(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】調光フィルム用透明導電フィルム、及び、調光フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 7/023 20190101AFI20220720BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20220720BHJP
H01B 5/14 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
B32B7/023
G02F1/13 505
H01B5/14 A
(21)【出願番号】P 2018138300
(22)【出願日】2018-07-24
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2017144537
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 淳之介
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 友貴
(72)【発明者】
【氏名】伊神 俊輝
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-083532(JP,A)
【文献】特開2016-177820(JP,A)
【文献】特許第6166828(JP,B1)
【文献】特表2016-504217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
G02F 1/13-1/141
H01B 5/00-5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂を含む調光層を備える調光フィルムに用いられる透明導電フィルムであって、
基材フィルムと、該基材フィルムの一方の表面側に配置されている導電層とを有し、
前記透明導電フィルムの波長365nmにおける全光線透過率をT
365、前記透明導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率をT
550、及び前記導電層の厚みをXとしたときに、(T
365+T
550)/Xが8%/nm以上20%/nm以下である、調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項2】
前記導電層の厚みが、15nm以上である、請求項1に記載の調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項3】
(T
365
+T
550
)/Xが10%/nm以下である、請求項1又は2に記載の調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項4】
前記T
365が70%以上である、請求項1
~3のいずれか1項に記載の調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項5】
前記基材フィルムが、基材フィルム本体と、ハードコート層とを有し、
前記ハードコート層は、前記基材フィルム本体の第1の表面上、及び前記第1の表面とは反対の第2の表面上に積層されており、
前記第1の表面上に積層されている前記ハードコート層の、前記基材フィルム本体側とは反対の表面側に前記導電層が配置されている、請求項1
~4のいずれか1項に記載の調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項6】
前記基材フィルムの波長365nmにおける全光線透過率が75%以上である、請求項1~
5のいずれか1項に記載の調光フィルム用透明導電フィルム。
【請求項7】
第1の透明導電フィルムと、
第2の透明導電フィルムと、
前記第1の透明導電フィルムと前記第2の透明導電フィルムとの間に配置された調光層とを備え、
前記調光層がアクリル樹脂を含み、
前記第1の透明導電フィルム及び前記第2の透明導電フィルムの内の少なくとも一方が、請求項1~
6のいずれか1項に記載の調光フィルム用透明導電フィルムである、調光フィルム。
【請求項8】
前記調光層に対する前記調光フィルム用透明導電フィルムのピール強度が3N/
0.0254m以上である、請求項
7に記載の調光フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光フィルムに用いられる透明導電フィルムに関する。また、本発明は、上記透明導電フィルムを用いた調光フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
調光フィルム等に調光材料等が用いられている。調光材料は、特定の波長の光を遮断することにより透過率を調整したり、色調を調整したりすることを目的として利用されている。調光フィルムは、室内部材、建築部材及び電子部品等の様々な分野において利用されている。
