(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】粒状絶縁材または粉末絶縁材を伴う高周波アンテナ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/30 20060101AFI20220720BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H01Q9/30
H01Q1/22 A
(21)【出願番号】P 2019531785
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(86)【国際出願番号】 US2017066811
(87)【国際公開番号】W WO2018118709
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-24
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516220468
【氏名又は名称】シーティーエス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4925 Indiana Ave. Lisle, Illinois 60532 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ロバート,エル
(72)【発明者】
【氏名】コルス,ダグラス,イー
(72)【発明者】
【氏名】ポスト,ジェームス,エム
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538540(JP,A)
【文献】特開2005-069779(JP,A)
【文献】特開平06-139836(JP,A)
【文献】特開2011-082951(JP,A)
【文献】特開2010-048409(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0283503(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波アンテナであって、
外側接地スリーブによって囲まれるとともに前記外側接地スリーブから離れている
中心アンテナを備え、前記
中心アンテナと前記外側接地スリーブとの間の空間は、粒状絶縁材または粉末絶縁材で満たされ
た前記高周波アンテナ内の内部空洞を画定し、
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、製造中に前記外側接地スリーブと前記中心アンテナと曲げることを可能にし、前記高周波アンテナの使用中に前記中心アンテナの移動を制限する、高周波アンテナ。
【請求項2】
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである、請求項1に記載の高周波アンテナ。
【請求項3】
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、セラミック材である、請求項1に記載の高周波アンテナ。
【請求項4】
密封剤は、前記粒状絶縁材または粉末絶縁材を前記外側接地スリーブ内に密封及び保持するために前記外側接地スリーブの遠位端を覆う、請求項1に記載の高周波アンテナ。
【請求項5】
前記外側接地スリーブの遠位端は、同軸ケーブルに圧着される、請求項1に記載の高周波アンテナ。
【請求項6】
高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムにおいて高周波信号を送信及び受信するように適応する、請求項1に記載の高周波アンテナ。
【請求項7】
高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムで使用するように適応する高周波アンテナアセンブリであって、
同軸導体を含む同軸ケーブルと、
前記同軸ケーブルの前記同軸導体の遠位端に結合される遠位端を含む中心アンテナと、
前記中心アンテナを囲むとともに前記中心アンテナから離れている外側スリーブであって、前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間の空洞を画定する、前記外側スリーブと、
前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間の前記空洞を満たす粒状絶縁材または粉末絶縁材と、
を備える、前記高周波アンテナアセンブリ。
【請求項8】
前記外側スリーブの第1の遠位端は、前記同軸ケーブルに圧着される、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
【請求項9】
ガラス密封材は、前記粒状絶縁材または粉末絶縁材を、前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間に画定される前記空洞内に密封及び保持するために前記外側スリーブの第2の遠位端を覆う、請求項8に記載の高周波アンテナアセンブリ。
【請求項10】
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
【請求項11】
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、セラミック材である、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
