(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】車両用シートロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 83/00 20140101AFI20220720BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20220720BHJP
E05B 79/08 20140101ALI20220720BHJP
E05B 85/02 20140101ALI20220720BHJP
E05B 85/26 20140101ALI20220720BHJP
【FI】
E05B83/00 D
B60N2/90
E05B79/08
E05B85/02
E05B85/26
(21)【出願番号】P 2019027551
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】武田 徳英
(72)【発明者】
【氏名】坂 昌寛
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/173084(WO,A1)
【文献】特開2013-226993(JP,A)
【文献】実開昭59-188263(JP,U)
【文献】特開2019-189173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0167177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
B60N 2/00- 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック本体部と、ストライカを拘束するフックと、前記フックに係合し前記ストライカの拘束状態を保持するポールと、前記フックを前記ロック本体部に対して回転可能に取り付けるための第1軸部と、前記ポールを前記ロック本体部に対して回転可能に取り付けるための第2軸部と、前記ロック本体部における前記第1軸部の軸心に交差する第1面側に設けられる補強プレートとを備える車両用シートロック装置であって、
前記ロック本体部の第1面側には、第1面を正面視したときの前記ロック本体部の外縁よりも内側に、段差部が設けられ、
前記補強プレートは、前記段差部に係止可能な爪部を備える
車両用シートロック装置。
【請求項2】
前記補強プレートには、前記ロック本体部の外縁よりも内側に配置される部分に、前記第1軸部の軸心に沿う方向に折り返された折返部が設けられる
請求項1に記載の車両用シートロック装置。
【請求項3】
前記折返部は、前記補強プレートにおいてフック側部分に設けられる
請求項2に記載の車両用シートロック装置。
【請求項4】
前記ロック本体部および前記補強プレートのそれぞれには、前記ストライカが相対的に進入および離脱する開放溝が設けられ、前記補強プレートの開放溝は、前記ロック本体部の開放溝よりも前記正面視において大きい
請求項1または2に記載の車両用シートロック装置。
【請求項5】
前記補強プレートは、前記ロック本体部の外縁よりも内側に配置されてロック本体部に接続される接続部を有し、
前記接続部において回転可能にロック本体部に接続される
請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用シートロック装置。
【請求項6】
前記補強プレートは、前記第1軸部の軸心に沿う方向に延びる差込部を有し、前記ロック本体部は、前記補強プレートの前記差込部が差し込みによって係合する係合部を有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用シートロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートをロックするための車両用シートロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートロック装置の一例として、特許文献1に記載の技術が知られている。
車両用シートロック装置は、ロック本体部と、ストライカと係合するフック(同文献では、ラッチ)と、フックと係合するポール(同文献では、ラチェット)と、補強プレートとを備える。補強プレートの側壁がロック本体部の側壁に重ねられるようにして、補強プレートがロック本体部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両用シートロック装置は、車両シートまたは車体に取り付けられる。車両に取り付けられる部品は小さいことが好ましい。従来構造に比べて外形が小さい車両用シートロック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する車両用シートロック装置は、ロック本体部と、ストライカを拘束するフックと、前記フックに係合し前記ストライカの拘束状態を保持するポールと、前記フックを前記ロック本体部に対して回転可能に取り付けるための第1軸部と、前記ポールを前記ロック本体部に対して回転可能に取り付けるための第2軸部と、前記ロック本体部における前記第1軸部の軸心に交差する第1面側に設けられる補強プレートとを備える車両用シートロック装置であって、前記ロック本体部の第1面側には、第1面を正面視したときの前記ロック本体部の外縁よりも内側に、段差部が設けられ、前記補強プレートは、前記段差部に係止可能な爪部を備える。
【0006】