【0003】
上記調光フィルムは、例えば、2つの透明導電フィルム間に、調光層が配置された構造を有する。上記調光フィルムに用いられる透明導電フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの表面上に導電層とを有する。上記調光フィルムにおいて、上記導電層は、上記調光層を介して対向した状態になる。上記調光フィルムでは、2つの透明導電フィルムの導電層間に、電界が印加される。電界が印加されている状態と、電界が印加されていない状態とで、上記調光フィルムを通過する光量を変化させることができる。
【0004】
上記調光フィルムに用いられる透明導電フィルムの一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の透明導電フィルムでは、導電層が、ITO等により形成されていてもよい。
【0005】
また、上記調光フィルムの一例が、下記の特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の調光フィルムは、導電層(ITO層)と、調光層との間にシランカップリング剤層を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2008/075772A1
【文献】WO2016/051894A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のような従来の透明導電フィルムでは、導電層と調光層との密着性が低くなったり、得られる調光フィルムの透明度が低くなったりすることがある。結果として、調光フィルムの調光性能が低下することがある。
【0008】
特許文献2に記載の調光フィルムでは、導電層と、調光層との間にシランカップリング剤層が存在するため、導電層と調光層との密着性をある程度高くすることができる。しかし、特許文献2に記載の調光フィルムでは、透明度が低くなることがあり、結果として、調光性能が低下することがある。
【0009】
本発明の目的は、導電層と調光層との密着性を高めることができ、かつ透明度が高い調光フィルムを得ることができる調光フィルム用透明導電フィルムを提供することである。また、本発明は、上記調光フィルム用透明導電フィルムを用いた調光フィルムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広い局面によれば、調光フィルムに用いられる透明導電フィルムであって、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の表面側に配置されている導電層とを有し、前記透明導電フィルムの波長365nmにおける全光線透過率をT365、前記透明導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率をT550、及び前記導電層の厚みをXとしたときに、(T365+T550)/Xが8%/nm以上20%/nm以下である、調光フィルム用透明導電フィルムが提供される。
【0011】
本発明に係る調光フィルム用透明導電フィルムのある特定の局面では、前記T365が70%以上である。
【0012】
本発明に係る調光フィルム用透明導電フィルムのある特定の局面では、前記基材フィルムが、基材フィルム本体と、ハードコート層とを有し、前記ハードコート層は、前記基材フィルム本体の第1の表面上、及び前記第1の表面とは反対の第2の表面上に積層されており、前記第1の表面上に積層されている前記ハードコート層の、前記基材フィルム本体側とは反対の表面側に前記導電層が配置されている。
【0013】
本発明に係る調光フィルム用透明導電フィルムのある特定の局面では、前記基材フィルムの波長365nmにおける全光線透過率が75%以上である。
【0014】
本発明の広い局面によれば、第1の透明導電フィルムと、第2の透明導電フィルムと、前記第1の透明導電フィルムと前記第2の透明導電フィルムとの間に配置された調光層とを備え、前記第1の透明導電フィルム及び前記第2の透明導電フィルムの内の少なくとも一方が、上述した調光フィルム用透明導電フィルムである、調光フィルムが提供される。
【0015】
本発明に係る調光フィルムのある特定の局面では、前記調光層に対する前記調光フィルム用透明導電フィルムのピール強度が3N/inch以上である。なお、1inchは0.0254mである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導電層と調光層との密着性を高めることができ、かつ透明度が高い調光フィルムを得ることができる調光フィルム用透明導電フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルム用透明導電フィルムを示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す調光フィルム用透明導電フィルムを用いた調光フィルムの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明に係る調光フィルム用透明導電フィルム(以下、透明導電フィルムと記載することがある)は、調光フィルムに用いられる。透明導電フィルムは、透明である。透明には半透明も含まれる。透明導電フィルムは、透明であるので、光透過性を有する。透明導電フィルムは、導電性を有する。
