第2の仮想の四角形VR2の中心点にそれぞれ位置してもよい。第2発光領域EM2または第2開口部OP2の中心は、第2の仮想の四角形VR2の中心点と実質的に一致する。第2発光領域EM2または第2開口部OP2の平面形状は、
図5に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0112】
図5には、第1発光領域EM1及び第2発光領域EM2、または第1開口部OP1及び第2開口部OP2が互いに実質的に同一平面面積を有するように図示されているが、本発明は、それに限定されるものではない。第1発光領域EM1または第1開口部OP1の平面面積と、第2発光領域EM2または第2開口部OP2の平面面積との差は、何れか大きい平面面積の10%以下、5%以下または3%以下であってもよい。第1発光領域EM1または第1開口部OP1の平面面積が、第2発光領域EM2または第2開口部OP2の平面面積より狭くてもよい。第1発光層EML1または第1開口部OP1の対向する二辺間の距離L1と、第2発光層EML2または第2開口部OP2の対向する二辺間の距離L2との差は、何れか大きい距離のおよそ5%以下、およそ2.5%以下またはおよそ1.5%以下であってもよい。距離L1は、距離L2より短くてもよい。
【0113】
第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’は、仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置してもよい。第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の中心は、仮想の四角形VRの頂点とそれぞれ実質的に一致する。一実施形態によれば、第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の平面形状は、
図5に図示されているように、実質的に角が丸い直角菱形状であってもよい。
【0114】
第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の平面面積は、
図1に図示される第3発光領域EM3または第3開口部OP3の平面面積と実質的に同一である。しかし、第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の平面形状が、実質的に角が丸い直角菱形状であるので、第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の第1方向の長さL3a’と、第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の第2方向の長さL3b’は、
図1に図示される第3発光領域EM3または第3開口部OP3の第1方向の長さL3a、及び第3発光領域EM3または第3開口部OP3の第2方向の長さL3bに比べ、およそ7%ないし9%短くてもよい。例えば、
図5の長さL3a’及び長さL3b’は、
図1の長さL3a及び長さL3bに比べ、およそ8%減少してもよい。
【0115】
それにより、互いに隣接する第1発光領域EM1と第3発光領域EM3’との距離La’と、互いに隣接する第2発光領域EM2と第3発光領域EM3’との距離Lb’は、
図3の距離Laと距離Lbとに比べ、5%ないし7%ほど短くなってもよい。例えば、
図5の距離La’と距離Lb’は、
図1の距離Laと距離Lbとに比べ、それぞれおよそ6%短くなってもよい。従って、距離La’と距離Lb’とが、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’をそれぞれ有する第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3’を形成するための工程の臨界規格と同一になるように設計すると、
図5の実施形態による有機発光表示装置は、
図1の実施形態に比べ、さらに高い解像度、またはインチ当たりのピクセル数を有することができる。
【0116】
第3発光領域EM3’または第3開口部OP3’の平面形状が、実質的に角が丸い直角菱形状である場合、距離L1と距離L2との差に応じて、距離La’と距離Lb’との差は、何れか大きい距離のおよそ5%未満、およそ2%未満またはおよそ1%未満であってもよい。距離La’は、第1発光領域EM1のエッジと、第3発光領域EM3’のエッジとの最短距離と定義されてもよく、距離Lb’は、第2発光領域EM2のエッジと、第3発光領域EM3’のエッジとの最短距離と定義されてもよい。例えば、距離La’と距離Lb’は、いずれも10μmより大きく20μm未満であってもよい。例えば、距離La’と距離Lb’は、いずれもおよそ18μmまたは19μmほどであってもよい。例えば、距離La’と距離Lb’は、それぞれ約18.78μm及び約18.6μmであり、距離La’は、距離Lb’に比べ、およそ1%さらにさらに長くてもよい。
【0117】
他の実施形態によれば、距離La’と距離Lb’は、実質的に同一である。例えば、距離La’と距離Lb’は、いずれも10μmより大きく20μm未満であってもよい。例えば、距離La’と距離Lb’は、いずれも約18.6μmであってもよい。距離La’と距離Lb’は、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3’を形成するための工程の臨界規格として、互いに同一である。第3発光領域EM3’の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形が、第1方向または第2方向に潰れた形状であってもよい。例えば、第3発光領域EM3’の平面形状は、実質的に角が丸い長方形が、およそ45度回転した形状であってもよい。