ロック本体部の側壁に補強プレートが係合する係合部が設けられる場合、前記正面視におけるロック本体部の外縁よりも外側に補強プレートの一部が突出するようになり、車両用シートロック装置がロック本体部よりも大きくなる。この点、上記構成によれば、補強プレートは、ロック本体部の外縁よりも内側に配置される段差部に係合するため、ロック本体部の側壁に補強プレートが係合する係合部が設けられるような構造に比べて、前記正面視における車両用シートロック装置の外形を小さくできる。
【0007】
(2)上記車両用シートロック装置において、前記補強プレートには、前記ロック本体部の外縁よりも内側に配置される部分に、前記第1軸部の軸心に沿う方向に折り返された折返部が設けられる。この構成によれば、補強プレートの剛性を向上できる。
【0008】
(3)上記車両用シートロック装置において、前記折返部は、前記補強プレートにおいてフック側部分に設けられる。
この構成によれば、ストライカから車両用シートロック装置に外力が加わる場合、外力は、補強プレートの折返部およびその周辺に加わる。補強プレートの折返部は変形し難い構造を有するため、補強プレートが大きく変形することなく補強プレートの折返部およびその周辺に加わる外力を受けることができ、ロック本体部11に加わるダメージを抑制できる。
【0009】
(4)上記車両用シートロック装置において、前記ロック本体部および前記補強プレートのそれぞれには、前記ストライカが相対的に進入および離脱する開放溝が設けられ、前記補強プレートの開放溝は、前記ロック本体部の開放溝よりも前記正面視において大きい。この構成によれば、ロック本体部の開放溝に相対的にストライカが挿入および脱出するとき、ストライカを円滑に移動させることができる。
【0010】
(5)上記車両用シートロック装置において、前記補強プレートは、前記ロック本体部の外縁よりも内側に配置されてロック本体部に接続される接続部を有し、前記接続部において回転可能にロック本体部に接続される。この構成によれば、補強プレートは、接続部で回転可能に接続された状態で、かつ、上述の爪部を介してロック本体部の段差部に係合する。このようにして、補強プレートをロック本体部に対して所定位置に位置決めできる。
【0011】
(6)上記車両用シートロック装置において、前記補強プレートは、前記第1軸部の軸心に沿う方向に延びる差込部を有し、前記ロック本体部は、前記補強プレートの前記差込部が差し込みによって係合する係合部を有する。
【0012】
この構成によれば、補強プレートの爪部をロック本体部の段差部に係合し、さらに、差込部を係合部に差し込むことだけで、簡単に、補強プレートをロック本体部に対して所定位置に位置決めできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両用シートロック装置によれば、従来構造に比べて正面視における外形が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る車両用シートロック装置の分解斜視図。
【
図2】ストライカが進入するときの、車両用シートロック装置の内部構造を示す模式図。
【
図3】ストライカを拘束したときの、車両用シートロック装置の内部構造を示す模式図。
【
図4】ストライカが離脱したときの、車両用シートロック装置の内部構造を示す模式図。
【
図8】第1実施形態に係る車両用シートロック装置の斜視図。
【
図9】第1実施形態に係る車両用シートロック装置の正面図。
【
図10】第2実施形態に係る車両用シートロック装置の分解斜視図。
【
図11】第2実施形態に係る車両用シートロック装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図9を参照して、第1実施形態に係る車両用シートロック装置について説明する。車両用シートロック装置10は、車両シートを車体に固定解除可能に固定する。車両シートおよび車体の一方には、金属で形成されたストライカ1が設けられる。車両シートおよび車体の他方には、車両用シートロック装置10が設けられる。車両用シートロック装置10がストライカ1を拘束することによって、車両シートが車体に固定される。車両用シートロック装置10がストライカ1の拘束状態を解除することによって、車体から車両シートが移動可能になり、または、車両シートのシートバックの回転が許容されるようになる。本実施形態では、車両シートに車両用シートロック装置10が設けられ、車体にストライカ1が設けられる。この場合、車両シートの移動またはシートバックの回転によって、車両用シートロック装置10がストライカ1に近づいたり、離れたりする。すなわち、車両用シートロック装置10の移動またはシートバックの回転によって、ストライカ1は、相対的に、車両用シートロック装置10に近づいたり、離れたりする。
【0016】
以下では、車両用シートロック装置10に対して相対的にストライカ1が近づいて、車両用シートロック装置10に進入する方向を「進入方向DA」と言い、「進入方向DA」の反対方向を離脱方向DBと言う。進入方向DAおよび離脱方向DBに沿う方向を総称して第1方向D1と言う。第1方向D1に対して垂直な方向を第2方向D2と言う。第1方向D1および第2方向D2に垂直な方向を第3方向D3という。
【0017】
図1に示されるように、車両用シートロック装置10は、ロック本体部11と、フック20と、ポール30と、第1軸部14と、第2軸部15と、補強プレート70とを備える。さらに、車両用シートロック装置10は、リリースポール40と、第3軸部16とを備える。
【0018】
車両用シートロック装置10において、第1軸部14の第1軸心14a、第2軸部15の第2軸心15a、および第3軸部16の第3軸心16aは、第2方向D2に延びる。車両用シートロック装置10において後述の補強プレート70が配置される側の面を、「第1面11s」と言う。第1面11sは、第1軸部14の第1軸心14aに交差する。第1面11sをみるときの視点を正面視と言う。
【0019】
