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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】毛穴の色を特定する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220720BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A61B5/00 M
A61B5/107 800
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021505908
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019046255
(87)【国際公開番号】W WO2020041030
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】62/720,143
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 晃
(72)【発明者】
【氏名】ディサーナーヤカ ムディヤンセラーゲ マハトマ バンダラ ディサーナーヤカ
(72)【発明者】
【氏名】アンクル プルワル
(72)【発明者】
【氏名】ナオキ ミヤモト
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107679507(CN,A)
【文献】特開2007-310676(JP,A)
【文献】国際公開第2014/027522(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの皮膚の毛穴の毛穴の色を特定する方法であって、
a.被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、
b.前記取得された画像から毛穴の画像を抽出する工程であって、前記抽出された毛穴の画像は、前記少なくとも1つの皮膚の毛穴の境界を特定する、工程と、
c.前記取得された画像及び前記抽出された毛穴の画像を重ね合わせて、前記少なくとも1つの皮膚の毛穴の前記特定された境界内の前記毛穴の色を特定する工程と、
d.前記少なくとも1つの皮膚の毛穴の前記特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、
e.前記取得された画像及び前記画定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する工程と、
f.前記特定された毛穴の色を前記特定された隣接領域の色と比較して、毛穴の色コントラスト値を決定する工程と、
を含み、
前記画定された隣接領域は、前記少なくとも1つの皮膚の毛穴の前記特定された境界から、0.005mm~1mmの範囲にある方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、前記取得された画像に対してヒストグラム均等化を行って、ヒストグラム均等化された画像を取得する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記ヒストグラム均等化された画像をフィルタリングするか、又は前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記ヒストグラム均等化された画像をフィルタリングするか、又は前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含み、前記1つ以上の皮膚特徴部は、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、及び毛穴の白い詰まり、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記ヒストグラム均等化された画像をフィルタリングするか、又は前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含み、前記1つ以上の皮膚特徴部は、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、及び毛穴の白い詰まり、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つの皮膚特徴部は、顔の皮膚特徴部である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含み、前記1つ以上の皮膚特徴部は、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、及び毛穴の白い詰まり、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの画像を取得する前記工程は、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、前記少なくとも1つの画像をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含み、前記1つ以上の皮膚特徴部は、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、及び毛穴の白い詰まり、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つの皮膚特徴部は、顔の皮膚特徴部である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
フィルタリングする前記工程は、周波数フィルタを使用することを含み、前記周波数フィルタは、高速フーリエ変換フィルタ及びバンドパスフィルタ、ガウス差分フィルタ、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
フィルタリングする前記工程は、周波数フィルタを使用することを含み、前記周波数フィルタは、ガウス差分フィルタである、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
フィルタリングする前記工程は、周波数フィルタを使用することを含み、前記周波数フィルタは、高速フーリエ変換フィルタ及びバンドパスフィルタ、ガウス差分フィルタ、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