【0020】
本発明に係る透明導電フィルムは、基材フィルムと、導電層とを備える。上記導電層は、上記基材フィルムの一方の表面側に配置されている。
【0021】
本発明に係る透明導電フィルムにおいて、上記透明導電フィルムの波長365nmにおける紫外線の全光線透過率(単位:%)をT365とし、上記透明導電フィルムの波長550nmにおける可視光線の全光線透過率(単位:%)をT550とし、上記導電層の厚み(単位:nm)をXとする。本発明に係る透明導電フィルムでは、(T365+T550)/Xが8%/nm以上20%/nm以下である。
【0022】
本発明に係る透明導電フィルムでは、導電層と調光層との密着性を高めることができ、かつ調光フィルムの透明度を高めることができる。結果として、良好な調光性能を得ることができる。
【0023】
上記(T365+T550)/Xは、好ましくは8.5%/nm以上、より好ましくは8.7%/nm以上、更に好ましくは8.9%/nm以上、特に好ましくは9%/nm以上、好ましくは15%/nm以下、より好ましくは12%/nm以下、更に好ましくは10%/nm以下である。上記(T365+T550)/Xが上記下限以上及び上記上限以下であると、導電層と調光層との密着性がより一層高くなり、かつ調光フィルムの透明度がより一層高くなる。
【0024】
上記透明導電フィルムの波長365nmにおける全光線透過率T365は、好ましくは70%以上、より好ましくは70.5%以上、更に好ましくは71%以上、特に好ましくは71.5%以上、最も好ましくは72%以上である。上記全光線透過率T365が上記下限以上であると、調光層が良好に硬化しやすくなり、調光フィルムの透明度がより一層高くなる。
【0025】
上記透明導電フィルムの波長550nmにおける全光線透過率T550は、好ましくは89%以上、より好ましくは89.5%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは90.5%以上、最も好ましくは91%以上である。上記全光線透過率T550が上記下限以上であると、調光フィルムの透明度がより一層高くなる。
【0026】
上記透明導電フィルムの上記全光線透過率T365及び上記全光線透過率T550はそれぞれ、通常100%以下である。
【0027】
上記透明導電フィルムの上記全光線透過率T365及び上記全光線透過率T550はそれぞれ、導電層の厚み、基材フィルムの厚み、ハードコート層の材料、屈折率調整を目的とした光学調整層の配置の有無、光学調整層の屈折率、及び光学調整層の厚み等により制御することができる。
【0028】
耐久性をより一層高める観点からは、本発明に係る透明導電フィルムにおいて、上記基材フィルムは基材フィルム本体と、ハードコート層とを有することが好ましい。上記ハードコート層は、上記基材フィルム本体の第1の表面上、及び上記第1の表面とは反対の第2の表面上に積層されていることが好ましい。この場合に、上記導電層は、上記第1の表面上に積層されている上記ハードコート層の、上記基材フィルム本体側とは反対の表面側に配置されている。
【0029】
なお、本明細書において、上記基材フィルム本体の上記第1の表面上に積層されているハードコート層を第1のハードコート層と記載し、上記基材フィルム本体の上記第2の表面上に積層されているハードコート層を第2のハードコート層と記載することがある。
【0030】
基材フィルムの波長365nmにおける全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上である。上記全光線透過率が上記下限以上であると、調光層が良好に硬化しやすくなり、調光フィルムの透明度がより一層高くなる。
【0031】
上記透明導電フィルム及び基材フィルムの波長365nmにおける全光線透過率、及び波長550nmにおける全光線透過率はそれぞれ、分光光度計(日本分光社製「V-670」、又はその同等品)や、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」、又はその同等品)を用いて、測定される。
【0032】
調光フィルムの透明度をより一層高める観点からは、上記透明導電フィルムのヘイズ値は、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下である。なお、上記透明導電フィルムのヘイズ値は、通常0%以上である。
【0033】
上記ヘイズ値は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」、又はその同等品)を用いて、JIS K7136に基づいて、測定される。
【0034】
