(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】エアロゾル前駆体用の分注機械
(51)【国際特許分類】
B65B 29/10 20060101AFI20220721BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20220721BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20220721BHJP
【FI】
B65B29/10
A24F40/70
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2020203201
(22)【出願日】2020-12-08
(62)【分割の表示】P 2017557415の分割
【原出願日】2016-05-03
【審査請求日】2021-01-06
(32)【優先日】2015-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・フィリップ・アンポリーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ダマパラス
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/028815(WO,A1)
【文献】特表2003-534085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0158704(US,A1)
【文献】特表2013-531553(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02497536(GB,A)
【文献】特表2008-502461(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0336689(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 29/10
A24F 40/00
A24F 40/70
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスで使用するための、エアロゾル前駆体組成物を分注するための機械であって、
外部と、
内部と、
前記内部に位置付けられ、複数の供給源からの複数の液体エアロゾル前駆体構成成分を、エアロゾル送達デバイスと動作可能に係合可能な液溜めデバイスに分注するように構成された、充填システムと、
前記外部に対して位置付けられ、前記液溜めデバイスに分注される前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分を画定する1つ以上の選択をユーザが行うことを可能にするように構成された、ユーザインターフェースと、
前記内部に位置付けられ、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された液溜めデバイスを前記機械の前記内部から前記外部に放出するように構成された、販売システムとを備える機械。
【請求項2】
前記液溜めデバイスが再充填可能な液溜めデバイスである、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記機械が、前記機械の前記外部から前記再充填可能な液溜めデバイスを受け取り、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分を前記再充填可能な液溜めデバイスに分注し、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された前記再充填可能な液溜めデバイスを、前記機械の前記外部に戻すように放出するように構成されている、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記液溜めデバイスが前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填され、前記機械の前記内部から前記外部に放出される前に、前記液溜めデバイスがユーザの手の届く範囲にないように、前記充填システムおよび前記販売システムが構成されている、請求項1に記載の機械。
【請求項5】
前記複数の供給源が、1つ以上のニコチン供給源、1つ以上のエアロゾル形成剤供給源、及び1つ以上の香味剤供給源を含む、請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記複数の供給源が、再充填可能な貯蔵タンクを備える、請求項1に記載の機械。
【請求項7】
前記複数の供給源が、使い捨てモジュールを備える、請求項1に記載の機械。
【請求項8】
前記充填システムが、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分を充填ヘッドに選択的に伝達するように構成されている、請求項1に記載の機械。
【請求項9】
前記充填ヘッドが、前記液体エアロゾル前駆体構成成分を霧状物または噴出物として前記液溜めデバイスに放出するように構成されている、請求項8に記載の機械。
【請求項10】
前記充填システムが、複数の液溜めデバイスを同時に充填す
る複数の充填ヘッドを備える、請求項8に記載の機械。
【請求項11】
前記充填システムが、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分が前記液溜めデバイスへの分注に先立って混合される多岐管を備える、請求項1に記載の機械。
【請求項12】
前記多岐管が、前記液溜めデバイスへの充填に先立って前記液体エアロゾル前駆体構成成分
を混合するように構成されている、請求項11に記載の機械。
【請求項13】
前記充填システムが、前記液溜めデバイスへの充填後に前記液体エアロゾル前駆体構成成分を振盪するかさもなければ混合するように構成された撹拌機を備える、請求項1に記載の機械。
【請求項14】
前記充填システムが、前記複数の供給源から前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分の必要な量を吸引して、複数の液溜めデバイスを充填す
る容積で組成物を形成するように構成されている、請求項1に記載の機械。
【請求項15】
未充填の液溜めデバイスの再装填可能な
ストックを更に備える、請求項1に記載の機械。
【請求項16】
前記複数の供給源から前記未充填の液溜めデバイスへの前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分の分注のために、前記未充填の液溜めデバイスの再装填可能な
ストックから前記内部の定義された場所に未充填の液溜めデバイスを位置付けるように構成されている、請求項15に記載の機械。
【請求項17】
前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された前記液溜めデバイスのうちの1つ以上を包装するための包装システムを更に備える、請求項1に記載の機械。
【請求項18】
前記機械が、前記包装システムにおいて使用するための、トレーの再補填可能な
ストック及びカバーフィルムを含む、請求項17に記載の機械。
【請求項19】
前記包装システムが、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された前記液溜めデバイスのうちの1つ以上を前記トレーの1つ以上に提供し、前記カバーフィルムにより1つ以上のトレーの開口部をカバーしてブリスター包装を作成するように構成されている、請求項18に記載の機械。
【請求項20】
前記機械が、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された前記液溜めデバイスに付随するラベルを印刷するように構成された印刷サブシステムを更に備える、請求項1に記載の機械。
【請求項21】
前記販売システムが、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分が分注される位置からアクセス開口部への、前記複数の液体エアロゾル前駆体構成成分で充填された前記液溜めデバイスの輸送のために構成されている、請求項1に記載の機械。
【請求項22】
前記液溜めデバイスが前記アクセス開口部を通して前記機械から取得できるように、前記販売システムが、前記液溜めデバイスが前記アクセス開口部に輸送された後に選択的に開けることができるカバーパネルを含む、請求項21に記載の機械。
【請求項23】
前記機械が、ユーザから使用された液溜めデバイスを受け取るように構成されている、請求項1に記載の機械。
【請求項24】
前記機械によって受け取られた使用された液溜めデバイスが、再利用または改修のために回収される、請求項23に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル前駆体組成物、及び少なくともエアロゾル前駆体を分注するように構成された機械に関する。エアロゾル前駆体は、タバコから作製され得るか、もしくはそれに由来し得る材料を組み込む種類のものであっても、別様にタバコを組み込んでもよい。前駆体は、喫煙物品などのエアロゾル送達デバイスによって使用されるとき、ヒトによる消費のための吸入可能な物質を形成することが可能であることが意図される。喫煙物品は、電気的に生成された熱を利用して、吸入可能な物質を生成する種類のものであってもよい。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙物品が、タバコの燃焼を必要とする喫煙製品に対する改良案または代替案として、長年にわたり提案されている。これらのデバイスの多くは、タバコの燃焼から生じる相当量の不完全燃焼及び熱分解生成物を送達することなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙に関連する知覚を提供するように意図的に設計されている。このために、電気エネルギーを利用して、揮発性材料を蒸発させるか、または加熱する、あるいはタバコをかなりの程度燃焼させることなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプ喫煙の知覚を提供することを試みる、多数の喫煙製品、風味生成器、及び機械的吸入器が提案されてきた。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号、Collettらの米国特許第8,881,373号、2012年3月28日出願の米国特許出願第13/432,406号、2012年6月28日出願の米国特許出願第13/536,438号、及び2012年10月8日出願の米国特許出願第13/647,000号に記載されている背景技術において示されている、様々な代替の喫煙物品、エアロゾル送達デバイス、及び熱生成源を参照されたい。