フィルタリングする前記工程は、周波数フィルタを使用することを含み、前記周波数フィルタは、ガウス差分フィルタである、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記毛穴の画像を抽出する前記工程は、以下の、前記取得された画像、前記ヒストグラム均等化された画像、及び前記フィルタリングされた画像のうちの1つ以上をセグメント化することを含む、請求項3~5、9及び10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記毛穴の画像を抽出する前記工程は、以下の、前記取得された画像、及び前記フィルタリングされた画像のうちの1つ以上をセグメント化することを含む、請求項6~8、11及び12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記毛穴の画像を抽出する前記工程は、以下の、前記取得された画像、及び前記ヒストグラム均等化された画像のうちの1つ以上をセグメント化することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記毛穴の画像を抽出する前記工程は、前記取得された画像をセグメント化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記セグメント化することは、以下の方法である、閾値処理法、色を基準としたセグメンテーション法、変換法、及びテクスチャ法のうちの1つ以上によって行われる、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記セグメント化することは、閾値処理法によって行われる、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記セグメント化することは、適応的閾値処理法によって行われる、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの皮膚の毛穴を、以下の、前記毛穴の色、前記毛穴の色コントラスト値、毛穴の形状、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、所定の部類に分類することを更に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記被験体の前記少なくとも1つの画像は、カラー画像、グレースケール画像、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの皮膚特徴部の皮膚特徴部の色コントラスト値を決定する方法であって、
a.被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、
b.前記取得された画像から皮膚特徴部の画像を抽出する工程であって、前記抽出された皮膚特徴部の画像は、前記少なくとも1つの皮膚特徴部の境界を特定する、工程と、
c.前記少なくとも1つの皮膚特徴部の前記特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、
d.前記取得された画像及び前記抽出された皮膚特徴部の画像を重ね合わせて、前記少なくとも1つの皮膚特徴部の前記特定された境界内の皮膚特徴部の色を特定する工程と、 e.前記取得された画像及び前記画定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する工程と、
f.前記特定された皮膚特徴部の色を前記特定された隣接領域の色と比較して、前記皮膚特徴部の色コントラスト値を決定する工程と、を含
前記画定された隣接領域は、前記少なくとも1つの皮膚特徴部の前記特定された境界から、0.005mm~1mmの範囲にある方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの皮膚特徴部は、毛穴、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの皮膚特徴部は、毛穴、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つの皮膚特徴部は、顔の皮膚特徴部である、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、皮膚の毛穴、特に、顔の皮膚の毛穴の毛穴の色を特定する方法に関し、より具体的には、皮膚の毛穴の色を特定し、皮膚の毛穴の色コントラスト値を決定する方法、並びに皮膚特徴部の色コントラスト値及び/又は皮膚特徴部の強度コントラスト値を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛穴、しみ、及び皺などの皮膚特徴部は、美容皮膚科学産業及び非医療美容産業において一般的な懸念事項である。例えば、拡大した皮膚の毛穴が存在すると、皮膚の弾性に悪影響を及ぼすおそれがあり、これは、次いで、特に個人の顔の鼻及び頬の領域の周囲で皮膚のたるみをもたらすと考えられる。このことにより、多くの個人、特により若い個人が、皮膚の毛穴に関する問題への対処に役立つ様々な治療選択肢を求めるようになっている。
【0003】
典型的には、好適な治療選択肢を決定する前に、非侵襲的方法を使用して、皮膚の毛穴を評価する。しかしながら、いくつかの非侵襲的方法は、皮膚の毛穴を評価するための所望のレベルの精度を提供しない場合がある。
【0004】
例えば、専門家又は非専門家による肉眼検査を伴う視覚的等級付けは、様々な程度の主観性を取り入れる可能性があり、これは矛盾するスキンケアレジメン又はスキンケア製品の推奨をもたらすおそれがある。場合によっては、皮膚の毛穴のより客観的な評価は、ダーモスコープ又は共焦点レーザー顕微鏡を使用することによって提供されてもよい。しかしながら、このような方法の限界は、それぞれの測定において、非常に小さい又は狭い面積(例えば、直径15mm)しか検査することができない点である。したがって、複数の測定値が取得されなければならないと考えられるため、頬領域全体又は顔領域全体のようなより大きな面積を測定するのに好適ではない場合がある。また、場合によっては、それぞれの測定で全く同じ領域を再特定することが困難であることから、所望の再現性レベルを提供することが困難な場合がある。
【0005】
上述の方法の別の限界は、測定値が、典型的には、毛穴の数、サイズ、外形及び体積に限定されることである。最近、皮膚の毛穴の評価において重要な、皮膚の毛穴の特性評価において、比色的特徴もまた重要であり得ることが報告されている。(特許文献1)しかしながら、インビボで皮膚の毛穴の色を測定するために今まで確立された客観的方法は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第107679507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、高価で特殊な機器、例えば、ダーモスコープ又は共焦点レーザー顕微鏡を必要とすることなく、被験体の皮膚の毛穴の毛穴の色及び皮膚の毛穴の周囲の色を特定する方法が、業界において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、毛穴の色を特定する方法に関する。本方法は、被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、取得された画像から毛穴の画像を抽出する工程であって、抽出された毛穴の画像は、少なくとも1つの皮膚の毛穴の境界を特定する、工程と、取得された画像及び抽出された毛穴の画像を重ね合わせて、少なくとも1つの皮膚の毛穴の特定された境界内の毛穴の色を特定する工程と、を含む。本方法は、少なくとも1つの皮膚の毛穴の特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、取得された画像及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する工程と、特定された毛穴の色を特定された隣接領域の色と比較して、毛穴の色コントラスト値を決定する工程と、を更に含む。
