(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】樹脂組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/20 20060101AFI20220720BHJP
C08L 23/08 20060101ALI20220720BHJP
C08L 23/10 20060101ALI20220720BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20220720BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20220720BHJP
B29B 7/90 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
C08J3/20 Z CES
C08L23/08
C08L23/10
C08K3/013
B29B7/48
B29B7/90
(21)【出願番号】P 2018159164
(22)【出願日】2018-08-28
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505130112
【氏名又は名称】株式会社プライムポリマー
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】小野 道雄
(72)【発明者】
【氏名】若川 真輝
(72)【発明者】
【氏名】大森 智
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-166272(JP,A)
【文献】特開2009-102546(JP,A)
【文献】特表2016-509109(JP,A)
【文献】特表2010-526898(JP,A)
【文献】特開2013-095785(JP,A)
【文献】特開2013-159709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00-3/28、99/00
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
B29B 7/00-11/14、13/00-15/06
B29C 31/00-31/10、37/00-37/04、
71/00-71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機に、
上流の原料供給口から、少なくとも(A)耐衝撃性改良剤を10~45質量部、および(B)高流動性熱可塑性樹脂を15~65質量部供給し、
下流の原料供給口から、少なくとも(C)下記式(c1)で表されるラメラリティー指数(L1)が3.0以上の無機充填材を15~40質量部、および(D)低流動性熱可塑性樹脂を5~15質量部(ただし、前記(A)、(B)、(C)および(D)の合計量を100質量部とする。)供給して、
供給された成分を溶融混練する
樹脂組成物の製造方法であって、
前記耐衝撃性改良剤(A)は、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)、水素添加ブロック共重合体(A-c)、およびこれらの混合物から選ばれ、
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)は、ASTM D1238Eに準拠して230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレートの値が80~1,000g/10分であるプロピレン系重合体であり、
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)は、ASTM D1238Eに準拠して230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレートの値が、前記高流動性熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレートの値よりも小さく、1~80g/10分であるプロピレン系重合体である、
樹脂組成物の製造方法。
ラメラリティー指数=(d50
laser-d50
sed)/d50
sed …(c1)
〔式(c1)中、d50
laserは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径であり、
d50
sedは、ISO13317-3:2001に準拠して液相重力沈降法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕
【請求項2】
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)が粒子であり、前記粒子の最大フェレ径の平均値Lが1.0mm以上、10mm未満である請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw
B)が、前記低流動性熱可塑性樹脂(D)の重量平均分子量(Mw
D)よりも小さい請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記耐衝撃性改良剤(A)がエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体であり
、前記低流動性熱可塑性樹脂(D)がプロピレン単独重合体である請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂および無機充填材を含有する樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロピレン系樹脂は、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されており、要求される性能に応じて種々の改質材や添加剤が配合されたプロピレン系樹脂組成物が使用されている。また、循環型社会を形成するための3R(Reduce、Reuse、Recycle)への取り組みとして、最近各産業分野で薄肉成形品による軽量化が試みられている。成形品を軽量化または薄肉化しても充分な剛性および耐衝撃性が得られるようにプロピレン系樹脂組成物の改良が進められている。
