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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】ばね装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20220721BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20220721BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220721BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V17/10 200
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018179539
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020053182
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】貴家 学
(72)【発明者】
【氏名】郡司 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】手塚 誠一
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-046168(JP,A)
【文献】特開2017-027871(JP,A)
【文献】特開2018-032483(JP,A)
【文献】特開2015-022881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 17/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック部、このフック部の両端部から互いに対向するように折曲された一対のアーム部、およびこれらアーム部の端部から折曲された一対の軸部を有する線ばねと;
前記線ばねの前記一対の軸部を回転可能に軸受する軸受部材と;
一方向に向けて回転する前記線ばねの前記一対のアーム部が接触し、前記線ばねが所定の回転位置に回転するまでは前記一対のアーム部の間隔が広がるように前記線ばねを弾性変形させ、前記線ばねが所定の回転位置を越えて前記一方向に回転した状態では前記一対のアーム部の間隔が狭まる弾性力により前記線ばねを前記一方向に向けて回転させるように押える押え部材と;
を具備 し、
前記押え部材は、前記軸受部材と同一部材に設置される
ことを特徴とするばね装置。
【請求項2】
前記押え部材は、板ばねで構成され、取付部、およびこの取付部の両側部から折曲され前記線ばねの前記一対のアーム部が接触する一対の押え部を有する
ことを特徴とする請求項1記載のばね装置。
【請求項3】
前記押え部材の前記一対の押え部は、前記一方向に回転する前記線ばねの前記一対のアーム部が所定の回転位置に回転するまでは前記一対のアーム部の間隔が広がるようにガイドする拡開ガイド部、および前記一方向に回転する前記線ばねの前記一対のアーム部が所定の回転位置を越えてからは前記一対のアーム部の間隔が狭まるようにガイドする押えガイド部を有する
ことを特徴とする請求項2記載のばね装置
【請求項4】
器具本体と;
前記器具本体に装着される光源ユニットと;
フック部、このフック部の両端部から互いに対向するように折曲された一対のアーム部、およびこれらアーム部の端部から折曲された一対の軸部を有する線ばねと、前記線ばねの前記一対の軸部を回転可能に軸受する軸受部材と、一方向に向けて回転する前記線ばねの前記一対のアーム部が接触し、前記線ばねが所定の回転位置に回転するまでは前記一対のアーム部の間隔が広がるように前記線ばねを弾性変形させ、前記線ばねが所定の回転位置を越えて前記一方向に回転した状態では前記一対のアーム部の間隔が狭まる弾性力により前記線ばねを前記一方向に向けて回転させるように押える押え部材と、を備え、 前記器具本体および前記光源ユニットのいずれか一方に前記軸受部材および前記押え部材が取り付けられるばね装置と;
前記器具本体および前記光源ユニットのいずれか他方に取り付けられ、前記線ばねが係合されるばね受と;
を具備することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、線ばねを用いたばね装置、およびこのばね装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、照明装置では、器具本体に光源ユニットを着脱可能に装着するのにばね装置が用いられている。
【0003】
このようなばね装置には、トーションばねが多く用いられている。しかし、トーションばねは、器具本体に対して光源ユニットを装着する方向に常に弾性力が働くことになるため、器具本体に光源ユニットを装着する場合、トーションばねを弾性変形させて保持した状態での装着操作が必要となり、使い勝手が悪い場合がある。
【0004】
