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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】情報処理プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
H04L9/32 200Z
H04L9/32 200B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021157363
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2021-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518180571
【氏名又は名称】double jump.tokyo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180758
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 利之
(72)【発明者】
【氏名】上野 広伸
(72)【発明者】
【氏名】満足 亮
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏文
【審査官】行田 悦資
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-125806(JP,A)
【文献】国際公開第2014/073171(WO,A1)
【文献】特開2013-134527(JP,A)
【文献】特開2018-128823(JP,A)
【文献】特開2007-299171(JP,A)
【文献】特開2007-264730(JP,A)
【文献】特開2017-211777(JP,A)
【文献】特開2016-163121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、
当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、
第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段として機能させる情報公開管理プログラム。
【請求項2】
前記データの署名を、前記第3の利用者に依頼し、当該署名済みのデータを前記第3の利用者から受け付ける署名手段としてさらに機能させる請求項1に記載の情報公開管理プログラム。
【請求項3】
前記第1の利用者、前記第2の利用者、前記第3の利用者が同一利用者である請求項1又は2に記載の情報公開管理プログラム。
【請求項4】
前記第2の利用者、前記第3の利用者が同一利用者である請求項1又は2に記載の情報公開管理プログラム。
【請求項5】
ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、
当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、
第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段とを有する情報公開管理装置。
【請求項6】
第1の利用者が操作する第1の端末と、
第2の利用者が操作する第2の端末と、
第3の利用者が操作する第3の端末と、
ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段とを有する情報公開管理装置とを有する情報公開管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、1つのトランザクションに1つの電子署名という形態を保持しつつ、多人数であっても効率的に契約の証跡をブロックチェーンに残す情報公開管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された情報公開管理システムは、複数の装置が、それぞれ、ネットワークへブロードキャストされたトランザクションが含まれたブロックチェーンを記憶部に記憶し、記憶部に記憶されたブロックチェーンに合意対象の契約に対応する共有の契約用アドレス宛てのトランザクションが含まれるか否かを監視し、契約用アドレス宛てのトランザクションを検知した場合、契約に合意するか否かの証跡と、自装置ユーザの電子署名とを含む、契約用アドレス宛てのトランザクションを生成し、ネットワークへブロードキャストする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-220710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した情報公開管理システムによると、ブロードキャスト済みのトランザクションに対して複数の装置が合意を示すものであり、複数の装置が合意を示したトランザクションをブロードキャストするものではない。つまり、トランザクションの内容に対して合意を示すことはできるものの、ブロードキャストすることに対して合意を示すことができない、という問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得る情報処理プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の情報処理プログラム及び情報処理装置を提供する。
【0008】
[1]コンピュータを、
ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、
当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、
第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段として機能させる情報公開管理プログラム。
