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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】中継装置、中継方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20220721BHJP
   H04L 12/22 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
H04L12/28 100F
H04L12/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018224742
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020088774
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-06-10
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】縣 俊成
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-003839(JP,A)
【文献】特開2014-194309(JP,A)
【文献】特開2009-152849(JP,A)
【文献】特開2013-207539(JP,A)
【文献】特開2001-325269(JP,A)
【文献】特開2014-064234(JP,A)
【文献】特開2006-235743(JP,A)
【文献】特許第5658341(JP,B1)
【文献】MTConnect Institute,MTConnect Standard Part 1.0 - Overview and Fundamentals, Version1.4.0,,2018年03月31日,P.3-4,17,43-46,82,84等
【文献】MTConnect Institute,MTConnect Standard Part 2.0 - Devices Information Model Version 1.4.0,2018年03月31日,P.53,58-59,70-93,<URL>https://www.mtconnect.org/s/MTC_Part2_0_Devices_1_4_0.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継装置であって、
前記産業機器情報を記憶する記憶部と、
前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信する通信部と、
応答方法決定テーブルを記憶し、前記通信部が前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報および当該応答方法決定テーブルに基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を、提供する前記産業機器情報を制限しない応答方法と、提供する前記産業機器情報を制限する応答方法とのいずれかに決定する決定部と、
前記決定部が決定した応答方法に応じて、前記記憶部が記憶する前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成する生成部と、を備え、
前記通信部は、前記生成部が生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信 し、
前記産業機器情報は、軸位置を示す軸位置情報と、消耗度を示す消耗品情報と、警告内容を示す警告情報とを含み、
前記生成部は、前記決定部が決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限しない応答方法である場合に、前記軸位置情報、前記消耗品情報、および前記警告情報を含む前記応答情報を生成し、前記決定部が決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限する応答方法である場合に、前記警告情報のみを含む前記応答情報を生成する
中継装置。
【請求項2】
前記リクエスト信号は、前記端末のMACアドレス又はIPアドレスを特定するアドレス特定情報を含み、
前記決定部は、前記アドレス特定情報によって特定されるMACアドレス又はIPアドレスが、所定のMACアドレス又は所定のIPアドレスである場合と、前記所定のMACアドレス又は前記所定のIPアドレスでない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定する
請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記通信情報は、前記中継装置と前記端末との間の通信経路が、無線であるか否かを示す情報を含み、
前記決定部は、前記通信情報が、前記通信経路が無線である旨を示す場合と、無線でない旨を示す場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定する
請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記通信情報が、前記通信経路が無線である旨を示す場合の方が、無線でない旨を示す場合よりも、前記端末へ提供する情報をより制限するように、前記応答方法を決定する
請求項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記リクエスト信号は、前記端末に係る端末情報を示すヘッダを含み、
前記決定部は、前記ヘッダによって示される端末情報が、所定の条件を満たす場合と、前記所定の条件を満たさない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定する
請求項1に記載の中継装置。
【請求項6】
前記リクエスト信号は、前記端末を利用するユーザを特定するためのユーザ特定情報を含み、
前記決定部は、前記ユーザ特定情報から前記ユーザを特定し、特定した前記ユーザが、所定のユーザである場合と、前記所定のユーザでない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定する
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項7】
前記リクエスト信号及び前記応答信号は、MTConnect又はOPC UAに準拠する信号である
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項8】
産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継方法であって、
前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信し、
前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報および応答方法決定テーブルに基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を、提供する前記産業機器情報を制限しない応答方法と、提供する前記産業機器情報を制限する応答方法とのいれかに決定し、
決定した応答方法に応じて、前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成し、
生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信 し、
前記産業機器情報は、軸位置を示す軸位置情報と、消耗度を示す消耗品情報と、警告内容を示す警告情報とを含み、
前記決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限しない応答方法である場合に、前記軸位置情報、前記消耗品情報、および前記警告情報を含む前記応答情報を生成し、前記決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限する応答方法である場合に、前記警告情報のみを含む前記応答情報を生成する
中継方法。
【請求項9】
産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記中継処理は、
前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信する受信ステップと、
前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報および応答方法決定テーブルに基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を、提供する前記産業機器
情報を制限しない応答方法と、提供する前記産業機器情報を制限する応答方法とのいずれかに決定する決定ステップと、
決定した応答方法に応じて、前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成する生成ステップと、
生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信する送信ステップと、を含 み、
前記産業機器情報は、軸位置を示す軸位置情報と、消耗度を示す消耗品情報と、警告内容を示す警告情報とを含み、
