(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】端末、基地局、無線通信方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 7/08 20060101AFI20220720BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220720BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220720BHJP
【FI】
H04B7/08 800
H04B7/06 950
H04W16/28
(21)【出願番号】P 2018507359
(86)(22)【出願日】2017-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2017011386
(87)【国際公開番号】W WO2017164220
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】P 2016061783
(32)【優先日】2016-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】岸山 祥久
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐野 洋介
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-164281(JP,A)
【文献】特表2013-540400(JP,A)
【文献】特表2013-509839(JP,A)
【文献】CHTTL,Discussion on CSI-RS design for FD-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82b R1-155888,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82b/Docs/R1-155888.zip>,2015年09月26日
【文献】Kyocera,CSI Measurement and Feedback for Elevation BF/FD-MIMO[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154012,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154012.zip>,2015年08月11日,pp.1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
H04B 7/06
H04W 16/28
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームの測定に用いられる複数の参照信号の、タイミング及び周期に関する情報を、上位レイヤシグナリングによって受信する受信部と、
前記複数の参照信号に対する複数の測定結果をそれぞれ報告する制御部と、を有し、
前記複数の参照信号は、1つ以上のサブフレーム内の異なる複数の時間リソースにおいてそれぞれ送信され、
前記1つ以上のサブフレームは、前記情報によって指示され、
前記複数の参照信号は、複数のビームにそれぞれ関連付けられ
、
前記複数の参照信号のそれぞれは、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、及び復調参照信号を含むことを特徴とする端末。
【請求項2】
前記受信部は、前記複数の参照信号の数に関する情報を上位レイヤシグナリングによって受信することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記結果は、前記複数の参照信号のうち、測定された値が最良である参照信号に基づくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記結果は、Reference Signal Received Power(RSRP)、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR)、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端末。
【請求項5】
ビームの測定に用いられる複数の参照信号の、タイミング及び周期に関する情報を、上位レイヤシグナリングによって送信する送信部と、
前記複数の参照信号に対する複数の測定結果をそれぞれ受信する受信部と、を有し、
前記複数の参照信号は、1つ以上のサブフレーム内の異なる複数の時間リソースにおいてそれぞれ送信され、
前記1つ以上のサブフレームは、前記情報によって指示され、
前記複数の参照信号は、複数のビームにそれぞれ関連付けられ
、
前記複数の参照信号のそれぞれは、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、及び復調参照信号を含むことを特徴とする基地局。
【請求項6】
ビームの測定に用いられる複数の参照信号の、タイミング及び周期に関する情報を、上位レイヤシグナリングによって受信するステップと、
前記複数の参照信号に対する複数の測定結果をそれぞれ報告するステップと、を有し、
前記複数の参照信号は、1つ以上のサブフレーム内の異なる複数の時間リソースにおいてそれぞれ送信され、
前記1つ以上のサブフレームは、前記情報によって指示され、
前記複数の参照信号は、複数のビームにそれぞれ関連付けられ
、
前記複数の参照信号のそれぞれは、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、及び復調参照信号を含むことを特徴とする端末の無線通信方法。
【請求項7】
端末及び基地局を有するシステムであって、
前記端末は、
ビームの測定に用いられる複数の参照信号の、タイミング及び周期に関する情報を、上位レイヤシグナリングによって受信する受信部と、
前記複数の参照信号に対する複数の測定結果をそれぞれ報告する制御部と、を有し、
前記基地局は、前記情報を送信し、
前記複数の参照信号は、1つ以上のサブフレーム内の異なる複数の時間リソースにおいてそれぞれ送信され、
前記1つ以上のサブフレームは、前記情報によって指示され、
前記複数の参照信号は、複数のビームにそれぞれ関連付けられ
、
前記複数の参照信号のそれぞれは、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、及び復調参照信号を含むことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおけるユーザ端末、無線基地局及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(LTE Rel.8又は9ともいう)からの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTE-A(LTEアドバンスト、LTE Rel.10、11又は12ともいう)が仕様化され、LTEの後継システム(例えば、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、LTE Rel.13/14/15以降などともいう)も検討されている。
【0003】
LTE Rel.10/11では、広帯域化を図るために、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を統合するキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が導入されている。各CCは、LTE Rel.8のシステム帯域を一単位として構成される。また、CAでは、同一の無線基地局(eNB:eNodeB)の複数のCCがユーザ端末(UE:User Equipment)に設定される。
