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特許7108352情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20180101AFI20220721BHJP
   G01D 9/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G06F9/445 130
G01D9/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022076866
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2022003971の分割
【原出願日】2022-01-13
【審査請求日】2022-05-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522017575
【氏名又は名称】株式会社Premo R&D
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】辻 秀典
(72)【発明者】
【氏名】宮本 淳太
【審査官】宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-316770(JP,A)
【文献】特開2014-076527(JP,A)
【文献】特開2013-031150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F9/445
G01D9/00
G01K
G01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得する取得部と、
前記環境に係る状態を示す環境値の複数種類に対応する複数の計算ロジックと前記環境値の計算方法の複数種類に対応する複数の計算ロジックの少なくともいずれかを記憶するロジック記憶部と、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算する計算部と、
前記センシング部を介して外部に前記環境値を送信する送信部と、を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得する取得部と、
前記環境に係る状態を示す環境値の複数種類に対応する複数の計算ロジックを記憶するロジック記憶部と、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算する計算部と、
前記センシング部を介して外部から前記種類を指定する情報を受信する種類受信部と、を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得する取得部と、
前記環境に係る状態を示す環境値の複数種類に対応する複数の計算ロジックを記憶するロジック記憶部と、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算する計算部と
前記センシング部を介して外部から前記種類及び前記計算ロジックの入力を受け付け、受け付けた前記種類及び前記計算ロジックを前記記憶部に書き込む登録部と、を備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
種類ごとに環境値を記憶する環境値記憶部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、前記計測値から、第1の前記計算ロジックにより第1の種類の前記環境値を計算するとともに、第2の前記計算ロジックにより第2の種類の前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
算出に利用する計算ロジックの条件情報を記憶する条件記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記条件情報に合致する前記計算ロジックに従って、対応する前記環境値を算出すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
他の情報処理装置が送信する第1の前記種類の前記環境値を受信する環境値受信部をさらに備え、
前記計算部は、前記第1の種類に対応する第1の前記計算ロジックにより前記計測値から計算した前記第1の種類の前記環境値と、前記他の情報処理装置から受信した前記第1の種類の環境値とを用いて、第2の種類の環境値に対応する前記計算ロジックに従って前記第2の種類の前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、前記計測値に基づいて、前記計測値の瞬時値から前記環境値を計算する第1の計算方法に対応する第1の前記計算ロジックにより前記環境値を計算するとともに、前記計測値の時系列データから前記環境値を計算する第2の計算方法に対応する第2の前記計算ロジックにより前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
算出に利用する計算ロジックの条件情報を記憶する条件記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記条件情報に合致する前記計算ロジックに従って、対応する前記計算方法により前記環境値を算出すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、を備える情報処理装置による計測方法であって、