【0118】
距離L1と距離L2との差に応じて、第3発光領域EM3’の第1方向の長さL3a’と、第3発光領域EM3’の第2方向の長さL3b’との差は、何れか大きい長さのおよそ5%以下、およそ3%未満またはおよそ2%未満であってもよい。
【0119】
一実施形態によると、第3発光領域EM3’の平面形状が、実質的に角が丸い直角菱形状を有することにより、互いに隣接した第3発光領域EM3’間の距離Lc’は、
図1の距離Lcに比べて減少する。それにより、距離Lc’は、第3発光領域EM3’を有する第3発光層EML3’を1つのマスク、例えば、ファインメタルマスクを利用して形成する工程の臨界規格よりも短い。例えば、距離Lc’は、およそ29.44μmほどであってもよい。その場合、第3発光層EML3’は、2枚のマスクを利用して、2回の工程を経て形成されてもよい。第3発光層EML3’を含む有機発光表示装置を製造する方法は、
図6Aないし
図6Dを参照し、追ってさらに詳細に説明する。
【0120】
第3発光領域EM3’の平面面積は、第1発光領域EM1の平面面積及び第2発光領域EM2の平面面積よりも狭い。一例によれば、第3発光領域EM3’の平面面積は、第1発光領域EM1の平面面積と第2発光領域EM2の平面面積の何れか大きい平面面積の75%以上または80%以上であってもよい。有機発光表示装置が、本実施形態による副画素配列構造を有することにより、有機発光表示装置が、フルホワイトを表示するとき、第3発光層EML3’に供給される電流量は、第1発光層EML1に供給される電流量と、第2発光層EML2に供給される電流量とのうちいずれか大きい電流量の75%以上または80%以上であってもよい。
【0121】
有機発光表示装置が本実施形態による副画素配置構造を有することにより、第1発光層EML1、第2発光層EML2及び第3発光層EML3の平面面積と、それらに供給される電流量とが相対的に均一になる。従って、有機発光表示装置の解像度を高めることができ、白色の代わりに赤色または紫色が一時的に表示される問題が解消される。本実施形態による有機発光表示装置は、さらに高品質のイメージを表示することができる。
【0122】
本実施形態によれば、第1発光層EML1は、赤色光を放出し、第2発光層EML2は、緑色光を放出し、第3発光層EML3’は、青色光を放出してもよい。しかし、本発明は、それに限定されるものではない。
【0123】
図6Aないし
図6Dは、
図5の有機発光表示装置を製造するための第1マスクないし第4マスクの一部を図示している。
【0124】
図6Aないし
図6Dにそれぞれ図示される第1マスクMSK1ないし第4マスクMSK4は、ファインメタルマスクであってもよい。
【0125】
図6Aに図示される第1マスクMSK1は、
図5の第1発光層EML1を形成するためのマスクであり、第1発光領域EM1または第1開口部OP1の位置に対応する第1マスク開口部MOP1を有する。第1マスク開口部MOP1を通過した第1有機発光物質が蒸着されることにより、第1発光層EML1が形成される。
【0126】
図6Bに図示される第2マスクMSK2は、
図5の第2発光層EML2を形成するためのマスクであり、第2発光領域EM2または第2開口部OP2の位置に対応する第2マスク開口部MOP2を有する。第1マスク開口部MOP2を通過した第2有機発光物質が蒸着されることにより、第2発光層EML2が形成される。
【0127】
図6Cに図示される第3マスクMSK3は、
図5の第3発光層EML3’の一部を形成するためのマスクであり、第3発光領域EM3’の一部、または第3開口部OP3’の一部の位置に対応する第3マスク開口部MOP3aを有する。第3マスク開口部MOP3aを通過した第3有機発光物質が蒸着されることにより、第3発光層EML3’の一部が形成される。
【0128】
図6Dに図示される第4マスクMSK4は、
図5の第3発光層EML3’の残りを形成するためのマスクであり、第3発光領域EM3’の残りまたは第3開口部OP3’の残りの位置に対応する第4マスク開口部MOP3bを有する。第4マスク開口部MOP3bを通過した第3有機発光物質が蒸着されることにより、第3発光層EML3’の残りが形成される。
【0129】
図6C及び
図6Dを参照すると、第3マスクMSK3を介して形成される第3発光層EML3の一部と、第4マスクMSK4を介して形成される第3発光層EML3の残りは、行方向と列方向とに沿って交互に位置する。それにより、第3マスク開口部MOP3a間の間隔と、第4マスク開口部MOP3b間の間隔は、第3発光層EML3’を1つのマスクを利用して形成するための臨界規格より大きい。従って、第3マスクMSK3と第4マスクMSK4とを利用して蒸着を2回行うことにより、実質的に角が丸い直角菱形の平面形状を有する第3発光領域EM3’を有する第3発光層EML3’が形成される。
【0130】
図7は、
図6Aないし
図6Dに図示された第1マスクないし第4マスクを重畳した参照図である。
【0131】
図7を参照すると、
図6Aないし
図6Dに図示される第1マスクMSK1ないし第4マスクMSK4の第1マスク開口部MOP1、第2マスク開口部MOP2、第3マスク開口部MOP3a及び第4マスク開口部MOP3bの相対的な位置を示すために、第1マスク開口部MOP1、第2マスク開口部MOP2、第3マスク開口部MOP3a及び第4マスク開口部MOP3bが重畳して示されている。
【0132】
図7に図示された第1マスク開口部MOP1は、