【0003】
たとえば、プロピレン系樹脂にタルク、マイカ、ガラス繊維等の無機充填材を添加することでその剛性が向上することが知られ、またプロピレン系樹脂にエチレン系共重合体などのエラストマーを添加することでその耐衝撃性が向上することが知られ、これらの成分が配合された種々のプロピレン系樹脂組成物が提案されている(たとえば、特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-082049号公報
【文献】特開2017-057321号公報
【文献】特開2017-019975号公報
【文献】特開2016-166272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無機充填材および耐衝撃性改良剤(エラストマーなど)が配合された樹脂組成物(プロピレン系樹脂組成物など)を製造する際に、各成分を混合するプロセスを工夫することで樹脂組成物の剛性および耐衝撃性を向上させることができると有用である。
【0006】
そこで本発明は、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れた樹脂組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、たとえば以下の[1]~[4]に関する。
[1]
押出機に、
上流の原料供給口から、少なくとも(A)耐衝撃性改良剤を10~45質量部、および(B)高流動性熱可塑性樹脂を15~65質量部供給し、
下流の原料供給口から、少なくとも(C)下記式(c1)で表されるラメラリティー指数(L1)が3.0以上の無機充填材を15~40質量部、および(D)低流動性熱可塑性樹脂を5~15質量部(ただし、前記(A)、(B)、(C)および(D)の合計量を100質量部とする。)供給して、
供給された成分を溶融混練する
樹脂組成物の製造方法。
ラメラリティー指数=(d50laser-d50sed)/d50sed …(c1)
〔式(c1)中、d50laserは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径であり、
d50sedは、ISO13317-3:2001に準拠して液相重力沈降法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕
【0008】
[2]
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)が粒子であり、前記粒子の最大フェレ径の平均値Lが1.0mm以上、10mm未満である前記[1]の樹脂組成物の製造方法。
【0009】
[3]
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)の重量平均分子量(MwB)が、前記低流動性熱可塑性樹脂(D)の重量平均分子量(MwD)よりも小さい前記[1]または[2]の樹脂組成物の製造方法。
【0010】
[4]
前記耐衝撃性改良剤(A)がエチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体であり、前記高流動性熱可塑性樹脂(B)がプロピレン系重合体であり、前記低流動性熱可塑性樹脂(D)がプロピレン単独重合体である前記[1]~[3]のいずれかの樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れた樹脂組成物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例1で製造された樹脂組成物の電子顕微鏡写真である。
【
図2】
図2は
図1の樹脂組成物に含まれる耐衝撃改良剤の粒子径の度数分布である。
【
図3】
図3は、比較例2で製造された樹脂組成物の電子顕微鏡写真である。
【
図4】
図4は
図3の樹脂組成物に含まれる耐衝撃改良剤の粒子径の度数分布である。
【
図5】
図5は本発明の実施例、比較例で製造された樹脂組成物のシャルピー衝撃強さと曲げ弾性率との関係をプロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、押出機に、上流の原料供給口から、少なくとも(A)耐衝撃性改良剤および(B)高流動性熱可塑性樹脂を供給し、下流の原料供給口から、少なくとも(C)無機充填材および(D)低流動性熱可塑性樹脂を供給して、供給された成分を溶融混練することを特徴としている。
【0014】
[樹脂組成物]
まず、配合される各成分を説明する。
《(A)耐衝撃性改良剤》
前記耐衝撃性改良剤(A)(以下「成分(A)」とも記載する。)としては、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)、水素添加ブロック共重合体(A-c)、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらの中でも前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)が好ましい。
【0015】
前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。上記炭素数3~20のα-オレフィンの具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα-オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
【0016】
前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)における、エチレンから誘導される構成単位とα-オレフィンから誘導される構成単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)は好ましくは95/5~70/30、より好ましくは90/10~75/25である。
【0017】
前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(A-a)の、ASTM D1238Eに準拠して、190℃、荷重2.16kgの条件下で測定されるメルトフローレートは、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.5~5g/10分である。