前記メモリが、前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値の複数種類のそれぞれに対応する複数の計算ロジックと前記環境値の計算方法の複数種類のそれぞれに対応する複数の計算ロジックの少なくともいずれかを記憶し、
前記プロセッサが、前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得し、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算し、
前記センシング部を介して外部に前記環境値を送信すること、
を特徴とする計測方法。
【請求項11】
環境値の複数種類のそれぞれに対応する複数の計算ロジックと前記環境値の計算方法の複数種類のそれぞれに対応する複数の計算ロジックの少なくともいずれかを記憶するメモリを有するプロセッサと、センシング部と、を備える情報処理装置において、
前記プロセッサに、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得するステップと、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算するステップと、
前記センシング部を介して外部に前記環境値を送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には温度を測定する温度センシングデバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6342179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の温度センシングデバイスでは単一の環境値である温
度しか測定できない。または、状況に応じて測定演算の方法を変更することはできない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、所望の環境値を計測することの
できる、あるいは所望の演算方法で環境値を計測することのできる技術を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理装置であって、メモリを有
するプロセッサと、センシング部と、前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置
された環境に応じた計測値を取得する取得部と、前記環境に係る状態を示す環境値の複数
種類に対応する複数の計算ロジックと前記環境値の計算方法の複数種類に対応する複数の
計算ロジックの少なくともいずれかを記憶するロジック記憶部と、設定された前記種類に
対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計算する計算部と、を備え
ることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面に
より明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望の環境値を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態であるセンサデバイスのハード構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態であるセンサデバイスのソフトウェア構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態であるロジック記憶部131に記憶される情報例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態である環境値記憶部132に記憶される情報例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態である条件記憶部133に記憶される情報例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態である処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成
を備える。
[項目1]
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得す
る取得部と、
前記環境に係る状態を示す環境値の複数種類に対応する複数の計算ロジックと前記環境
値の計算方法の複数種類に対応する複数の計算ロジックの少なくともいずれかを記憶する
ロジック記憶部と、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計
算する計算部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目2]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部を介して外部に前記環境値を送信する送信部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目3]
項目1又は2に記載の情報処理装置であって、
種類ごとに環境値を記憶する環境値記憶部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部を介して外部から前記種類を指定する情報を受信する種類受信部をさ
らに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目5]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部を介して外部から前記種類及び前記計算ロジックの入力を受け付け、
