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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】電子レンジ対応型パッケージおよび食品
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
B65D81/34 V
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019528845
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2017063359
(87)【国際公開番号】W WO2018102273
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】62/428,314
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514062242
【氏名又は名称】クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス ディリオン ウリベ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ エム パーカー
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/013015(WO,A1)
【文献】特表2011-515281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装と、その中に収容された一定量の食品とを含む電子レンジ対応型包装食品であって、電子レンジで加熱されるように構成されており、
その上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を有しており、電子レンジ対応型支持体の中心においてより高い密度で配置されている複数の個別の開口部がその中に配置されているサセプタ層と、
水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を有する吸収性パッド層と、
前記サセプタ層および前記吸収性パッド層を支持する板紙ベース層と、
を含む、少なくとも3つの層を有する、多層の電子レンジ対応型支持体を含み、
電子レンジ対応型支持体の中心に配置された前記サセプタ層の一部は、水分およびグリースが容易に通過し得る前記個別の開口部を有するとともにグリースを前記個別の開口部へと向かわせる角度付き構成を有し、前記吸収性パッド層は、前記サセプタ層の下方に配置され、これによって前記サセプタ層上のグリースが前記個別の開口部を通って前記吸収性パッド層に排出される、包装食品。
【請求項2】
前記サセプタ層は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と、紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造体である、請求項1に記載の包装食品。
【請求項3】
前記サセプタ層の多層の可撓性構造が、更に追加のポリマー層を含み、前記サセプタ層の多層の可撓性構造が約0.0508ミリメートル~約0.508ミリメートルのサセプタ厚さを有する、請求項2に記載の包装食品。
【請求項4】
前記電子レンジ対応型支持体は、約32258~約51612.8平方ミリメートルの上部表面積を有しており、前記電子レンジ対応型トレイの中心においてより高い密度を有する前記個別の開口部は、放射状に配置されており、かつそれぞれが約3.175ミリメートル~約6.35ミリメートルの直径を有する約30~約80の個別の開口部を含む、請求項1に記載の包装食品。
【請求項5】
前記電子レンジ対応型支持体の開口部の面積に対するサセプタ層の比率が約40:1~約80:1である、請求項1に記載の包装食品。
【請求項6】
前記板紙ベース層は約0.254ミリメートル~約0.762ミリメートルのベース厚さを有する、請求項1に記載の包装食品。
【請求項7】
前記吸収性パッド層は、水分およびグリースを吸収するための紙層、透明ポリエチレン層、および不織紙ベース層を有する多層の可撓性構造である、請求項1に記載の包装食品。
【請求項8】
前記吸収性パッド層は、約0.254ミリメートル~約1.016ミリメートルのパッド厚さを有しており、約0.659kg/mの坪量を有する、請求項7に記載の包装食品。
【請求項9】
前記電子レンジ対応型支持体は、約0.2286メートルの全支持幅、約0.1651メートルの全支持長さ、および約0.762ミリメートル~約1.778ミリメートルの支持厚さを有する、請求項1に記載の包装食品。
【請求項10】
前記サセプタ層が、前記板紙ベース層よりも前記電子レンジ対応型支持体の表面領域をより少なく被覆している、請求項1に記載の包装食品。
【請求項11】
前記電子レンジ対応型支持層の板紙ベース層は、消費者が前記サセプタ層に触れることなく前記板紙ベース層を把持することができるように、前記サセプタ層の周囲を超えて延在している、請求項10に記載の包装食品。
【請求項12】
生肉を電子レンジで調理することを可能にするように構成された生肉パッケージであって、
側部支持壁によって連結された上部支持面および下部支持面と、前記上部支持面と前記下部支持面との間の吸収性パッドとを有し、前記上部支持面、前記側部支持面、および前記側部支持壁が板紙材料である多層の電子レンジ対応型支持体を含み、
前記上部支持面はその上に配置されたサセプタ層を有し、前記サセプタ層はその上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を有しており、かつ前記サセプタおよび前記上部支持面に複数の個別の開口部が配置されており、
前記上部支持面は、水分およびグリースが通過し得るように構成された前記サセプタおよび前記上部支持面の複数の個別の開口部を有する角度付き構成を有しており、
前記吸収性パッド層は、前記サセプタの開口部を通じて前記上部支持面の下の前記吸収性パッドへと排出される水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を有する、パッケージ。