【0009】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの皮膚特徴部の皮膚特徴部の色コントラスト値を決定する方法であって、被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、取得された画像から皮膚特徴部の画像を抽出する工程であって、抽出された皮膚特徴部の画像は、少なくとも1つの皮膚特徴部の境界を特定する、工程と、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、取得された画像及び抽出された皮膚特徴部の画像を重ね合わせて、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界内の皮膚特徴部の色を特定する工程と、取得された画像及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する工程と、特定された皮膚特徴部の色を特定された隣接領域の色と比較して、皮膚特徴部の色コントラスト値を決定する工程と、を含む、方法、を提供する。
【0010】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの皮膚特徴部の皮膚特徴部の強度コントラスト値を決定する方法であって、被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、取得された画像から皮膚特徴部の画像を抽出することであって、抽出された皮膚特徴部の画像は、少なくとも1つの皮膚特徴部の境界を特定する、工程と、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、取得された画像及び抽出された皮膚特徴部の画像を重ね合わせて、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界内の強度を特定する工程と、取得された画像及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の強度を特定する工程と、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界内の特定された強度を、隣接領域の特定された強度と比較し、皮膚特徴部の強度コントラスト値を決定する工程と、を含む、方法、を提供する。
【0011】
本発明の別の態様は、隣接領域の色コントラスト値を決定する方法であって、被験体の少なくとも1つの画像を取得する工程と、取得された画像から皮膚特徴部の画像を抽出する工程であって、抽出された皮膚特徴部の画像は、少なくとも1つの皮膚特徴部の境界を特定する、工程と、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界から径方向に隣接領域を画定する工程と、取得された画像及び画定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する工程と、基本的な皮膚の色を取得する工程であって、基本的な皮膚の色は、取得された画像の皮膚の色を特定することによって取得され、好ましくは、取得された画像の皮膚の色は、少なくとも1つの皮膚特徴部及び画定された隣接領域が取得された画像から除去された後、特定される、工程と、特定された隣接領域の色を、取得された基本的な皮膚の色と比較して、隣接領域の色コントラスト値を決定する工程と、を含む、方法、を提供する。
【0012】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【0013】
驚くべきことにかつ有利には、本明細書に記載されるように、毛穴の色を特定する方法は、被験体の皮膚の毛穴の色を測定するための客観的手段を提供し、また、毛穴の色及び/又は毛穴の形状などの他の毛穴の特性に基づく新たな毛穴の分類を提供し、皮膚の毛穴の分類を大幅に改善し、したがって、好適な治療選択肢、スキンケアレジメン及び/又はスキンケア製品の推奨を決定するための評価方法を改善する。同様に、毛穴の色コントラスト値及び/又は毛穴の強度コントラスト値を決定する方法はまた、毛穴の色コントラスト値、毛穴の強度コントラスト値、毛穴の色、及び/又は毛穴の形状などの他の毛穴の特性のうちの1つ以上に基づいて、新しい毛穴の分類を提供し、皮膚の毛穴の分類を大幅に改善する。
【0014】
毛穴の色を特定する方法、並びに毛穴コントラスト値及び/又は毛穴の強度コントラスト値を決定する方法を使用して、色を特定して、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせを含む、1つ以上の他の皮膚特徴部のコントラスト値及び/又は強度コントラスト値を決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、様々な実施形態を説明し、特許請求される発明の主題の本質及び特徴を理解するための概観又は骨組みを提供することが意図されることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態の更なる理解を提供するために含められたものであり、本明細書の一部に組み込まれると共に本明細書の一部をなすものである。図面は、本明細書に記述される様々な実施形態を例示し、説明と共に、特許請求される発明の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【0016】
本発明は、これより添付の図面を参照して、単なる例証として説明される。
図1】本発明による、被験体の頬領域の画像である。
図2図1の画像から抽出された毛穴の画像である。
図3図1の画像と図2の抽出された毛穴の画像との重ね合わせ画像である。
図4図2の毛穴のそれぞれの境界から径方向に画定された隣接領域である。
図5図1の画像と図4の画定された隣接領域画像との重ね合わせ画像である。
図6】本発明による、毛穴の色を特定するためのフロー図である。
図7】本発明による、図6の毛穴の色に基づいて毛穴の色コントラスト値を決定するフロー図である。
図8】本発明による、複数の皮膚の毛穴の毛穴の色を特定する方法、皮膚の毛穴のそれぞれの毛穴の色コントラスト値を決定する方法、及び複数の分類のうちの1つに皮膚の毛穴を分類する方法のフロー図である。
図9】コントラスト制限付き適応ヒストグラム均等化(CLAHE)で処理された後、及び処理されなかった後の、区切られた関心領域及び画像を有する図8の被験体の頬領域の画像である。
図10A図8のフロー図から抽出された毛穴の画像である。
図10B図10Aの毛穴のそれぞれの境界から径方向に画定された隣接領域である。
図11A】本発明による、区切られた関心領域を有する被験体の鼻領域の画像である。
図11B】ガウス差分フィルタでフィルタリングされた後の図11Aの関心領域の画像である。
図11C図11Aの画像と図11Aの抽出された毛穴の画像との重ね合わせ画像である。
図12A】本発明による、暗い毛穴を有する被験体の頬領域の画像である。
