(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】射出成型方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/16 20060101AFI20220721BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20220721BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B29C45/16
B29C45/26
B29C44/00 D
(21)【出願番号】P 2021019688
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イェー、リャン-ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-122302(JP,A)
【文献】特開平01-259801(JP,A)
【文献】特開昭59-199227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成型方法であって、
第1金型と、前記第1金型の上を
覆い前記第1金型と係合可能な第2金型と、前記第1金型と前記第2金型により定義される第1
の金型キャビティを含む成型装置を提供する工程
であって、前記第1金型が凹陥部を含み、前記第2金型が前記凹陥部により受け入れ可能な第1の突出部を含む、工程と、
前記成型装置を密閉して、前記第1の突出部及び前記第1の金型キャビティを前記凹陥部に配置する工程と、
第1
の材料を前記第1
の金型キャビティ内へ注入する工程と、
前記第1の金型キャビティ内への前記第1の材料の注入する間または注入した後、前記第2金型を前記第1金型から引き離して第2の金型キャビティを形成することによって前記第1の金型キャビティを拡大する工程であって、前記第1の突出部の少なくとも一部が前記凹陥部に配置され、前記第2の金型キャビティが形成されるとき、前記成型装置が閉鎖構成にある、工程と、
前記第1
の材料で第1
の層を形成する工程と、
前記第1金型
と前記第2
の金型キャビティ内へ第2
の材料を注入する工程と、
前記第1
の層上に配置された前記第2
の材料で第2
の層を形成する工程と、
を含み、前記第1
の材料が前記第2
の材料と異なることを特徴とする、射出成型方法。
【請求項2】
前記第1
の材料が非発泡性材料であり、前記第2
の材料が発泡性材料であることを特徴とする、請求項1に記載の射出成型方法。
【請求項3】
前記第1の材料が、通路を介して前記第1の金型キャビティ内へ注入され、前記第2の材料が、前記通路を介して前記第2の金型キャビティ内へ注入されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の射出成型方法。
【請求項4】
前記第2
の材料を注入する前に、
前記第1の層上に接着剤を配置することをさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の射出成型方法。
【請求項5】
前記第1金型が前記凹陥部内に第2の突出部をさらに含み、前記第1
の層が、第1部分と、前記第1部分から分離された第2部分とを含み、
前記第2の突出部が前記第1部分と前記第2部分との間に配置され、前記第2
の層が前記第1部分と前記第2部分の上に配置されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の射出成型方法。
【請求項6】
前記第2の金型キャビティが形成されるとき、前記第1の突出部の少なくとも一部が前記第1金型から露出されることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の射出成型方法。
【請求項7】
射出成型方法であって、
第1キャリアと、前記第1キャリアに隣接して配置された第2キャリアと、前記第1キャリアにより保持され、
突出部を含む第1
の上型と、前記第2キャリアにより保持される第2
の上型とを提供する工程と、
前記第2
の上型の下に第1
の下型を配置する工程
であって、前記第1の下型が前記突出部を受け入れるための凹陥部を含む、工程と、
前記第1
の下型を前記第2キャリアから前記第1キャリアへ搬送し、前記第1
の下型を前記第1
の上型の下に配置する工程と、
前記第1の下型及び前記第2の上型を密封して、前記突出部を前記凹陥部内に配置し、前記第1の下型と前記第1の上型により定義される第1の金型キャビティが形成される工程と、
前記第1
の金型キャビティ内へ第1
の材料を注入
し、第2の金型キャビティを形成する工程
であって、前記第2の金型キャビティの体積が前記第1の金型キャビティの体積よりも小さい、工程と、
前記第1
の材料で第1
の層を形成する工程と、
前記第1
の層を収容する前記第1
の下型を前記第1キャリアから前記第2キャリアへ搬送し、前記第1
の下型を前記第2
の上型の下に配置する工程と、
前記第1の下型及び前記第2の上型を密封して、前記第1の下型と前記第2の上型により定義される第3の金型キャビティを形成する工程と、
前記第
3の金型キャビティ内へ第2
の材料を注入する工程と、
前記第1
の層上に配置された前記第2
の材料で第2
の層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、射出成型方法。
【請求項8】
さらに、
前記第1キャリアにより保持される第3
の上型と、前記第2キャリアにより保持される第4
の上型とを提供する工程と、
前記第4
の上型の下に第2
の下型を配置する工程と、
前記第2
の下型を前記第2キャリアから前記第1キャリアへ搬送し、前記第2
の下型を前記第3
の上型の下に配置する工程と、
前記第2
の下型と前記第3
の上型により定義される第
4の金型キャビティ内へ前記第1
の材料を注入する工程と、
前記第1
の材料で第3
の層を形成する工程と、
前記第3
の層を収容する前記第2
の下型を前記第1キャリアから前記第2キャリアへ搬送し、前記第2
の下型を前記第4
の上型の下に配置する工程と、
前記第2
の下型と前記第4
の上型により定義される第
5の金型キャビティ内へ前記第2
の材料を注入する工程と、
前記第3
の層上に配置された前記第2
の材料で第4
の層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の射出成型方法。
【請求項9】
前記第
4の金型キャビティ内への前記第1
の材料の注入と、前記第
3の金型キャビティ内への前記第2
の材料の注入が同時に実行されることを特徴とする、請求項8に記載の射出成型方法。
【請求項10】
前記第1
の上型と前記第3
の上型が互いに重ね合わされ、前記第2
の上型と前記第4
の上型が互いに重ね合わされることを特徴とする、請求項8乃至請求項9のいずれか1項に記載の射出成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月20日出願の米国仮特許出願第62/992,764号、2021年1月12日出願の米国特許出願第17/147,417に対する優先権を主張するものであり、上記(仮)特許出願の開示を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は射出成型システム及び射出成型方法に関し、特に、複数の層を含む成形品を射出成形するための射出成型システム及び射出成型方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡高分子材料には、高い強度、軽さ、耐衝撃性、断熱性など、多くの利点がある。発泡成形品は射出成型または押出成型で製造することができる。例えば、高分子材料を溶解し、発泡剤と混合して混合物を形成した後、この混合物に力または圧力が加えられ、混合物が金型のキャビティに射出または押出され、混合物がキャビティ内で発泡及び冷却されて発泡成形品が形成される。
【0004】
しかしながら、発泡成形品の異なる部分が異なる性質を有するなど、射出成型システムにより作られる発泡成形品の性質を改善する必要がある。このため、射出成型システムの構造と、発泡成形品の製造方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、射出成型方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、射出成型方法が開示される。前記射出成型方法は、第1金型と、前記第1金型の上を覆う第2金型と、前記第1金型と前記第2金型により定義される第1金型キャビティとを含む成型装置を提供する工程と、前記第1金型キャビティ内に第1材料を注入する工程と、前記第1材料で第1層を形成する工程と、前記第2金型を第3金型に置き換える工程と、前記第1金型と前記第3金型により定義される第2金型キャビティ内に第2材料を注入する工程と、前記第1層の上に配置された前記第2材料で第2層を形成する工程とを含む。前記第1材料は前記第2材料と異なる。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、射出成型方法が開示される。前記射出成型方法は、第1キャリアと、前記第1キャリアに隣接して配置された第2キャリアと、前記第1キャリアにより保持された第1上型と、前記第2キャリアにより保持された第2上型とを提供する工程と、前記第2上型の下に第1下型を配置する工程と、前記第2キャリアから前記第1キャリアへ前記第1下型を搬送し、前記第1上型の下に前記第1下型を配置する工程と、前記第1下型と前記第1上型により定義される第1金型キャビティ内に第1材料を注入する工程と、を含む。前記射出成型方法はさらに、前記第1材料で第1層を形成する工程と、前記第1層を保持する前記第1下型を前記第1キャリアから前記第2キャリアへ搬送し、前記第2上型の下に前記第1下型を配置する工程と、前記第1下型と前記第2上型により定義される第2金型キャビティ内に第2材料を注入する工程と、前記第1層の上に配置された前記第2材料で第2層を形成する工程とを含む。
