(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】プリンタ装置およびプリンタシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 3/36 20060101AFI20220720BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220720BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220720BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J29/42 F
B65G1/137 A
B41J29/38 204
(21)【出願番号】P 2018221221
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 宏
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-164055(JP,A)
【文献】特開2004-110764(JP,A)
【文献】特開2014-121842(JP,A)
【文献】特開2018-130868(JP,A)
【文献】特開2017-154295(JP,A)
【文献】特開2017-021670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/36
B41J 29/38
B41J 29/42
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の保管場所
の指定
と、既に保管場所を指定した商品に対する保管場所の変更の指定と、を行う指定手段と、
前記指定手段が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも当該商品の名称と賞味期限とを含む情報を印字する印字手段と、
前記印字手段が印字した情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶した情報に基づいて、その時点における前記商品の賞味期限までの残期間を算出する算出手段と、
前記印字手段が印字した商品に係る情報を、前記残期間ごとに表示する表示手段と、
を備えるプリンタ装置。
【請求項2】
前記印字手段は、更に、商品の保管場所を印字する、
請求項1に記載のプリンタ装置。
【請求項3】
前記指定手段は、更に、既に保管場所を指定した商品に対して、当該商品の一部について新たな保管場所を指定する機能を備える、
請求項1
または請求項
2に記載のプリンタ装置。
【請求項4】
サーバ装置と、プリンタ装置と、を備えるプリンタシステムであって、
前記サーバ装置は、
前記プリンタ装置が印字した情報を記憶する記憶手段を備えて、
前記プリンタ装置は、
商品の保管場所
の指定
と、既に保管場所を指定した商品に対する保管場所の変更の指定と、を行う指定手段と、
前記指定手段が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも当該商品の名称と賞味期限とを含む情報を印字する印字手段と、
前記記憶手段が記憶した情報に基づいて、その時点における前記商品の賞味期限までの残期間を算出する算出手段と、
前記印字手段が印字した商品に係る情報を、前記残期間ごとに表示する表示手段と、を備える、
プリンタシステム。
【請求項5】
サーバ装置と、端末装置と、プリンタ装置と、を備えるプリンタシステムであって、
前記サーバ装置は、
前記プリンタ装置が印字した情報を記憶する記憶手段を備えて、
前記端末装置は、
商品の保管場所
の指定
と、既に保管場所を指定した商品に対する保管場所の変更の指定と、を行う指定手段と、
前記記憶手段が記憶した情報に基づいて、その時点における前記商品の賞味期限までの残期間を算出する算出手段と、
前記プリンタ装置が印字した商品に係る情報を、前記残期間ごとに表示する表示手段と、を備えて、
前記プリンタ装置は、
前記指定手段が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも当該商品の名称と賞味期限とを含む情報を印字する印字手段を備える
プリンタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンタ装置およびプリンタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、食品に貼付したRFIDタグに当該食品に係る情報を記録して、RFIDタグに記録された情報と、食品の重量とを、当該食品を保存する冷蔵庫が読み取ることによって、食品の保管場所および賞味期限を管理する例が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、このような従来例にあっては、RFIDタグの読み書きを行う機能を用いる必要があるとともに、冷蔵庫の保管場所ごとに重量センサを設置する必要があるため、装置の構成が複雑になるという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より簡易な構成で、商品の保管場所および賞味期限を管理することが可能なプリンタ装置およびプリンタシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のプリンタ装置は、指定手段と、印字手段と、記憶手段と、算出手段と、表示手段とを備える。指定手段は、商品の保管場所の指定と、既に保管場所を指定した商品に対する保管場所の変更の指定と、を行う。印字手段は、指定手段が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも当該商品の名称と賞味期限とを含む情報を印字する。記憶手段は、印字手段が印字した情報を記憶する。算出手段は、記憶手段が記憶した情報に基づいて、その時点における商品の賞味期限までの残期間を算出する。表示手段は、印字手段が印字した商品に係る情報を、残期間ごとに表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態のラベルプリンタの一例を示す外観図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のラベルプリンタのハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のラベルプリンタの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、ラベルプリンタが印字するラベルの一例、及びラベルが貼付された商品の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、商品の保存場所である冷蔵庫の一例を示す外観図である。