【0004】
一方、LTE Rel.12では、異なる無線基地局の複数のセルグループ(CG:Cell Group)がUEに設定されるデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)も導入されている。各セルグループは、少なくとも一つのセル(CC)で構成される。DCでは、異なる無線基地局の複数のCCが統合されるため、DCは、基地局間CA(Inter-eNB CA)などとも呼ばれる。
【0005】
また、LTE Rel.8-12では、下り(DL:Downlink)伝送と上り(UL:Uplink)伝送とを異なる周波数帯で行う周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)と、下り伝送と上り伝送とを同じ周波数帯で時間的に切り替えて行う時分割複信(TDD:Time Division Duplex)とが導入されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 36.300 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
将来の無線通信システム(例えば、5G)では、様々な無線通信サービスを、それぞれ異なる要求条件(例えば、超高速、大容量、超低遅延など)を満たすように実現することが求められると想定される。
【0008】
例えば、5Gでは、eMBB(enhanced Mobile Broad Band)、IoT(Internet of Things)、MTC(Machine Type Communication)、M2M(Machine To Machine)、URLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)などと呼ばれる無線通信サービスの提供が検討されている。なお、M2Mは、通信する機器によって、D2D(Device To Device)、V2V(Vehicular To Vehicular)などと呼ばれてもよい。上記の多様な通信に対する要求を満たすために、新しい通信アクセス方式(New RAT(Radio Access Technology))を設計することが検討されている。
【0009】
上記の多様な通信に対する要求を満たすため、超多素子アンテナを用いる大規模MIMO(Massive MIMO(Multiple Input Multiple Output))を利用することが検討されている。超多素子アンテナでは、各素子から送信/受信される信号の振幅及び/又は位相を制御することで、ビーム(アンテナ指向性)を形成することができる。当該処理はビームフォーミング(BF:Beam Forming)とも呼ばれ、電波伝播損失を低減することが可能となる。
【0010】
しかしながら、送信装置及び受信装置の両方でBFを用いて通信する場合には、各装置の構成によっては、適切なビームの形成に長時間を要するおそれがある。
【0011】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ビームフォーミングを用いる通信において、適切なビームの形成にかかる時間を低減することができるユーザ端末、無線基地局及び無線通信方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る端末は、ビームの測定に用いられる複数の参照信号の、タイミング及び周期に関する情報を、上位レイヤシグナリングによって受信する受信部と、前記複数の参照信号に対する複数の測定結果をそれぞれ報告する制御部と、を有し、前記複数の参照信号は、1つ以上のサブフレーム内の異なる複数の時間リソースにおいてそれぞれ送信され、前記1つ以上のサブフレームは、前記情報によって指示され、前記複数の参照信号は、複数のビームにそれぞれ関連付けられ、前記複数の参照信号のそれぞれは、プライマリ同期信号、セカンダリ同期信号、及び復調参照信号を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ビームフォーミングを用いる通信において、適切なビームの形成にかかる時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1A及び1Bは、従来のLTEのMIMOプリコーディングの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、アナログBFのビーム形成の制約を説明する図である。
【
図3】
図3A及び3Bは、ビーム形成用RSに係る送信ビーム走査の概念説明図である。
【
図4】
図4A及び4Bは、ビーム形成用RSの送信パターンの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ビーム形成用RSの送信パターンの別の一例を示す図である。
【
図6】
図6A及び6Bは、BSの送信ビームを走査する場合における問題点と対策の説明図である。
【
図7】
図7A及び7Bは、ビーム形成用RSに係る受信ビーム走査の概念説明図である。
【
図8】
図8A及び8Bは、UEの受信ビームを走査する場合における問題点と対策の説明図である。
【
図9】
図9A及び9Bは、BS及びUEの好適なビーム走査の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、ビーム形成用RSを固定的なDLサブフレーム(Fixed DL subframes)で送信する一例を示す図である。
【
図11】
図11A及び11Bは、ビーム形成用RSを任意のサブフレームで送信する一例を示す図である。
【
図12】
図12Aから12Cは、ビーム形成用RSの送信時間長(BSの送信ビームの継続時間)の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
BFは、デジタルBF及びアナログBFに分類できる。デジタルBFは、ベースバンド上で(デジタル信号に対して)プリコーディング信号処理を行う方法である。この場合、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)/デジタル-アナログ変換(DAC:Digital to Analog Converter)/RF(Radio Frequency)の並列処理が、アンテナポート(RF chain)の個数だけ必要となる。一方で、任意のタイミングで、RF chain数に応じた数だけビームを形成できる。
【0016】
アナログBFは、RF上で位相シフト器を用いる方法である。この場合、RF信号の位相を回転させるだけなので、構成が容易で安価に実現できる。しかしながら、同じ時刻に複数のビームを形成することができないという問題がある。
【0017】
なお、デジタルBFとアナログBFとを組み合わせたハイブリッドBF構成とすることも可能である。
【0018】
従来のLTEのMIMOプリコーディングでは、アナログBFは意識(考慮)されておらず、デジタルBFが前提となっていた。
図1は、従来のLTEのMIMOプリコーディングの一例を示す図である。
図1Aは、PDSCHを受信するための復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)構成の一例を示している。
【0019】
図1Aに示すように、従来のLTEでは、1-4レイヤ通信の場合は1リソースエレメント(RE:Resource Element)に2つのDMRSが多重され、5-8レイヤ通信の場合は1REに4つのDMRSが多重される。つまり、従来のLTEでは、異なるビーム上にマッピングされたDMRSが、同じRE上に多重される想定で信号の配置が行われていた。
【0020】