【0008】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図10】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図11】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図12】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図13】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図14A】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図14B】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図14C】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図15】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図16】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図17】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図18】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図19】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図20】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図21】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図22】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図23】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図24】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図25】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図26】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図27】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図28】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図29】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図30】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図31】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図32】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図33】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図34】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図35】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図36】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図37】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図38】本発明の一実施態様による射出成型方法における例示的な成形品を示す概略図である。
【
図39】本発明の一実施態様による射出成型方法を示すフローチャートである。
【
図40】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図41】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図42】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図43】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図44】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図45】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図46】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図47】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図48】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図49】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図50】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図51】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【
図52】本発明の一実施態様による射出成型方法の例示的な工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0011】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatiallyrelativeterm)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の割合などについてのすべての数値的範囲、数量、値、割合は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0013】
図1は本発明の一部の実施態様に基づく射出成型方法の方法M10を示すフローチャートである。方法M10は次の複数の工程を含む。(O101)第1金型と、第1金型の上を覆う第2金型と、第1金型と第2金型により定義される第1金型キャビティを含む成型装置を提供する工程と、(O102)第1金型キャビティ内に第1材料を注入する工程と、(O103)第1材料で第1層を形成する工程と、(O104)第2金型を第3金型に置き換える工程と、(O105)第1金型と第3金型により定義される第2金型キャビティ内に第2材料を注入する工程と、(O106)第1層の上に配置された第2材料で第2層を形成する工程と、を含み、そのうち第1材料と第2材料が異なる。
【0014】
本発明の概念および方法M10を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様および図において繰り返し用いられる。射出成形方法の様々な工程及びそれにより形成された成形品は、
図2乃至
図38のいずれかに示すように、様々な構成であり得る。
【0015】
図2乃至
図5は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O101の第1成型装置100を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、第1金型と、第1金型の上を覆う第2金型と、第1金型及び第2金型により定義される第1金型キャビティを含む第1成型装置100を提供する工程O101を含む。一部の実施態様において、
図2または
図3に示すように、第1成型装置100が提供され、または受け取られる。一部の実施態様において、第1成型装置100は成形品を形成するように構成される。一部の実施態様において、第1金型は下型102であり、第2金型は第1上型101である。
【0016】
一部の実施態様において、第1成型装置100は第1上型101と下型102を含む。一部の実施態様において、第1上型101は、寸法、形状などいくつかの構成において下型102に対応している。第1上型101は下型102上に配置され、下型102と係合することができる。一部の実施態様において、第1成型装置100の提供は、下型102を第1上型101に向かって搬送することを含む。それにより、下型102が後続の工程のために第1上型101の下に配置される。一部の実施態様において、第1上型101は下型102と位置合わせされる。一部の実施態様において、
図2に示すように、第1成型装置100は開放構成にある。
【0017】
一部の実施態様において、第1上型101は第1上型101から突出した突出部101aを含む。一部の実施態様において、下型102は下型102内に凹陥した凹陥部102aを含む。突出部101aは凹陥部102aにより受け入れ可能である。一部の実施態様において、突出部101aと凹陥部102aは、
図3に示すように、第1成型装置100が閉鎖構成にあるとき、第1上型101が下型102と係合可能になるように、相補的に構成されている。一部の実施態様において、
図3に示すように、第1成型装置100が閉鎖構成にあるとき、第1金型キャビティ103-1が形成される。
図2と
図3は下型102に1つの凹陥部102aしか示していないが、下型102には任意の適切な数の凹陥部102aを設置することもできる。
【0018】
一部の実施態様において、第1上型101は、第1上型101を貫通して延伸された第1通路101bを含む。一部の実施態様において、
図3に示すように、第1成型装置100が閉鎖構成にあるとき、第1通路101bは第1金型キャビティ103-1に連通可能である。第1金型キャビティ103-1は第1通路101bを介してアクセス可能である。簡易性と明確性のため、1つの第1通路101bしか示されていないが、第1上型101には任意の適切な数の第1通路101bを設置することもできる。一部の実施態様において、第1通路101bの数は凹陥部102aの数と同じである。一部の実施態様において、凹陥部102aの数は第1通路101bの数より多い。一部の実施態様において、第1通路101bの数は凹陥部102aの数より多い。一部の実施態様において、第1通路101bは凹陥部102aに対応している。一部の実施態様において、各第1通路101bが1つ以上の凹陥部102aに対応している。
【0019】
一部の実施態様において、第1上型101に第1通路101bを構成する代わりに、凹陥部102aまたは第1金型キャビティ103-1にアクセスするために、第1通路101bは下型102に設置してもよい。一部の実施態様において、第1通路101bは、下型102の側壁、または第1通路101bが凹陥部102aまたは第1金型キャビティ103-1と連通可能であるように、その他任意の適切な位置に設置してもよい。
【0020】
一部の実施態様において、第1上型101はいかなる突出部も含まなくてもよい。一部の実施態様において、
図4と
図5に示すように、第1上型101は上述した、または
図2と
図3に示されるような、突出部101aを含まない。簡易性と明確性のため、
図2と
図3に示すように、突出部101aを有する第1成型装置100のみが射出成型方法を説明するために以下で例示されている。しかし、
