(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】脂肪組成物
(51)【国際特許分類】
A23D 9/00 20060101AFI20220720BHJP
A23G 3/40 20060101ALI20220720BHJP
A23G 1/36 20060101ALI20220720BHJP
A23G 1/38 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A23D9/00
A23D9/00 500
A23G3/40
A23G1/36
A23G1/38
(21)【出願番号】P 2019540034
(86)(22)【出願日】2018-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2018052128
(87)【国際公開番号】W WO2018138335
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-21
(32)【優先日】2017-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518269740
【氏名又は名称】ブンゲ ロダース クロックラーン ビー.ヴィ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘトザント, イムロ
(72)【発明者】
【氏名】ノロスマワティ, ラジャ
(72)【発明者】
【氏名】ホー, チンウン
(72)【発明者】
【氏名】タム, ヴィヴィアン
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-298041(JP,A)
【文献】特開昭61-219338(JP,A)
【文献】特開昭56-058444(JP,A)
【文献】特開昭53-115863(JP,A)
【文献】総合商品カタログ, 2015年,株式会社前田商店,p.31
【文献】日本結晶学会誌, 2001年,Vol.43, No.4,p.315-322
【文献】製菓用油脂ハンドブック, 2010年,p.174, p.213
【文献】11 Minor and Speciality Oils,Vegetable Oils in Food Technology : Composition, Propertiesand Uses , Second Edition, 2011年,p.322-324
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 7/00-9/06
A23G 1/00-9/52
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
60~80重量%のシアステアリンおよび20~40重量%のイリペバターを含む脂肪組成物であって、前記組成物は、
55~75%のStOSt、
10~25%のPOSt、および
10%未満のPOPを含み、
前記パーセンテージは、前記組成物中に存在する全トリグリセリドに基づく重量パーセントであり、
そして、前記組成物は、以下のN値:
45未満のN35、および
80を超えるN10を有する、組成物。
【請求項2】
前記組成物中に存在する全トリグリセリドに基づき8重量%未満のPOPを含む、請求項1に記載の脂肪組成物。
【請求項3】
6
5~
75重量%のシアステアリンおよび2
5~
35重量%のイリペバターを含む、請求項1または2に記載の脂肪組成物。
【請求項4】
50を超えるN25を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の脂肪組成物。
【請求項5】
前記脂肪組成物中に存在するC12~C24脂肪酸に基づき1~10重量%のパルミチン酸含有量を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の脂肪組成物。
【請求項6】
前記脂肪組成物中に存在するC12~C24脂肪酸に基づき45~75重量%のステアリン酸含有量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の脂肪組成物。
【請求項7】
前記StOStの含有量が60~70重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載の脂肪組成物。
【請求項8】
前記POStの含有量が11~16重量%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の脂肪組成物。