前記生成ステップは、前記決定ステップが決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限しない応答方法である場合に、前記軸位置情報、前記消耗品情報、および前記警告情報を含む前記応答情報を生成し、前記決定ステップが決定した応答方法が提供する前記産業機器情報を制限する応答方法である場合に、前記警告情報のみを含む前記応答情報を生成する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報の提供を中継する中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、産業機器(例えば、工作機械、医療機器等)から提供されたその産業機器に係る情報を、端末に提供するシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】インターネット<URL: https://www.mtconnect.org/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記システムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供するシステムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる中継装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中継装置は、産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継装置であって、前記産業機器情報を記憶する記憶部と、前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信する通信部と、前記通信部が前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報に基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を決定する決定部と、前記決定部が決定した応答方法に応じて、前記記憶部が記憶する前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成する生成部と、を備え、前記通信部は、前記生成部が生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信する。
【0007】
上記中継装置によると、決定部は、通信情報に基づいて端末への応答方法を決定し、生成部は、決定部が決定した応答方法に応じて端末へ提供する応答情報を生成する。このため、システム管理者は、決定部に、システム管理者の運用ポリシーに沿うように応答方法を決定させることで、端末に提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則ったものとすることができる。このように、上記中継装置によれば、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供するシステムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0008】
また、前記リクエスト信号は、前記端末のMACアドレス又はIPアドレスを特定するアドレス特定情報を含み、前記決定部は、前記アドレス特定情報によって特定されるMACアドレス又はIPアドレスが、所定のMACアドレス又は所定のIPアドレスである場合と、前記所定のMACアドレス又は前記所定のIPアドレスでない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定するとしてもよい。
【0009】
これにより、上記中継装置によれば、端末へ提供する情報を、その端末のMACアドレス又はIPアドレスに基づいて制限することができる。
【0010】
また、前記通信情報は、前記中継装置と前記端末との間の通信経路が、無線であるか否かを示す情報を含み、前記決定部は、前記通信情報が、前記通信経路が無線である旨を示す場合と、無線でない旨を示す場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定するとしてもよい。
【0011】
これにより、上記中継装置によれば、端末へ提供する情報を、その端末との間の通信経路が無線であるか否かに基づいて制限することができる。
【0012】
また、前記決定部は、前記通信情報が、前記通信経路が無線である旨を示す場合の方が、無線でない旨を示す場合よりも、前記端末へ提供する情報をより制限するように、前記応答方法を決定するとしてもよい。
【0013】
これにより、上記中継装置によれば、端末との間の通信経路が無線である端末に提供する情報の方を、端末との間の通信経路が無線でない端末に提供する情報よりも、より制限されたものとすることができる。
【0014】
また、前記リクエスト信号は、前記端末に係る端末情報を示すヘッダを含み、前記決定部は、前記ヘッダによって示される端末情報が、所定の条件を満たす場合と、前記所定の条件を満たさない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定するとしてもよい。
【0015】
これにより、上記中継装置によれば、端末へ提供する情報を、ヘッダによって示されるその端末の端末情報が所定の条件を満たすか否かに基づいて制限することができる。
【0016】
また、前記リクエスト信号は、前記端末を利用するユーザを特定するためのユーザ特定情報を含み、前記決定部は、前記ユーザ特定情報から前記ユーザを特定し、特定した前記ユーザが、所定のユーザである場合と、前記所定のユーザでない場合とで互いに異なる方法となるように、前記応答方法を決定するとしてもよい。
【0017】
これにより、上記中継装置によれば、端末へ提供する情報を、その端末を利用するユーザが所定のユーザであるか否かに基づいて制限することができる。
【0018】
また、前記リクエスト信号及び前記応答信号は、MTConnect又はOPC UAに準拠する信号であるとしてもよい。
【0019】
これにより、上記中継装置によれば、MTConnect又はOPC USに準拠するシステムで利用することができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中継方法は、産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継方法であって、前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信し、前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報に基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を決定し、決定した応答方法に応じて、前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成し、生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信する。
【0021】
上記中継方法によると、通信情報に基づいて端末への応答方法を決定し、決定した応答方法に応じて端末へ提供する応答情報を生成する。このため、システム管理者は、システム管理者の運用ポリシーに沿うように応答方法を決定させることで、端末に提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則ったものとすることができる。このように、上記中継方法によれば、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供するシステムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、産業機器から提供された当該産業機器の状態に係る産業機器情報の、端末への提供を中継する中継処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記中継処理は、前記端末から、当該端末への情報の提供要求に係るリクエスト信号を受信する受信ステップと、前記リクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報に基づいて、前記リクエスト信号への応答方法を決定する決定ステップと、決定した応答方法に応じて、前記産業機器情報から、前記端末へ提供する応答情報を生成する生成ステップと、生成した前記応答情報を含む応答信号を前記端末へ送信する送信ステップと、を含む。
【0023】
上記プログラムによると、コンピュータが実行する中継処理は、通信情報に基づいて端末への応答方法を決定し、決定した応答方法に応じて端末へ提供する応答情報を生成する。このため、システム管理者は、システム管理者の運用ポリシーに沿うように応答方法を決定させることで、端末に提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則ったものとすることができる。このように、上記プログラムによれば、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供するシステムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る中継装置等によれば、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供するシステムにおいて、端末へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる中継装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施の形態1に係る情報提供システムの構成図である。
図2図2は、実施の形態1に係る中継装置の構成図である。
図3図3は、産業機器情報のデータ構造を示す模式図である。
図4図4は、第1応答方法決定テーブルのデータ構造を示す模式図である。
図5図5は、第1応答処理のフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係る中継装置の構成図である。
図7図7は、第2応答方法決定テーブルのデータ構造を示す模式図である。
図8図8は、第2応答処理のフローチャートである。
図9図9は、実施の形態2に係る中継装置の構成図である。
図10図10は、第3応答方法決定テーブルのデータ構造を示す模式図である。
図11図11は、第3応答処理のフローチャートである。
図12図12は、実施の形態4に係る中継装置の構成図である。
図13図13は、第4応答方法決定テーブル3のデータ構造を示す模式図である。
図14図14は、第4応答処理のフローチャートである。
図15図15は、実施の形態5に係る中継装置の構成図である。
図16図16は、第5応答方法決定テーブルのデータ構造を示す模式図である。
図17図17は、第5応答処理のフローチャートである。
図18図18は、実施の形態6に係る中継装置の構成図である。
図19図19は、第6応答方法決定テーブルのデータ構造を示す模式図である。
図20図20は、第6応答処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0028】
(実施の形態1)
以下、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を端末に提供する情報提供システムについて説明する。
【0029】
図1は、実施の形態1に係る情報提供システム1の構成図である。