また、スライド機構を介して線ばねを支持し、この線ばねを引き出した状態で保持され、線ばねを押し戻すことによって弾性力が生じるようにした取付構造があるが、構造が複雑になる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-212954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な構成で、使い勝手のよいばね装置および照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のばね装置は、線ばね、軸受部材および押え部材を備える。線ばねは、フック部、フック部の両端部から互いに対向するように折曲された一対のアーム部、およびこれらアーム部の端部から折曲された一対の軸部を有する。軸受部材は、線ばねの一対の軸部を回転可能に軸受する。押え部材には、一方向に向けて回転する線ばねの一対のアーム部が接触する。押え部材は、線ばねが所定の回転位置に回転するまでは一対のアーム部の間隔が広がるように線ばねを弾性変形させ、線ばねが所定の回転位置を越えて一方向に回転した状態では一対のアーム部の間隔が狭まる弾性力により線ばねを一方向に向けて回転させるように押える。押え部材は、軸受部材と同一部材に設置される。
【発明の効果】
【0008】
実施形態によれば、簡単な構成で、使い勝手のよいばね装置を提供することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態を示す照明装置の器具本体および光源ユニットの分解状態の斜視図である。
図2】同上照明装置の器具本体および光源ユニットの取付状態の斜視図である。
図3】同上照明装置のばね装置を含む取付装置の斜視図である。
図4】同上ばね装置の線ばねと押え部材との関係を示す側面図である。
図5】同上ばね装置の中立位置の線ばねおよび軸受部材を図4矢視Aから見た正面図である。
図6】同上ばね装置の線ばねの正面図である。
図7】同上ばね装置の平面図である。
図8】同上取付装置のばね受の正面図である。
図9】同上光源ユニットの線ばねが中立位置にある状態の斜視図である。
図10】同上光源ユニットの線ばねが展開位置にある状態の斜視図である。
図11】同上光源ユニットの線ばねが折畳回転方向に回転する状態の斜視図である。
図12】同上光源ユニットの線ばねが装着位置にある状態の斜視図である。
図13】同上光源ユニットの片側吊下げ状態の斜視図である。
図14】同上光源ユニットの片側吊下げ状態の断面図である。
図15】同上光源ユニットの両側吊下げ状態の斜視図である。
図16】同上光源ユニットの片側押上げ状態の断面図である。
図17】同上光源ユニットの他の片側押上げ状態の断面図である。
図18】同上光源ユニットの他の片側押上げ状態の断面図である。
図19】同上光源ユニットの装着状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2に照明装置10を示す。照明装置10は、例えば天井直付形照明器具である。照明装置10は、例えば天井面などの設置面に設置される器具本体11、この器具本体11に着脱可能に装着される光源ユニット12、および第1の部材である器具本体11と第2の部材である光源ユニット12とを互いに着脱可能に取り付ける取付装置13を備えている。照明装置10は、四角形の外形状に形成されている。本実施形態では、照明装置10は、例えば縦横400mmの正方形の外形状に形成されている。
【0012】
そして、器具本体11は、例えば1枚の金属板をプレス加工して一体に形成されている。器具本体11は、四角形状の天面部15、この天面部15の周辺部から下方に折曲された側面部16、およびこの側面部16から外側方に向けて断面略L字形に折曲された嵌合突部17を備えている。天面部15には、設置用の取付孔18や、配線孔19などが形成されている。
【0013】
器具本体11には、電源ユニット21および端子台22などが配設されている。電源ユニット21は、天面部15の内面である下面で、器具本体11の対向する2辺に沿って配設されている。電源ユニット21の点灯電源出力部からは光源ユニット12側との接続用のコネクタ付ケーブルが引き出されている。そして、電源ユニット21は、外部電源や調光信号などを入力し、調光信号に基づいて外部電源を所定の点灯電源に変換して出力する。また、端子台22は、例えば電源用と信号用の2つが用いられ、天面部15の下面で配線孔19の近傍に配設されている。端子台22と電源ユニット21の電源入力部および信号入力部とが内部配線で電気的に接続されている。端子台22には、器具本体11の設置時に、配線孔19から引き込まれる外部電源供給用の電源線や信号線が接続される。
【0014】
また、光源ユニット12は、ベースプレート25、このベースプレート25の下面に取り付けられる発光モジュール26、およびこの発光モジュール26を覆ってベースプレート25に取り付けられる透光カバー27を備えている。
【0015】
ベースプレート25は、例えば1枚の金属板をプレス加工して一体に形成されている。ベースプレート25は、四角形状のプレート部29、およびこのプレート部29の周辺部から上方に折曲された嵌合枠部30を備えている。嵌合枠部30は、器具本体11の嵌合突部17の周囲に嵌合可能としている。プレート部29の周辺部には、複数の溝部31が形成されている。各溝部31の縁には、嵌合枠部30に対して透光カバー27をかしめ結合するためのかしめ片32が設けられている。
【0016】