【0003】
これらの代替の喫煙物品、すなわち、エアロゾル送達デバイスのうちのいくつかは、エアロゾル前駆体(例えば、スモークジュース、Eリキッド、もしくはEジュース)の交換可能なカートリッジまたは再充填可能なタンクを用いることによって、再使用可能である。これらの代替の喫煙物品で使用するための、エアロゾル前駆体の個別化された選択を提供することが望ましいだろう。したがって、エアロゾル前駆体の分注、カートリッジ充填、及びカートリッジ包装に関する進歩が望ましいだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許第8,881,373号明細書
【文献】米国特許出願第13/432,406号
【文献】米国特許出願第13/536,438号
【文献】米国特許出願第13/647,000号
【発明の概要】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達デバイスにおいて使用するための、エアロゾル前駆体を分注するための機械に関する。本開示の実施形態は、エアロゾル送達デバイスで使用するための、エアロゾル前駆体組成物を分注するための機械を含む。本機械は、分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分の複数の供給源であって、そこから分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分において異なる、複数の供給源を備え得る。本機械はまた、ユーザが、分注する液体エアロゾル前駆体構成成分の量を選択することを可能にするように構成された、ユーザインターフェースも含んでもよい。ユーザインターフェース上で行われた選択に応答して、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成された分注器が、本機械の一部として含まれてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、本機械は、エアロゾル形成剤の少なくとも1つの供給源を含んでもよく、エアロゾル形成剤は、ポリオール、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。本機械の少なくとも1つの供給源は、香味剤を含んでもよく、少なくとも1つの供給源は、ニコチン供給源を含んでもよい。複数の供給源は、本機械に挿入することができ、エアロゾル前駆体構成成分を含有する、交換可能な事前充填貯蔵モジュールを含んでもよい。他の実施形態において、複数の供給源は、本機械内に配設された再充填可能な貯蔵タンクを含んでもよい。更に他の実施形態において、複数の供給源は、外部供給源と操作可能に連通した入口を含んでもよい。
【0007】
分注器は、選択された構成成分が混合してカスタマイズ可能なエアロゾル前駆体組成物を形成する様式で、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成されてもよい。あるいは、分注器は、選択された構成成分がエアロゾル送達デバイスの使用中に組み合わされるまで別々のままである様式で、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成されてもよい。
【0008】
本機械は、ユーザ選択に基づいて、エアロゾル前駆体構成成分をカートリッジの少なくとも1つの液溜めへと分注してもよい。分注器は、少なくとも1つのピペット組立体を使用して、エアロゾル前駆体構成成分を分注してもよい。未充填のカートリッジが、本機械内にストックされてもよい。未充填のカートリッジは特に、全ての必要な機能的構成成分を含むが、Eリキッドと呼ばれるエアロゾル形成組成物の全含有物は含まないカートリッジであってもよい。未充填のカートリッジは、エアロゾル形成組成物またはその構成成分を含有しなくてもよく、カートリッジが完全に充填されており、分注の用意ができていると見なされる量未満の量の、そのような材料を含有してもよい。カートリッジ輸送システムは、1つ以上の未充填のカートリッジを、分注されたエアロゾル前駆体構成成分を受け取るように、分注器に対して位置付けてもよい。本機械は、複数のカートリッジサイズまたは種類の未充填のカートリッジをストックしていてもよく、ユーザインターフェースは、ユーザが充填されるのが好ましいカートリッジを選択することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、本機械は、提供されるエアロゾル前駆体組成物に基づいて、カートリッジをカートリッジの性能を最適化するための使用パラメータでプログラミングするための、プログラミングユニットを有する。
【0009】
本機械の実施形態は、選択的に分注されたエアロゾル前駆体構成成分を受容した1つ以上のカートリッジを包装するための、包装システムを有してもよい。包装システムにおいてブリスター包装を作製するのに使用するための、トレー部分及びカバーフィルムが、本機械内にストックされてもよい。例示的な実施形態において、包装システムは、カバーフィルムをトレー部分に封着するための、封着サブシステムを含む。特定の実施形態において、包装システムは、それぞれのカートリッジがブリスター包装のそれぞれのカップ内に封着される、2つ以上のカートリッジを含有するパッケージを提供する。いくつかの実施形態において、本機械は、包装されたカートリッジに付随するラベルを印刷するように構成された印刷サブシステムを更に備える。
【0010】
本開示はまた、エアロゾル前駆体組成物を形成する方法の実施形態も記載する。本方法は、分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分の複数の供給源を備える機械から選択を行うことであって、複数の供給源が、そこから分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分において異なり、選択を行うことが、本機械のユーザインターフェースを使用して、複数の供給源からエアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせを定義することを含む、選択を行うことを含んでもよい。本方法はまた、ユーザインターフェース上で行われた選択から生じる、エアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせで形成されたエアロゾル前駆体組成物を分注することも含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、分注ステップは、充填ヘッドから、エアロゾル送達デバイスによって使用可能なカートリッジ内の液溜めへとエアロゾル前駆体を分注することを更に含む。本方法は、カートリッジが充填ヘッドからエアロゾル前駆体を受容した後に、カートリッジを包装するステップを更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせのエアロゾル形成剤を選択することを含む。一実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせにおける相対量のニコチンを選択することを含む。別の実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせにおいて使用するための少なくとも1つの香味剤を選択することを含む。
【0012】
本発明は、以下の実施形態を非限定的に含む。
実施形態1:エアロゾル送達デバイスで使用するための、エアロゾル前駆体組成物を分注するための機械であって、分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分の複数の供給源であって、そこから分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分において異なる、複数の供給源と、ユーザが、分注する液体エアロゾル前駆体構成成分の量を選択することを可能にするように構成されたユーザインターフェースと、ユーザインターフェース上で行われた選択に応答して、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成された、分注器とを備える、機械。
【0013】
実施形態2:エアロゾル形成剤の少なくとも1つの供給源を備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0014】
実施形態3:エアロゾル形成剤が、ポリオール、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0015】
実施形態4:香味剤の少なくとも1つの供給源を備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0016】
実施形態5:ニコチンの少なくとも1つの供給源を備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0017】
実施形態6:複数の供給源が、本機械に挿入することができ、エアロゾル前駆体構成成分を含有する、交換可能な事前充填貯蔵モジュールを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0018】
実施形態7:複数の供給源が、本機械内に配設された再充填可能な貯蔵タンクを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0019】