【請求項12】
高周波アンテナアセンブリの製造方法であって、
a)同軸中心導体を伴う同軸ケーブルを提供するステップと、
b)中心アンテナを提供するステップと、
c)前記中心アンテナの遠位端を、前記同軸中心導体の遠位端に結合するステップと、
d)前記中心アンテナを囲むとともに前記中心アンテナから離れて、外側スリーブと前記中心アンテナとの間に円周空洞を画定するような関係になるように、前記外側スリーブを前記中心アンテナの外側に提供して摺動させるステップと、
e)前記外側スリーブの第1の端を前記同軸ケーブルに固着するステップと、
f)前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間に画定される前記空洞に絶縁粒状材料または絶縁粉末材料を提供して満たすステップと、
g)前記
絶縁粒状材料または絶縁粉末材料を前記外側スリーブ内に密封及び保持するために、密封
材を提供し、前記外側スリーブの第2の端を前記密封材で覆うステップと、
h)前記中心アンテナ及び前記外側スリーブを所望の最終形状になるように曲げるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項13】
a)取付用ナットを前記外側スリーブ
の第2の遠位端の外側に提供及び結合するステップと、
b)フェルールを前記外側スリーブの前記第2の遠位端に提供及び結合するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムで作られる絶縁材を提供するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
セラミック材で作られる絶縁材を提供するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2016年12月21日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第62/437,133号の出願日の優先権及び利益を主張しており、その開示及び内容は、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれている。
【0002】
本発明は、概して、高周波アンテナに関し、より具体的には、粒状内部絶縁材または粉末内部絶縁材を伴う、高周波信号を送信及び/または受信するアンテナアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
空洞摂動法等を含む高周波(RF)技術及びマイクロ波ベース検出技術は、実験用及び研究器具から処理制御システム、さらに車両用センサにまで及ぶ多くの用途で使用される。多くの用途では、アンテナまたはプローブは、高周波またはマイクロ波信号を伝達及び/または受信し、これらの測定を行うために使用される。
【0004】
多くの従来型RFアンテナは安定性が高くなく、高温、高振動レベル、熱衝撃、腐食環境または汚染環境、酸化状態または還元状態等に曝される状態で拡大操作を存続することができない。環境暴露、例えば、雨、雪、及び塩水、ならびに油、燃料、酸、同様の化学物質等の化学物質及び溶剤への暴露は、また、多くの従来型RF/マイクロ波プローブ及びアンテナにとって有害になる。
【0005】
本明細書に説明されるRFアンテナは、空洞から伝送回線、さらにフリースペースに及ぶ、いくつかの用途で使用され得る。用途のある範囲は、システムの状態に関するいくつかの情報を推定するために、材料または材料の混合物の誘電特性の変化を監視するシステムを含む。
【0006】
一具体例は、自動車排出ガス、または様々な自動車排出制御及びセンサデバイスの状態を監視及び感知するように適用される、高周波測定システムの種類を含む。ディーゼル微粒子フィルタ内に蓄積する煤煙または灰の量等の車両微粒子フィルタの充填状態を監視するために使用される高周波システムまたはマイクロ波システムは、1つの例示的用途である。別の用途は、数例を挙げれば、三元触媒コンバータ、選択的接触還元システム、酸化触媒、またはリーンNOxトラップ等の成分の処理後の様々な触媒放出で吸着される(とりわけ)酸素または窒素酸化物等の様々なガス種を監視することを含む。さらに別の実施形態では、監視パラメータは、一例では、ディーゼル微粒子フィルタの場合のフィルタ材、また別の例では、触媒基質、ウォッシュコート、または触媒材料等の材料自体の誘電特性の変化があり得る。処理フィルタ及び処理触媒を説明した後であるが具体的に課題があるけれども、任意のフィルタシステムまたは触媒システムは、本明細書に説明される技術を使用することができる。
【0007】
本発明は、粒状絶縁材または粉末絶縁材を伴う高周波アンテナまたは測定プローブの改善及び低コスト化と、当該高周波アンテナまたは測定プローブを作成する方法とを対象とし、これらは、例えば、高周波自動車排出ガス制御またはセンサシステム内で、セ氏900度を超える高温、振動、機械的応力、水及び他の液体等への暴露を含む状態の範囲にわたる拡大動作に好適である。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、概して、外側接地スリーブによって囲まれるとともに外側接地スリーブから離れている内部導体を備える高周波アンテナを対象とし、内部導体と外側スリーブとの間の空間は、粒状絶縁材または粉末絶縁材で満たされている。
【0009】
一実施形態では、粒状絶縁材または粉末絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである。
