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特許7108114プログラム、サーバ、システム、及びデータ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、システム、及びデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20220720BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220720BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06Q10/06 332
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021149082
(22)【出願日】2021-09-14
【審査請求日】2021-12-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】倉林 修一
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-136845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06Q 10/06
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御手段、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録手段、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化手段、及び、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記記録手段は、前記ディスプレイに表示された前記コンテンツの一部分の大きさを示す値をタイムスタンプ付きで前記ログデータにさらに記録し、
前記正規化手段は、前記正規化処理として、前記ログデータが示す前記コンテンツの一部分の大きさを示す値を前記コンテンツの全長情報で正規化する処理をさらに行う請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示位置情報では、前記コンテンツの最初を基準にした値で前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示し、
前記正規化手段は、
前記経過時間を前記総時間で割った値に第1の基準値を掛けることで、前記ログデータが示す前記経過時間を正規化するとともに、
前記表示位置情報で示される前記コンテンツの最初を基準にした値を前記コンテンツの全長情報で示される前記コンテンツの全長を示す値で割った値に第2の基準値を掛けることで、前記ログデータが示す前記表示位置情報を正規化し、
前記第1の基準値と前記第2の基準値は同じ値である請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信部と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算部と、
を有し、
前記演算部は、
複数の前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して統計処理を実行し、前記経過時間と前記表示位置情報との対応関係の傾向を示すデータを作成するサーバ。
【請求項5】
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信部と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算部と、
を有し、
前記演算部は、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに基づき、前記コンテンツ内の所定単位毎に閲覧された程度を示す閲覧スコアを算出するサーバ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラムをインストールされた複数のユーザ端末と、
請求項4又は5に記載のサーバと、
を有するシステム。
【請求項7】
コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御工程と、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録工程と、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化工程と、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信工程と、
を実行するデータ処理方法。
【請求項8】
コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信工程と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算工程と、
を実行し、
前記演算工程では、
複数の前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して統計処理を実行し、前記経過時間と前記表示位置情報との対応関係の傾向を示すデータを作成するデータ処理方法。
【請求項9】
コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信工程と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算工程と、
を実行し、
前記演算工程では、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに基づき、前記コンテンツ内の所定単位毎に閲覧された程度を示す閲覧スコアを算出するデータ処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信手段、及び、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算手段、
として機能させ
前記演算手段は、
複数の前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して統計処理を実行し、前記経過時間と前記表示位置情報との対応関係の傾向を示すデータを作成するプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信手段、及び、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算手段、