例えば、4つの異なるビームのDMRSを同じREに多重する場合には、
図1Bに示すように、無線基地局(eNB(evolved Node B)、BS(Base Station)などともいう)は、デジタルBFを用いて同じ時間で同時に複数のビームを送信することができる。
【0021】
一方、アナログBFでは、デジタルBFと異なりビームの形成に制約が生じる。
図2は、アナログBFのビーム形成の制約を説明する図である。アナログBFでは、位相シフト器ごとに、一度に1ビームしか形成できない。このため、BSが位相シフト器を1つのみ有する場合には、
図2に示すように、各時間においては、1つのビームを形成することになる。したがって、アナログBFを用いる場合、ビームを時間的に切り替えたり、回転させたりする必要がある。
【0022】
将来の無線通信システム(例えば、5G)では、大規模MIMOの導入が検討されているが、膨大な数のビーム形成をデジタルBFだけで行うとすると、回路構成が高価になってしまう。このため、5GではハイブリッドBF構成が利用されると想定される。
【0023】
アナログBFかデジタルBFかに関わらず、適切なビーム形成を行うことさえできれば、大規模MIMOによるBFゲインを好適に得ることができる。一方で、上述のように、アナログBFとデジタルBFとではビーム形成プロセスが異なるため、それぞれのBFで適切なビーム形成を実現するための制御を導入することが不可欠である。
【0024】
しかしながら、従来のLTEではアナログBFは考慮されてこなかったため、5G環境であっても適切なビームを効率良く決定する方法は確立されていない。したがって、適切なビームの形成に長時間を要する及び/又は適切でないビームを用いて通信を行ってしまうおそれがある。
【0025】
そこで、本発明者らは、ビーム形成に制約の大きいアナログBFに着目し、アナログBFに適したビーム制御方法を着想した。なお、当該制御方法は、デジタルBFにもそのまま適用可能であるし、アナログ・デジタルのハイブリッドBFにも拡張可能である。
【0026】
本明細書では、下りリンク通信に用いるビーム(BSによる送信ビーム及び/又はユーザ端末(UE:User Equipment)による受信ビーム)を適切に形成する方法について、提案する。
【0027】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0028】
なお、複数のビームが異なるとは、例えば、複数のビームにそれぞれ適用される下記(1)-(6)のうち、少なくとも1つが異なる場合を表すものとするが、これに限られるものではない:(1)プリコーディング、(2)送信電力、(3)位相回転、(4)ビーム幅、(5)ビームの角度(例えば、チルト角)、(6)レイヤ数。なお、プリコーディングが異なる場合、プリコーディングウェイトが異なってもよいし、プリコーディングの方式(例えば、線形プリコーディングや非線型プリコーディング)が異なってもよい。ビームに線型/非線型プリコーディングを適用する場合は、送信電力や位相回転、レイヤ数なども変わり得る。
【0029】
線形プリコーディングの例としては、ゼロフォーシング(ZF:Zero-Forcing)規範、正規化ゼロフォーシング(R-ZF:Regularized Zero-Forcing)規範、最小平均二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)規範などに従うプリコーディングが挙げられる。また、非線形プリコーディングの例としては、ダーティ・ペーパ符号化(DPC:Dirty Paper Coding)、ベクトル摂動(VP:Vector Perturbation)、THP(Tomlinson Harashima Precoding)などのプリコーディングが挙げられる。なお、適用されるプリコーディングは、これらに限られない。
【0030】
また、以下の実施形態の説明では、BSの送信ビーム(TB:Transmitting Beam)としてTB#1からTB#4の4つが利用されるものとし、UEの受信ビーム(RB:Receiving Beam)としてRB#1からRB#4の4つが利用されるものとして説明するが、これに限られない。例えば、利用されるビームの方向、長さ、数などは、以下で説明する例に限られるものではない。
【0031】
また、以下の実施形態の説明では、BS及びUEにおいて、ビームの切り替えは遅延なく行われるものとするが、BS及び/又はUEは、ビームの切り替えには所定の遅延が生じるものと想定して各種処理を実施してもよい。
【0032】
(無線通信方法)
本発明の一実施形態では、適切なビームを決定するために、ビームごとの参照信号(RS:Reference Signal)を用いる。当該参照信号は、ビーム形成用RS、ビームフォーミングRS(BFRS)、ビーム固有RSなどと呼ばれてもよい。本明細書では、下りリンク通信用のビーム形成について説明するため、下りリンクのビーム形成用RSを、単に「ビーム形成用RS」と表す。
【0033】
<BSの送信ビーム走査>
図3は、ビーム形成用RSに係る送信ビーム走査の概念説明図である。
図3Aは、複数のビーム形成用RSに対応する各BS送信ビームの一例を示している。
図3Bは、
図3Aに対応するビーム形成用RSの時間リソースの一例を示している。
図3では、BSは、異なる時間のビーム形成用RSに対して、異なる送信ビームフォーミングを適用する。
【0034】
図3には、時間をずらしながら、BSが送信ビームをTB#1からTB#4にスイープ(走査)する例が示されている。このように、時間的に直交する無線リソースでビーム形成用RSを送信する構成とすることで、アナログBFを用いる場合であってもビーム形成用RSを適切に送信することができる。
【0035】
一方、UEは、各ビーム形成用RSを用いて受信品質を測定し、全て又は一部の測定結果(メジャメントレポート)をBSに報告する。ここで、測定/報告する受信品質は、例えば、長周期の受信品質(参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)など)や、短周期の受信品質(チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)など)であってもよいが、これらに限られるものではない。
【0036】
また、BSは、報告された各ビーム形成用RSの受信品質に基づいて、UEに対して適切なビームを決定し、その後の当該UEとの通信に用いることができる。
【0037】
BSは、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)又はこれらの組み合わせにより、UEが別々に測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報を通知することができる。例えば、ビーム形成用RSに関する情報として、当該RSの数、送信タイミング(受信タイミング)、送信周期(測定周期)、送信時間長(各周期におけるRSの送信継続時間)、無線リソース(例えば、周波数及び/又は時間リソース)の少なくとも1つに関する情報が、UEに通知(設定)されてもよい。送信タイミングなどの情報は、ビットマップで通知されてもよい。
【0038】
また、BSは、ビーム形成用RSの測定結果から決定した、BS送信ビームに関する情報を、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング又はこれらの組み合わせにより、UEに通知してもよい。送信ビームに関する情報は、ビームを特定するためのビームインデックス(ビーム制御番号)であってもよい。当該情報を受信したUEは、当該情報に基づいて、その後の通信でBSが用いる送信ビームを判断することができる。
【0039】
図4は、ビーム形成用RSの送信パターンの一例を示す図である。