【0030】
図1に示されるように、情報提供システム1は、中継装置100と、産業機器110と、端末120a~端末120dと、無線ネットワーク130と、有線ネットワーク140とを含んで構成される。以下、端末120a~端末120dのことを、各個体を区別して説明する必要がない場合には、単に端末120と称することもある。
【0031】
上記構成の情報提供システム1は、中継装置100を備えることで、産業機器110から提供された産業機器110に係る情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0032】
情報提供システム1は、例えば、MTConnectに準拠するシステムであってもよいし、例えば、OPC UAに準拠するシステムであってもよい。しかしながら、情報提供システム1は、必ずしも、MTConnect又はOPC UAに準拠するシステムに限定される必要はない。
【0033】
以下、情報提供システム1を構成する各構成要素について説明する。
【0034】
産業機器110は、中継装置100と通信可能に接続され、産業機器110に係る産業機器情報を、中継装置100に送信する。ここでは、一例として、産業機器110は、材料を工作する工作機械であるとして説明する。しかしながら、産業機器110は、本実施の形態1で説明する通りの工作機械に限定される必要はなく、例えば、医療機器等であっても構わない。
【0035】
産業機器110は、材料を回転させる回転機構と、z軸方向に伸延し、x軸方向及びy軸方向に平行移動可能な主軸と、主軸の先端に固定され、回転する材料を旋削するバイトとを備える工作機械である。バイトは、摩耗するため、定期的に交換する必要がある消耗品である。産業機器110は、消耗品の消耗度を算出する。産業機器110は、例えば、消耗品であるバイトを定期的に撮像し、画像処理を行うことで、消耗品の消耗度を算出するとしてもよい。また産業機器110は、例えば、消耗品であるバイトの使用履歴(使用時間、使用対象となった材料の材質等)から、消耗品の消耗度を算出するとしてもよい。
【0036】
産業機器110は、(1)主軸の軸位置のx軸座標及びy軸座標を示す軸位置情報、(2)消耗品の消耗度を示す消耗品情報、並びに(3)産業機器110が警告を発する状態であるか否かを示す情報であって、警告を発する状態である場合には、その警告の種類を示す警告情報、の3種類を含む産業機器情報を生成する。そして、生成した産業機器情報を中継装置100に送信する。産業機器110は、例えば、中継装置100から、産業機器情報の提供を要求する旨の信号を受信した場合に、産業機器情報を中継装置100に送信するとしてもよいし、所定の周期で定期的に産業機器情報を中継装置100に送信するとしてもよい。
【0037】
無線ネットワーク130は、中継装置100と、端末120aと、端末120bとを無線により通信可能に接続するネットワークである。例えば、無線ネットワーク130は、無線LANであってもよい。
【0038】
有線ネットワーク140は、中継装置100と、端末120cと、端末120dとを有線により通信可能に接続するネットワークである。例えば、有線ネットワーク140は、有線LANであってもよい。ここでは、有線ネットワーク140は、無線ネットワーク130よりも通信速度が速く、通信品質が安定している。
【0039】
端末120は、端末120を利用するユーザによる操作を受け付ける入力インターフェースと、ユーザに対する出力を行う出力インターフェースとを備え、外部機器と通信する通信機能を有する。端末120は、例えば、スマートフォンであってもよいし、パソコンであってもよい。端末120は、ユーザによる操作に応じて、自端末120への産業機器110に係る情報の提供を要求する旨のリクエスト信号を、中継装置100に送信する。また、端末120は、送信したリクエスト信号に応答して、中継装置100から送信された応答信号を中継装置100から受信する。そして、端末120は、受信した応答信号に応じた出力をユーザに対して行う。端末120のうちの端末120aと120bとは、無線ネットワーク130を介して中継装置100と通信し、端末120のうちの端末120cと120dとは、有線ネットワーク140を介して中継装置100と通信する。
【0040】
情報提供システム1が、例えば、MTConnectに準拠するシステムである場合には、端末120が中継装置100に送信するリクエスト信号は、MTConnectに準拠する信号である。また、情報提供システム1が、例えば、OPC UAに準拠するシステムである場合には、端末120が中継装置100に送信するリクエスト信号は、OPC UAに準拠する信号である。
【0041】
中継装置100は、産業機器110から提供された産業機器情報の、端末120への提供を中継する。中継装置100は、例えば、プログラムを記憶するメモリと、メモリに記憶されるプログラムを実行するプロセッサとを有するコンピュータによって、プロセッサがプログラムを実行することで実現される。
【0042】
図2は、実施の形態1に係る中継装置100の構成図である。
【0043】
図2に示されるように、中継装置100は、記憶部10と、通信部20と、決定部30と、生成部40と、取得部50とを含んで構成される。
【0044】
取得部50は、産業機器110と通信可能に接続され、産業機器110から産業機器情報を受信する。
【0045】
記憶部10は、取得部50によって取得された産業機器情報を記憶する。
【0046】
図3は、記憶部10が記憶する産業機器情報11のデータ構造を示す模式図である。
【0047】
図3に示されるように、産業機器情報11は、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含んで構成される。
【0048】
再び図2に戻って、中継装置100の構成についての説明を続ける。
【0049】
通信部20は、端末120と通信可能に接続され、端末120からリクエスト信号を受信する。また、通信部20は、生成部40が応答信号を生成した場合に、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する。ここで、応答情報とは、端末120からリクエスト信号を受信した場合において、そのリクエスト信号の受信に応答してその端末120に送信する応答信号に含ませる情報のことをいう。生成部40による応答情報の生成については後述する。
【0050】
情報提供システム1が、例えば、MTConnectに準拠するシステムである場合には、通信部20が端末120に送信する応答信号は、MTConnectに準拠する信号である。また、情報提供システム1が、例えば、OPC UAに準拠するシステムである場合には、通信部20が端末120に送信する応答信号は、OPC UAに準拠する信号である。
【0051】
図2に示されるように、通信部20は、無線ネットワーク130に接続する無線通信インターフェース21と、有線ネットワーク140に接続する有線通信インターフェース22とを備える。そして、通信部20は、無線ネットワーク130に接続される端末120(端末120a及び端末120bが該当する。)との通信を、無線通信インターフェース21を介して行い、有線ネットワーク140に接続される端末120(端末120c及び端末120dが該当する。)との通信を、有線通信インターフェース22を介して行う。
【0052】
このため、通信部20は、端末120から信号を受信した場合に、その信号が、無線通信インターフェース21を介して受信した信号であるか、有線通信インターフェース22を介して受信した信号であるかを調べることで、中継装置100とその端末120との間の通信経路が無線であるか否かを示す情報を得ることができる。
【0053】
決定部30は、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信に係る通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。ここで、通信情報には、リクエスト信号に含まれる通信に係る情報と、上記通信経路が無線であるか否かを示す情報とが含まれる。本実施の形態1では、端末120が送信するリクエスト信号には、通信に係る情報として、その端末120のIPアドレスを特定するアドレス特定情報が含まれるとして説明する。
【0054】
決定部30は、第1応答方法決定テーブルを記憶し、記憶する第1応答方法決定テーブルを参照して、上記リクエスト信号への応答方法を決定する。
【0055】
図4は、決定部30によって記憶される第1応答方法決定テーブル31のデータ構造を示す模式図である。
【0056】
図4に示されるように、第1応答方法決定テーブル31は、決定部30が決定する応答方法と、端末120のIPアドレスとが対応付けられたテーブルである。
【0057】
第1応答方法決定テーブル31には、決定部30が決定する応答方法として、記憶部10が記憶する産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113と(ここでは、産業機器情報11に含まれる全ての情報)を含む応答情報を生成し、生成した応答情報を含む応答信号を、リクエスト信号を送信した端末120に送信するという第1応答方法、すなわち、端末120へ送信する情報を制限しないという応答方法と、リクエスト信号を送信した端末120に対して応答しないという第2応答方法、すなわち、端末120へ送信する情報を制限するという応答方法とが記載されている。また、第1応答方法決定テーブル31には、端末120のIPアドレスが、第1応答方法に対応付けられて記載されている。
【0058】
第1応答方法決定テーブル31は、例えば、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0059】
なお、第1応答方法決定テーブル31の情報は、情報提供システム1のシステム管理者が予め中継装置100の決定部30に設定されていてもよいし、当該システム管理者によって適宜、運用に則した追加、削除、および更新がなされてもよい。
【0060】
再び図2に戻って、中継装置100の構成についての説明を続ける。
【0061】
決定部30は、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、リクエスト信号に含まれるアドレス特定情報から、そのリクエスト信号を送信した端末120のIPアドレスを特定する。そして、決定部30は、第1応答方法決定テーブル31を参照して、特定した端末120のIPアドレスが、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けられて記載されている場合には、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定し、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けられて記載されていない場合には、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する。