ロック本体部11は、ベース部材12と、ベース部材12を補強するベース補強部材13とを備える。ベース部材12は、例えば樹脂によって形成される。ベース補強部材13は、金属、または高剛性樹脂によって形成される。例えば、ベース補強部材13は、鉄、またはアルミニウム合金によって形成される。ベース部材12は、フック20、ポール30、およびリリースポール40を回転可能に保持する。
【0020】
ロック本体部11の第1面11sの反対側である背面側に、フック20、ポール30、およびリリースポール40が取り付けられる。ロック本体部11には第1開放溝17(
図8参照)が設けられる。補強プレート70には第2開放溝75(
図8参照)が設けられる。補強プレート70は、ロック本体部11の第1面11s側に設けられる。ロック本体部11に補強プレート70が取り付けられた状態では、第1開放溝17に第2開放溝75が重なる。第1開放溝17および第2開放溝75は、ストライカ1が相対的に進入および離脱するように構成される。以下では、第1開放溝17に第2開放溝75が重ねられることによって構成される1つの溝を「ロック開放溝18」という(
図8参照)。
【0021】
フック20は、ストライカ1を拘束する。フック20は、軸受部21と、フック開放溝22と、第1当接部25と、第2当接部26とを有する。フック20の軸受部21は、第1軸部14が挿通する貫通孔21aを有する。フック開放溝22は、ストライカ1が相対的に進入および離脱するように構成される。フック開放溝22は、ストライカ拘束部23と、ストライカ受部24との間に設けられる。
【0022】
ストライカ拘束部23は、フック20が拘束位置(
図3参照)に配置される状態で、ストライカ1が離脱方向DBに移動することを阻止するように構成される。ストライカ受部24は、フック20が開放位置(
図2参照)に配置される状態で、ストライカ1の進入時、ストライカ1が当接するように構成される。
【0023】
フック20は、ロック本体部11に対して回転可能に設けられる。フック20は、開放位置(
図2参照)と、拘束位置(
図3参照)とに配置され得る。開放位置は、正面視において、ロック開放溝18の開口部18aにフック開放溝22の開口部22aが重なるフック20の回転位置である。拘束位置は、正面視において、ロック開放溝18の開口部18aがストライカ拘束部23によって閉じられるフック20の回転位置である。フック20は、拘束位置から開放位置に向かう第1回転方向R1(拘束解除方向)に第1付勢部材27によって付勢される。
【0024】
フック20の第1当接部25は、フック20が拘束位置に配置されるとき、ポール30の押圧部32が押し当てられる部分である(
図3参照)。第1当接部25は、フック20の正面から第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)に突出する。
【0025】
フック20の第2当接部26は、フック20の側面に設けられる。フック20の第2当接部26は、フック20が開放位置に配置されるとき、リリースポール40の受部43に当接する。この当接によって、リリースポール40を解除位置(後述参照)に保持させる(
図2参照)。フック20の第2当接部26は、フック20が拘束位置に配置されるとき、リリースポール40に接触しない位置に配置される。このとき、リリースポール40は、解除位置から非解除位置(後述参照)にわたって移動可能である。
【0026】
ポール30は、フック20に係合することによって、ストライカ1の拘束状態を保持する。ポール30は、第2方向D2においてフック20よりもベース部材12のベース壁51側にずれたところに配置される。ポール30は、軸受部31と、押圧部32と、力受部33とを有する。ポール30の軸受部31は、第2軸部15が挿通する貫通孔31aを有する。
【0027】
ポール30の押圧部32は、フック20が拘束位置に配置されかつポール30が係合位置(後述参照)に配置されるときに、フック20の第1当接部25に接触し、フック20が第1回転方向R1(拘束解除方向)に回転することを阻止する。
【0028】
ポール30の力受部33は、リリースポール40の動力を受ける。ポール30の力受部33は、ポール30が係合位置に配置され、かつ、リリースポール40が非解除位置に配置されるとき、リリースポール40の押圧部42から力を受けない。ポール30の力受部33は、ポール30が係合位置に配置され、かつ、リリースポール40が解除位置に向かって回転するとき、リリースポール40の押圧部42から力を受ける。ポール30は、リリースポール40の押圧部42から力を受けることによって、係合位置から非係合位置に向かって回転する。
【0029】
ポール30は、ロック本体部11に対して回転可能に設けられる。ポール30は、係合位置(
図3参照)と、非係合位置(
図2参照)とに配置され得る。係合位置は、フック20が拘束位置に配置されるとき、押圧部32がフック20の第1当接部25に接触する、ポール30の回転位置である。非係合位置は、押圧部32がフック20の第1当接部25に接触しない、ポール30の回転位置である。ポール30は、非係合位置から係合位置に向かう第2回転方向R2に第2付勢部材37によって付勢される。
【0030】
リリースポール40は、フック20とポール30との係合を解除する。リリースポール40は、第2方向D2においてフック20と同じ位置に配置される。リリースポール40は、操作者の操作によって回転する。リリースポール40は、リリースポール40自体の回転によって、フック20とポール30との係合を解除する。リリースポール40は、軸受部41と、押圧部42と、受部43と、操作部44とを有する。リリースポール40の軸受部41は、第3軸部16が挿通する貫通孔41aを有する。
【0031】