導電性をより一層高める観点からは、上記透明導電フィルムのシート抵抗値は、好ましくは200Ω/□以下、より好ましくは160Ω/□以下、更に好ましくは130Ω/□以下である。透明導電フィルムのシート抵抗値が上記上限以下であると、調光フィルムの駆動電圧をより下げることができる。また、透明導電フィルムのシート抵抗値が上記上限以下であると、調光フィルムが大型化した場合に、より均一かつ迅速に、調光フィルムの色調及び光透過率を変化させることができる。
【0035】
上記透明導電フィルムは、アクリル樹脂を含む調光層に上記導電層が接するように用いられることが好ましい。本発明では、アクリル樹脂を含む調光層に上記透明導電フィルムが接しても、導電層と調光層との密着性を高めることができる。
【0036】
上記透明導電フィルムは、アニール処理された透明導電フィルムであることが好ましい。
【0037】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に係る調光フィルム用透明導電フィルムを示す断面図である。
【0039】
図1に示す透明導電フィルム1は、調光フィルムに用いられる。
【0040】
透明導電フィルム1は、基材フィルム2と、導電層12とを備える。
【0041】
基材フィルム2は、光透過性を有する。基材フィルム2は、光透過性を有する材料により構成されている。
【0042】
基材フィルム2は、基材フィルム本体11と、第1のハードコート層13と、第2のハードコート層14とを有する。
【0043】
基材フィルム本体11は、光透過性を有する。基材フィルム本体11は、光透過性を有する材料により構成されている。
【0044】
基材フィルム本体11は、第1の表面11a及び第2の表面11bを有する。第1の表面11aと、第2の表面11bとは、互いに対向している。
【0045】
基材フィルム本体11の第1の表面11a上に第1のハードコート層13が積層されている。基材フィルム本体11の第2の表面11b上に第2のハードコート層14が積層されている。第1のハードコート層13及び第2のハードコート層14は、光透過性を有する。
【0046】
基材フィルム2の表面上に、導電層12が配置されている。第1のハードコート層13の基材フィルム本体11側とは反対の表面上に、導電層12が配置されている。導電層12は、光透過性を有する。導電層12は、光透過性が高く、かつ導電性を有する材料により構成されている。
【0047】
本発明に係る透明導電フィルムでは、透明導電フィルム1に示すように、第1のハードコート層13及び第2のハードコート層14が備えられてもよい。本発明に係る透明導電フィルムでは、第1のハードコート層及び第2のハードコート層の一方が備えられていなくてもよい。また、本発明に係る透明導電フィルムでは、第1のハードコート層及び第2のハードコート層の双方が備えられていなくてもよい。
【0048】
また、
図1に示す透明導電フィルム1は、ロール状に巻かれていてもよい。
【0049】
以下、透明導電フィルムを構成する各層の詳細を説明する。
【0050】
(基材フィルム)
本発明に係る透明導電フィルムでは、上記基材フィルムは、基材フィルム本体と、ハードコート層とを有することが好ましい。上記ハードコート層は、上記基材フィルム本体の第1の表面上、及び上記第1の表面とは反対の第2の表面上に積層されていることが好ましい。
【0051】
基材フィルムは、高い光透過性を有することが好ましい。従って、上記基材フィルムの材料及び上記基材フィルム本体の材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、及びセルロースナノファイバー等が挙げられる。上記基材フィルムの材料及び上記基材フィルム本体の材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0052】
基材フィルムの厚みは、好ましくは12μm以上、より好ましくは23μm以上、更に好ましくは50μm以上、好ましくは188μm以下、より好ましくは125μm以下、更に好ましくは100μm以下である。基材フィルムの厚みが、上記下限以上及び上記上限以下である場合、調光フィルムの窓などへの施工性が良好になり、また、ハンドリング性を高めながら、透明導電フィルム及び調光フィルムを薄くすることができる。
【0053】
上記基材フィルムが上記基材フィルム本体と上記ハードコート層とを有する場合には、上記基材フィルム本体の厚みは、好ましくは12μm以上、より好ましくは23μm以上、更に好ましくは50μm以上、好ましくは188μm以下、より好ましくは125μm以下、更に好ましくは100μm以下である。基材フィルム本体の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下である場合、調光フィルムの窓などへの施工性が良好になり、また、ハンドリング性を高めながら、透明導電フィルム及び調光フィルムを薄くすることができる。
【0054】