図4Aは、各ビーム形成用RSが同じ周期(例えば、40ms)で送信される例を示す。各RSを同じ周期で送信することにより、UEが各ビームを受信する機会を均等にすることができる。
【0040】
図4は、異なるビーム形成用RSを時間的に連続して送信する例を示している。このようにすることで、UEがビーム形成用RSを受信するタイミングをほぼ同一にすることができるので、短時間でビーム形成用RSの測定を終えることができ、UEのバッテリー消費節約を実現できる。
【0041】
一方、ビーム形成用RSを時間的に分散して送信してもよい(不図示)。この場合、UEがいずれかのビーム形成用RSを測定する周期を短くできることから、高速移動中であっても、いずれかのビームで通信を行うことがやりやすくなる。
【0042】
ビーム形成用RSごとに、個別に送信タイミングや送信周期を変更できるようにしてもよい。例えば、各ビームの幅が異なる場合には、これらを個別に変更できることが好ましい。
図4Bは、TB#1及び#2に対応するRSが第1の周期(例えば、40ms)で送信され、TB#3及び#4に対応するRSが第2の周期(例えば、80ms)で送信される例を示す。
【0043】
例えば、ビームXを用いて通信しているUEが次に利用する可能性の低いビームZ(Z≠X)のビーム形成用RSの送信周期(測定周期)を長くすることで、ビーム制御への悪影響を抑制しつつ、RS送信に係るオーバヘッドやUEの測定負担を減らすことができる。
【0044】
また、複数のビーム形成用RSが同時に送信されるようにしてもよく、同時送信の送信タイミングや送信周期を設定してもよい。
図5は、ビーム形成用RSの送信パターンの別の一例を示す図である。
図5は、TB#1及び#4に対応するRSが所定の周期(例えば、40ms)で同時に送信され、時間的に隣接して、TB#2及び#3に対応するRSが同時に送信される例を示す。
【0045】
デジタルBFを適用するBSの場合、複数のビーム形成用RSを同時に異なるビームで送信することができるため、このようにすることでオーバヘッドを減らすことができる。
【0046】
図6は、BSの送信ビームを走査する場合における問題点と対策の説明図である。
図6Aに示すように、BSの送信ビーム及びUEの受信ビームの両方が同時にスイープする場合、送信ビームと受信ビームとが常に異なる方向を向いてしまうことが考えられる。この場合、UEにおいて受信品質の測定ができず、適切なBSの送信ビームの判断ができなくなってしまう。
【0047】
したがって、
図6Bに示すように、UEは、ビーム形成用RSに対する測定を行う間、自身の受信ビームを切り替えないようにすることが好ましい。つまり、UEは、同じ受信ビームで異なる送信ビーム形成用RSの測定を行う。UEは、次の周期では別の受信ビームに切り替えて測定を行ってもよい。また、UEは、測定結果をBSに報告するたびに、別の受信ビームに切り替えて測定を行ってもよい。
【0048】
UEによる、ビーム形成用RSの測定結果の報告は、設定された全てのビーム形成用RSに対する測定結果を含むものとしてもよいし、一部の測定結果のみを含むものとしてもよい。全ての測定結果を報告することで、BSは多数の送信ビームの品質を認識することができ、より適切なビームの決定が可能となる。
【0049】
一方、一部の測定結果のみ報告することで、フィードバックに係るオーバヘッドを低減できる。ここで、フィードバック対象となる一部の測定結果は、以下のいずれか又は組み合わせの測定結果(受信品質)としてもよい:(1)ビーム形成用RSの測定結果の良い方から順に定められた個数(例えば、n個)選択された測定結果、(2)所定の閾値以上の測定結果、(3)BSによって指定されたビーム形成用RSに対する測定結果。
【0050】
上記(1)や(2)の場合、UEは、各測定結果に対応するビーム形成用RSを特定するための情報を、報告の中に含める。上記(3)の場合、BSが、測定結果を報告すべきビーム形成用RSを特定するための情報を、例えばDCIなどでUEに通知する。これらのビーム形成用RSを特定するための情報は、ビームを特定するためのビームインデックス(ビーム制御番号)、ビームが送信されるサブフレームインデックス、シンボルインデックスなどの少なくとも1つであってもよい。なお、フィードバック対象を決定するための、上記個数や所定の閾値は、例えばRRCシグナリングにより設定されてもよい。
【0051】
また、UEは、測定結果に対応する送信ビーム及び/又は受信ビームに関する情報を、報告の中に含めてもよい。これらのビームに関する情報は、ビームインデックス、サブフレームインデックス、シンボルインデックスなどの少なくとも1つであってもよい。
【0052】
<UEの受信ビーム走査>
図7は、ビーム形成用RSに係る受信ビーム走査の概念説明図である。
図7Aは、BSからの所定のビーム形成用RSに対して受信を試行する複数の受信ビームの一例を示している。
図7Bは、
図7Aに対応するビーム形成用RSの時間リソースの一例を示している。
図7では、BSは、所定の期間において、異なる時間のビーム形成用RSに対して、同じ送信ビームフォーミングを適用する。
【0053】
図7には、時間をずらしながら、UEが受信ビームをRB#1からRB#4にスイープする例が示されている。UEは、各ビーム形成用RSを用いて受信品質を測定し、全て又は一部の測定結果をBSに報告する。
【0054】
また、BSは、報告された各ビーム形成用RSの受信品質に基づいて、その後の当該UEとの通信を制御する。
【0055】
ビーム形成用RSの設定や構成については、送信ビーム走査に関連して上述したとおりである。
【0056】
図8は、UEの受信ビームを走査する場合における問題点と対策の説明図である。
図8Aに示すように、BSの送信ビームとUEの受信ビームの両方が同時にスイープする場合、
図6Aで説明したように、適切なBSの送信ビームの判断ができないおそれがある。
【0057】
したがって、
図8Bに示すように、UEがビーム形成用RSに対する測定を行う間、BSは送信ビームを切り替えないようにすることが好ましい。つまり、UEは、同じ送信ビーム形成用RSに対して、異なる受信ビームで測定を行う。BSは、次の周期では別の送信ビームに切り替えてビーム形成用RSを送信してもよい。また、BSは、測定結果をUEから受信するたびに、別の送信ビームに切り替えてビーム形成用RSを送信してもよい。
【0058】
<BS及びUEの好適なビーム走査>
以上で、BSの送信ビーム走査と、UEの受信ビーム走査について別々に検討した。本発明者らは、これらの検討結果を鑑みて、BSの送信ビーム及びUEの受信ビームの両方を効率良く走査して適切なビームを決定する方法を見出した。
【0059】
具体的には、UEは、ビーム形成用RSが複数の異なる送信ビームにより送信される第1の期間セット内で、単一の受信ビームを形成して当該RSの測定を実施する。言い換えると、BSは、UEが単一の受信ビームを形成する第1の期間セット内で、複数の異なる送信ビームを切り替えて形成し、それぞれでビーム形成用RSを送信する。第1の期間セットに関する測定結果は、BSの送信ビームを決定するために好適に利用できる。
【0060】
また、UEは、ビーム形成用RSが単一の送信ビームにより送信される第2の期間セット内で、複数の異なる受信ビームを切り替えて形成して当該RSの測定を実施する。言い換えると、BSは、UEが複数の異なる受信ビームを切り替えて形成する第2の期間セット内で、単一の送信ビームを形成し、それぞれでビーム形成用RSを送信する。第2の期間セットに関する測定結果は、UEの受信ビームを決定するために好適に利用できる。
【0061】
ここで、各期間セットは、それぞれ連続する時間リソースで構成されてもよいし、離散的な時間リソースで構成されてもよい。期間セットは、時間リソースセット、サブフレームセット、シンボルセットなどと呼ばれてもよい。
【0062】
図9は、BS及びUEの好適なビーム走査の一例を示す図である。