【請求項13】
前記サセプタ層は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と、紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造と、中央の最下部に配置された排水部を有するV字型の傾斜した上部支持面とを有する、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記複数の個別の開口部のうちの少なくとも一部は、前記傾斜した上部支持面の谷部に配置されている、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記個別の開口部が放射状に配置されている、請求項14に記載のパッケージ。
【請求項16】
外装と、その中に収容される一定量の生ベーコンとを含む電子レンジ対応型包装食品であって、前記包装食品は、電子レンジでの食品の加熱を容易にするように構成されており、
前記ベーコンは、少なくとも約7.5%~約18.5%のタンパク質を含み、
前記パッケージは、更に、
マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有しており、その中に電子レンジ対応型支持体の中心位置において放射状に配置された複数の個別の開口部が配置されているサセプタ層と、
水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を有する吸収性パッド層と、
前記サセプタ層および前記吸収性紙ベース層を支持する板紙ベース層と、
を含む、少なくとも3つの層を有する、平坦な多層の電子レンジ対応型支持体を含み、前記支持体によって吸収されない、ベーコンの電子レンジによる調理中に生成されるグリースの量が約10%未満であり、
電子レンジ対応型支持体の中心に配置された前記サセプタ層の一部は、水分およびグリースが容易に通過し得る前記個別の開口部を有するとともにグリースを前記個別の開口部へと向かわせる角度付き構成を有し、前記吸収性パッド層は、前記サセプタ層の下方に配置され、これによって前記サセプタ層上のグリースが前記個別の開口部を通って前記吸収性パッド層に排出される、包装食品。
【請求項17】
前記板紙ベース層が前記吸収性パッド層の下方に配置されている、請求項1に記載の包装食品。
【請求項18】
前記サセプタ層及び前記吸収性パッド層は積層されている、請求項17に記載の包装食品。
【請求項19】
前記多層の電子レンジ対応型支持体は、前記上部支持面が実質的に平面である平坦な構成から、前記上部支持面が複数の前記個別の開口部の少なくとも一部の開口部に向かって下り坂になっている前記サセプタ層の角度付き構成へと再構成可能である、請求項1に記載の包装食品。
【請求項20】
前記板紙ベース層は、前記吸収性パッド層の下方に配置されている、請求項16に記載の包装食品。
【請求項21】
前記サセプタ層及び前記吸収性パッド層は積層されている、請求項20に記載の包装食品。
【請求項22】
前記多層の電子レンジ対応型支持体は、前記上部支持面が実質的に平面である平坦な構成から、前記上部支持面が複数の前記個別の開口部の少なくとも一部の開口部に向かって下り坂になっている前記サセプタ層の角度付き構成へと再構成可能である、請求項16に記載の包装食品。
【請求項23】
開口部の面積に対する前記サセプタ層の前記比率により、電子レンジ調理の間に前記サセプタ層上に生成されるグリースの少なくとも90%を前記吸収性パッド層へと排出する、請求項5に記載の包装食品。
【発明の詳細な説明】
【関連技術の相互参照】
【0001】
本出願は、2016年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/428314号の利益を主張しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、包装食品と、インスタント食品を出荷、小売展示、貯蔵および電子レンジ調理するためのパッケージとに関する。
【背景技術】
【0003】
インスタント食品は、消費者による調理をほとんど必要とせず、購入直後または電子レンジによる加熱の直後に食べることができる。電子レンジで食品を調理するためにマイクロ波エネルギー(即ち、約0.3~300GHz、一般に約2.45GHzの周波数の電磁放射)を使用することに関連する問題の1つとして、食品の加熱の不均一性が挙げられる。温度の均一性が望まれる場合にも、相当な温度むらが存在する可能性がある。この問題は、部分的に、電子レンジキャビティ内の電力分布が通常不均一であるという事実による。不均一な電力密度は、キャビティ内に「ホットスポット」および「コールドスポット」を生じさせる。
【0004】
また、食品が一般的な加熱サイクル中にその体積全体にわたって、マイクロ波放射に対して均一な温度応答を示さないという事実も問題の一因となっている。特に、食品がマイクロ波放射に曝露されると、その食品のある部分は他の部分よりも先に調理される場合があり、他の部分が調理不足である一方で調理過多になる可能性がある。
【0005】
加熱の均一性の問題に対処するために多くの努力がなされてきた。解決策として、様々な種類のターンテーブル、サセプタ、リフレクタ、およびシールドが提案されてきた。しかしながら、特定の市販の電子レンジにおいて有用である装置が、電力、キャビティサイズおよびフィールド構成の多様性により、他のオーブンにおいて許容可能な性能を示さない場合がある。また、調理を改善し得るいくつかの装置は、アーク放電またはスパークを引き起こす傾向がある故に受け入れられない。更に、食品を遮蔽するおよび/または食品から放射を反射する装置は、食品の調理時間を増大させる可能性がある。典型的な食品は、不均一な熱抵抗および不均一な誘電特性を有する。更に、そのような食品の誘電特性は、調理中にしばしば変化する。これらの要因は、調理速度および均一性を改善するための努力を更に複雑化する傾向がある。新規なインスタント食品を開発する際に考慮され得る考慮事項の中には、これらの問題に対処しながらマイクロ波加熱を容易にするパッケージングの能力が挙げられる。
【0006】
薄切りベーコンの不均一性、調理中および調理後に残るグリースおよび水分、並びに調理中に薄切りベーコンの寸法および形状が変化する傾向に起因して、特別な問題を提起する人気のある食品の1つにベーコンが挙げられる。