として機能させ
前記演算手段は、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに基づき、前記コンテンツ内の所定単位毎に閲覧された程度を示す閲覧スコアを算出するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、サーバ、システム、及びデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、各ユーザが閲覧した1又は複数のマンガに対する各ユーザの興味度を算出し、算出した興味度に基づき各ユーザに通知する最適コンテンツを決定する手法を開示している。各マンガに対する興味度の算出手段として、ストーリー読破、未読破、未読等の閲覧状況に応じてポイントを加算/減算し、算出されたポイントに基づき各マンガに対する興味度を算出することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5851065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術の場合、読破、未読破、未読等のユーザ行動を、コンテンツの1話単位の粒度で検出している。しかし、各コンテンツに対するユーザの行動をより細かい粒度で検出することが望まれている。
【0005】
本発明は、各コンテンツに対するユーザの行動を従来技術よりも細かい粒度で検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御手段、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録手段、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化手段、及び、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信部と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算部と、
を有するサーバが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
前記プログラムをインストールされた複数のユーザ端末と、前記サーバと、を有するシステムが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御工程と、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録工程と、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化工程と、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信工程と、
を実行するデータ処理方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信工程と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算工程と、
を実行するデータ処理方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信手段、及び、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各コンテンツに対するユーザの行動を従来技術よりも細かい粒度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のシステムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】本実施形態のユーザ端末の機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】本実施形態の縦読みマンガの構成を説明するための図である。
図4】本実施形態のコンテンツの一部分がディスプレイに表示された様子の一例を示す図である。
図5】本実施形態のコンテンツの一部分がディスプレイに表示された様子の一例を示す図である。
図6】本実施形態のシステムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図7】本実施形態のシステムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図8】本実施形態のユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態のサーバの機能ブロック図の一例を示す図である。
図10】本実施形態のサーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図12】本実施形態の実施例の構成を示す図である。
図13】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
図14】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
図15】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
図16】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
図17】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
図18】本実施形態の実施例で処理する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<概要>
本実施形態の技術では、アイトラッカー等の外部計測機器を使わずに、ユーザがコンテンツのどの位置をどの程度の時間閲覧しているか計測する。そして、本実施形態の技術では、ユーザ毎に異なる閲覧スピード、コンテンツ毎に異なるコンテンツの長さ、デバイス特性やユーザの閲覧の仕方に応じて異なるディスプレイに表示されているコンテンツの一部分の大きさ等を考慮して上記計測結果を正規化することにより、複数のコンテンツ間での計測結果の比較や、複数のユーザに跨った計測結果の解析等を可能にする。
【0016】
本実施形態は、縦読みマンガのように、ディスプレイに表示する位置をユーザ操作に応じて所定方向(ストーリーを進める方向及びストーリーを戻す方向)に移動させながら閲覧されるコンテンツを処理対象とし、コンテンツを閲覧するユーザの行動のKPI(Key Performance Indicator)を従来技術よりも細かい粒度で算出する技術に関する。
【0017】