実施形態8:複数の供給源が、外部供給源と操作可能に連通した入口を含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0020】
実施形態9:分注器が、選択された構成成分が混合してカスタマイズ可能なエアロゾル前駆体組成物を形成する様式で、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成される、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0021】
実施形態10:分注器が、選択された構成成分がエアロゾル送達デバイスの使用中に組み合わされるまで別々のままである様式で、エアロゾル前駆体構成成分を分注するように構成される、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0022】
実施形態11:分注器が、ユーザ選択に基づいて、エアロゾル前駆体構成成分をカートリッジの少なくとも1つの液溜めへと分注するように構成される、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0023】
実施形態12:分注器が、少なくとも1つのピペット組立体を備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0024】
実施形態13:本機械内にストックされた未充填のカートリッジを更に備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0025】
実施形態14:1つ以上の未充填のカートリッジを、分注されたエアロゾル前駆体構成成分を受け取るように、分注器に対して位置付けるように構成されたカートリッジ輸送システムを更に備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0026】
実施形態15:未充填のカートリッジが、複数のカートリッジサイズまたは種類を含み、ユーザインターフェースが、ユーザが充填されるのが好ましいカートリッジを選択することを可能にする、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0027】
実施形態16:提供されるエアロゾル前駆体組成物に基づいて、カートリッジをカートリッジの性能を最適化するための使用パラメータでプログラミングするための、プログラミングユニットを更に備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0028】
実施形態17:選択的に分注されたエアロゾル前駆体構成成分を受容した1つ以上のカートリッジを包装するための、包装システムを更に備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0029】
実施形態18:本機械が、包装システムにおいてブリスター包装を作製するのに使用するための、トレー部分及びカバーフィルムを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0030】
実施形態19:包装システムが、カバーフィルムをトレー部分に封着するための、封着サブシステムを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0031】
実施形態20:包装システムが、それぞれのカートリッジがブリスター包装のそれぞれのカップ内に封着される、2つ以上のカートリッジを含有するパッケージを提供する、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0032】
実施形態21:本機械が、包装されたカートリッジに付随するラベルを印刷するように構成された印刷サブシステムを更に備える、いずれかの先行または後続する実施形態の機械。
【0033】
実施形態22:エアロゾル前駆体組成物を形成する方法であって、分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分の複数の供給源を備える機械から選択を行うことであって、複数の供給源が、そこから分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分において異なり、選択を行うことが、本機械のユーザインターフェースを使用して、複数の供給源からエアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせを定義することを含む、選択を行うことと、ユーザインターフェース上で行われた選択から生じる、エアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせで形成されたエアロゾル前駆体組成物を分注することとを含む、方法。
【0034】
実施形態23:分注ステップが、充填ヘッドから、エアロゾル送達デバイスによって使用可能なカートリッジ内の液溜めへとエアロゾル前駆体を分注することを更に含む、いずれかの先行または後続する実施形態の方法。
【0035】
実施形態24:カートリッジが充填ヘッドからエアロゾル前駆体を受容した後に、カートリッジを包装することを更に含む、いずれかの先行または後続する実施形態の方法。
【0036】
実施形態25:選択を行うことが、カスタム組み合わせのエアロゾル形成剤を選択することを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の方法。
【0037】
実施形態26:選択を行うことが、カスタム組み合わせにおける相対量のニコチンを選択することを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の方法。
【0038】
実施形態27:選択を行うことが、カスタム組み合わせにおいて使用するための少なくとも1つの香味剤を選択することを含む、いずれかの先行または後続する実施形態の方法。
【0039】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下に簡潔に記載される添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態の閲読から明らかとなるだろう。本発明は、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の任意の組み合わせ、及び本開示に示される任意の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の特徴または要素の組み合わせを含み、これは、そのような特徴または要素が、本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされるか否かに関わらない。本開示は、開示される発明のいずれの分離可能な特徴または要素も、その様々な態様及び実施形態のいずれにおいても、別段文脈が明確に示さない限り、組み合わせ可能であることが意図されるものとして見なされるように、総合的に閲読されることが意図される。
【0040】
したがって、本開示を前述の一般用語で記載しているが、これより、必ずしも原寸に比例して描写されていない添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本開示の実施形態に従う分注機械の外面図である。
【
図2】本開示の実施形態に従う分注機械の内面図である。
【
図3】本開示の実施形態に従う分注機械の内面破断図である。
【
図4】
図1の機械において使用するための、一例示的な封着サブシステムを示す。
【
図5】
図1の機械において使用するための、一例示的なピペットを示す。
【
図6】
図1の機械から分散可能な、一例示的なブリスター包装パッケージを示す。
【
図7】
図1の機械によって分注され、かつ制御ユニットに取り付けられて、エアロゾル送達デバイスを形成するように構成される、一例示的なカートリッジの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
これより、本開示を、その例示的な実施形態を参照しながら、以下により完全に記載する。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的及び完全であるように、かつ当業者に本開示の範囲を十分に伝えるように記載されている。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、別段文脈が明確に示さない限り、複数形の指示対象を含む。
【0043】
図1を参照すると、本開示の実施形態は、機械1に関する。機械1は、互換的に分注機械と呼ばれ得る。一実施形態において、機械1は、カスタマイズされたエアロゾル前駆体を分注するタスク、カスタマイズされたエアロゾル前駆体でカートリッジを充填するタスク、及びカスタマイズされたエアロゾル前駆体で充填されたカートリッジを包装するタスクのうちの少なくとも1つを実行するように、顧客または店員によって操作される。「前駆体」、「エアロゾル前駆体」、「エアロゾル前駆体組成物」、及び「エアロゾル前駆体配合物」という用語は一般に、喫煙物品(例えば、電子タバコ)などのエアロゾル送達デバイス200から、エアロゾルなどを生成するために使用されることが意図される、組み合わされた成分を指すために、互換的に使用される。一例示的なエアロゾル送達デバイス200を
図7に示し、以下に詳細に論じる。前駆体はまた、当該産業において、スモークジュース、Eジュース、またはEリキッドという用語によっても知られ得る。
【0044】
本開示の実施形態に従う機械は、比較的小さなサイズであり、潜在的には、小売店員または適切にスクリーニングされた顧客による操作のために、デスクまたはカウンター上に置くことができることが意図される。本機械は、実質的に需要に応じて前駆体を分注するように構成される。1人のユーザのために本機械から分注される前駆体が、次のユーザのために本機械から分注される前駆体とは異なり得るため、前駆体は、「カスタマイズされた」または「個別化された」ものと見なされ得る。いくつかの実施形態において、これらの差異は、前駆体が、ユーザ選択可能なパラメータに基づいて、需要に応じて配合され得るために生じる。
【0045】