図12B】本発明による、明るい毛穴を有する被験体の頬領域の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の種々の実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む、以下の記述から明らかになるであろう。様々な修正がこの記述及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。本発明の範囲は、開示される特定の形態に限定されることを意図せず、また本発明は、「特許請求の範囲」により定義されるような本発明の趣旨及び範囲に当てはまる全ての変形形態、等価物、及び代替物を網羅する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「美容」という用語は、人体の領域に所望の視覚的効果を提供する非医学的方法を意味する。視覚的な美容効果は、一時的、半永久的、又は永久的なものであってもよい。
【0019】
本明細書で使用するとき、「顔領域」という用語は、使用者の顔全体又は使用者の顔の一部分を指し、以下の領域、すなわち頬、鼻、額、口、顎、眼窩周囲領域、及び頸部のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用するとき、「画像取込デバイス」という用語は、画像(例えば、静止画像又はビデオ)、好ましくはデジタル画像を取り込み、かつ/又は記録することができるデバイス、システム、又は器具を指す。デバイスは、臨床撮像システム又は美容カウンタ皮膚評価システムの一部であってもよい。デバイスは、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、腕時計、携帯情報端末を含むモバイル機器又はスマートデバイスの一部であってもよく、又はパーソナルコンピュータの一部であってもよく、又はハンドヘルドカメラなどのスタンドアロンカメラであってもよい。デバイスはまた、光を放出するための内蔵光源(例えば、フラッシュ)を含んでもよい。
【0021】
本明細書で使用するとき、「皮膚」という用語は、ケラチノサイト、繊維芽細胞、及びメラノサイトなどの細胞で構成される、哺乳類の最も外側の保護被覆を意味する。皮膚は、外側の表皮層及びその下の真皮層を含む。皮膚には、毛髪及び爪、並びに一般に皮膚に関連付けられる、例えば、筋細胞、メルケル細胞、ランゲルハンス細胞、マクロファージ、幹細胞、脂腺細胞、神経細胞及び脂肪細胞などのその他の種類の細胞も含まれる。
【0022】
本明細書で使用するとき、「皮膚特徴部」という用語は、被験体の皮膚上の特徴を指し、毛穴、てかり、皺(ひだを含む)、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用するとき、「被験体」という用語は、本明細書に記載される方法(及びシステム)が使用される人を指す。
【0024】
本明細書では、少なくとも1つの皮膚の毛穴の毛穴の色を特定する方法が開示される。本方法は、被験体の少なくとも1つの画像を取得することと、取得された画像から毛穴の画像を抽出することであって、抽出された毛穴の画像は、少なくとも1つの皮膚の毛穴の境界を特定する、ことと、取得された画像及び抽出された毛穴の画像を重ね合わせて、少なくとも1つの皮膚の毛穴の特定された境界内の毛穴の色を特定することと、を含んでもよい。本方法は、少なくとも1つの皮膚の毛穴の特定された境界から径方向に隣接領域を画定することと、取得された画像及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定することと、特定された毛穴の色を特定された隣接領域の色と比較して、毛穴の色コントラスト値を決定することと、を更に含んでもよい。驚くべきことに、本明細書に記載されるように、毛穴の色を特定する方法は、被験体の皮膚の毛穴の色を測定するための客観的手段を提供し、また、毛穴の色及び/又は毛穴の形状などの他の毛穴の特性に基づく新たな毛穴の分類を提供し、皮膚の毛穴の分類を大幅に改善し、したがって、好適な治療選択肢、スキンケアレジメン及び/又はスキンケア製品の推奨を決定するための評価方法を改善することが見出された。毛穴の色コントラスト値及び/又は毛穴の強度コントラスト値を決定する方法はまた、毛穴の色コントラスト値、毛穴の強度コントラスト値、毛穴の色及び/又は毛穴の形状などの他の毛穴の特性のうちの1つ以上に基づいて、新しい毛穴の分類を提供し、皮膚の毛穴の分類を大幅に改善することもまた見出された。毛穴の色を特定する方法、並びに毛穴のコントラスト値及び/又は毛穴の強度コントラスト値を決定する方法を使用して、色を特定し、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせを含む、1つ以上の他の皮膚特徴部のコントラスト値及び/又は強度コントラスト値を決定してもよいこともまた見出された。
【0025】
図1は、被験体の頬領域の画像10を示す。画像10は、毛穴及びしみなどの複数の皮膚特徴部12を示しているが、好ましくは、皮膚特徴部は、皮膚の毛穴であり、より好ましくは顔の皮膚の毛穴である。画像10は、図1の頬領域を示すが、画像10は、鼻、額、口、顎、眼窩周囲領域、及び顔領域全体を含むがこれらに限定されない他の顔領域、並びに人体の他の領域などの任意の関心領域であってもよい。画像10は、カラー画像又はグレースケール画像の形態であってもよい。
【0026】
画像10は、画像取込デバイスから取得されてもよい。例えば、画像取込デバイスは、Canon(登録商標)5D Mark II DSLRカメラを含むVisia(登録商標)-CR撮像システム(Canfield Scientific,New Jersey,USA)などの、特注ライト設定及び偏光フィルタを備えるCanon(登録商標)5D Mark IIフルサイズデジタル一眼レフ(DSLR)カメラを使用する撮像システムである。画像10が人体の顔全体又は他の広い領域の画像である場合、関心領域は、そのような画像の一部分のみに関係する。画像10が関心領域のみを示すようにトリミングされるように、マスクを作成してもよい。任意選択的に、被験体の第2の(又は第3以上の)画像(例えば、頬領域)が取得されてもよい。第2の画像は、カラー画像又はグレースケール画像の形態であってもよい。2つ以上の画像が取得される場合、好ましくは画像のうちの少なくとも1つは、交差偏光画像である。
【0027】
画像10が取得された後、図2に示すように、複数の皮膚の毛穴16を含む毛穴の画像14が画像10から抽出される。以下の工程は、毛穴16を対象とするが、これらの工程は、毛穴以外に任意の1つ以上の皮膚特徴部に焦点を合わせるように類似されていてもよいことを理解されたい。抽出された毛穴の画像14は、皮膚の毛穴16のそれぞれの境界を特定する。画像10をセグメント化することによって、毛穴の画像14を抽出し得る。画像10のセグメント化は、閾値処理法、色を基準としたセグメンテーション法、変換法、テクスチャ法、又はこれらの組み合わせなどの1つ以上の方法によって実行されてもよい。好ましくは、画像10のセグメント化は、閾値処理法によって実行され、より好ましくは適応的閾値処理法によって実行される。
【0028】