図4と
図5に示すように、突出部101aを有さない第1成型装置100も以下で説明される射出成型方法に使用可能であると理解してもよい。
【0021】
一部の実施態様において、第1上型101と一体的に形成された突出部101aを構成する代わりに、着脱可能なプレート(図示しない)を用いてもよい。一部の実施態様において、第1金型キャビティ103-1の容積を調整するために、着脱可能なプレートを第1上型101と下型102の間に配置してもよい。例えば、着脱可能なプレートが第1金型キャビティ103-1内に挿入され、かつ第1上型101と下型102の間に配置された場合、第1金型キャビティ103-1が縮小されることになる。一部の実施態様において、着脱可能なプレートは突出部101aと下型102の間に配置される。これにより、第1成型装置100が閉じられたとき、第1上型101と下型102の間に着脱可能なプレートを挿入することにより、第1金型キャビティ103-1の容積を調整することができる。
【0022】
再び
図2に示すように、射出成型方法M10が始まるとき、第1成型装置100は開放構成の状態にある。その後、第1成型装置100は
図3に示すように閉鎖構成となる。一部の実施態様において、第1成型装置100は第1成型装置100の上または周囲に第1型締力(図示しない)を加えることにより閉じられる。一部の実施態様において、第1型締力は成形品の形成中、または所定の期間内、第1成型装置100上に連続的に加えられる。一部の実施態様において、第1成型装置100が閉じられているとき、第1上型101は下型102と緊密に係合される。
【0023】
第1成型装置100を閉じた後、
図3に示すように、第1金型キャビティ103-1が形成される。第1金型キャビティ103-1は材料を保持し、凹陥部102a内で成形品を形成するように構成される。第1金型キャビティ103-1は第1通路101bに連通可能である。一部の実施態様において、第1成型装置100が閉じられたとき、第1金型キャビティ103-1が密封される。
【0024】
図6乃至
図9は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O102とO103の第1成型装置100を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、第1材料を第1金型キャビティ内へ注入することを含む工程O102を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、第1材料で非発泡層を形成することを含む工程O103を含む。
【0025】
第1成型装置100が閉じられたとき、
図6に示すように、第1材料301が第1通路101bを介して第1金型キャビティ103-1内へ注入される。一部の実施態様において、第1材料301は第1注入装置201から第1注入装置201の第1吐出口201aを介して第1金型キャビティ103-1内へ注入される。第1材料301は、第1吐出口201aから第1通路101bに沿って第1金型キャビティ103-1内へ流れる。一部の実施態様において、第1材料301を注入する間、第1吐出口201aは第1通路101bに係合される。一部の実施態様において、第1注入装置201の第1吐出口201aは、第1通路101bに向かって延伸可能または第1通路101bから引っ込め可能である。一部の実施態様において、第1材料301は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、プラスチックまたはその他適した材料を含む。一部の実施態様において、第1材料301は発泡性材料または低発泡性材料である。一部の実施態様において、第1材料301は非発泡性材料である。
【0026】
第1材料301を金型キャビティ103-1内へ注入する間または注入した後、一部の実施態様において、第1材料301を押圧するように、第1上型101または下型102上に外力(図示しない)を加えてもよい。一部の実施態様において、外力は実質的に150ニュートン(N)以上である。一部の実施態様において、外力は実質的に200N以上である。一部の実施態様において、外力は所定の期間(数秒間など)加えられる。一部の実施態様において、第1成型装置100は第1材料301を冷却するために、所定の期間(数秒間など)アイドル状態となる。その結果、
図6に示すように、第1材料301を含む第1層301’が金型キャビティ103-1内に形成される。一部の実施態様において、第1層301’は発泡層または低発泡層である。一部の実施態様において、第1層301’は非発泡層である。
【0027】
第1層301’の形成後、
図7に示すように、第1注入装置201が第1成型装置100から離脱し、第1上型101は下型102との係合が解除され、下型102から引き離される。第1吐出口201aも第1通路101bとの係合が解除される。第1成型装置100は、
図6に示す閉鎖構成から、
図7に示す開放構成に変わる。さらに、一部の実施態様において、
図8に示すように、下型102が搬送されて第1上型101から離隔される。
【0028】
一部の実施態様において、搬送中の下型102の振動が最小限となる、または防止されるように、下型102は適した速度で、または適した力で、搬送される。搬送中の下型102の振動を低減または防止することで、第1層301’が第1金型キャビティ103-1内に安定的に置かれ、下型102に一時的に付着される。一部の実施態様において、第1層301’は、第1層301’と下型102の内側側壁との間の十分な摩擦や、下型102から凹陥部102aに向かって突出したタブ(図示しない)などの任意の適切な機構により、搬送中に下型102にしっかりと付着させることができる。このため、第1層301’の信頼性と品質を改善させ、または向上させることができる。
【0029】
選択的に、下型102はその後さらなる処理のために別のステーションに搬送される。例えば、第1層301’を形成した後、表面処理が実施される。平滑性を高めるために第1層301’の表面を研磨または処理したり、熱処理により第1層301’を活性化したり、あるいはその他の適切な処理を施すことができるであろう。
【0030】
第1層301’の形成または第1層301’の処理後、
図9に示すように、第1層301’の表面に接着剤501が塗布される。一部の実施態様において、第2注入装置401が下型102の上に配置され、接着剤501が第2注入装置401から第2注入装置401の第2吐出口401aを介して第1層301’に向かって吐出される。一部の実施態様において、第2注入装置401の第2吐出口401aは、下型102に向かって延伸可能または下型102から引っ込め可能である。一部の実施態様において、第1層301’が接着剤501で被覆される。
【0031】
図10と
図11は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O104の第2成型装置200を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法M10は、第2金型を第3金型に置き換えることを含む工程O104を含む。一部の実施態様において、第2金型の置き換えは、第2金型を取り外し、第3金型を第1金型上に配置して、第1金型を第3金型に向けて移動させ、第2金型キャビティを形成することを含む。一部の実施態様において、第2金型が第1上型101であり、第1金型が下型102であり、第3金型が第2上型601である。
【0032】
第1層301’の形成または接着剤501の塗布後、
図10と
図11に示すように、下型102が第2上型601を含む別のステーションに向かって搬送される。一部の実施態様において、少なくとも第1層301’を含む下型102が第2上型601に向かって搬送される。下型102は、
図10に示すように、第2上型601の下に配置される。第2成型装置200は第2上型601と下型102を指すものと理解してもよい。
【0033】
一部の実施態様において、第2上型601は、寸法、形状などいくつかの構成において下型102に対応している。第2上型601は下型102上に配置され、下型102と係合することができる。一部の実施態様において、第2成型装置200の提供は、下型102を第2上型601に向かって搬送することを含む。それにより、下型102が後続の工程のために第2上型601の下に配置される。一部の実施態様において、第2上型601は下型102と位置合わせされる。一部の実施態様において、
図10に示すように、第2成型装置200は開放構成にある。
【0034】
一部の実施態様において、第2上型601は、第2上型601を貫通して延伸された第2通路601bを含む。一部の実施態様において、
図11に示すように、第2成型装置200が閉鎖構成にあるとき、第2通路601bは第2金型キャビティ103-2に連通可能である。第2金型キャビティ103-2は第2通路601bを介してアクセス可能である。簡易性と明確性のため、1つの第2通路601bしか示されていないが、第2上型601には任意の適切な数の第2通路601bを設置することもできる。一部の実施態様において、第2通路601bの数は凹陥部102aの数と同じである。一部の実施態様において、凹陥部102aの数は第2通路601bの数より多い。一部の実施態様において、第2通路601bの数は凹陥部102aの数より多い。一部の実施態様において、第2通路601bは凹陥部102aに対応している。一部の実施態様において、各第2通路601bが1つ以上の凹陥部102aに対応している。
【0035】
一部の実施態様において、第2上型601に第2通路601bを構成する代わりに、凹陥部102aまたは第2金型キャビティ103-2にアクセスするために、第2通路601bは下型102に設置してもよい。一部の実施態様において、第2通路601bは、下型102の側壁、または第2通路601bが凹陥部102aまたは第2金型キャビティ103-2と連通可能であるように、その他任意の適切な位置に設置してもよい。
【0036】
一部の実施態様において、その後、第2成型装置200は、
図10に示す該開放構成から、
図11に示す閉鎖構成に変わる。一部の実施態様において、第2成型装置200は第2成型装置200の上または周囲に第2型締力(図示しない)を加えることにより閉じられる。一部の実施態様において、第2型締力は成形品を形成する間、または所定の期間内、第2成型装置200上に連続的に加えられる。一部の実施態様において、第2成型装置200が閉じられているとき、第2上型601は下型102と緊密に係合される。一部の実施態様において、第2型締力は第1型締力より実質的に小さい。
【0037】
第2成型装置200を閉じた後、
