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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】軟骨置換組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/24 20060101AFI20220720BHJP
   A61L 27/22 20060101ALI20220720BHJP
   A61L 27/26 20060101ALI20220720BHJP
   A61L 27/44 20060101ALI20220720BHJP
   C07K 14/78 20060101ALI20220720BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20220720BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A61L27/24
A61L27/22
A61L27/26
A61L27/44
C07K14/78 ZNA
C12N15/12
C07K7/06
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021556376
(86)(22)【出願日】2020-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 US2020025611
(87)【国際公開番号】W WO2020205686
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/826,819
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521431996
【氏名又は名称】イノベイティブ・オーサピディクス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・アントニオ・ベタンコート・アレクサンダー
【審査官】今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】カナダ国特許出願公開第02254350(CA,A1)
【文献】中国特許出願公開第1739797(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0348458(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0296777(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0256309(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175489(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0182995(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0320904(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0021138(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0095075(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0186168(US,A1)
【文献】Journal of Orthopaedic Surgery and Research,2014年,9:14,DOI:10.1186/1749-799X-9-14
【文献】NATURE MATERIALS,2009年05月21日,Vol.8,p.457-470,DOI:10.1038/NMAT2441
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 15/00-33/18
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2型コラーゲン、エラスチンペプチド、及びグルコン酸カルシウムを含む軟骨置換のための組成物。
【請求項2】
約1×10-6~約10×10-6モルの2型コラーゲンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約3×10-6モルの2型コラーゲンを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
エラスチンペプチドが、アミノ酸配列XGXXPG(配列番号1)を含み、Xは任意のアミノ酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
エラスチンペプチドが、アミノ酸配列VGVAPG(配列番号2)を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
約1×10-6~約10×10-6モルのエラスチンペプチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約5×10-6モルのエラスチンペプチドを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