[2]前記データの署名を、前記第3の利用者に依頼し、当該署名済みのデータを前記第3の利用者から受け付ける署名手段としてさらに機能させる前記[1]に記載の情報公開管理プログラム。
[3]前記第1の利用者、前記第2の利用者、前記第3の利用者が同一利用者である前記[1]又は[2]に記載の情報公開管理プログラム。
[4]前記第2の利用者、前記第3の利用者が同一利用者である前記[1]又は[2]に記載の情報公開管理プログラム。
[5]ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、
当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、
第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段とを有する情報公開管理装置。
[6]第1の利用者が操作する第1の端末と、
第2の利用者が操作する第2の端末と、
第3の利用者が操作する第3の端末と、
ブロードキャストの対象となるデータを第1の利用者から受け付ける受付手段と、当該データのブロードキャストに対する承認を一又は複数の第2の利用者から受け付ける承認手段と、第3の利用者から公開要求を受け付けた場合、承認した前記一又は複数の第2の利用者が予め定めた利用者と合致又は予め定めた人数の条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に前記データをブロードキャストする公開手段とを有する情報公開管理装置とを有する情報公開管理システム。
【発明の効果】
【0009】
請求項1、5又は6に係る発明によれば、ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、データの署名を、第3の利用者に依頼し、当該署名済みのデータを第3の利用者から受け付けることができる。
請求項3に係る発明によれば、第1の利用者、第2の利用者、第3の利用者が同一利用者の場合にも、ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、第2の利用者、第3の利用者が同一利用者の場合にも、ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、承認情報112の構成例を示す概略図である。
図4図4は、公開ルール情報113の構成例を示す概略図である。
図5図5は、本実施の形態の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
(情報処理システムの構成)
図1は、実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す概略図である。
【0012】
この情報処理システムは、情報処理装置としての情報公開管理サーバ1と、鍵管理サーバ2と、それぞれ第1の利用者としての申請者6a、第2の利用者としての承認者6b、第3の利用者としての実行者6cによって操作される端末3a、3b、3cと、ブロックチェーン4とをネットワーク5によって互いに通信可能に接続することで構成される。申請者6aは、ブロックチェーン4にブロードキャストするデータに対し承認を要求する者である。承認者6bは、申請者6aが申請したデータに対してブロードキャストの承認を行う者である。実行者6cは、承認されたデータに署名を行い、署名されたデータのブロードキャストを実行する者である。
【0013】
情報公開管理サーバ1は、サーバ型の情報処理装置であり、端末3a、3b、3cの要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPU(Central Processing Unit)やフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0014】
鍵管理サーバ2は、サーバ型の情報処理装置であり、特に電子署名用の暗号鍵(秘密鍵)を格納、管理し、対象となるデータに対して電子署名を行うものであり、端末3cの要求に応じて動作するものであって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。なお、秘密鍵は、必ずしも鍵管理サーバ2で管理する必要はなく、ハードウェアウォレット等を用いて代用してもよい。
【0015】
端末3a、3b、3cは、PC(Personal Computer)、スマートフォン等の情報処理装置であって、本体内に情報を処理するための機能を有するCPUやフラッシュメモリ等の電子部品を備える。
【0016】
ブロックチェーン4は、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームであり、一例として、イーサリアム、ビットコイン、NEM等があるが、取引履歴が分散管理されるものであれば、ブロックチェーンに限らず分散型台帳技術を用いたプラットフォームを用いてもよい。ブロックチェーン4にブロードキャストされるデータは、例えば、仮想通貨の送金、仮想通貨の交換(Uniswap上での仮想通貨取引を指す。または、両替)、仮想通貨の送金委任(approve)、仮想通貨の出金(売上やエアドロップの出金)、NFTの発行/廃棄(mint/burn)、NFTの譲渡(transfer)、NFTの譲渡委任(approve)、その他、スマートコントラクトの各種トランザクション実行、各種署名(署名を使ったログイン等)である。
【0017】
ネットワーク5は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、インターネット、その他、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。
【0018】