受け付けた前記種類及び前記計算ロジックを前記記憶部に書き込む登録部をさらに備える
こと、
を特徴とする情報処理装置。
[項目6]
項目1ないし5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、前記計測値から、第1の前記計算ロジックにより第1の種類の前記環境
値を計算するとともに、第2の前記計算ロジックにより第2の種類の前記環境値を計算す
ること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目7]
項目1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
算出に利用する計算ロジックの条件情報を記憶する条件記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記条件情報に合致する前記計測ロジックに従って、対応する前記環境
値を算出すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目8]
項目1ないし7のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
他の情報処理装置が送信する第1の前記種類の前記環境値を受信する環境値受信部をさ
らに備え、
前記計算部は、前記第1の種類に対応する第1の前記計算ロジックにより前記計測値か
ら計算した前記第1の種類の前記環境値と、前記他の情報処理装置から受信した前記第1
の種類の環境値とを用いて、第2の種類の環境値に対応する前記計算ロジックに従って前
記第2の種類の前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目9]
項目1ないし5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、前記計測値に基づいて、前記計測値の瞬時値から前記環境値を計算する
第1の計算方法に対応する第1の前記計算ロジックにより前記環境値を計算するとともに
、前記計測値の時系列データから前記環境値を計算する第2の計算方法に対応する第2の
前記計算ロジックにより前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目10]
項目1ないし6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
算出に利用する計算ロジックの条件情報を記憶する条件記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記条件情報に合致する前記計測ロジックに従って、対応する前記計算
方法により前記環境値を算出すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目11]
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、を備える情報処理装置による情報処理
方法であって、
前記メモリが、前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値の複数の種
類のそれぞれに対応する計算ロジックを記憶し、
前記プロセッサが、前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応
じた計測値を取得し、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計
算すること、
を特徴とする情報処理方法。
[項目12]
環境値の複数の種類のそれぞれに対応する計算ロジックを記憶するメモリを有するプロ
セッサと、センシング部と、を備える情報処理装置において、
前記プロセッサに、
前記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得す
るステップと、
設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計測値から前記環境値を計
算するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0011】
<第1の実施形態>
<ハードウェア>
図1は、本発明の一実施形態であるセンサデバイスのハード構成例を示す。センサデバ
イス1は、プロセッサ10とセンシング部30とを備え、プロセッサ10はメモリ20を
備える。センシング部30は、センサデバイスが配備された環境に応じた計測値を計測す
る。プロセッサ10は、センシング部30で計測した計測値を受信してメモリ20に記録
し、測定値を計算ロジックに与えることで環境値を算出する。環境値とは、センサデバイ
スが配備された環境の状態を示す値である。プロセッサ10は、算出した環境値をメモリ
20に記録する。本実施形態では、センシング部の一例としてコイル30を適用した実施
形態を説明するが、これに限られない。コイル30は、隣接して配置される他のセンサデ
バイスのコイル30と誘導結合により信号を送受信することができる。本実施形態ではセ
ンサデバイスをペアで用いる。2つのセンサデバイスのコイル同士の相対距離や角度が変
化することにより、誘導結合の結合強度が変化し、コイルに発生する電圧値又は電圧の振
幅値が変化する。本実施形態では、プロセッサ10は、この電圧を計測値として環境値を
算出することができる。メモリ20は、算出された環境値を記録する。
【0012】
本実施形態のセンサデバイスは、複数の環境値の種類のそれぞれについて計算ロジック
を記憶しており、同じ計測値から複数種類の環境値を計算し得る。センサデバイスは、指
定された種類に対応する計算ロジックを用いることにより、同じセンサの計測値(コイル