【発明の概要】
【0007】
本明細書には、電子レンジ対応型パッケージおよび食品に関するシステム、装置および方法の実施形態が開示されている。本明細書は以下の図面を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】いくつかの実施形態による食品パッケージの上面斜視図である。
図2】平坦な構成にある、図1のパッケージの部分上面図である。
図3】未開封の、図1のパッケージの上面斜視図である。
図4】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面斜視図である。
図5】未開封の、図4の部分上面斜視図である。
図6図4の部分上面斜視図である。
図7図4の部分上面図である。
図8】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面図である。
図9図8の部分断面図である。
図10図9の層の更なる詳細を示す概略断面図である。
図11】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面図である。
図12】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面図である。
図13図12の部分断面図である。
図14図13の層の更なる詳細を示す概略断面図である。
図15】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面図である。
図16】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面図である。
図17】いくつかの実施形態による別の食品パッケージの上面斜視図である。
図18図17の部分上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中の要素は、簡素化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。例えば、図中の一部の要素の寸法および/または相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要である、一般的かつ十分に理解されている要素は、本発明のこれらの様々な実施形態の視野の邪魔にならないように描かれていない場合が多い。特定の動作および/またはステップは、特定の発生順序で説明または描写されているが、当業者であれば、順番に関するそのような特定は実際には必要ないことを理解するであろう。本明細書で使用される用語および表現は、異なる特定の意味が本明細書で別段に記載されている場合を除いて、上記のように、当業者によるそのような用語および表現と一致する通常の技術的意味を有する。
【0010】
一般的に言えば、様々な実施形態に従って、生のベーコンまたはその他の肉等の食品を電子レンジで調理しカリカリに仕上げるための便利な電子レンジ対応型パッケージを本明細書で説明する。いくつかの実施形態では、電子レンジ対応型包装食品は、外装と、その中に収容される一定量の食品とを含み、包装食品は電子レンジで加熱することができる。一手法では、パッケージは、その上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を含み、その中に複数の個別の開口部が配置されたサセプタ層と、水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベースの材料を有する吸収性パッド層と、サセプタ層および吸収性紙ベース層を支持する構造を提供する板紙ベース層とを含む少なくとも3層を有する、平坦な多層の電子レンジ対応型支持体またはトレイを有する。この方法においては、電子レンジ対応型トレイまたは支持体は、サセプタ、吸収性パッド、および板紙支持体を含む少なくとも3つのマクロ層を有し、それらの一部は後述するように追加の層を含むことができる。一実施形態では、サセプタは板紙ベースに(その製品接触面とは反対側のサセプタ側に)接着され、板紙ベースは吸収性パッドに接着される。別の実施形態では、吸収性パッドはサセプタと板紙ベースとの間に配置されている。本明細書で使用されるように、板紙ベースは、一般にその上の食品の重量を支え、サセプタは製品に接触する支持体またはトレイのマクロ層である。
【0011】
例示的な一手法では、サセプタは、底部にポリ層を有する紙層に積層された金属化ポリフィルムである。より具体的には、一例では、サセプタ層は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と(機能性のための追加の紙層またはポリ層を含み得る)紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造を含む。別の例では、サセプタ層の多層の可撓性構造は、更に、追加のポリマー層を含む。本明細書で使用されるように、サセプタ層の多層の可撓性構造は、約0.002インチ~約0.020インチのサセプタ厚さを有することができる。更に、サセプタ層は、3,000 sq.ft当たり約40~約60 lbs.の坪量を有し得る。
【0012】
いくつかの構成において、多層の電子レンジ対応型支持体は、約50インチ~約80インチの上面表面積を有する。別の手法によれば、電子レンジ対応型支持体は、約9.0インチの全支持幅、約6.5インチの全支持長さ、および約0.03インチ~約0.07インチの支持厚さを有する。従って、一構成では、支持体の設置面積は約6.5インチ×約9インチである。
【0013】