リリースポール40の操作部44は、操作者の操作に基づく力を受ける。リリースポール40の操作部44に加わる力によって、リリースポール40が第3回転方向R3(後述参照)と反対方向に回転する。操作部44には、操作者の操作によって動く操作用ケーブルが接続される。
【0032】
リリースポール40の押圧部42は、ポール30が係合位置に配置されている場合においてリリースポール40が非解除位置から解除位置(後述参照)に回転するとき、ポール30の力受部33に接触し、ポール30を非係合位置に向かって回転させる。
【0033】
リリースポール40の受部43は、リリースポール40が解除位置に配置され、かつフック20が開放位置に配置されるとき(
図2参照)、フック20の第2当接部26から力を受ける。フック20の第1回転方向R1(拘束解除方向)の付勢力は、第2当接部26を介してリリースポール40に加えられる。リリースポール40は、フック20の付勢力に係る力を受けることによって、解除位置に配置された姿勢で保持される。
【0034】
リリースポール40は、ロック本体部11に対して回転可能に設けられる。リリースポール40は、正面視において、解除位置(
図2参照)と、非解除位置(
図3参照)とに配置され得る。解除位置は、押圧部42がポール30の力受部33を押して、ポール30を非係合位置に配置させる、リリースポール40の回転位置である。非解除位置は、押圧部42がポール30の力受部33から離れて、ポール30に力を加えない、リリースポール40の回転位置である。リリースポール40は、解除位置から非解除位置に向かう第3回転方向R3に第3付勢部材47によって付勢される。
【0035】
第1軸部14は、第1軸心14aを有し、フック20をロック本体部11に対して回転可能に取り付けるための部材である。第2軸部15は、第2軸心15aを有し、ポール30をロック本体部11に対して回転可能に取り付けるための部材である。第3軸部16は、第3軸心16aを有し、リリースポール40をロック本体部11に対して回転可能に取り付けるための部材である。第1軸部14~第3軸部16は、ベース部材12と別の部材であってもよいし、ベース部材12と一体に構成されてもよい。第1軸部14~第3軸部16は、ベース部材12に対して回転可能であっても、ベース部材12に固定されてもよい。本実施形態では、第1軸部14~第3軸部16は、ベース部材12に固定される。
【0036】
第1軸部14は、締結ボルトが挿通する挿通孔14bを有する。第3軸部16は、締結ボルトが挿通する挿通孔16bを有する。第1軸部14に挿通した締結ボルトと第3軸部16を挿通した締結ボルトとが車両シートフレームに締結されることによって、車両用シートロック装置10が車両シートに固定される。
【0037】
図2および
図3を参照して、ストライカ拘束時の車両用シートロック装置10の動作を説明する。
図2は、ストライカ1を拘束していないときの、車両用シートロック装置10の内部構造を示す。フック20は、開放位置に配置される。フック開放溝22の開口部22aは、ロック開放溝18の開口部18aに重なる。フック20の第2当接部26は、リリースポール40の受部43に接触する。第2当接部26と受部43との接触によって、リリースポール40は、解除位置に配置され、その姿勢で維持される。リリースポール40の押圧部42は、ポール30の力受部33に接触する。押圧部42と力受部33との接触によって、ポール30は、非係合位置に配置され、その姿勢で維持される。
【0038】
ストライカ1が相対的にロック開放溝18に進入すると、ストライカ1は、その進入によって、フック20のストライカ受部24に押してフック20を第1回転方向R1(拘束解除方向)と反対方向に回転させる。フック20が拘束位置まで回転すると(
図3参照)、フック20のストライカ拘束部23がロック開放溝18を閉じる。これによって、ストライカ1は、フック20とロック本体部11とによって拘束される。また、フック20が拘束位置に配置されると、フック20の第2当接部26がリリースポール40に接触しない位置まで移動するため、リリースポール40は、第3付勢部材47の付勢力によって第3回転方向R3に回転し(
図2の破線矢印A)、リリースポール40の押圧部42がポール30の力受部33から離れる(
図3参照)。そうすると、ポール30は、第2付勢部材37の付勢力によって第2回転方向R2に回転し(
図2の破線矢印B)、ポール30の押圧部32がフック20の第1当接部25に接触する(
図3参照)。これによって、フック20の第1回転方向R1(拘束解除方向)の回転が阻止され、フック20は、拘束位置に配置された姿勢で維持される。
【0039】
図3および
図4を参照して、ストライカ開放時の車両用シートロック装置10の動作を説明する。ストライカ1が拘束された状態(
図3参照)において、操作者の操作に基づいてリリースポール40が第3回転方向R3と反対方向に回転すると(
図3の破線矢印C)、リリースポール40の押圧部42がポール30の力受部33に接触する。リリースポール40が非解除位置から解除位置(
図4参照)まで回転すると、ポール30は、リリースポール40の力を受けて、係合位置から非係合位置まで回転する(
図4参照)。そうすると、ポール30の押圧部32は、フック20の第1当接部25から離れる。フック20は、第1回転方向R1(拘束解除方向)に回転可能になる。ストライカ1が相対的にロック開放溝18から離脱すると、これに伴ってフック20が回転し、フック20は、開放位置に至る(
図4参照)。このとき、フック20の第2当接部26は、リリースポール40の受部43に接触し、リリースポール40の押圧部42は、ポール30の力受部33に接触する。フック20の第1回転方向R1の付勢力によって、リリースポール40は、解除位置に配置された姿勢で維持され、ポール30は、非係合位置に配置された姿勢で維持される。