【0010】
一実施形態では、粒状絶縁材または粉末絶縁材はセラミック材である。
【0011】
一実施形態では、密封剤は、粒状絶縁材または粉末絶縁材を外側接地スリーブ内に密封及び保持するために外側接地スリーブの遠位端を覆う。
【0012】
一実施形態では、外側接地スリーブの遠位端は、同軸ケーブルに圧着される。
【0013】
一実施形態では、高周波アンテナは、高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムにおいて高周波信号を送信及び受信するように適応する。
【0014】
本発明は、また、高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムで使用するように適応する高周波アンテナアセンブリを対象とし、高周波アンテナアセンブリは、同軸導体を含む同軸ケーブルと、同軸ケーブルの同軸導体の遠位端に結合される遠位端を含む中心アンテナと、中心アンテナを囲むとともに中心アンテナから離れている外側スリーブであって、中心アンテナと外側スリーブとの間の空洞を画定する、外側スリーブと、中心アンテナと外側スリーブとの間の空洞を満たす粒状絶縁材または粉末絶縁材とを備える。
【0015】
一実施形態では、外側スリーブの第1の遠位端は、同軸ケーブルに圧着される。
【0016】
一実施形態では、ガラス密封材は、粒状絶縁材または粉末絶縁材を、中心アンテナと外側スリーブとの間に画定される空洞内に密封及び保持するために外側スリーブの第2の遠位端を覆う。
【0017】
一実施形態では、絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである。
【0018】
一実施形態では、絶縁材はセラミック材である。
【0019】
本発明はさらに、高周波アンテナアセンブリの製造方法を対象とし、本方法は、同軸中心導体を伴う同軸ケーブルを提供するステップと、中心アンテナを提供するステップと、中心アンテナの遠位端を、同軸中心導体の遠位端に結合するステップと、中心アンテナを囲むとともに中心アンテナから離れて、外側スリーブと中心アンテナとの間に円周空洞を画定するような関係になるように、外側スリーブを中心アンテナの外側に提供して摺動させるステップと、外側スリーブの第1の端を同軸ケーブルに固着するステップと、中心アンテナと外側スリーブとの間に画定される空洞に絶縁粒状材料または絶縁粉末材料を提供して満たすステップと、絶縁材を外側スリーブ内に密封及び保持するために、密封剤を提供し、外側スリーブの第2の端を密封材で覆うステップと、中心アンテナ及び外側スリーブを所望の最終形状になるように曲げるステップとを含む。
【0020】
一実施形態では、本方法は、さらに、取付用ナットを外側スリーブの第2の遠位端の外側に提供及び結合するステップと、フェルールを外側スリーブの第2の遠位端に提供及び結合するステップとを含む。
【0021】
一実施形態では、本方法は、さらに、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムで作られる絶縁材を提供するステップを含む。
【0022】
一実施形態では、本方法は、さらに、セラミック材で作られる絶縁材を提供するステップを含む。
【0023】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明、付随の図面、及び添付の「特許請求の範囲」からより容易に明らかになるであろう。
【0024】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴は、以下のような添付の図の説明によって最良に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による、高周波アンテナアセンブリの破断斜視図である。
【
図2】
図1に示される高周波アンテナアセンブリの破断垂直断面図である。
【
図3】
図1に示されるような高周波アンテナアセンブリの最終のL字状に曲げられる及び形成される前の、高周波アンテナアセンブリの破断垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明による高周波アンテナ/プローブアセンブリ10を示し、一実施形態では、高周波アンテナ/プローブアセンブリ10は、米国特許第8,384,397号及び米国公開特許出願第2015/0123688A1号(これらの全内容及び開示は、本明細書に完全に記載されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる)に開示される高周波自動車排出ガス制御システムの数字224、230、242、及び246によって一般的に指定される種類の高周波アンテナ/プローブアセンブリである。
【0027】
アンテナ/プローブアセンブリ10(一実施形態では、RF自動車排出ガス制御及びセンサシステムにおいて高周波信号を伝達及び受信するように適応する)は、細長い内心ロッドアンテナまたは導体40の遠位端44に溶接された第1の遠位端を有する細長い同軸中心円筒状導体22を含む、細長い円筒状同軸ケーブル20を備える。
【0028】
中心アンテナ40に溶接される導体22を伴う同軸ケーブル20の遠位端の反対側の遠位端は、アンテナ/プローブアセンブリ10(より具体的には、その同軸中心導体22)を、高周波(RF)信号を伝達及び受信するのに好適であるデバイスに接続するためのコネクタ24を含む。
【0029】