2型コラーゲンとエラスチンペプチドのモル比、約1:1~約1:5を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
約0.5~約10ミリモルのグルコン酸カルシウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約7ミリモルのグルコン酸カルシウムを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
2型コラーゲンとエラスチンペプチドとグルコン酸カルシウムのモル比、約1:1:1000~約1:5:4000を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物、及び
フィブリンシーラント
を含むコラーゲンスキャホールド。
【請求項13】
コラーゲンスキャホールドを作製する方法であって、
請求項1に記載の組成物を調製する工程、及び
組成物をフィブリンシーラントと混合する工程
を含む方法。
【請求項14】
損傷軟骨の置換を必要とする対象における損傷軟骨を置換する方法で使用するためのコラーゲンスキャホールドであって、
前記方法が、対象から損傷軟骨を除去する工程、及びコラーゲンスキャホールドを対象に注入して、損傷軟骨を置換する工程を含み、
コラーゲンスキャホールドが、請求項1に記載の組成物とフィブリンシーラントとの混合物である、コラーゲンスキャホールド。
【請求項15】
2型コラーゲン;
エラスチンペプチド;
グルコン酸カルシウム;及び
フィブリンシーラント
を含む軟骨置換のためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日に出願した米国特許仮出願第62/826,819号に基づく優先権を主張するものであり、当該仮出願を全体として参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、軟骨置換のための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
身体は、殆どの損傷した組織を治癒及び置換するのに効率的なプロセスを有するのに対し、関節における組織は、しばしば治癒することができず、個人の寿命を通じて崩壊する。健常人において、骨端は、軟骨でできている滑面を有する。軟骨は、骨が互いに滑らかに滑ることを可能にする滑液の薄層によって潤滑されるが、組織治癒を妨げるおそれもある。軟骨が変質する又は傷つけられると、関節は堅くかつ痛みを伴うようになる。動きを回復させ、痛みを低減する1つの方式は、損傷した骨を、通常コーティングされている又はコーティングされていない金属若しくはプラスチックの人工移植物で置換する関節置換手術による方式である。いずれか侵襲的大手術に伴う長い回復時間及びリスクに加えて、人工移植物は、転位、破砕、及び腐食を伴うことがあり、それらはすべて、更なる外科処置をもたらすことになってしまう。
【0004】
関節置換に対する可能性のある代案は、患部の関節又はスキャホールドに新しい軟骨を挿入し、新しい軟骨を生体内の本来の場所で生成することにより存在する。軟骨細胞、すなわち軟骨の細胞はインビトロで再生され得るが、軟骨細胞を特定の位置に置き、確実に増殖させることは困難である。更に、軟骨細胞を関節に注入するという案は、軟骨が単なる細胞にとどまらないという事実を見落としている。軟骨組織は大部分が、水、コラーゲン、及び他の細胞外マトリックス物質を含めて、非細胞性物質で構成されており、それらの大部分が、軟骨細胞によって生成及び/又は維持される。ナノファイバー、ヒドロゲル、ビーズ、マッシュ、及びミクロスフェアを含めて、軟骨の他の成分を模倣するさまざまなスキャホールドが示唆されてきた。しかし、これらのスキャホールドを形成するために人工化合物を使用することによって、それら自体の臨床的な問題及び有害な副作用が提起される。更に、現在使用されているスキャホールドの大部分は、スキャホールド又は置換軟骨を骨に接着させる機序に対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】US2017/0348458
【文献】US2013/0296777
【文献】US2018/0256309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、効率的で、持続的な、低侵襲性の軟骨置換のための組成物及び方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本開示は、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンを含む組成物を提供する。
【0008】
別の態様において、本開示は、コラーゲンスキャホールドを提供する。コラーゲンスキャホールドは、本明細書に開示される組成物、及びフィブリンシーラントを含み得る。本開示は、本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド(collage scaffold)を作製する方法も提供する。
【0009】