発光モジュール26は、四角形状の基板33、およびこの基板33の表面側に実装された複数の発光素子(半導体発光素子)34(図16参照)を備えている。基板33の裏面側をベースプレート25に熱的に接続された状態に取り付けられる。発光モジュール26には給電用のコネクタ付ケーブルが接続されている。このコネクタ付ケーブルは、ベースプレート25の溝部31あるいはベースプレート25に別途設けられる配線孔を通じて、ベースプレート25から引き出され、電源ユニット21から引き出されているコネクタ付ケーブルとコネクタ接続される。
【0017】
透光カバー27は、光透過性を有し、さらに光拡散性を有していてもよい。透光カバー27は、四角形状の下面部35、およびこの下面部35の周辺部から上方に突出する側面部36を有している。側面部36の上端側がベースプレート25の嵌合枠部30に図示しないパッキングを介して嵌合され、複数のかしめ片32によってベースプレート25と透光カバー27とが一体に結合されている。
【0018】
次に、図1および図3に示すように、取付装置13は、光源ユニット12側に取り付けられるばね装置40、および器具本体11側に取り付けられるばね受41を備えている。取付装置13は、ばね装置40とばね受41とを組として、2組用いられている。2組の取付装置13は、2つの電源ユニット21が配置される器具本体11の対向する2辺の位置に対して異なる方向の対向する2辺の位置に対応して配設されている。
【0019】
そして、ばね装置40は、線ばね44、軸受部材45、および押え部材46を備えている。
【0020】
図3ないし図6に示すように、線ばね44は、例えば金属のばね材料によって形成された線材を曲げ加工して形成されている。ばね材料としては、例えばステンレスが用いられている。線ばね44は、中間のフック部49、このフック部49の両端部から互いに略平行に対向するように折曲された一対のアーム部50、およびこれらアーム部50の端部からそれぞれ外側に向けて折曲された一対の軸部51を有している。
【0021】
フック部49は、略直線状に形成され、その両端から一対のアーム部50が折曲されている。
【0022】
一対のアーム部50は、先端側に設けられたアームガイド部50a、基端側に設けられたアーム直線部50b、アームガイド部50aとアーム直線部50bとを接続するアーム接続部50c、およびアーム直線部50bとアーム接続部50cとの間でアームガイド部50aよりも基端側に設けられたアーム当接部50dを有している。アームガイド部50aは、図1などに示すように光源ユニット12の内側に向けて折り畳まれる状態で、上方に向けて突出する凸湾曲状に形成されている。アーム当接部50dは、アーム直線部50bとアーム接続部50cとの折曲部で構成されている。
【0023】
一対の軸部51は、一対のアーム部50の端部から相反する外側に向けて折曲されている。一対の軸部51は、一対のアーム部50に対して例えば略直角折曲されている。なお、一対の軸部51は、一対のアーム部50に対して鈍角に折曲されていてもよい。
【0024】
また、図3ないし図5に示すように、軸受部材45は、1枚の金属板を曲げ加工して一体に形成されている。軸受部材45は、ベースプレート25に取り付けられる取付部54、この取付部54から立ち上げられた立上げ部55、この立上げ部55の幅方向の両側部から取付部54に対向するように折曲された一対の支持部56、およびこれら一対の支持部56の先端に設けられた一対の軸受部57を有している。一対の軸受部57は、支持部56の先端部が筒状に湾曲されることによって形成されている。一対の軸受部57の相対する内端側から線ばね44の一対の軸部51が挿入されている。一対の軸受部57により、線ばね44の一対の軸部51を回転可能に軸受している。
【0025】
一対の軸受部57の軸心aは、一対の軸受部57の相対する端部間を結ぶ仮想中心軸bに対して同一方向に対称的に傾いている。一対の軸受部57の軸心aが傾く方向は、線ばね44の一対のアーム部50が光源ユニット12の上面に平行となる基準位置P0を0°とした場合の角度βが90°以上であって、好ましくは90~120°の範囲の方向である。本実施形態では、一対の軸受部57の軸心aが傾く方向は、例えば角度βが120°となる方向とする。また、一対の軸受部57の軸心aが仮想中心軸bに対して傾く角度αは、10°前後が好ましい。
【0026】
そして、図4および図5(中立位置P3の線ばね44および軸受部材45を図4矢視Aから見た正面図)に示すように、軸受部材45に軸受された線ばね44は、仮想中心軸bを中心として回転可能とする。従って、仮想中心軸bは、線ばね44が回転する回転軸である。さらに、軸受部材45に軸受された線ばね44は、仮想中心軸bの軸方向から見て一対の軸受部57の軸心aと線ばね44の一対のアーム部50とが重なる中立位置P3において、一対のアーム部50の間隔が変化するように最も弾性変形した状態にある。すなわち、線ばね44自体は、一対の軸部51が一対のアーム部50に対して例えば直角または鈍角に折曲されているのに対して、軸受部材45の一対の軸受部57により一対の軸部51が角度αずつ同一方向に対称的に傾けられることにより、一対のアーム部50の間隔が狭まるように線ばね44の全体が最も弾性変形した状態にある。
【0027】