保護用カバーまたはスリーブ26は、遠位コネクタ24を囲む。
【0030】
アンテナ/プローブアセンブリ10は、さらに、中心アンテナ40及び同軸中心導体22を囲むとともにそれらから離れている、細長い外側接地管またはスリーブ30を備える。
【0031】
細長い中心アンテナ40の外周表面と、細長い外側管またはスリーブ30の内周表面との間の空間または間隙は、細長く内周方向に延在する、略ドーナツ形状の空洞36を画定する。
【0032】
本発明に従って、外側スリーブ30と中心アンテナ40との間の内周空洞または空間または間隙36は絶縁材50で満たされ、絶縁材50は、本発明に従って、絶縁粒状材料または絶縁粉末材料を備える。
【0033】
本発明に従って、粒状絶縁材または粉末絶縁材の使用は、材料が、利点をもたらすように、自由及び均一に全エリアまたは全空間の内部を動くように、組立中に内部スリーブ空洞を画定する全エリアまたは全空間を覆うことを可能にする。
【0034】
本発明に従って、材料50は、利点をもたらすように、使用中にアンテナ/プローブアセンブリ10の中心アンテナ40の移動を制限し、さらに、アンテナ/プローブアセンブリ10(より具体的には、その外側スリーブ30及び中心アンテナ40)を、
図1及び
図2に示されるような外側スリーブ30及び中心アンテナ40の各々の曲げ位置になるように、
図3に示されるような外側スリーブ30及び中心アンテナ40の各々の直線状位置から、製造中に同じ点で曲げることを可能にし、各々、外側スリーブ30及び中心アンテナ40の各々の端の間に形成され及びその間に位置する略L字状曲線状曲げ部30a及び40aを含む
図1及び
図2に示されるような略L字状の曲がっているアンテナ/プローブアセンブリ10を画定及び形成することを可能にする。
【0035】
摂氏900度を超える状態での使用中の温度要求性を満足するために、粒状材料または粉末材料50は、例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、またはセラミック材等の任意の他の好適な誘電材料を含み得る。
【0036】
材料50は、外側スリーブ30の第1の遠位端32と、同軸ケーブル20に圧着される外側スリーブ30の反対側遠位端34との間の空洞36を満たす。
【0037】
アンテナ/プローブアセンブリ10は、さらに、外側スリーブ30の遠位端32の外周表面を囲み、それに対して当接し、及び回転可能である細長い外部管状取付用ナット60と、取付用ナット60の半径方向端面に接して当接し、また外側スリーブ30の遠位端32の外周表面に接して当接する管状フェルール62とを備える。
【0038】
保護用誘電体/セラミック/ガラスの接着剤または密封材70は、外側スリーブ30の内周表面に当接し、中心ロッドアンテナ40の外周表面を囲み及びそれに当接する関係になるように、外側スリーブ30の遠位端32の内部に位置し、そこで供給され、これは、外側スリーブ30の遠位端32を塞ぎ、材料50をアンテナ/プローブアセンブリ10の内部に保持及び密封し、使用中に混入物質への暴露から材料50を保護するために行われる。
【0039】
示される実施形態では、中心ロッドアンテナ40の遠位端42は、アンテナ/プローブアセンブリ10の外側スリーブ30の遠位端32を越えて延在する。
【0040】
本発明に従って、本発明のアンテナ/プローブアセンブリ10を製造するための方法は、少なくとも、同軸中心導体22を伴う同軸ケーブル20を提供するステップと、中心アンテナまたは導体40を提供するステップと、中心アンテナ40の遠位端44を、同軸ケーブル20の同軸中心導体22の遠位端に溶接するステップと、外側チューブまたはスリーブ30が中心アンテナ40及び同軸ケーブル20を囲み、そこから離れており、外側スリーブ30の第1の遠位圧着端34が同軸ケーブル20の外部表面を囲むとともに覆い、外側スリーブ30の反対側遠位端32が中心アンテナ40の外周表面を囲む関係になるように、同軸中心導体22に溶接される中心アンテナ40の端の反対側の中心アンテナ40の遠位端42の外側に、外側チューブまたはスリーブ30を摺動させるステップと、外側スリーブ30の圧着遠位端34を、同軸ケーブル20の外周表面に圧着し、それによって、外側スリーブ30を同軸ケーブル20上で密封及び保持し、絶縁材50を外側スリーブ30の内部に保持するためにプラグを画定するステップと、絶縁材50が外側スリーブ30の反対側端32と反対側端34との間の空間を延在し、及びその空間を満たし、外側スリーブ30の端32においてガラス密封材プラグ70によって及び外側スリーブ30の反対側端34において圧着プラグによって、外側スリーブ30の内部で保持される関係になるように、中心アンテナ40と、外側管またはスリーブ30との間に画定される内部空洞36を、絶縁材50で満たすステップと、ガラス密封材70を外側スリーブ30の遠位端32の半径方向端面に画定される開口部に提供、塗布、及び供給して、その開口部を覆い、材料50を内部空洞36に密封するステップと、外側スリーブ30の遠位端32を囲み、それに当接し、及びそれに対して回転可能である関係になるように、外側スリーブ30の遠位端32の外側に取付用ナット60を提供及び設置するステップと、取付用ナット60の半径方向端面及び外側スリーブ30の半径方向端面に接するように当接し、供給されたガラス密封材70を囲む関係になるように、フェルール62をアンテナアセンブリ10に提供及び結合するステップと、次に、
図3に示されるような中心アンテナ40及び外側スリーブ30の各々の直線状位置から、
図1及び