図11に示すように、第2金型キャビティ103-2が形成される。第2金型キャビティ103-2は材料を収容し、凹陥部102a内で成形品を形成するように構成される。第2金型キャビティ103-2は第2通路601bと連通可能である。一部の実施態様において、第2成型装置200が閉じられたとき、第2金型キャビティ103-2が密封される。
【0038】
図12と
図13は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O105とO106の第2成型装置200を示す概略断面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、第1金型と第3金型により定義される第2金型キャビティ内に第2材料を注入し、かつ第1材料が第2材料と異なることを含む、工程O105を含む。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M10は、非発泡層の上に配置された第2材料で発泡層を形成することを含む、工程O106を含む。
【0039】
第2成型装置200が閉じられたとき、
図12に示すように、第2材料801が第2通路601bを介して第2金型キャビティ103-2内へ注入される。一部の実施態様において、第2材料801は第3注入装置701から第3注入装置701の第3吐出口701aを介して第2金型キャビティ103-2内へ注入される。第2材料801は第3吐出口701aから第2通路601bに沿って第2金型キャビティ103-2内へ流れる。一部の実施態様において、第3吐出口701aは第2材料801の注入するとき、第2通路601bと係合される。
【0040】
一部の実施態様において、第2材料801は、発泡熱可塑性ポリウレタン(ETPU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、プラスチックまたはその他適した材料を含む。一部の実施態様において、第2材料801は発泡性材料または高発泡性材料である。一部の実施態様において、第2材料801は第3注入装置701からの注入前に発泡剤を含む。一部の実施態様において、第3注入装置701からの注入の前に、高分子材料が発泡剤と混合され、第2材料801となる。一部の実施態様において、第2材料801は高分子材料と発泡剤の混合物である。一部の実施態様において、発泡剤は大気気体(例:窒素または二酸化炭素)、炭化水素、クロロフルオロカーボン、希ガス、またはそれらの混合物など、技術分野の通常の知識を有する者が知るところの任意の種類の物理発泡剤とすることができる。発泡剤は流動可能な物理的状態、例えば、気体、液体または超臨界流体で供給されてもよい。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体の状態である。
【0041】
第2材料801を第2金型キャビティ103-2内に注入した後、第2成型装置200は第2材料801を発泡させ、冷却するために、所定の期間(数秒間など)アイドル状態となる。その結果、第2材料801を含む第2層801’が第2金型キャビティ103-2内に形成される。一部の実施態様において、第2層801’は発泡層である。
【0042】
一部の実施態様において、発泡層の密度は非発泡層の密度よりも実質的に低い。一部の実施態様において、第2層801’の密度は第1層301’の密度よりも実質的に低い。一部の実施態様において、発泡層の弾性は非発泡層の弾性より実質的に高い。一部の実施態様において、第2層801’の弾性は第1層301’の弾性よりも実質的に高い。一部の実施態様において、第1層301’は第2層801’よりも硬いである。一部の実施態様において、第2層801’は第1層301’よりも高い耐摩耗性を有する。
【0043】
一部の実施態様において、第2層801’の形成後、
図13に示すように、第3注入装置701が第2成型装置200から離脱し、第2上型601は下型102との係合が解除され、下型102から引き離される。第3吐出口701aは第2通路601bとの係合が解除される。第2成型装置200は、閉鎖構成(
図12)から開放構成(
図13)に変わる。
【0044】
図14A乃至
図14Cは、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10により製造された成形品を示す概略断面図である。
図14Aに示すように、少なくとも第1層301’と第2層801’を含む成形品140が形成される。一部の実施態様において、成形品140は発泡部分(第2層801’)と非発泡部分(第1層301’)を含む。一部の実施態様において、成形品140の形成後、成形品140が下型102から取り出される。一部の実施態様において、成形品140は人間が手動で、またはロボット、ロボットアーム、グリッパーなどによって自動的に取り出される。一部の実施態様において、成形品140は靴の一部または半製品である。一部の実施態様において、第1層301’は靴のアウトソールである。一部の実施態様において、第2層801’は靴のミッドソールである。
【0045】
上述したように、下型102は2つ以上の凹陥部102aを含んでもよく、したがって、第1成型装置100が閉じられたとき、2つ以上の第1金型キャビティ103-1が存在する。その場合、
図14Bに示すように、2つ以上の第1層301’が形成されることがあり、成形品140が2つ以上の第1層301’を含むことがある。複数の第1層301’が接着剤501により第2層801’に付着される。
【0046】
一部の実施態様において、第1材料301は凹陥部102aの底面及び側壁に配置してもよい。一部の実施態様において、第1注入装置201は第1材料301を凹陥部102aの底面及び側壁に注入してもよい。その結果、
図14Cに示すように、第2層801’の一部を取り囲む第1層301’が形成される。したがって、成形品140は第1層301’によって少なくとも部分的に取り囲まれた第2層801’を有してもよい。
【0047】
成形品140のすべての層(第1層301’、第2層801’など)が同一の下型102により製作されるため、第1層301’と第2層801’間の接着性がより確実になり、改善される。したがって、射出成型方法M10により製造された成形品140の信頼性と品質が改善され、または向上される。
【0048】
一部の実施態様において、射出成型方法M10はさらに、第2材料を注入する前に、第3金型の開口部内に部品を置くことを含み、そのうち、部品が発泡層に付着され、かつ発泡層上に配置される。
図15乃至
図17は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の工程O104からO106の第3成型装置300を示す概略断面図である。
図18は本発明の一部の実施態様に基づく方法M10により製造された成形品180を示す概略断面図である。
【0049】
一部の実施態様において、
図15乃至
図18に示すように、第2上型601は、第2層801’の形成時に部品1000が成形品180に取り付けられるように別の構成になっている。一部の実施態様において、
図15に示すように、第2上型601は開口部601aを含み、
図16に示すように、部品1000は開口部601aに受け入れられる。一部の実施態様において、
図15と
図16に示すように、第2通路601bが第2上型601ではなく、下型102に設置される。第2材料801は、
図12に示す工程と同様に、
図17に示すように、部品1000と第1材料301との間、または部品1000と接着剤501との間の第3金型キャビティ103-3に注入される。第2層801’を形成する間、部品1000は第2材料801に接触する。それにより、部品1000は第2層801’の形成中と形成後、第2層801’に付着される。その結果、
図18に示すように、部品1000と成形品180(第1層301’と第2層801’を含む)を含む製品または半製品が製作される。一部の実施態様において、部品1000はインソール、靴のアッパーまたは靴のその他任意の適した部品である。
【0050】
図19乃至
図22は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の第4成型装置400を示す概略断面図である。
図23は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10により製造された成形品230を示す概略断面図である。一部の実施態様において、
図19に示すように、第4成型装置400は閉鎖構成であり、第1上型101と下型102により第4金型キャビティ103-4が定義される。第4金型キャビティ103-4は材料を収容し、凹陥部102a内で成形品を形成するように構成される。第4金型キャビティ103-4は第1通路101bに連通可能である。一部の実施態様において、第4成型装置400が閉じられたとき、第4金型キャビティ103-4が密封される。
【0051】
一部の実施態様において、第4成型装置400が閉じられたとき、
図20に示すように、第3材料1101が第1通路101bを介して第4金型キャビティ103-4内へ注入される。一部の実施態様において、第3材料1101は、第4注入装置1100から第4注入装置1100の第4吐出口1100aを介して第4金型キャビティ103-4内へ注入される。
図21に示すように、その後第3層1101’が形成される。
【0052】
一部の実施態様において、第3材料1101は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、プラスチックまたはその他適した材料を含む。一部の実施態様において、第3材料1101は発泡性材料または低発泡性材料である。一部の実施態様において、第3材料1101は非発泡性材料である。一部の実施態様において、第3材料1101は第1材料301に類似している。
【0053】
一部の実施態様において、工程O103では、第3層1101’の形成中または形成後、第4注入装置1100が第4成型装置400から離脱される。その後、第1上型101が下型102から離隔して移動され、
図21に示すように、第5金型キャビティ103-5が形成される。一部の実施態様において、第3材料1101の第4金型キャビティ103-4内への注入中または注入後、第1上型101が下型102から引き離されることによって第4金型キャビティ103-4が拡大され、第5金型キャビティ103-5が形成される。一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5が形成されるとき、突出部101aの少なくとも一部が凹陥部102a内に配置される。一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5が形成されるとき、突出部101aの少なくとも一部が下型102から露出される。
【0054】