そのため、線ばね44は、仮想中心軸bの軸方向から見て一対の軸受部57の軸心aと線ばね44の一対のアーム部50とが重なる中立位置P3を境として、弾性変形の反発力により回転方向の一方であって光源ユニット12の外側に開く展開回転方向F1と、回転方向の他方であって光源ユニット12の内側に折り畳まれる折畳回転方向F2とのそれぞれに向けて回転力が生じる。すなわち、一対の軸受部57によって線ばね44の一対の軸部51が仮想中心軸bに対して傾けられる角度は、一対のアーム部50が中立位置P3に位置するときが最も大きく、一対のアーム部50が中立位置P3よりも展開回転方向F1または折畳回転方向F2に向かって回転するのに従って小さくなっていき、中立位置P3に対して90°方向が最も小さくなる。そのため、一対のアーム部50が中立位置P3よりも展開回転方向F1または折畳回転方向F2に少しでも回転操作すると、線ばね44の弾性変形に対して元に戻ろうとする反発力である弾性力により、展開回転方向F1または折畳回転方向F2に向けて回転力が生じる。なお、線ばね44の一対の軸部51が一対のアーム部50に対して鈍角に折曲されていている場合には、線ばね44の弾性変形が大きくなるため、より強い回転力が生じる。
【0028】
また、図3および図7に示すように、押え部材46は、一方向である折畳回転方向F2に向けて回転する線ばね44の一対のアーム部50が接触し、線ばね44が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)に回転するまでは一対のアーム部50の間隔が広がるように線ばね44を弾性変形させ、線ばね44が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)を越えて一方向である折畳回転方向F2に回転した状態では一対のアーム部50の間隔が狭まる弾性力により線ばね44を一方向である折畳回転方向F2に向けて回転させるように押えるものである。
【0029】
押え部材46は、1枚の板ばねを曲げ加工して一体に形成されている。板ばねとしては、例えばステンレス板が用いられる。押え部材46は、取付部60、およびこの取付部60の両側部から折曲され線ばね44の一対のアーム部50が接触する一対の押え部61を有する。
【0030】
取付部60は、この取付部60上に軸受部材45の取付部54が重ね合わされ、ベースプレート25に対して取付部54と一体にねじ止め固定される。すなわち、押え部材46は、軸受部材45と同一部材である光源ユニット12に設置される。
【0031】
一対の押え部61は、取付部60の両側部から互いに間隔が狭まるように内側に向けて折曲された立上げ部62、およびこの立上げ部62の上部から互いに間隔が広がるように外側に向けて折曲されたガイド部63を有している。
【0032】
一対の押え部61(ガイド部63)は、一方向である折畳回転方向F2に回転する線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)に回転するまでは一対のアーム部50の間隔が広がるようにガイドする拡開ガイド部64、および一方向である折畳回転方向F2に回転する線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)を越えてからは一対のアーム部50の間隔が狭まるようにガイドする押えガイド部65を有する。拡開ガイド部64と押えガイド部65との間には、一対のアーム部50の間隔が広がるようにガイドするのと一対のアーム部50の間隔が狭まるようにガイドするのとが切り換わる切換り部66が設けられている。この切換り部66の位置は、一方向である折畳回転方向F2に回転する線ばね44の一対のアーム部50の所定の回転位置(押え方向切換位置P1)に対応している。一対の押え部61の拡開ガイド部64間および押えガイド部65間の幅は、一対のアーム部50間の幅よりも広く設けられている。
【0033】
そして、線ばね44の一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61の拡開ガイド部64に接触した状態で、線ばね44を折畳回転方向F2に回転させていくと、一対のアーム部50の間隔が広がるように線ばね44が弾性変形するとともに、一対の押え部61の間隔が狭まるように押え部材46が弾性変形する。さらに、折畳回転方向F2に回転させていく線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)つまり切換り部66を越えて、押え部材46の一対の押え部61の押えガイド部65に接触すると、線ばね44および押え部材46のそれぞれの弾性変形に対する反発力である弾性力により、線ばね44の一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61の押えガイド部65に沿って折畳回転方向F2に移動し、線ばね44が折畳回転方向F2に回転する回転付勢力が生じる。
【0034】
ここで、図4を参照して、線ばね44の動きをまとめる。線ばね44は、中立位置P3を境として、線ばね44の弾性変形の反発力により、光源ユニット12の外側に開く展開回転方向F1に向けた回転力A1と、光源ユニット12の内側に折り畳まれる折畳回転方向F2に向けた回転力A2とが生じる。線ばね44は、展開回転方向F1に生じる回転力A1により、中立位置P3からベースプレート25の周辺部に当接する展開自立位置P4に回転して保持される。線ばね44は、折畳回転方向F2に生じる回転力A2により、中立位置P3から押え部材46の拡開ガイド64に当接する折畳自立位置P2に回転して保持される。この線ばね44に生じる展開回転方向F1および折畳回転方向F2の回転力A1、A2は、比較的弱く、線ばね44の自立状態が保てる程度で、例えば光源ユニット12の自重が加われば自立状態が解除される。