任意選択的に、皮膚の毛穴16のそれぞれの境界を特定する精度を高めるために、画像10は、毛穴の画像14を抽出する前に処理されてもよい。例えば、ヒストグラム均等化は、画像10のコントラストを強化し、かつ/又は画像10の照明を改善するために、画像10に対して実行されて、ヒストグラム均等化された画像を取得してもよい。所望に応じて1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、ヒストグラム均等化された画像又は未処理画像10をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得してもよい。周波数フィルタなどのフィルタを使用して、ヒストグラム均等化された画像又はフィルタリングされていない画像10をフィルタリングしてもよい。周波数フィルタの例としては、バンドパスフィルタと共に使用される高速フーリエ変換フィルタ、及びガウス差分フィルタが挙げられる。好ましくは、ガウス差分フィルタを使用して、画像10のヒストグラム均等化された画像をフィルタリングする。ヒストグラム均等化された画像又はフィルタリングされた画像が取得された後、ヒストグラム均等化された画像又はフィルタリングされた画像上でセグメント化を行い、毛穴の画像14を抽出する。
【0029】
任意選択的に、1つ以上の追加のフィルタを使用して、皮膚の毛穴16のそれぞれの境界を特定する精度を更に高めてもよい。例えば、分水嶺変換フィルタを使用して、接続された皮膚の毛穴16を分割してもよく、そうでなければ皺として特定してもよい。
【0030】
てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせなどの、皮膚の毛穴以外の1つ以上の皮膚特徴部が所望される場合、1つ以上の好適なフィルタを使用して、抽出のために所望の1つ以上の皮膚特徴部をフィルタリングしてもよい。このような1つ以上の好適なフィルタとしては、サイズフィルタ、形状フィルタ、カラーフィルタ、強度フィルタが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、1つ以上の皮膚特徴部は、顔の皮膚特徴部である。
【0031】
画像10は、好ましくはカラー画像であり、抽出された毛穴の画像14と重ね合わされて、図3に示すように、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界内の毛穴の色を特定するために、重ね合わせ画像18を取得する。画像10がカラー画像である場合、皮膚の毛穴16のそれぞれの毛穴の色は、皮膚の毛穴16のそれぞれの色(すなわち、RGB値)又は平均色を特定し、次いでRGB値をLab値に変換することによって取得してもよい。皮膚の毛穴16のそれぞれの色強度又は色平均強度もまた、色の代わりに特定されてもよい。XYZ変換、YCBCR変換、CMYK変換、又はLCH変換などの他の計算方法を使用して、毛穴の色を取得してもよい。画像10がグレースケール画像である場合、皮膚の毛穴16のそれぞれのグレースケール強度又はグレースケール平均強度もまた、RGB値又はそうでなければカラー画像に関連付けられる他の値(複数可)の代わりに使用されてもよい。平均色、色平均強度、又はグレースケール平均強度を使用する代わりに、中央値、標準偏差、エントロピーなどの他の統計的アプローチが使用されてもよい。
【0032】
皮膚の毛穴以外に、又は皮膚の毛穴に加えて1つ以上の皮膚特徴部が関心対象となる場合、このような特徴部(複数可)が、上述のように画像10から抽出されて、1つ以上の皮膚特徴部の境界を特定する抽出された1つ以上の皮膚特徴部の画像を取得してもよい。1つ以上の皮膚特徴部のそれぞれの特定された境界内の1つ以上の皮膚特徴部のそれぞれの皮膚特徴部の色を特定するために、画像10は、抽出された1つ以上の皮膚特徴部の画像と重ね合わせられてもよい。
【0033】
加えて、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界から径方向である隣接領域20は、図4に示すように画定される。好ましくは、皮膚の毛穴16のそれぞれの画定された隣接領域20は、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界から、0.001mm~30mm、好ましくは0.001mm~3.5mm、より好ましくは0.005mm~1mmの範囲にある。
【0034】
Visia(登録商標)-CR撮像システムの空間解像度は、約29画素/mmである。したがって、Visia(登録商標)-CR撮像システムが、画像10を取り込むために使用される場合、皮膚の毛穴16のそれぞれの画定された隣接領域20は、0.029画素~870画素、好ましくは0.029画素~101.5画素、より好ましくは0.145画素~29画素の範囲にある。
【0035】
次いで、画像10は、図5に示すように、隣接領域の色を特定するために、皮膚の毛穴16のそれぞれの画定された隣接領域20と重ね合わせられて、重ね合わせ画像22を取得する。画像10がカラー画像である場合、皮膚の毛穴16のそれぞれの隣接領域の色は、特定された隣接領域20のそれぞれの色(すなわち、RGB値)又は平均色を特定し、次いでRGB値をLab値に変換することによって取得されてもよい。特定された隣接領域20のそれぞれの色強度又は色平均強度もまた、色の代わりに特定されてもよい。XYZ変換、YCBCR変換、CMYK変換、又はLCH変換などの他の計算方法を使用して、隣接領域の色を取得してもよい。画像10がグレースケール画像である場合、隣接領域のそれぞれのグレースケール強度又はグレースケール平均強度をRGB値の代わりに使用してもよい。平均色、色平均強度、又はグレースケール平均強度を使用する代わりに、中央値、標準偏差、エントロピーなどの他の統計的アプローチを使用してもよい。強度は、関心対象(例えば、皮膚の毛穴16、隣接領域20、基本的な皮膚、関心対象の任意の皮膚特徴部)の特定の空間内の1つ以上の画素の平均値を指す。
【0036】
皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された毛穴の色を、それぞれ対応する皮膚の毛穴16の特定された隣接領域の色と比較して、皮膚の毛穴16のそれぞれに対する毛穴の色コントラスト値を決定してもよい。
【0037】
皮膚の毛穴以外に、又は皮膚の毛穴に加えて1つ以上の皮膚特徴部が関心対象となる場合、このような特徴部(複数可)が、上述のように画像10から抽出されて、1つ以上の皮膚特徴部の境界を特定する抽出された1つ以上の皮膚特徴部の画像を取得してもよい。好ましくは、1つ以上の皮膚特徴部の特定された境界から径方向である隣接領域が画定されてもよい。次いで、隣接領域の色を特定するために、画像10を1つ以上の皮膚特徴部のそれぞれの画定された隣接領域と重ね合わせて、重ね合わせ画像を取得する。1つ以上の皮膚特徴部のそれぞれの特定された皮膚特徴部の色を、それぞれ対応する皮膚特徴部の特定された隣接領域の色と比較して、1つ以上の皮膚特徴部のそれぞれに対する皮膚特徴部の色コントラスト値を決定してもよい。
【0038】