【0018】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンと非共役ポリエンとのランダム共重合体ゴムである。上記炭素数3~20のα-オレフィンの具体例としては、前記共重合体(A-a)における炭素数3~20のα-オレフィンの具体例と同じものが挙げられる。前記非共役ポリエチレンとしては、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-プロピリデン-5-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの非環状ジエン;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,7-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどの鎖状の非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネンなどのトリエン等が挙げられる。これらの中では、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンが好ましい。
【0019】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)における、エチレンから誘導される構成単位の割合は、好ましくは90~30モル%、より好ましくは80~40モル%であり、α-オレフィンから誘導される構成単位の割合は、好ましくは5~45モル%、より好ましくは10~40モル%であり、非共役ポリエンから誘導される構成単位の割合は、好ましくは5~25モル%、より好ましくは10~20モル%である。
【0020】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)の、ASTM D1238Eに準拠して、190℃、荷重2.16kgの条件下で測定されるメルトフローレートは、好ましくは0.05g/10分以上、好ましくは0.1~10g/10分である。
【0021】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A-b)の具体例としては、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)が挙げられる。
前記水素添加ブロック共重合体(A-c)は、ブロックの形態が以下式(x)または(y)で表されるブロック共重合体の水素添加物であり、水素添加率(共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合のうち水素化されたものの割合)が90モル%以上、好ましくは95モル%以上の水素添加ブロック共重合体である。
X(YX)n ・・・(x)
(XY)n ・・・(y)
【0022】
前記式(x)または(y)のXで示される重合ブロックを構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、クロロスチレン、低級アルキル置換スチレン、ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記式(x)または(y)のYで示される重合ブロックを構成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。ここれらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
nは1~5の整数、好ましくは1または2である。
【0024】
水素添加ブロック共重合体(A-c)の具体例としては、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)およびスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロック共重合体が挙げられる。
【0025】
水素添加前のブロック共重合体は、例えば不活性溶媒中で、リチウム触媒またはチーグラー触媒の存在下に、ブロック共重合を行わせる方法により製造することができる。詳細な製造方法は、例えば特公昭40-23798号などに記載されている。水素添加処理は、不活性溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に行うことができる。詳細な方法は、例えば特公昭42-8704号、同43-6636号、同46-20814号などに記載されている。
【0026】
共役ジエンモノマーとしてブタジエンが用いられる場合、ポリブタジエンブロックにおける1,2-結合量の割合は好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~60質量%である。
【0027】
水素添加ブロック共重合体(A-c)としては、市販品の例であれば、クレイトン(登録商標)G1657(クレイトンポリマージャパン(株)製)、セプトン(登録商標)2004(クラレ(株)製)、タフテック(登録商標)H1052(旭化成(株)製)が挙げられる。
前記耐衝撃性改良剤(A)は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
《(B)高流動性熱可塑性樹脂》
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)(以下「成分(B)」とも記載する。)としては、融点以上の温度により溶融する結晶性ポリマーまたはガラス転移温度以上の温度で軟化する非晶性ポリマーであって下記分子量の要件を満たすものであれば、特に限定されることなく使用することができる。その例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体およびプロピレン系ブロック共重合体などのプロピレン系重合体、エチレン系重合体、4-メチル-1-ペンテン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリカーボネート、ABS樹脂ならびにポリカーボネート/ABSアロイが挙げられる。