別の態様において、本開示は、対象における損傷軟骨を置換する方法を提供する。方法は、対象から損傷軟骨を除去する工程、本明細書に記載される組成物を調製する工程、組成物をフィブリンシーラントと混合して、コラーゲンスキャホールドを形成する工程、及びコラーゲンスキャホールドを対象に注入する工程を含み得る。
【0010】
別の態様において、本開示は、キットも提供する。キットは、コラーゲン、エラスチンペプチド、2価のカチオン、及びフィブリンシーラントを含む。
【0011】
本開示の他の態様及び実施形態は、以下の説明及び図面を考慮して明らかになる。
【0012】
本特許又は出願ファイルは、カラーで仕上げた少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開のコピーは、要求及び必要な手数料の支払いに応じて、特許庁によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、破線の丸で囲まれた領域によって指定された移植部位を示す図である。
図1B】本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植時に撮られた画像を示す図である。
図1C】本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植時に撮られた画像を示す図である。
図1D】本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、移植後に骨に接着したコラーゲンスキャホールドを示す図である。
図2A】II型コラーゲンを含むが、エラスチンペプチド又はグルコン酸カルシウムを含まない対照コラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、対照コラーゲンスキャホールドの移植時に撮られた画像を示す図である。
図2B】II型コラーゲンを含むが、エラスチンペプチド又はグルコン酸カルシウムを含まない対照コラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、対照コラーゲンスキャホールドの移植時に撮られた画像を示す図である。
図2C】II型コラーゲンを含むが、エラスチンペプチド又はグルコン酸カルシウムを含まない対照コラーゲンスキャホールド組成物の移植を示す画像であり、移植後に骨に接着した対照コラーゲンスキャホールドの欠如を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、軟骨置換のための組成物及び方法を提供する。組成物は、軟骨細胞を含む組織を骨に接着するとともに組み込み、養育する能力を有する。組成物は、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンを含む。組成物は、フィブリンシーラント又はフィブリン糊と組み合わせて、軟骨置換方法において使用するためのコラーゲンスキャホールドを形成することができる。
【0015】
1. 定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、当業者が通常理解している意味と同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含めて本明細書を優先する。本明細書に記載される方法及び材料と同様又は同等な方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を後述する。本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照により全体として組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定することを意図したものではない。
【0016】
本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別に指示のない限り、又は文脈によって特にはっきりと矛盾していない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書に記載されるすべての例又は例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、本発明をよりよく解明するよう意図されているにすぎず、別に主張されていない限り、本発明の範囲を限定しない。本明細書中のどの言語も、図面に示されたどの構造も、任意の主張されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを指し示していると解釈されるべきではない。
【0017】
本明細書において、用語「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「することができる(can)」、「含む(contain(s))」、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造の可能性を排除しないオープンエンドの移行句、用語、又は単語であることを意図する。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上からそうでないことがはっきりと指示されていない限り複数の場合を含む。本開示は、明確に記載されようとされまいと、本明細書に提示されている実施形態又は要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態も企図する。