有利には、皮膚の毛穴は、毛穴の色、毛穴のコントラスト値、毛穴の強度コントラスト値、毛穴の形状、毛穴の年齢、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、所定の部類に分類してもよい。毛穴の形状としては、皮膚の毛穴の外形、サイズ、面積、体積、アスペクト比、外周及び向きのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、所定の部類は、毛穴のサイズに基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち目に見えない毛穴、目に見える毛穴、拡大毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の色に基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち暗い毛穴、明るい毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の年齢に基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち若い毛穴、加齢毛穴のうちの1つに分類されてもよい。
【0039】
有利には、1つ以上の皮膚特徴部は、皮膚特徴部の色、皮膚特徴部のコントラスト値、皮膚特徴部の強度コントラスト値、皮膚特徴部の形状、皮膚特徴部の年齢、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、所定の部類に分類されてもよい。皮膚特徴部の形状としては、皮膚特徴部の外形、サイズ、面積、体積、アスペクト比、外周及び向きのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明による、皮膚の毛穴16のそれぞれの毛穴の色(又は皮膚特徴部の色)を特定する方法50が以下に記載される。図6に示すように、方法50は、工程52において、被験体の画像10を取得することと、工程54において、画像10から毛穴の画像14を抽出することであって、抽出された毛穴の画像14は、皮膚の毛穴16のそれぞれの境界を特定する、ことと、工程56において、画像10及び抽出された毛穴の画像14を重ね合わせて、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界内の毛穴の色を特定することと、を含む。
【0041】
本発明に基づいて、皮膚の毛穴16のそれぞれの毛穴の色コントラスト値(又は皮膚特徴部の色コントラスト値若しくは皮膚特徴部の強度コントラスト値)を決定する方法60が以下に記載される。方法60は、図7に示すように、工程62において、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界から半径方向に隣接領域20を画定することと、工程64において、画像10及び画定された隣接領域20を重ね合わせて、隣接領域の色を特定することと、工程66において、方法50で取得された特定された毛穴の色を特定された隣接領域の色と比較して、皮膚の毛穴16のそれぞれの毛穴の色コントラスト値を決定することと、を含む。画定された隣接領域は、皮膚の毛穴16のそれぞれの特定された境界から、0.001mm~30mm、好ましくは0.001mm~3.5mm、より好ましくは0.005mm~1mmの範囲にある。
【0042】
任意選択的に、皮膚の毛穴16のそれぞれの境界を特定する精度を高めるために、画像10は、毛穴の画像14を抽出する前に処理されてもよい。画像10を取得する工程52では、工程52は、ヒストグラム均等化を画像10に実行してヒストグラム均等化された画像を取得するなどの画像処理工程を更に含んでもよい。工程52はまた、皮膚の毛穴ではない1つ以上の皮膚特徴部を除去するために、ヒストグラム均等化された画像をフィルタリングするか、又は画像10をフィルタリングして、フィルタリングされた画像を取得する工程を更に含んでもよい。1つ以上の皮膚特徴部は、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。好ましくは、1つ以上の皮膚特徴部は、顔の皮膚特徴部である。フィルタリングする工程は、高速フーリエ変換フィルタに続いてバンドパスフィルタ、又はガウス差分フィルタなどの周波数フィルタを使用することを含む。好ましくは、ガウス差分フィルタが使用される。
【0043】
毛穴の画像14を抽出する工程54では、画像10、ヒストグラム均等化された画像及びフィルタリングされた画像のうちの1つ以上をセグメント化することによって画像14が抽出される。セグメント化する工程は、以下の方法、すなわち閾値処理法、色を基準としたセグメント化、変換法、テクスチャ法、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上によって実行される。好ましくは、セグメント化は、閾値処理法によって実行され、より好ましくは、セグメント化は、適応的閾値処理法によって実行される。
【0044】
方法50及び/又は方法60は、毛穴の色、毛穴のコントラスト値、毛穴の強度コントラスト値、毛穴の形状、毛穴の年齢、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて、皮膚の毛穴16を所定の部類に分類する工程を更に含む。毛穴の形状としては、皮膚の毛穴の外形、サイズ、面積、体積、アスペクト比、外周、及び向きのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、所定の部類は、毛穴のサイズに基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち目に見えない毛穴、目に見える毛穴、拡大毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の外形に基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち円形の毛穴、細長の毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の色に基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち暗い毛穴、明るい毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の年齢に基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち若い毛穴、加齢毛穴のうちの1つに分類されてもよい。所定の部類は、毛穴の色と毛穴のサイズとの組み合わせに基づいてもよく、それぞれの毛穴は、以下の分類、すなわち暗く細長である毛穴、明るく円形である毛穴、暗く円形である毛穴、及び明るく細長である毛穴のうちの1つに分類されてもよい。
【0045】
本発明による隣接領域の色コントラスト値を決定する方法について以下で説明する。本方法は、被験体の画像を取得する第1の工程を含む。画像は、上述のように画像10と同様に画像取込デバイスから取得してもよい。画像は、鼻、額、口、顎、眼窩周囲領域、及び顔領域全体などを含むがこれらに限定されない他の顔領域、並びに人体の他の領域などの任意の関心領域であってもよく、カラー画像又はグレースケール画像の形態であってもよい。画像がトリミングされて関心領域のみを示すように、マスクを作成してもよい。
【0046】
本方法は、取得された画像から皮膚特徴部の画像を抽出する第2の工程を含み、抽出された皮膚特徴部の画像は、少なくとも1つの皮膚特徴部の境界を特定する。
【0047】