これらの中でも、価格、剛性、流動性のバランスに優れることから、プロピレン系重合体が好ましく用いられる。
【0029】
前記プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体としては、プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(プロピレンを除く。)とのランダム共重合体が挙げられる。前記α-オレフィンの例としては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンおよび1-ドデセンが挙げられ、好ましくはエチレンおよび1-ブテンが挙げられ、特に好ましくはエチレンが挙げられる。前記プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体中の前記α-オレフィンから誘導される構成単位の量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
【0030】
前記プロピレン系ブロック共重合体は、好ましくはプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体部分とから構成される。プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体部分の具体的な態様は、前記プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体の具体的な態様と同様である。
【0031】
前記プロピレン系ブロック共重合体は、n-デカン溶剤分別した場合、23℃のn-デカンに可溶な成分(以下「デカン可溶部」とも記載する。)と23℃のn-デカンに不溶な成分(以下「デカン不溶部」とも記載する。)とに分別される。デカン可溶部の含有量は、通常は5~30質量%、好ましくは5~25質量%、より好ましくは8~18質量%であり、デカン不溶部の含有量は、通常は70~95質量%、好ましくは75~95質量%、より好ましくは82~92質量%である。
【0032】
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)で好ましく用いられるプロピレン系重合体の流動性は、ASTM D1238Eに準拠した230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレートで評価され、その値は、好ましくは80~1,000g/10分、より好ましくは100~300g/10分である。
【0033】
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)の、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によって測定される重量平均分子量(MwB)は、好ましくは80,000~150,000、より好ましくは110,000~140,000である。
【0034】
[GPC測定条件]
測定装置;ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(Waters社)
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステム Empower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6-HT×2 + TSKgel GMH6-HT×2 (内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン
検出器;示差屈折計
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;400μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正 単分散ポリスチレン(東ソー(株))/分子量495から分子量2060万
【0035】
《(C)無機充填材》
無機充填材(C)は、ラメラリティー指数が3.0以上の無機充填材である。
ラメラリティー指数は下式(c1)で定義される。
ラメラリティー指数=(d50laser-d50sed)/d50sed …(c1)
〔式(c1)中、d50laserは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径であり、より詳細には、無機充填材(C)の濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法による粒子径分布測定によって得られる、累積体積が50%となる粒子径であり、
d50sedは、ISO13317-3:2001に準拠して液相重力沈降法により測定される累積体積が50%となる粒子径であり、より詳細には、無機充填材(C)の濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、ISO13317-3:2001に準拠して液相重力沈降法による粒子径分布測定によって得られる、累積体積が50%となる粒子径である。〕
【0036】
なお、ラメラリティー指数について、G. Baudet and J. P. Rona, Ind. Min. Mines et Carr. Les techn. June, July 1990, pp 55-61による論文を参照することができる。この論文は、この指数が、粒子の最大寸法の粒子の最小寸法に対する平均割当と相関があることを示している。
【0037】
無機充填材(C)のラメラリティー指数は、3.0以上、好ましくは4.0以上であり、その上限値はたとえば20程度であってもよい。
ラメラリティー指数が上記範囲にあると、特に剛性に優れた樹脂組成物を製造することができる。
【0038】
無機充填材(C)の例としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、粘土鉱物、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラックおよびガラスフレーク等が挙げられ、これらの中でも物性、収縮率の異方性の小さいタルクおよびマイカが好ましい。
【0039】