【0035】
さらに、線ばね44は、押え方向切換位置P1を境として、線ばね44の弾性変形の反発力および押え部材46の弾性変形の反発力と拡開ガイド部64および押えガイド部65の傾斜によるガイド作用とにより、押え方向切換位置P1と折畳自立位置P2との間において展開回転方向F1に向けて回転力B1が生じ、押え方向切換位置P1と最大押え位置P5との間において折畳回転方向F2に向けて回転力B2が生じる。この線ばね44に生じる折畳回転方向F2の回転力B2は、比較的強く、光源ユニット12の自重を支えることが可能な強さである。なお、回転力A1、A2と回転力B1、B2の強さは、A1、A2<B1、B2の関係にある。
【0036】
また、図3および図8に示すように、取付装置13のばね受41は、1枚の金属板を曲げ加工して一体に形成されている。ばね受41は、取付板部70、この取付板部70の一辺から折曲されたガイド板部71、このガイド板部71から折曲された受板部72、および取付板部70の他辺から折曲されたカバー部73を備えている。さらに、ばね受41は、ガイド板部71に設けられる開口部74および引掛部75を有している。
【0037】
取付板部70は、器具本体11の下面にねじ止めによって取り付けられる。
【0038】
ガイド板部71は、取付板部70から下方へ向けて折曲されている。ガイド板部71には、線ばね44のフック部49および一対のアーム部50が挿通される開口部74が形成されている。
【0039】
受板部72は、ガイド板部71の下端からガイド板部71の外側方へ向けて斜めに突設されている。
【0040】
カバー部73は、取付板部70から下方へ向けて折曲された後面カバー部76、およびこの後面カバー部76の両側から取付板部70の両側下方に配置されるように折曲された側面カバー部77を有している。そして、カバー部73により、ガイド板部71とともに取付板部70の下方域の周囲を囲み、例えば器具本体11と光源ユニット12との間に配置されるコネクタ付ケーブルなどが入り込まないようにしている。
【0041】
開口部74は、ガイド板部71から取付板部70の一部に亘って連続して開口形成されている。ガイド板部71に形成された開口部74の幅方向の幅は、開口部74の引掛部75が設けられた縁部側である開口部74の下部側が線ばね44の一対のアーム部50間の幅よりも広く、引掛部75が設けられた開口部74の縁部側から反対側の縁部側である開口部74の上部側に向かうに従って狭くなるように略台形状に形成されている。開口部74の上部側の幅は、線ばね44の一対のアーム部50間の幅を幅方向に規制可能とし、例えば一対のアーム部50間の幅と同程度に形成されている。
【0042】
引掛部75は、ガイド板部71から開口部74に突設され、線ばね44のフック部49を引っ掛け可能とする。引掛部75は、開口部74の取付板部70から離れた縁部である開口部74の下側縁部で開口部74の幅方向の中央に設けられている。引掛部75は、先端側がガイド板部71の内面側に突出するように断面略L字形に形成されている。
【0043】
次に、照明装置10の動作を説明する。
【0044】
図9には、光源ユニット12の線ばね44が中立位置P3にある状態を示す。
【0045】
そして、線ばね44の一対のアーム部50を中立位置P3から展開回転方向F1に少し回転操作すると、上述したように、線ばね44の弾性力により、展開回転方向F1に向けて回転力A1が生じる。そのため、図10に示すように、線ばね44が展開回転方向F1に回転し、フック部49および一対のアーム部50の先端側が光源ユニット12の外側方に突出するように展開した展開自立位置P4に保持される。
【0046】
一方、線ばね44の一対のアーム部50を中立位置P3から折畳回転方向F2に少し回転操作すると、上述したように、線ばね44の弾性力により、折畳回転方向F2に向けて回転力A2が生じる。そのため、図11に示すように、線ばね44が折畳回転方向F2に回転し、フック部49および一対のアーム部50が光源ユニット12の内側に向けて傾き、一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61(拡開ガイド部64)に接触した折畳自立位置P2に保持される。
【0047】
また、図12には、光源ユニット12の線ばね44が装着位置(押え方向切換位置P1と最大押え位置P5との間)にある状態を示す。線ばね44は、光源ユニット12上に折り畳まれ、一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61(押えガイド部65)に接触する。この状態で、上述したように、線ばね44および押え部材46の弾性力により、線ばね44には折畳回転方向F2に向けて回転力B2が生じる。
【0048】
そして、設置面に設置された器具本体11に対する光源ユニット12の装着手順を説明する。
【0049】
図13に示すように、光源ユニット12の一側の線ばね44を光源ユニット12の外側方に突出する展開自立位置P4に回転した状態とする。展開自立位置P4の線ばね44は、回転操作しない限り、光源ユニット12を傾けたり回転させなるなどしても、展開自立位置P4に保持されている。なお、光源ユニット12の他側の線ばね44は、展開自立位置P4に回転した状態、折畳自立位置P2に回転した状態のいずれにあってもよい。