30が測定した電圧)に基づいて異なる種類の環境値を求めることができる。また、図1
に示すプロセッサ及びセンシング部を分離不能に半導体チップ上に実装することにより、
本実施形態におけるセンサデバイスをCPUで構成することができる。その場合のセンサデ
バイスの直径を、例えば0.3mm程度とすることができ、センサデバイスを小型化すること
ができる。例えば、プロセッサとセンシング部は、分離不能に、半導体チップ上(1チッ
プ上)に実装されうる。ここで、半導体チップとは、電子回路が組み込まれたシリコンの
小さな薄片(シリコンダイ、又はダイ)と定義する。あるいは、場合によっては、シリコ
ンダイを封止したパッケージと定義することも可能である。

<ソフトウェア>
【0013】
図2は、センサデバイスの機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、セン
サデバイスは、取得部111と、計算部112と、送信部113と、種類受信部114と
、老特部115と、環境値受信部116と、ロジック記憶部131と、環境値記憶部13
2と、条件記憶部133と、を含んで構成される。
【0014】
ロジック記憶部131は、計算ロジックを記憶する。本実施形態のロジック記憶部13
1は、環境値の種類ごとに計算ロジックを記憶する。図3に、ロジック記憶部131に記
憶される情報の一例を示す。ロジック記憶部131には、環境値の種類に紐付けて、計算
ロジックが記憶される。上述したように計算ロジックは、計測値に基づいて環境値を算出
するアルゴリズムを含む。計測値は、コイルが計測した値であり、本実施形態では例えば
コイルに発生する電圧値とすることができる。環境値は、センサデバイスが置かれた環境
に関する値であり、例えば、温度、振動、圧力、電磁波、音量、湿度などでありうる。例
えば、2つのセンサデバイス間の位置関係が変化すると、コイルに発生する電圧又は電圧
の振幅が変化する。また、2つのセンサデバイスの位置関係の変化は、センサデバイス周
りの温度や圧力、湿度など、センサデバイスの外部から与えられる音や電磁波などの振動
、センサデバイスが埋め込まれ、配置され、又は貼付された物の振動などにより変化する
ことが知られており、このセンサデバイスの相対位置関係の変化に起因して発生するコイ
ルの電圧又は電圧の変化を適切な計算ロジックで処理することにより、例えば、温度、振
動、圧力、電磁波、音量、湿度などを算出することができる。
【0015】
環境値記憶部132は、環境値を記憶する。本実施形態の環境値記憶部132は、種類
ごとに環境値の履歴を記憶する。図4に、環境値記憶部132に記憶される情報の一例を
示す。環境値記憶部132には、環境値の種類、環境値、計算した時点(タイムスタンプ
)等の情報が含まれるが、これらに限定されない。タイムスタンプは、計測値が計測され
た時点としてもよい。
【0016】
条件記憶部133は、どの種類の環境値を計算するかを決定する情報を記憶する。本実
施形態の条件記憶部133は、センサデバイスが取得可能な事象についての条件に対応付
けて、当該条件が満たされたときに計算するべき環境値の種類を記憶する。条件及び環境
値の種類のペアは複数登録されてもよい。なお、条件記憶部133には、無条件で計算す
る環境値の種類を記憶するようにしてもよい。また、条件記憶部133には、条件を設け
ずに、計算するべき環境値の種類を1つ又は複数記憶するようにしてもよい。
【0017】
取得部111は、センサデバイスが備えるセンシング部(コイル)が計測した計測値を
取得する。本実施形態の取得部111は、コイル30に発生する電圧の値を計測値として
取得することができる。
【0018】
計算部112は、環境値を計算する。計算部112は、設定された種類に対応する計算
ロジックにより計測値から環境値を計算することができる。計算部112は、例えば、条
件記憶部133に記憶されている条件のうち満たされているものに対応する種類を特定し
、特定した種類に対応する計算ロジックをロジック記憶部131から読み出し、読み出し
た計算ロジックに、取得部111が取得した計測値を与えて環境値を計算することができ
る。
【0019】
また、計算部112は、コイル30から取得した計測値から、第1の計算ロジックによ
り第1の種類の環境値を計算するとともに、第1の計算ロジックとは異なる第2の計算ロ
ジックにより第2の種類の環境値を計算することもできる。例えば、計算部112は、計
測値を温度に対応する計算ロジックに与えるとともに、湿度に対応する計算ロジックにも
与え、温度と湿度とを計算するようにすることができる。
【0020】
また、計算部112は、条件に合致する計測ロジックに従って、対応する環境値を算出
することができる。計算部112は、例えば、クロック(不図示)から取得可能な時刻情
報やコイル30から取得した計測値などが、条件記憶部133に記憶されている条件を満
たすか否かを判定し、満たされた条件がある場合には、満たされた条件に対応する種類を
特定し、特定した種類に対応する計算ロジックをロジック記憶部131から読み出し、読
み出した計算ロジックを用いて環境値の計算を行うことができる。
【0021】
また、計算部112は、第1の種類に対応する第1の計算ロジックにより計測値から計
算した第1の種類の環境値と、他のセンサデバイスから受信した第1の種類の環境値とを
用いて、第2の種類の環境値に対応する計算ロジックに従って第2の種類の環境値を計算
することもできる。例えば、計算部112は、計測値から温度(第1の種類の環境値)と
湿度(第2の種類の環境値)とを計算し、温度及び湿度を用いて不快指数を計算すること
ができる。
【0022】