上に示唆したように、サセプタ材料またはサセプタ層は、その中に穿孔、穴、または開口部を有することで、サセプタの食品接触面からのグリースおよび/または水分の排出を容易にすることができる。更に、いくつかの構成では、個別の開口部は、電子レンジ対応型トレイまたは支持体の中心にてより高い密度を有する。例えば、例示的な一構成では、個別の開口部は、サセプタ層の中心から広がる放射状パターンまたは放射状構成で配置される。いくつかの実施形態では、支持体は、それぞれが約0.125インチ~約0.25インチの直径を有する約30~約80の個別の開口部を含む。例示的な一実施形態では、電子レンジ対応型支持体は、開口部の面積に対するサセプタ層の面積の比が約40:1~約80:1である。一手法では、一般に、肉製品を均一に分布させてベーコンおよびその他の肉を調理する際に、グリースおよび水分が溜まる場所であるサセプタ層の中央またはその付近により多数の個別の開口部を配置する。例示的な一手法では、サセプタ層は、約65~約85の個別の開口部と、約0.1インチ~約0.3インチの直径と、約60:1~約70:1の表面積比とを含む。別の構成では、サセプタ層は、サセプタの面積比が約64:1~約65:1となるように、それぞれが約0.125インチの直径を有する約73の個別の開口部を有する。これらの範囲内の穿孔パターンを有することにより、一定量のグリースを除去することによって食品を調理し、カリカリに仕上げ、結果的に噛みづらくおよび/または油っぽくなる、または著しく収縮することを回避する。これらの範囲は、フライパンで調理されたベーコンを忠実に再現するようにベーコンを調理するのに特に適している。
【0014】
動作中、板紙ベース層は、サセプタ層および吸収性パッドのための乗り物または支持体として機能し、それによってその上に食品を保持するために必要な剛性を提供する。板紙層は、グリースおよび/または水分をはじくために片面または両面をポリコーティングしてもしなくてもよい。いくつかの構成において、板紙ベース層は、約0.010インチ~約0.030インチのベース厚を有する。いくつかの実施形態において、板紙層の坪量は、1,000 sq.ft当たり約50~約80 lbs.である。一手法によれば、板紙ベース層は約12ポイント~約16ポイントの厚さを有する。別の手法では、板紙ベース層は、約14ポイントまたは約16ポイントの固体漂白硫酸塩である。別の手法では、板紙ベースの厚さは、約0.019インチ~約0.022インチである。更に、サセプタ層および吸収性パッドは多層構成を有することができるが、板紙ベース層は単層構造を有することができる。
【0015】
上に示唆したように、いくつかの構成では、吸収性パッド層は多層の可撓性構造であり、グリースおよび/または水分を吸収するための紙層、透明ポリエチレン層、および不織紙ベース層を含むことができる。一手法では、吸収性パッド層は、約0.010インチ~約0.040インチのパッド厚さを有しており、約135 lbs./ream(1,000 sq.ft)の坪量を有する。別の手法では、吸収性パッドは約0.023インチの厚さを有する。
【0016】
上に示唆したように、多層の電子レンジ対応型支持体の層は、いくつかの方法で構成することができる。例えば、サセプタ層は一般に支持体の食品接触面上に配置されるが、層の順序は可変である。更に、層のサイズは互いに異なっていてもよい。一手法では、サセプタ層、吸収性パッド層、および板紙ベース層は、互いに同一の広がりを有する。更に別の手法では、サセプタ層は、板紙ベース層よりも電子レンジ対応型支持体の表面領域をより少なく被覆する。例えば、一手法では、吸収性パッドは、サセプタ内の個別の穴の下にのみ、またはサセプタの下にのみ配置することができる。別の例では、吸収性パッドはサセプタ層および/または板紙層と同一の広がりを持って配置されてもよい。1つの例示的な手法では、サセプタ層は支持体表面積全体の約40%~約60%を被覆する。別の構成では、電子レンジ対応型支持層の板紙ベース層は、消費者がサセプタ層に接触することなく板紙ベース層を把持することができるように、サセプタ層の周囲を超えて延在している。いくつかの構成では、サセプタ層は、板紙ベース層よりも電子レンジ対応型支持体の表面領域をより少なく被覆しており、また、サセプタ層は、概して電子レンジ対応型支持体の中央領域に配置された円形構成を有する。これはまた、端縁領域が比較的低温のままである故に、電子レンジから取り出す際に消費者が板紙ベース層の周辺部分を使用することで安全な取り扱いを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態では、パッケージは長方形のスタンドを含み得る。より具体的には、パッケージは、電子レンジの床部から多層の電子レンジ対応型支持体またはトレイを持ち上げるように構成された長方形の自立型スタンドを含むことができる。更に、いくつかの構成では、電子レンジ対応型支持体は、電子レンジ対応型支持体の端縁に配置される1つ以上の直立フランジを有することができる。
【0018】
いくつかの例示的な手法では、電子レンジ対応型包装食品は、外装と、その中に収容される一定量の生のベーコンとを含む。そのような構成では、包装食品は、電子レンジでの食品の加熱を容易にする。ここで、ベーコンは少なくとも約7.5%~約18.5%のタンパク質を含み、また、パッケージは、その上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を有しており、その中に複数の個別の開口部が放射状に配置されたサセプタ層と、水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベースの材料を有する吸収性パッド層と、サセプタ層および吸収性紙ベース層を支持する板紙ベース層とを含む、少なくとも3つの層を有する、平坦な多層の電子レンジ対応型支持体を有する。このような構成では、支持体によって吸収されない、ベーコンの電子レンジ調理中に発生するグリースの量は、一般的に約10%未満である。一構成では、グリースの約8%未満は支持体によって吸収されない。別の構成では、グリースの約6%未満は支持体によって吸収されない。
【0019】
別の例示的な構成では、生肉を電子レンジで調理することを可能にするように構成された生肉パッケージは、サセプタおよび吸収性パッドを有する角度付きまたはV字型の板紙を含む。一手法では、電子レンジ対応型包装食品は、側部支持壁によって連結される上部支持面および下部支持面と、上部支持面と下部支持面との間の吸収性パッドとを有する多層の電子レンジ対応型支持体を含んでおり、上部支持面、側部支持面、および側部支持壁は板紙材料からなる。更に、そのような構成では、上部支持面はその上に配置されたサセプタ層を有しており、サセプタ層は、その上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を有し、その中に複数の個別の開口部が配置されており、上部支持面は、水分およびグリースがそこを通じて排出され得るように構成された、サセプタ内の複数の個別の開口部を有する角度付き構造を有する。更に、一手法では、吸収性パッド層は、サセプタの開口部を通して上部支持面の下の吸収性パッドに排出される水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を有する。