【請求項9】
60~80重量%のシアステアリンを20~40重量%のイリペバターと混合することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪組成物を製造するためのプロセス。
【請求項10】
カカオバター改良剤としての、請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
【請求項11】
脂肪含有菓子製品の耐熱性を改良するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物を含む菓子製品であって、前記菓子製品は、
10~90重量%の脂肪を含
み、前記脂肪は、
30~55重量%のStOSt、
20~40重量%のPOSt、および
5~30重量%のPOPを含み、
前記パーセンテージは前記脂肪の重量に基づいている、菓子製品。
【請求項13】
カカオバターを含む、請求項1
2に記載の菓子製品。
【請求項14】
カカオパウダー、砂糖およびレシチンから選択される1つ以上の成分を含む、請求項12
又は13に記載の菓子製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪組成物、この組成物の使用、およびこの組成物を含む菓子製品に関する。
【0002】
カカオバターなどのトリグリセリド脂肪は、製菓業界において広く使用されている。例えば、チョコレートは、主要なまたは唯一のトリグリセリド脂肪として、カカオバターを含んでいる。カカオバターを、部分的にまたは完全に他のトリグリセリド脂肪で置き換える、チョコレート様製品の市場も存在している。これらのチョコレート様製品は、時折、複合製品としても知られている。
【0003】
カカオバター等価物(CBE)およびカカオバター改良剤(CBI)は、菓子用途においてカカオバターと組み合わせて使用することができる脂肪組成物である。CBEおよびCBIを製造するために使用できる適切な脂肪は、パーム油、イリペバター、サル脂、シアバター、コクム脂およびマンゴー核油である。CBEは、しばしば、カカオバターに近いトリグリセリド組成を有するこれらの脂肪の分画型である。CBIは、耐熱性が高められたカカオバター代替物であり、一般的に、存在するカカオバターの量と比較して比較的少量で添加される。
【0004】
EP-A-1776870は、高温に対する耐性を高めるために、ヤシと混合したシア系CBIまたはシア系CBEを開示している。CBIは、CBEと比較して比較的大量に存在する。
【0005】
US4,276,322は、好ましくは、合成的に調製され、パーム中間画分のような高POP脂肪と組み合わせて使用される、SOS/POS脂肪に基づくチョコレート用脂肪ブレンドを開示している。チョコレートの硬い脂肪として使用することができる多くのブレンドが開示されている。
【0006】
EP-A-2068640は、パーム核油などのラウリン酸脂肪を含有し、30~56重量%のラウリン酸(C12脂肪酸)含有量を有するコーティングまたは充填組成物に関する。これらの組成物は、1~7重量%のステアリン酸しか含まない。
【0007】
特に熱帯条件下で耐熱性の増加を提供することができるカカオバター改良剤(CBI)が依然として必要とされている。入手可能な材料から比較的容易に調製することができる、そのような組成物に対する必要性もまた存在している。さらに、高温に起因するチョコレートおよびチョコレート様製品などの菓子製品における形状変形およびブルーミングを低減または抑制することができる、そのような組成物に対する必要性が存在している。
【0008】
本発明によれば、
55~75%のStOSt、
10~25%のPOSt、および
10%未満のPOPを含む脂肪組成物が提供され、
上記パーセンテージは、組成物中に存在する全トリグリセリドに基づく重量パーセントであり、
そして、上記組成物は、以下のN値:
45未満のN35、および
80を超えるN10を有する。
【0009】
別の態様において、本発明は、60~80重量%のシアステアリンを20~40重量%のイリペバターと混合することを含む、本発明の脂肪組成物を製造するためのプロセスを提供する。
【0010】
カカオバター改良剤(CBI)としての本発明の脂肪組成物の使用もまた、本発明によって提供される。
【0011】
脂肪含有菓子製品の耐熱性を増加させるための、本発明の脂肪組成物の使用が、本発明によってさらに提供される。
【0012】
本発明はまた、脂肪含有菓子製品のブルーミングを減少させるための本発明の脂肪組成物の使用も提供する。