【0050】
光源ユニット12の一側を上方に向け、光源ユニット12の一側に配置されている線ばね44のフック部49および一対のアーム部50の先端側を器具本体11のばね受41の開口部74に挿入し、フック部49を引掛部75に引っ掛ける。このとき、線ばね44は展開自立位置P4に保持されているため、線ばね44を展開状態に手で押えるなどの操作が必要なく、作業性を向上できる。
【0051】
このとき、図14に示すように、ばね受41の開口部74は下部側の幅が一対のアーム部50間の幅よりも広いため、フック部49および一対のアーム部50の先端側を器具本体11のばね受41の開口部74に挿入しやすいとともに、フック部49を引掛部75に引っ掛けやすく、操作性がよい。
【0052】
線ばね44のフック部49をばね受41の引掛部75に引っ掛けた状態で、器具本体11に対して光源ユニット12が片側吊下げ状態となる。この片側吊下げ状態で、電源ユニット21からのコネクタ付ケーブルと光源ユニットからのコネクタ付ケーブルとをコネクタ接続する。
【0053】
図15に示すように、光源ユニット12の他側を上方に移動させ、光源ユニット12の他側に配置されている線ばね44のフック部49および一対のアーム部50の先端側をばね受41の開口部74に挿入し、フック部49を引掛部75に引っ掛ける。このときも、ばね受41の開口部74の形状により、フック部49および一対のアーム部50の先端側を器具本体11のばね受41の開口部74に挿入しやすいとともに、フック部49を引掛部75に引っ掛けやすく、操作性がよい。さらに、線ばね44のフック部49をばね受41の開口部74に導く際、線ばね44を折畳自立位置P2に回転させておくことにより、フック部49がばね受41の開口部74に入りやすく、作業性がよい。
【0054】
光源ユニット12の他側を上方に移動させていったときに、光源ユニット12の一側の線ばね44が中立位置P3を越え、折畳回転方向F2に向けて回転力A2が生じる。そのため、この線ばね44の回転力A2が、器具本体11に対して光源ユニット12の一側を適正位置に移行させるように作用し、光源ユニット12の他側の線ばね44をばね受41に装着しやすくできる。
【0055】
そして、光源ユニット12の他側の線ばね44のフック部49をばね受41の引掛部75に引っ掛けることにより、光源ユニット12は器具本体11に対して両側吊下げ状態となる。この状態では、光源ユニット12の一側の線ばね44と他側の線ばね44とのバランスがとれ、光源ユニット12は器具本体11と平行な位置の中央に自動的に位置される。このとき、光源ユニット12の一側の線ばね44および他側の線ばね44にはそれぞればね受41に引っ掛かる方向に回転力A2が生じているため、線ばね44を持って持ち上げながらフック部49をばね受41の引掛部75から外さない限り、線ばね44はばね受41から外れないため、光源ユニット12が不用意に脱落することがない。
【0056】
その後、光源ユニット12を押上げ操作して器具本体11に装着する。このとき、光源ユニット12を一側および他側を平行に押上げ操作して器具本体11に装着してもよいし、光源ユニット12の一側または他側を片側ずつ順に押上げ操作して器具本体11に装着してもよい。
【0057】
図16には、光源ユニット12の他側を押上げ操作した光源ユニット12の片側押上げ状態を示す。そして、光源ユニット12の一側の押上げ操作時の動作について図16ないし図19にて説明する。
【0058】
図16に示すように、光源ユニット12の一側に配置されている線ばね44のフック部49がばね受41の引掛部75に引っ掛けられ、この線ばね44で光源ユニット12の一側が器具本体11に吊り下げられた状態にある。このとき、線ばね44の一対のアーム部50は押え部材46の一対の押え部61(拡開ガイド部64)に接触していない。
【0059】
光源ユニット12の一側を押し上げていくと、線ばね44の回転力A2によって線ばね44が折畳回転方向F2に回転していく。光源ユニット12の一側を押し上げていく途中で、線ばね44の一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61(拡開ガイド部64)に接触し、線ばね44の折畳回転方向F2への回転が折畳自立位置P2で一旦止まり、その後は、線ばね44が光源ユニット12の一側とともに押し上げられる。
【0060】
図17に示すように、光源ユニット12の一側とともに押し上げられる線ばね44の一対のアーム部50のアームガイド部50aがばね受41の取付板部70の下面に接触し、アームガイド部50aの上昇が規制される。そのため、光源ユニット12の一側をさらに押し上げていくと、線ばね44を折畳回転方向F2に強制的に回転させていくことになる。これにより、凸円弧状のアームガイド部50aがばね受41の取付板部70の下面を摺動しながらばね受41の開口部74に挿通されていく。このように、線ばね44が折畳回転方向F2に回転しながらばね受41側に移動してくことにより、一対のアーム部50のアーム当接部50dがばね受41の受板部72の上方域に移動していく。
【0061】
このとき、図18に示すように、一対のアーム部50が開口部74の上部側の幅狭領域に移動し、開口部74の両側縁で一対のアーム50の幅方向の位置が規制される。これにより、線ばね44を介して、器具本体11に対して押し上げていく光源ユニット12の位置を位置決めし、器具本体11に対して光源ユニット12を正しく組み合わせて装着できるようにする。