【0020】
傾斜した上面を有するパッケージにおいて、サセプタ層は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と、紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造と、中央に配置された最下部の排出部を有するV字形状の上部傾斜面とを含み得る。更に、いくつかの構成では、複数の個別の開口部のうちの少なくとも一部は、傾斜した上部支持面の谷部に配置されている。上述した実施形態のいくつかと同様に、いくつかの構成では、個別の開口部は放射状に配置されている。
【0021】
本明細書に概説されるパッケージは、生肉(または他の食品)の迅速かつ均一な調理を可能にするサセプタ層と、調理作業の副産物である、あらゆる油、グリース、または水分を管理するための吸収性パッドとを有することによって、最小限の汚れで電子レンジにより肉を調理しカリカリに仕上げる迅速な方法を提供する。要するに、包装食品は、金属化サセプタ材料および一体型吸収材料に(ラミネート加工等によって)取り付けられた板紙ベースを含む。これらの要素の組み合わせは、食品を適切にカリカリに仕上げることを可能にするのに十分な油またはグリース、例えば、最小限の分量のグリースを提供しつつ、サセプタの食品接触面からのグリースの除去のバランスをとるように理想的に構成される。本明細書のパッケージは、フライドベーコン(または調理プロセス中に油またはグリースを生成し得る他の食品、例えばソーセージ、コールドカット、またはデリミート)を楽しみたいが、そのような食品を揚げることに関連する汚れや臭いを避けたいか、またはそのような食品を一人前だけ楽しみたい消費者にとって特に魅力的であり得る。
【0022】
図1は、例えば生ベーコン等の生肉12をその上に含む電子レンジ対応型包装食品10を示す。生ベーコン12に加えて、包装食品は、他のオプションの中でも、例えば、ミートボール、チップス、焼いた食品、野菜片またはスライス野菜、加工食品、および/または他の肉を、生の、以前に調理された、または部分的に調理された食品と共に含み得る。図示のように、包装食品10は、側部支持壁20によって連結された上部支持面16と下部支持面18とを有する多層の電子レンジ対応型トレイまたは支持体14を含む。上部支持面16と下部支持面18との間において、電子レンジ対応型支持体14は、電子レンジ調理中に生肉12または他の食品からグリースおよび/または水分を吸収するように構成された吸収性パッド22を有する。
【0023】
食品12を調理する、加熱する、カリカリに仕上げる、および/または焼き色を付けるために、電子レンジ対応型支持体14はサセプタ層24を有する。一構成では、マイクロ波エネルギー相互作用材料を有するサセプタ層24は、上部支持面16に配置される。更に、図示のように、サセプタ層24はその中に配置された複数の個別の開口部26を有する。一手法では、複数の個別の開口部26をサセプタ層24および上部支持面16に貫通させることで、水分およびグリースの排出または通過を可能にする。更に、上部支持面16と下部支持面18との間に配置された吸収性パッド層22は、電子レンジでの調理プロセス中にベーコン12から分離した水分およびグリースの少なくとも一部を吸収することができる。一構成では、(上部支持面16の下にある)吸収性パッド層22は、サセプタ層24および上部支持面16の個別の開口部26を通過する水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を有する。
【0024】
一構成では、上部支持面16は角度付き構成を有する。一構成では、複数の個別の開口部26のうちの少なくとも一部は、傾斜した上部支持面16の谷部30に配置される。いくつかの実施形態では、サセプタ層24は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と、紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造である。更に、一手法では、傾斜した上部支持面16は、中央に配置された最下部排出部28を有するV字形状構成を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数の個別の開口部26は、主に傾斜した上部支持面16の谷部に沿って配置されている。他の構成では、個別の開口部のうちの一部は、サセプタ層24および上部支持面16上の他の位置に配置されてもよい。以下により詳細に説明するように、様々な構成を採用することができる。例えば、個別の開口部は、電子レンジ対応型支持体またはトレイの中心にてより高い密度で配置されてもよい。1つの例示的な手法では、複数の個別の開口部は、放射状に配置されている(これはまた、電子レンジ対応型支持体の中心において、開口部をより高い密度で含むこともできる)。
【0026】
一手法によれば、上部支持面16、下部支持面18、および側部支持壁20は、板紙材料からなる。図2は、板紙製の電子レンジ対応型支持面14の一部を形成するのに使用可能な板紙ブランク32を示す。板紙ブランク32は、上部支持面16、側壁20、および下部支持面18を含む。更に、上部支持面16は、その中に配置された複数の個別の開口部26を有する。上述したように、個別の開口部26も(サセプタ層24の製品接触面からグリースおよび水分を効率的に排出するのを容易にするために、サセプタ層の個別の開口部と、上面16の個別の開口部とが互いに整列するように、)サセプタ層24に配置される。個別の開口部26が上部支持面16を貫通する一方で、以下に説明する他の構成では、支持面またはトレイは板紙層にいかなる開口部も有さなくてもよい。図2はまた、下部支持面18(または上部支持面16)に固定することができる支持面16から延在する(これは下部支持面18から延在する場合もある)舌部または延在片34も示す。1つの例示的な手法では、延在部34は、サセプタ層24および/または吸収性パッド22がそこに固定される前または後に、板紙ブランク32の他方の端部に固定することができる。