図2において、機械1は、位置確認が容易かつ操作が容易な任意の位置、または機械1の外部に隣接して提供される、ユーザインターフェース3を含んでもよい。ユーザインターフェース3は、ユーザが、好ましいエアロゾル前駆体がユーザに分注されることをもたらす選択を行うことを可能にするように構成されてもよい。例えば、ユーザは、ユーザインターフェース3上に表示される複数の選択肢及びメニューの使用を通して、彼らのエアロゾル前駆体の風味及び強度(例えば、ニコチン含有量)を個別化することができる。ユーザインターフェース3は、タッチスクリーンであってもよい。あるいは、ユーザインターフェース3は、キーボードなどの入力デバイスとは別々のディスプレイを含んでもよい。
【0046】
機械1はまた、所望される製品をユーザに分注するための、開口部5も含んでもよい。開口部5は、ユーザによる製品の回収または受容の用意ができたときに選択的に開く、扉、フラップ、弁、または他の構造を含んでもよい。機械1から分注される所望される製品は、いくつかの形態を取り得る。製品は、エアロゾル前駆体自体(好ましくは液体)、前駆体を含有するカートリッジ、または前駆体を含有する1つ以上のカートリッジのパッケージとして提供されてもよい。
【0047】
機械1は、維持管理人員または小売店員が機械1の内部にアクセスして、維持管理、更新を実行するか、または機械の動作を実行するのに必要な原材料を機械1に補充することを可能にするための、アクセスパネル7を有してもよい。アクセスパネル7は、機械1の前面の扉として示される。アクセスパネル7は、蝶番式扉に限定されるべきではないが、任意の他の好適な閉鎖物を含み得る。アクセスパネル7は、機械1の前面に示されるが、アクセスパネル7は、機械1の内部機構へのアクセスを提供することに対する希望に基づいて、任意の他の好適な場所に置かれてもよい。したがって、アクセスパネル7の構成は、機械1の内部構成要素の配置によって決定され得る。
図1において、単一のアクセスパネル7が示される一方で、機械1は、必要な内部アクセスを提供するための複数の別々のアクセスパネル7を含んでもよいことが、よく理解されるべきである。
【0048】
機械1は、ユーザが操作可能にアクセスすることができる、様々な他のポート、栓、スキャナ、リーダ、及び他のデバイスを含んでもよい。例えば、機械1は、機械1に情報を提供するために使用することができる、バーコード、QRコード(登録商標)、磁気ストリップ、RFID、ならびに他の光学及び電磁気身分識別物用の、スキャナ、リーダ、センサ、カメラなどのリーダ4を含んでもよい。一実施形態において、機械1は、運転免許証または従業員章などの身分証明書を通して、ユーザの身元を決定するように構成されてもよい。機械1は、盗難を回避するため、または破壊者を捕らえるために、ユーザを記録するカメラを含んでもよい。機械1は、クーポンまたは他の小冊子上のコード用のリーダを有してもよい。例えば、商店は、その従業員のお気に入りのエアロゾル前駆体の処方を宣伝することを希望し得る。これらの処方は、ユーザがスキャンして、機械1に所定の処方を分注させることができる、バーコードによって示されてもよい。ユーザは、キータグまたは他の内部もしくは外部記憶媒体(メモリなど)上に、機械1が読み取って、顧客の好みのエアロゾル前駆体の販売を促進することができる、彼ら独自の好みを保存することができる。一実施例において、顧客の処方は、ウェブサイトまたは携帯電話アプリケーションを使用して作製することができる。その後、顧客のスマートフォンは、機械1内に提供されるバーコードリーダによって読み取ることができる、対応するバーコードを表示するように、プログラミングされ得る。他のリーダが、クレジットカードリーダ、現金受け取り手段、または当該技術分野において既知である支払いを受け取るための他のデバイスを有する機械1から、直接、所望される製品の直接購入を促進してもよい。
【0049】
一実施形態において、機械1は、機械1が個別化された前駆体を調製している間、ユーザが、彼らのエアロゾル送達デバイス200の電源ユニット210(
図7を参照されたい)を充電することを可能にするポートまたは栓を含んでもよい。
【0050】
当業者は、機械1が、ユーザアクセス可能またはユーザ対面式であることが意図されない機械1の動作を促進するための、1つ以上のポート、栓、またはデバイスを有し得ることを理解するべきである。これは、機械1に電力を提供するための電源コード、または機械1がワールドワイドウェブ上もしくは小売店場所の操作の一部としての遠隔データベースとネットワーク化することを可能にするためのEthernetポートなどの項目を含み得る。例えば、機械1は、顧客が製品の支払いをした後、または店員がユーザの年齢もしくは他の識別特徴を認証した後にのみ、機械1が所望される製品を分注するように、商店のレジスターに連結されてもよい。
【0051】
機械1は、分注プロセスを合理化するために、消費者の好みを保存することが可能であり得る。機械1は、顧客が、毎回同じ機械に戻らずに、またはユーザインターフェース3上で一連の選択の全てを行わずに、彼らの好ましい前駆体を受容し得るように、他の機械にネットワーク化されても、インターネットにネットワーク化されても、リーダ技術が提供されてもよい。
【0052】
一実施形態において、ブルートゥース(登録商標)または類似した近接データ転送技術(例えば、近距離無線通信(NFC)技術)を使用して、機械1が消費者のスマートフォンから好みを受容または回収してもよい。結果として、顧客のカスタマイズされたエアロゾル前駆体は、移動中にまたは自宅で選択することができ、顧客は機械の前に立っている時間を節約することができる。このプロセスは、電話上にインストールされた、機械と同期するためのアプリに関与し得る。機械1とスマートフォンまたはエアロゾル送達デバイスとの間の相互作用のプロセスは、参照により本明細書に組み込まれる、Ampoliniの2014年7月10日出願の米国特許出願第14/327,776号に記載される方法と一貫していてもよい。
【0053】
機械1は、様々な安全特徴を有してもよい。一実施例において、機械がユーザの身分証明書を読み取り、機械1の操作を、資格要件を満たした顧客、商店の人員、または他の定義されたユーザに制限することができるように、機械1は、DMVデータベースに操作的に接続されてもよい。他の安全特徴は、カメラ、または前駆体を子どもでは開けられない容器にのみ分注することを含み得る。
【0054】
非ユーザ対面式ポートはまた、機械1内で使用される原材料のための入口を含んでもよい。原材料は一般に、前駆体の構成成分、提供される場合未充填のカートリッジ、及び提供される場合包装材料を含む。いくつかの実施形態において、機械のプロセスにおいて使用される原材料の全てまたはいくつかは、機械1内に保持される。別の実施例において、原材料は、機械1の能力を増加させる補助または外部貯蔵場所から、入口を通して受容されてもよい。これは、機械1によって分注される、全てのエアロゾル前駆体または製品に共通する構成成分を保存するのに、特に有用だろう。例えば、ポリオールなどのエアロゾル形成剤はまず、遠隔補助タンク内に保存されてもよい。他の実施形態において、原材料は、共通の供給源から受容されてもよい。例えば、エアロゾル形成剤として水が使用される場合、機械1は、濾過水用の入口を含んでもよい。
【0055】
図2は、機械1の例示的な内部構成要素の組を概略的に示す。
【0056】
いくつかの実施形態において、機械1は、充填システム10、包装システム50(
図3を参照されたい)、及び販売システム80を含む。一実施例において、エアロゾル前駆体は、充填システム10によって未充填のカートリッジへと充填され、充填されたカートリッジは、包装システム50によって適切な包装へと包装され、包装された製品は、販売システム80によって機械1から放出される。他の実施形態において、機械1が、即時使用の用意ができている充填されたカートリッジを別々の保護パッケージなしで販売するとき、包装システム50は省略されても、迂回されてもよい。更に他の実施形態において、販売システム80は、充填システム10と同時に動作する。例えば、機械1は、液体形態のエアロゾル前駆体を、機械1の外部に、かつそれに取り外し可能に取り付けられたカートリッジへと、直接分注してもよい。
【0057】
本明細書で使用される場合、「カートリッジ」という用語は、電源ユニット210と操作的に係合して、エアロゾル送達デバイス200を形成することができるデバイスとして使用される。一例示的なカートリッジ204を、
図7に示す。カートリッジは、一度充填され、破棄されることが意図されてもよく、またはカートリッジは、前駆体が消費されると繰り返し再充填されることが意図されてもよい。いくつかの実施形態において、カートリッジは単に、前駆体を保持するタンクまたは液溜めのみを備えてもよい。他の実施形態において、以下に論じるように、カートリッジ204は、前駆体からエアロゾルを生成するために使用される他の特徴に加えて、液溜め層または部分を有してもよい。
【0058】
充填システム10は、エアロゾル前駆体を提供する。以下により詳細に論じるように、エアロゾル前駆体は一般に、喫煙物品用の前駆体を生成するとき、3つの主要な群に一般に分類され得るいくつかの個々の構成成分を有し、それらは、それぞれ機械1内の第1の供給源12、第2の供給源14、及び第3の供給源16に保存され得る、ニコチン供給源、エアロゾル形成剤、及び香味剤(総じて「前駆体構成成分」)である。いくつかの実施形態において、機械1は、エアロゾル形成剤、選択可能な相対強度のニコチン(すなわち、ニコチン供給源の量)、及び任意で、任意選択可能な強度で提供される1つ以上の香味剤を有するエアロゾル前駆体を分注するように構成される。
【0059】
一実施例において、選択可能な構成成分のそれぞれは、液体形態で提供される。他の実施例において、いくつかの構成成分は、粒子形態または他の固体形態で提供されてもよい。供給源12、14、16は、前駆体構成成分を保持するための再充填可能な貯蔵タンクを備えてもよい。供給源12、14、16はまた、前駆体構成成分が消費されると、モジュールパッケージが交換される、使い捨てモジュールも備えてもよい。各使い捨てモジュールは、そのそれぞれのエアロゾル前駆体組成物または構成成分の複数回分の用量を大量に含有するように構成されてもよい。他の実施形態において、各使い捨てモジュールは、それぞれのエアロゾル前駆体組成物または構成成分の単回用量を提供してもよい。いくつかの構成成分は、複数用量モジュールで提供されてもよく、他の構成成分は、単回用量モジュールで提供されてもよい。