【0018】
量に関連して使用される修飾語「約」は記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、それは、少なくとも特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。修飾語「約」は、2つの終点の絶対値によって定義される範囲を開示するとみなされるべきでもある。例えば、表現「約2~約4」は、「2~4」の範囲も開示する。用語「約」は、指示された数のプラス又はマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は9%~11%の範囲を示すことができ、「約1」は0.9~1.1を意味することができる。「約」の他の意味は、四捨五入等、文脈から明らかでありうる。したがって、例えば「約1」は0.5~1.4も意味することができる。
【0019】
本明細書における数値範囲の記述では、同じ精度でその範囲の間に介在する各数値が明確に企図される。例えば、6~9の範囲については、6及び9に加えて、数値7及び8が企図され、6.0~7.0の範囲については、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明確に企図される。
【0020】
本明細書において、用語「投与する(administering)」、「提供する(providing)」及び「導入する(introducing)」は同義に使用され、組成物を所望の部位に少なくとも部分局在化することになる方法又は経路による、本開示の組成物の対象への配置を指す。組成物は、対象における所望の位置への送達をもたらす任意の適切な経路によって投与することができる。
【0021】
本明細書において、用語「アミノ酸」は、天然アミノ酸及び非天然の合成アミノ酸、並びに天然アミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然アミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるものである。アミノ酸は、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されている、それらの一般に公知である3文字記号又は1文字記号によって本明細書で言及することができる。アミノ酸は、側鎖及びポリペプチド主鎖部分を含む。
【0022】
本明細書において、用語「2価のカチオン(divalent cation又はbivalent cation)」は、2価の正電荷状態を有する化学元素を示するために使用される。例えば、Ca2+は、カルシウムの2価のカチオンである。
【0023】
本明細書において、用語「エラスチンペプチド」の単数形又は複数形は、エラスチンの一部分に対応し、その生物学的同等物であり、それに類似し、又はそれと実質的に相同であるが、全長エラスチンではないペプチド又はアミノ酸配列を指す。用語「エラスチンペプチド」は、供給源若しくは出発物質又はエラスチンペプチドに達する方法に関する意味を伝えるように意図されていない。
【0024】
本明細書において、「フィブリンシーラント」又は「フィブリン糊」は、止血又は創傷治癒のためのフィブリンクロットを作り出すために使用される外科用製剤を指す。シーラントは通常フィブリノゲン及びトロンビンを含み、塩化カルシウムの存在下で再構成されるとき、フィブリノゲンをフィブリンモノマーに変換し、三次元ゲルを生成する。フィブリンシーラント調製物は、アプロチニン、フィブロネクチン、及びプラスミノゲンを含めて追加の成分も含むことができる。フィブリンシーラントの例としては、CSL Behring社からのBeriplast(登録商標)Pシーラントが挙げられる。
【0025】
「ペプチド」又は「ポリペプチド」は、2つ以上のアミノ酸がペプチド結合によって連結された結合配列である。ポリペプチドは、天然、合成、又は天然及び合成の修飾若しくは組合せとすることができる。ドメインは、コンパクトな単位を形成するポリペプチド又はタンパク質の一部分であり、典型的に15~350アミノ酸長である。
【0026】
「対象」又は「患者」は、ヒト又は非ヒトとすることができ、例えば、研究の目的で「モデル系」として使用されるもの、本明細書に記載されるようなマウスモデル等を含めて動物系統又は種を挙げることができる。同様に、患者としては、成人又は若年(例えば、小児)を挙げることができる。更に、患者は、本明細書において企図される組成物の投与によって利益を得ることができる任意の生体、好ましくは哺乳類(例えば、ヒト又は非ヒト)を意味することができる。哺乳類の例としては、哺乳綱の任意のメンバー:ヒト、チンパンジー及び他の類人猿並びにサル種等の非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の産業動物;ウサギ、イヌ、及びネコ等の愛玩動物;ラット、マウス及びモルモット等のげっ歯類を含む実験動物等が挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳類の例としては、鳥類、魚類等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載されている方法及び組成物の一実施形態において、哺乳類はヒトである。