図2に示されるような中心アンテナ40及び外側スリーブ30の各々の位置まで、中心アンテナ40及び外側スリーブ30を曲げ、本発明の略L字状アンテナ/プローブアセンブリ10を形成及び画定するステップとを含む。
【0041】
上記に説明した高周波アンテナの多くの変形形態及び修正形態、ならびに高周波アンテナを作る方法は、本発明の新規特徴の主旨及び範囲から逸脱することなく成し遂げられ得る。本明細書に例示されるような特定の高周波アンテナ及び本明細書に説明されるような製造方法に関する限定は意図されていない、または推測されるべきではないことを理解されたい。当然のことながら、全ての係る修正形態は、特許請求の範囲内に入るように、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
外側接地スリーブによって囲まれるとともに前記外側接地スリーブから離れている内部導体を備え、前記内部導体と前記外側スリーブとの間の空間は、粒状絶縁材または粉末絶縁材で満たされている、高周波アンテナ。
<請求項2>
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである、請求項1に記載の高周波アンテナ。
<請求項3>
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、セラミック材である、請求項1に記載の高周波アンテナ。
<請求項4>
密封剤は、前記粒状絶縁材または粉末絶縁材を前記外側接地スリーブ内に密封及び保持するために前記外側接地スリーブの遠位端を覆う、請求項1に記載の高周波アンテナ。
<請求項5>
前記外側接地スリーブの遠位端は、同軸ケーブルに圧着される、請求項1に記載の高周波アンテナ。
<請求項6>
高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムにおいて高周波信号を送信及び受信するように適応する、請求項1に記載の高周波アンテナ。
<請求項7>
高周波自動車排出ガス制御及びセンサシステムで使用するように適応する高周波アンテナアセンブリであって、
同軸導体を含む同軸ケーブルと、
前記同軸ケーブルの前記同軸導体の遠位端に結合される遠位端を含む中心アンテナと、
前記中心アンテナを囲むとともに前記中心アンテナから離れている外側スリーブであって、前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間の空洞を画定する、前記外側スリーブと、
前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間の前記空洞を満たす粒状絶縁材または粉末絶縁材と、
を備える、前記高周波アンテナアセンブリ。
<請求項8>
前記外側スリーブの第1の遠位端は、前記同軸ケーブルに圧着される、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
<請求項9>
ガラス密封材は、前記粒状絶縁材または粉末絶縁材を、前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間に画定される前記空洞内に密封及び保持するために前記外側スリーブの第2の遠位端を覆う、請求項8に記載の高周波アンテナアセンブリ。
<請求項10>
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムである、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
<請求項11>
前記粒状絶縁材または粉末絶縁材は、セラミック材である、請求項7に記載の高周波アンテナアセンブリ。
<請求項12>
高周波アンテナアセンブリの製造方法であって、
a)同軸中心導体を伴う同軸ケーブルを提供するステップと、
b)中心アンテナを提供するステップと、
c)前記中心アンテナの遠位端を、前記同軸中心導体の遠位端に結合するステップと、
d)前記中心アンテナを囲むとともに前記中心アンテナから離れて、外側スリーブと前記中心アンテナとの間に円周空洞を画定するような関係になるように、前記外側スリーブを前記中心アンテナの外側に提供して摺動させるステップと、
e)前記外側スリーブの第1の端を前記同軸ケーブルに固着するステップと、
f)前記中心アンテナと前記外側スリーブとの間に画定される前記空洞に絶縁粒状材料または絶縁粉末材料を提供して満たすステップと、
g)前記絶縁材を前記外側スリーブ内に密封及び保持するために、密封剤を提供し、前記外側スリーブの第2の端を前記密封材で覆うステップと、
h)前記中心アンテナ及び前記外側スリーブを所望の最終形状になるように曲げるステップと、
を含む、前記方法。
<請求項13>
a)取付用ナットを前記外側スリーブの前記第2の遠位端の外側に提供及び結合するステップと、
b)フェルールを前記外側スリーブの前記第2の遠位端に提供及び結合するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
<請求項14>
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、または酸化マグネシウムで作られる絶縁材を提供するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
<請求項15>
セラミック材で作られる絶縁材を提供するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。