基材フィルムの波長380~780nmの可視光線領域における平均透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。なお、波長380~780nmの可視光線領域における平均透過率は、通常100%以下である。
【0055】
基材フィルム、及び上記基材フィルムが上記基材フィルム本体と上記ハードコート層とを有する場合の基材フィルム本体はそれぞれ、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤及び着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0056】
上記第1及び第2のハードコート層はそれぞれ、樹脂硬化物を含む層であることが好ましい。上記樹脂硬化物としては、熱硬化樹脂の硬化物、及び紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂の硬化物等が挙げられる。生産性及び経済性を良好にする観点から、上記樹脂硬化物は、紫外線硬化樹脂の硬化物であることが好ましい。
【0057】
上記紫外線硬化樹脂は、光硬化性モノマーが重合された樹脂であることが好ましい。上記紫外線硬化樹脂は、光硬化性モノマー以外のモノマーが重合された樹脂であってもよい。上記光硬化性モノマー及び上記光硬化性モノマー以外のモノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0058】
上記光硬化性モノマーとしては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリイソプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びビスフェノールAジメタクリレート等のジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリアクリレート及びトリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート等のトリアクリレート化合物;ペンタエリトリトールテトラアクリレート及びジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物;並びにジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等のペンタアクリレート化合物等が挙げられる。上記紫外線硬化樹脂は、5官能以上の多官能アクリレート化合物であってもよい。上記多官能アクリレート化合物は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。また、上記多官能アクリレート化合物に、光開始剤、光増感剤、レベリング剤、希釈剤、及びアンチブロッキング剤等を添加してもよい。
【0059】
透明導電フィルムの屈折率、波長365nmにおける全光線透過率、及び波長550nmにおける全光線透過率を良好にする観点から、上記第1のハードコート層は屈折率調整剤を含んでいてもよい。この場合、上記第1のハードコート層は、光学調整層としての機能も有する。上記屈折率調整剤としては、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、及び二酸化ケイ素(SiO2)等の酸化物粒子が挙げられる。
【0060】
上記第1のハードコート層と上記第2ハードコート層とに、異なる材料が用いられてもよい。
【0061】
また、第1及び第2のハードコート層はそれぞれ、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、及び各種フィラー等を含んでいてもよい。上記各種安定剤、上記紫外線吸収剤、上記可塑剤、上記滑剤、上記着色剤、及び上記各種フィラーはそれぞれ、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0062】
(導電層)
導電層は、光透過性を有する導電性材料により形成されている。上記導電性材料としては、特に限定されないが、例えば、IZO(インジウム亜鉛酸化物)及びITO(インジウムスズ酸化物)等のIn系酸化物、SnO2及びFTO(フッ素ドープ酸化スズ)等のSn系酸化物、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)及びGZO(ガリウム亜鉛酸化物)等のZn系酸化物、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al2O3混合物、Al/LiF混合物及び金等の金属、CuI、Agナノワイヤー(AgNW)、カーボンナノチューブ(CNT)、並びに導電性透明ポリマー等が挙げられる。上記導電性材料は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0063】
