(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】商談を設定するための装置、方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20220721BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2021074113
(22)【出願日】2021-04-26
【審査請求日】2021-08-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521180762
【氏名又は名称】株式会社KAEN
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】川田 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】閏間 莉央
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-150035(JP,A)
【文献】特開2006-139580(JP,A)
【文献】特開2002-334251(JP,A)
【文献】特開2019-179498(JP,A)
【文献】特開2018-045379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する方法であって、
サーバ
が、前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信するステップであって、前記商談の対象であるサービス
又はそのプランは、前記
サーバが提供するサービス上で
検索可能であり、前記代理店に
対する販売許可
の付与
が記憶されたサービスであるステップと、
前記
サーバが、前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定するステップと、
前記
サーバが、前記サービス提供企業が用いる
オンラインカレンダーサービスを提供する
、前記サーバとは異なるカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信するステップと、
前記
サーバが、前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信するステップと、
前記
サーバが、前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信するステップと、
前記
サーバが、前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末
及び潜在顧客が用いる顧客端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信するステップと
を含む。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記判定は、複数のプラン名又はそれらに対応する複数のプランIDの少なくとも一方と各プラン名又は各プランIDに対応づけられた1又は複数のカレンダーの対応づけを参照して行う。
【請求項3】
請求項
1に記載の方法であって、
前記
サーバが、前記代理店端末に、前記代理店が設定した1又は複数の商談に関する商談一覧情報を送信するステップをさらに含み、
前記商談一覧情報は、各商談の進捗状況及び各商談についてのサービス提供企業との間のメッセージ又はその概要を含む。
【請求項4】
サーバ
に、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記
サーバが、前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信するステップであって、前記商談の対象であるサービス
又はそのプランは、前記装置が提供するサービス上で
検索可能であり、前記代理店に
対する販売許可
の付与
が記憶されたサービスであるステップと、
前記
サーバが、前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定するステップと、
前記
サーバが、前記サービス提供企業が用いる
オンラインカレンダーサービスを提供する
、前記サーバとは異なるカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信するステップと、
前記
サーバが、前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信するステップと、
前記
サーバが、前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信するステップと、
前記
サーバが、前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末
及び潜在顧客が用いる顧客端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信するステップと
を含む。
【請求項5】
代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する
サーバであって、
前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービス
又はそのプランであって、前記装置が提供するサービス上で
検索可能であり、前記代理店に
対する販売許可
の付与
が記憶されたサービス
又はそのプランのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信し、