【0027】
2. 組成物
本開示は、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンを含む組成物を提供する。
【0028】
a.コラーゲン
組成物は、コラーゲンを含み得る。コラーゲンは、当技術分野において公知であるいくつかの生物源から精製され得る。例えば、コラーゲンタンパク質は、ヒト及びウシを含めて、動物の皮膚、骨、腱の結合組織、又は他の組織、並びに魚の皮膚及び鱗から抽出され得る。精製コラーゲンは、滅菌のために更に処理され得る。或いは、コラーゲンは、周知の分子生物学的技法を使用してインビトロで生成され得る。コラーゲンは、動物及び魚において自然に見られるもののアミノ酸配列又は修飾アミノ酸配列を有し得る。
【0029】
コラーゲンは任意のタイプのコラーゲンであり得る。コラーゲンは可溶化コラーゲンであり得る。コラーゲンはフィブリル構造を形成することができる。コラーゲンは、I型、II型、III型、IV型、V型、又はそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態において、コラーゲンはII型コラーゲンである。
【0030】
組成物は、約1×10-6~約10×10-6モルのコラーゲンを含み得る。組成物は、少なくとも1×10-6モル、少なくとも2×10-6モル、少なくとも3×10-6モル、少なくとも4×10-6モル、少なくとも5×10-6モル、少なくとも6×10-6モル、少なくとも7×10-6モル、少なくとも8×10-6モル、又は少なくとも9×10-6モルのコラーゲンを含み得る。組成物は、10×10-6モル未満、9×10-6モル未満、8×10-6モル未満、7×10-6モル未満、6×10-6モル未満、5×10-6モル未満、4×10-6モル未満、3×10-6モル未満、又は2×10-6モル未満のコラーゲンを含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、約3×10-6モルのコラーゲンを含む。
【0031】
b.エラスチンペプチド
組成物はエラスチンペプチドを含み得る。エラスチンは、当技術分野において公知である供給源に由来し得る。エラスチンペプチドは酵素消化プールから単離され得る。エラスチンペプチドは、ペプチドシーケンサーを用いて合成され得る。本発明において使用されるエラスチンペプチドの分子量又は分子長は限定されない。しかし、エラスチンペプチドは全長エラスチンを包含しない。
【0032】
エラスチンペプチドは、アミノ酸配列XGXXPG(配列番号1)を含み得、Xは任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態において、エラスチンペプチドは、アミノ酸配列VGVAPG(配列番号2)を含む。
【0033】
組成物は、約1×10-6~約10×10-6モルのエラスチンペプチドを含み得る。組成物は、少なくとも1×10-6モル、少なくとも2×10-6モル、少なくとも3×10-6モル、少なくとも4×10-6モル、少なくとも5×10-6モル、少なくとも6×10-6モル、少なくとも7×10-6モル、少なくとも8×10-6モル、又は少なくとも9×10-6モルのエラスチンペプチドを含み得る。組成物は、10×10-6モル未満、9×10-6モル未満、8×10-6モル未満、7×10-6モル未満、6×10-6モル未満、5×10-6モル未満、4×10-6モル未満、3×10-6モル未満、又は2×10-6モル未満のエラスチンペプチドを含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、約5×10-6モルのエラスチンペプチドを含む。
【0034】
組成物は、コラーゲンとエラスチンペプチドのモル比が約1:1~約1:5になる任意の絶対量のコラーゲン及びエラスチンペプチドを含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、コラーゲンとエラスチンペプチドのモル比、約1:1.6を含む。
【0035】
c.2価のカチオン
組成物は、2価のカチオンを含み得る。2価のカチオンは、2価の正電荷を有する任意のカチオン、例えば亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄、及び銅であり得る。好ましい実施形態において、2価のカチオンは、カルシウム、マグネシウム、又はそれらの組合せである。
【0036】
2価のカチオンは、2価のカチオンの有機塩又は無機塩を含み得る。例えば、2価のカチオンを有機アニオン又は無機アニオンと結合させて、有機塩又は無機塩を形成することができる。有機塩又は無機塩は、塩化物塩、炭酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、ピロリン酸塩、酸化物塩、シュウ酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、乳酸塩、水酸化物塩、グルコヘプトン酸塩、アスコルビン酸塩、又はそれらの組合せ若しくは水和物であり得る。例示的実施形態において、2価のカチオンはグルコン酸カルシウムである。
【0037】