上記導電性材料は、IZO(インジウム亜鉛酸化物)及びITO(インジウムスズ酸化物)等のIn系酸化物、SnO2及びFTO(フッ素ドープ酸化スズ)等のSn系酸化物、又はAZO(アルミニウム亜鉛酸化物)及びGZO(ガリウム亜鉛酸化物)等のZn系酸化物であることが好ましい。上記導電性材料は、ITO(インジウムスズ酸化物)であることがより好ましい。これらの導電性材料の使用によって、導電性をより一層高め、光透過性をより一層高めることができる。
【0064】
上記導電性材料として、ITOを用いる場合は、加熱処理(アニール処理)によってITOを結晶化させることによりITO層(導電層)を形成することが好ましい。上記加熱処理(アニール処理)には、熱風循環式オーブン、熱ロール、熱プレス、及びIR加熱式オーブン等を用いることができる。より短時間でITO層を形成する観点からは、IR加熱式オーブンを用いることが好ましい。この場合、ITO層表面の酸化による酸素欠損の減少や基材フィルムの劣化などを効果的に抑制することができる。なお、上記加熱処理(アニール処理)は、例えば160~200℃において1~10分程度の熱処理を行うことによって実施することができる。
【0065】
導電層の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは15nm以上、好ましくは60nm以下、より好ましくは40nm以下である。
【0066】
導電層の厚みが上記下限以上である場合、透明導電フィルムのシート抵抗値を効果的に低くすることができ、導電性をより一層高めることができる。導電層の厚みが上記上限以下である場合、より透明な透明導電フィルムを得ることができる。導電層の厚みが上記上限以下であると、調光層が良好に硬化しやすくなり、調光フィルムの透明度をより一層高めることができる。
【0067】
導電層の波長380~780nmの可視光線領域における平均透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上である。なお、上記平均透過率は、通常100%以下である。
【0068】
(保護フィルム)
上記基材フィルムの上記導電層側とは反対の表面上(他方の表面上)に保護フィルムが配置されていてもよい。
【0069】
保護フィルムは、基材フィルムシート及び粘着剤層により構成されていることが好ましい。
【0070】
上記基材フィルムシートは、高い光透過性を有することが好ましい。上記基材フィルムシートの材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリスルホン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、及びセルロースナノファイバー等が挙げられる。
【0071】
上記粘着剤層は、(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系接着剤又はエポキシ系接着剤により構成することができる。熱処理による粘着力の上昇を抑制する観点から、上記粘着剤層は、(メタ)アクリル系粘着剤により構成されていることが好ましい。
【0072】
上記(メタ)アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル重合体に、必要に応じて架橋剤、粘着付与樹脂及び各種安定剤などを添加した粘着剤である。
【0073】
上記(メタ)アクリル重合体は、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、他の共重合可能な重合性モノマーとを含む混合モノマーを共重合して得られた(メタ)アクリル共重合体であることが好ましい。
【0074】
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が1~12の1級又は2級のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られる(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましい。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0075】
上記他の共重合可能な重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸等の官能性モノマーが挙げられる。上記他の共重合可能な重合性モノマーは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0076】
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤、及び多官能アクリレート等が挙げられる。上記架橋剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0077】