【0062】
生成部40は、決定部30が決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、リクエスト信号を送信した端末120へ提供する応答情報を生成する。より具体的には、生成部40は、決定部30が決定した応答方法が第1応答方法である場合には、記憶部10が記憶する産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113と(ここでは、例えば、産業機器情報11に含まれる全ての情報)を含む応答情報を生成し、決定部30が決定した応答方法が第2応答方法である場合には、応答情報を生成しない。
【0063】
以下、上記構成の中継装置100が行う動作について説明する。
【0064】
中継装置100は、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第1応答処理を行う。
【0065】
図5は、第1応答処理のフローチャートである。
【0066】
第1応答処理は、例えば、記憶部10が産業機器情報11を記憶している状態において、端末120からリクエスト信号が送信されることで開始される。
【0067】
第1応答処理が開始されると、通信部20は、端末120から送信されたリクエスト信号を受信する(ステップS110)。
【0068】
通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30は、そのリクエスト信号に含まれるアドレス特定情報から、そのリクエスト信号を送信した端末120のIPアドレスを特定する。そして、決定部30は、第1応答方法決定テーブル31を参照して、特定した端末120のIPアドレスが、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けられて記載されているか否かを調べる(ステップS120)。
【0069】
ステップS120の処理において、特定した端末120のIPアドレスが、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けられて記載されているIPアドレスである場合には(ステップS120:Yes)、決定部30は、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する(ステップS130)。
【0070】
ステップS120の処理において、特定した端末120のIPアドレスが、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けられて記載されているIPアドレスでない場合には(ステップS120:No)、決定部30は、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する(ステップS140)。
【0071】
ステップS130の処理が終了した場合、及びステップS140の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30が、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30が決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS150)。より具体的には、生成部40は、決定部30が、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成し、決定部30が、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答情報を生成しない。
【0072】
ステップS150の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS160)。より具体的には、通信部20は、決定部30が、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信し、決定部30が、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答信号を端末120へ送信しない。
【0073】
ステップS160の処理が終了すると、中継装置100は、その第1応答処理を終了する。
【0074】
上述したように、中継装置100は、第1応答処理において、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けて記載されたIPアドレスの端末120には、提供する産業機器情報を制限せず、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けて記載されていないIPアドレスの端末120には、提供する産業機器情報を制限する。言い換えれば、中継装置100は、端末120のIPアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、提供する産業機器情報を制限する必要のない端末120のIPアドレスに限って、第1応答方法決定テーブル31に、第1応答方法に対応付けて記載しておくことで、情報提供システム1の運用におけるセキュリティを強化することができる。このように、中継装置100によると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0075】
(実施の形態2)
ここでは、実施の形態1に係る中継装置100から、その構成の一部が変更された実施の形態2に係る中継装置について説明する。実施の形態2に係る中継装置は、実施の形態1において説明した情報提供システム1において、実施の形態1に係る中継装置100の代わりに利用される。本実施の形態2では、端末120が送信するリクエスト信号には、通信に係る情報として、その端末120のMACアドレスを特定するアドレス特定情報が含まれるとして説明する。
【0076】
実施の形態1に係る中継装置100は、端末120のIPアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例であった。これに対して、実施の形態2に係る中継装置は、端末120のMACアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例となっている。
【0077】
以下、実施の形態2に係る中継装置について、実施の形態1に係る中継装置100との相違点を中心に説明する。
【0078】
図6は、実施の形態2に係る中継装置100aの構成図である。
【0079】
図6に示されるように、中継装置100aは、実施の形態1に係る中継装置100から、決定部30が決定部30aへと変更されて構成される。
【0080】
決定部30aは、実施の形態1に係る決定部30と同様に、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。但し、決定部30aは、第1応答方法決定テーブル31の代わりに第2応答方法決定テーブルを記憶し、その応答方法の決定方法が実施の形態1に係る決定部30と異なっている。
【0081】
図7は、決定部30aによって記憶される第2応答方法決定テーブル31aのデータ構造を示す模式図である。
【0082】
図7に示されるように、第2応答方法決定テーブル31aは、決定部30aが決定する応答方法と、端末120のMACアドレスとが対応付けられたテーブルである。
【0083】
第2応答方法決定テーブル31aには、決定部30aが決定する応答方法として、第1応答方法と、第2応答方法とが記載されている。また、第2応答方法決定テーブル31aには、端末120のMACアドレスが、第2応答方法に対応付けられて記載されている。
【0084】
第2応答方法決定テーブル31aは、例えば、第1応答方法決定テーブル31と同様に、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0085】
再び図6に戻って、中継装置100aの構成についての説明を続ける。
【0086】
決定部30aは、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、リクエスト信号に含まれるアドレス特定情報から、そのリクエスト信号を送信した端末120のMACアドレスを特定する。そして、決定部30aは、第2応答方法決定テーブル31aを参照して、特定した端末120のMACアドレスが、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けられて記載されている場合には、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定し、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けられて記載されていない場合には、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する。
【0087】
以下、上記構成の中継装置100aが行う動作について説明する。
【0088】
中継装置100aは、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第2応答処理を行う。
【0089】
第2応答処理は、実施の形態1に係る第1応答処理から、その処理の一部が変更された処理である。
【0090】
図8は、第2応答処理のフローチャートである。
【0091】
第2応答処理において、ステップS210の処理は、実施の形態1に係る第1応答処理における、ステップS110の処理と同等の処理である。このため、ここでは、ステップS220の処理~ステップS260の処理について説明する。
【0092】
ステップS210の処理において、通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30aは、リクエスト信号に含まれるアドレス特定情報から、そのリクエスト信号を送信した端末120のMACアドレスを特定する。そして、決定部30aは、第2応答方法決定テーブル31aを参照して、特定した端末120のMACアドレスが、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けられて記載されているか否かを調べる(ステップS220)。