【
図6】
図6は、冷蔵庫の保管場所を示す保管場所マスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、商品の保管場所を指定する保管場所指定画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ラベルの発行実績を示す発行実績ファイルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、商品の賞味期限までの残期間を表示した残期間表示画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、商品の保管場所を変更する際の保管場所変更指定画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態のラベルプリンタが、ラベルの印字を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1の実施形態のラベルプリンタが、商品の賞味期限までの残期間を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第1の実施形態のラベルプリンタが、商品の保管場所変更時に行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2の実施形態のプリンタシステムの一例を示す外観図である。
【
図15】
図15は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態のプリンタシステムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態のプリンタシステムが、新たなラベルの印字を行う際に行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第3の実施形態のプリンタシステムの一例を示す外観図である。
【
図19】
図19は、端末装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。
【
図20】
図20は、第3の実施形態のプリンタシステムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図21】
図21は、第3の実施形態のプリンタシステムが、新たなラベルの印字を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0008】
(ラベルプリンタの概略構成の説明)
図1は、第1の実施形態のラベルプリンタ10の一例を示す外観図である。ラベルプリンタ10は、レストランやスーパーマーケット等で使用される、商品(食材)に貼付するラベル50を印字するプリンタである。ラベルプリンタ10は、ディスプレイ13を備える上部カバー11と、本体カバー12とを備える。ディスプレイ13は、例えば、タッチパネル14が積層された液晶ディスプレイ等である。ラベルプリンタ10は、上部カバー11が開かれると本体カバー12の内部に、ロール状のラベル用紙を収納する収納部(不図示)を備える。また、ラベルプリンタ10は、本体カバー12の内部に、ラベル用紙に商品情報等を印字する印字部110(
図2参照)を備える。ラベルプリンタ10は、上部カバー11と、本体カバー12との間に設けられたラベル発行口15から、印字部110が印字したラベル50を発行する。なお、ラベルプリンタ10は、プリンタ装置の一例である。
【0009】
ラベルプリンタ10は、スキャナ32と接続している。スキャナ32は、商品の包装材に貼付または印字された、商品コード等を含むコードシンボル(例えばバーコード)を読み取る。商品コードとは、商品を一意に識別可能な識別情報である。
【0010】
ラベルプリンタ10は、スキャナ32が読み取ったバーコードに含まれる商品コードに基づいて、ラベルプリンタ10が記憶するPLUファイルF1(
図2参照)の中から、読み取った商品コードに対応する商品の商品情報を読み出す。そして、ラベルプリンタ10は、読み出した商品情報等を、予め設定されている所定のフォーマットに配置して、ラベル50の印刷データを生成する。
【0011】
ラベル50は、少なくとも商品名称と賞味期限とを含む情報が印字された印字媒体である。具体的なラベル50の例については後述する。
【0012】
ラベルプリンタ10は、店舗内LAN(Local Area Network)等の通信回線30を介して、サーバ装置と接続する。サーバ装置は、ラベルプリンタ10に対して、逐次更新される、後述するPLUファイルF1を送信する。
【0013】
(ラベルプリンタのハードウェア構成の説明)
次に、ラベルプリンタ10のハードウェア構成について説明する。
図2は、ラベルプリンタ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ラベルプリンタ10は、各部を制御するための制御部100を備える。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とを備える。CPU101は、バスライン104を介して、ROM102と、RAM103と接続する。CPU101は、ROM102や記憶部105に記憶された各種プログラムを、RAM103に展開する。CPU101は、RAM103に展開された各種プログラムに従って動作することで、ラベルプリンタ10を制御する。すなわち、制御部100は、一般的なコンピュータの構成を有する。
【0014】
制御部100は、更に、バスライン104を介して、記憶部105と、コントローラ109と、通信インタフェース111と接続する。
【0015】
記憶部105は、電源を切っても記憶情報が保持される、SDカードやUSBメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部105は、制御プログラムP1と、PLU(Price Look Up)ファイルF1と、保管場所マスタF2と、発行実績ファイルF3とを記憶する。制御プログラムP1は、ラベルプリンタ10が備える機能を発揮させるためのプログラムである。
【0016】
PLUファイルF1は、商品コードごとに、各商品コードを有する商品に係る商品情報を記憶する。PLUファイルF1は、サーバ装置において逐次更新されて、通信回線30を介して、最新のファイルがラベルプリンタ10に送信される。PLUファイルF1は、商品名称、商品価格、製造年月日、賞味期限、消費期限、生産地等の商品情報を記憶する。
【0017】