【0013】
本発明の別の態様は、10~90重量%の脂肪を含む菓子製品であり、脂肪は、
30~55重量%のStOSt、
20~40重量%のPOSt、および
5~30重量%のPOPを含み、
上記パーセンテージは脂肪の重量に基づいている。
【0014】
驚くべきことに、この脂肪組成物は、CBIとして使用したときに、特性の改良を示すことが見出された。特に、この脂肪組成物は、チョコレートまたはチョコレート様製品などの脂肪含有菓子製品の耐熱性を改良することができる。例えば、この菓子製品は、25~37℃の範囲の温度に加熱されたときに耐熱性を示し得る。
【0015】
本発明の脂肪組成物は、好ましくは、
60~70%のStOSt、
11~20%のPOSt、および
1~9%のPOPを含み、
上記パーセンテージは、組成物中に存在する全トリグリセリド基づく重量パーセントである。脂肪組成物は、典型的には、少なくとも90重量%のトリグリセリド、好ましくは少なくとも95重量%のトリグリセリドを含有する。少量のモノグリセリドおよび/またはジグリセリドが、脂肪組成物中に存在してもよい。
【0016】
StOSt、POStおよびPOPという用語は、当該技術分野におけるそれらの通常の意味をとり、それぞれ、1,3-ジステアロイル-2-オレオイルグリセロール、1-パルミトイル-2-オレオイル-3-ステアロイルグリセロール、および1,3-ジパルミトイル-2-オレオイルグリセロールである、トリグリセリドを指す。
【0017】
好ましくは、この脂肪組成物のStOSt含有量は、組成物中に存在する全トリグリセリドに基づき60~70重量%、さらにより好ましくは62~68重量%である。
【0018】
好ましくは、この脂肪組成物は、組成物中に存在する全トリグリセリドに基づき11~16重量%のPOSt含有量を有する。
【0019】
好ましくは、この脂肪組成物は、組成物中に存在する全トリグリセリドに基づき8重量%未満のPOP、例えば、この組成物中に存在する全トリグリセリドに基づき1~7重量%のPOP、例えば、2~6重量%のPOPを含む。
【0020】
本発明の脂肪組成物は、シアステアリンおよびイリペバターを含んでもよい。好ましくは、この脂肪組成物は、60~80重量%のシアステアリンおよび20~40重量%のイリペバター、より好ましくは、65~75重量%のシアステアリンおよび25~35重量%のイリペバターを含む。この脂肪組成物は、シアステアリンおよびイリペバターに加えて、例えば、組成物の10重量%以下の量で、1種以上の他の脂肪または油を任意に含んでもよい。好ましくは、この脂肪組成物は、シアステアリンおよびイリペバターからなり、すなわち、他の脂肪または油が加えられていない。
【0021】
本発明の脂肪組成物は、好ましくは、この脂肪組成物中に存在するC12~C24脂肪酸に基づき1~10重量%のパルミチン酸を含む。全部ではないにしても、大部分のパルミチン酸は、グリセリド中に共有結合形態で存在する(すなわち、トリグリセリドならびに存在し得る任意のモノグリセリドおよびジグリセリド)。
【0022】
本発明の脂肪組成物は、好ましくは、脂肪組成物中に存在するC12~C24脂肪酸に基づき45~75重量%のステアリン酸を含む。全部ではないにしても、大部分のステアリン酸は、グリセリド中に共有結合形態で存在する(すなわち、トリグリセリドならびに存在し得る任意のモノグリセリドおよびジグリセリド)。
【0023】
本発明の脂肪組成物は、好ましくは、脂肪組成物中に存在するC12~C24の脂肪酸に基づき25~35重量%のオレイン酸を含む。全部ではないにしても、大部分のオレイン酸は、グリセリド中に共有結合形態で存在する(すなわち、トリグリセリドならびに存在し得る任意のモノグリセリドおよびジグリセリド)。
【0024】
本発明の脂肪組成物は、脂肪組成物中に存在するC12~C24脂肪酸に基づき、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、例えば1重量%未満のラウリン酸を含む。いかなるラウリン酸も、典型的には、グリセリド中に共有結合形態で存在する(すなわち、トリグリセリドならびに存在し得る任意のモノグリセリドおよびジグリセリド)。
【0025】
本発明の組成物中に存在する脂肪酸のレベルは、例えば、ISO 15304に従って、脂肪酸メチルエステル分析(FAME)ガスクロマトグラフィーを使用するなど、当業者に周知の方法によって決定することができる。
【0026】