図9Aは、ビーム形成用RSの送信周期ごとに、BSがビームをスイープし、UEがビームを固定する場合の例を示す。
図9Bは、ビーム形成用RSの送信周期ごとに、BSがビームを固定し、UEがビームをスイープする場合の例を示す。
【0063】
図9Aでは、ある送信周期の所定期間において、BSは送信ビームを切り替えながら異なるビーム形成用RSを送信する。一方、当該期間において、UEは同じ受信ビームで異なるビーム形成用RSを測定する。
【0064】
この場合、第1の期間セットは、各周期内のビーム形成用RSの送信継続時間(例えば、
図9AでTB#1-TB#4が形成される連続時間)に相当し、第2の期間セットは、複数の周期において同じビーム形成用RSが送信される時間のセット(例えば、
図9AでTB#1が形成される複数の時間)に相当する。
【0065】
つまり、BSは、各周期内で、異なるビーム形成用RS(異なる送信ビーム)を送信しているため、これらのRSの測定結果は、BSの送信ビームの決定に有用である。また、UEは、各周期内の相対的に同じタイミングで、同じビーム形成用RSを、異なる受信ビームを用いて測定しているため、これらのRSの測定結果は、UEの受信ビームの決定に有用である。
【0066】
また、
図9Bでは、ある送信周期の所定期間において、BSは同じ送信ビーム(同じビーム形成用RS)を送信する。一方、当該期間において、UEは受信ビームを切り替えながら同じビーム形成用RSを測定する。
【0067】
この場合、第1の期間セットは、複数の周期における、各周期の相対的に同じ時間のセット(例えば、
図9AでRB#1が形成される複数の時間)に相当し、第2の期間セットは、各周期内のビーム形成用RSの送信継続時間(例えば、
図9AでRB#1-RB#4が形成される連続時間)に相当する。
【0068】
つまり、BSは、各周期内の相対的に同じタイミングで、異なるビーム形成用RS(異なる送信ビーム)を送信しているため、これらのRSの測定結果は、BSの送信ビームの決定に有用である。また、UEは、各周期内で、同じビーム形成用RSを、異なる受信ビームを用いて測定しているため、これらのRSの測定結果は、UEの受信ビームの決定に有用である。
【0069】
したがって、
図9のビーム走査はいずれも、BS及びUEのビームを短時間で走査することができる。
【0070】
なお、UEの受信ビームは、UEが決定して用いることができればよく、UEがどの受信ビームを用いるかは、BSで把握しなくても問題ない。このため、同じビーム形成用RSに対して異なる受信ビームで測定を行う場合には、複数の受信ビームに対応する測定結果を報告する必要は無く、測定した品質が最大となる受信ビームでの測定結果のみを報告すれば十分である。
【0071】
したがって、UEは、ビーム形成用RSの測定結果の報告として、異なるビーム形成用RSで測定した結果(全て又は一部)を送信するようにしてもよい。ただし、一度に複数のビーム形成用RSの測定結果を報告する場合、その測定は同じ受信ビームで行われていることが望ましい。
【0072】
そこでBSは、それぞれのビーム形成用RSに関して、UEが当該ビーム形成用RSを受信する受信ビームに関する情報を設定してもよい。例えば、受信ビームに関する情報は、受信ビームのインデックス、当該受信ビームを用いる周期やタイミングなどを含んでもよい。
【0073】
例えば、
図9Aのビーム割り当ては、連続する4つの異なるビーム形成用RSに対して同じ受信ビームで受信を行うことが設定された場合に相当する。
図9Bのビーム割り当ては、連続する4つの同じビーム形成用RSに対して異なる受信ビームで受信を行うことが設定された場合に相当する。BSは、受信ビームに関する情報を、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング又はこれらの組み合わせにより、UEに通知することができる。
【0074】
以上説明した実施形態によれば、下りリンク送信されるビーム形成用RSに基づき、BS及びUEの双方で適切な送受信ビームを形成することができる。
【0075】
<ビーム形成用RSが送信される時間リソース>
ビーム形成用RSが送信される時間リソースについて、
図10-12を用いて説明する。
図10は、ビーム形成用RSを固定的なDLサブフレーム(Fixed DL subframes)で送信する一例を示す図である。
図10の無線フレーム構成は、LTE Rel.13以降で検討されている、いわゆる希薄無線フレーム(リーン無線フレーム(lean radio frame))である。リーン無線フレームを用いるシステムでは、信号をできるだけまとめて短時間に送信し、送受信すべきデータがないときに通信を行わないようにすることができる。
【0076】
リーン無線フレームが用いられるキャリア(リーンキャリアと呼ばれてもよい)においては、所定の周期で固定的なDLサブフレームが割り当てられる。当該DLサブフレームでは、低オーバヘッドの信号を用いた発見(検出)及び/又はモビリティ制御がサポートされる。
【0077】
図10では、固定的なDLサブフレームの周期が、例えば、5ms以上となっている。当該固定的なDLサブフレーム(及び/又は当該周期)は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で設定されてもよいし、シグナリング無しで予め規定されてもよい。なお、固定的なDLサブフレーム以外では、動的又は準動的に無線リソース割り当てが行われ、信号の送信及び/又は受信が実施される。
【0078】
また、短時間での送受信を可能とするために、サブフレーム(送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval))長は既存のLTEのサブフレーム長より短いTTI(短縮TTI)の構成とすることが好ましく、
図10では例えば0.1-0.25msが例示されている。なお、上述の周期やサブフレーム長は、
図10の例に限られるものではない。
【0079】
図10の例において、固定的なDLサブフレームでは、UEは確実に受信処理を行うことになるため、ビーム形成用RSを固定的なDLサブフレームで送信することで、ビーム走査を短時間で行うことができる。この場合、固定的なDLサブフレームにおけるビーム形成用RSの送信有無や、ビーム形成用RSに関する情報が、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)で設定されてもよい。
【0080】
図11は、ビーム形成用RSを任意のサブフレームで送信する一例を示す図である。
図11Aは、UEがビーム形成用RSを所定のサブフレームで測定し、対応するメジャメントレポート(ビームメジャメントレポート)を次のサブフレームで送信する例を示す。
図11Bは、UEがビーム形成用RSを所定のサブフレームで測定し、対応するメジャメントレポートを2つ後のサブフレームで送信する例を示す。
【0081】
図11では、UEは、ビーム形成用RSのスケジューリング情報(ビーム形成用RSに関する情報)を、任意の下り制御チャネル(例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel))に含まれる下り制御情報(DCI)で取得する。ビーム形成用RSは、当該DCIによって指定される無線リソースで送信される。例えば、ビーム形成用RSは、当該DCIを受信するサブフレームと同じサブフレームで送信されてもよいし、異なるサブフレームで送信されてもよい。
【0082】
また、
図11では、メジャメントレポート送信のスケジューリングも、下り制御チャネルに含まれるDCIにより行われている。メジャメントレポートは、当該DCIを受信するサブフレームと同じサブフレームで送信されてもよいし、異なるサブフレームで送信されてもよい。
【0083】
なお、UEは、同じサブフレームで、DCIの受信と、ビーム形成用RSの測定と、対応するメジャメントレポートの送信と、を全て行う構成としてもよい。