保管場所マスタF2は、商品の保管場所の一覧を示す情報を格納したファイルである。詳しくは後述する(
図6)。
【0018】
発行実績ファイルF3は、ラベルプリンタ10がラベル50に印字した情報を、ラベルの発行実績として格納したファイルである。詳しくは後述する(
図8)。
【0019】
コントローラ109は、ディスプレイ13と、タッチパネル14と、スキャナ32と、印字部110と接続する。コントローラ109は、制御部100からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアの動作を制御する。
【0020】
ディスプレイ13は、ラベルプリンタ10の動作状態に応じた情報を表示する。ディスプレイ13は、例えば液晶ディスプレイである。
【0021】
タッチパネル14は、ディスプレイ13に重畳して設置される。タッチパネル14は、ディスプレイ13に表示された各種ボタンに対する操作者の操作情報を検出して、操作情報に対応する情報を、制御部100に送信する。
【0022】
印字部110は、ともに不図示のプラテンローラと印字ヘッドとを備える。プラテンローラは、本体カバー12(
図1参照)の内部に収納されたラベル用紙を回転することで引き出して搬送する。印字ヘッドは、例えばサーマルヘッドである。印字ヘッドは、プラテンローラが搬送したラベル用紙に印字を行う。
【0023】
通信インタフェース111は、店舗内LAN等の通信回線30(
図1参照)を介して、サーバ装置と通信するためのインタフェースである。
【0024】
(ラベルプリンタの機能構成の説明)
次に、ラベルプリンタ10の機能構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、ラベルプリンタ10の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ラベルプリンタ10の制御部100は、制御プログラムP1(
図2)をRAM103に展開して動作させることによって、
図3に示す保管場所指定部40と、印字データ取得部41と、印字実行部42と、印字データ記憶部43と、残期間算出部44と、情報表示部45とを、機能部として実現する。
【0025】
保管場所指定部40は、商品の保管場所を指定する。なお、保管場所指定部40は、指定手段の一例である。また、保管場所指定部40は、既に保管場所を指定した商品に対して、保管場所の変更を指定する。さらに、保管場所指定部40は、既に保管場所を指定した商品に対して、当該商品の一部に対して、新たな保管場所を指定する。
【0026】
印字データ取得部41は、保管場所指定部40が保管場所を指定した商品の商品情報を、PLUファイルF1から取得する。
【0027】
印字実行部42は、保管場所指定部40が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも商品の名称と当該商品の賞味期限と賞味時間とを含む情報を、ラベル50に印字する。また、印字実行部42は、更に商品の保管場所をラベル50に印字する。なお、印字実行部42は、印字手段の一例である。
【0028】
印字データ記憶部43は、印字実行部42が印字した情報を発行実績ファイルF3に記憶する。なお、印字データ記憶部43は、記憶手段の一例である。
【0029】
残期間算出部44は、印字データ記憶部43が記憶した情報に基づいて、その時点における商品の賞味期限までの残期間を算出する。また、残期間算出部44は、ラベル50を印字する際に、商品の賞味期限を算出する。なお、残期間算出部44は、算出手段の一例である。
【0030】
情報表示部45は、印字実行部42が印字した商品に係る情報を、当該商品の賞味期限までの残期間ごとに、ディスプレイ13に表示する。なお、情報表示部45は、表示手段の一例である。
【0031】
(ラベルの説明)
図4は、ラベルプリンタ10が印字するラベル50の一例、及びラベル50が貼付された商品の保存袋80の一例を示す図である。ラベル50を印字する担当者は、商品の保存袋80を開封した際に、スキャナ32で、
図4(b)に示すように、商品の保存袋80に貼付または印字された、商品コードが登録されたバーコード82を読み取る。印字データ取得部41は、スキャナ32がバーコード82から読み取った商品コードに関連する情報を、PLUファイルF1から読み出す。これによって、印字データ取得部41は、ラベル50の印字に必要な情報を取得する。そして、印字実行部42は、ラベル50を印字する。
【0032】
図4(a)に示すように、ラベル50には、商品の商品(食材)名51と、ラベル50の印字日時52と、商品の賞味時間53と、賞味期限54と、印字担当者名55と、商品の保管場所56と、品番57とが印字される。
【0033】
商品名51は、商品又は食材の名称を示す情報である。商品名51は、印字データ取得部41が、PLUファイルF1から取得する。
【0034】
印字日時52は、ラベル50が印字された日時である。印字日時52は、印字データ取得部41が、CPU101が備える、計時を行うタイマーから取得する。
【0035】
賞味時間53は、商品の保存袋80を開封してからの賞味時間である。賞味時間53は、印字データ取得部41が、PLUファイルF1から取得する。
【0036】
賞味期限54は、印字データ取得部41が、ラベル50が印字された時間と賞味時間53とから算出した商品の賞味期限である。
【0037】
印字担当者名55は、ラベル50を印字した担当者の氏名である。印字担当者名55は、予め記憶部105等に登録されており、ラベル50を印字する際に、印字データ取得部41が取得する。
【0038】
保管場所56は、商品の保管場所である。保管場所56は、印字実行部42が、保管場所指定部40が指定した情報を取得する。
【0039】
品番57は、商品の品番である。品番57は、印字データ取得部41が、PLUファイルF1から取得する。
【0040】
(保管場所の指定方法の説明)
図5から
図7を用いて、商品の保管場所を指定する方法を説明する。
図5は、商品の保管場所である冷蔵庫120の一例を示す図である。
図6は、商品の保管場所の一覧を示す保管場所マスタF2の一例を示す図である。
図7は、商品の保管場所を指定する保管場所指定画面D1の一例を示す図である。
【0041】
冷蔵庫120は、左上扉120aと、右上扉120bと、左下扉120cと、右下扉120dを備える。冷蔵庫120は、各扉の内側に、それぞれ保管場所を備えている。なお、
図5に示す冷蔵庫120は一例であって、保管場所は4か所に限定されるものではない。
【0042】
保管場所マスタF2は、
図6に示すように、保管場所番号130aと、保管場所名称130bを格納している。
【0043】