組成物は、約0.5~約10ミリモルの2価のカチオンを含み得る。組成物は、少なくとも0.5ミリモル、少なくとも1ミリモル、少なくとも2ミリモル、少なくとも3ミリモル、少なくとも4ミリモル、少なくとも5ミリモル、少なくとも6ミリモル、少なくとも7ミリモル、少なくとも8ミリモル、又は少なくとも9ミリモルの2価のカチオンを含み得る。組成物は、10ミリモル未満、9ミリモル未満、8ミリモル未満、7ミリモル未満、6ミリモル未満、5ミリモル未満、4ミリモル未満、3ミリモル未満、2ミリモル未満、又は1ミリモル未満の2価のカチオンを含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、約7ミリモルの2価のカチオンを含む。
【0038】
組成物は、コラーゲンとエラスチンペプチドと2価のカチオンのモル比が約1:1:1000~約1:5:4000になる任意の絶対量のコラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンを含み得る。組成物は、コラーゲンとエラスチンペプチドと2価のカチオンのモル比、約1:1:2000、約1:1:3000、約1:1:4000、約1:2:1000、約1:2:2000、約1:2:3000、約1:2:4000、約1:3:1000、約1:3:2000、約1:3:3000、約1:3:4000、約1:4:1000、約1:4:2000、約1:4:3000、約1:4:4000、約1:5:1000、約1:5:2000、又は約1:5:3000を含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、コラーゲンとエラスチンペプチドと2価のカチオンのモル比、約1:1.6:2300を含む。
【0039】
組成物は、溶媒を更に含み得る。好適な溶媒としては、水、等張性生理食塩水、又は緩衝液、例えばホスフェート、Tris、HEPES、又は他の生物学的に好適な緩衝液が挙げられる。
【0040】
組成物は、治療目的で、ホルモン、サイトカイン、増殖因子、凝固因子、抗プロテアーゼタンパク質(例えば、α1-アンチトリプシン)、血管新生タンパク質(例えば、血管内皮細胞増殖因子、繊維芽細胞増殖因子)、抗血管新生タンパク質(例えば、エンドスタチン、アンジオスタチン)、及び血液中に存在する他のタンパク質、骨形成タンパク質(BMP)、骨誘導因子(IFO)、フィブロネクチン(FN)、内皮細胞増殖因子(ECGF)、セメント質付着抽出物(CAE)、ケタンセリン、ヒト成長ホルモン(HGH)、動物成長ホルモン、上皮増殖因子(EGF)、インターロイキン-1(IL-1)、ヒトαトロンビン、トランスフォーミング増殖因子(TGF-β)、インスリン様増殖因子(IGF-1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、並びに歯根膜走化性因子(PDLGF)を含むが、これらに限定されない治療用タンパク質を組み込むことができる。
【0041】
3. コラーゲンスキャホールド
本開示は、本明細書に記載される組成物、及びフィブリンシーラントを含む、コラーゲンスキャホールドを提供する。
【0042】
フィブリンシーラントは、当技術分野において公知である任意のフィブリンシーラントであり得る。典型的には、フィブリンシーラントは、フィブリノゲン及びトロンビンが関与する酵素反応によって形成される。フィブリンシーラントは、多成分デバイスを含むことができ、その結果、2つの供給リザーバー、すなわち2本の注射器がフィブリノゲン及びトロンビンを投与まで分けておくために使用される。フィブリンシーラントは、単一成分デバイスを含み得る。
【0043】
本開示は、コラーゲンスキャホールドを作製する方法であって、本明細書に記載される組成物を調製する工程、及び組成物をフィブリンシーラントと混合する工程を含む、方法も提供する。本明細書に記載される組成物をフィブリンシーラントのすべて又は一部分と混合することができる。例えば、フィブリンシーラント用の多成分デバイスが使用される場合、組成物を、投与する前にフィブリノゲン及びトロンビンの一方又は両方と混合することができる。
【0044】
コラーゲンスキャホールドは、軟骨損傷を修復する助けとなりうる要素を加えるために更にベースの働きをすることができる。例えば、これらの要素としては、自己、同種、若しくは異種の前駆細胞、軟骨細胞を含むが、これらに限定されない細胞成分、又はエンドソーム、エキソソーム、液胞、若しくは軟骨病変の修復において有用である他の任意の要素等の非細胞成分を挙げることができる。
【0045】
4. 使用方法
本開示は、対象における損傷軟骨を置換する方法も提供する。方法は、対象から損傷軟骨を除去する工程、本明細書に記載される組成物を調製する工程、組成物をフィブリンシーラントと混合して、コラーゲンスキャホールドを形成する工程、及びコラーゲンスキャホールドを対象に注入して、損傷軟骨を置換する工程を含む。
【0046】
損傷軟骨を除去する工程は、対象における損傷軟骨の位置を特定し、同定する工程も含む。これは、例えば磁気共鳴画像法で行うことができる。軟骨は、当技術分野において周知の任意の方法によって除去され得る。外科医は、損傷軟骨のサイズ及び位置に基づいて使用するための最善で最も適用可能な方法を認識することができる。手術には、標準滑膜切除術、滑液包切除術、又は嚢切開術を含み得る。軟骨は、シェーバー、バスケットピンセット、又は軟骨切開用若しくは他の好適なデバイスの使用により除去され得る。
【0047】