【0084】
図12は、ビーム形成用RSの送信時間長(BSの送信ビームの継続時間)の一例を示す図である。
図12は、
図3Bと同様に、BSによってスイープされるビーム形成用RSの時間リソースの一例を示している。なお、
図12A-12Cはそれぞれ横軸のスケールが異なる。
【0085】
図12Aに示すように、複数のサブフレームで、異なるビーム形成用RS(BSの送信ビーム)が送信されてもよい。また、
図12Bに示すように、同じサブフレームの異なる複数のシンボルで、異なるビーム形成用RSが送信されてもよい。また、
図12Cに示すように、同じサブフレームの同じシンボルの送信時間区間を複数に分割し、それぞれの分割期間で、異なるビーム形成用RSが送信されてもよい。
【0086】
なお、シンボルの期間は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)/SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル単位で表現されてもよいし、所定の帯域幅の逆数(すなわち、サンプリング長)単位で表現されてもよいし、他の単位で表現されてもよい。
【0087】
また、
図7Bに示したように、BSが所定の期間で固定的な送信ビームでビーム形成用RSを送信する場合であっても、
図12と同様に様々な送信時間長をとることができる。また、UEが受信ビームを形成する単位時間も、ビーム形成用RSの送信時間長と同様に、サブフレーム、シンボル、シンボルの一部としてもよい。
【0088】
<変形例>
なお、ビーム形成用RSは、CSI測定用のRS(例えば、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、下りリンク測定用参照信号(DL-SRS:Downlink Sounding Reference Signal))であってもよいし、別途定義されるRSであってもよい。
【0089】
UEは、自身が形成し得るアナログビームの個数に相当する情報(アナログビームの個数を特定可能な情報)を、予め端末能力情報(UE capability)としてネットワーク側(例えば、BS)に送信してもよい。当該能力情報は、アナログビームの個数、BSが所定のビームで送信するビーム形成用RSの所望繰り返し回数、具備する位相シフト器の数などであってもよい。
【0090】
BSは、上記能力情報をUEから受信すると、当該UEに対するビーム形成用RSの構成を決定し、当該UEが測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報を通知したり、ビーム形成用RSのスケジューリングを行ってUEにスケジューリング情報を通知したりすることができる。また、BSは、上記能力情報を送信してきたUEに対して上述の無線通信方法に係るビーム走査を行うように制御してもよい。
【0091】
UEは、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いるキャリアアグリゲーション(CA)や、デュアルコネクティビティ(DC)などの機能を有する場合、上記情報を、全てのCCで共通のUEあたりの情報(Per-UE information)として通知することができる。RFで形成するビームは異なるCCでも同じとなるため、全てのCCで同じと扱うことができる。なお、将来のCAやDC(5GにおけるCAやDC)をサポートする場合も、同様としてもよい。
【0092】
UEは、自身が形成し得る下りリンク向けのアナログビーム(受信ビーム)の個数に相当する情報と、自身が形成し得る上りリンク向けのアナログビーム(送信ビーム)の個数に相当する情報と、をそれぞれ別々の能力情報として報告してもよい。この場合、上下リンクそれぞれで達成可能な端末BFを、BS側でより正確に把握し、ビーム形成用RSを適切に設定することができる。
【0093】
また、UEは、ビーム形成用RSを受信及び測定した後で、ビーム形成用RSに関する測定結果を、CSI報告の一部に含めて、上り制御チャネル(UL-CCH:Uplink Control Channel)で送信してもよいし、メジャメントレポートの一部に含めて、上り共有チャネル(UL-SCH:Uplink Shared Channel)で送信してもよい。
【0094】
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0095】
図13は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0096】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0097】
図13に示す無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
【0098】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0099】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0100】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0101】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0102】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0103】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0104】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
【0105】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0106】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0107】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0108】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0109】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0110】
(無線基地局)
図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0111】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0112】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0113】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0114】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0115】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0116】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0117】
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0118】
送受信部103は、ユーザ端末20に対して、送信ビームを用いてビーム形成用RSを送信する。また、送受信部103は、ユーザ端末20に対して、測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報を送信してもよい。