保管場所番号130aは、各保管場所に対して一意に関連付けられた識別番号である。保管場所名称130bは、各保管場所の名称を示す。
【0044】
なお、保管場所として、複数台の冷蔵庫を用いてもよい。保管場所として複数台の冷蔵庫を用いる場合は、各冷蔵庫に対して、当該冷蔵庫を一意に特定する番号(例えば、冷蔵庫A、冷蔵庫B、…等)を付与する。そして、複数の冷蔵庫の各保管場所に通し番号を付与して、当該通し番号によって保管場所を管理する。或いは、冷蔵庫を特定する番号と、当該冷蔵庫の中の保管場所を特定する番号との2つの番号の組み合わせによって保管場所を管理してもよい。
【0045】
保管場所指定画面D1は、ラベルプリンタ10のディスプレイ13に表示される画面である。ラベルプリンタ10を操作する担当者は、商品の保管場所を指定する際に、操作メニューを操作することによって、保管場所指定画面D1を表示させる。保管場所指定画面D1には、保管場所候補情報132a、132b、132c、132d、132eが表示される。保管場所候補情報132a、132b、132c、132d、132eは、商品の保管場所の候補を示す。ラベルプリンタ10を操作する担当者は、タッチパネル14を操作して、商品の保管場所を選択する。選択された保管場所は、
図7に示すように、色等の表示形態が変更されて、当該場所が選択されたことを表す。
図7は、保管場所として冷蔵庫Aの右上扉が選択された例である。そして、選択した保管場所候補情報132bを再度押下すると、選択した保管場所が確定される。確定した保管場所は、保管場所表示エリア134に表示される。なお、保管場所を示す保管場所候補情報132bを2回押下することによって保管場所を確定する例を示したが、保管場所の選択、確定方法はこれに限定されるものではない。例えば、保管場所候補情報132bを長押しすることによって、選択、確定を1回の押下操作で行ってもよい。
【0046】
(ラベル発行実績ファイルの説明)
図8は、ラベル50の発行実績を示す発行実績ファイルF3の一例を示す図である。発行実績ファイルF3は、商品の品番140aと、商品(食材)名称140bと、ラベル発行日時140cと、賞味期限140dと、保管場所140eとを格納している。
【0047】
発行実績ファイルF3が格納する各情報の内容は、前記した通り(
図4(a))であるため、説明は省略する。なお、生成された発行実績ファイルF3は、記憶部105に記憶されて、印字実行部42がラベル50を印字する都度、ラベル50の発行実績が追加される。
【0048】
(残期間表示画面の説明)
図9は、商品の賞味期限までの残期間を表示した残期間表示画面D2の一例を示す図である。残期間表示画面D2は、ラベルプリンタ10の操作メニュー(非図示)を操作することによって、ディスプレイ13に表示される。残期間表示画面D2は、賞味期限までの残期間142と、選択された残期間に該当する商品情報142a、142bを表示する。
【0049】
賞味期限までの残期間は、残期間算出部44が、発行実績ファイルF3から読み出した賞味期限140dから現在日時を減算することによって算出する。なお、現在日時は、残期間算出部44が、CPU101が備えるタイマーから取得する。
【0050】
残期間142は、例えば日数ごとに整理されている。
図9は、担当者がタッチパネル14を操作して、賞味期限までの残期間142として「2日」を選択した例を示す。このとき、商品情報142a、142bとして、賞味期限までの残期間が2日以内の商品が全て表示される。同様に、
図9において、賞味期限までの残期間142として「1日」を選択すると、賞味期限までの残期間が1日以内の商品が全て表示される。
【0051】
商品を取り扱う担当者は、残期間表示画面D2を確認して、賞味期限が近い商品を優先的に使用する。なお、
図9には記載していないが、使用する商品へのアクセスを容易にするために、商品情報142a、142bの欄に、それらの商品の保管場所を同時に表示してもよい。
【0052】
(商品の保管場所の変更方法の説明)
図10は、商品の保管場所を変更する際の保管場所変更指定画面D3a、D3b、D3cの一例を示す図である。
図10(a)の保管場所変更指定画面D3aは、ラベルプリンタ10の操作メニュー(非図示)を操作することによって、ディスプレイ13に表示される。そして、担当者がタッチパネル14を操作することによって、保管場所変更指定画面D3b
図10(b)、D3c
図10(c)と遷移する。
【0053】
保管場所変更指定画面D3aは、保管場所を変更したい商品を呼び出して、保管場所の変更を指示する画面である。保管場所変更指定画面D3aには、保管場所変更指示ボタン136と、保管場所追加指示ボタン137が表示される。
【0054】
保管場所変更指示ボタン136は、現在指定されている保管場所の変更を指示するボタンである。保管場所追加指示ボタン137は、既に保管場所が指定されている商品の一部を別の保存袋等に小分けして、小分けした商品の保管場所を新たに指定することを指示するボタンである。ここでは、保管場所変更指示ボタン136が選択されたものとする。
【0055】
図10(b)の保管場所変更指定画面D3bは、保管場所変更指定画面D3aにおいて、保管場所変更指示ボタン136が選択された場合に表示される画面である。保管場所変更指定画面D3aには、商品Cの保管場所情報138が表示される。保管場所情報138は、既に指定されている、商品Cの保管場所を示す情報である。
【0056】
担当者がタッチパネル14を操作して、保管場所情報138を選択すると、保管場所変更指定画面D3bは、保管場所変更指定画面D3cに遷移する。
【0057】
図10(c)の保管場所変更指定画面D3cは、商品Cの新たな保管場所を指定する画面である。保管場所変更指定画面D3cには、保管場所候補情報132a、132b、132c、132d、132eが表示される。保管場所候補情報132a、132b、132c、132d、132eは、
図7で説明した通りである。担当者は、タッチパネル14を操作して、新たな保管場所を選択する。
図10(c)は、新たな保管場所として、冷蔵庫Aの左上扉を示す保管場所候補情報132bを選択した例を示す。
【0058】
この後、新たな保管場所が印字されたラベル50が印字される。なお、保管場所を変更したことに伴い、以前の保管場所を示す情報、すなわち旧ラベルの発行実績を、発行実績ファイルF3から消し込む必要がある。そのため、保管場所指定部40は、保管場所が変更されたことを検出して、発行実績ファイルF3から旧ラベルの発行実績を削除する。
【0059】
なお、
図10には記載しないが、保管場所変更指定画面D3aにおいて保管場所追加指示ボタン137が選択された場合にも、先の説明と同様に、保管場所変更指定画面D3b、D3cと遷移して、追加する保管場所を指定することができる。なお、保管場所を追加する場合、追加前の保管場所を示す情報、すなわち旧ラベルの発行実績は残るため、発行実績ファイルF3から旧ラベルの発行実績は削除しない。そして、発行実績ファイルF3には、保管場所の追加実績が追加される。