無機充填材(C)は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、界面活性剤等で表面処理されたものであってもよい。
無機充填材(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する例としては、70質量%以上のタルクと30質量%以下のマイカとの混合物が挙げられる。一般に、樹脂成分と混錬した後の無機充填剤(C)のラメラリティー指数は、その粒径及びモース硬度に依存する。すなわち粒径が大きく、モース硬度が高い無機充填剤(C)ほど混錬後の折損が少なく、ラメラリティー指数を維持し易く、従って剛性が高くなる傾向にある。しかしながら、粒径が大きいことから、耐衝撃性は低下する傾向にある。したがってバランスよく優れた剛性および耐衝撃性を発現させるという観点では、無機充填剤(C)としてはタルクとマイカとの混合物が好ましい。
無機充填材(C)の粒径(d50sed)は、好ましくは0.1μm以上、20μm未満、より好ましくは0.5μm以上、5.0μm未満である。
【0040】
《(D)低流動性熱可塑性樹脂》
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)(以下「成分(D)」とも記載する。)の詳細は、流動性が低い点、および特に好ましい態様がプロピレン単独重合体である点を除いて、前記高流動性熱可塑性樹脂(B)の詳細と同様である。
【0041】
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)として、好ましくは粒子の形状のものが押出機に供給される。前記粒子の最大フェレ径の平均値Lは、好ましくは1.0mm以上、10mm未満であり、より好ましくは2.0mm以上、5.0mm未満である。
前記Lの値は、以下の方法またはこれと同等の方法により測定される値である。
【0042】
(最大フェレ径の平均値Lの測定方法)
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)の最大フェレ径の平均値Lは、粒子径測定装置として、ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製 Camsizer(登録商標)P4を使用して測定する。具体的には3~5gの粒子サンプルを秤量し、測定装置の試料台に載せ、試料台から少量ずつ落下させ、落下する粒子サンプルをCCDカメラで撮影し、撮影した粒子の画像を解析することで粒子形状を計測する。無作為に選んだ10~20個の粒子サンプルの画像から各粒子の最大フェレ径を求め、その算術平均値を、最大フェレ径の平均値Lとする。
【0043】
Lが前記下限値以上である低流動性熱可塑性樹脂(D)の粒子は、表面積が小さいため、前記無機充填材(C)と共に下流の原料投入口から投入した際に、急激に溶融して粘度が低下することが抑制される。そのため、このような低流動性熱可塑性樹脂(D)の粒子を用いると、各成分を十分に混練することができ、前記無機充填材(C)を十分に分散させることができる。また、Lが前記上限値以下である低流動性熱可塑性樹脂(D)の粒子は、前記無機充填材(C)と分離し難い。
【0044】
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)の、上述した条件でGPC法によって測定される重量平均分子量(MwD)は、好ましくは前記高流動性熱可塑性樹脂(B)の重量平均分子量(MwB)よりも大きく、より好ましくは150,000~460,000、さらに好ましくは170,000~260,000である。
【0045】
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)として好ましく用いられるプロピレン系重合体の流動性は、前記高流動性熱可塑性樹脂(B)としてのプロピレン系重合体と同様に230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレートで評価され、その値は前記高流動性熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレートの値よりも小さく、好ましくは1~80g/10分、より好ましくは10~50g/10分である。
【0046】
《任意成分》
本発明の樹脂組成物の製造方法においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、前記成分(A)~(D)以外の任意成分が配合されてもよい。
任意成分の例としては、樹脂組成物における従来公知の添加剤、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、結晶核剤(造核剤)、発泡剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、軟化剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、剛性油、ワックスが挙げられる。
【0047】
(各成分の配合割合)
前記成分(A)~(D)の合計量を100質量部とすると、
前記耐衝撃性改良剤(A)は10~45質量部、好ましくは15~35質量部、より好ましくは20~30質量部となる割合で、
前記高流動性熱可塑性樹脂(B)は15~65質量部、好ましくは20~50質量部、より好ましくは25~45質量部となる割合で、
前記無機充填材(C)は10~40質量部、好ましくは15~35質量部、より好ましくは20~30質量部となる割合で、
前記低流動性熱可塑性樹脂(D)は1~30質量部、好ましくは5~25質量部、より好ましくは7~20質量部となる割合で
配合される。
【0048】
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は、押出機に、上流の原料供給口から、少なくとも前記耐衝撃性改良剤(A)および前記高流動性熱可塑性樹脂(B)を供給し、下流の原料供給口からサイドフィーダーを通じて、少なくとも前記無機充填材(C)および前記低流動性熱可塑性樹脂(D)を供給して、供給された成分を溶融混練することを特徴としている。なお、溶融混練された樹脂組成物の吐出口がある側が下流側である。
【0049】