【0040】
図5を参照して、ベース部材12の構造を説明する。
ベース部材12は、第2方向D2に交差する第1面11sを有するベース壁51と、ベース壁51の外縁51aに沿うように設けられる側壁52とを有する。側壁52は、ベース壁51において第1面11sと反対側の面を囲む。
【0041】
ベース壁51は、ベース開放溝53を有する。ベース開放溝53は、ストライカ1が進入する溝として構成される。ベース壁51には、ベース開放溝53に沿って延びかつ第1軸心14aに沿う方向に突出する突出壁54が設けられている。
【0042】
ベース壁51は、フック20の軸受部21が配置されるフック側部分55と、ポール30の軸受部31およびリリースポール40の軸受部41が配置されるポール側部分56と、フック側部分55とポール側部分56とを繋ぐ中間部分57とを有する(
図9参照)。ベース開放溝53は、フック側部分55とポール側部分56との間に設けられる。
【0043】
フック側部分55には、第1貫通孔55aが設けられる。フック側部分55には、正面側に、第1段差部58aが設けられる。フック側部分55には、ベース補強部材13に係合する第1係合部59が設けられる。第1係合部59は、第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)に突出する。
【0044】
ポール側部分56には、第2貫通孔56a、第3貫通孔56b、および長孔56cが設けられる。ポール側部分56から中間部分57にかけて、ベース壁51の正面側に第2段差部58bが設けられる。ポール側部分56には、ベース補強部材13に係合する第2係合部60が設けられる。第2係合部60は、第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)に突出する。
【0045】
ベース壁51には、第1貫通孔55aを囲むように、第1筒部55bが設けられる。ベース壁51には、第2貫通孔56aを囲むように、第2筒部56dが設けられる。ベース壁51には、第3貫通孔56bを囲むように、第3筒部56eが設けられる。
【0046】
第1筒部55bには、第1軸部14が挿通する。第2筒部56dには、第2軸部15が挿通する。第3筒部56eには、第3軸部16が挿通する。第1筒部55b、第2筒部56d、および、第3筒部56eそれぞれの周囲には、第1付勢部材27、第2付勢部材37、および第3付勢部材47が配置される溝56r,56s,56tが設けられる。本実施形態では、第1付勢部材27、第2付勢部材37、および第3付勢部材47は、コイルスプリングによって構成される。
【0047】
長孔56cは、リリースポール40の操作部44の軌道に沿うように円弧状に形成される。長孔56cには、リリースポール40の操作部44と操作用ケーブルとを接続するための接続部材が配置される。
【0048】
図6を参照して、ベース補強部材13の構造を説明する。
ベース補強部材13は、フック側部分61と、ポール側部分62と、フック側部分61とポール側部分62とを繋ぐ中間部分63と、を有する。ベース補強部材13は、ベース補強開放溝64を有する。
【0049】
フック側部分61は、第1段差部58aに重ねられる。ポール側部分62は、第2段差部58bのうちでベース壁51のポール側部分56に配置される第1部分58cに、重ねられる。中間部分63は、第2段差部58bのうちでベース壁51の中間部分57に配置される第2部分58dに、重ねられる。
【0050】
ベース補強開放溝64は、フック側部分61とポール側部分62との間に設けられる。
ベース補強開放溝64の内縁64aは、正面視において、ベース壁51のベース開放溝53の内縁53aよりも外側(ベース開放溝53内を内側としたときの外側)に配置される(
図9参照)。本実施形態では、ベース補強開放溝64の内縁64aは、ベース開放溝53の内縁53aに沿うように設けられる突出壁54よりも外側に配置される。ベース開放溝53とベース補強開放溝64とによって上述の第1開放溝17が構成される(
図8参照)。
【0051】
フック側部分61には、第1軸部14が挿通する第4貫通孔61aが設けられる。フック側部分61には、第1係合部59が係合する第1凹部61bが設けられる。第1凹部61bは、ベース部材12側に凹む。第1凹部61bは、フック側部分61のうち第3方向D3においてベース補強開放溝64と反対側に設けられる。
【0052】
ポール側部分62には、第2軸部15が挿通する第5貫通孔62aが設けられる。第5貫通孔62aを挿通した第2軸部15の端部には、抜止部材15b(
図8参照)が取り付けられる。ポール側部分62には、第3軸部16が挿通する第6貫通孔62bが設けられる。ポール側部分62には、第2係合部60が挿通する第7貫通孔62cが設けられる。第7貫通孔62cの近辺には、第2係合部60が係合する第2凹部62dが設けられる。第2凹部62dは、ベース部材12側に凹む。さらに、ポール側部分62には、ポール側部分62の外縁から延びるアーム部65が設けられる。アーム部65は、ベース部材12の長孔56cに対向するように配置される。アーム部65と長孔56cとの間の空間には、操作用ケーブルの端部が配置される。
【0053】
ベース補強部材13の外縁13aは、正面視において、ベース壁51の外縁51aよりも内側に配置される(
図9参照)。