【0060】
(ラベルの印字を行う処理の流れの説明)
図11は、第1の実施形態のラベルプリンタ10が、ラベル50の印字を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
印字実行部42は、ラベル50の印字指示があるかを判定する(ステップS10)。ラベル50の印字指示があると判定される(ステップS10:Yes)とステップS11に進む。一方、ラベル50の印字指示があると判定されない(ステップS10:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS10を繰り返す。
【0062】
ステップS10において、ラベル50の印字指示があると判定されると、印字データ取得部41は、PLUファイルF1から、商品名称と賞味期限を読み出す(ステップS11)。
【0063】
次に、保管場所指定部40は、商品の保管場所を指定させる(ステップS12)。具体的な商品の保管場所の指定方法は、前記した通りである(
図7参照)。
【0064】
次に、残期間算出部44は、商品の賞味期限を算出する(ステップS13)。具体的には、残期間算出部44は、CPU101が備えるタイマーから現在日時を取得する。そして、残期間算出部44は、現在日時に商品の賞味時間53(
図4)を加算することによって、商品の賞味期限を算出する。
【0065】
印字実行部42は、ラベル50の印字を実行する(ステップS14)。
【0066】
印字データ記憶部43は、ラベル50の発行実績を記憶して、発行実績ファイルF3を更新する(ステップS15)。その後、ラベルプリンタ10は、
図11の処理を終了する。
【0067】
(賞味期限までの残期間を表示する処理の流れの説明)
図12は、第1の実施形態のラベルプリンタ10が、商品の賞味期限までの残期間を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
残期間算出部44は、賞味期限の確認指示があるかを判定する(ステップS20)。賞味期限の確認指示があると判定される(ステップS20:Yes)と、ステップS21に進む。一方、賞味期限の確認指示があると判定されない(ステップS20:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS20を繰り返す。
【0069】
ステップS20において、賞味期限の確認指示があると判定されると、残期間算出部44は、記憶部105から発行実績ファイルF3を読み出す(ステップS21)。
【0070】
次に、残期間算出部44は、その時点における賞味期限日までの残期間を算出する(ステップS22)。
【0071】
情報表示部45は、残期間算出部44が算出した賞味期限日までの残期間を示す残期間表示画面D2を表示する(ステップS23)。その後、ラベルプリンタ10は、
図12の処理を終了する。
【0072】
(商品の保管場所変更時に行う処理の流れの説明)
図13は、第1の実施形態のラベルプリンタ10が、商品の保管場所変更時に行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
保管場所指定部40は、保管場所の変更指示があるかを判定する(ステップS30)。保管場所の変更指示があると判定される(ステップS30:Yes)と、ステップS31に進む。一方、保管場所の変更指示があると判定されない(ステップS30:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS30を繰り返す。
【0074】
ステップS30において、保管場所の変更指示があると判定されると、印字データ取得部41は、記憶部105から発行実績ファイルF3を読み出す(ステップS31)。
【0075】
保管場所指定部40は、保管場所の再指定を行う(ステップS32)。具体的な再指定の方法は、前記した通りである(
図10)。
【0076】
印字実行部42は、再指定された保管場所の情報を含むラベル50を印字する(ステップS33)。
【0077】
保管場所指定部40は、ステップS33で印字したラベル50が再発行されたラベルかを判定する(ステップS34)。ステップS33で印字したラベル50が再発行されたラベルであると判定される(ステップS34:Yes)と、ステップS35に進む。一方、ステップS33で印字したラベル50が再発行されたラベルであると判定されない(ステップS34:No)、すなわち新規に発行されたラベルである場合は、ステップS36に進む。
【0078】
ステップS34において、ステップS33で印字したラベル50が再発行されたラベルであると判定されると、保管場所指定部40は、旧ラベルの発行実績を、発行実績ファイルF3から削除する(ステップS35)。
【0079】
そして、印字データ記憶部43は、発行実績ファイルF3を更新して記憶する(ステップS36)。の後、ラベルプリンタ10は、
図13の処理を終了する。
【0080】
以上説明したように、第1の実施形態のラベルプリンタ10(プリンタ装置)によると、印字実行部42(印字手段)は、保管場所指定部40(指定手段)が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも商品の名称と賞味期限とを含む情報をラベル50に印字する。印字データ記憶部43(記憶手段)は、印字した情報を記憶して、残期間算出部44(算出手段)は、印字データ記憶部43が記憶した情報に基づいて、その時点における商品の賞味期限までの残期間を算出する。そして、情報表示部45(表示手段)は、印字実行部42が印字した商品に係る情報を、残期間ごとに表示する。したがって、商品を取り扱う担当者は、その時点における賞味期限までの残期間を容易に確認することができるとともに、商品の保管場所を容易に指定することができる。すなわち、簡易な構成で、商品の保管場所および賞味期限を管理することができる。
【0081】
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10によると、印字実行部42(印字手段)は、更に、商品の保管場所を印字する。したがって、保管場所から商品を取り出した担当者とは異なる担当者が商品を保管場所に戻す場合であっても、商品を、指定した保管場所に確実に戻すことができる。
【0082】
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10によると、保管場所指定部40(指定手段)は、更に、既に保管場所を指定した商品に対して、保管場所の変更を指定する機能を備える。したがって、保管場所の変更を容易に行うことができる。