送信部113は、環境値を外部に送信する。送信部113は、コイル30を介して環境
値を外部に送信することができる。この場合、コイル30は計測値を取得する取得部及び
環境値を外部に送信する送信部としての機能を有する。なお、送信部113は、他の方法
により環境値を送信するようにすることもできる。
【0023】
種類受信部114は、環境値の種類の指定を受け付ける。種類受信部114は、例えば
、コイル30を介して外部装置から種類を指定する情報を受信することができる。環境値
の種類には、例えば、温度、振動、圧力、電磁波、音量、湿度などがあり得る。
【0024】
登録部115は、計算ロジックを登録する。登録部115は、例えば、コイル30を介
して外部装置から種類及び計算ロジックの入力を受け付け、受け付けた種類及び計算ロジ
ックをロジック記憶部131に書き込むことができる。環境値受信部116は、他のセン
サデバイスから送信される環境値を受信することができる。
【0025】
計算部112は、環境値受信部116が受信した第1の環境値と、計算ロジックにより
計算した第2の環境値とを用いて第3の環境値を計算するようにすることができる。例え
ば、地中にセンサデバイスが配置されている場合に、計算部112は、地表に配置された
センサデバイスから温度を受信し、自身が計算した温度との比較で、地表と地中との温度
差を計算することができる。
【0026】
<動作>
図6は、本発明の一実施形態である処理の流れを説明する制御フロー図である。
【0027】
センサデバイスでは、取得部111が、センサで計測した計測値(本実施形態ではコイ
ル30の電圧)を取得する(S141)。次に、計算部112が、条件記憶部133に記
憶されている条件のうち成就しているものに対応する環境値の種類を特定し(又は、コイ
ルを介して外部から受信した環境値の種類を指定する情報に基づいて種類を特定し)、特
定した種類に対応する計算ロジックをロジック記憶部131から特定し(S142)、特
定した計算ロジックに計測値を与えて環境値を計算し(S143)、計算した環境値に環
境値の種類及びタイムスタンプを対応付けて環境値記憶部132に登録する(S144)
【0028】
送信部113は、外部装置から計測値要求信号を受信した場合(S145:YES)、
環境値記憶部132に登録されている環境値を外部装置に送信する(S146)。ここで
送信部113は、最新の環境値を送信するようにしてもよいし、一部又は全部の環境値の
履歴を送信するようにしてもよい。
【0029】
<第2の実施形態>
上述した実施形態では、例えば、温度、振動、圧力、電磁波、音量、湿度などを含む環境
値の種類ごとに対応する計算ロジックをロジック記憶部に記憶しておき、指定された種類
に対応する計算ロジックを用いて、計測値から環境値を計算する実施形態を説明したが、
本発明はこれに限られず、同じ種類の環境値を異なる計算方法(計算ロジック)により計
算する場合にも適用可能である。
【0030】
異なる計算方法で同じ種類の環境値を計算する一例として、例えば、コイルに発生する電
圧値を計測値として環境値を計算する場合に、電圧値の瞬間的な値に基づいて環境値を計
算する第1の計算方法と、電圧値の時系列の値(例えば10秒)に基づいて環境値を計算
する第2の計算方法、更には、第2の計算ロジックで用いる時系列の値よりも更に長期間
の時系列の値(例えば10分)に基づいて環境値を計算する第3の計算方法、が考えられ
る。本実施形態では、これらの第1~3の計算方法にそれぞれ対応する計算ロジックをロ
ジック記憶部に記憶することで、計算ロジックを適宜切り替えて環境値を計算することを
可能とすることができる。
【0031】
本実施形態のように、異なる計算方法で同じ種類の環境値を計算できる場合には、例え
ば、環境値の測定精度を向上させるために、長期間の時系列の値(例えば10分)に基づ
いて環境値を計算する第3の計算方法に対応する計算ロジックを用いて計算を行ったり、
また逆に、環境値の測定の計算負荷を下げるために、より短い期間の時系列の値または瞬
時値に基づいて環境値を計算する第1又は2の計算方法に対応する計算ロジックを用いて
計算を行うことができる。
【0032】
第2の実施形態においても、上述した点以外の計算ロジックの切り替え方法はハードウ
ェア構成などは、第1の実施形態と同一の技術を適用可能であるものとする。
【0033】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするため
のものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸
脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1 センサデバイス
10 プロセッサ
20 メモリ
30 センシング部
111 取得部
112 計算部
113 送信部
114 種類受信部
115 登録部
116 環境値受信部
131 ロジック記憶部
132 環境値記憶部
133 条件記憶部



【要約】
【課題】所望の環境値を計測することができるようにする。
【解決手段】情報処理装置であって、メモリを有するプロセッサと、センシング部と、前
記センシング部を用いて前記情報処理装置が配置された環境に応じた計測値を取得する取
得部と、前記環境に係る状態を示す環境値の複数種類に対応する複数の計算ロジックと前
記環境値の計算方法の複数種類に対応する複数の計算ロジックの少なくともいずれかを記
憶するロジック記憶部と、設定された前記種類に対応する前記計算ロジックにより前記計
測値から前記環境値を計算する計算部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6