従来のKPIは、例えばコンテンツの1話単位のKPIであり、eコマースのKPIを拡張した指標に過ぎなかった。本実施形態では、コンテンツ(例えば、マンガ1話)を読了するまでに、コンテンツのどの部分が、どの程度の時間、ディスプレイに表示されているかをソフトウエアによる処理を用いて計測し、可視化・統計処理する。
【0018】
ここで、縦読みマンガは、表示する箇所を縦方向に切れ目なくスクロールできる1枚の画像のようなものであり、縦読みマンガを表示している端末を介して縦読みマンガのスクロール状況を高精度にトラッキングすることができる。本実施形態によれば、ユーザによる縦読みマンガの閲覧行為を、「縦方向に長い画像の中でディスプレイに表示される位置が上下する運動の時間的な記録」として正規化されたモデルに変換することにより、ユーザの閲覧行為を例えば約400KB程度(4バイト符号なし整数×10万個)の正規化されたバイト配列で表すことができる。
【0019】
ユーザ毎に異なる閲覧スピード、コンテンツ毎に異なるコンテンツの長さ、デバイス特性やユーザの閲覧の仕方に応じて異なるディスプレイに表示されているコンテンツの一部分の大きさ等を考慮して計測結果を正規化することにより、さまざまな統計処理・可視化処理を行うことができる。
【0020】
統計処理の一例として、特定のピクセル、ピクセルの集合であるコマ、又はコマの中のキャラクタ毎に、より長い時間、ウインドウの中心により近い場所で表示されているほど高くなる「閲覧スコア」を算出する。そして、算出結果をコンテンツ上にヒートマップとして可視化することができる。また、他にも、ユーザが離脱(閲覧を途中で終了)する傾向が強い箇所の検出、ユーザが時間をかけて読んでいる傾向が強い箇所の検出、ユーザが読み飛ばす傾向が強い箇所の検出、というような、これまでにない細かい粒度のKPIを提供することができる。
【0021】
「システムの全体構成」
図1に示すように、システム1はユーザ端末10とサーバ20を有する。ユーザ端末10とサーバ20とは、インターネット等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に構成されている。
【0022】
ユーザ端末10は、コンテンツを閲覧するユーザが操作する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートウォッチ、インターネットに接続する機能を備えたテレビ等が例示されるが、これらに限定されない。
【0023】
サーバ20は、各ユーザ端末10で検出されたコンテンツに対するユーザ操作を示すデータを取得し、当該データを解析する機能を備える。
【0024】
「機能構成」
次に、ユーザ端末10及びサーバ20各々の機能構成を説明する。
【0025】
<ユーザ端末10>
図2に、ユーザ端末10の機能ブロック図の一例を示す。図示するようにユーザ端末10は、表示制御部11、記録部12、記憶部13、正規化部14及び送信部15を有する。これら機能部は、ユーザ端末10に所定のアプリケーション(プログラム)をインストールすることで実現される。
【0026】
表示制御部11は、ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じてディスプレイに表示するコンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える。
【0027】
コンテンツは、端末のディスプレイに表示して閲覧される電子コンテンツである。本実施形態では、コンテンツは、縦読みマンガであるものとする。例えば縦読みマンガの一話分や、縦読みマンガの1巻分等が、本実施形態のコンテンツとなる。なお、以下でコンテンツの変形例を例示する。
【0028】
縦読みマンガは、図3に示すように、1枚の縦長の画像のようなものである。なお、1つの画像ファイルで図3に示すような1枚の縦長の画像が構成されてもよいし、複数の画像ファイルをつなぎ合わせて図3に示すような1枚の縦長の画像が構成されてもよい。
【0029】
表示制御部11は、図3に示すようなコンテンツを一部分ずつディスプレイに表示する。図3の枠Wで囲まれている箇所がディスプレイに表示されている一部分である。そして、表示制御部11は、ユーザ操作に応じてディスプレイに表示するコンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える。第1の方向は、ストーリーを進める方向であり、図3の下方向である。第2の方向は、ストーリーを戻す方向であり、図3の上方向である。なお、表示制御部11は、ディスプレイに表示するコンテンツの一部分を上記第1の方向及び第2の方向以外の方向に移動させる処理は行わない。
【0030】
図4に、ユーザ端末10のディスプレイにコンテンツの一部分が表示されている様子を示す。例えば、ユーザ端末10は、コンテンツを提供するコンテンツ提供サーバからコンテンツを受信する。上述したサーバ20がコンテンツ提供サーバであってもよい。そして、表示制御部11は、コンテンツ提供サーバから受信したコンテンツを処理し、図4に示すようにユーザ端末10のディスプレイに表示する。
【0031】
コンテンツを表示した後、表示制御部11は、ユーザ端末10の入力装置を介して、コンテンツの表示位置を切り替えるユーザ操作を受付ける。そして、表示制御部11は、ユーザ操作に応じて、ディスプレイに表示するコンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える。入力装置は、タッチパネル、物理ボタン、マイク、キーボード、マウス等が例示されるがこれらに限定されない。表示制御部11は、これらの入力装置を介して、表示箇所を第1の方向に移動させる入力、及び表示箇所を第2の方向に移動させる入力を受付ける。
【0032】
なお、図4に示すようにディスプレイの全体にコンテンツが表示される場合もあれば、図5に示すようにディスプレイの一部分にコンテンツが表示される場合もある。
【0033】
本実施形態では、ディスプレイの上記第1の方向及び第2の方向(すなわちコンテンツをスクロールさせる方向)の長さを「ディスプレイ長さ」と呼ぶ。また、本実施形態では、コンテンツを表示しているウインドウの上記第1の方向及び第2の方向(すなわちコンテンツをスクロールさせる方向)の長さを「ウインドウ長さ」と呼ぶ。そして、コンテンツを表示しているウインドウのウインドウ長さ方向の中央を「ウインドウ中央」と呼ぶ。ディスプレイ長さとウインドウ長さとは異なる概念である。
【0034】
図2に戻り、記録部12は、ユーザ端末10のディスプレイに表示されているコンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する。
【0035】
上述の通り、表示制御部11は、コンテンツを一部分ずつディスプレイに表示する。そして、表示制御部11は、ディスプレイに表示するコンテンツの一部分を、ユーザ操作に応じて切り替える。表示位置情報は、各タイミングでコンテンツのどの箇所(コンテンツのどの一部分)がディスプレイに表示されていたかを示す。