図5に図示された第1発光層EML1にそれぞれ対応する位置に配置される。
図7に図示された第2マスク開口部MOP2は、
図5に図示された第2発光層EML2にそれぞれ対応する位置に配置される。
図7に図示された第3マスク開口部MOP3a及び第4マスク開口部MOP3bは、
図5に図示された第3発光層EML3’にそれぞれ対応する位置に配置される。
【0133】
一例によれば、蒸着の信頼性を高めるために、第1マスク開口部MOP1、第2マスク開口部MOP2、第3マスク開口部MOP3a及び第4マスク開口部MOP3bは、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’または第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3’より大きい平面面積をそれぞれ有してもよく、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’、または第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3’と異なる平面形状をそれぞれ有してもよい。
【0134】
他の例によれば、第1マスク開口部MOP1、第2マスク開口部MOP2、第3マスク開口部MOP3a及び第4マスク開口部MOP3bは、第1発光領域EM1、第2発光領域EM2及び第3発光領域EM3’または第1開口部OP1、第2開口部OP2及び第3開口部OP3’と実質的に同一平面形状及び面積をそれぞれ有してもよい。
【0135】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光表示装置の一部の平面図である。
【0136】
図8に図示された有機発光表示装置は、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”の平面形状を除いては、
図1に図示された有機発光表示装置と実質的に同一である。同一構成要素に係わる説明は、反復しない。
【0137】
図8には、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”と、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”にそれぞれ対応する第1開口部OP1”、第2開口部OP2”及び第3開口部OP3”と、を有する画素定義層PDLが図示される。
図8には、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”が、第1発光層EML1”、第2発光層EML2”及び第3発光層EML3”と実質的にそれぞれ一致するように図示されている。しかし、それは、例示的なものであり、
図3に図示されているように、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”が、第1発光層EML1”、第2発光層EML2”及び第3発光層EML3”の一部領域にそれぞれ対応してもよい。
【0138】
行方向と列方向とに隣接して整列される仮想の四角形VRが図示されている。仮想の四角形VRは、正方形、実質的に正方形に近い長方形、または実質的に正方形に近い平行四辺形であってもよい。
【0139】
複数の第1発光領域EM1”と、複数の第2発光領域EM2”は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3発光領域EM3”は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0140】
複数の第1開口部OP1”と、複数の第2開口部OP2”は、仮想の四角形VRの中心点に交互に位置する。複数の第3開口部OP3”は、行方向と列方向とに互いに隣接した仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置する。第1開口部OP1”、第2開口部OP2”及び第3開口部OP3”の平面面積の差は、最も広い平面面積の25%未満である。
【0141】
第1発光層EML1”を含む第1副画素と、第2発光層EML2”を含む第2副画素は、互いに同一個数であってもよい。第3発光層EML3”を含む第3副画素は、第1副画素の個数の2倍、または第2副画素の個数の2倍ほど存在してもよい。ただし、第1副画素の個数と、第2副画素の個数は、異なっていてもよいし、第3副画素の個数は、第1副画素または第2副画素の個数の正確な2倍でなくてもよい。
【0142】
仮想の四角形VRは、行方向と列方向とに互いに隣接し、交互に整列される第1の仮想の四角形VR1と、第2の仮想の四角形VR2と、を含む。第1の仮想の四角形VR1及び第2の仮想の四角形VR2は、いずれも同一形状を有してもよい。
【0143】
第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”は、第1の仮想の四角形VR1の中心点にそれぞれ位置してもよい。第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”の中心は、第1の仮想の四角形VR1の中心点と実質的に一致する。
【0144】
第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”は、第2の仮想の四角形VR2の中心点にそれぞれ位置してもよい。第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”の中心は、第2の仮想の四角形VR2の中心点と実質的に一致する。