本方法は、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界から径方向に隣接領域を画定する第3の工程を含む。画定された隣接領域は、少なくとも1つの皮膚特徴部の特定された境界から、0.001mm~30mm、好ましくは0.001mm~3.5mm、より好ましくは0.005mm~1mmの範囲にある。
【0048】
本方法は、取得された画像及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する第4の工程を含む。隣接領域の色は、上述のように、画定された隣接領域20の色を特定する方法に基づいて特定してもよい。
【0049】
本方法は、取得された画像の皮膚の色を特定することによって、基本的な皮膚の色を取得する第5の工程を含む。好ましくは、取得された画像は、関心領域のみを示すか、又は関心領域のみを示すようにトリミングされている。好ましくは、取得された画像の皮膚の色は、少なくとも1つの皮膚特徴部及び画定された隣接領域が取得された画像から除去された後に特定される。基本的な皮膚の色は、画定された隣接領域20の色を特定する方法、又は上述のように皮膚の毛穴16の色を特定する方法に基づいて特定してもよい。
【0050】
本方法は、特定された隣接領域の色を取得された基本的な皮膚の色と比較することによって、隣接領域の色コントラスト値を決定する第6の工程を含む。
【0051】
隣接領域の色及び基本的な皮膚の色は、上述のように、毛穴の色又は皮膚特徴部の色を特定する方法50を実行することによって特定されてもよい。隣接領域の色コントラスト値は、上述のように、毛穴の色コントラスト値(又は皮膚特徴部の色コントラスト値若しくは皮膚特徴部の強度コントラスト値)を決定する方法60を実行することによって決定されてもよい。
【実施例
【0052】
顔の皮膚の毛穴の毛穴の色及び毛穴の色コントラスト値
図8は、本発明による、複数の皮膚の毛穴の毛穴の色を特定する方法、皮膚の毛穴のそれぞれの毛穴の色コントラスト値を決定する方法、及び複数の分類のうちの1つに皮膚の毛穴を分類する方法のフロー図を示す。それぞれの分類は、毛穴の色、毛穴の色コントラスト値、毛穴の形状、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に基づく所定の部類であってもよい。
【0053】
第1の画像100及び第2の画像102は、市販の臨床撮像装置であるVisia(登録商標)-CR撮像システム(Canfield Scientific(New Jersey,USA))によって取り込まれる。Visia(登録商標)-CR撮像システムは、フルサイズ相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサを備えたCanon(登録商標)5D Mark II DSLRカメラを含む。第1の画像100は、被験体の正面又は顔全体の標準2(S2)画像であり、第2の画像102は、被験体の正面又は顔全体の交差偏光(XP)画像である。正面画像が取り込まれると、マスク104は、これらの研究では頬領域である関心領域に焦点を合わせるように作成される。第1の画像100をマスク104に基づいてトリミングして、トリミングされた第1の画像105を取得し、第2の画像102をマスク104に基づいてトリミングして、トリミングされた第2の画像108を取得する。3つのチャネル(赤色、緑色、青色)を含むRGB画像であるトリミングされた第1の画像105は、次いでYCbCr色空間に変換され、輝度チャネル「Y」は、「Y」チャネル画像110を取得するように選択される。
【0054】
顔の形状及び撮像システム又は任意の画像取込デバイスから生じ得るフラッシュの位置決めに起因して、顔にわたる均一な照明を達成することは非常に困難である。不均一な照明は、デジタル画像からの特徴部の検出時に望ましくない。「Y」チャネル画像110の照明を改善し、かつ/又はコントラストを向上させるために、コントラスト制限付き適応ヒストグラム均等化(CLAHE)などのヒストグラム均等化を「Y」チャネル画像110上で実行して、ヒストグラム均等化された画像112を取得する。「Y」チャネル画像110は、一連のタイルに分割され、それぞれのタイル上でCLAHEを実行することによって、それぞれのタイルに対して、照明が改善され、かつ/又はコントラストが向上する。バイリニア補間を使用して、隣接するタイルを組み合わせてもよい。
【0055】
図9は、区切られた関心領域106を有する画像105、CLAHEで処理していない画像107a及びCLAHEで処理された画像107bを示す。画像107bの照明及びコントラストが改善され、顔の形状及びフラッシュ及び/又はカメラの位置決めによる不均一な照明の影響が低減される。これらにより得られた画像は、CLAHEによる画像105の処理の有効性を実証するものである。
【0056】
研究が顔の皮膚の毛穴の測定に関連しているため、てかり、皺、しみ、毛、ほくろ、吹き出物、座瘡、毛穴の黒い詰まり、毛穴の白い詰まり、若しくはこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない(皮膚の毛穴ではない)他の皮膚特徴部又は複数の特徴部は、ノイズと見なされてもよく、ヒストグラム均等化された画像112から除去されてもよい。ヒストグラム均等化された画像112は、ガウス差分(DoG)フィルタなどの周波数フィルタを使用してフィルタリングされて、そのような1つ以上の皮膚特徴部を除去して、フィルタリングされた画像114を取得する。
【0057】
ヒストグラム均等化された画像112を以下のDoGカーネルを通過させる。xは、横軸内の原点からの距離であり、yは、縦軸内の原点からの距離であり、σ1及びσ2は、2つのガウス分布の標準偏差である。
【0058】
【数1】
【0059】
適応的閾値処理などの画像のセグメント化は、フィルタリングされた画像114上で、好ましくはバイナリ化と一緒に実行されて、バイナリ画像116を取得する。任意選択的に、接続されている皮膚特徴部を分離するために、分水嶺変換フィルタなどのフィルタがバイナリ画像116に適用されて、フィルタリングされたバイナリ画像118を取得する。任意選択的に、サイズフィルタ又は形状フィルタなどのフィルタがフィルタリングされたバイナリ画像118に適用されて、抽出された毛穴の画像120を取得する。抽出された毛穴の画像120を使用して、数、面積、外周、アスペクト比、向き及び重心のデカルト座標を含むが、これらに限定されない、毛穴の形状関連統計値を計算してもよい。
【0060】
抽出された毛穴の画像120もまた使用して、図10A及び図10Bにそれぞれ示すように、皮膚の毛穴のそれぞれの境界と、皮膚の毛穴のそれぞれの境界から径方向の隣接領域122と、を特定してもよい。画像108及び抽出された毛穴の画像120を重ね合わせて、それぞれの皮膚の毛穴の特定された境界内の毛穴の色を特定し、画像108及び特定された隣接領域を重ね合わせて、隣接領域の色を特定する。皮膚の毛穴のそれぞれの特定された毛穴の色を、それぞれ対応する皮膚の毛穴の特定された隣接領域と比較して、皮膚の毛穴のそれぞれに対する毛穴の色コントラスト値を決定してもよい。
【0061】