下層にある骨が正常な表面を有していない場合、軟骨内における骨形成、軟骨内骨形成、又は骨の表面上の新生骨、すなわち外骨腫は、コラーゲンスキャホールドの注入前に除去され、骨基質で修復されなければならない。
【0048】
本明細書に記載される組成物をフィブリンシーラントと混合して、コラーゲンスキャホールドを形成した後、コラーゲンスキャホールドは、損傷軟骨が除去された領域に注入される。注入は、水の非存在下に完了されてもよい。
【0049】
本明細書に記載されるコラーゲンスキャホールドは、単独で、或いは他の三次元(3-D)スキャホールド又は他の伝統的な修復デバイス若しくは技法と組み合わせて使用され得る。
【0050】
5. キット
本開示は、
(a) コラーゲン;
(b) エラスチンペプチド;
(c) 2価のカチオン;及び
(d) フィブリンシーラント
を含むキットを更に提供する。
【0051】
いくつかの実施形態において、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンが共配合される。いくつかの実施形態において、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンが、フィブリンシーラントと共配合される。いくつかの実施形態において、コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオン、並びにフィブリンシーラントが共包装される。
【0052】
キットは、他の成分と共包装、共配合、及び/又は共送達された化合物及び/又は生成物も含むことができる。例えば、医薬品製造業者、医師、又は病院は、以上に列挙した成分及び患者に送達するための別の成分を含むキットを提供することができる。
【0053】
開示されたキットは、開示された方法と関連させて採用されてもよい。
【0054】
キットは、損傷軟骨を修復するためにキットを如何に使用することができるかに関する情報、指示書、又は両方を更に含むことができる。情報及び指示書は、言葉、絵画、又はその両方等の形をとることができる。
【実施例
【0055】
6. 実施例
本明細書に記載される本開示の方法の他の好適な修飾及び適合は容易に適用可能及び認識可能であり、本開示の範囲又は本明細書に開示される態様及び実施形態から逸脱することなく、好適な均等物を使用して行うことができることが当業者には容易に明らかであろう。これまで本開示を詳細に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより、本開示がよりはっきりと理解される。それらの実施例は、単に本開示のいくつかの態様及び実施形態を説明するためのものにすぎず、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。本明細書に引用されるすべてのジャーナルリファレンス、米国特許、及び刊行物の開示内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0056】
(実施例1)
組成物の調製
エラスチンペプチド(Grupo Proteo社)を10.6mM含有する溶液0.5mLを、1.5mMのウシ2型コラーゲン2mL及び適切な溶媒中14Mの濃度のグルコン酸カルシウム(PiSA(登録商標) Farmaceutica)0.5mLと混合した。
【0057】
エラスチンペプチドは、平均分子量約7000ダルトンの全長エラスチンタンパク質の加水分解ペプチドであった。上記の濃度を計算するために平均分子量を使用した。
【0058】
本来、2型コラーゲンは、通常親水性であり、スキャホールドにおいて機能することができない。しかし、エラスチンペプチド及び2価のカチオンと混合されると、驚くべきことに、II型コラーゲンは疎水性を帯びることが見出された。この驚くべき疎水性により、組成物が軟骨細胞及び/又は組織を含む軟骨細胞の定植に適したものになった。
【0059】
(実施例2)
コラーゲンスキャホールドの調製
疎水性の2型コラーゲン、エラスチンペプチド及びグルコン酸カルシウムに加えて、スキャホールドはフィブリンシーラントを含む。本発明の例は、市販のBeriplast(登録商標) Pシーラントを使用した。Beriplast(登録商標) Pは、1本の注射器がフィブリノゲン及びアプロチニンの溶液2mLを含み、第2の注射器が塩化カルシウム及びトロンビンの溶液を含む二成分シーラントである。組成物を第2の注射器のトロンビン溶液と混合した。更に、アプロチニンを含まないフィブリンシーラントを使用することができる。フィブリンシーラントからアプロチニンを削除することによって、スキャホールドの強度を改善することができる。
【0060】
(実施例3)
軟骨置換
実施例2に記載されている配合されたスキャホールドを軟骨置換手術に使用した。損傷軟骨は、CartiloGram磁気共鳴画像法によって位置を特定した。通常の関節鏡視下手術によって、皮膚における2つの入口を開いた。トロカールの挿入後に、カメラを用いて入口の一方を介して軟骨損傷の更なる画像処理を観察した。
【0061】
最初の標準滑膜切除術、滑液包切除術、又は嚢切開術を終了し、正常な軟骨より比較的軟らかい損傷軟骨をシェーバー、バスケットピンセット、及び/又は軟骨切開用デバイスによって除去した。損傷軟骨の除去をスタイラスの牽引及び接触によって検証した。場合によっては、正常軟骨と損傷軟骨の縁を画定するために、熱的高周波も使用した。