【0036】
表示位置情報は、コンテンツの最初を基準にした値で、ディスプレイに表示されているコンテンツの一部分を示す。当該値は、コンテンツの長さ方向(図3参照)に沿って並んだピクセルの通番(一番上の行から何番目の行かを示す値)であってもよい。その他、当該値は、コンテンツの長さ方向(図3参照)に沿って並んだコマの通番(一番上の行から何番目の行かを示す値)であってもよい。例えばウインドウ中央に位置するピクセルやコマの通番が表示位置情報として記録されてもよいし、ウインドウの中のその他の所定の箇所に位置するピクセルやコマの通番が表示位置情報として記録されてもよい。
【0037】
本実施形態では、タイムスタンプは日時情報を示すものとする。変形例として、タイムスタンプはコンテンツの閲覧開始時点からの経過時間を示してもよい。コンテンツの閲覧開始時点は、例えばコンテンツが端末装置10に表示されたタイミングであるが、その他のタイミングを閲覧開始時点と定義してもよい。
【0038】
また、記録部12は、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさを示す値をタイムスタンプ付きでログデータにさらに記録してもよい。ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさは、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の長さ(コンテンツの長さ方向の長さ)である。以下、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(長さ)を示す値を表示部分情報と呼ぶ。表示部分情報は、例えばピクセル数で示される。
【0039】
コンテンツを表示するウインドウの大きさの切り替えや、ウインドウに表示されているコンテンツの拡大/縮小等に応じて、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(長さ)は切り替わる。ウインドウが小さくなるほどコンテンツの一部分の大きさ(長さ)は小さくなり、ウインドウが大きくなるほどウインドウに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(長さ)は大きくなる。また、ウインドウに表示されているコンテンツを拡大するほどウインドウに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(長さ)は小さくなり、ウインドウに表示されているコンテンツを縮小するほどウインドウに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(長さ)は大きくなる。表示部分情報は、各タイミングでディスプレイに表示されていたコンテンツの一部分の大きさを示す。
【0040】
図6に、記録部12が記録したログデータの一例を模式的に示す。図示する例では、閲覧されたコンテンツのコンテンツ識別情報に紐付けて、表示位置情報、表示部分情報及びタイムスタンプの組み合わせが登録されている。記録部12は、このようなログデータを、記憶部13に記憶させる。
【0041】
図2に戻り、正規化部14は、記憶部13に記憶される上記ログデータに対して以下の正規化処理を行う。
【0042】
(処理1)ログデータが示す「閲覧開始からの経過時間」を、コンテンツをディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化する。
(処理2)ログデータが示す「ディスプレイに表示された一部分を示す値」を、コンテンツの全長情報で正規化する。
【0043】
正規化部14は、上記処理1及び2に加えて、以下の正規化処理をさらに行うことができる。
【0044】
(処理3)ログデータが示す「ディスプレイに表示された一部分の大きさを示す値」を、コンテンツの全長情報で正規化する。
【0045】
処理1について説明する。処理1では、正規化部14は、「閲覧開始からの経過時間」を「コンテンツをディスプレイに表示して閲覧した総時間」で割った値に第1の基準値nを掛けることで、「閲覧開始からの経過時間」を正規化する。
【0046】
総時間は、コンテンツの読了に要した時間であり、ユーザ毎に又各回の閲覧毎に異なり得る。総時間は、ログデータに基づき算出される。ログデータの中のどの時点を閲覧開始時点とし、どの時点を閲覧終了時点と定義するかは、設計的事項である。「閲覧開始からの経過時間」を「コンテンツをディスプレイに表示して閲覧した総時間」で割る演算は、「総時間」に対する「その経過時間」の割合の算出を意味する。当該正規化処理によれば、いずれのユーザによるいずれのコンテンツの閲覧においても、「閲覧開始からの経過時間」は0~nの値で表されることになる。
【0047】
により、閲覧開始から閲覧終了までの分解能が定まる。例えば、n=100000程度とすることができる。具体例を説明する。総時間が3分(=180000ミリ秒)であり、n=100000とすると、1単位時間は1.8ミリ秒(=180000/100000)となる。この場合、例えば閲覧開始から2分経過した時点は、66667(=2×100000/3)と表される。
【0048】
次に、処理2について説明する。処理2では、正規化部14は、表示位置情報で示される「ディスプレイに表示された一部分を示す値」をコンテンツの全長情報で示される「コンテンツの全長を示す値」で割った値に第2の基準値nを掛けることで、「ディスプレイに表示された一部分を示す値」を正規化する。「ディスプレイに表示された一部分を示す値」を「コンテンツの全長を示す値」で割る演算は、「コンテンツの全長」に対する「コンテンツの冒頭からディスプレイに表示された一部分までの長さ」の割合の算出を意味する。当該正規化処理によれば、いずれのユーザによるいずれのコンテンツの閲覧においても、「ディスプレイに表示されている一部分を示す値」は0~nの値で表されることとなる。なお、「ディスプレイに表示されている一部分を示す値」は、コンテンツの表示位置、すなわちユーザが閲覧している位置を示す。
【0049】
により、コンテンツの表示位置の分解能が定まる。例えば、n=100000程度とすることができる。なお、nはnと同じ値とすることが好ましいが、nと異なる値としてもよい。具体例を説明する。まず、コンテンツの表示位置がピクセルの通番で表される場合の例を説明する。例えばコンテンツの表示位置が500行目のピクセルであり、コンテンツが50000行のピクセルで構成される場合、その表示位置は1000(=500×100000/50000)と表される。次に、コンテンツの表示位置がコマの通番で表される場合の例を説明する。例えばコンテンツの表示位置が10行目のコマであり、コンテンツが50行のコマで構成される場合、その表示位置は20000(=10×100000/50)と表される。