S2画像100及びXP画像102が、1秒以内に次々に撮影されるが、被験体は、例えば、呼吸によるわずかな動きを有してもよい。小さいモーメントによる任意の効果を最小限に抑えるために、XP画像102は、最初に、剛体強度に基づく画像位置合わせ法を使用してS2画像100と位置合わせされて、登録XP画像を取得してもよい。位置合わせされたXP画像を使用して、色を計算してもよい。全ての色は、最初にRGB強度によって測定され、次いで、RGB強度は、皮膚の測定のために最も確立された色空間であるCIE-LAB色空間に変換される。更に、皮膚の毛穴のそれぞれの特定された毛穴の色と、それぞれ対応する皮膚の毛穴の特定された隣接領域との間の毛穴の色コントラスト値が、CIE DE2000の式を用いて計算される。
【0062】
本発明に基づく画像解析アルゴリズム又は方法は、Matlab R2017a(MathWorks,Inc.(Massachusetts,USA))を使用して開発されている。
【0063】
毛穴の色のシミュレーション試験
眼窩下部により暗い毛穴を有する被験体が、毛穴の色シミュレーション試験のために選択される。眼窩下部の画像は、Visia(登録商標)-CR撮像システムによって取り込まれる。デジタルシミュレーションを使用して、取り込まれた画像の毛穴の色の様々な程度をシミュレートする。この実施例では、Adobe Photoshop CS6(登録商標)を使用して、異なる毛穴の明るさの程度をデジタル的にシミュレートする。元の毛穴の色に対して(i)毛穴の色を10%だけ明るくする、(ii)毛穴の色を25%だけ明るくする、及び(iii)毛穴の色を50%だけ明るくする。
【0064】
【表1】
【0065】
表1は、本発明の方法によって測定された毛穴の明るさの程度及び対応する毛穴のコントラスト値を示す。理論に束縛されるものではないが、毛穴の色が明るくなると、毛穴の色コントラスト値は、減少することとなると考えられる。毛穴のコントラスト値と毛穴の明るさの程度との間の回帰プロットは、0.94のR2を与え、2つの変数(すなわち、毛穴の明るさ及び毛穴の色コントラスト値)の間の関係が高度に線形であることを示唆する。毛穴の明るさの程度に対する毛穴の色コントラスト値の線形減少は、本発明の方法の精度を証明する。
【0066】
開発された画像解析アルゴリズムの検証が、頬領域、特に眼窩下部を使用して行われるのは、有意により高い毛穴の密度が、被験体の大部分についてそのような領域で典型的に観察されるためである。他の顔領域又は身体の領域などの関心対象の他の領域が、上述のように分析されかつ処理されてもよいことが理解されるであろう。例えば、図11Aは、関心領域として区切られた被験体の鼻領域内の拡大毛穴を示し、図11Bは、DoGフィルタが適用された後の図11Aの関心領域の強調画像を示し、図11Cは、CLAHEが適用された後の画像を示す。
【0067】
有利には、適用が典型的には、容易にアクセス可能な領域に限定される既存の3D撮像方法と比較して、本発明は、例えば、皮膚の凹凸表面、鼻の領域などの、湾曲を有する皮膚の領域にアクセスすることが困難な関心領域に適用することができる。
【0068】
有利には、本発明を適用して、毛穴の色、毛穴の周囲の色及び毛穴の色コントラストの測定を可能にし得る、皮膚の毛穴の異なる特性を特徴付けることができる。図12Aは、図12Bに示すようなより明るい毛穴を有する被験体の画像と比較して、78%だけ暗い毛穴を有する被験体の画像を示すが、図12Aに示した毛穴は、面積が25%だけ大きい。毛穴の程度は、色に基づいて区別してもよい。
【0069】
有利には、本発明は、2D画像を解析するために適用されてもよく、これにより、臨床試験において容易に実施することができる。更に、本発明は、精巧な撮像システム又は装置によって取り込まれた画像を分析することに限定されず、消費者デバイス、例えば、携帯カメラなどの他のソースから取り込まれた画像もまた、分析のために使用することができる。取り込み時に画像を交差偏光させることが不可能である場合、好適な代替画像処理手法が、色測定のためにそのような画像に実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0070】
毛穴及び/若しくは皮膚特徴部の色、毛穴及び/若しくは皮膚特徴部の色コントラスト値、並びに/又は、毛穴及び/若しくは皮膚特徴部の強度コントラスト値の他の用途としては、老化若しくは皮膚の老化のシミュレーション、スキンケア製品の有効性の予測、アプリケータ、診断装置若しくはシステムなどの美容ケア若しくはスキンケアのデバイス若しくはシステムにおける適用、被験体の毛穴の可視性の知覚を予測するなどの予測モデル、好適な学習セットに基づく予測モデル、年齢の外観のシミュレーション、人の見かけの肌年齢のシミュレーション、使用者がセルフィーを撮るように誘導すること、自己撮影画像の品質を判定するための画像処理、色素過剰スポットの特定及び/若しくは分類、皮膚の老化及び/若しくは若返りのシミュレーション(例えば、米国特許出願公開第2008/212894号)、ひだの老化及び/若しくは若返りのシミュレーション(例えば、米国特許出願公開第2009/028380号)、カスタマイズされた製品の推奨の提供(例えば、米国特許出願公開第2017/0270593号)、画像のスペクトル特性の決定(例えば、米国特許出願公開第2017/0272741号)、グラフィック発色団マップの生成(例えば、米国特許出願公開第2017/0270349号、同第2017/0270691号)、顔の皮膚の健康の評価(例えば、米国特許出願公開第2017/0270350号)、並びに顔の皮膚の対話型画像の生成(例えば、米国特許出願公開第2017/0270348号)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0071】
本明細書中で「実施形態(複数可)」等と言った場合、その実施形態と関連付けて説明される特定の材料、特徴、構造及び/又は特性が少なくとも1つの実施形態、場合によりいくつかの実施形態に含まれることを意味するが、全ての実施形態が記載される材料、特徴、構造、及び/又は特性を含むことを意味するものではない点は理解されよう。更に、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、異なる実施形態にわたって、任意の好適な方法で組み合わされてもよく、材料、特徴、構造、及び/又は特性は、説明されるものから除外されてもよいし、代用されてもよい。したがって、本明細書に記載されている実施形態及び態様は、別段明記しない限り又は不適合性が明示されてされない限り、組み合わせて明示的に例示されていなくても、他の実施態様及び/又は態様の要素又は構成成分を含むか又はこれらと組み合わされることが可能である。
【0072】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。本明細書に記載される全ての数値範囲はより狭い範囲を包含する。区切られた上下の範囲制限は、明示的に区切られていない更なる範囲を作るうえで互換性がある。本明細書に記載する実施形態は、本明細書に記載の必須構成要素並びに任意成分を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数形も含むものとする。
【0073】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0074】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B