前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定して、前記サービス提供企業が用いる
オンラインカレンダーサービスを提供する
、前記サーバとは異なるカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信し、
前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信し、
前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信し、
前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末
及び潜在顧客が用いる顧客端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商談を設定するための装置、方法及びそのためのプログラムに関し、より詳細には、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定するための装置、方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドサービスを含め、インターネットを介して提供されるインターネットサービスの利用が広がっている。インターネットサービスのサービス提供企業は、増加する他社サービスの中で自社サービスを潜在的な顧客に知ってもらい、利用を検討してもらうためにオンライン広告の出稿、テレビCMの放映、プロモーションの実行等、顧客獲得に向けたさまざまな施策を行っている。
【0003】
顧客に対して直接的に営業を行うダイレクトセールスに加えて、代理店を介した間接的な営業を行うパートナーセールスも営業手法の1つとして挙げられるところ、パートナーセールスの採用は、ダイレクトセールスとは異なり、必要に応じた柔軟な規模の拡大が可能であることから、広告出稿と並んで、急速な顧客獲得を目指すインターネットサービスのサービス提供企業にとって重要なものとして位置付けられる。代理店の業務については、サービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定するものが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商談設定には、代理店を含めた三者間でのコミュニケーションが必要となることから煩雑であり、現在は、非効率なメッセージの送受信、電話の折り返し等が日々繰り返されている。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、代理店を介したインターネットサービスの提供企業と顧客候補との間の商談設定を行うための装置、方法及びそのためのプログラムにおいて、従来よりも効率性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する方法であって、装置が、前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信するステップと、前記装置が、前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定するステップと、前記装置が、前記サービス提供企業が用いるカレンダーサービスを提供するカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信するステップと、前記装置が、前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信するステップと、前記装置が、前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信するステップと、前記装置が、前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信するステップとを含む。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の方法であって、前記判定は、複数のプラン名又はそれらに対応する複数のプランIDの少なくとも一方と各プラン名又は各プランIDに対応づけられた1又は複数のカレンダーの対応づけを参照して行う。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の方法であって、前記装置が、前記潜在顧客が用いる顧客端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信するステップをさらに含む。
【0009】
また、本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様の方法であって、前記商談の対象であるサービスは、前記装置が提供するサービス上で前記代理店に販売許可が付与されたサービスである。
【0010】
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の方法であって、前記商談の対象であるサービスは、前記装置が提供するサービス上で検索可能である。
【0011】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様の方法であって、前記装置が、前記代理店端末に、前記代理店が設定した1又は複数の商談に関する商談一覧情報を送信するステップをさらに含み、前記商談一覧情報は、各商談の進捗状況及び各商談についてのサービス提供企業との間のメッセージ又はその概要を含む。
【0012】
また、本発明の第7の態様は、第6の態様の方法であって、前記進捗状況は、前記サービス提供企業端末からの更新要求に応じて更新される。