【0027】
サセプタ層24および吸収性パッド22が板紙ブランク32に固定され、延在部34がブランク32の残部に固定されると、電子レンジ対応型包装食品10は、その上に生ベーコン12を配置し、次いで、エチレンビニルアルコールバリアフィルム等のフィルム36内に包装され、真空パックされ、および/または封止される。1つの例示的な手法では、消費者が電子レンジ対応型包装食品10をフィルム36から取り出すときに、消費者が板紙ブランク32を平坦な輸送形態または出荷形態から、傾斜した上部支持面16と、下部支持面18に対してほぼ垂直かつほぼ直立した側壁20とを有する図1の構成に再構成するように、板紙ブランク32をフィルムラッパー36(例えば、図3参照)に全体的に平坦な構成で配置する。
【0028】
動作時には、消費者は、真空包装容器を引き裂いて開口し、包装食品10をフィルム36から取り出し(これは、結果的に食品が噛みづらくなり得る、食品のパウチ内での蒸煮を防ぐのに役立つ)、(必要ならば)多層の電子レンジ対応型支持体14を組み立て、かつ、任意に、ペーパータオルを電子レンジ内の包装食品10の上に置き、生ベーコンを約2~約5分間電子レンジ調理する前にグリースの飛び散りを防ぐことによって、パウチまたはフィルム36を開口することができる。これにより、消費者は、通常電子レンジで調理されたベーコンに付随する噛みづらい口当たりを有することなく、生のベーコンをカリカリな調理済みベーコンに数分で調理することが可能になる。これは、吸収性パッド22がサセプタ層24の表面からグリースおよび水分を比較的迅速ではあるが、(ベーコンを大幅に収縮させることなく)一般に消費者が楽しめるカリカリな揚げベーコンの外観および口当たりを提供するように、ベーコン上に少量のグリースが残るように速すぎない程度に吸収することによるものである。包装食品10の上にペーパータオルを使用することを好む消費者もいるが、吸収性パッド22により比較的速いペースでグリースを除去することによって、一般に、消費者が電子レンジで包装されていないベーコンを調理する際に遭遇するよりも電子レンジ内で飛び散るグリースが少なくて済む。ペーパータオルを包装食品の一部として含めることができる。
【0029】
図4は、生ベーコン等の食品112をその上に有する、別の電子レンジ対応型包装食品110を示す。先の図の一部は傾斜した食品支持面を含んでいたが、図4は、概ね平坦な電子レンジ対応型トレイまたは支持体を示す。この構成では、電子レンジ対応型包装食品110は、フィルムラッパーおよび/またはボックス(図示せず)等の外装と、その中に収容される一定量の食品112とを含む。包装食品112は、電子レンジで加熱されるように構成されており、包装はその上の食品の加熱を容易にする。いくつかの実施形態では、平坦な多層の電子レンジ対応型支持体114は、サセプタ層124、吸収性パッド112、および板紙ベース層116を含む少なくとも3つの層を有する。包装食品110はまた、いくつかの構成において、任意にスタンド138を含んでもよい。例示的な一構成では、電子レンジ対応型支持体は、約9.0インチの全支持幅、約6.5インチの全支持長さ、および約0.03インチ~約0.070インチの支持厚さを有する。
【0030】
一手法によれば、サセプタ層124は、その上にマイクロ波相互作用材料を有しており、複数の個別の開口部126がその中に配置されている。以下に論じるように、サセプタ層124は、その中に2つ以上の層を有することができる。サセプタ層124は、一般に、その中に配置された複数の個別の開口部126を有する。1つの例示的な手法では、複数の個別の開口部126は、電子レンジ対応型支持体またはトレイの中心が、より高い密度の個別の開口部126を有するような構成で配置される。
【0031】
上に示唆したように、サセプタ層124は、電子レンジ対応型支持体またはトレイ114と同様に、多層構造である。一手法では、サセプタ層124は、マイクロ波エネルギー相互作用材料をその上に有する金属化材料を有する上部製品接触層と、紙層とを少なくとも有する多層の可撓性構造である。別の手法では、サセプタ層124の多層の可撓性構造は、更に、追加のポリマー層を含む。一般に、紙層によるグリースおよび/または水分の吸収が最小限となるように、サセプタ層124の紙層は露出していない。例えば、いくつかの構成では、サセプタ層124の紙層は、埋め込まれており露出していない。一構成では、サセプタ層124は、約0.002インチ~約0.020インチのサセプタ厚さを有する。
【0032】
一構成では、電子レンジ対応型支持体114は、約50インチ~約80インチの上部表面積を有する。一構成では、電子レンジ対応型トレイの中心においてより高い密度を有する個別の開口部は、放射状の構成を有する。いくつかの実施形態において、サセプタ層124は、その中に約30~約80の個別の開口部126を有する。更に、いくつかの構成では、個別の開口部126はそれぞれ、約0.125インチ~約0.25インチの直径を有する。一手法によれば、電子レンジ対応型支持体は、開口部の面積に対するサセプタ層の面積の比が約40:1~約80:1である。
【0033】
別の態様では、吸収性パッド層122は、水分およびグリースを吸収するのに適した可撓性の紙ベース材料を含む。サセプタ層124と同様に、吸収性パッド層122も多層の可撓性構造であり得る。一手法では、吸収性パッドは、水分およびグリースを吸収するための紙層、透明ポリエチレン層、および不織紙ベース層を有する。いくつかの実施形態において、吸収性パッド層122は、約0.010インチ~約0.040インチのパッド厚さ、および約135 lbs./ream(1,000 sq.ft)の坪量を有する。
【0034】
更に別の態様では、板紙ベース層116はサセプタ層124および吸収性パッド層122を支持する。上述したように、板紙ベース層116は単層でもよく、約0.010インチ~約0.030インチのベース厚さを有し得る。
【0035】