本明細書で使用される「脂肪酸」という用語は、12~24個の炭素原子を有する直鎖の飽和または不飽和(モノ-およびポリ-不飽和を含む)カルボン酸を指す。n個の炭素原子およびx個の二重結合を有する脂肪酸は、Cn:xと表すことができる。例えば、パルミチン酸はC16:0と表すことができ、オレイン酸はC18:1と表すことができる。本明細書で言及される組成物中の脂肪酸のパーセンテージは、当該技術分野における慣習的な専門用語と同様に、グリセリド中に存在するトリ-、ジ-、およびモノ-グリセリド中のアシル基を含む。
【0027】
本発明の脂肪組成物は以下のN値:
45未満、好ましくは30未満、さらにより好ましくは25未満のN35、および
80を超える、好ましくは85を超えるN10を有する。
【0028】
本明細書で使用するNxという用語は、26℃で安定している脂肪上で実行されるNMRパルス技術によって測定された、x℃の温度における固形脂肪含有量を指す。N値を決定するための方法は、IUPAC 2.150aの方法である。
【0029】
脂肪組成物は、好ましくは50を超える、より好ましくは60を超える、例えば、70を超えるN25を有する。脂肪組成物のN20は、好ましくは80を超える。N30は、好ましくは60を超える。N40は、好ましくは10未満、より好ましくは5未満である。
【0030】
本発明の特に好ましい脂肪組成物は、
50~60%のStOSt、
11~15%のPOSt、および
2~7%のPOPを含み、
上記パーセンテージは、組成物中に存在する全トリグリセリドに基づく重量パーセントであり、
そして、前記組成物は、以下のN値:
10未満のN40、
30未満のN35、
60を超えるN30、
70を超えるN25、および
80を超えるN10を有する。
【0031】
本発明の脂肪組成物は、好ましくは、植物起源のものである。植物起源の脂肪は、植物源から直接的または間接的に得られる。植物性脂肪は、好ましくは、精製されている。本明細書で使用される「精製された」という用語は、脂肪の純度が、少なくとも、漂白、それに続く濾過および脱臭(蒸気精製によるなど)の工程を含むプロセスによって増加するプロセスを指す。脂肪は、典型的には、水素化されていない。
【0032】
植物性脂肪は、有意な量のコレステロールを含まないので、本発明の脂肪組成物および脂肪ブレンドは、好ましくは、1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満のコレステロールを含む。
【0033】
また、非水素化植物性脂肪は、有意な量のトランス脂肪を含まないので、本発明の脂肪組成物および脂肪ブレンドは、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満のトランス脂肪酸を含む。
【0034】
本発明の菓子製品は、10~90重量%の脂肪を含み、ここで脂肪は、
30~55重量%のStOSt、
20~40重量%のPOSt、および
5~30重量%のPOPを含み、
上記パーセンテージは、製品中の脂肪の重量に基づいている。
【0035】
本発明の好ましい菓子製品は10~90重量%の脂肪を含み、ここで脂肪は、
35~50重量%のStOSt、
25~35重量%のPOSt、および
8~28重量%のPOPを含み、
上記パーセンテージは、脂肪の重量に基づいている。
【0036】
本発明のより好ましい菓子製品は、10~90重量%の脂肪を含み、ここで脂肪は、
35~40重量%のStOSt、
30~35重量%のPOSt、および
20~30重量%のPOPを含み、
上記パーセンテージは、脂肪の重量に基づいている。
【0037】
この菓子製品は、好ましくは、本発明の脂肪組成物を含む。
【0038】
好ましくは、本発明の菓子製品はカカオバターを含む。
【0039】
より好ましくは、この菓子製品は、カカオバターと本発明の脂肪組成物とを、3:2~4:1、さらにより好ましくは2:1~3:1のカカオバター:脂肪組成物の重量比で含む。
【0040】
本発明に従って製造される菓子製品は、典型的には、チョコレートまたはチョコレート様製品(すなわち、チョコレートに似ているが、唯一の脂肪としてカカオバターを含むチョコレートと比較して、カカオバターの一部または全部を置き換える脂肪を含む製品)であり、例えば、バーおよび菓子コーティングから選択することができる。
【0041】
この菓子製品は、好ましくは、砂糖(より好ましくはスクロース)、脱脂粉乳、カカオバター、および乳化剤(例えば、レシチン、PGPR、ソルビタントリステアレートまたはこれらの混合物)などの1種以上のさらなる成分を含む。さらなる任意成分としては、香料(例えば、バニリン、ミント、オレンジなど)、ならびに菓子類および果物片などの含有物が挙げられる。