前記押出機としては、たとえば単軸押出機、同方向二軸押出機、異方向二軸押出機、同方向多軸押出機これらを組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、同方向二軸押出機が好ましい。
【0050】
前記押出機のスクリューの径(以下「D」とも記載する。)は、好ましくは20~150mmであり、スクリューの径(D)に対するスクリューの長さ(以下「L」とも記載する。)との比は、好ましくは30~100、より好ましくは50~80である。
【0051】
前記押出機における上流の原料供給口と下流の原料供給口との距離は、好ましくは10D~50D、より好ましくは20D~40Dである。前記距離がこの範囲にあると、上流から供給した原材料樹脂を十分に溶融させることができるため、下流から合流する無機充填剤(C)の接触時にその折損の懸念を低下させることができる。
【0052】
また、下流の原料供給口から樹脂組成物の排出口までの距離は、各成分を十分に溶融混練する観点から、好ましくは5D以上、より好ましくは10D以上である。
本発明の製造方法によれば剛性および耐衝撃性にバランスよく優れた樹脂組成物を製造することができる。より具体的には、溶融混練の際に、上流の原料供給口から前記高流動性熱可塑性樹脂(B)および前記低流動性熱可塑性樹脂(D)を共に供給するのではなく、上流の原料供給口から前記高流動性熱可塑性樹脂(B)を、かつ下流の原料供給口から前記低流動性熱可塑性樹脂(D)を供給することにより、剛性および耐衝撃性がバランスよく向上した樹脂組成物を製造することができる。特に、前記低流動性熱可塑性樹脂(D)の下流側からの供給により溶融樹脂成分のマトリックス樹脂成分の粘度増加が促進され、これにより溶融状態の耐衝撃改良剤(A)成分の分裂が促進され、その結果、耐衝撃改良剤(A)ドメインの粒径は小さくなり、樹脂組成物の耐衝撃性が向上すると推察される。
【0053】
本発明の製造方法によって製造された樹脂組成物のメルトフローレート(ASTM D1238Eに準拠した230℃、2.16kg荷重)は、好ましくは10~50g/10分である。メルトフローレートが前記範囲にあると、前記樹脂組成物は加工性に優れる。
【0054】
本発明の製造方法によって製造された樹脂組成物は、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れるため、この樹脂組成物の成形体は、自動車内外装部品、家電製品、機械部品、一般雑貨製品などとして好ましく用いることができ、自動車内外装部品、特に高い剛性と耐衝撃性のバランスが要求される垂直外板、水平外板材としてより好ましく用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例等に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<物性測定用試験片作製>
樹脂組成物の物性測定用試験片は、JIS K6921-1に準拠した射出成形により作製した。具体的には射出成形機(東芝機械製 IS55FPB;型締め力:55トン、スクリュー直径:32mm)を使用し、成形温度195℃、金型温度40℃、射出1次圧力90MPa、2次圧力55MPa、射出速度180mm/秒、充填時間2.0秒、冷却時間10秒、可塑化時のスクリュー回転数140rpmの条件で作製した。金型は厚み4mmの引張りダンベル型試験片2本取り(AXXICON社製 AIM Insert ISO A)を使用した。
【0056】
<測定方法>
各種物性の測定方法は、以下のとおりである。
(原料樹脂の物性)
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238Eに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件下でMFRを測定した。
【0057】
[粒子形状(最大フェレ径の平均値L)]
熱可塑性樹脂の最大フェレ径の平均値Lは粒子径測定装置(ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製 Camsizer(登録商標)P4)により計測した。
具体的には3~5gの粒子サンプルを秤量し、該測定装置の試料台に載せ、試料台から少量ずつ落下させ、落下する粒子サンプルをCCDカメラで撮影し、撮影した粒子の画像を解析することで粒子形状を計測した。無作為に選んだ10~20個の粒子サンプルの画像から各粒子の最大フェレ径を求め、その算術平均値を最大フェレ径の平均値Lとして採用した。
【0058】
[重量平均分子量]
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。具体的には、Waters社製「Alliance GPC 2000」ゲル浸透クロマトグラフ(高温サイズ排除クロマトグラフ)により得られる分子量分布曲線から計算したものであり、操作条件は、下記の通りである:
《使用装置および条件》
測定装置;ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(Waters社)
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステム Empower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6-HT×2 + TSKgel GMH6-HT×2 (内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン(和光純薬工業(株) 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;400μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー(株))/分子量495から分子量2060万
【0059】
(無機充填材の物性)
ラメラリティー指数((d50laser-d50sed)/d50sed)を決定するに当たり、以下の方法でd50laserおよびd50sedを測定した。
【0060】
[d50
laser
(レーザー回折散乱法により測定される平均粒子径)]