【0013】
また、本発明の第8の態様は、第6の態様の方法であって、前記商談一覧情報は、各商談についてのサービス提供企業との間のメッセージの概要を含み、前記商談一覧情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の概要のいずれかの選択を受信したことに応じて、選択された概要に関連づけられたメッセージの詳細を前記代理店端末に送信するステップをさらに含む。
【0014】
また、本発明の第9の態様は、装置に、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、前記装置が、前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信するステップと、前記装置が、前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定するステップと、前記装置が、前記サービス提供企業が用いるカレンダーサービスを提供するカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信するステップと、前記装置が、前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信するステップと、前記装置が、前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信するステップと、前記装置が、前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信するステップとを含む。
【0015】
また、本発明の第10の態様は、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する装置であって、前記代理店が用いる代理店端末から、前記商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信し、前記少なくともいずれかと対応づけられた1又は複数のカレンダーを判定して、前記サービス提供企業が用いるカレンダーサービスを提供するカレンダーサーバから、前記1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信し、前記代理店端末から、前記予定情報に基づいて前記代理店端末の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信し、前記カレンダーサーバに、選択された時間枠に対する予定追加要求を送信し、前記サービス提供企業が用いるサービス提供企業端末に、選択された時間枠における商談予定情報を送信する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、代理店を介してインターネットサービスのサービス提供企業と顧客候補との間の商談を設定する方法であって、代理店端末から、商談の対象であるサービスのサービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを受信して、当該少なくともいずれかと対応づけられた、サービス提供企業の1又は複数の営業担当の1又は複数のカレンダーを判定し、それらのカレンダーに含まれる予定情報に基づいて、代理店端末において、当該1又は複数の営業担当の空き時間枠を選択可能とすることによって、代理店を含めた三者間での煩雑なコミュニケーションを生じさせることなく、サービス提供企業と顧客候補との間の商談設定の効率性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる装置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる販売許可の流れを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる商談設定の流れを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる商談情報入力画面を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる代理店向けの商談管理画面を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる面談予定情報を含む電子メールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
図1に本発明の一実施形態にかかる装置を示す。装置100は、代理店が用いる代理店端末110及びサービス提供企業が用いるサービス提供企業端末120とインターネット等のIPネットワークを介して通信し、サービス提供企業と顧客候補との間の商談設定に必要なコミュニケーションを媒介する。加えて、装置100は、IPネットワークを介して、サービス提供企業が利用するカレンダーサービスを提供するカレンダーサーバ130にアクセス可能であり、また、必要に応じて、顧客が用いる顧客端末140と通信する。
【0020】
装置100は、通信インターフェースなどの通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができる。装置100は、1又は複数の装置、コンピュータないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部103又は装置100からIPネットワークを介してアクセス可能なデータベース104等の記憶装置又は記憶媒体に記憶しておき、処理部102において実行することができる。以下で記憶部103に記憶されるものとして記述されるデータはデータベース104に記憶してもよく、またその逆も同様である。