【0042】
本発明の菓子製品は、好ましくは、カカオパウダー、砂糖およびレシチンから選択される1つ以上の成分を含む。
【0043】
好ましくは、チョコレート様菓子製品は、本発明の脂肪組成物およびカカオバターを含むカカオ由来材料と共に、30~70重量%のスクロースおよび0.1~1重量%のレシチンを含む。
【0044】
コーティングが、菓子またはベーカリー製品に塗布されてもよい。本明細書で使用される「ベーカリー製品」という用語は、典型的には、ベーカリーで製造または販売され、他の方法で製造することもできるが、好ましくは、焼くかまたは揚げた製品を指す。コーティングは、部分的または全体的であり得、そしてコーティングが完了すると、本発明の組成物はベーカリー製品を封入する。ベーカリー製品は、好ましくは、小麦粉を使用して製造される。ベーカリー製品の例は、ドーナツ、ケーキ、ビスケット、ペストリー、およびクッキーである。ドーナツは、任意に、ジャムまたはゼリーを含む。
【0045】
コーティングされたベーカリー製品は、この組成物の融点周辺またはそれ以上(例えば、35℃より上)までこの組成物を加熱し、コーティングされていないベーカリー製品にこの組成物を塗布し(例えば、コーティングされていないベーカリー製品にこの組成物を注ぐことによって、またはコーティングされていないベーカリー製品をこの組成物中に浸漬することによって)、そしてそれを冷却させることによって(または強制冷却によって)この組成物の融点より下まで温度を低下させることによって、製造することができる。適切な方法は当業者に周知である。
【0046】
コーティングされたベーカリー製品は、アイシングおよび/またはチョコレートストランドまたはチップまたはシュガーストランド(単色または多色であり得る)のような、この組成物のコーティングに付着する成分でさらに装飾されてもよい。
【0047】
菓子製品もまた、本発明の組成物で被覆することができる。適切な菓子製品は、チョコレート、チョコレート様製品、およびゼリーを含む。
【0048】
本発明の所定の態様、実施形態、特徴またはパラメータについての優先度および選択肢は、別段文脈が示さない限り、本発明の全ての他の態様、実施形態、特徴およびパラメータについてのいかなるおよび全ての優先度および選択肢とも組み合わせて開示されているものとみなされるべきである。例えば、脂肪組成物の好ましい特徴は、脂肪組成物が菓子製品に使用されるときに適用することができる。
【0049】
本明細書における明白な先行公開文献の列挙または考察は、その文献が当該技術分野状態の一部であるかまたは共通の一般知識であることを認めるものとして必ずしも解釈されるべきではない。
【0050】
以下の非限定的な実施例は本発明を例解し、いかなるやり方においてもその範囲を限定するものではない。実施例において、および本明細書を通して、他に示されない限り、全てのパーセンテージ、部および比率は重量による。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の脂肪組成物を含む菓子製品が、形状を保持し、ブルーミングに抵抗する能力に関する試験の結果を示す。
【
図2】本発明の脂肪組成物を含む菓子製品が、形状を保持し、ブルーミングに抵抗する能力に関する試験の結果を示す。
【実施例】
【0052】
実施例は、図面の参照を含み、ここで、
図1および
図2は、本発明の脂肪組成物を含む菓子製品が、形状を保持し、ブルーミングに抵抗する能力に関する試験の結果を示す。
【0053】
実施例1
表1aに提供するような脂肪ブレンドを調製し、ここで、PMFはパーム中間画分、SHは75%のStOSt、7%のPOSt、および2%のPOPを含有するシアステアリン画分である。
【0054】
以下の表(表1b)は、イリペバター、シアステアリン(SH)およびカカオバター(CB)ならびに本発明によるブレンドのStOSt、POStおよびPOP含有量を示す。
【0055】
【0056】
実施例3-テンパリング
この試験では、実施例2のチョコレート製品を高温にし、その後、周囲温度(25℃)に戻すサイクルを含む。
【0057】
テスト1:5サイクル
サイクル1は37℃に加熱し、8時間保持し、20℃まで温度を下げ、そして16時間保持する。4回繰り返し、最後に、周囲温度に保持し、ブルーミングまでの時間を測定する。
【0058】
図1および
図2は試験結果を示す。これらの図は、レシピが1<2<3<4<5の順序で形状を保持し、そしてブルーミングに抵抗するそれらの能力が増加したことを示す。