情報公開管理サーバ1は、一例として、端末3a、3b、3c、鍵管理サーバ2の要求に応じて動作し、申請者6aによって準備された公開用データをブロックチェーン4に公開(ブロードキャスト)する前に予め定めたルールに則って承認者6bに対して承認を行い、承認が行われた場合に実行者6cによってブロードキャストを行うものである。承認後、ブロードキャスト前に実行者6cは鍵管理サーバ2によって公開用データに署名を行うが、署名は承認前に行うものであってもよい。以下、詳しく説明する。
【0019】
(情報処理装置の構成)
図2は、実施の形態に係る情報公開管理サーバ1の構成例を示すブロック図である。
【0020】
情報公開管理サーバ1は、CPU等から構成され、各部を制御するとともに、各種のプログラムを実行する制御部10と、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワークを介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0021】
制御部10は、後述する情報公開管理プログラム110を実行することで、データ受付手段100、承認手段101、署名手段102、公開手段103等として機能する。
【0022】
データ受付手段100は、端末3aからネットワーク5を介して申請用のデータを受け付けて公開用データ111として記憶部11に格納する。
【0023】
承認手段101は、公開ルールを予め定めた公開ルール情報113に基づき公開用データ111をブロードキャストすることに対する承認を端末3bに要求し、その後、端末3bから承認を受け付けた場合には承認内容を承認情報112として記憶部11に格納する。なお、承認手段101は、承認不要の場合(承認を端末3bに要求しない)についても取り扱うようにしてもよい。
【0024】
署名手段102は、公開用データ111に対する署名を端末3cに要求し、その後、端末3cから署名済みの公開用データ111を受け付けて記憶部11の公開用データ111を更新する。
【0025】
公開手段103は、端末3cからブロードキャストの要求を受け付けて、対象となる公開用データ111、承認情報112の内容が公開ルール情報113のルールに合致しているか確認して、合致している場合に公開用データ111をブロックチェーン4にブロードキャストする。
【0026】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段100-103として動作させる情報処理プログラムとしての情報公開管理プログラム110、公開用データ111、承認情報112、公開ルール情報113等を記憶する。
【0027】
図3は、承認情報112の構成例を示す概略図である。
【0028】
承認情報112は、公開用データを識別するための公開用データID、当該公開用データに対してブロードキャストを承認した承認者の利用者IDである承認者ID1、承認者ID2、承認者ID3…を有する。
【0029】
図4は、公開ルール情報113の構成例を示す概略図である。
【0030】
公開ルール情報113は、公開ルールを識別するための公開ルールID、ルールの対象、ルール内容を有する。
【0031】
(情報処理装置の動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)申請動作、(2)承認動作、(3)公開動作に分けて説明する。図5は、本実施の形態の動作例を示すフローチャートである。
【0032】
(1)申請動作
まず、情報処理システムを動作させるための準備動作として、図示しない管理者は端末から情報公開管理サーバ1にアクセスし、公開用データの対象とルール内容を設定して、図4に示すように、公開ルール情報113として予め登録する。対象は、利用者、利用者の性質、公開用データ、公開用データの性質等を指定する。ルール内容は、利用者、利用者の性質を指定するが、公開用データ、公開用データの性質等を指定するものであってもよい。
【0033】
上記公開ルール情報113が登録された後、申請者6aは、公開用データを情報公開管理サーバ1に申請(アップロード)するため端末3aを操作する。端末3aは、操作内容に応じて公開用データを情報公開管理サーバ1に送信する(S30a)。
【0034】
情報公開管理サーバ1のデータ受付手段100は、端末3aからネットワーク5を介して申請用のデータを受け付けて、公開用データ111として記憶部11に格納する(S10)。
【0035】
(2)承認動作
次に、申請者6aは、申請用データの公開について承認を得るため端末3aを操作する。端末3aは、操作内容に応じて承認の要求を情報公開管理サーバ1に送信する(S31a)。
【0036】
情報公開管理サーバ1の承認手段101は、承認の要求を受け付けると(S11)、公開ルール情報113を参照し、承認者6bを特定して、公開用データ111をブロードキャストすることに対する申請者6aからの承認依頼を端末3bに通知する(S12)。この際に、公開用データ111の内容を端末3bで閲覧できるようにしてもよいし、予め定められた権限に応じて一部のみの閲覧、内容の閲覧不可等の運用にしてもよい。また、承認手段101は、端末3aから承認要求がなくとも、公開用データを受け付けた後、自動で承認依頼を通知するようにしてもよい。
【0037】
端末3bは、情報公開管理サーバ1から承認依頼を受け付けると(S30b)、当該承認依頼を表示部等に表示する。承認者6bは、端末3bの表示内容を確認し、必要があれば公開用データ111の内容を確認して、問題なければ承認するため端末3bを操作する。端末3bは、操作内容に応じて承認した旨送信する(S31b)。承認動作は、例えば、表示画面内でのボタン押下や、連携する外部システムとなるeメールやSlackやDiscord等のチャットサービス上でのボタン押下等の方法により行う。
【0038】
情報公開管理サーバ1の承認手段101は、端末3b(承認者6b)から承認した旨を受け付けて(S13)、図3に示すように、承認した利用者のIDを公開用データのIDに関連付けて、承認情報112として記憶部11に格納する(S14)。