図4に示すように、電子レンジ対応型食品110は、平坦な電子レンジ対応型支持体114を電子レンジの床部または下方の地点から持ち上げるスタンド138を有することができる。図6に示すように、パッケージは長方形のスタンドを含むことができ、これは、例えば、電子レンジ対応型支持体114を持ち上げるように構成された自立型であってもよい。スタンド138が食品パッケージに含まれる場合、スタンド138は、パッケージ内の空気量を減少させるように、一般に食品112を有する真空パック容器の外側にあるか、またはスタンド138は、平坦な構成にて含まれる。図5は、フィルムラッパー136内に配置された平坦な電子レンジ対応型支持体114および食品112を示す。図5は4つのサイドシールを有するフィルムラッパー136を示しているが、食品112を出荷し、その鮮度を保つために多数のフィルムラッパーを使用することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、サセプタ層124、吸収性パッド層122、および板紙ベース層116は、互いに同一の広がりを持たない。例えば、サセプタ層124は、いくつかの構成では、板紙ベース層116よりも電子レンジ対応型支持体114の表面積をより少なく覆っている。図7は、電子レンジ対応型支持体114の表面全体未満を被覆するサセプタ層124を示す。例えば、サセプタ層124の周縁は、電子レンジ対応型支持体114または板紙ベース層116の周縁まで延在していない。一手法では、サセプタ層は支持体表面積全体の約40%~約60%を被覆する。吸収性パッド122が個別の開口部126またはサセプタ層124の下にのみ配置されてもよいが、いくつかの構成では、サセプタ層124が支持体表面積全体未満を覆っている場合でさえ、吸収性パッド122は板紙層116と同一の広がりを有する。他の実施形態では、サセプタ層、吸収性パッド層、および板紙ベース層は互いに同一の広がりを持つ。
【0037】
図8は、サセプタ層124、吸収性パッド層122、および板紙ベース層116が、その長さおよび幅において互いに同一の広がりを有する、一実施形態の上面図を示す。サセプタ層124は、主に上面図から見ることができるが、サセプタ層124の個別の開口部126は、その下の吸収性パッド122へのアクセスを可能にする。図9の断面図に示すように、この構成では、板紙ベース層116は、サセプタ層124と吸収性パッド122との間に挟まれている。従って、個別の開口部126は、サセプタ層124および板紙ベース層116を貫通して、吸収性パッド122まで延在している。板紙ベース層116は、非常に少量のグリースおよび水分を吸収することができるが、吸収性パッド122は十分なグリースおよび水分を吸収することで、噛みづらくなることなく、電子レンジ調理中にベーコン製品を調理してカリカリに仕上げることを可能にする。更に、サセプタ層の個別の開口部の穿孔パターンは、食品を極度に収縮させることなく(調理作業中にサセプタ層に十分なグリースがない場合に起こり得る)、ベーコン等の食品をカリカリに仕上げるのに十分なグリースをその上に保持する。
【0038】
図10は、電子レンジ対応型支持体114の一実施形態の多様な多層を示す概略図を示す。いくつかの実施形態において、サセプタ層124は、例えば、金属化材料、紙層および/またはポリマー層を含むことができ、また吸収性パッド層122は、例えば、水分およびグリースを吸収するための紙層、ポリエチレン層、および不織紙ベース層を含むことができる。層の組み合わせを説明するために、図10は、異なる材料のロール(即ち、3つのマクロ層)を組み合わせて、電子レンジ対応型支持体114を作り出す方法を示す。これら3つの層は、例えば熱、圧力、接着剤または接着剤結合、またはそれらの組み合わせにより取り付けることができる。更に、上述したように、層の順序は可変である。
【0039】
同一の広がりを持たない層を有する他の構成を図11に示す。この構成では、サセプタ層124は、板紙ベース層116よりも電子レンジ対応型支持体114の表面積をより少なく覆っている。更に、サセプタ層124は、概して、電子レンジ対応型支持体114の中心に配置される略円形構成を有する。更に、放射状構成の個別の開口部は、サセプタ層124の中央に配置される。一手法では、板紙ベース層116は、消費者が、電子レンジ調理操作後に熱くなっている可能性があるサセプタ層124に触れることなく、板紙ベース層124を把持することができるように、サセプタ層124の周囲を超えて延在している。
【0040】
図7図8、および図11に示すように、サセプタ層124は、その中に配置された放射状パターンの個別の開口部126を有することができる。これらの図に示される個別の開口部は概して円形の構成を有するが、他の構成も可能である。例えば、個別の開口部は、とりわけ、長方形、楕円形、または菱形であり得る。
【0041】
図12は、その中に個別の開口部226を有するサセプタ層224を有する電子レンジ対応型支持体214を示す。図12は、前の図と比較して僅かに異なる放射状パターンを示しており、菱形の個別の開口部226を含んでいる。図13の断面図は、食品接触サセプタ層224と板紙ベース層216との間に挟まれた吸収性パッド222を有する電子レンジ対応型支持体214を示す。従って、個別の開口部226は、サセプタ層226のみを貫通しており、中間の吸収性パッド層222は貫通していない。図14は、サセプタ層226および吸収性パッド層22を有する3つの層の組み合わせを示しており、それぞれがその中に多層を有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、サセプタ層(およびいくつかの実施形態では板紙層)の個別の開口部は、例えば、サセプタ層(および任意に板紙層)に形成されたダイカットまたはレーザカットを介して形成され得る。例示的な一手法では、サセプタ層を吸収性パッドに取り付ける前に、個別の開口部を材料に切り込む。
【0043】
電子レンジ対応型トレイまたは支持体は、3つのマクロ層(即ち、サセプタ層、吸収性パッド、および板紙ベース)を互いに積層することによって形成することができる。全体的に、同一の広がりを有する層を有する電子レンジ対応型トレイまたは支持体を形成する場合、3つの層は、概して、連続的または断続的にロールからスプールを取り外し、積層され得る(または取付けられる)。サセプタが板紙ベース層上に挿入されている場合等の別の構成では、別個のサセプタがサセプタフィルムのロールから切り取られ、次いで、位置合わせ後に、接着剤等によって、板紙ベースおよび/または吸収性パッドに適用されるか、または積層されてもよい。いくつかの構成では、サセプタ層および吸収性パッドは、併せて積層され、ロールから切り取られ、板紙ベースと位置合わせされ、次いで、そこに接着される。