【0062】
骨が正常な表面を有することを確認した後、フィブリンシーラントを、実施例2に記載されている組成物と混合して、コラーゲンスキャホールド(collage scaffold)を形成し、病変に注入した。スキャホールドが通常の形で骨に固着するのを助けるために、フックスタイラスを使用した。スキャホールドの注入時に、水の流れを10秒間止めた。2分後に、関節運動を観察することによって、固化したスキャホールドの挙動をチェックした。
【0063】
図1A図1Dに示すように、ブタのモデルにおいて、材料の使用も試験した。移植の部位を指定した(図1A、破線の丸)。本明細書に記載される材料の移植時に、材料は注入され、移植の部位付近に残存した(図1B)。注入後に、スキャホールドを移植の部位の周りに造形するために、フックスタイラスを使用した(図1C)。図1Dに示すように、スキャホールドは、移植の部位における骨に接着し、通常のスキャホールド構造を形成した。
【0064】
比較のために、II型コラーゲンのみを含み、エラスチンペプチド又はグルコン酸カルシウムを含まない対照スキャホールドも調製し、ブタのモデルにおいて試験した(図2A図2C)。移植時に、対照スキャホールドは移植の部位付近に残存せず、プロセス全体にわたって骨に接着することができなかった(図2A及び図2B)。図2Cに示すように、注入後、少量の対照スキャホールドのみ移植の部位に残存した。その少量さえ、骨に効果的に接着することができなかった。
【0065】
本明細書に記載されるスキャホールド組成物は、標準オルソスコープ技法及び器具を使用して容易に移植することができる。対照スキャホールドに反して、本明細書に記載されるスキャホールド組成物によって、注入したとき移植の部位から拡散しないような疎水特性を示すスキャホールドが生成された。更に、スキャホールド組成物は、移植の部位において骨に接着し、軟骨修復のためにより安定でより持続的なスキャホールドを提供する優れた能力を示した。
【0066】
完全を期すために、本発明のさまざまな態様を以下の番号付き節で記載する。
節1 コラーゲン、エラスチンペプチド、及び2価のカチオンを含む組成物。
節2 コラーゲンが2型コラーゲンである、節1に記載の組成物。
節3 約1×10-6~約10×10-6モルのコラーゲンを含む、節1又は2に記載の組成物。
節4 約3×10-6モルのコラーゲンを含む、節1から3のいずれか一節に記載の組成物。
節5 エラスチンペプチドが、アミノ酸配列XGXXPG(配列番号1)を含み、Xは任意のアミノ酸である、節1から4のいずれか一節に記載の組成物。
節6 エラスチンペプチドが、アミノ酸配列VGVAPG(配列番号2)を含む、節1から5のいずれか一節に記載の組成物。
節7 約1×10-6~約10×10-6モルのエラスチンペプチドを含む、節1から6のいずれか一節に記載の組成物。
節8 約5×10-6モルのエラスチンペプチドを含む、節1から7のいずれか一節に記載の組成物。
節9 コラーゲンとエラスチンペプチドのモル比、約1:1~約1:5を含む、節1から8のいずれか一節に記載の組成物。
節10 2価のカチオンがマグネシウム又はカルシウムである、節1から9のいずれか一節に記載の組成物。
節11 2価のカチオンが有機塩又は無機塩を含む、節1から10のいずれか一節に記載の組成物。
節12 有機塩又は無機塩が、塩化物塩、炭酸塩、グルコン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、ピロリン酸塩、酸化物塩、シュウ酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、乳酸塩、水酸化物塩、グルコヘプトン酸塩、アスコルビン酸塩、又はそれらの組合せ若しくは水和物である、節1から11のいずれか一節に記載の組成物。
節13 2価のカチオンがグルコン酸カルシウムである、節1から12のいずれか一節に記載の組成物。
節14 約0.5~約10ミリモルの2価のカチオンを含む、節1から13のいずれか一節に記載の組成物。
節15 約7ミリモルの2価のカチオンを含む、節1から14のいずれか一節に記載の組成物。
節16 コラーゲンとエラスチンペプチドと2価のカチオンのモル比、約1:1:1000~約1:5:4000を含む、節1から15のいずれか一節に記載の組成物。
節17 節1から16のいずれか一節に記載の組成物及びフィブリンシーラントを含むコラーゲンスキャホールド。
節18 コラーゲンスキャホールドを作製する方法であって、節1から16のいずれか一節に記載の組成物を調製する工程、及び組成物をフィブリンシーラントと混合する工程を含む、方法。
節19 損傷軟骨の置換を必要とする対象における損傷軟骨を置換する方法であって、対象から損傷軟骨を除去する工程;節1から16のいずれか一節に記載の組成物を調製する工程;組成物をフィブリンシーラントと混合して、コラーゲンスキャホールドを形成する工程;及びコラーゲンスキャホールドを対象に注入して、損傷軟骨を置換する工程を含む方法。
節20 コラーゲン;エラスチンペプチド;2価のカチオン;及びフィブリンシーラントを含むキット。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
【配列表】
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