ベース補強部材13は、ベース部材12の第1係合部59と第1凹部61bとの係合およびベース部材12の第2係合部60と第2凹部62dとの係合によって、ベース部材12に取り付けられる。ベース部材12とベース補強部材13とが組み合わさったロック本体部11において、ベース補強部材13は、ベース壁51に対して突出する段差部66を構成する。段差部66は、ロック本体部11の第1面11s側において、第1面11sを正面視したときのロック本体部11の外縁11aよりも内側に、設けられる。具体的には、ロック本体部11において、段差部66の外縁66aは、正面視において、ベース壁51の外縁51aよりも内側に配置される。本実施形態では、段差部66の外縁66aは、ベース補強部材13の外縁13aと等しい。
【0054】
図7~
図9を参照して、補強プレート70の構造を説明する。
補強プレート70は、フック側部分71と、ポール側部分72と、フック側部分71とポール側部分72とを繋ぐ中間部分73とを有する。補強プレート70は、金属、または高剛性樹脂によって形成される。例えば、補強プレート70は、鉄、またはアルミニウム合金によって形成される。上述したように、補強プレート70には、第2開放溝75が設けられる。さらに、補強プレート70は、ロック本体部11に接続される接続部78を有する。さらに、補強プレート70は、段差部66に係止可能な第1爪部74を有する。好ましくは、補強プレート70は、段差部66に係止可能な第2爪部77を有する。
【0055】
補強プレート70は、段差部66としてのベース補強部材13に重ねられる。フック側部分71は、ベース補強部材13のフック側部分61に重ねられる。ポール側部分72は、ベース補強部材13のポール側部分62に重ねられる。中間部分73は、ベース補強部材13の中間部分63に重ねられる。
【0056】
第2開放溝75は、フック側部分71とポール側部分72との間に設けられる。第2開放溝75は、ロック本体部11の第1開放溝17よりも正面視において大きい。具体的には、第2開放溝75の内縁75aは、正面視において、ロック本体部11の第1開放溝17の内縁17a(本実施形態では、ベース壁51のベース開放溝53の内縁53a)よりも外側(第1開放溝17内を内側としたときの外側)に配置される(
図9参照)。補強プレート70の外縁70aは、正面視において、ロック本体部11の外縁11a(本実施形態では、ベース壁51の外縁51a)よりも内側に配置される(
図9参照)。
【0057】
フック側部分71には、第1軸部14を貫く締結ボルトが挿通する第8貫通孔71aが設けられる。フック側部分71には、上述の第1爪部74が設けられる。第1爪部74は、フック側部分71の外縁から突出する部分が折り曲げられたものとして構成される。
【0058】
補強プレート70には、折返部76が設けられる。折返部76は、フック側部分71に設けられる。折返部76は、フック側部分71の一部が第1軸部14の第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)に折り返された部分として構成される。折返部76は、フック側部分71のうち第3方向D3において第2開放溝75と反対側に設けられる。折返部76は、補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態で、正面視で、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置される(
図9参照)。折返部76の折れ曲がり部分には、第1係合部59が収容される貫通孔71bが設けられる(
図8参照)。折返部76には、第2爪部77が設けられる。第2爪部77は、段差部66としてのベース補強部材13に係合する。第2爪部77は、第2開放溝75の開口部に向かって延びる。第2爪部77は、補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態で、正面視で、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置される(
図9参照)。
【0059】
ポール側部分72には、第3軸部16を貫く締結ボルトが挿通する第9貫通孔72aが設けられる。ポール側部分72には、接続部78が設けられる。接続部78は、補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態で、正面視で、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置される(
図9参照)。接続部78は、ベース補強部材13のアーム部65に接続される。接続部78には、ピン79が挿通する挿通孔78aが設けられる。ポール側部分72の接続部78と、ベース補強部材13のアーム部65とは、ピン79によって接続される。補強プレート70は、ピン79を軸として、ロック本体部11に対して回転可能に接続される。
【0060】
補強プレート70は、ロック本体部11に対して回転可能であり、第1爪部74および第2爪部77が、段差部66としてのベース補強部材13に係合可能であることによって、ロック本体部11に対して所定位置に位置決めされる。
【0061】
補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態において、正面視で、補強プレート70の外縁70aは、ロック本体部11の外縁11aの内側に配置される(
図9参照)。
【0062】
本実施形態の作用を説明する。
図8に示されるように、補強プレート70によってロック本体部11が補強される。例えば、衝突等において、ストライカ1から車両用シートロック装置10に外力が加わる場合、フック20を介して、第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)の外力がロック本体部11に加わる。本実施形態では、補強プレート70がロック本体部11に対して第1軸心14aに沿う方向(第2方向D2)に重ねられているため、このような第2方向D2の外力に対してロック本体部11の変形が抑制される。
【0063】