【0060】
供給源12、14、16は、所望される前駆体構成成分を充填ヘッド20に伝達するように構成された材料伝達サブシステム18につながり得る。伝達サブシステム18は、供給源12、14、16から材料を選択的に吸い入れるか、または別の方法で供給源からの構成成分液体が放出され、充填ヘッド20に運搬されることを可能にする、複数のポンプ及び弁を特徴とし得る。充填ヘッド20は、前駆体構成成分のそれぞれが、カートリッジ204の充填またはエアロゾル前駆体の分注前に混合される、多岐管を含んでもよい。多岐管は、撹拌に供されても、撹拌機構を含んでも、それらをカートリッジ204に充填する前に前駆体構成成分を活発に混合する他の手段を含んでもよい。
【0061】
他の実施形態において、個々の前駆体構成成分は別々に、充填ヘッド20から連続的なステップでまたは同時にカートリッジ204へと提供されてもよい。一実施形態において、充填システム10は、カートリッジ204を振盪するための撹拌機を含む。撹拌機は、カートリッジ204内の前駆体構成成分12、14、16を混合するために提供されてもよい。撹拌はまた、エアロゾル前駆体を有するカートリッジの液溜め244の、より完全または均一な飽和の促進も助け得る。
【0062】
他の実施形態において、個々の前駆体構成成分は別々に、カートリッジ204自体内の別々の区分または液溜め244へと提供されてもよい。複数の別々の液溜め244が利用される場合、様々な組み合わせの別々の前駆体構成成分が、液溜め内に保存されてもよい。いくつかの実施形態において、実質的に完成したエアロゾル前駆体組成物が、2つ以上の別々の液溜め内に保存されてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、及び水)が、1つ以上の液溜め内に保存されてもよく、1つ以上の風味剤が、1つ以上の更なる液溜め内に保存されてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成剤が、1つ以上の液溜め内に保存されてもよく、ニコチン供給源が、1つ以上の更なる液溜め内に保存されてもよく、任意で追加の風味剤が、1つ以上の任意で追加の液溜め内に保存されてもよい(が、任意の風味剤は、ニコチン及び/またはエアロゾル形成剤と組み合わされてもよい)。別々の液溜め内に保存される材料の他の組み合わせもまた包含され、構成成分を別々に保存するそのような能力は、カートリッジ自体内の電源ユニット210及びエアロゾル生成手段(例えば、噴霧器232)による制御に応じて提供される、エアロゾル組成物の正確な制御を提供し得る。特に、エアロゾル組成物は、所望される場合、液体が、エアロゾル送達デバイス200の特定の吸入において所望されるエアロゾル組成物を提供するのに必要とされる特定の液溜め244からのみ吸引されるように、調節されてもよい。
【0063】
一実施形態において、充填ヘッド20は、
図5に概略的に提示される、1つ以上のピペット組立体30の形態を取ってもよい。ピペット組立体30は、エアロゾル前駆体またはその構成成分などの液体を保持し、分注することができる細長い本体を有するチャンバ32を備えてもよい。チャンバ32は、開いた近位末端34、及び通路40がそこを通して形成された先細先端38を有する対向する遠位末端36を有する。通路40の一末端は、チャンバ32へと開いて、先端38とチャンバ32との間の連通を提供し、通路40の対向末端は、液体がそこを通って通過し、先端38に連結されるカニューレ42を通して分注され得るように開いている。ばね要素の一(上)末端がピペット組立体30の直径周辺(例えば、示されるように、先端38周辺)に位置するように適合される、付勢部材44が提供され、付勢部材44は、ピペット組立体の直径を取り囲み、垂直に下向きに延在する。例示的なピペット及びそれらの特徴の更なる実施例は、参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月20日出願の米国特許出願第14/646,078号に記載されている。
【0064】
図5のピペット組立体30は、以下により詳細に記載されるように、液溜め含有カートリッジ204などの、1つ以上の固体または半固体材料を含む容器の充填において有益であり得る。充填される容器が固体または半固体材料を含む場合、容器を充填するために使用されるカニューレ42は一般に、それがその材料と接触するときにいくらかの摩擦を経験するが、これは、液体を分注し、カニューレ42を容器から引き抜くために克服されなくてはならない。カニューレ42が容器から引き抜かれるとき、カニューレの引き抜き時に容器が垂直に上向きにずれないように、付勢部材44の末端(またはそれに関連する抑制的構成要素)は、容器の上部直径と係合されたままである。そのようなピペット組立体は、液体のトップダウン式及びボトムアップ式分注の両方に関して適用可能であり得る。
【0065】
充填ヘッド20は、他の構成を取ってもよい。例えば、充填ヘッド20は、エアロゾル前駆体をカートリッジへと噴霧するように構成されたノズルまたは他の出口を含んでもよい。噴霧は、エアロゾル前駆体の比較的な霧状物から濃縮噴出物まで異なり得る。
【0066】
充填システム10は、1回分の調薬量の前駆体を各カートリッジ204へと提供するように構築されるべきである。充填システム10のサブシステムのうちのいずれかまたは全てが調薬充填に寄与してもよい。例えば、伝達サブシステム18は、非常に特定の量の各構成成分のみを吸引しても、それらが各供給源12、14、16を出ることを可能にしてもよい。更に、充填ヘッド20は、特定の容積の流体のみを分注するように構成されてもよい。場合によっては、これらのサブシステムは、各所望されるカートリッジ204を適切に充填するために、協働する必要があり得る。一実施形態において、ユーザは、6個のパックのカートリッジの購入を所望し得る。伝達サブシステム18は、必要とされる量の各構成成分流体を吸引して、カートリッジの6個全てを一度に充填してもよい。その後、充填ヘッド20は、6つのバッチの全てを個々のカートリッジの中に調薬する。他の実施形態において、伝達サブシステム18は、1回分以上の用量の同時作製を可能にしてもよい。
【0067】
複数の充填ヘッド20が提供される場合、各充填ヘッド20は共通の多岐管から分注してもよく、この場合、同じ含有物を有する6個のパックのカートリッジをより素早く生成することができる。他の実施形態において、複数の充填ヘッド20はそれぞれ、別々の多岐管から分注してもよい。したがって、同じ6個のパックの各カートリッジが同じエアロゾル前駆体処方を有することなく、6個のパックのカートリッジを素早く充填することができる。
【0068】
充填システム10はまた、エアロゾル前駆体が充填されるカートリッジ204を選択し、位置付ける能力も含むべきである。好ましい一実施形態において、機械1には、エアロゾル送達デバイス200または喫煙物品で使用するためのカートリッジ204が、再充填可能にストックされるべきである。以下に論じるように、様々な構成を有するカートリッジ204が開示され、市販されている。一実施形態において、機械1には、様々なカートリッジの種類、サイズ、及び構成がストックされるだろう。このようにして、ユーザは、好適なカートリッジを選択すること、または(容積または性能に基づいて)ユーザの喫煙物品の制御体202と適合することが既知であるいくつかの好適なカートリッジの中から選択することができる。他の実施形態において、任意の所与の機械1について、単一の種類のカートリッジのみが充填されてもよい。加えてまたはあるいは、機械1は、ユーザによって提供される再使用可能なカートリッジを受け取るように構成されてもよい。この実施形態において、再使用可能なカートリッジは、再充填され、分注されてユーザに戻されてもよい。更に他の実施形態において、機械1がエアロゾル前駆体で充填された異なるカートリッジを分注してユーザに戻すときに、ユーザは、使用済みカートリッジを機械1に預けてもよく、そこで、使用済みカートリッジは再利用、清掃、または改修のために回収されてもよい。
【0069】
一実施形態において、充填システム10は、カートリッジ輸送サブシステム46を含む。カートリッジ輸送サブシステム46は、選択された未充填のカートリッジを、充填ヘッド20によって充填されるのに適切な場所及び配向へと位置付けるように構成される。示される図において、カートリッジ輸送サブシステム46は、活動可能なプラットフォームを含むものとして示される。任意の既知の機構を使用して、カートリッジ輸送サブシステム46を実装することができる。例えば、カートリッジ204は、駆動装置が、選択された数の充填されるカートリッジを放出するように構成される重力供給のシュートの組によって、それらのステージ場所から充填ヘッド20に移動されてもよい。カートリッジは、各カートリッジを掴み、定位置に移動させる、ロボットアームまたは他のデバイスなどの他の手段によって移動されてもよい。
【0070】
上記に論じるように、機械1は、外部でカートリッジを充填してもよい。これらの実施形態の目的では、「外部で」とは、ユーザの手の届く範囲内を意味し得る。これらの実施形態において、カートリッジ輸送サブシステム46はユーザとして省略されても、迂回されてもよい。換言すると、ユーザは、自身で、カートリッジを充填ヘッド20に関して正しく位置付けることが必要とされ得る。カートリッジは、消費済みの再使用可能なカートリッジであってもよい。あるいは、ユーザは、店員から、または機械1近くのディスプレイから選択することによって新しい未充填のカートリッジを受容してもよく、その後、ユーザが機械1内またはその近位にそれを正しく位置付けた後、機械1はカートリッジを充填してもよい。
【0071】
充填システム10はまた、完成サブシステム48も含んでもよい。完成サブシステム48は、充填されるカートリッジの種類に基づいて異なり得るが、完成サブシステム48の目標は、エアロゾル前駆体がそれぞれの液溜め内に保存されるように、カートリッジを完成させるか、または別様に封着することである。一実施例において、マウスピースなどのキャップが、カートリッジの末端にねじ止めされても、別様に取り付けられてもよい。別のカートリッジが、参照により本明細書に組み込まれる、DePianoらの2014年9月18日出願の米国出願公開第2014/0261408号に記載されている。