一部の実施態様において、第1上型101は移動可能であり、一方で下型102は固定されている。一部の実施態様において、下型102が第1上型101から離隔して移動され、該第5金型キャビティ103-5が形成される。一部の実施態様において、下型102は移動可能であり、一方で上型101は固定されている。第1上型101または下型102の移動により、第5金型キャビティ103-5の容積を調整することができる。つまり、後で形成される第3層1101’の厚みTも調整可能である。
【0055】
一部の実施態様において、第1上型101が第1距離Dで下型102から引き離される、または下型102が第1距離Dで第1上型101から引き離される。一部の実施態様において、第1距離Dは第3層1101’の厚みTと異なる、または同じである。一部の実施態様において、第1距離Dは第3層1101’の厚みTより実質的に大きい、または小さい。一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5の容積は、第4金型キャビティ103-4の容積と異なる、または同じである。一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5の容積は、第4金型キャビティ103-4の容積より実質的に大きい、または小さい。一部の実施態様において、第4金型キャビティ103-4の容積は、第3層1101’の体積と異なる、または同じである。一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5の容積は、第3層1101’の体積より実質的に大きい、または小さい。第4成型装置400はまだ閉鎖構成である。
【0056】
第5金型キャビティ103-5の形成後、
図22に示すように、第4材料1102が第1通路101bを介して第5金型キャビティ103-5内へ注入される。一部の実施態様において、第4材料1102は第5注入装置1200から第5吐出口1200aを介して第5金型キャビティ103-5内へ注入される。その後第4層1102’が形成される。一部の実施態様において、第3材料1101は第4材料1102と異なる。一部の実施態様において、第3材料1101と第4材料1102は物理的性質(密度、発泡性、柔軟性、硬度、色など)において互いに異なる。
【0057】
一部の実施態様において、第4材料1102は、発泡熱可塑性ポリウレタン(ETPU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、プラスチックまたはその他適した材料を含む。一部の実施態様において、第4材料1102は発泡性材料または高発泡性材料である。一部の実施態様において、第4材料1102は第5注入装置1200からの注入前に発泡剤を含む。一部の実施態様において、第5注入装置1200からの注入の前に、高分子材料が発泡剤と混合され、第4材料1102となる。一部の実施態様において、第4材料1102は高分子材料と発泡剤の混合物である。一部の実施態様において、発泡剤は大気気体(例:窒素または二酸化炭素)、炭化水素、クロロフルオロカーボン、希ガス、またはそれらの混合物など、技術分野の通常の知識を有する者が知るところの任意の種類の物理発泡剤とすることができる。発泡剤は流動可能な物理的状態、例えば、気体、液体または超臨界流体で供給されてもよい。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体の状態である。
【0058】
第4層1102’の形成後、第5注入装置1200が第4成型装置400から離脱し、第4成型装置400が閉鎖構成から開放構成に変わる。最後に、
図23に示すように、少なくとも第3層1101’と第4層1102’を含む成形品230が形成される。一部の実施態様において、成形品230の形成後、成形品230が下型102から取り出される。一部の実施態様において、成形品230は人間が手動で、またはロボット、ロボットアーム、グリッパーなどによって自動的に取り出される。一部の実施態様において、成形品230は靴の一部または半製品である。一部の実施態様において、第3層1101’は靴のアウトソールである。一部の実施態様において、第4層1102’は靴のミッドソールである。一部の実施態様において、第3層1101’の密度は第4層1102’の密度と異なる。一部の実施態様において、第3層1101’の密度は第4層1102’の密度よりも実質的に高い。
【0059】
図24乃至
図28及び
図30は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の第5成型装置500を示す概略断面図である。
図29と
図31は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10により製造された成形品を示す概略断面図である。
【0060】
一部の実施態様において、
図19乃至
図23に示すような互いに重ね合わされた層を形成する代わりに、
図24乃至
図31に示すように、複数の部分が形成される。一部の実施態様において、下型102は、
図24に示すように、突出部102bを含み、このため、第5成型装置500が閉じられたとき、
図25に示すように、2つ以上の第4金型キャビティ103-4を形成することができる。その結果、
図26に示すように、2つ以上の部分1101’-1、1101’-2において第3層1101’が形成される。一部の実施態様において、突出部102bは挿入可能または取り外し可能であり、それにより下型102内に挿入される突出部102bの数と寸法に応じて、部分1101’-1、1101’-2の数と寸法を調整することができる。一部の実施態様において、部分1101’-1と部分1101’-2は、例えば異なる形状、物理的性質、色など、互いに類似または異なる構成である。一部の実施態様において、第4金型キャビティ103-4の容積は互いに同じである、または異なっていてもよい。
【0061】
一部の実施態様において、部分1101’-1と部分1101’-2は1つずつ、または同時に形成される。一部の実施態様において、第3材料1101が下型102の一側(第4金型キャビティ103-4の1つ)に注入され、その後下型102の他方の一側(第4金型キャビティ103-4の他方)に注入される。一部の実施態様において、第3材料1101が第4金型キャビティ103-4内に注入される。
【0062】
部分1101’-1、1101’-2の形成後、
図26に示すように、一部の実施態様において、
図27に示すように、上述した方法または
図21に示した方法と同様に、第1上型101が下型102から離隔して移動され、第5金型キャビティ103-5が形成される。一部の実施態様において、
図27に示すように、突出部102bが取り外され、第5金型キャビティ103-5が2つの部分1101’-1、1101’-2間に拡張される。第5成型装置500はまだ閉鎖構成である。
【0063】
一部の実施態様において、第5金型キャビティ103-5の形成後、
図28に示すように、上述した方法または
図22に示した方法と同様に、第4材料1102が第5金型キャビティ103-5内に注入される。一部の実施態様において、第4材料1102が2つの部分1101’-1と1101’-2との間に配置され、第4層1102’が形成される。
【0064】
第4層1102’の形成後、第5成型装置500が閉鎖構成から開放構成に変わる。最後に、
図29に示すように、少なくとも部分1101’-1、部分1101’-2、第4層1102’を含む成形品290が形成される。一部の実施態様において、成形品290は靴の一部または半製品である。一部の実施態様において、部分1101’-1と部分1101’-2は靴のアウトソールに属する。一部の実施態様において、第4層1102’は靴のミッドソールである。
【0065】
一部の実施態様において、工程O102及び(または)O105において、上述した、または
図21乃至
図22、または
図26乃至
図27に示す金型キャビティ内への材料注入工程は、
図30乃至
図31に示すように、層/部分を継続して重ねるために繰り返してもよい。一部の実施態様において、
図30に示すように、第1上型101が下型102から離隔して移動され、第6金型キャビティ103-6が形成され、その後第5材料1103が第6金型キャビティ103-6内へ注入される。最後に、
図31に示すように、第5層1103’が第4層1102’と部分1101’-1、1101’-2の上に形成される。一部の実施態様において、第5材料1103は第6注入装置1300から第6吐出口1300aを介して第6金型キャビティ103-6内へ注入される。その後第5層1103’が形成される。金型キャビティ内へ材料を注入する工程を繰り返し、重ねた層/部分を形成することができると理解してもよい。層/部分の数は限定されていない。
【0066】
図32乃至
図36は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10の第6成型装置600を示す概略断面図である。
図37と
図38は、本発明の一部の実施態様に基づく方法M10により製造された成形品を示す概略断面図である。
【0067】
一部の実施態様において、
図32乃至
図38に示すように、部品1104が最初に下型102内に形成または配置され、その後複数の層または部分1101’-1、1101’-2、1102’、1103’が部品1104上に配置される。一部の実施態様において、部品1104は最初に、工程O102を実行する前に下型102内に形成または配置される。一部の実施態様において、
図32に示すように、部品1104が最初に形成または配置される。その後
図33乃至
図38に示すように、複数の層または部分1101’-1、1101’-2、1102’、1103’が部品1104上に形成または積層される。一部の実施態様において、部品1104はインソール、靴のアッパーまたは靴のその他任意の適した部品である。一部の実施態様において、
図37乃至
図38に示すように、部品1104を含む成形品370、380を形成することができる。
【0068】
一部の実施態様において、
図33に示すように、成型装置600は閉鎖構成であり、第1上型101、部品1104、下型102により第7金型キャビティ103-7が定義される。第7金型キャビティ103-7は材料を収容し、凹陥部102a内で成形品を形成するように構成される。第7金型キャビティ103-7は第1通路101bに連通可能である。一部の実施態様において、成型装置600が閉じられたとき、第7金型キャビティ103-7が密封される。
【0069】
一部の実施態様において、成型装置600が閉じられたとき、
図34に示すように、第3材料1101が第1通路101bを介して第7金型キャビティ103-7内へ注入される。一部の実施態様において、第3材料1101は、第4注入装置1100から第4注入装置1100の第4吐出口1100aを介して第7金型キャビティ103-7内へ注入される。
図35に示すように、その後第3層1101’が部品1104上に形成される。
【0070】