ロック本体部11の第1面11s側には、第1面11sを正面視したときのロック本体部11の外縁11aよりも内側に、段差部66が設けられる。この構成によって、正面視において、ロック本体部11の外縁11aと、段差部66の外縁66aとの間にスペースが確保される。補強プレート70がこのような段差部66に取り付けられると、補強プレート70の第1爪部74の少なくとも一部分が、ロック本体部11の外縁11aと、段差部66の外縁66aとの間のスペースに配置される。このようにして、正面視において、ロック本体部11から補強プレート70が突出する突出部分が少なくなる。
【0064】
図9に示されるように、好ましくは、補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態において、正面視で、補強プレート70の外縁70aは、ロック本体部11の外縁11aの内側に配置される。この構成によって、車両用シートロック装置10について、正面視で、ベース部材12の外形を拡大させない。すなわち、本実施形態の構造によれば、正面視における外形を拡大させることなく、ロック本体部11を補強できる。
【0065】
本実施形態の効果を説明する。
(1)車両用シートロック装置10は、補強プレート70を備える。補強プレート70は、ロック本体部11における第1軸部14の第1軸心14aに交差する第1面11s側に設けられる。ロック本体部11の第1面11s側には、第1面11sを正面視したときのロック本体部11の外縁11aよりも内側に、段差部66が設けられる。補強プレート70は、段差部66に係止可能な第1爪部74を備える。
【0066】
ロック本体部11の側壁52に補強プレート70が係合する係合部が設けられる場合、正面視におけるロック本体部11の外縁11aよりも外側に補強プレート70の一部が突出るようになり、正面視で、車両用シートロック装置10がロック本体部11よりも大きくなる。この点、上記構成によれば、補強プレート70は、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置される段差部66に係合するため、ロック本体部11の側壁52に補強プレート70が係合する係合部が設けられるような構造に比べて、正面視における車両用シートロック装置10の外形を小さくできる。
【0067】
(2)補強プレート70には、折返部76が設けられる。折返部76は、第1軸部14の第1軸心14aに沿う方向に折り返された部分として構成される。折返部76は、補強プレート70がロック本体部11に取り付けられた状態で、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置される。この構成によれば、補強プレート70の剛性を向上できる。
【0068】
(3)折返部76は、補強プレート70においてフック側部分71に設けられる。この構成によれば、ストライカ1から車両用シートロック装置10に外力が加わる場合、外力は、補強プレート70の折返部76およびその周辺に加わる。補強プレート70の折返部76は変形し難い構造を有するため、補強プレート70が大きく変形することなく補強プレート70の折返部76およびその周辺に加わる外力を受けることができ、ロック本体部11に加わるダメージを抑制できる。
【0069】
(4)ロック本体部11には、第1開放溝17が設けられ、補強プレート70には、第2開放溝75が設けられる。補強プレート70の第2開放溝75は、正面視において、ロック本体部11の第1開放溝17よりも大きい。この構成によれば、ロック本体部11の第1開放溝17に相対的にストライカ1が挿入および脱出するとき、補強プレート70がストライカ1の移動の妨げとならず、ストライカ1を円滑に移動させることができる。
【0070】
(5)補強プレート70は、接続部78を有する。接続部78は、ロック本体部11の外縁11aよりも内側に配置され、ロック本体部11に接続される。補強プレート70は、接続部78でロック本体部11に対して回転可能に接続される。
【0071】
この構成および上述の第1爪部74の構成によれば、補強プレート70は、接続部78で回転可能に接続された状態で、かつ、第1爪部74を介してロック本体部11の段差部66に係合する。このようにして、簡単に、補強プレート70をロック本体部11に対して所定位置に位置決めできる。
【0072】
<第2実施形態>
図10~
図12を参照して、第2実施形態に係る車両用シートロック装置10xについて説明する。本実施形態に係る車両用シートロック装置10xは、第1実施形態に係る車両用シートロック装置10から、補強プレート70の係合構造が変更されている。第1実施形態と同じ構成については、第1実施形態における構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図10に示されるように、車両用シートロック装置10xは、ロック本体部11と、フック20と、ポール30と、第1軸部14と、第2軸部15と、補強プレート70xとを備える。さらに、車両用シートロック装置10は、リリースポール40と、第3軸部16とを備える。
【0074】
図11に示されるように、補強プレート70xは、ロック本体部11の第1面11s側に設けられる。補強プレート70xは、フック側部分71xと、ポール側部分72xと、フック側部分71xとポール側部分72xとを繋ぐ中間部分73xとを有する。補強プレート70xには、第2開放溝75が設けられる。さらに、補強プレート70xは、ロック本体部11に係合する第1爪部74xと、差込部82とを有する。
【0075】