【0072】
前駆体がカートリッジ内で使用される場合、機械1はまた、カートリッジを、エアロゾル送達デバイス200の電源ユニット210が使用するための加熱設定点及び他の関連構成パラメータ(加熱プロファイル、吸引持続時間、吸引の長さ、有効期限など)でプログラミングして、カートリッジを特定の前駆体組成物に最適化するための、プログラミングユニット49も含んでもよい。プログラミングユニットは、マイクロプロセッサ、トランスミッタ、または電源ユニット210の動作パラメータを設定する他の既知の要素を含んでもよい。
【0073】
所望される種類及び量のカートリッジに、所望される容積及び処方のエアロゾル前駆体を充填した後、かつ各カートリッジを完成させた後、必要に応じて、充填されたカートリッジは包装システム50に進んでもよい。一例示的な包装システム50を、
図3に概略的に示す。包装システム50は、様々な形態を取ってもよく、充填されたカートリッジを、当該技術分野において既知である任意の好適な包装へと包装するように構成されてもよい。一実施例において、カートリッジは、「ブリスター包装」へと封着されてもよい。
【0074】
一例示的なブリスター包装104を、
図6に示す。トレー106は、上表面108から下に延在する複数のカップ110で上表面108を画定し得る。トレー106は、ユーザがそれを見通すことを可能にするように、半透明または透明であってもよい。充填されたカートリッジは、各カートリッジがそれぞれのカップ110内に留まるように操作されてもよい。カバー112は、トレー106の上表面108の反対に位置付けられてもよい。カバー112は、フォイルまたはプラスチックの薄層またはフィルムを含んでもよい。使用中、カバー112は、各カップ110への外部の力の適用が、カートリッジ204がカバー112の対応する部分を破壊して、充填されたカートリッジへのアクセスを提供するように、破壊可能であることが意図される。
【0075】
他の例示的なブリスター包装が、参照により本明細書に組み込まれる、ともにPipesの2014年1月2日出願の米国特許出願公開第2014/0001194号及び2014年9月11日出願の同第2014/0251842号に記載されている。
【0076】
包装システム50は封着サブシステム60を含んでもよく、その実施例を
図4に示す。封着サブシステム60は、熱を使用して、カバー112を上表面108に融合することによって、ブリスター包装104を封着することができ、充填されたカートリッジ204を収容する封着された空洞114をもたらす。封着サブシステム60は、使用されるパッケージの種類に応じて、他の機構を使用して、封着されたパッケージを形成してもよい。封着は、熱に加えてまたはその代わりに、光または圧力によって実行されてもよい。封着は、完全または部分的な真空を作製するための手段を更に含んでもよい。
【0077】
他の実施形態において、包装システム50は、様々な他のサブシステムを含んでもよい。例えば、他のサブシステムによって、追加の包装層が提供されてもよい。ブリスター包装104は、外側包装によって覆われても、スリーブまたは他の外部包装へと滑動してもよい。
【0078】
包装システム50はまた、印刷ステーション65も含んでもよい。印刷ステーション65は、パッケージ上に直接印刷しても、パッケージに固定(例えば、接着)されるラベル上に印刷しても、ブリスター包装104に付随するレシートを印刷してもよい。印刷ステーション65は、製品ラベルに共通する任意の情報を提供するように構成されてもよい。例としては、カートリッジの種類もしくはブランドなどのパッケージの含有物についての情報、カスタマイズされた前駆体もしくは使用されるエアロゾル前駆体を生成したユーザ選択の一般的説明もしくは概要、パッケージが調製されるユーザの識別子、カートリッジに基づく価格情報、含有物及びその量、バーコード、またはそれを反映するQRコードが挙げられる。
【0079】
包装システム50は、好ましくは、様々な量の充填されたカートリッジを包装するように構成される。例えば、ユーザは、単一のカートリッジまたは複数のパック(3個のパックもしくは6個のパックなど)を要求する能力を有してもよい。包装システム50は、ユーザが選択可能なパッケージのそれぞれのための、別々の包装空白を有してもよい。
図6の実施形態において、ブリスター包装104のトレー106及びカバー112は、充填されたカートリッジが機械1から分注されるときに、内部自動化切断もしくは引裂デバイスを使用することで、またはユーザによって、カップ110間で分離され得る連続ロールで提供されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、カートリッジは、そのマウスピース末端上に事前に設置されたキャップを有してもよい。これら及び他の実施形態において、充填されたカートリッジが販売システム80を介してユーザに直接提供されるように、包装システム50は、いくつかの実施形態において省略されても、迂回されてもよい。包装システム50の迂回は、機械1の操作時にユーザによって選択される選択肢であってもよい。包装システム50の迂回は、カートリッジ204が即時使用のために分注されている場合に好ましくあり得る。例えば、機械1は、喫煙またはベイピングラウンジにおいて用いられてもよく、そこでは、ユーザが彼らのカスタム充填されたカートリッジを作製し、その後、ラウンジ内に残って製品を楽しむことができる。
【0081】
機械1の販売システム80は一般に、様々な実施形態のそれぞれにおいて、選択されたエアロゾル前駆体、充填されたカートリッジ、または包装され、充填されたカートリッジへのアクセスを、ユーザに提供するための手段として記載され得る。販売システム80は、包装されたカートリッジが落ちてくるシュート82であってもよい。販売システム80は、包装されたカートリッジへのアクセスを制御するために、選択的に開けることができるカバーパネルを有してもよい。販売システム80は、完成した製品をユーザに運搬するのに必要な任意の手段を含んでもよい。未充填のカートリッジの輸送に関して上記に論じるデバイスのうちの多くが、機械1内からユーザ用のアクセス開口部5へと、充填されたカートリッジまたは包装されたカートリッジを運搬するのに有用であり得る。
【0082】
分注機械1の様々なシステム及び個々の構成要素が、現在本明細書に記載されているものの、1つ以上の更なるシステム及び/または構成成分が追加されてもよいことが理解される。同様に、1つ以上のシステム及び/または構成要素は、省略されてもよく、かつ/または更なる好適なシステム及び/または構成要素と交換されてもよいことが理解される。例えば、少量の紙巻きタバコを製造するための装置及び方法が当該技術分野において既知であり、現在開示されている分注機械に追加され得るか、その機械内での使用に適合され得る、例示的なシステム及び構成要素を含む。そのような紙巻きタバコ製造装置の一例は、Thomasらの米国特許第7,565,818号に記載されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
上述の機械1の使用は、エアロゾル前駆体を形成する方法の点から更に開示され得る。本方法は、分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分の複数の供給源を備える機械から選択を行うことであって、複数の供給源が、そこから分注可能な液体エアロゾル前駆体構成成分において異なり、選択を行うことが、本機械のユーザインターフェースを使用して、複数の供給源からエアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせを定義することを含む、選択を行うことを含んでもよい。本方法はまた、ユーザインターフェース上で行われた選択から生じる、エアロゾル前駆体構成成分のカスタム組み合わせで形成されたエアロゾル前駆体組成物を分注することも含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、分注ステップは、充填ヘッドから、エアロゾル送達デバイスによって使用可能なカートリッジ内の液溜めへとエアロゾル前駆体を分注することを更に含む。本方法は、カートリッジが充填ヘッドからエアロゾル前駆体を受容した後に、カートリッジを包装するステップを更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせのエアロゾル形成剤を選択することを含む。一実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせにおける相対量のニコチンを選択することを含む。別の実施形態において、選択を行うことは、カスタム組み合わせにおいて使用するための少なくとも1つの香味剤を選択することを含む。
【0085】
直接、または充填されたカートリッジの形態で分注されるか否かに関わらず、機械1は、エアロゾル前駆体を販売するように構成され、好ましくは、ユーザ選択に基づく個別化された選択としてエアロゾル前駆体を販売するように構成される。
【0086】
エアロゾル前駆体は、特に限定されない。代表的な前駆体のいくつかの任意の特徴を、以下に論じる。エアロゾル前駆体は、様々な成分(すなわち、構成成分)の組み合わせまたは混合物で構成される。特定のエアロゾル前駆体構成成分の選択、及び使用されるそれらの構成成分の相対量は、エアロゾル送達デバイス200の噴霧器232によって生成される主流エアロゾルの全体的な化学的組成物を制御するために、ユーザインターフェース3でのユーザ入力に基づいて変更されてもよい。特に対象となるのは、一般に本来液体であるものとして特徴付けることができるエアロゾル前駆体である。例えば、代表的な一般に液体のエアロゾル前駆体は、液体溶液、混和性構成成分の混合物、または懸濁もしくは分散した構成成分を組み込む液体の形態を有し得る。典型的なエアロゾル前駆体は、本開示の特徴であるエアロゾル送達デバイス200の使用中に経験される条件下で、熱への曝露時に蒸発することができるため、吸入可能な蒸気及びエアロゾルを産生することができる。