【0050】
次に、処理3について説明する。処理3では、正規化部14は、表示部分情報で示される「ディスプレイに表示された一部分の大きさを示す値」をコンテンツの全長情報で示される「コンテンツの全長を示す値」で割った値に第3の基準値nを掛けることで、「ディスプレイに表示された一部分の大きさを示す値」を正規化する。「ディスプレイに表示された一部分の大きさを示す値」を「コンテンツの全長を示す値」で割る演算は、「コンテンツの全長」に対する「ディスプレイに表示された一部分の長さ」の割合の算出を意味する。当該正規化処理によれば、いずれのユーザによるいずれのコンテンツの閲覧においても、「ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさ」は0~nの値で表されることとなる。
【0051】
により、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさの分解能が定まる。例えば、n=100000程度とすることができる。なお、nは、n及びnと同じ値とすることが好ましいが、n及びnと異なる値としてもよい。具体例を説明する。まず、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさ(コンテンツの長さ方向のピクセル数)が100ピクセルであり、コンテンツが50000行のピクセルで構成される場合、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさは200(=100×100000/50000)と表される。
【0052】
図7に、図6のログデータを正規化したデータを示す。図7に示す正規化後のログデータでは、閲覧開始からの経過時間毎に、正規化された表示位置情報及び表示部分情報が記録されている。
【0053】
図2に戻り、送信部15は、正規化処理がなされたログデータを外部装置に送信する。外部装置は、例えばサーバ20である。
【0054】
次に、図8のフローチャートを用いて、ユーザ端末10の処理の流れの一例を説明する。
【0055】
ユーザ端末10は、ユーザ操作に応じてディスプレイへのコンテンツの一部分の表示を開始すると(S10)、その後、ユーザ操作に応じてディスプレイに表示するコンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替えるとともに、ログデータの記録を開始する(S11)。ログデータでは、ディスプレイに表示されているコンテンツの一部分を示す表示位置情報がタイムスタンプ付きで記録される。また、ログデータでは、ディスプレイに表示されたコンテンツの一部分の大きさを示す表示部分情報がタイムスタンプ付きで記録されてもよい。ユーザ端末10は、ディスプレイにコンテンツを表示している間、S11の処理を行う。
【0056】
そして、ユーザ端末10は、ユーザ操作に応じてディスプレイへのコンテンツの一部分の表示を終了すると(S12)、その後、S11の処理で記録されたログデータを正規化する処理を行う(S13)。正規化処理の詳細は上述したので、ここでの説明は省略する。
【0057】
その後、ユーザ端末10は、正規化処理がなされたログデータを、サーバ20等の外部装置に送信する。
【0058】
<サーバ20>
図9に、サーバ20の機能ブロック図の一例を示す。図示するようにサーバ20は、受信部21、演算部22及び記憶部23を有する。これら機能部は、サーバ20に所定のアプリケーション(プログラム)をインストールすることで実現される。
【0059】
受信部21は、ユーザ端末10から正規化処理がなされたログデータを受信する。受信部21は、複数のユーザ端末10から、各ユーザ端末10を操作しているユーザのユーザ識別情報に紐付けて、正規化処理がなされたログデータを受信することができる。受信部21は、受信したデータを記憶部23に記憶させる。
【0060】
演算部22は、受信部21が受信した正規化処理がなされたログデータに対して演算処理を行う。
【0061】
例えば、演算部22は、コンテンツ毎に、複数のユーザの正規化処理がなされたログデータを統計処理し、各コンテンツに対する複数のユーザの閲覧傾向を算出してもよい。その他、演算部22は、ユーザ毎に、正規化処理がなされたログデータを統計処理し、各ユーザの閲覧傾向を算出してもよい。
【0062】
例えば、演算部22は、閲覧開始からの経過時間と、表示位置(閲覧位置)との対応関係の傾向を示すデータを作成してもよい。
【0063】
また、演算部22は、コンテンツ内の所定単位毎に閲覧された程度を示す閲覧スコアを算出してもよい。所定単位は、ピクセル、コマ、ページ、キャラクタ等が例示される。演算部22は、「ウインドウの中心により近い場所で表示されている時間が多いほど高くなる」という基準で、所定単位毎に閲覧スコアを算出してもよい。
【0064】
そして、演算部22は、閲覧スコアが基準値以上である所定単位を抽出し、出力してもよい。閲覧スコアが基準値以上である箇所は、ユーザが繰り返しじっくり読みたい箇所、難解で理解しがたい箇所、人気キャラクタが存在する箇所等である可能性が高い。このような特徴的な箇所を抽出し、例えば作家にフィードバックすることで、コンテンツの向上が期待される。
【0065】
また、演算部22は、閲覧スコアの算出結果をコンテンツ上にヒートマップとして可視化してもよいし、閲覧スコアの算出結果をランキング方式(複数の所定単位を閲覧スコアの順に並べて表示)で表示してもよい。
【0066】
各ユーザの各コンテンツの閲覧行為を示すログデータは上述の通り正規化処理がなされている。このため、複数のコンテンツ間でのログデータの比較や、複数のユーザに跨ったログデータの解析等が容易に行える。また、表示位置情報と表示部分情報を組み合わせて利用することで、コンテンツのどの部分が本当にディスプレイに表示されていたかを特定することができる。
【0067】
また、演算部22は、処理対象のユーザと閲覧傾向が似ている他のユーザを検出し、他のユーザが過去に閲覧したコンテンツをその処理対象のユーザに推薦することを決定してもよい。
【0068】
なお、演算部22による演算処理の他の具体例は、以下の実施例で説明する。
【0069】
次に、図10のフローチャートを用いて、サーバ10の処理の流れの一例を説明する。
【0070】
サーバ10は、複数のユーザ端末10各々から正規化処理がなされたログデータを受信すると、記憶部23に記憶させる。そして、サーバ10は、任意のタイミンツで記憶部23に記憶された正規化処理がなされたログデータに対して演算処理を行う。
【0071】
「ハードウエア構成」