一部の実施態様において、工程O103では、第3層1101’の形成中または形成後、第4注入装置1100が成型装置600から離脱される。その後、第1上型101が下型102から離隔して移動され、
図35に示すように、第8金型キャビティ103-8が形成される。一部の実施態様において、第3材料1101の第7金型キャビティ103-7内への注入中または注入後、第1上型101が下型102から引き離されることによって第7金型キャビティ103-7が拡大され、第8金型キャビティ103-8が形成される。一部の実施態様において、下型102が第1上型101から離隔して移動され、該第8金型キャビティ103-8が形成される。第1上型101または下型102の移動により、第8金型キャビティ103-8の容積を調整することができる。
【0071】
一部の実施態様において、第8金型キャビティ103-8の容積は、第7金型キャビティ103-7の容積と異なる、または同じである。一部の実施態様において、第8金型キャビティ103-8の容積は、第7金型キャビティ103-7の容積より実質的に大きい、または小さい。一部の実施態様において、第7金型キャビティ103-7の容積は、第3層1101’の体積と異なる、または同じである。一部の実施態様において、第8金型キャビティ103-8の容積は、第3層1101’の体積より実質的に大きい、または小さい。成型装置600はまだ閉鎖構成である。
【0072】
第8金型キャビティ103-8の形成後、
図36に示すように、第4材料1102が第1通路101bを介して第8金型キャビティ103-8内へ注入され、その後第4層1102’が形成される。第4層1102’の形成後、第5注入装置1200が成型装置600から離脱し、成型装置600が閉鎖構成から開放構成に変わる。
【0073】
最後に、
図37に示すように、一部の実施態様において、少なくとも部品1104、第3層1101’、第4層1102’を含む成形品370が形成される。一部の実施態様において、成形品370の形成後、成形品370が下型102から取り出される。一部の実施態様において、成形品370は靴または靴の半製品である。
【0074】
一部の実施態様において、
図38に示すように、少なくとも部品1104、部分1101’-1、1101’-2、第4層1102’、第5層1103’を含む成形品380が形成される。一部の実施態様において、成形品380は靴または靴の半製品である。
【0075】
図39は本発明の一部の実施態様に基づく射出成型方法の方法M20を示すフローチャートである。方法M20は次の複数の工程を含む。(O201)第1キャリアと、第1キャリアに隣接して配置された第2キャリアと、第1キャリアにより保持された第1上型と、第2キャリアにより保持された第2上型を提供する工程と、(O202)第1下型を第2上型の下に配置する工程と、(O203)第1下型を第2キャリアから第1キャリアへ搬送し、第1下型を第1上型の下に配置する工程と、(O205)第1材料で第1層を形成する工程と、(O206)第1層を収容する第1下型を第1キャリアから第2キャリアへ搬送し、第1下型を第2上型の下に配置する工程と、(O207)第2材料を第1下型と第2上型により定義される第2金型キャビティ内へ注入する工程と、(O208)第2材料で第1層上に配置される第2層を形成する工程と、を含む。
【0076】
本発明の概念および方法M20を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様および図において繰り返し用いられる。射出成型方法の様々な段階は、
図40乃至
図52に示すように、様々な構成であり得る。
【0077】
図40乃至
図49は射出成型システム700を示す概略上面図である。一部の実施態様において、上述した、または
図1乃至
図38に示す、射出成型方法M10が射出成型システム700により実施される。一部の実施態様において、射出成型方法M20が射出成型システム700により実施される。
【0078】
図40は本発明の一部の実施態様に基づく方法M20の工程O201の射出成型システム700を示す概略上面図である。一部の実施態様において、射出成型方法の方法M20は工程O201を含み、工程O201は、第1キャリア1001と、第1キャリア1001に隣接して配置された第2キャリア1002と、第1キャリア1001により保持される第1上型101-1と、第2キャリア1002により保持される第2上型601-1を提供する工程を含む。
【0079】
一部の実施態様において、射出成型システム700は該第1キャリア1001と、第1キャリア1001に隣接して配置された第2キャリア1002を含む。一部の実施態様において、第1キャリア1001と第2キャリア1002はそれぞれ、第1キャリア1001の中心C1と第2キャリア1002の中心C2の周りを回転することができる。一部の実施態様において、第1キャリア1001と第2キャリア1002は円環形である。一部の実施態様において、第1キャリア1001と第2キャリア1002はターンテーブルである。一部の実施態様において、第1キャリア1001の回転可能方向は第2キャリア1002の回転可能方向と同じである。例えば、第1キャリア1001と第2キャリア1002の両方が反時計回りに回転可能である。一部の実施態様において、第1キャリア1001は第2キャリア1002と反対の方向に回転可能である。例えば、第1キャリア1001が反時計回りに回転可能であり、一方で第2キャリア1002が時計回りに回転可能である、前言についてその逆も成立する。簡易性と明確性のため、
図40乃至
図49は、第1キャリア1001が反時計回りに運転され、一方で第2キャリア1002が時計回りに運転されていることを示している。しかしながら、第1キャリア1001は第2キャリア1002と同じ方向、または反対の方向に運転され得ると理解してもよい。
【0080】
一部の実施態様において、第1キャリア1001は、成型装置、または成型装置の一部を保持するための複数の第1ホルダー1001aを含む。第1キャリア1001は任意の適切な数の第1ホルダー1001aを含むことができると容易に理解される。一部の実施態様において、各第1ホルダー1001aは対応する第1上型101を保持することができる。例えば、
図40に示すように、3つの第1上型101-1、101-2、101-3が3つの第1ホルダー1001aによってそれぞれ保持される。一部の実施態様において、第1ホルダー1001aの数は第1上型101の数以上である。一部の実施態様において、第1上型101は上述または
図2乃至
図7に示されたものに類似した構成である。
【0081】
一部の実施態様において、第1注入装置201が第1キャリア1001上に配置される。一部の実施態様において、第1注入装置201は上述または
図6に示されたものに類似した構成である。一部の実施態様において、第1ホルダー1001aは第1キャリア1001を回転するとき、1つずつ第1注入装置201の下を通過する。一部の実施態様において、第1注入装置201は第1キャリア1001上に固定して設置される。第1キャリア1001は第1注入装置201に対して相対的に移動可能であり、かつ第1注入装置201は第1キャリア1001に対して相対的に静止している。一部の実施態様において、第1注入装置201は第1吐出口201aから第1上型101に向かって第1材料301を注入するように構成される。
【0082】
一部の実施態様において、第2キャリア1002は、成型装置、または成型装置の一部を保持するための複数の第2ホルダー1002aを含む。第2キャリア1002は任意の適切な数の第2ホルダー1002aを含むことができると容易に理解される。一部の実施態様において、各第2ホルダー1002aは対応する第2上型601と下型102を保持することができる。例えば、
図40に示すように、3つの第2上型601-1、601-2、601-3と3つの下型102-1、102-2、102-3が3つの第2ホルダー1002aによってそれぞれ保持される。一部の実施態様において、第2ホルダー1002aの数は第2上型601の数及び下型102の数以上である。一部の実施態様において、第2上型601の数は下型102の数と同じである。一部の実施態様において、第2上型601は上述または
図10乃至
図13に示されたものに類似した構成である。
【0083】
一部の実施態様において、第2注入装置401が第2キャリア1002上に配置される。一部の実施態様において、第2注入装置401は上述または
図9に示されたものに類似した構成である。一部の実施態様において、第2ホルダー1002aは第2キャリア1002を回転するとき、1つずつ第2注入装置401の下を通過する。一部の実施態様において、第2注入装置401が第2キャリア1002上に固定して設置される。第2キャリア1002は第2注入装置401に対して相対的に移動可能であり、かつ第2注入装置401は第2キャリア1002に対して相対的に静止している。一部の実施態様において、第2注入装置401は第2吐出口401aから下型102に向かって接着剤501を吐出するように構成される。
【0084】
一部の実施態様において、第3注入装置701が第2キャリア1002上に配置される。一部の実施態様において、第3注入装置701は上述または
図12に示されたものに類似した構成である。一部の実施態様において、第2ホルダー1002aは第2キャリア1002を回転するとき、1つずつ第3注入装置701の下を通過する。一部の実施態様において、第3注入装置701が第2キャリア1002上に固定して設置される。第2キャリア1002は第3注入装置701に対して相対的に移動可能であり、かつ第3注入装置701は第2キャリア1002に対して相対的に静止している。一部の実施態様において、第3注入装置701は第3吐出口701aから下型102に向かって第2材料801を注入するように構成される。一部の実施態様において、第3注入装置701の第3吐出口701aは、下型102に向かって延伸可能または下型102から引っ込め可能である。
【0085】
最初に、
図40に示すように、方法M20は工程O201を含み、工程O201は、第1キャリア1001と、第1キャリアに隣接して配置された第2キャリア1002と、第1キャリア1001により保持される第1上型101-1と、第2キャリア1002により保持される第2上型601-1を提供する工程を含む。さらに、方法M20は工程O202を含み、工程O202は、第1下型102-1を第2上型601の下に配置する工程を含む。簡易性と明確性のため、3つの第1上型101-1、101-2、101-3のみが第1ホルダー1001aによって保持され、3つの第2上型601-1、601-2、601-3と3つの下型102-1、102-2、102-3のみが第2ホルダー1002aによって保持されている。一部の実施態様において、下型102-1、102-2、102-3は、第2上型601-1、601-2、601-3の下にそれぞれ配置される。各第1ホルダー1001aが1つの第1上型101を保持することができ、各第2ホルダー1002aが1つの第2上型601と1つの下型102を保持することができると理解してもよい。