【0093】
ステップS220の処理において、特定した端末120のMACアドレスが、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けられて記載されているMACアドレスである場合には(ステップS220:Yes)、決定部30aは、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する(ステップS230)。
【0094】
ステップS220の処理において、特定した端末120のMACアドレスが、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けられて記載されているMACアドレスでない場合には(ステップS220:No)、決定部30aは、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する(ステップS240)。
【0095】
ステップS230の処理が終了した場合、及びステップS240の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30aが、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30aが決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS250)。より具体的には、生成部40は、決定部30aが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成し、決定部30aが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答情報を生成しない。
【0096】
ステップS250の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS260)。より具体的には、通信部20は、決定部30aが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信し、決定部30aが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答信号を端末120へ送信しない。
【0097】
ステップS260の処理が終了すると、中継装置100aは、その第2応答処理を終了する。
【0098】
上述したように、中継装置100aは、第2応答処理において、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けて記載されていないMACアドレスの端末120には、提供する産業機器情報を制限せず、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けて記載されているMACアドレスの端末120には、提供する産業機器情報を制限する。言い換えれば、中継装置100aは、端末120のMACアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、提供する産業機器情報を制限する必要のある端末120のMACアドレスを、第2応答方法決定テーブル31aに、第2応答方法に対応付けて記載しておくことで、情報提供システム1の運用におけるセキュリティを強化することができる。このように、中継装置100aによると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0099】
(実施の形態3)
ここでは、実施の形態1に係る中継装置100から、その構成の一部が変更された実施の形態3に係る中継装置について説明する。実施の形態3に係る中継装置は、実施の形態1において説明した情報提供システム1において、実施の形態1に係る中継装置100の代わりに利用される。
【0100】
実施の形態1に係る中継装置100は、端末120のIPアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例であった。これに対して、実施の形態2に係る中継装置は、中継装置と端末120との間の通信経路が、無線であるか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例となっている。
【0101】
以下、実施の形態3に係る中継装置について、実施の形態1に係る中継装置100との相違点を中心に説明する。
【0102】
図9は、実施の形態2に係る中継装置100bの構成図である。
【0103】
図9に示されるように、中継装置100bは、実施の形態1に係る中継装置100から、決定部30が決定部30bへと変更されて構成される。
【0104】
決定部30bは、実施の形態1に係る決定部30と同様に、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。但し、決定部30bは、第1応答方法決定テーブル31の代わりに第3応答方法決定テーブルを記憶し、その応答方法の決定方法が実施の形態1に係る決定部30と異なっている。
【0105】
図10は、決定部30bによって記憶される第3応答方法決定テーブル31bのデータ構造を示す模式図である。
【0106】
図10に示されるように、第3応答方法決定テーブル31bは、決定部30bが決定する応答方法と、中継装置100と端末120との間の通信経路とが対応付けられたテーブルである。
【0107】
第3応答方法決定テーブル31bには、決定部30bが決定する応答方法として、第1応答方法と、記憶部10が記憶する産業機器情報11に含まれる警告情報113のみを含む応答情報を生成し、生成した応答情報を含む応答信号を、リクエスト信号を送信した端末120に送信するという第3応答方法、すなわち、端末120へ送信する情報を制限するという応答方法とが記載されている。また、第3応答方法決定テーブル31bには、通信経路「有線」が、第1応答方法に対応付けられて記載され、通信経路「無線」が第3応答方法に対応付けられて記載されている。
【0108】
第3応答方法決定テーブル31bは、例えば、第1応答方法決定テーブル31と同様に、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0109】
再び図9に戻って、中継装置100bの構成についての説明を続ける。
【0110】
決定部30bは、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、その信号が、無線通信インターフェース21を介して受信した信号であるか、有線通信インターフェース22を介して受信した信号であるかを調べることで、中継装置100bとその端末120との間の通信経路が無線であるか有線であるかを特定する。そして、決定部30bは、第3応答方法テーブル31bを参照して、特定した通信経路が無線である場合には、リクエスト信号への応答方法を第3応答方法と決定し、特定した通信経路が有線である場合には、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する。
【0111】
以下、上記構成の中継装置100bが行う動作について説明する。
【0112】
中継装置100bは、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第3応答処理を行う。
【0113】
第3応答処理は、実施の形態1に係る第1応答処理から、その処理の一部が変更された処理である。
【0114】
図11は、第3応答処理のフローチャートである。
【0115】
第3応答処理において、ステップS310は、実施の形態1に係る第1応答処理における、ステップS110の処理と同等の処理である。このため、ここでは、ステップS320の処理~ステップS360の処理について説明する。
【0116】
ステップS310の処理において、通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30bは、その信号が、無線通信インターフェース21を介して受信した信号であるか、有線通信インターフェース22を介して受信した信号であるかを調べることで、とのリクエスト信号を送信した端末120との間の通信経路が無線であるか否かを特定する(ステップS320)。
【0117】
ステップS320の処理において、特定した通信経路が無線である場合には(ステップS320:Yes)、決定部30bは、第3応答方法決定テーブル31bを参照して、リクエスト信号への応答方法を第3応答方法と決定する(ステップS330)。
【0118】
ステップS320の処理において、特定した通信経路が無線でない場合、すなわち有線である場合には(ステップS320:No)、決定部30bは、第3応答方法決定テーブル31bを参照して、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する(ステップS340)。
【0119】
ステップS330の処理が終了した場合、及びステップS340の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30bが、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30bが決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS350)。より具体的には、生成部40は、決定部30bが、リクエスト信号への応答方法を第3応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる警告情報113のみを含む応答情報を生成し、決定部30bが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成する。
【0120】
ステップS350の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS360)。
【0121】
ステップS360の処理が終了すると、中継装置100bは、その第3応答処理を終了する。
【0122】