【0119】
送受信部103は、ユーザ端末20から、ビーム形成用RSの測定結果を含むフィードバック情報を受信してもよい。また、送受信部103は、ユーザ端末20から、形成し得るアナログビームの個数に相当する端末能力情報を受信してもよい。
【0120】
図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図15では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0121】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0122】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0123】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
【0124】
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号(例えば、送達確認情報など)や下りデータ信号の生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI-RS、DMRSなどの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
【0125】
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認情報)、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
【0126】
制御部301は、ベースバンド信号処理部104によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部103によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御する。
【0127】
例えば、制御部301は、時間的に直交する無線リソースで、ビーム形成用RSを、それぞれ異なる送信ビームを形成して送信するように制御する。具体的には、制御部301は、ユーザ端末20が所定の期間セット内で形成する受信ビームによりビーム形成用RSが少なくとも1つ受信されるように、送信ビームの形成を制御する。
【0128】
具体的には、制御部301は、第1の期間セット内では、ビーム形成用RSを異なる送信ビームにより送信するように制御する。また、制御部301は、第2の期間セット内では、ビーム形成用RSを単一の(同じ)送信ビームにより送信するように制御する。制御部301は、これらの制御を両方実施してもよい。
【0129】
また、制御部301は、所定のユーザ端末20に対して、送信ビーム及び/又は受信ビーム形成の制御のために用いる、測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報を生成して送信するように制御する。当該ビーム形成用RSに関する情報は、当該所定のユーザ端末20が所定の期間セット内で形成する受信ビームによりビーム形成用RSを少なくとも1つ受信することが達成されるように生成される。
【0130】
例えば、制御部301は、ビーム形成用RSに関する情報に、第1の期間セット内で複数の異なる受信ビームを切り替えて形成するために用いられる情報を含めてもよい。制御部301は、ビーム形成用RSに関する情報に、第2の期間セット内で単一の(同じ)受信ビームを形成するために用いられる情報を含めてもよい。
【0131】
また、制御部301は、受信信号処理部304から取得した、形成し得るアナログビームの個数に相当する端末能力情報に基づいて、所定のユーザ端末20のビーム形成用RSの送信を制御してもよい。
【0132】
制御部301は、受信信号処理部304から取得した、所定のユーザ端末20から報告されたビーム形成用RSの受信品質に関するフィードバック情報に基づいて、当該所定のユーザ端末20に対する送信ビーム及び/又は受信ビームを決定し、当該所定のユーザ端末20との通信に用いるように制御してもよい。
【0133】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0134】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
【0135】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0136】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0137】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0138】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0139】
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0140】
(ユーザ端末)
図16は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0141】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0142】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0143】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0144】
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0145】
送受信部203は、無線基地局10から、受信ビームを用いてビーム形成用RSを受信する。また、送受信部203は、無線基地局10から、測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報を受信してもよい。
【0146】
送受信部203は、無線基地局10に対して、ビーム形成用RSの測定結果を含むフィードバック情報を送信してもよい。また、送受信部203は、無線基地局10に対して、形成し得るアナログビームの個数に相当する端末能力情報を送信してもよい。
【0147】
図17は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図17においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0148】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0149】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0150】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
【0151】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認情報など)や上りデータ信号の生成を制御する。
【0152】
制御部401は、ベースバンド信号処理部204によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部203によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御する。
【0153】
ここで、制御部401は、受信信号処理部404から取得した、測定及び/又は報告すべきビーム形成用RSに関する情報に基づいて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御してもよい。例えば、制御部401は、ビーム形成用RSに関する情報に基づいて、時間的に直交する無線リソースで、それぞれ異なる送信ビームにより送信されるビーム形成用RSを、所定の期間セット内で少なくとも1つ受信できるように、受信ビームを形成する制御を行う。