【0083】
また、第1の実施形態のラベルプリンタ10によると、保管場所指定部40(指定手段)は、更に、既に保管場所を指定した商品に対して、当該商品の一部について新たな保管場所を指定する機能を備える。したがって、商品の一部を小分けした場合に、小分けした商品の保管場所を容易に指定することができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0085】
図14は、第2の実施形態のプリンタシステム1aの一例を示す外観図である。プリンタシステム1aは、ラベルプリンタ10とサーバ装置20とが、通信回線30で接続された構成を有する。
【0086】
ラベルプリンタ10は、商品の保管場所の指定と、商品に貼付するラベル50の印字と、その時点における商品の賞味期限までの残期間の算出と、商品の賞味期限までの残期間の表示等を行う。ラベルプリンタ10は、第1の実施形態で説明したのと同様の構成を備える。
【0087】
サーバ装置20は、ラベルプリンタ10がラベル50に印字した情報を発行実績ファイルF3に記憶する。また、サーバ装置20は、複数のラベルプリンタ10が作成した発行実績ファイルF3を管理する。
【0088】
サーバ装置20は、情報を表示するディスプレイ210と、操作情報を入力するタッチパネル211とキーボード212を備える。
【0089】
プリンタシステム1aは、第1の実施形態で説明したラベルプリンタ10が備える機能のうち、印字データを記憶する機能をサーバ装置20に分担させたものである。
【0090】
(サーバ装置のハードウェア構成の説明)
図15は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。サーバ装置20は、各部を制御するための制御部200を備える。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203とを備える。CPU201は、バスライン204を介して、ROM202と、RAM203と接続する。CPU201は、ROM202や記憶部205に記憶された各種プログラムを、RAM203に展開する。CPU201は、RAM203に展開された各種プログラムに従って動作することで、ラベルプリンタ10を制御する。すなわち、制御部200は、一般的なコンピュータの構成を有する。
【0091】
制御部200は、更に、バスライン204を介して、記憶部205と、コントローラ209と、通信インタフェース214と接続する。
【0092】
記憶部205は、電源を切っても記憶情報が保持される、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部205は、制御プログラムP2と、PLUファイルF1と、発行実績ファイルF3とを記憶する。制御プログラムP2は、サーバ装置20が備える機能を発揮させるためのプログラムである。PLUファイルF1と発行実績ファイルF3は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0093】
コントローラ209は、ディスプレイ210と、タッチパネル211と、キーボード212と接続する。コントローラ209は、制御部200からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアの動作を制御する。
【0094】
ディスプレイ210は、サーバ装置20の動作状態に応じた情報を表示する。ディスプレイ210は、例えば液晶ディスプレイである。
【0095】
タッチパネル211は、ディスプレイ210に重畳して設置される。タッチパネル211は、ディスプレイ210に表示された各種ボタンに対する操作者の操作情報を検出して、操作情報に対応する情報を、制御部200に送信する。
【0096】
キーボード212は、操作者の操作情報を検出して、操作情報に対応する情報を、制御部200に送信する。なお、通常のコンピュータシステムと同様に、キーボード212とタッチパネル211とは、プリンタシステム1aを制御する操作メニューのGUI(Graphical User Interface)の形態に応じて適宜使い分けられる。
【0097】
通信インタフェース214は、店舗内LAN等の通信回線30を介して、サーバ装置20とラベルプリンタ10との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0098】
なお、ラベルプリンタ10のハードウェア構成は、第1の実施形態で説明した通り(
図2)であるため、説明は省略する。
【0099】
(プリンタシステムの機能構成の説明)
図16は、第2の実施形態のプリンタシステム1aの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ラベルプリンタ10の制御部100は、制御プログラムP1(
図2)をRAM103に展開して動作させることによって、
図16に示す保管場所指定部40と、印字データ取得部41と、印字実行部42と、残期間算出部44と、情報表示部45と、通信制御部46とを、機能部として実現する。通信制御部46は、ラベルプリンタ10とサーバ装置20との間の通信を制御する。なお、その他の機能は、第1の実施形態で説明したラベルプリンタ10の各部の機能と同様であるため、説明は省略する。
【0100】
サーバ装置20の制御部200は、制御プログラムP2をRAM203に展開して動作させることによって、
図16に示す印字データ記憶部70と、通信制御部71とを、機能部として実現する。
【0101】
印字データ記憶部70は、ラベルプリンタ10の印字実行部42が印字した情報を受信して記憶する。なお、印字データ記憶部70は、記憶手段の一例である。
【0102】
通信制御部71は、サーバ装置20とラベルプリンタ10との間の通信を制御する。
【0103】
(プリンタシステムが行う処理の流れの説明)
図17は、第2の実施形態のプリンタシステム1aが、新たなラベルの印字を行う際に行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、装置ごとに処理の流れを説明する。
【0104】
(ラベルプリンタが行う処理の流れの説明)
ラベルプリンタ10が行うステップS40からステップS44の処理の内容は、第1の実施形態のラベルプリンタ10が行うステップS10からステップS14の処理の内容(
図11)と同様であるため、説明は省略する。
【0105】
次に、通信制御部46は、ラベル50に印字した情報をラベル発行実績としてサーバ装置20に送信する(ステップS45)。その後、ラベルプリンタ10は、
図17の処理を終了する。