上述したように、中継装置100bは、第3応答処理において、中継装置100bとの間の通信経路が無線である端末120には、提供する産業機器情報を制限し、中継装置100bとの間の通信経路が無線でない端末120には、提供する産業機器情報を制限しない。言い換えれば、中継装置100bは、中継装置100と端末120との間の通信経路が無線であるか否かに応じて、無線である場合の方が、無線でない場合よりも、端末120へ提供する情報をより制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、通信速度が有線ネットワーク140よりも小さな無線ネットワーク130を経由して端末120へ送信する情報量の方を、有線ネットワーク140を経由して端末120へ送信する情報量よりも、より少なくすることができる。このように、中継装置100bによると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0123】
(実施の形態4)
ここでは、実施の形態1に係る中継装置100から、その構成の一部が変更された実施の形態4に係る中継装置について説明する。実施の形態4に係る中継装置は、実施の形態1において説明した情報提供システム1において、実施の形態1に係る中継装置100の代わりに利用される。本実施の形態4では、端末120が送信するリクエスト信号には、通信に係る情報として、HTTPパケットのヘッダが含まれるとして説明する。
【0124】
実施の形態1に係る中継装置100は、端末120のIPアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例であった。これに対して、実施の形態4に係る中継装置は、端末120が送信するリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例となっている。
【0125】
以下、実施の形態4に係る中継装置について、実施の形態1に係る中継装置100との相違点を中心に説明する。
【0126】
図12は、実施の形態4に係る中継装置100cの構成図である。
【0127】
図12に示されるように、中継装置100cは、実施の形態1に係る中継装置100から、決定部30が決定部30cへと変更されて構成される。
【0128】
決定部30cは、実施の形態1に係る決定部30と同様に、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。但し、決定部30cは、第1応答方法決定テーブル31の代わりに第4応答方法決定テーブルを記憶し、その応答方法の決定方法が実施の形態1に係る決定部30と異なっている。
【0129】
図13は、決定部30cによって記憶される第4応答方法決定テーブル31cのデータ構造を示す模式図である。
【0130】
図13に示されるように、第4応答方法決定テーブル31cは、決定部30cが決定する応答方法と、HTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドに関する条件とが対応付けられたテーブルである。
【0131】
第4応答方法決定テーブル31cには、決定部30cが決定する応答方法として、第2応答方法と、第1応答方法とが記載されている。また、第4応答方法決定テーブル31cには、HTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドに関する条件が、第1応答方法に対応付けられて記載されている。ここでは、HTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドに関する条件が、HTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドに、図示された文字列の内のうち独自アプリケーションの場合のみ(例えば、独自アプリケーションであれば含まれる“APP/1.0.0”など)を含むという所定の条件の例となっている。ただし、上記所定の条件は、あくまでも一例に過ぎず、HTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドに関する所定の条件は、必ずしも上記所定の条件に限定される必要はない。
【0132】
第4応答方法決定テーブル31cは、例えば、第1応答方法決定テーブル31と同様に、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0133】
再び図12に戻って、中継装置100cの構成についての説明を続ける。
【0134】
決定部30cは、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、第4応答方法決定テーブル31cを参照して、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしているか否かを判定する。そして、決定部30cは、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしている場合には、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定し、満たしていない場合には、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する。
【0135】
以下、上記構成の中継装置100cが行う動作について説明する。
【0136】
中継装置100cは、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第4応答処理を行う。
【0137】
第4応答処理は、実施の形態1に係る第1応答処理から、その処理の一部が変更された処理である。
【0138】
図14は、第4応答処理のフローチャートである。
【0139】
第4応答処理において、ステップS410の処理は、実施の形態1に係る第1応答処理における、ステップS110の処理と同等の処理である。このため、ここでは、ステップS420の処理~ステップS460の処理について説明する。
【0140】
ステップS410の処理において、通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30cは、第4応答方法決定テーブル31cを参照して、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS420)。
【0141】
ステップS420の処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしている場合には(ステップS420:Yes)、決定部30cは、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する(ステップS430)。
【0142】
ステップS420の処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしていない場合には(ステップS420:No)、決定部30cは、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する(ステップS440)。
【0143】
ステップS430の処理が終了した場合、及びステップS440の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30cが、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30cが決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS450)。より具体的には、生成部40は、決定部30cが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成し、決定部30cが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答情報を生成しない。
【0144】
ステップS450の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS460)。より具体的には、通信部20は、決定部30cが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信し、決定部30cが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答信号を端末120へ送信しない。
【0145】
ステップS460の処理が終了すると、中継装置100cは、その第4応答処理を終了する。
【0146】
上述したように、中継装置100cは、第4応答処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしていない端末120には、提供する産業機器情報を制限せず、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たしている端末120には、提供する産業機器情報を制限する。言い換えれば、中継装置100cは、端末120が送信するリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、例えば、汎用的なブラウザ等の広く一般に配布されているアプリケーションを実行する端末120からのリクエストには応答しないようにすること、又は、例えば、デスクトップパソコン型の端末120には、提供する産業機器情報を制限せず、モバイル型の端末120には、提供する産業機器情報を制限すること等ができる。このように、中継装置100cによると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0147】
(実施の形態5)
ここでは、実施の形態4に係る中継装置100cから、その構成の一部が変更された実施の形態5に係る中継装置について説明する。実施の形態5に係る中継装置は、実施の形態1において説明した情報提供システム1において、実施の形態1に係る中継装置100の代わりに利用される。本実施の形態5では、端末120が送信するリクエスト信号には、通信に係る情報として、HTTPパケットのヘッダが含まれるとして説明する。
【0148】
実施の形態4に係る中継装置100cは、端末120が送信するリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのUser-Agentフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例であった。これに対して、実施の形態5に係る中継装置は、端末120が送信するリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例となっている。
【0149】
以下、実施の形態5に係る中継装置について、実施の形態4に係る中継装置100cとの相違点を中心に説明する。
【0150】