【0087】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達デバイス200について、エアロゾル前駆体は、最も好ましくは、タバコまたはタバコに由来する構成成分(本明細書において「ニコチン供給源」と呼ばれる)を組み込み、これは、第1の供給源12内で提供され得る。一点では、タバコは、細粉化、粉砕、または粉末化されたタバコ葉片などのタバコの一部または断片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性構成成分のうちのいくつかを組み込む噴霧乾燥された抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、比較的高いニコチン含有物の抽出物の形態を有してもよく、この抽出物はまた、タバコに由来する少量の他の抽出構成成分も組み込む。別の点では、タバコに由来する構成成分は、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で提供されてもよい。一点では、タバコに由来し、かつ高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で用いることができる構成成分は、ニコチン(例えば、医薬品等級のニコチン)である。
【0088】
エアロゾル前駆体は、第2の供給源14内で提供され得る所謂「エアロゾル形成剤」構成成分を組み込んでもよい。そのような材料は、蒸発させたとき、本開示の特徴である噴霧器232の通常の使用中に経験される条件下で、熱への曝露時に目に見えるエアロゾルを産生する能力を有する。そのようなエアロゾル形成材料としては、様々なポリオールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、及びこれらの混合物)が挙げられる。本開示の多くの実施形態は、水、水分、または水性液体として特徴付けられるエアロゾル前駆体構成成分を組み込む。特定のエアロゾル送達デバイス200の通常の使用の条件中、それらのデバイス内に組み込まれる水は、蒸発して、生成されたエアロゾルの構成成分を産生することができる。したがって、本開示の目的では、エアロゾル前駆体中に存在する水は、エアロゾル形成材料と見なすことができる。
【0089】
吸引された主流エアロゾルの感覚特徴または性質を変更する、様々な任意の香味剤または材料は、エアロゾル前駆体の任意の第3の主要構成成分を構成し、第3の供給源16内で提供されてもよい。例えば、そのような任意の香味剤をエアロゾル前駆体中に選択的に添加して、エアロゾルの風味、芳香、及び感覚受容特性を変更してもよい。特定の香味剤は、タバコ以外の供給源から提供されてもよい。例示的な香味剤の性質は、天然または人工であってもよく、濃縮物または風味パッケージとして用いられてもよい。
【0090】
例示的な香味剤としては、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果物(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ、ならびに柑橘類(ライム及びレモンを含む)風味)、カエデ、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、ハチミツ、アニス、セージ、シナモン、サンダルウッド、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻きタバコ、葉巻、及びパイプタバコの風味付けに伝統的に使用される種類及び特徴の風味剤及び風味パッケージが挙げられる。高果糖コーンシロップなどのシロップもまた、用いることができる。特定の香味剤は、最終エアロゾル前駆体混合物の配合前にエアロゾル形成材料内に組み込まれてもよい(例えば、特定の水溶性香味剤は水中に組み込まれてもよく、メントールはプロピレングリコール中に組み込まれてもよく、特定の複合風味パッケージはプロピレングリコール中に組み込まれてもよい)。
【0091】
エアロゾル前駆体はまた、酸性または塩基性特徴を呈する成分(例えば、有機酸、アンモニウム塩、または有機アミン)も含んでもよい。これらの成分は、本開示の目的では、香味剤の一般的説明16に含まれてもよい。例えば、特定の有機酸(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、及びピルビン酸)は、ニコチンを組み込むエアロゾル前駆体配合物中に、好ましくは(総有機酸含有量に基づいて)ニコチンと最大等モルとなる量で含まれてもよい。例えば、エアロゾル前駆体は、1モルのニコチン当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、1モルのニコチン当たり約0.1~約0.5モルのコハク酸、1モルのニコチン当たり約0.1~約0.5モルの乳酸、1モルのニコチン当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、またはこれらの様々な並べ替え及び組み合わせを、最大存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体中に存在するニコチンの総量と等モルとなる濃度まで、含んでもよい。
【0092】
非限定的な一実施例として、ユーザの要求に応じて機械1によって作製される代表的なエアロゾル前駆体は、重量に基づいて、約70%~約90%のグリセリン、しばしば約75%~約85%のグリセリンと、約5%~約20%の水、しばしば約10%~約15%の水と、約1%~約10%のプロピレングリコール、しばしば約4%~約8%のプロピレングリコールと、約0.1%~約6%のニコチン、しばしば約1.5%~約5%のニコチンと、最大約6%の量の任意の香味剤、しばしば約0.1%~約5%の香味剤との混合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量に基づいて、約76%超のグリセリンと、約14%の水と、約7%のプロピレングリコールと、約1%~約2%のニコチンと、約1%未満の任意の香味剤とを組み込む配合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、約75%超のグリセリンと、約14%の水と、約7%のプロピレングリコールと、約2.5%のニコチンと、約1%未満の任意の香味剤とを組み込む配合物の形態を有してもよい。例えば、代表的なエアロゾル前駆体は、重量に基づいて、約75%超のグリセリンと、約5%の水と、約8%のプロピレングリコールと、約6%のニコチンと、約6%未満の任意の香味剤とを組み込む配合物の形態を有してもよい。
【0093】
代表的な種類のエアロゾル前駆体構成成分及び配合物はまた、Robinsonらの米国特許第7,726,320号、ならびにZhengらの米国特許公開第2013/0008457号;Chongらの同第2013/0213417号及びCollettらの同第2014/0060554号、Lipowiczらの同第2015/0020823号;ならびにKollerの同第2015/0020830号、ならびにBowenらのWO2014/182736にも示され、特徴付けられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。用いることができる他のエアロゾル前駆体としては、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(登録商標)製品、Lorillard TechnologiesによるBLUTM製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、及びCN Creative LtdによるVYPE製品中に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能である、電子タバコ用の所謂「スモークジュース」もまた、望ましい。発泡性材料の実施形態をエアロゾル前駆体とともに使用することができ、例として、参照により本明細書に組み込まれる、Huntらの米国特許公開第2012/0055494号に記載されている。更に、発泡性材料の使用は、例えば、Niaziらの米国特許第4,639,368号;Wehlingらの米国特許第5,178,878号;Wehlingらの米国特許第5,223,264号;Patherらの米国特許第6,974,590号;及びBergquistらの米国特許第7,381,667号、ならびにStricklandらの米国特許公開第2006/0191548号;Crawfordらの同第2009/0025741号;Brinkleyらの同第2010/0018539号;及びSunらの同第2010/0170522号;ならびにJohnsonらのPCT WO97/06786に記載されており、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
エアロゾル送達デバイス200内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、噴霧器232が許容される感覚及び望ましい性能特徴を提供するような量である。例えば、多くの点においてタバコの煙の見た目と似ている、目に見える主流エアロゾルの生成を提供するために、十分な量のエアロゾル形成剤(例えば、グリセリン及び/またはプロピレングリコール)が用いられることが非常に好ましい。エアロゾル前駆体の量は、所望される吸入の数などの要因に依存し得る。典型的には、エアロゾル送達デバイス200内、及び特にカートリッジ204内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、約2g未満、一般に約1.5g未満、しばしば約1g未満、及び頻繁に約0.5g未満である。
【0095】
多くの実施形態において、機械1は、喫煙物品またはエアロゾル送達デバイス200で使用するための、充填されたカートリッジ204の形態でエアロゾル前駆体をユーザに提供するように構成される。
図7は、本開示の機械によって充填され、分注され得る一例示的なカートリッジ204を有する、一例示的なエアロゾル送達デバイス200を示す。
図7に示される断面図に見られるように、エアロゾル送達デバイス200は、機能的な関係で永久的または着脱可能に整列され得る制御体202及びカートリッジ204を備えてもよい。