次に、ユーザ端末10及びサーバ20のハードウエア構成を説明する。本実施形態のユーザ端末10及びサーバ20が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0072】
図11は、ユーザ端末10及びサーバ20各々のハードウエア構成を例示するブロック図である。図11に示すように、ユーザ端末10及びサーバ20各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、各装置は周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0073】
なお、ユーザ端末10及びサーバ20各々は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、各装置が上記ハードウエア構成を備えることができる。その他、ユーザ端末10及びサーバ20各々は、物理的及び論理的に1つの装置で構成されてもよい。
【0074】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0075】
「実施例」
次に、上述した本実施形態のシステムをより具体化した実施例を説明する。
【0076】
本実施例の構成を図12に示す。図12のclient-sideは、ユーザ端末10により実現される。図12のserver-sideは、サーバ20により実現される。本実施例のclient sideでは、縦読みマンガを表示中、定期的に現在のスクロール位置を検知し、その位置を示す座標情報を正規化して記録する。この時、本実施例では、ユーザ毎に異なる閲覧スピード、コンテンツ毎に異なるコンテンツの長さ、デバイス特性やユーザの閲覧の仕方に応じて異なるディスプレイに表示されているコンテンツの一部分の大きさ等を考慮して、上記正規化を行う。
【0077】
<データ構造>
本実施例を構成するデータ構造は、本システムが時間と空間を正規化する際の分解能となる変数n、スクロール履歴を変数nで正規化しモデル化する配列S、そして、スクリーンに表示可能なピクセル数を、Sと同様にnで正規化した座標軸で表現した変数R、の3つである。
【0078】
変数nは、縦読みマンガの中のディスプレイに表示されている位置、及び、閲覧開始からの経過時間の両方を正規化する際の「分解能」である。例えば、n=100000程度が好適な実施方法である。これは、例えば縦読みマンガ1話分を、縦方向に10万ピクセルを最大値としてその縦幅ピクセル数を正規化することを意味する。すなわち、縦読みマンガ1話が物理的に5万ピクセルから構成されていた場合、1物理ピクセル分のスクロール量は、n=100000で正規化されたスクロール量としては、2(=100000/50000)単位距離として表現することになる。
【0079】
このように、本実施例では、全てのスクロール動作を、この正規化された座標軸上の位置変化としてモデル化する。また、縦読みマンガの読了までにかかった時間が、3分(=180000ミリ秒)だった時に、n=100000で正規化された経過時間としては、1秒が555(=100000/180)単位時間相当としてモデル化する。このように、時間・空間の両方を適切に高い分解能で正規化することにより、異なるユーザ、異なるユーザ端末10、異なるコンテンツの閲覧履歴を比較・集計可能にする。
【0080】
なお、時間・空間の両方とも同じ値(n)を分解能として用いることにより、時間と空間を等しく重視した分析を行うことができる。時間と空間の分解能を独立させ、時間分解能>空間分解能とすると、時間軸上の特徴をより重視したKPIを算出することができるようになる。しかしながら、分析者にとって直感的な距離計算を行うためには、時間・空間の両方とも同じ値(n)を分解能とすることが好ましい。
【0081】
配列Sは、スクロール履歴を正規化し、異なるユーザ、異なるコンテンツ毎に比較可能にする配列データである。この配列データを、nSPA(normalized Scroll Position Array)と呼ぶ。nSPAは、式(1)に示すように、n次元の密な配列としてモデル化できる。
【0082】
【数1】
【0083】
配列の要素の値tは、nで正規化された空間軸上の値であり、縦読みマンガのY軸(コンテンツの長さ方向の軸、図3参照)上の最初のピクセルを0、Y軸上の最後のピクセルをnとした座標値で示される。nは縦読みマンガの閲覧開始からの経過時間を読了までにかかった総時間で正規化した値である。例えば、t10の値は、10単位時間目においてウインドウ中央に表示されていたピクセルを示す。なお、ウインドウ中央を基準とするのは計算を簡易化するためであり、ウインドウ内のその他の座標を基準点として良い。
【0084】
ここで、配列Sを可視化(グラフ表示)したものを、図13乃至図15に示す。横軸はn、すなわち縦読みマンガの閲覧開始からの経過時間を読了までにかかった総時間で正規化した値である。縦軸はt、すなわち各タイミングでウインドウ中央に表示されていたピクセルをコンテンツの全長で正規化した値である。
【0085】
機械的に一定の速度でスクロールし、ディスプレイに表示する位置を切り替えた場合、図13のような線形グラフになる。縦読みマンガの一部分を、時間をかけてじっくり読んだ場合、図14に示すようなグラフとなる。図示するように、時間をかけてじっくり読んだ時間帯は傾きがなだらかになる。そして、遡って一部分を読み直した場合、図15に示すように、負の傾きとなった時間帯が現れる。この時間帯は、遡っている時間帯である。そして、極小値となった表示位置まで遡ったことを意味する。このように、縦読みマンガの特徴的な閲覧行為各々に応じた特徴が、グラフに現れる。このような特徴を検出することで、ユーザによる特徴的な閲覧行為を検出することができる。また、図示するようにグラフ化することで、ユーザによる閲覧の傾向が直感的に把握できる。なお、ユーザ毎にグラフ化してもよいし、一のコンテンツに対する複数のユーザの配列Sを統計処理した結果をグラフ化してもよい。
【0086】
配列Rは、デバイス特性やユーザの閲覧の仕方に応じて異なるディスプレイに表示されているコンテンツの一部分の大きさ(ピクセル数)を、上述の正規化された座標軸で表現した数値rの配列である。この変数rにより、ウインドウ上に表示されているコンテンツの一部分を特定することができる。例えば、上述した変数tがn単位時間目においてウインドウ中央に位置するピクセルを示す場合、n単位時間目において、(t-r/2)から(t+r/2)の範囲のピクセルがウインドウに表示されていたこととなる。ウィンドウサイズが動的に変更されることを考慮して、本実施例では、式(2)のようにRを定義する。
【0087】
【数2】
【0088】
ここで、nが時間分解能に対応しているため、配列Sと配列Rとを組み合わせることにより、ウインドウ内に表示されていたコンテンツを容易に特定することができる。