上記粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体及び脂環式系共重合体等の石油系樹脂;クマロン-インデン系樹脂;テルペン系樹脂;テルペンフェノール系樹脂;重合ロジン等のロジン系樹脂;フェノール系樹脂;キシレン系樹脂等が挙げられる。上記粘着付与樹脂は、水素添加された樹脂であってもよい。上記粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0078】
保護フィルムの厚みは、好ましくは23μm以上、より好ましくは50μm以上、好ましくは188μm以下、より好ましくは125μm以下である。保護フィルムの厚みが、上記下限以上及び上記上限以下である場合、調光フィルムの作製時のハンドリング性に優れ、不良発生を低減することができる。
【0079】
(調光フィルム)
本発明に係る調光フィルムは、第1の透明導電フィルムと、第2の透明導電フィルムと、調光層とを備える。上記調光層は、上記第1の透明導電フィルムと上記第2の透明導電フィルムとの間に配置されている。本発明に係る調光フィルムでは、上記第1の透明導電フィルム及び上記第2の透明導電フィルムの内の少なくとも一方が、本発明に係る透明導電フィルムである。上記第1の透明導電フィルム及び上記第2の透明導電フィルムの一方が、本発明に係る透明導電フィルムであってもよく、上記第1の透明導電フィルム及び上記第2の透明導電フィルムの双方が、本発明に係る透明導電フィルムであってもよい。
【0080】
図2は、
図1に示す調光フィルム用透明導電フィルムを用いた調光フィルムの一例を示す断面図である。
【0081】
調光フィルム21は、
図1に示す2つの透明導電フィルムと、調光層31とを備える。2つの透明導電フィルムの間に、調光層31が配置されている。透明導電フィルムにおける導電層12は、調光層31に接している。
【0082】
調光フィルム21では、2つの透明導電フィルムの導電層12間に、電界が印加される。電界が印加されている状態と、電界が印加されていない状態とで、調光フィルム21を通過する光量を変化させることができる。
【0083】
上記調光層の方式としては、液晶分散ポリマー方式、エレクトロクロミック方式、及びSPD方式等が挙げられる。
【0084】
上記調光層は、アクリル樹脂を含んでいてもよい。上記調光層は、アクリル樹脂中に液晶分子を含んでいてもよい。
【0085】
導電層と調光層との密着性を高める観点からは、上記調光層に対する上記透明導電フィルムのピール強度は好ましくは3N/inch以上、より好ましくは4N/inch以上、更に好ましくは4.5N/inch以上である。
【0086】
光透過性をより一層高める観点からは、上記調光フィルムの透明時の波長550nmにおける全光線透過率は、好ましくは87%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは89%以上である。なお、上記調光フィルムの全光線透過率は、通常100%以下である。なお、液晶分散ポリマー方式において、調光フィルムの透明又は不透明は、調光フィルムに配置した電極間への電圧印加と電圧未印加とで切り替えることができる。電極間へ電圧印加すると、上記調光フィルムは透明となり、電極間へ電圧を印加しないと、上記調光フィルムは不透明となる。
【0087】
調光フィルムの透明度をより一層高める観点からは、上記調光フィルムのヘイズ値は、好ましくは4%以下、より好ましくは3.5%以下である。
【0088】
上記ヘイズ値は、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」、又はその同等品)を用いて、JIS K7136に基づいて、測定される。
【0089】
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0090】
(実施例1)
透明導電フィルムの作製:
基材フィルム本体として、厚み50μmのPETフィルムを用意した。PETフィルムの一方の面に、ジルコニア粒子が分散されたアクリル系ハードコート樹脂(東洋インキ社製「リオデュラスTYZ」)を塗布した後、UVを照射することで硬化させ、厚み0.8μmの第1のハードコート層(表1中、種類A)を形成した。PETフィルムの他方の面に、アクリル系ハードコート樹脂(東洋インキ社製「リオデュラスTYAB」)を塗布した後、UVを照射することで硬化させ、厚み2.0μmの第2のハードコート層(表1中、種類B)を形成した。このようにして、基材フィルムを得た。
【0091】
この基材フィルムを真空装置内に設置し、真空排気を実施した。真空度が9.0×10-4Paまで到達した後、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法によりアルゴンガス雰囲気下で、第1のハードコート層の表面上にSiOx層、SiO2層及びSiOx層を第1のハードコート層側からこの順で成膜し、その上にインジウムスズ酸化物(ITO)層を積層した。具体的には、SnO2が7重量%のITO焼結体ターゲットを用いて、ターゲット表面の最大水平磁束密度が1000ガウスとなるカソードを用いて、チャンバー圧力3.5×10-1Pa、ArガスとO2ガスとの比を100:1として真空装置に導入しながら、厚み18nmの導電層(インジウムスズ酸化物層)を形成した。その後、IR加熱式オーブン(ミノグループ社製)にて160℃で9分アニール処理を行うことで、透明導電フィルムを得た。なお、導電層の厚みは、後述の単位面積当たりのインジウム量を測定する方法で求めた。