図7にはねじ式係合が示されるものの、圧入係合、締まりばめ、または磁気係合などの、更なる係合手段が包含されることが理解される。
【0096】
特定の実施形態において、制御体202及びカートリッジ204のうちの一方または両方は、使い捨てまたは再利用可能であるものと呼ばれ得る。例えば、制御体202は、交換可能な電池を有しても、再充電可能であってもよく、したがって、典型的な電気コンセントへの接続、車の充電器(すなわち、シガーソケットレセプタクル)への接続、及びUSBケーブルなどを通したコンピュータへの接続を含む、任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。
【0097】
例証される実施形態において、制御体202は、可変的に整列され得る、制御構成要素206(例えば、マイクロコントローラ)、流れセンサ208、及び電源ユニット210を含み、外部シェル216の遠位末端214に複数のインジケータ212を含み得る。インジケータ212は、異なる数で提供されてもよく、異なる形状を取ることができ、更には本体内の開口部であってもよい(そのようなインジケータが存在する場合に音を放出するためなど)。
【0098】
空気取り入れ口218は、制御体202の外部シェル216内に位置付けられ得る。レセプタクル220もまた、制御体202の近位取り付け末端222に含まれ、制御体突出部224中まで延在して、カートリッジ204が制御体202に取り付けられるとき、噴霧器232またはその構成要素(抵抗加熱要素234など)との電気接続を容易にすることができる。
【0099】
カートリッジ204は、外側シェル226を含み、その吸い口末端230に吸い口開口部228を有して、エアロゾル送達デバイス200の吸引中、カートリッジから消費者への空気及び同伴蒸気(すなわち、吸入可能な形態のエアロゾル前駆体組成物の構成成分)の通過を可能にする。いくつかの実施形態において、エアロゾル送達デバイス200は、実質的に棒状、または実質的に管形状、または実質的に円筒形状であり得る。
【0100】
カートリッジ204は、示される実施形態においてワイヤコイルを含む抵抗加熱要素234と、示される実施形態においてウィックを含み、前駆体を輸送するように構成された液体輸送要素236とを備える、噴霧器232を更に含む。電流がそこを通して印加されるときに熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態を用いて、ワイヤコイルを形成することができる。ワイヤコイルを形成し得る例示的な材料としては、Kanthal(FeCrAl)、Nichrome、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムでドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、及びセラミック(例えば、正の温度係数を有するセラミック)が挙げられる。加熱要素234の対向末端にある導電性加熱体端子238(例えば、正極及び陰極)は、電流を加熱要素に向けるように構成され、適切な配線または回路(図示せず)に取り付けられて、カートリッジ204が制御体202に接続されるときに加熱要素と電源ユニット210との電気接続を形成するように構成される。具体的には、栓240は、カートリッジ204の遠位取り付け末端242に位置付けられてもよい。カートリッジ204が制御体202に接続されるとき、栓240は、レセプタクル220と係合して、電流が電源ユニット210からレセプタクル及び栓を通り、加熱要素234に制御可能に流れるように、電気接続を形成する。カートリッジ204の外部シェル226は、遠位取り付け末端242にわたって連続してもよく、カートリッジのこの末端がそこから突出する栓で実質的に閉鎖されるようにする。
【0101】
液溜め244は、液体輸送要素236を利用して、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化帯域に輸送することができる。この実施形態において、カートリッジ204は、カートリッジの外部シェル226の内部を取り囲む管の形状に形成された不織繊維の層を含む、液溜め244を含む。機械1によって提供されるエアロゾル前駆体組成物は、液溜め244内に保持されてもよい。例えば、液体構成成分は、液溜め244によって吸着的に保持されてもよい。液溜め244は、液体輸送要素236(この実施形態においてはウィック)と流体連通している。液体輸送要素236は、液溜め244内に保存されるエアロゾル前駆体組成物を、毛管作用を介してカートリッジ204のエアロゾル化帯域246に輸送する。示されるように、液体輸送要素236は、この実施形態において金属ワイヤコイルの形態である加熱要素234と直接接触する。
【0102】
使用中、ユーザがエアロゾル送達デバイス200を吸引すると、加熱要素234が(例えば、吸引センサなどを介して)作動し、エアロゾル前駆体組成物の構成成分がエアロゾル化帯域246内で蒸発される。吸い口末端230の吸引は、周囲空気を空気取り入れ口218に入らせ、レセプタクル220内の中央開口部及び栓240内の中央開口部を通過させる。カートリッジ204において、吸引された空気は、第1の空気通路管250内の第1の空気通路248を通過し、エアロゾル化帯域246内で形成された蒸気と組み合わされて、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、エアロゾル化帯域246からすぐに移行し、第2の空気通路管254内の第2の空気通路252を通過し、吸い口開口部228から出る。
【0103】
液溜め244は、様々な異なる材料を含んでもよく、様々な異なる様式で形成されてもよい。一実施形態において、液溜め244は、同心円状であっても、重複していてもよい、複数の合わせた層から形成されてもよい。例えば、液溜め244は、回転されて中空管状構成を形成する材料の連続シートであってもよい。他の実施形態において、液溜め244は、実質的に単位構成成分であってもよい。例えば、液溜め244は、組成物中でその長さ及び厚さにわたって実質的に連続的であり得る、実質的に中空管の形態の唯一の事前形成要素であるように形作られても、成形されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、液溜め244は、例えば、エアロゾル前駆体組成物などの液体製品を保存する能力を保持しながら、剛性または半剛性の材料から形成することができる。特定の実施形態において、液溜め244の材料は、エアロゾル前駆体組成物を保持する能力を提供するように、吸収性、吸着性、または別様に多孔性であってもよい。したがって、エアロゾル前駆体組成物は、液溜め244の材料上にコーティングされるもの、それによって吸着されるもの、またはその中に吸収されるものとして特徴付けることができる。液溜め244は、液溜め244が液体輸送要素236と接触するように、カートリッジ204内に位置付けられてもよい。より具体的には、液溜め244は、エアロゾル前駆体組成物を(例えば、吸収または吸着などを通して)保持し、前駆体組成物を吸い上げて、加熱要素234に輸送することを可能にするのに好適な任意の材料から製造されてもよい。
【0105】
液溜め244の材料は、少なくとも加熱要素234によって提供される加熱温度近位の温度で、その構造的統合性を保持し、分解を回避するように、耐熱性であり得る。しかしながら、液溜め244は、加熱要素234とは接続していないため、それによって生成される全温度まで耐熱性である必要はない。液溜め244のサイズ及び強度は、カートリッジ204の特徴及び要件に従って異なってもよい。特定の実施形態において、液溜め244は、高速自動化製造プロセスに好適な材料から製造されてもよい。そのようなプロセスは、伝統的な織繊維または不織繊維マットと比較して、製造費用を低減することができる。一実施形態に従うと、液溜め244は、中空酢酸管から加工され得る酢酸セルローストウから製造されてもよい。
【0106】
例示的なエアロゾル送達デバイス200及びカートリッジ204の更なる詳細は、Depianoらの2014年9月18日出願のUS2014/0261408に開示され、参照により本明細書に組み込まれる。開示される機械1での使用に好適であり得る他のカートリッジは、Liらの米国特許出願公開第2014/0332020号及びTerryの同第2014/0246016号、Tuckerの同第2013/0192619号、Tuckerの同第2013/0192620号、ならびにThorensの米国特許第8,794,231号及びNewtonの同第8,707,965号に記載され、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。好適なカートリッジはまた、HonのWO2013/159245、及びKimのWO2012/173322、ならびにBlessの2014年10月31日出願の米国出願第14/530,275号にも記載され得、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。他のカートリッジは、参照により本明細書に組み込まれる、Changの米国特許第8,910,639号に記載される単回使用接続器を有してもよい。
【0107】
本機械の使用についての前述の説明は、わずかな改変を通して本明細書に記載される様々な実施形態に適用され得、これは、本明細書に提供される更なる開示に照らせば当業者には明らかであり得る。しかしながら、上記の使用についての説明は、本物品の使用を限定することは意図されないが、本開示の開示に必要な全ての要件を順守するために提供される。
【0108】
本開示が関連する当業者であれば、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の恩恵を受けて、本開示の多くの改変及び他の実施形態を思いつくだろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されず、改変及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるように意図されることが理解される。本明細書において特定の用語が用いられるものの、それらは一般的かつ説明的な意味において使用されるにすぎず、制限を目的としない。