無機充填材の濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所社製、製品名「SALD-7100」)により粒子径分布(体積基準)を測定した。得られた粒子径分布において、累積体積が50%となる粒子径をd50laserとした。
【0061】
[d50
sed
(液相重力沈降法により測定される平均粒子径)]
無機充填材の濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置(マイクロメリティックスジャパン合同会社製、製品名「SediGraphIII5120」)により粒子径分布(体積基準)を測定した。得られた粒子径分布において、累積体積が50%となる粒子径をd50sedとした。
【0062】
(樹脂組成物の物性)
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238Eに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件下でMFRを測定した。
【0063】
[曲げ弾性率]
JIS K7171に準拠して、下記の条件で曲げ弾性率を測定した。
《測定条件》
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
【0064】
[シャルピー衝撃強さ]
JIS K7111に準拠して、下記の条件でノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。
《測定条件》
温度:-30℃および23℃
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
ノッチは機械加工である。
【0065】
[荷重たわみ温度]
JIS K7191に準拠して、荷重たわみ温度を測定した。すなわち、試験片の両端を加熱浴槽中で支え、下で中央の荷重棒によって試験片に所定の曲げ応力(0.45MPaの一定荷重)を加えつつ、加熱媒体の温度を2℃/分の速度で上昇させ、試験片のたわみが所定の量に達したときの加熱媒体の温度を荷重たわみ温度とした。
《測定条件》
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
【0066】
[電子顕微鏡観察及び耐衝撃改良剤粒子径]
射出成形試験片の中央部を約8mm角の小片に切り出し、-100℃においてダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームで表面の面出しを行った。しかる後にルテニウム酸(RuO4)によって染色した。得られた染色試験片を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製 SU-70)を用いて、加速電圧5kV、反射電子モードにより形態観察を行った。得られた画像はImage Jソフトウェアを用いて画像処理し、耐衝撃性改良剤ドメイン粒子径の測定を行った。
【0067】
<使用原料>
原料樹脂として、以下の特性を有する樹脂が使用された。
《(A)耐衝撃性改良剤》
エチレン・1-ブテン共重合体(MFR(190℃、2.16kg):1.2g/10分、密度:0.863g/cm3、)(以下「EB」と記載する。)
《(B)高流動性熱可塑性樹脂》
プロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16kg):200g/10分、重量平均分子量:120,000)(以下「高流動性PP」と記載する。)
《(D)低流動性熱可塑性樹脂》
最大フェレ径の平均値Lが2.0mmのプロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16kg):30g/10分、重量平均分子量:200,000)(以下「低流動性PP1」と記載する。)、および
最大フェレ径の平均値Lが0.3mmのプロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16kg):40g/10分、重量平均分子量:180,000)(以下「低流動性PP2」と記載する。)
【0068】
また、無機充填材として、下表に示すフィラーが使用された。
【0069】
【0070】
[実施例1]
同方向二軸押出機(日本製鋼所 TEX30α)(スクリュー径:30mm、L/D=63)、上流の原料供給口-下流の原料供給口間距離:35D、下流の原料供給口-樹脂組成物の吐出口間距離:28D)に、上流の原料供給口から35.2質量部の高流動性PP、29.3質量部のEBおよび2.4質量部の添加剤(0.1質量部のイルガノックス(登録商標)1010(BASF社)、0.1質量部のイルガフォス(登録商標)168(BASF社)、0.2質量部のステアリン酸マグネシウム)及び2.0質量部のポリオレフィンワックス(三井化学(株)製 NP055)のドライブレンド物を23.4kg/hの割合で供給し、さらに下流の原料供給口から24.4質量部の無機充填材(T1)および8.8質量部の低流動性PPのドライブレンド物を11.6kg/hの割合で供給し、スクリュー回転数を900rpmとして溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
【0071】
得られた樹脂組成物の物性の評価結果を表3に示す。また、得られた樹脂組成物の電子顕微鏡写真を
図1に示す。
図1で明部、暗部はそれぞれ耐衝撃性改良剤相、プロピレン単独重合体相を示す。また耐衝撃性改良剤相の粒子径を統計処理してヒストグラム化した結果を
図2に示す。
【0072】
[実施例2~8、比較例1~2]
上流の原料供給口に供給する原料、および下流の原料供給口に供給する原料を表2に記載のように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、各樹脂組成物を得た。
【0073】
得られた各樹脂組成物の物性の評価結果を表3に示す。また、比較例2で得られた樹脂組成物の電子顕微鏡写真を
図3に示す。明部、暗部はそれぞれ
図1と同様に耐衝撃性改良剤相、PP相である。また耐衝撃改良剤相の粒子径を統計処理してヒストグラム化した結果を
図4に示す。
さらに、実施例1~8及び比較例1~2で得られた樹脂組成物のシャルピー衝撃強さ(23℃)と曲げ弾性率の関係を
図5に示す。
【0074】
【0075】