【0086】
その後、
図41に示すように、一部の実施態様において、方法M20は工程O203を含み、工程O203は、第1下型102-1を第2キャリア1002から第1キャリア1001へ搬送し、第1下型102-1を第1上型101-1の下に配置する工程を含む。一部の実施態様において、第1注入装置201に対向して配置された下型102-1が第1注入装置201下の第1ホルダー1001aへ搬送される。一部の実施態様において、下型102-1は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、第2ホルダー1002aから第2ホルダー1002aに対向して配置された第1ホルダー1001aへ搬送される。一部の実施態様において、下型102-1の搬送中に、下型102-1を保持する第2ホルダー1002aは第1上型101-1を保持する第1ホルダー1001aと整列される。
【0087】
下型102-1を第2ホルダー1002aから第1ホルダー1001aへ搬送した後、第1成型装置100とは第1上型101-1と第1下型102-1を指す。第1成型装置100は、上述した、または
図2乃至
図3または
図4乃至
図5に示す構成である。下型102-1を第2ホルダー1002aから第1ホルダー1001aへ搬送した後、第1ホルダー1001aに保持される第1上型101-1が下型102-1と係合される。それにより、第1成型装置100は、上述した、または
図2乃至
図3または
図4乃至
図5に示した方法と同じように、開放構成から閉鎖構成に変わる。
【0088】
一部の実施態様において、方法M20は工程O204を含み、工程O204は、第1材料301を第1下型102-1と第1上型101-1により定義される第1金型キャビティ103-1内へ注入する工程を含む。一部の実施態様において、第1成型装置100の閉鎖中または閉鎖後、上述した、または
図3に示した方法と同じように、第1材料301が下型102-1に向かって、第1注入装置201から、第1注入装置201の第1吐出口201aを介して第1金型キャビティ103-1内へ注入される。一部の実施態様において、第1材料301は非発泡性材料である。
【0089】
方法M20は工程O205を含み、工程O205は第1材料301から第1層を形成する工程を含む。第1材料301の注入中または注入後、第1材料301を押圧するように、第1上型101-1または下型102-1上に外力が加えられる。一部の実施態様において、第1層301’の形成時間(第1材料301の注入、第1材料301の冷却、第1層301’の形成の合計時間)は、60秒以下である。その結果、上述した、または
図6に示した方法と同じように、第1材料301を含む第1層301’が下型102-1内に形成される。第1層301’の形成後、上述した、または
図6に示した方法と同じように、第1注入装置201が第1成型装置100から離脱し、第1上型101-1は下型102-1との係合が解除され、下型102-1から引き離される。第1成型装置100は、閉鎖構成(
図3)から開放構成(
図6)に変わる。
【0090】
方法M20は工程O206を含み、工程O206は、第1層301’を保持する第1下型102-1を第1キャリア1001から第2キャリア1002へ搬送し、第1下型102-1を第2上型601-1の下に配置する工程を含む。一部の実施態様において、下型102-1は、第1成型装置100を開いた後、
図42に示すように、第1キャリア1001から第2キャリア1002へ搬送される。下型102-1は第1ホルダー1001aから搬送され、第1ホルダー1001aに対向する第2キャリア1002の第2ホルダー1002aへ戻される。一部の実施態様において、下型102-1は、ローラー、搬送ベルト等の搬送機構により、第2キャリア1002に戻される。一部の実施態様において、下型102は、搬送中の下型102の振動が最小限となる、または防止されるように、適した速度で、または適した力で、搬送される。
【0091】
下型102-1を搬送して第2ホルダー1002aに戻した後、
図43に示すように、第1キャリア1001と第2キャリア1002が回転される。一部の実施態様において、第1キャリア1001が反時計回りに回転され、第2キャリア1002が時計回りに回転される。一部の実施態様において、第1キャリア1001の回転により、第1上型101-1が第1注入装置201から離れ、第1上型101-2が第1注入装置201に向かって移動される。第2キャリア1002の回転により、第2上型601-1と下型102-1が第2注入装置401または第3注入装置701に向かって移動される。第1キャリア1001と第2キャリア1002の回転後、第1上型101-2が第2上型601-2と第2下型102-2に対向して配置される。
【0092】
一部の実施態様において、第1キャリア1001は、隣接する第1ホルダー1001a間の角度距離など、所定の間隔で回転される。一部の実施態様において、第2キャリア1002は、隣接する第2ホルダー1002a間の角度距離など、所定の間隔で回転される。一部の実施態様において、第1キャリア1001と第2キャリア1002は同時に、同じ間隔で回転される。一部の実施態様において、第1キャリア1001と第2キャリア1002は異なる速度で回転される。
【0093】
対応する所定の間隔で第1キャリア1001と第2キャリア1002が回転された後、
図44に示すように、第2下型102-2が第2ホルダー1002aから、第2ホルダー1002aに対向する第1ホルダー1001aへ搬送される。第2下型102-2の搬送は、上述した、または
図41に示した工程と同じように行われる。これで第2下型102-2が第1注入装置201の下に配置された状態となる。その後、第1材料301が、上述した、または
図6に示した工程と同じように、第2下型102-2に向かって注入される。第1材料301の注入後、上述した、または
図7に示した工程と同じように、第1層301’が形成される。第1層301’の形成後、上述した、または
図42に示した方法と同じように、第2下型102-2が搬送され、
図45に示すように、第2ホルダー1002aに戻される。
【0094】
第1キャリア1001への第2下型102-2の搬送(
図44)、該第1注入装置201から第2下型102-2への第1材料301の注入(
図44)、第2下型102-2内での第1層301’の形成及び(または)第2キャリア1002への第2下型102-2の搬送(
図45)の間、第2注入装置401下方に配置された第1下型102-1内の第1層301’に対して、上述した、または
図9に示した方法と同じように、表面処理や第1層301’への接着剤501の塗布などの処理が行われる。一部の実施態様において、接着剤501は、第1キャリア1001への第2下型102-2の搬送(
図44)、第2下型102-2への第1材料301の注入(
図44)、第2下型102-2内での第1層301’の形成及び(または)第2キャリア1002への第2下型102-2の搬送(
図45)中に、第1下型102-1内で第1層301’上に吐出される。
【0095】
第2下型102-2が第2キャリア1002に戻され、第1下型102-1内での第1層301’に対する処理が完了した後、
図46に示すように、第1キャリア1001と第2キャリア1002がさらに回転される。
【0096】
第2キャリア1002の回転後、
図46に示すように、第1上型101-3が第2上型601-3と第3下型102-3に対向して配置される。
図47に示す第2キャリア1002から第1キャリア1001への第3下型102-3の搬送、
図47に示す第1注入装置201による第3下型102-3への第1材料301の注入、第3下型102-3内での第1層301’の形成、及び
図48に示す第2キャリア1002への第3下型102-3の搬送は、上述した、または
図41乃至
図45に示した工程と同じように実行される。
【0097】
第2キャリア1002の回転後、
図46に示すように、第2上型601-2が下型102-2の上に配置される。第1キャリア1001への下型102-3の搬送(
図47)、第1注入装置201から第3下型102-3への第1材料301の注入(
図47)、第3下型102-3内での第1層301’の形成及び(または)第2キャリア1002への第3下型102-3の搬送(
図48)の間、第2注入装置401下方に配置された第2下型102-2内の第1層301’に対して、上述した、または
図9または
図43乃至
図45に示した方法と同じように、表面処理や第1層301’への接着剤501の塗布などの処理が行われる。一部の実施態様において、接着剤501は、第1キャリア1001への下型102-3の搬送(
図47)、第1注入装置201から下型102-3への第1材料301の注入(
図47)、下型102-3内での第1層301’の形成及び(または)第2キャリア1002への下型102-3の搬送(
図48)中に、下型102-2内で第1層301’上に吐出される。
【0098】
さらに、第2キャリア1002の回転後、
図46に示すように、第2上型601-1が第1下型102-1の上に配置される。第2上型601-1の下に下型102-1を配置した後、第2成型装置200とは第2上型601-1と下型102-1を指す。第2成型装置200は、上述した、または
図10乃至
図13に示された構成である。第2上型601-1は第1下型102-1と係合される。それにより、第2成型装置200は、上述した、または
図9乃至
図11に示した方法と同じように、開放構成から閉鎖構成に変わる。
【0099】
第1キャリア1001への第3下型102-3の搬送(
図47)、第1注入装置201から第3下型102-3への第1材料301の注入(
図47)、第3下型102-3内での第1層301’の形成及び(または)第2キャリア1002への第3下型102-3の搬送(
図48)中に、上述した、または
図12に示した方法と同じように、第2材料801が第3注入装置701から第1層301’に向かって注入される。
【0100】
方法M20は工程O207を含み、工程O207は、第1下型102-1と第2上型601-1により定義される第2金型キャビティ103-2内へ第2材料801を注入する工程を含む。第2成型装置200の閉鎖中または閉鎖後、上述した、または
図13に示した方法と同じように、第2材料801が第1層301’に向かって第2注入装置701から第2吐出口701aを介して第2金型キャビティ103-2内へ注入される。一部の実施態様において、第2材料801は発泡性材料である。
【0101】