【0154】
具体的には、制御部401は、ビーム形成用RSが異なる送信ビームにより送信される第1の期間セット内で、単一の受信ビームを形成するように制御してもよい。また、制御部401は、ビーム形成用RSが単一の送信ビームにより送信される第2の期間セット内で、複数の異なる受信ビームを切り替えて形成するように制御してもよい。制御部401は、これらの制御を両方実施してもよい。
【0155】
また、制御部401は、形成し得るアナログビームの個数に相当する端末能力情報を、無線基地局10に送信するように制御してもよい。
【0156】
制御部401は、測定部405から取得した各受信ビームに対応する測定結果から、無線基地局10に送信する報告(フィードバック情報)を生成するように制御する。制御部401は、当該フィードバック情報を、複数の受信ビームに対応する測定結果のうち、測定した品質が最大となる受信ビームでの測定結果のみを含むように生成してもよいし、異なるビーム形成用RSで測定した結果の全て又は一部を送信するようにしてもよい。
【0157】
また、制御部401は、無線基地局10から通知された各種情報を受信信号処理部404から取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
【0158】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0159】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0160】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0161】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0162】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0163】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。例えば、測定部405は、無線基地局10から送信されたビーム形成用RSを用いて測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0164】
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、受信SINR)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0165】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0166】
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図18は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0167】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0168】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0169】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0170】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0171】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0172】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0173】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0174】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0175】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0176】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0177】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0178】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボルなど)で構成されてもよい。
【0179】
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
【0180】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。
【0181】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
【0182】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0183】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0184】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0185】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。
【0186】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0187】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0188】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0189】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0190】
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0191】
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0192】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0193】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0194】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0195】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0196】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0197】
また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
【0198】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0199】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0200】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0201】
本出願は、2016年3月25日出願の特願2016-061783に基づく。この内容は、全てここに含めておく。