【0145】
第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”は、仮想の四角形VRの頂点にそれぞれ位置してもよい。第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”の中心は、仮想の四角形VRの頂点とそれぞれ実質的に一致する。
【0146】
第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”の平面形状は、第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”の平面形状と実質的に同一であり、第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”の平面形状と異なっていてもよい。例えば、第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”の平面形状と、第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”の平面形状は、実質的に角が丸い直角菱形状であり、第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”の平面形状は、実質的に角が丸い八角形状、または実質的に角が丸い正八角形が第1方向に伸張し、第2方向に圧縮された形状であってもよい。第1方向は、第1発光領域EM1”の中心から、第3発光領域EM3”の中心に延びる方向と定義されてもよい。第2方向は、第2発光領域EM2”の中心から、第3発光領域EM3”の中心に延びる方向と定義されてもよい。第1発光領域EM1”及び第2発光領域EM2”に対する第3発光領域EM3”それぞれの相対的な位置により、第3発光領域EM3”それぞれの第1方向と第2方向は、異なっていてもよい。
【0147】
第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”は、第3発光領域EM3a”または第3開口部OP3a”と、第3発光領域EM3b”または第3開口部OP3b”とに区分される。第3発光領域EM3a”または第3開口部OP3a”は、右上-左下方向に伸張した平面形状を有し、第3発光領域EM3b”または第3開口部OP3b”は、左上-右下方向に伸張した平面形状を有する。
【0148】
第3発光領域EM3a”と第3発光領域EM3b”は、行方向と列方向とに交互に配置されてもよい。第3発光領域EM3a”と第3発光領域EM3b”は、互いに上下対称であり、かつ、左右対称であってもよい。それにより、仮想の四角形VRの中心点を基準に、中心点に隣接した4個の第3発光領域EM3”または第3開口部OP3”は、互いに上下対称であり、かつ、左右対称であってもよい。
【0149】
図8に図示されているように、第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”の平面面積は、第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”の平面面積よりも狭い。第1発光領域EM1”または第1開口部OP1”の平面面積は、第2発光領域EM2”または第2開口部OP2”の平面面積の80%以上、90%以上または95%以上であってもよい。第1発光層EML1”または第1開口部OP1”の対向する二辺間の距離L1”は、第2発光層EML2”または第2開口部OP2”の対向する二辺間の距離L2のおよそ90%以上、およそ95%以上またはおよそ97.5%以上であってもよい。
【0150】
互いに隣接する第1発光領域EM1”と第3発光領域EM3”との距離La”と、互いに隣接する第2発光領域EM2”と第3発光領域EM3”との距離Lb”は、互いに実質的に同一である。例えば、距離La”と距離Lb”は、第1発光領域EM1”、第2発光領域EM2”及び第3発光領域EM3”をそれぞれ有する第1発光層EML1”、第2発光層EML2”及び第3発光層EML3”を形成するための工程の臨界規格と同一である。
【0151】
距離L1”が距離L2”に比べて短く、距離La”が距離Lb”と同一であるので、第3発光領域EM3”の第1方向の長さL3a”は、第3発光領域EM3”の第2方向の長さL3b”よりも長い。第2方向の長さL3b”は、第1方向の長さL3a”の90%以上、95%以上または97.5%以上であってもよい。第3発光領域EM”の第1方向の長さと、第3発光領域EM”の第2方向の長さの差は、何れか大きい長さの10%未満、5%未満または2.5%未満であってもよい。
【0152】
本発明の多様な実施形態によれば、副画素の開口率を確保しながらも、隣接する発光層間の間隔が効率的に設定される高解像度画素配列構造を有する表示装置が提供される。
【0153】
このように本発明は、図面に図示された一実施形態を参照にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野の当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明の、表示装置及びその製造方法は、例えば、イメージ表示関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0155】
EM1,EM1” 第1発光領域
EM2,EM2” 第2発光領域
EM3,EM3’,EM3” 第3発光領域
OP1,OP1” 第1開口部
OP2,OP2” 第2開口部
OP3,OP3’,OP3” 第3開口部
PDL 画素定義層