方法M20は工程O208を含み、工程O208は、第1層301’の上に配置された第2材料801で第2層801’を形成する工程を含む。一部の実施態様において、第2層801’の形成時間(第2材料801の注入、第2材料801の発泡との冷却、第2層801’の形成の合計時間)は、60秒超、または約100秒から150秒である。第2層801’の形成後、上述した、または
図13に示した方法と同じように、第2注入装置701が第2成型装置200から離脱し、第2上型601-1は下型102-1との係合が解除され、下型102-1から引き離される。第2成型装置200は、閉鎖構成(
図12)から開放構成(
図13)に変わる。
【0102】
第2成型装置200を開いた後、第1層301’と第2層801’を含む成形品140と同様の、または異なる成形品が形成され、上述した、または
図14A乃至
図14Cに示した方法と同じように、下型102-1から取り出すことができる。成形品140のすべての層(第1層301’、第2層801’など)が下型102-1、102-2、102-3を使用して製作されるため、第1層301’と第2層801’間の接着性がより確実になり、改善される。したがって、上述の射出成型システム700により製造された成形品140の信頼性と品質が改善され、または向上される。
【0103】
その後、
図49に示すように、第1キャリア1001と第2キャリア1002はさらに回転され、上述した、または
図40乃至
図48に示したものと同じような工程が繰り返される。
【0104】
一部の実施態様において、上述した、または
図1乃至
図18に示す、射出成型方法M10が、
図50に示すように、射出成型システム800により実施される。
図50は射出成型システム800を示す概略上面図である。
図50の射出成型システムは、上述した、または
図40乃至
図49に示すものに類似している。一部の実施態様において、
図50の射出成型システム800はフル稼働しており、つまり、すべての第1ホルダー1001aが対応する第1上型101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10を保持し、すべての第2ホルダー1002aが対応する第2上型601-1、601-2、601-3、601-4、601-5、601-6、601-7、601-8、601-9、601-10と対応する下型102-1、102-2、102-3、102-4、102-5、102-6、102-7、102-8、102-9、102-10を保持している。一部の実施態様において、第3注入装置701での成形品の形成後、成形品を内部に含む第2上型601と下型102が第2キャリア1002により回転される。第1層301’と第2層801’を含む成形品は第2上型101はと下型102が回転され、ポート901に到着したとき、ポート901から取り出すことができる。
【0105】
一部の実施態様において、上述した、または
図1乃至
図18に示す、射出成型方法M10が、
図51と
図52に示すように、射出成型システム900により実施される。
図51は射出成型システム900を示す概略上面図である。一部の実施態様において、第2キャリア1002は上述した、または
図40乃至
図50に示すターンテーブルとして構成される。
図52は
図51の第1キャリア1001の概略側面図である。一部の実施態様において、第1ホルダー1001aは
図52に示すように、互いに重なり合う。一部の実施態様において、上型101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10が互いに重なり合い、第2上型601-1、601-2、601-3、601-4、601-5、601-6、601-7、601-8、601-9、601-10が互いに重なり合う。一部の実施態様において、第1キャリア1001は、上述の射出成型方法の実施中、一方向に沿って回転される(
図52の矢印で示す)。
【0106】
本発明の一側面は、射出成型方法に関する。方法は、第1金型と、第1金型上を覆う第2金型と、第1金と第2金型により定義される第1金型キャビティを含む成型装置を提供する工程と、第1金型キャビティ内に第1材料を注入する工程と、第1材料で第1層を形成する工程と、第2金型を第3金型に置き換える工程と、第1金型と第3金型により定義される第2金型キャビティ内に第2材料を注入する工程と、第1層の上に配置された第2材料で第2層を形成する工程と、を含み、そのうち第1材料と第2材料が異なる。
【0107】
一部の実施態様において、第2層の密度は第1層の密度よりも実質的に低い。一部の実施態様において、第2層の弾性は第1層の弾性より実質的に高い。一部の実施態様において、第1材料は非発泡性材料であり、第2材料は発泡性材料である。一部の実施態様において、第2金型の置き換えは、第2金型を取り外し、第3金型を第1金型上に配置して、第1金型を第3金型に向けて移動させ、第2金型キャビティを形成することを含む。一部の実施態様において、方法はさらに、第2材料の注入前に、第3金型の開口部内に部品を配置することを含み、そのうち、部品が第2層に付着され、かつ第2層上に配置される。一部の実施態様において、方法はさらに、第2材料の注入前に、第1層の上に接着剤を配置することを含む。一部の実施態様において、第1層は第1部分と、第1部分から分離された第2部分を含み、第2層が第1部分と第2部分の上に配置される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ内への第1材料の注入中または注入後、第1金型が第2金型から引き離されることによって第1金型キャビティが拡大され、第3金型キャビティが形成される。一部の実施態様において、第3金型キャビティの容積は第1金型キャビティの容積より実質的に大きい。
【0108】
本発明の一側面は、射出成型方法に関する。方法は、第1キャリアと、第1キャリアに隣接して配置された第2キャリアと、第1キャリアにより保持された第1上型と、第2キャリアにより保持された第2上型を提供する工程と、第1下型を第2上型の下に配置する工程と、第1下型を第2キャリアから第1キャリアへ搬送し、第1下型を第1上型の下に配置する工程と、第1下型と第1上型により定義される第1金型キャビティ内へ第1材料を注入する工程と、第1材料で第1層を形成する工程と、第1層を収容する第1下型を第1キャリアから第2キャリアへ搬送し、第1下型を第2上型の下に配置する工程と、第1下型と第2上型により定義される第2金型キャビティ内へ第2材料を注入する工程と、第1層の上に配置された第2材料で第2層を形成する工程と、を含む。
【0109】
一部の実施態様において、方法はさらに、第2キャリアの上に固定して配置され、第2材料を注入するように構成された注入装置を提供する工程と、第2材料の注入前に、第2キャリアを回転させ、第1下型と第2上型を注入装置に向かって搬送する工程と、を含む。一部の実施態様において、第1キャリアと第2キャリアはそれぞれ、第1キャリアの中心と第2キャリアの中心の周りを回転することができる。一部の実施態様において、第1キャリアが反時計回りに回転可能であり、一方で第2キャリアが時計回りに回転可能である、または第1キャリアが時計回りに回転可能であり、一方で第2キャリアが反時計回りに回転可能である。一部の実施態様において、方法はさらに、第1キャリアにより保持される第3上型と、第2キャリアにより保持される第4上型を提供する工程と、第2下型を第4上型の下に配置する工程と、第2下型を第2キャリアから第1キャリアへ搬送し、第2下型を第3上型の下に配置する工程と、第2下型と第3上型によって定義される第3金型キャビティ内へ第1材料を注入する工程と、第1材料で第3層を形成する工程と、第3層を収容する第2下型を第1キャリアから第2キャリアへ搬送し、第2下型を第4上型の下に配置する工程と、第2下型と第4上型によって定義される第4金型キャビティ内へ第2材料を注入する工程と、第3層の上に配置された第2材料で第4層を形成する工程と、を含む。一部の実施態様において、第3上型と第1上型は第1キャリアで環状に配置され、第4上型と第2上型は第2キャリアで環状に配置される。一部の実施態様において、第3金型キャビティ内への第1材料の注入と、第2金型キャビティ内への第2材料の注入が同時に実行される。一部の実施態様において、第3層と第1層が同時に形成される。一部の実施態様において、方法はさらに、第2材料の注入前に、第1下型と第2上型によって定義される第2金型キャビティ内へ接着剤層を注入する工程を含む。一部の実施態様において、第1上型と第3上型が互いに重ね合わされ、第2上型と第4上型が互いに重ね合わされる。
【0110】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0111】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0112】
100 第1成型装置
101 第1上型
101-1、101-2、101-3、101-4、101-5、101-6、101-7、101-8、101-9、101-10 第1上型
101a 突出部
101b 第1通路
102-1、102-2、102-3、102-4、102-5、102-6、102-7、102-8、102-9、102-10 下型
102 下型
102a 凹陥部
103-1 第1金型キャビティ
103-2 第2金型キャビティ
103-3 第3金型キャビティ
103-4 第4金型キャビティ
103-5 第5金型キャビティ
103-6 第6金型キャビティ
103-7 第7金型キャビティ
103-8 第8金型キャビティ
140 成形品
180 成形品
230 成形品
290 成形品
370 成形品
380 成形品
200 第2成型装置
201 第1注入装置
201a 第1吐出口
300 第3成型装置
301 第1材料
301’ 第1層
400 第4成型装置
401 第2注入装置
401a 第2吐出口
500 第5成型装置
501 接着剤
600 第6成型装置
601 第2上型
601-1、601-2、601-3、601-4、601-5、601-6、601-7、601-8、601-9、601-10 第2上型
601a 開口部
601b 第2通路
700 射出成型システム
701 第3注入装置
701a 第3吐出口
800 射出成型システム
801 第2材料
801’ 第2層
900 射出成型システム
901 ポート
1000 部品
1101 第3材料
1101’ 第3層
1101’-1、1101’-2、1102’、1103’ 部分
1102 第4材料
1102’ 第4層
1103 第5材料
1103’ 第5層
1001 第1キャリア
1001a 第1ホルダー
1002 第2キャリア
1002a 第2ホルダー
1104 部品
1100 第4注入装置
1100a 第4吐出口
1200 第5注入装置
1200a 第5吐出口
1300 第6注入装置
1300a 第6吐出口
C1、C2 中心
D 第1距離
T 厚み
M10、M20 方法
O101~O106 工程
O201~O208 工程