【0089】
<KPI分析手法>
本実施例のKPI分析手法の例を示す。縦読みコミック1話内の特定のピクセルpの閲覧数(Pixel-wise Content View, PwCV)を計算する関数であるPwCV(p,S,R)を式(3)として示す。
【0090】
【数3】
【0091】
ここで、center(Si,Ri,p)は、ピクセルpがウインドウ内でどれだけ中央に近く表示されていたかに応じて重み付けする関数である。画面に表示されていない場合は、重みは0となる。このcenter関数を、例えば、中央よりも少し上にずらすなどの工夫により、実態に即した閲覧数の重みにできることが期待される。例えば、center(Si,Ri,p)を式(4)のように実装できる。
【0092】
【数4】
【0093】
ここで、μが画面の中央のピクセル座標、σが重みの標準偏差を示す。図16に示すように、σが大きいほど分布の山がなだらかになり、特定の座標への重み付けが行われにくくなる。このような関係に基づき、適切なμ及びσの値を設定することができる。
【0094】
このように算出したPwCV(p,S,R)は、図17に示すように、コンテンツの長さ方向に並ぶピクセル毎(行ごと)の閲覧スコア(閲覧数)のヒストグラムとして表現することができる。その他、図18に示すように、コンテンツの長さ方向に並ぶコマ毎(行ごと)の閲覧スコア(閲覧数)のヒストグラムとして表現してもよい。その他、ページ毎や、キャラクタ毎の閲覧スコア(閲覧数)のヒストグラムとして表現してもよい。各ページに対応するピクセルや、各コマに対応するピクセルや、各ピクセルに表示されているキャラクタ等を示す情報に基づき、図17に示すようなピクセル毎の閲覧数を示すデータから、ページ毎、コマ毎、またキャラクタ毎の閲覧スコアを算出することができる。
【0095】
<モジュール群>
次に、図12に示す5つの機能モジュールについて説明する。
【0096】
[M1] Scroll Event Listenerは、スクロール処理をフックして、ユーザが画面をスクロールさせる度に呼び出されるモジュールである。一般的なスマートフォン用OS(operating system)やWebブラウザ、そして、パソコン用OSでは、画面をスクロールするたびにイベントを発行することができるため、本モジュールを容易に実装することができる。
【0097】
[M2] Scroll Position Recorder は、現在ディスプレイに表示されているコンテンツの一部分を、タイムスタンプ付きで記録するモジュールである。このモジュールが記録するScroll Historyは、スクロール後のポジションを示す<timestamp, position>の組みの列を履歴として格納される。
【0098】
[M3] Data Normalizerは、所定の時間分解能、及び、所定の空間分解能に応じて、ユーザ毎に異なる閲覧スピードとコンテンツ毎に異なるコンテンツの長さ、そして、デバイス特性やユーザの閲覧の仕方に応じて異なるディスプレイに表示されているコンテンツの一部分の大きさを考慮した正規化処理を行う。正規化されたデータは、nSPA Buffer 格納される。nSPAのデータ構造は、前述のとおりである。
【0099】
[M4] Data Senderは、読了時等にアプリ動作のバックグランドで、nSPA Bufferのデータをサーバに送信するモジュールである。
【0100】
[M5] KPI Analyzerは、前述の関数PwCV(p,S,R)を用いてKPIを算出するモジュールである。PwCV(p,S,R)が算出するスコア・ヒストグラムを対象として、さらに上位の分析としてコマ毎の算出や、キャラクタ毎の算出を行っても良い。なお、KPI DBに格納されるnSPAは、ユーザ識別子と紐付けず、匿名化した匿名ファイルとすることが好ましい。このようにすることで、ユーザ(読者)のプライバシの保護が実現される。
【0101】
「作用効果」
本実施形態は、ピクセル単位の閲覧頻度を、ソフトウエアのみで算出する方式である。この方式は、ストーリーの進行をユーザが制御するマンガ等のコンテンツのKPIを初めてデジタルで抽出可能にするものであり、幅広い応用が考えられる。本実施形態の最大の優位性は、ソフトウエアのみで、縦読み漫画の、ピクセル単位での閲覧頻度を計測できる点にある。これにより、印象を強く与えたコマや、ストーリー展開の難読な部分の検出、人気キャラクタの検出など、漫画のKPIを算出することが可能となる。また、閲覧行動が類似するユーザの閲覧履歴を用いて、おすすめのコンテンツを推薦することができる。このような、ハードウエアのアイトラッカーを必要としない閲覧頻度分析という他にも、本実施形態には次の優位性がある。
【0102】
・汎用性:本実施形態は、縦方向のスクロールをユーザが自由に制御できるアプリケーションであれば、幅広いコンテンツに適用することができる。Webサイトやネイティブアプリなど、さまざまな場所のピクセル毎の閲覧頻度を算出することが可能になる。
【0103】
・匿名性:本実施形態は、閲覧頻度を示すログデータを正規化したデータとして保持し、さらに、匿名化したまま統計処理することが可能である。このため、KPI分析に伴う、プライバシ保護の懸念が極めて低い。
【0104】
・スケーラビリティ:本実施形態は、週間・月刊連載マンガや、単行本マンガなど、ある程度コンテンツの単位がまとまっていれば、適切に正規化することができるため、1つのコンテンツの閲覧履歴を高々400KB程度のデータに集約することができる。また、コンテンツの読了時にサーバへ送信するメカニズムを採用すれば、1人のユーザがサーバへKPIデータを送信する頻度が読了頻度でキャップされるため、適切に負荷分散されることとなる。
【0105】
「変形例」
本実施形態のシステム1は、以下のように変形することもできる。
【0106】
<変形例1>
コンテンツは、縦読みマンガ以外のコンテンツであってもよい。例えば、コンテンツは横読みマンガであってもよい。横読みマンガは、1枚の横長の画像のようなものであり、横方向にスクロールしながら閲覧される。また、コンテンツはマンガでなく、小説、雑誌、参考書等のその他の電子書籍であってもよい。このようなコンテンツの場合も、上記実施形態と同様の処理で、同様の作用効果が実現される。
【0107】
<変形例2>
ユーザ端末10でなく、サーバ20が正規化部14を有してもよい。この場合、ユーザ端末10は、正規化処理がなされていないログデータをサーバ20に送信する。そして、サーバ20がログデータに対して正規化処理を行う。当該変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0108】
<変形例3>