図15は、実施の形態5に係る中継装置100dの構成図である。
【0151】
図15に示されるように、中継装置100dは、実施の形態4に係る中継装置100dから、決定部30cが決定部30dへと変更されて構成される。
【0152】
決定部30dは、実施の形態4に係る決定部30cと同様に、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。但し、決定部30cは、第4応答方法決定テーブル31cの代わりに第5応答方法決定テーブルを記憶し、その応答方法の決定方法が実施の形態4に係る決定部30cと異なっている。
【0153】
図16は、決定部30dによって記憶される第5応答方法決定テーブル31dのデータ構造を示す模式図である。
【0154】
図16に示されるように、第5応答方法決定テーブル31dは、決定部30dが決定する応答方法と、HTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドに関する条件とが対応付けられたテーブルである。
【0155】
第5応答方法決定テーブル31dには、決定部30dが決定する応答方法として、第1応答方法と、第2応答方法とが記載されている。また、第5応答方法決定テーブル31dには、HTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドに関する条件が、第1応答方法に対応付けられて記載されている。ここでは、HTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドに関する条件が、HTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドに、図示された文字列("application/xhtml+xml"、" application/xml"等)の内のいずれかを含むという所定の条件の例となっている。ただし、上記所定の条件は、あくまでも一例に過ぎず、HTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドに関する所定の条件は、必ずしも上記所定の条件に限定される必要はない。
【0156】
第5応答方法決定テーブル31dは、例えば、第1応答方法決定テーブル31と同様に、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0157】
再び図15に戻って、中継装置100dの構成についての説明を続ける。
【0158】
決定部30dは、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、第5応答方法決定テーブル31dを参照して、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしているか否かを判定する。そして、決定部30dは、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしている場合には、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定し、満たしていない場合には、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する。
【0159】
以下、上記構成の中継装置100dが行う動作について説明する。
【0160】
中継装置100dは、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第5応答処理を行う。
【0161】
第5応答処理は、実施の形態4に係る第4応答処理から、その処理の一部が変更された処理である。
【0162】
図17は、第5応答処理のフローチャートである。
【0163】
第5応答処理において、ステップS510の処理は、実施の形態4に係る第4応答処理における、ステップS410の処理と同等の処理である。このため、ここでは、ステップS520の処理~ステップS560の処理について説明する。
【0164】
ステップS510の処理において、通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30dは、第5応答方法決定テーブル31dを参照して、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS520)。
【0165】
ステップS520の処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしている場合には(ステップS520:Yes)、決定部30dは、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定する(ステップS530)。
【0166】
ステップS520の処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしていない場合には(ステップS520:No)、決定部30dは、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定する(ステップS540)。
【0167】
ステップS530の処理が終了した場合、及びステップS540の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30dが、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30dが決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS550)。より具体的には、生成部40は、決定部30dが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成し、決定部30dが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答情報を生成しない。
【0168】
ステップS550の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS560)。より具体的には、通信部20は、決定部30dが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信し、決定部30dが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答信号を端末120へ送信しない。
【0169】
ステップS560の処理が終了すると、中継装置100dは、その第5応答処理を終了する。
【0170】
上述したように、中継装置100dは、第5応答処理において、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしている端末120には、提供する産業機器情報を制限せず、リクエスト信号に含まれるHTTPパケットのヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たしていない端末120には、提供する産業機器情報を制限する。言い換えれば、中継装置100dは、端末120が送信するリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、例えば、受け取り希望の文字コードがxml形式であるアプリケーションを実行する端末120からのリクエストに限って応答するようにすることができる。このように、中継装置100dによると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0171】
(実施の形態6)
ここでは、実施の形態1に係る中継装置100から、その構成の一部が変更された実施の形態6に係る中継装置について説明する。実施の形態6に係る中継装置は、実施の形態1において説明した情報提供システム1において、実施の形態1に係る中継装置100の代わりに利用される。本実施の形態6では、端末120が送信するリクエスト信号には、通信に係る情報として、その端末120を利用するユーザを特定するためのユーザ特定情報(ここでは、例えば、ユーザを識別するユーザIDと、そのユーザIDに対応付けられたユーザパスワードと)が含まれるとして説明する。
【0172】
実施の形態1に係る中継装置100は、端末120のIPアドレスに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例であった。これに対して、実施の形態6に係る中継装置は、リクエスト信号を送信した端末120を利用するユーザに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる構成の例となっている。
【0173】
以下、実施の形態6に係る中継装置について、実施の形態1に係る中継装置100との相違点を中心に説明する。
【0174】
図18は、実施の形態6に係る中継装置100eの構成図である。
【0175】
図18に示されるように、中継装置100eは、実施の形態1に係る中継装置100から、決定部30が決定部30eへと変更されて構成される。
【0176】
決定部30eは、実施の形態1に係る決定部30と同様に、通信部20がリクエスト信号を受信することによって得られた通信情報に基づいて、そのリクエスト信号への応答方法を決定する。但し、決定部30eは、第1応答方法決定テーブル31の代わりに第6応答方法決定テーブルを記憶し、その応答方法の決定方法が実施の形態1に係る決定部30と異なっている。
【0177】
図19は、決定部30eによって記憶される第6応答方法決定テーブル31eのデータ構造を示す模式図である。
【0178】
図19に示されるように、第6応答方法決定テーブル31eは、決定部30dが決定する応答方法と、端末120を利用するユーザとが対応付けられたテーブルである。
【0179】
第6応答方法決定テーブル31eには、決定部30eが決定する応答方法として、第1応答方法と、第2応答方法と、第3応答方法とが記載されている。また、第6応答方法決定テーブル31eには、端末120を利用するユーザとして、第1応答方法に対応付けられてA氏、C氏等が記載され、第2応答方法に対応付けられてB氏等が記載され、第3応答方法に対応付けられて、N氏等が記載されている。
【0180】
第6応答方法決定テーブル31eは、例えば、第1応答方法決定テーブル31と同様に、情報提供システム1を管理するシステム管理者によって、情報提供システム1の運用ポリシーに沿う内容となるように作成される。
【0181】
再び図18に戻って、中継装置100eの構成についての説明を続ける。