【0021】
装置100を媒介とした商談設定のためには、1又は複数のサービス提供企業が提供する1又は複数のサービスの代理店に対する販売許可と、代理店による当該代理店に販売許可されたいずれかのサービスの顧客候補に対する営業活動と、商談に同意した顧客候補と当該商談の対象であるサービスのサービス提供企業との間の商談設定の3つの段階を伴なう。
【0022】
1つ目の段階の販売許可の流れを
図2に示す。まず、装置100が、サービス提供企業端末120から、装置100により提供される商談管理サービスにサービス提供企業が登録する1又は複数のサービスについて、サービス登録情報を受信する(S201)。装置100では、当該サービス登録情報をサービス情報として記憶部103に記憶する。
【0023】
サービス登録情報は、サービス名、サービスサイトのURL及びサービスに関する記述を含む。サービスに関する記述の例としては、サービスの特徴に関する記述、サービスの販売に適した代理店に関する記述等が挙げられる。また、サービス登録情報は、サービスの販売先として適した顧客候補の属性、サービスの販売先として適した部署等をさらに含んでもよく、また、いわゆるロゴ等のサービスに関する画像をさらに含んでもよい。加えて、サービス登録情報は、サービスの説明資料、商談時に使用できるトークスクリプト等をさらに含んでもよい。
【0024】
サービス登録情報は、プラン名、支払方式及び金額を含んでもよい。支払方式としては、月払い又は年払いが挙げられ、金額は、それぞれに応じて月額又は年額が挙げられる。複数のプランがある場合には、プラン毎の支払方式及び金額を含んでもよい。
【0025】
また、サービス登録情報は、代理店に対して報酬を支払う報酬条件を含み、報酬条件は、契約方式及び金額を含んでもよい。契約方式としては、サービス提供企業が顧客候補と商談を完了したことを条件に報酬を支払う、いわゆる紹介代理、サービス提供企業が顧客候補と契約を締結したことを条件に報酬を支払う、いわゆる契約代理等が挙げられる。契約代理においても、代理店は、サービス提供企業と顧客候補との商談設定が重要な役割である。
【0026】
加えて、サービス登録情報には、サービスを導入している顧客に関する情報をさらに含んでもよい。導入顧客情報は、顧客名又はその略称を含み、当該サービスのサービス提供企業が入力してもよい。
【0027】
次に、装置100は、登録された1又は複数のサービスのうちの少なくとも一部に関するサービス情報の少なくとも一部を表示するためのサービス表示情報を代理店端末110に送信する(S202)。サービス表示情報に含まれる1又は複数のサービスは、装置100が代理店端末110から受信した検索要求の結果として抽出したり、装置100がサービス提供企業端末120から受信するサービスの指定により特定したりすることが考えられる。
【0028】
代理店端末110の表示画面にはサービス表示情報に基づいて当該サービス表示情報に含まれる1又は複数のサービスに関するサービス情報の少なくとも一部が表示され、代理店端末110を用いる代理店の担当者が、販売許可を希望するサービス又はそのプランを選択することによって、装置100に当該サービス又はそのプランの販売許可依頼が送信される(S203)。
【0029】
装置100は、サービス提供企業端末120に、販売許可依頼があったことを通知する販売許可依頼通知を送信し(S204)、サービス提供企業端末120から、当該サービス又はそのプランの販売許可通知を受信する(S205)。装置100は、代理店と当該代理店に対して販売許可が付与された1又は複数のサービス又はそれらのプランとの対応づけを保持し(S206)、新たに販売許可通知を受信したことに応じて、当該対応づけを更新することができる。ある代理店に対して販売許可が付与されたサービス又はそのプランがない場合、対応づけは生成されていないことが考えられ、この場合には、販売許可通知を受信したことに応じて、対応づけを生成すればよい。
【0030】
次に、代理店が販売許可が付与されたサービスについて営業活動を行い、顧客候補から商談の同意を得られた後の流れを
図3に示す。販売許可の付与は、
図2に示した方法によって行うことができるものの、これに限るものではなく、装置100が参照可能な、代理店と当該代理店に対して販売許可が付与された1又は複数のサービス又はそれらのプランとの対応づけが記憶部103に記憶されればよい。
【0031】
まず、装置100が、代理店端末110に、商談に関する情報を入力するための商談情報入力画面表示情報を送信する(S301)。
【0032】
図4に、本発明の一実施形態にかかる商談情報入力画面の一例を示す。商談情報入力画面400は、顧客候補の法人名を選択するための法人名選択欄401を有する。ここでは、ABC株式会社が選択されている例を示している。新規の顧客候補の場合には、新規追加ボタン402を押下して、法人情報を入力し、装置100の記憶部103に記憶することができる。法人情報は、法人名を含み、メールアドレスを含んでもよい。また、法人情報は、顧客候補の部署、業種、ウェブサイトURL等を含んでもよく、また、担当者の氏名、メールアドレス、電話番号等を含んでもよい。
【0033】
また、商談情報入力画面400は、商談の対象であるサービスのサービス提供企業の名称を選択するためのサービス提供企業名選択欄403及びサービス名を選択するためのサービス名選択欄404を有する。ここでは、株式会社XXXXのサービス「XXXX SAAS」が選択されている例を示している。サービスにプランがある場合には、プラン名選択欄405により、プランを選択可能としてもよい。
【0034】