【0062】
さらに、線ばね44の一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61の拡開ガイド部64に接触した状態で、光源ユニット12の一側をさらに押し上げ、線ばね44を折畳回転方向F2に回転させていくと、一対のアーム部50の間隔が広がるように線ばね44が弾性変形するとともに、一対の押え部61の間隔が狭まるように押え部材46が弾性変形する。
【0063】
そして、光源ユニット12の一側をさらに押し上げていくと、折畳回転方向F2に回転させていく線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)つまり切換り部66を越えて、押え部材46の一対の押え部61の押えガイド部65に接触する。これにより、線ばね44および押え部材46のそれぞれの弾性変形に対する反発力である弾性力により、線ばね44の一対のアーム部50が押え部材46の一対の押え部61の押えガイド部65に沿って折畳回転方向F2に回転するように、線ばね44に折畳回転方向F2に回転する回転力B2が生じる。
【0064】
そのため、図19に示すように、線ばね44に作用する回転付勢力により、線ばね44が折畳回転方向F2に回転し、ばね受41の受板部72の上方域に既に移動していた一対のアーム部50のアーム当接部50dがばね受41の受板部72の上面側に当接し、アーム当接部50dと受板部72との接触箇所を支点として光源ユニット12の一側が器具本体11に向けて上方に引き上げられる。これにより、器具本体11に光源ユニット12の一側が装着され、器具本体11と光源ユニット12とが装着状態に保持される。
【0065】
なお、光源ユニット12の他側の押上げ操作時の動作についても、このような光源ユニット12の一側の押上げ操作時の動作と同様である。
【0066】
また、光源ユニット12を器具本体11に装着する操作とは逆の操作を行うことによって、光源ユニット12を器具本体11から取り外すことができる。
【0067】
この取り外し時において、光源ユニット12を器具本体11から引き下げた状態で、光源ユニット12の一側の線ばね44および他側の線ばね44がそれぞればね受41に引っ掛かって止まる。このとき、光源ユニット12の一側の線ばね44および他側の線ばね44にはそれぞればね受41に引っ掛かる方向に回転力A2が生じているため、線ばね44を持って持ち上げながらフック部49をばね受41の引掛部75から外さない限り、線ばね44はばね受41から外れないため、光源ユニット12が不用意に脱落するのを防止できる。
【0068】
さらに、取り外し時において、例えば他側の線ばね44をばね受41から外し、図13のように一側の線ばね44で光源ユニット12が吊下げられた状態では、線ばね44が展開回転方向F1に回転力A1が生じて展開状態に保持されるため、例えば光源ユニット12を押し上げて線ばね44のフック部49をばね受41から外すことができ、作業性がよい。
【0069】
このように、本実施形態のばね装置40では、軸受部材46の一対の軸受部57の軸心aが、一対の軸受部57の相対する端部間を結ぶ仮想中心軸bに対して同一方向に対称的に傾いているため、仮想中心軸bの軸方向から見て一対の軸受部57の軸心aと線ばね44の一対のアーム部50とが重なる中立位置P3を境として、弾性変形の反発力により回転方向の一方と他方とのそれぞれに向けて回転力が生じさせることができ、簡単な構成で、使い勝手のよいばね装置40を提供できる。
【0070】
すなわち、軸受部材45に軸受された線ばね44は、仮想中心軸bの軸方向から見て一対の軸受部57の軸心aと線ばね44の一対のアーム部50とが重なる中立位置P3において、一対のアーム部50の間隔が変化するように最も弾性変形した状態にある。さらに、一対の軸受部57によって線ばね44の一対の軸部51が仮想中心軸bに対して傾けられる角度は、一対のアーム部50が中立位置P3に位置するときが最も大きく、一対のアーム部50が中立位置P3よりも回転方向の一方または他方に向かって回転するのに従って小さくなっていく。これらにより、一対のアーム部50が中立位置P3よりも回転方向の一方または他方に少しでも回転操作すると、線ばね44の弾性変形に対して元に戻ろうとする反発力である弾性力により、回転方向の一方または他方に向けて回転力A1、A2を生じさせることができる。
【0071】
この線ばね44および軸受部材45を備えたばね装置40を器具本体11に光源ユニット12を装着する取付構造に用いることにより、作業性のよい照明装置10を提供できる。
【0072】
また、ばね装置40の押え部材46は、一方向に向けて回転する線ばね44の一対のアーム部50が接触し、線ばね44が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)に回転するまでは一対のアーム部50の間隔が広がるように線ばね44を弾性変形させ、線ばね44が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)を越えて一方向に回転した状態では一対のアーム部50の間隔が狭まる弾性力により線ばね44を一方向に向けて回転させるように押えることができ、簡単な構成で、使い勝手のよいばね装置40を提供できる。