【0092】
調光フィルムの作製:
以下の成分を混合し、調光層材料を得た。
【0093】
液晶成分として4-ブチルビフェニル-4’-カルボニトリル75重量部及び4’-ヒドロキシ-4-ビフェニルカルボニトリル75重量部
バインダー樹脂としてメタクリル酸-2-エチルヘキシル20重量部及びアクリル酸-2-エチルヘキシル130重量部
光重合開始剤(BASF社製「Irgacure 184」)3重量部
調光層の厚みを調整するギャップ材として粒径20μmのアクリル樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパール)1重量部
【0094】
上記透明導電フィルムを導電層側が向かい合うように2枚重ねラミネーター(テスター産業社製、小型ラミネーター)にセットし、調光層材料を間に流し込んで貼り合わせを行った。得られた積層フィルムをUVランプにて、150W/m2及び5分の条件で調光層材料を硬化させることで調光層を形成して、液晶分散ポリマー方式の調光フィルムを得た。
【0095】
調光フィルムの電極の形成:
得られた調光フィルムを縦50mm×横50mmの大きさに切削した。調光フィルムの1辺の端部を5mm剥がして、酢酸エチルで調光層を拭き取り、除去して、両面の導電層を露出させた。露出した一方の導電層の表面上に、縦5mm×横20mmの導電テープ(積水化学工業社製)を貼り付けた。また、露出した他方の導電層の表面上に、一方の導電層と対向しないように、縦5mm×横20mmの導電テープを貼り付けた。このようにして、電極を有する調光フィルムを得た。
【0096】
(実施例2~6及び比較例1~3)
基材フィルム本体の厚み、第1,第2のハードコート層の種類、導電層の厚み、アニール処理条件(加熱温度及び加熱時間)を下記の表1に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、透明導電フィルム、調光フィルム、及び電極を有する調光フィルムを得た。
【0097】
比較例1,2では、ハードコート層を形成しなかった。比較例3では、PETフィルムの両面に、同じ種類のハードコート層を形成した。
【0098】
(評価)
(1)全光線透過率(波長365nm、又は波長550nm)
得られた基材フィルムの波長365nmにおける全光線透過率、並びに、得られた透明導電フィルムの波長365nmにおける全光線透過率(T365)及び波長550nmにおける全光線透過率(T550)をそれぞれ、分光光度計(日本分光社製「V-670」)を用いて測定した。なお、ディテクターには積分球を用いた。
【0099】
また、得られた調光フィルムの電極間に30Vの交流電圧を印加した状態で、調光フィルムの波長550nmにおける全光線透過率を上記と同様にして測定した。
【0100】
(2)導電層の厚み
導電層の厚み(X)を、蛍光X線分析装置(リガク社製「ZSX PrimusIII+」)を用いて測定した。導電層の厚み(X)を、アニール処理前の透明導電フィルムにおける単位面積当たりのインジウム量を測定することにより求めた。
【0101】
(3)(T365+T550)/X
得られた透明導電フィルムの波長365nmにおける全光線透過率(T365)、波長550nmにおける全光線透過率(T550)、及び導電層の厚み(X)から、(T365+T550)/Xを算出した。
【0102】
(4)ヘイズ値
得られた透明導電フィルム、及び得られた調光フィルムのヘイズ値を、ヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」)を用いて、JIS K7136に基づいて、測定した。なお、調光フィルムのヘイズ値は、電極間に30Vの交流電圧を印加した状態(透明な状態)で測定した。
【0103】
(5)シート抵抗値
得られた透明導電フィルムにおいて、導電層のシート抵抗値を抵抗率計(三菱アナリテック社製「Loresta-AX MCP-T370」)を用いて、4端子法にて、測定した。
【0104】
(6)ピール強度
得られた調光フィルムを構成する透明導電フィルム2枚を180°方向に引き剥がしたときの剥離時の強度をピール強度とした。ピール強度は引っ張り試験機で測定することにより求めた。引っ張り試験機として、島津製作所社製「EZ Test」を用いた。調光フィルムを1inchの幅にカットして測定を行った。剥離速度は10mm/minとした。
【0105】
透明導電フィルムの構成、アニール処理条件及び結果を下記の表1に示す。
【0106】
【符号の説明】
【0107】
1…透明導電フィルム
2…基材フィルム
11…基材フィルム本体
11a…第1の表面
11b…第2の表面
12…導電層
13…第1のハードコート層
14…第2のハードコート層
21…調光フィルム
31…調光層