第1爪部74xは、ロック本体部11の段差部66に係合する。段差部66は、第1実施形態と同様にベース補強部材13によって構成される。第1爪部74xは、中間部分73xの外縁に設けられる。第1爪部74xは、段差部66の縁に沿うように構成される。例えば、第1爪部74xは、中間部分73xの外縁から突出する部分が折り曲げられることによって形成される。一例では、第1爪部74xは、ロック本体部11に向かって延びる第1延長部74rと、第1延長部74rから段差部66の縁に沿うように延びる第2延長部74sとを有する。好ましくは、第2延長部74sは、ベース部材12とベース補強部材13との間(第2方向D2における空間)に差し込まれる。
【0076】
差込部82は、ロック本体部11に設けられる係合部90に対し、係合部90に差し込まれることによって、係合部90に係合する。ロック本体部11の係合部90は、ベース部材12の側壁52から突出する突起として構成される(
図12参照)。
【0077】
差込部82は、延長部83を有する。延長部83は、ポール側部分72xの外縁から、第1軸部14の第1軸心14aに沿う方向に延びる。本実施形態では、延長部83は、ベース部材12の側壁52に沿うように延びる。延長部83には、係合部90に係合する被係合部84が設けられる。被係合部84は、例えば、貫通孔85に設けられる突起として構成される。被係合部84としての貫通孔85内の突起は、ロック本体部11に設けられる係合部90が挿入できるように構成される。
【0078】
本実施形態の効果を説明する。
補強プレート70は、差込部82を有する。ロック本体部11は、補強プレート70の差込部82が差し込みによって係合する係合部90を有する。この構成によれば、補強プレート70の第1爪部74xをロック本体部11の段差部66に係合し、さらに、差込部82を係合部90に差し込むことだけで、簡単に、補強プレート70をロック本体部11に対して所定位置に位置決めできる。
【0079】
<その他の実施形態>
上記各実施形態は、上記構成の例に限定されない。上記各実施形態は、以下のように変更され得る。なお、以下の変形例では、上記実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、上記実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。
【0080】
・上記各実施形態では、ロック本体部11は、ベース補強部材13を含むが、ベース補強部材13は省略されてもよい。ベース補強部材13は、ロック本体部11の用途または要求仕様の応じて設けられてよい。
【0081】
・上記各実施形態では、ロック本体部11の段差部66は、ベース補強部材13によって構成されているが、段差部66は、この例に限らない。例えば、段差部66は、ベース部材12と一体に構成されてもよい。
【0082】
・第1実施形態において、第1爪部74の位置および形態は、限定されない。第1爪部74は、段差部66に係合できる構造であればよい。第1爪部74の個数および大きさは制限されない。第1爪部74は、補強プレート70の他の部分(第1爪部74を除く部分)と別の部材によって構成されてもよい。
【0083】
・第2実施形態において、第1爪部74xの位置および形態は、限定されない。第1爪部74xは、段差部66に係合できる構造であればよい。第1爪部74xの個数および大きさは制限されない。第1爪部74xは、補強プレート70xの他の部分(第1爪部74xを除く部分)と別の部材によって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、DA…進入方向、DB…離脱方向、R1…第1回転方向、R2…第2回転方向、R3…第3回転方向、1…ストライカ、10…車両用シートロック装置、10x…車両用シートロック装置、11…ロック本体部、11a…外縁、11s…第1面、12…ベース部材、13…ベース補強部材、13a…外縁、14…第1軸部、14a…第1軸心、14b…挿通孔、15…第2軸部、15a…第2軸心、15b…抜止部材、16…第3軸部、16a…第3軸心、16b…挿通孔、17…第1開放溝、17a…内縁、18…ロック開放溝、18a…開口部、20…フック、21…軸受部、21a…貫通孔、22…フック開放溝、22a…開口部、23…ストライカ拘束部、24…ストライカ受部、25…第1当接部、26…第2当接部、27…第1付勢部材、30…ポール、31…軸受部、31a…貫通孔、32…押圧部、33…力受部、37…第2付勢部材、40…リリースポール、41…軸受部、41a…貫通孔、42…押圧部、43…受部、44…操作部、47…第3付勢部材、51…ベース壁、51a…外縁、52…側壁、53…ベース開放溝、53a…内縁、54…突出壁、55…フック側部分、55a…第1貫通孔、55b…第1筒部、56…ポール側部分、56a…第2貫通孔、56b…第3貫通孔、56c…長孔、56d…第2筒部、56e…第3筒部、56r…溝、56s…溝、56t…溝、57…中間部分、58a…第1段差部、58b…第2段差部、58c…第1部分、58d…第2部分、59…第1係合部、60…第2係合部、61…フック側部分、61a…第4貫通孔、61b…第1凹部、62…ポール側部分、62a…第5貫通孔、62b…第6貫通孔、62c…第7貫通孔、62d…第2凹部、63…中間部分、64…ベース補強開放溝、64a…内縁、65…アーム部、66…段差部、66a…外縁、70…補強プレート、70a…外縁、70x…補強プレート、71…フック側部分、71a…第8貫通孔、71b…貫通孔、71x…フック側部分、72…ポール側部分、72a…第9貫通孔、72x…ポール側部分、73…中間部分、73x…中間部分、74…第1爪部、74r…第1延長部、74s…第2延長部、74x…第1爪部、75…第2開放溝、75a…内縁、76…折返部、77…第2爪部、78…接続部、78a…挿通孔、79…ピン、82…差込部、83…延長部、84…被係合部、85…貫通孔、90…係合部。