ここで、代理店端末110において表示される商談情報入力画面400で選択可能な企業名は、代理店端末110を用いる代理店に販売許可が既に付与されたサービス又はそれらのプランを提供する企業の名称のみとすることが好ましい。付加的又は代替的には、代理店端末110において表示される商談情報入力画面400で選択可能なサービス名は、代理店端末110を用いる代理店に販売許可が既に付与されたサービス又はそれらのプランのサービス名のみとすることが好ましい。
【0035】
また、商談情報入力画面400は、代理店が顧客候補にサービスの提案をした提案日の入力欄406を含んでもよく、サービス提供企業と顧客候補との間の商談日の入力欄407を含む。商談日は、一例として、代理店の担当者が商談日入力欄407をタップ又はクリックにより選択したことに応じて代理店端末110に表示されるカレンダーから日時を選択することによって、入力することができる。
【0036】
ここで、装置100において、サービス提供企業又はそのサービス若しくはそのプランと、商談を行うサービス提供企業の1又は複数の担当者の1又は複数のカレンダーとの対応づけを記憶しておくことで、サービス提供企業名、サービス名及びプラン名の少なくともいずれかが入力されたことに応じて、サービス提供企業名又はそれに対応するサービス提供企業ID、サービス名又はそれに対応するサービスID及びプラン名又はそれに対応するプランIDの少なくともいずれかを装置100に送信し(S302)、装置100が、当該対応づけを参照して、対応する1又は複数のカレンダーを判定する(S303)。
【0037】
そして、装置100は、サービス提供企業が用いるカレンダーサービスを提供するカレンダーサーバ130から、判定された1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を要求し(S304)、それを受信する(S305)。次いで、装置100は、代理店端末110に、当該予定情報を送信して(S306)、代理店端末110から、当該予定情報に基づいて代理店端末110の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかの選択を含む商談設定情報を受信する(S307)。装置100は、当該予定情報に基づいて空き時間枠を表す空き時間枠情報を生成し、当該空き時間枠情報を代理店端末110に送信して、当該空き時間枠情報に基づいて代理店端末110の表示画面に表示される1又は複数の空き時間枠のいずれかを選択可能にしてもよい。この場合においても、当該予定情報に基づいて1又は複数の空き時間枠が代理店端末110の表示画面に表示されることは同様である。空き時間枠は、15分単位、30分単位、1時間単位等が考えられる。
【0038】
サービス提供企業の1又は複数の担当者の1又は複数のカレンダーは、それぞれ、カレンダーサーバ130により提供されるカレンダーサービスにおいて各カレンダーを識別するカレンダーIDにより特定することができる。あるいは、当該カレンダーIDと関連づけられたその他のIDであったり、当該カレンダーIDにより識別されるカレンダーにアクセスするためのアクセストークンにより特定してもよい。
【0039】
空き時間枠は、カレンダーが複数対応づけられている場合に、カレンダー毎に表示可能としてもよく、また、いずれかのカレンダーに空き時間枠がある枠を表示してもよい。各カレンダーはサービス提供企業の商談担当者のものであり、空き時間枠は原則として商談可能な時間枠であると考えられ、代理店の担当者は、予定情報に基づいて表示されるカレンダーの1又は複数の空き時間枠を顧客候補の希望時間枠に基づいて選択すれば、サービス提供企業と電話、メッセージ等によるやりとりを行うことなく、商談設定が可能となる。たとえば、代理店の担当者は、顧客候補から口頭で商談の合意を得た際にその場で商談の希望時間枠を聞けば、即時に商談設定をすることができ、従来の煩雑なコミュニケーションに比して、顕著に効率化が図られる。
【0040】
このためには、カレンダーに関する上記対応づけの存在が必要となるところ、本実施形態における商談の対象となるサービスはオンラインサービスであり、オンラインサービスのサービス提供企業の商談担当者はオンラインカレンダーサービスを採用する傾向が加速することに発明者らが着目し、サービス提供企業に、装置100により提供される商談管理サービスに登録する1又は複数のサービスについて、当該対応づけの生成に必要なカレンダー情報の入力を求めることが可能となる。当該カレンダー情報は、一例として、サービス登録情報の一部として入力可能としてもよい。
【0041】
装置100は、カレンダーサーバ130に、入力された商談情報に含まれる選択された時間枠に対する予定追加要求を送信する(S308)。予定追加要求は、カレンダーID、顧客候補の法人名、及び日時を含み、商談の対象であるサービス名又はそのプラン名をさらに含んでもよい。
【0042】
また、装置100は、サービス提供企業端末120に、選択された時間枠における商談予定情報を送信する(S309)。商談予定情報には、顧客候補の法人名及び商談予定日時を含み、商談の対象であるサービス名又はそのプラン名をさらに含んでもよい。また、商談予定情報は、装置100の記憶部103に記憶された、顧客候補の部署、業種、ウェブサイトURL等を含んでもよく、また、担当者の氏名、メールアドレス、電話番号等を含んでもよい。
【0043】
また、商談情報入力画面400において、顧客候補に対する事前ヒアリング内容を入力可能としてもよい。事前ヒアリング内容には、一例において、顧客候補が抱えている悩みを含む。
【0044】
追加的に、装置100は、顧客端末140に、選択された時間枠における商談予定情報を送信してもよい(S310)。顧客候補に送信する商談予定情報は、サービス提供企業の法人名及び日時を含み、商談の対象であるサービス名又はそのプラン名をさらに含んでもよい。