正規化処理における第2の基準値及び第3の基準値は、コンテンツの全長を示す値に代えて、全てのコンテンツに共通して適用される固定値としてもよい。この場合、実質上、コンテンツ毎に異なるコンテンツの長さを考慮した正規化処理は実行されないこととなる。
【0109】
かかる場合、複数のコンテンツ間での計測結果の比較は困難となるが、ある1つのコンテンツに着目し、そのコンテンツに対する複数のユーザの閲覧行為を統計処理することはできる。結果、当該変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0110】
以下、参考形態の例を付記する。
1. コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御手段、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録手段、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化手段、及び、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信手段、
として機能させるプログラム。
2. 前記記録手段は、前記ディスプレイに表示された前記コンテンツの一部分の大きさを示す値をタイムスタンプ付きで前記ログデータにさらに記録し、
前記正規化手段は、前記正規化処理として、前記ログデータが示す前記コンテンツの一部分の大きさを示す値を前記コンテンツの全長情報で正規化する処理をさらに行う1に記載のプログラム。
3. 前記表示位置情報では、前記コンテンツの最初を基準にした値で前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示し、
前記正規化手段は、
前記経過時間を前記総時間で割った値に第1の基準値を掛けることで、前記ログデータが示す前記経過時間を正規化するとともに、
前記表示位置情報で示される前記コンテンツの最初を基準にした値を前記コンテンツの全長情報で示される前記コンテンツの全長を示す値で割った値に第2の基準値を掛けることで、前記ログデータが示す前記表示位置情報を正規化し、
前記第1の基準値と前記第2の基準値は同じ値である1又は2に記載のプログラム。
4. ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信部と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算部と、
を有するサーバ。
5. 前記演算部は、
複数の前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して統計処理を実行し、前記経過時間と前記表示位置情報との対応関係の傾向を示すデータを作成する4に記載のサーバ。
6. 前記演算部は、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに基づき、前記コンテンツ内の所定単位毎に閲覧された程度を示す閲覧スコアを算出する4に記載のサーバ。
7. 1から3のいずれかに記載のプログラムをインストールされた複数のユーザ端末と、4から6のいずれかに記載のサーバと、を有するシステム。
8. コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御工程と、
前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録工程と、
前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化工程と、
前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信工程と、
を実行するデータ処理方法。
9. コンピュータが、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信工程と、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算工程と、
を実行するデータ処理方法。
10. コンピュータを、
ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じて前記ディスプレイに表示する前記コンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部と、前記ディスプレイに表示されている前記コンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部と、前記ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、前記コンテンツを前記ディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、前記ログデータが示す前記表示位置情報を、前記コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理を前記ログデータに対して行う正規化部と、前記正規化処理がなされた前記ログデータを外部装置に送信する送信部と、を有するユーザ端末から、前記正規化処理がなされた前記ログデータを受信する受信手段、及び、
前記ユーザ端末から受信した前記正規化処理がなされた前記ログデータに対して演算処理を実行する演算手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0111】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 システム
10 ユーザ端末
11 表示制御部
12 記録部
13 記憶部
14 正規化部
15 送信部
20 サーバ
21 受信部
22 演算部
23 記憶部
【要約】
【課題】各コンテンツに対するユーザの行動を従来技術よりも細かい粒度で検出する。
【解決手段】本発明は、ディスプレイにコンテンツの一部分を表示するとともに、ユーザ操作に応じてディスプレイに表示するコンテンツの一部分を第1の方向及び第2の方向のいずれかに移動させて切り替える表示制御部11と、ディスプレイに表示されているコンテンツの一部分を示す表示位置情報をタイムスタンプ付きでログデータに記録する記録部12と、ログデータが示す閲覧開始からの経過時間を、コンテンツをディスプレイに表示して閲覧した総時間で正規化するとともに、ログデータが示す表示位置情報を、コンテンツの全長情報で正規化する正規化処理をログデータに対して行う正規化部14と、正規化処理がなされたログデータを外部装置に送信する送信部15とをユーザ端末10内で実現させるプログラムを提供する。
【選択図】図2
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