【0106】
(サーバ装置が行う処理の流れの説明)
通信制御部71は、ラベルプリンタ10からラベル発行実績を受信したかを判定する(ステップS50)。ラベル発行実績を受信したと判定される(ステップS50:Yes)と、ステップS51に進む。一方、ラベル発行実績を受信したと判定されない(ステップS50:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS50を繰り返す。
【0107】
ステップS50において、ラベル発行実績を受信したと判定されると、印字データ記憶部70は、ラベル発行実績を更新する(ステップS51)。具体的には、印字データ記憶部70は、発行実績ファイルF3を更新する。その後、サーバ装置20は、
図17の処理を終了する。
【0108】
なお、
図17には記載しないが、ラベルプリンタ10は、商品の賞味期限までの残期間の確認や、保管場所の変更等のために発行実績ファイルF3が必要になった際には、サーバ装置20に対して発行実績ファイルF3の送信を要求する。サーバ装置20は、ラベルプリンタ10からの発行実績ファイルF3の送信要求を受けて、ラベルプリンタ10に対して発行実績ファイルF3を送信する。
【0109】
また、サーバ装置20は、複数のラベルプリンタ10から発行実績ファイルF3を受信して、それらの発行実績ファイルF3を1つの発行実績ファイルF3にマージする。その際、マージされた発行実績ファイルF3をラベルプリンタ10に送信するようにしてもよい。その場合、ラベルプリンタ10は、受信した発行実績ファイルF3を、記憶部105(
図2)に記憶しておく。
【0110】
以上説明したように、第2の実施形態のプリンタシステム1aによると、ラベルプリンタ10(プリンタ装置)の印字実行部42(印字手段)が、保管場所指定部40(指定手段)が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも商品の名称と賞味期限とを含む情報を、ラベル50に印字する。そして、サーバ装置20の印字データ記憶部70(記憶手段)が、ラベルプリンタ10が印字した情報を記憶する。ラベルプリンタ10の残期間算出部44(算出手段)は、印字データ記憶部70が記憶した情報に基づいて、その時点における商品の賞味期限までの残期間を算出する。そして、情報表示部45(表示手段)は、印字実行部42が印字した商品に係る情報を、残期間ごとに表示する。したがって、商品を取り扱う担当者は、その時点における賞味期限までの残期間を容易に確認することができるとともに、商品の保管場所を容易に指定することができる。すなわち、簡易な構成で、商品の保管場所および賞味期限を管理することができる。
【0111】
また、第2の実施形態のプリンタシステム1aによると、ラベルプリンタ10が印字した情報を、発行実績ファイルF3として、ラベルプリンタ10の外部に記憶するため、複数のラベルプリンタ10がそれぞれ印字した情報を一括して管理することができる。
【0112】
(第3の実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0113】
図18は、第3の実施形態のプリンタシステム1bの一例を示す外観図である。プリンタシステム1bは、ラベルプリンタ10と、サーバ装置20と、端末装置60とを備える。ラベルプリンタ10とサーバ装置20とは、通信回線30で接続されている。ラベルプリンタ10と端末装置60とは、通信回線38で接続されている。
【0114】
ラベルプリンタ10は、ラベル50を印字する。ラベルプリンタ10は、第1の実施形態で説明したのと同様の構成を備える。
【0115】
サーバ装置20は、ラベルプリンタ10が作成した発行実績ファイルF3を記憶する。サーバ装置20は、第2の実施形態で説明したのと同様の構成を備える。
【0116】
端末装置60は、商品の保管場所の指定と、その時点における商品の賞味期限までの残期間の算出と、商品の賞味期限までの残期間の表示等を行う。
【0117】
端末装置60は、情報を表示するディスプレイ63と、操作情報を入力するタッチパネル64とキーボード65を備える。
【0118】
プリンタシステム1bは、第1の実施形態で説明したラベルプリンタ10が備える機能のうち、印字データを記憶する機能をサーバ装置20に分担させて、ラベル50を印字する機能をラベルプリンタ10に分担させて、それ以外の機能を端末装置60に分担させたものである。
【0119】
(端末装置のハードウェア構成の説明)
図19は、端末装置60のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。端末装置60は、各部を制御するための制御部300を備える。制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303とを備える。CPU301は、バスライン304を介して、ROM302と、RAM303と接続する。CPU301は、ROM302や記憶部305に記憶された各種プログラムを、RAM303に展開する。CPU301は、RAM303に展開された各種プログラムに従って動作することで、ラベルプリンタ10を制御する。すなわち、制御部300は、一般的なコンピュータの構成を有する。
【0120】
制御部300は、更に、バスライン304を介して、記憶部305と、コントローラ309と、通信インタフェース312と接続する。
【0121】
記憶部305は、電源を切っても記憶情報が保持される、HDD等である。記憶部305は、制御プログラムP3と、PLUファイルF1と、保管場所マスタF2とを記憶する。制御プログラムP3は、端末装置60が備える機能を発揮させるためのプログラムである。PLUファイルF1と保管場所マスタF2は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0122】
コントローラ309は、ディスプレイ63と、タッチパネル64と、キーボード65と接続する。コントローラ309は、制御部300からの指令に基づいて、接続された各種ハードウェアの動作を制御する。
【0123】
ディスプレイ63は、端末装置60の動作状態に応じた情報を表示する。ディスプレイ63は、例えば液晶ディスプレイである。
【0124】
タッチパネル64は、ディスプレイ63に重畳して設置される。タッチパネル64は、ディスプレイ63に表示された各種ボタンに対する操作者の操作情報を検出して、操作情報に対応する情報を、制御部300に送信する。
【0125】
キーボード65は、操作者の操作情報を検出して、操作情報に対応する情報を、制御部300に送信する。なお、通常のコンピュータシステムと同様に、キーボード65とタッチパネル64とは、プリンタシステム1bを制御する操作メニューのGUIの形態に応じて適宜使い分けられる。