【0044】
一手法では、3つのマクロ層(即ち、吸収性パッド、サセプタ、および板紙ベース)をほぼ同時に一緒に積層することができる。例えば、上に示唆したように、3つのマクロ層のロールを巻き解き、その直後に一緒に積層してもよい。更に別の構成では、マクロ層の適用または積層は段階的であってもよい。一例として、サセプタ層を板紙ベースに適用し、その後に吸収性パッドをそれに取り付けることができる。例えば、サセプタ層および板紙ベースを取り付け、吸収性パッドをそこに取り付ける前に個別の開口部をその中に打ち抜いてもよい。
【0045】
図15は、電子レンジ対応型支持体314のサセプタ層324内の個別の開口部326の別の放射状の構成を示している。更に、図16に示す菱形の個別の開口部326は、楕円形サセプタ層324を貫通して配置されている。楕円形および円形のサセプタ層に加えて、個別のサセプタ層は、正方形、菱形、星形、または他の形状であってもよいが、サセプタ層は、概して、電子レンジ対応型支持体またはトレイの中央に配置される。
【0046】
図17は、上に生のベーコン312が配置された電子レンジ対応型包装食品310の更に別の実施形態を示す。食品310は、サセプタ324、吸収性パッド322、および板紙ベース層316を有する多層の電子レンジ対応型支持体314を含む。板紙ベース層316は、電子レンジ対応型支持体314の端縁に配置された1つ以上の直立フランジ340を有することができる。図18に示すように、板紙ベース層316は、吸収性パッド層322およびサセプタ層324の下の中央部315と、平坦な構成で消費者に出荷することができるが、概して、板紙ベース層316の中央部分315に垂直な直立構成または高架構成に移動可能なウイングまたはフランジ340とを有することができる。図17の調理構成において、板紙ベース層316のフランジ340は、電子レンジ調理作業中に飛び散り得るグリースを保持し、消費者にパッケージを電子レンジから取り出すための握りやすい板紙部分を提供するのを助ける。図17はパッケージの3つの側面にフランジ340を含むが、フランジはパッケージの2つの側面にのみ配置されてもよい。
【実施例
【0047】
(実施例1)
本明細書の実施例は、本明細書の開示を説明するために含まれ、それを限定するものではない。これらの実施例は、より従来型のパッケージと、本明細書に記載された特徴のいくつかを有するパッケージとの間の違いを説明することを目的としている。例えば、ストックサセプタ材料(以下の表で対照として識別)と比較して、吸収性パッドを有する電子レンジ対応型トレイまたは支持体(以下の表でパッケージテストとして識別)の吸収能力を定量化するために、4本のベーコンを電子レンジ調理し、電子レンジ調理操作の前後にパッケージの様々な要素を測量した。以下の実施例のテストパッケージは、図8に示すものと同様に、サセプタ層、板紙ベース、および吸収性パッドを有する電子レンジ対応型支持体を含む。しかしながら、コントロールパッケージは、その中に個別の開口部を有さないサセプタ層と、板紙ベースとを有するだけである。
【0048】
より詳細には、(パッケージテストにおける)吸収性パッドを測量し、パッケージテストおよび対照材料の両方に対するサセプタカード(即ち、サセプタ層および板紙ベース)を測量し、プロトタイプに配置し、1100Wのマイクロ波で2.5分間電子レンジにかける前に4本の生のベーコンを測量した。プロトタイプを電子レンジから取り出して、調理したベーコンを測量し、グリースおよび水分をトレイから流し出して測量し、サセプタトレイを測量し、吸収性パッドを測量した(パッケージ試験に存在するものを計量した)。以下の全データはグラム単位で収集された。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
列1に記載されているグリースの総量は、調理の前後の構成要素、即ちサセプタトレイおよびパッド(存在する場合)の重量の差に、流出したグリースの重量を加えたものである。更に、列4は、吸収されなかったグリースの総量、即ち、列1のグリースの総量からテストパッケージ内の構成要素、即ちサセプタトレイおよび吸収性パッドによって吸収されたグリースの総量を引いたものを示す。最後に、列5は、吸収されなかったグリースのパーセンテージ、即ち、列4を列1で割ったものを示す。これは、吸収性パッドを有するサセプタトレイが吸収性パッドを含まないストックサセプタ材料と比較して、グリースの吸収においてはるかに効率的であることを示す。
【0052】
上記の試験で使用されたベーコンには、約35.25%~約62.75%の水分含有量、約7.5%~約18.5%のタンパク質含有量、約16.25%~約52.25%の脂肪含有量、および約1.16%~約2.16%の塩分含有量を有するセンターカットベーコンが含まれていた。別のベーコン製品において、ベーコンは、約30.75%~約58.25%の水分含有量、約7.5%~約17.75%のタンパク質含有量、約22.5%~約57.5%の脂肪含有量、および約1.16%~約2.16%の塩分含有量を有する。別の製品では、ベーコンは、約30.75%~約58.25%の水分含有量、約7.5%~約17.75%のタンパク質含有量、約22.5%~約57.5%の脂肪含有量、および約0.95%~約1.95%の塩分含有量を有する。いくつかの実施形態において、ベーコンは、18.5%を超えるタンパク質含有量を有し得る。これらの例は、本明細書に記載のパッケージを使用して調理することができるベーコン製品のいくつかを示しているが、他の食品(生、調理済み、または部分調理済みのアイテムを含む)は、提供されたこれらの範囲外の含有範囲を有し得る。
【0053】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に関して多種多様な他の修正、変更、および組み合わせも可能であり、そのような修正、変更、および組み合わせは、本発明の概念の範囲内にあると見なされるべきであることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18