【0039】
(3)公開動作
次に、情報公開管理サーバ1の署名手段102は、図示しない利用者情報を参照し、実行者6cを特定して、公開用データ111に対する署名依頼を端末3cに送信する(S15)。実行者6cは、利用者情報中で申請者6aに予め関連付けられた利用者であってもよいし、公開ルール情報113に実行者として定義された利用者であってもよい。
【0040】
端末3cは、情報公開管理サーバ1から公開用データ111とともに署名依頼を受け付けると(S30c)、当該署名依頼を表示部等に表示する。なお、当該署名依頼とともに、承認した利用者のリストを表示してもよい。実行者6cは、端末3cの表示内容を確認し、問題なければ署名するため端末3cを操作する。端末3cは、操作内容に応じて公開用データ111とともに署名要求を鍵管理サーバ2に送信する(S31c)。
【0041】
鍵管理サーバ2は、公開用データ111とともに署名要求を受け付け(S20)、管理している秘密鍵により公開用データ111をハッシュ化した情報を暗号化して署名処理を行い、署名済みデータを端末3cに送信する(S21)。なお、鍵管理サーバ2は、公開用データ111を、端末3cを介さずに情報公開管理サーバ1から直接受信し、端末3cからの署名要求に基づいて公開用データ111に署名処理を行い、署名済みデータを情報公開管理サーバ1に送信するようにしてもよい。
【0042】
次に、端末3cは、署名済みの公開用データ111を受け付ける(S32c)。次に、端末3cは、実行者6aの操作に基づき、署名済みの公開用データ111とともにブロードキャストを情報公開管理サーバ1に要求する(S33c)。
【0043】
情報公開管理サーバ1の公開手段103は、端末3cからブロードキャストの要求を受け付けて(S16)、図3に示す承認情報112の内容が図4に定義する公開ルール情報113のルールに合致しているか、及び/又は対象となる公開用データ111が署名されているか、を確認することで承認内容を確認して(S17)、合致している場合に公開用データ111をブロックチェーン4にブロードキャストする(S18)。
【0044】
また、情報公開管理サーバ1の公開手段103は、ブロードキャストが完了するとその旨端末3a、3b、3cに通知する(S19)。
【0045】
端末3a、3b、3cは、それぞれ通知を受け付けて(S32a、S32b、S34c)、完了通知の内容を表示部に表示する。申請者6a、承認者6b、実行者6cは、表示内容を確認して処理を終了する。
【0046】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、公開用データ111の公開に際して承認情報112の内容が公開ルール情報113の条件を満たしているかどうか確認して、条件を満たしている場合にのみブロードキャストを行うようにしたため、ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得ることができる。
【0047】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0048】
例えば、情報処理装置1、鍵管理サーバ2、端末3a、3b、3c、ブロックチェーン4をそれぞれ異なる装置で記載したが、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意の組み合わせで共通の装置内にこれらの装置の有する機能を実行させるようにしてもよいし、これらの機能をさらに複数の装置に分散して実行させるようにしてもよい。
【0049】
また、情報公開管理プログラム100をAPI(Application Programming Interface)で提供し、情報公開管理サーバ1からの承認依頼は、外部システムへ送信するものであってもよい。外部システムとしては、例えば、eメール、SlackやDiscordに代表されるチャットサービス等のシステムが考えられる。
【0050】
また、申請者6a、承認者6b、実行者6cは同一の利用者であってもよいし、承認者6b、実行者6cが同一の利用者であってもよい。申請者6a、承認者6b、実行者6cが同一の利用者とは、例えば、本システムを最初に試用するようなケースである。また、承認者6b、実行者6cが同一の利用者とは、例えば、エンジニアチームリーダーが管理者と実行者を兼任するようなケースである。
【0051】
また、上記実施の形態では署名を行う前に承認を行う例を説明したが、署名を行った後に承認を行うものであってもよい。
【0052】
上記実施の形態では制御部10の各手段100~103の機能をプログラムで実現したが、各手段の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 :情報公開管理サーバ
2 :鍵管理サーバ
3a、3b、3c:端末
4 :ブロックチェーン
5 :ネットワーク
6a :申請者
6b :承認者
6c :実行者
10 :制御部
11 :記憶部
12 :通信部
100 :データ受付手段
101 :承認手段
102 :署名手段
103 :公開手段
110 :情報公開管理プログラム
111 :公開用データ
112 :承認情報
113 :公開ルール情報

【要約】
【課題】ブロードキャスト前に当該行為に対して合意を得る情報処理プログラム及び情報処理装置を提供する
【解決手段】情報公開管理サーバ1は、ブロードキャストの対象となる公開用データ111を申請者6aから受け付けるデータ受付手段100と、公開用データ111のブロードキャストに対する承認を一又は複数の承認者6bから受け付ける承認手段101と、実行者6cから公開要求を受け付けた場合、承認情報112に基づいて承認した承認者6bが予め定めた条件を満たしているか確認し、条件を満たしている場合に公開用データ111をブロードキャストする公開手段103とを有する。
【選択図】図2


図1
図2
図3
図4
図5