【0126】
通信インタフェース312は、店舗内LAN等の通信回線38を介して、端末装置60とラベルプリンタ10との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0127】
なお、ラベルプリンタ10のハードウェア構成は、第1の実施形態で説明した通り(
図2)であり、サーバ装置20のハードウェア構成は、第2の実施形態で説明した通り(
図15)であるため、説明は省略する。
【0128】
(プリンタシステムの機能構成の説明)
図20は、第3の実施形態のプリンタシステム1bの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。ラベルプリンタ10の制御部100は、制御プログラムP1(
図2)をRAM103に展開して動作させることによって、
図20に示す印字実行部42と、通信制御部46とを、機能部として実現する。通信制御部46は、ラベルプリンタ10とサーバ装置20との間、及びラベルプリンタ10と端末装置60との間の通信を制御する。なお、印字実行部42の機能は、第1の実施形態で説明したラベルプリンタ10の印字実行部42の機能と同様であるため、説明は省略する。
【0129】
サーバ装置20の制御部200は、制御プログラムP2をRAM203に展開して動作させることによって、
図20に示す印字データ記憶部70と、通信制御部71とを、機能部として実現する。通信制御部46は、サーバ装置20とラベルプリンタ10との間の通信を制御する。なお、印字データ記憶部70の機能は、第2の実施形態で説明したサーバ装置20の印字データ記憶部70の機能と同様であるため、説明は省略する。
【0130】
端末装置60の制御部300は、制御プログラムP3をRAM303に展開して動作させることによって、
図20に示す保管場所指定部90と、印字データ取得部91と、残期間算出部92と、情報表示部93と、通信制御部94とを、機能部として実現する。
【0131】
通信制御部94は、端末装置60とラベルプリンタ10との間の通信を制御する。
【0132】
なお、保管場所指定部90と、印字データ取得部91と、残期間算出部92と、情報表示部93の機能は、それぞれ、第1の実施形態で説明したラベルプリンタ10の保管場所指定部40と、印字データ取得部41と、残期間算出部44と、情報表示部45の機能と同様であるため、説明は省略する。
【0133】
(プリンタシステムが行う処理の流れの説明)
図21は、第3の実施形態のプリンタシステム1bが、新たなラベルの印字を行う際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、装置ごとに処理の流れを説明する。
【0134】
(ラベルプリンタが行う処理の流れの説明)
ラベルプリンタ10の通信制御部46は、端末装置60から、ラベル50に印字した印字情報を受信したかを判定する(ステップS60)。印字情報を受信したと判定される(ステップS60:Yes)とステップS61に進む。一方、印字情報を受信したと判定されない(ステップS60:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS60を繰り返す。
【0135】
ステップS60において、印字情報を受信したと判定されると、印字実行部42は、ラベル50の印字を実行する(ステップS61)。その後、ラベルプリンタ10は、
図21の処理を終了する。
【0136】
(端末装置が行う処理の流れの説明)
端末装置60が行うステップS70からステップS73の処理の内容は、第1の実施形態のラベルプリンタ10が行うステップS10からステップS13の処理の内容(
図11)と同様であるため、説明は省略する。
【0137】
次に、通信制御部94は、ラベル50に印字した印字情報をラベルプリンタ10の通信制御部46に送信する(ステップS74)。
【0138】
さらに、通信制御部94は、ラベル50に印字した情報をラベル発行実績として、ラベルプリンタ10の通信制御部46を介して、サーバ装置20の通信制御部71に送信する(ステップS75)。その後、端末装置60は、
図21の処理を終了する。
【0139】
(サーバ装置が行う処理の流れの説明)
サーバ装置20の通信制御部71は、端末装置60からラベル発行実績を受信したかを判定する(ステップS80)。ラベル発行実績を受信したと判定される(ステップS80:Yes)と、ステップS81に進む。一方、ラベル発行実績を受信したと判定されない(ステップS80:No)と、例えばタイムアウトになるまでステップS80を繰り返す。
【0140】
ステップS80において、ラベル発行実績を受信したと判定されると、印字データ記憶部70は、ラベル発行実績を更新する(ステップS81)。具体的には、印字データ記憶部70は、発行実績ファイルF3を更新する。その後、サーバ装置20は、
図21の処理を終了する。
【0141】
以上説明したように、第3の実施形態のプリンタシステム1bによると、ラベルプリンタ10(プリンタ装置)の印字実行部42(印字手段)が、端末装置60の保管場所指定部90(指定手段)が保管場所を指定した商品に貼付する、少なくとも商品の名称と賞味期限とを含む情報を、ラベル50に印字する。そして、サーバ装置20の印字データ記憶部70(記憶手段)は、ラベルプリンタ10が印字した情報を記憶する。端末装置60の残期間算出部92(算出手段)は、サーバ装置20の印字データ記憶部70が記憶した情報に基づいて、その時点における商品の賞味期限までの残期間を算出する。そして、端末装置60の情報表示部93(表示手段)は、ラベルプリンタ10の印字実行部42が印字した商品に係る情報を、残期間ごとに表示する。したがって、商品を取り扱う担当者は、その時点における賞味期限までの残期間を容易に確認することができるとともに、商品の保管場所を容易に指定することができる。すなわち、簡易な構成で、商品の保管場所および賞味期限を管理することができる。
【0142】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
1a、1b プリンタシステム
10 ラベルプリンタ
20 サーバ装置
32 スキャナ
40、90 保管場所指定部(指定手段)
42 印字実行部(印字手段)
43、70 印字データ記憶部(記憶手段)
44、92 残期間算出部(算出手段)
45、93 情報表示部(表示手段)
60 端末装置
D1 保管場所指定画面
D2 残期間表示画面
D3a、D3b、D3c 保管場所変更指定画面
F1 PLUファイル
F2 保管場所マスタ
F3 発行実績ファイル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0144】