【0182】
決定部30eは、通信部20が、端末120からリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に含まれるユーザ特定情報から、その端末120を利用するユーザを特定する。より具体的には、決定部30eは、そのリクエスト信号に含まれるユーザIDとユーザパスワードとから、そのユーザを特定する。そして、決定部30eは、第6応答方法決定テーブル31eを参照して、そのリクエスト信号への応答方法を、特定したユーザに対応付けられた応答方法と決定する。
【0183】
以下、上記構成の中継装置100eが行う動作について説明する。
【0184】
中継装置100eは、端末120から送信されたリクエスト信号を受信し、受信したリクエスト信号に応答する応答信号をその端末120に送信する第6応答処理を行う。
【0185】
第6応答処理は、実施の形態1に係る第1応答処理から、その処理の一部が変更された処理である。
【0186】
図20は、第6応答処理のフローチャートである。
【0187】
第6応答処理において、ステップS610の処理は、実施の形態1に係る第1応答処理における、ステップS110の処理と同等の処理である。このため、ここでは、ステップS620の処理~ステップS680の処理について説明する。
【0188】
ステップS610の処理において、通信部20がリクエスト信号を受信すると、決定部30eは、そのリクエスト信号に含まれるユーザ特定情報から、その端末120を利用するユーザの特定を試みる(ステップS620)。
【0189】
ステップS620の処理において、ユーザがA氏であると特定した場合に(ステップS620:A氏)、決定部30eは、第6応答方法決定テーブル31eを参照して、リクエスト信号への応答方法を、A氏に対応付けられたA氏用の応答方法である第1応答方法と決定する(ステップS630)。
【0190】
ステップS620の処理において、ユーザがB氏であると特定した場合に(ステップS620:B氏)、決定部30eは、第6応答方法決定テーブル31eを参照して、リクエスト信号への応答方法を、B氏に対応付けられたB氏用の応答方法である第2応答方法と決定する(ステップS640)。
【0191】
ステップS620の処理において、ユーザがC氏であると特定した場合に(ステップS620:C氏)、決定部30eは、第6応答方法決定テーブル31eを参照して、リクエスト信号への応答方法を、C氏に対応付けられたC氏用の応答方法である第1応答方法と決定する(ステップS650)。
【0192】
ステップS620の処理において、ユーザがN氏であると特定した場合に(ステップS620:N氏)、決定部30eは、第6応答方法決定テーブル31eを参照して、リクエスト信号への応答方法を、N氏に対応付けられたN氏用の応答方法である第3応答方法と決定する(ステップS660)。
【0193】
ステップS630の処理が終了した場合、ステップS640の処理が終了した場合、ステップS650の処理が終了した場合、及びステップS660の処理が終了した場合に、すなわち、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を決定した場合に、生成部40は、決定部30eが決定した応答方法に応じて、記憶部10が記憶する産業機器情報11から、応答情報を生成する(ステップS670)。より具体的には、生成部40は、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる、軸位置情報111と、消耗品情報112と、警告情報113とを含む応答情報を生成し、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答情報を生成せず、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を第3応答方法と決定した場合には、産業機器情報11に含まれる警告情報113のみを含む応答情報を生成する。
【0194】
ステップS670の処理が終了すると、通信部20は、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信する(ステップS680)。より具体的には、通信部20は、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を第1応答方法と決定した場合、及び第3応答方法と決定した場合には、生成部40が生成した応答情報を含む応答信号を端末120へ送信し、決定部30eが、リクエスト信号への応答方法を第2応答方法と決定した場合には、応答信号を端末120へ送信しない。
【0195】
ステップS680の処理が終了した場合、及びステップS620の処理において、ユーザを特定できなかった場合に(ステップS620:No)、中継装置100eは、その第6応答処理を終了する。
【0196】
上述したように、中継装置100eは、第6応答処理において、端末120を利用するユーザ毎にそのユーザ用の応答情報を生成し、生成した応答情報をそのユーザが利用する端末120に送信する。言い換えれば、中継装置100eは、端末120を利用するユーザに応じて、その端末120に提供する産業機器情報を制限することができる。このため、情報提供システム1を管理するシステム管理者は、例えば、産業機器情報の中の特定の情報を、特定のユーザに限って提供するようにすることができる。このように、中継装置100eによると、産業機器110から提供された産業機器情報を端末120へ提供する場合において、端末120へ提供する産業機器情報を、システム管理者の運用ポリシーに則って制限することができる。
【0197】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る中継装置について、実施の形態1~実施の形態6に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0198】
(1)実施の形態1~実施の形態6において、決定部(決定部30、決定部30a~決定部30e)が決定するリクエスト信号への応報方法は、第1応答方法と、第2応答方法と、第3応答方法とのいずれかの応答方法であるとして説明した。しかしながら、決定部は、リクエスト信号への応答方法を、第1応答方法と、第2応答方法と、第3応答方法とのいずれかの応答方法と決定する例に限定される必要はない。決定部が決定する、リクエスト信号への応答方法は、考えられ得る限りのあらゆる応答方法であっても構わない。
【0199】
(2)実施の形態4、実施の形態5において、決定部(決定部30c、決定部30d)は、リクエスト信号のHTTPパケットヘッダのUser-Agentフィールド、又はリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、リクエスト信号への応答方法を決定するとして説明した。しかしながら、決定部は、リクエスト信号のヘッダに含まれる情報が所定の条件を満たすか否かに応じて、リクエスト信号への応答方法を決定することができれば良いのであって、リクエスト信号のHTTPパケットヘッダのUser-Agentフィールド、又はリクエスト信号のHTTPパケットヘッダのAcceptフィールドが所定の条件を満たすか否かに応じて、リクエスト信号への応答方法を決定する例に限定される必要はない。
【0200】
(3)実施の形態6において、ユーザ特定情報は、ユーザを識別するユーザIDと、そのユーザIDに対応付けられたパスワードとであるとして説明した。しかしながら、ユーザ特定情報は、決定部(決定部30e)がその情報を用いてユーザを特定することができればどのような情報であってもよく、ユーザを識別するユーザIDと、そのユーザIDに対応付けられたパスワードとである例に限定される必要はない。
【0201】
(4)実施の形態1~実施の形態6における、第1応答処理~第6応答処理におけるステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本発明は、第1応答処理~第6応答処理におけるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0202】
例えば、本発明が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0203】
(5)実施の形態1~実施の形態6において、中継装置(中継装置100、中継装置100a~中継装置100e)において、中継装置に含まれる複数の構成要素は、それぞれ、専用または汎用の回路として実現されてもよい。これらの構成要素は、1つの回路として実現されてもよいし、複数の回路として実現されてもよい。
【0204】
また、中継装置に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称される場合がある。
【0205】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。上述したように、プログラム可能なFPGA、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0206】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、中継装置に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0207】
(6)その他、実施の形態1~実施の形態6に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明は、産業機器から提供されたその産業機器に係る情報を、端末に提供するシステム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0209】
1 情報提供システム
10 記憶部
11 産業機器情報
20 通信部
21 無線通信インターフェース
22 有線通信インターフェース
30、30a、30b、30c、30d、30e 決定部
31 第1応答方法決定テーブル
31a 第2応答方法決定テーブル
31b 第3応答方法決定テーブル
31c 第4応答方法決定テーブル
31d 第5応答方法決定テーブル
31e 第6応答方法決定テーブル
40 生成部
50 取得部
100、100a、100b、100c、100d、100e 中継装置
110 産業機器
120、120a、120b、120c、120d 端末
130 無線ネットワーク
140 有線ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20