【0073】
押え部材46は、板ばねで構成され、線ばね44の一対のアーム部50との接触時に一対の押え部61が弾性変形し、これら一対の押え部61の弾性力も加わって、線ばね44を一方向に向けて回転させるように押えることができる。
【0074】
一対の押え部61は、一方向に回転する線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)に回転するまでは一対のアーム部50の間隔が広がるようにガイドする拡開ガイド部64、および一方向に回転する線ばね44の一対のアーム部50が所定の回転位置(押え方向切換位置P1)を越えてからは一対のアーム部50の間隔が狭まるようにガイドする押えガイド部65を有するため、線ばね44を一方向に向けて回転させるように押えることができる。
【0075】
線ばね44を押える押え部材46が線ばね44を軸受する軸受部材45と同一部材に配置されるため、線ばね44と押え部材46との位置関係が一定となり、ばね装置40の安定した動作が可能となる。
【0076】
この押え部材46を備えたばね装置40を器具本体11に光源ユニット12を装着する取付構造に用いることにより、作業性のよい照明装置10を提供できる。
【0077】
また、ばね受41の開口部74の幅方向の幅は、開口部74の引掛部75が設けられた縁部側である開口部74の下部側が線ばね44の一対のアーム部50間の幅よりも広く、引掛部75が設けられた開口部74の縁部側から反対側の縁部側である開口部74の上部側に向かうに従って狭くなるように形成されているため、線ばね44のフック部49を開口部74に挿通させて引掛部75に引っ掛ける操作を容易に行うことができ、かつ、第1の部材である器具本体11に第2の部材である光源ユニット12を組み合わせて装着する際に、線ばね44の一対のアーム部50が開口部74の上側に移動し、開口部74の両側縁で一対のアーム部50の幅方向の位置を位置決めすることにより、器具本体11に対して光源ユニット12を正しく組み合わせて装着できる。
【0078】
ガイド板部71から折曲された受板部72に線ばね44のアーム当接部50dが当接することにより、器具本体11と光源ユニット12とを取付状態に保持することができる。
【0079】
さらに、このばね受41と組み合わされるばね装置12が上述した押え部材46を備えることにより、器具本体11に光源ユニット12を装着する動作に対応して、線ばね44の一対のアーム部50が開口部74の上部側に移動し、開口部74の両側縁で一対のアーム部50の幅方向の位置を位置決めすることにより、器具本体11に対して光源ユニット12を正しく組み合わせて装着できることができるとともに、ガイド板部71から折曲された受板部72に線ばね44のアーム当接部50dが当接することにより、器具本体11と光源ユニット12とを取付状態に保持することができる。
【0080】
また、照明装置10は、器具本体11の外形よりも光源ユニット12の外形が大きく、例えば天井への設置状態では、器具本体11が隠れ、光源ユニット12の光が出射する透光カバー27のみが見え、意匠性がよい。
【0081】
器具本体11および光源ユニット12の内側にばね装置40およびばね受41を配置し、器具本体11に光源ユニット12を装着した際に、ばね装置40の線ばね44が光源ユニット12の内側に折り畳まれることにより、このような照明装置10を実現できる。
【0082】
器具本体11には、取付孔18や配線孔19が設けられているとともに、2つの電源ユニット21および端子台22が取り付けられているが、線ばね44が折り畳まれる構造であるため、ばね装置40をコンパクトに構成でき、器具本体11の限られたスペース内にばね装置40およびばね受41を配置することができる。
【0083】
なお、線ばね44の一対の軸部51は、一対のアーム部50の内側に向けて折曲されていてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、軸受部材45の一対の軸受部57の軸心aは、線ばね44の中立位置P3において、線ばね44の一対の軸部51の先端側が一対のアーム部50に近付けさせる方向に傾いているが、逆に、線ばね44の一対の軸部51の先端側が一対のアーム部50に離れる方向に傾いていてもよい。この場合、線ばね44の中立位置P3において、一対のアーム部50の間隔を広がるように線ばね44の全体が弾性変形するため、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0085】
また、ばね装置40を器具本体11に取り付け、ばね受41を光源ユニット12に取り付けてもよい。
【0086】
また、ばね装置40および取付装置13は、照明装置10以外にも、第1の部材と第2の部材とを互いに着脱可能に取り付ける取付構造などに適用することができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
10 照明装置
11 器具本体
12 光源ユニット
40 ばね装置
41 ばね受
44 線ばね
45 軸受部材
46 押え部材
49 フック部
50 アーム部
51 軸部
60 取付部
61 押え部
64 拡開ガイド部
65 押えガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19