【0045】
図6に、顧客端末に送信される面談予定情報を含む電子メールの例を示す。電子メール600において、「customer」は顧客候補、「maker」はサービス提供企業、「product」はサービスに対応する。
【0046】
以上のように商談設定がなされると、装置100が提供する商談管理サービス上で、
図5に示すように、商談管理を行うことができる。商談管理画面500には、3件の商談案件が一覧表示されており、ID「846」の案件はサービス提供企業AAAによる承認待ちの状態にあり、ID「847」の案件はサービス提供企業XXXXが2021年3月14日に顧客候補と商談を行っており、同月16日に承認がなされている。紹介代理のように、商談が完了したことを条件に報酬が支払われるものとしてサービスの登録がなされている場合には、このように、商談後にサービス提供企業がその商談管理画面上で承認を行うことで、代理店の商談管理画面500に反映される。ID「848」の案件は逆にサービス提供企業AAAが何らかの理由で却下をしたものである。サービス提供企業が商談を却下する場合には、その却下理由の入力を必須としてもよい。この場合、商談管理画面500において、「却下」を表す文字をクリック、タップ又はマウスオーバーにより選択することによって、当該却下理由を代理店端末110において表示可能としてもよい。
【0047】
ID「846」の案件では、コメントが「1」と表示されている。これは、サービス提供企業と代理店との間で当該案件についてメッセージの送受信があったことを示している。例として、この案件の進捗状況は「承認待ち」であることから、代理店が、サービス提供企業AAAに商談に関して何か問題があるかの問い合わせを装置100が提供する商談管理サービス上で行うことが考えられる。商談管理画面500では、コメントの内容自体は表示せずにその概要としてメッセージの件数を表示しているが、概要の例としてはこれに限るものではない。このように案件単位でやりとりされたメッセージを管理可能とすることは、双方の案件管理の煩雑さを低減するものである。
【0048】
このように、装置100が代理店端末110に、代理店が設定した1又は複数の商談に関する商談一覧情報を送信して、商談設定後の案件管理を行うことができる。同様に装置100がサービス提供企業端末120に、サービス提供企業が登録した1又は複数のサービスについての1又は複数の商談に関する商談一覧情報を送信して、案件の承認又は却下の入力を含む案件管理を行うことができる。
【0049】
商談管理画面500に表示される商談ごとのメッセージの概要のいずれかを代理店の担当者がクリック、タップ又はマウスオーバーにより選択した場合、選択された概要に関連づけられた商談に関してメッセージを送信するためのメッセージ送信画面を代理店端末110に表示することができる。これは、装置100から代理店端末110にメッセージ送信画面表示情報を送信することによって行うことができ、メッセージ送信画面表示情報は、予め商談一覧情報とともに送信しておいて、上記選択に応じてメッセージ送信画面が表示されるようにしてもよい。また、上記選択に応じて選択された概要に関連づけられたメッセージの詳細を代理店端末110に送信してもよい。
【0050】
また、サービス提供企業の案件管理画面では、進捗状況の入力を可能としてもよい。商談が完了したら報酬が支払われる、いわゆる紹介代理の報酬方式が設定されたサービス又はそのプランについては、たとえば、「承認済み」「却下」「承認待ち」に加えて「日程再調整中」といった進捗状況が挙げられる。サービス提供企業が顧客候補と契約を締結したら報酬が支払われる、いわゆる契約代理の報酬方式が設定されたサービス又はそのプランについては、「承認済み」「却下」「承認待ち」に加えて「日程再調整中」「顧客詳細確認中」「インサイドセール対応中」「フィールドセールス対応中」「契約書回収中」といった進捗状況が挙げられる。進捗状況の入力がなされた場合、サービス提供企業端末120から装置100に進捗状況の更新要求が送信され、装置100は、当該更新要求に応じて、以後代理店端末110に表示される商談管理画面500に含まれる進捗状況を更新することができる。
【0051】
なお、上述の実施形態において、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0052】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【符号の説明】
【0053】
100 装置
110 代理店端末
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
104 データベース
120 サービス提供企業端末
130 カレンダーサーバ
140 顧客端末
400 商談情報入力画面
500 商談管理画面
600 電子メール
【要約】 (修正有)
【課題】代理店を介したインターネットサービスの提供企業と顧客候補との間の商談設定を行うための方法において、従来よりも効率性を向上させる、装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】商談設定の流れであって、装置は、商談情報入力画面表示情報を送信する。商談の対象であるサービスと、当該サービスのサービス提供企業の1又は複数の担当者のカレンダーとの対応づけを記憶しておくことで、サービス名が商談情報として入力されたことに応じて、対応づけを参照して、対応する1又は複数のカレンダーに含まれる予定情報を受信し、代理店端末に予定情報を送信して空き時間枠の選択を受信し、カレンダーサーバに選択した時間枠に対する予定追加要求を送信し、サービス提供企業端末に当該時間枠における商談予定情報を送信する。
【選択図】
図3