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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20220721BHJP
   F25C 1/10 20060101ALI20220721BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20220721BHJP
   F25D 17/06 20060101ALI20220721BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
F25D23/00 301N
F25D23/00 301R
F25C1/10 303B
F25D11/02 E
F25D17/06 312
F25D29/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017096647
(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公開番号】P2018194205
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】橋本 麻美
(72)【発明者】
【氏名】石橋 郁夫
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】田村 佳孝
【審判官】松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0312439(US,A1)
【文献】特開2008-82621(JP,A)
【文献】特開平11-173727(JP,A)
【文献】特開昭62-93671(JP,A)
【文献】特開2013-238344(JP,A)
【文献】特開2005-331200(JP,A)
【文献】特開2003-28550(JP,A)
【文献】実開平4-53184(JP,U)
【文献】実開平4-70981(JP,U)
【文献】特開2017-40406(JP,A)
【文献】特開平11-30468(JP,A)
【文献】特開2002-165678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00 - 49/04
F25C 1/00 - 5/20
F25D 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の近接を検知する検知部と、
動作音を発生する機器と、
前記検知部が人の接近を検知すると、前記機器の動作を停止又は弱めて前記機器が発生する動作音を消音又は減音する静音制御を実行し、前記検知部が人の接近を検知しなくなると、前記静音制御を終了する制御部とを備え、
前記制御部は、前記検知部が人の接近を検知している場合であっても使用者による冷蔵庫への開扉操作を検出すると前記静音制御を終了する冷蔵庫。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知部が人の接近を所定時間継続して検知すると、前記静音制御を実行する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部が人の接近を検知した後、人の接近を検知しなくなると前記静音制御を終了する請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記機器が、ファンである請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記機器が、圧縮機である請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記機器が、製氷装置である請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記機器が、複数のファンを備え、
前記制御部が、前記静音制御の実行時に1又は複数の前記ファンの動作を停止又は弱める請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
音を発するスピーカを備え、
前記制御部は、前記検知部が人の接近を検知すると、前記スピーカから音を発する請求項1~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫では、断熱壁で囲まれた箱構造の冷蔵庫本体を有し、その内部に冷却器によって冷却される貯蔵室が形成されている。冷却器は、冷蔵庫本体の外側に設けた圧縮機や凝縮器や減圧装置とともに冷凍サイクルを構成し、圧縮機から吐出された冷媒が凝縮器及び減圧装置を介して供給されることで冷却され、冷却器の周囲の空気を冷却する。冷却器で冷却された空気は、循環ファンにより貯蔵室へ送風され貯蔵室を冷却する。そして、貯蔵室が所定温度に到達すると圧縮機を停止して貯蔵室の冷却を終了し、貯蔵室が所定温度上昇すると圧縮機を動作させて貯蔵室の冷却を再開する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、冷蔵庫は、冷凍サイクルの圧縮機や循環ファン以外にも、圧縮機及び凝縮器を冷却するための放熱ファンや製氷装置などの駆動機構を有する機器が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-201608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷蔵庫に設けられた駆動機構を有する機器は、予め定められた所定条件に従って動作が制御されるようになっているため、使用者が冷蔵庫の近くにいる時にこれらの機器が不意に動作し、その時に発生する動作音によって使用者を驚かせたり不快感を与えることがある。
【0006】
そこで、使用者を驚かせたり不快感を与える冷蔵庫の動作音を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の冷蔵庫は、人の近接を検知する検知部と、動作音を発生する機器と、前記検知部が人の接近を検知すると、前記機器の動作を停止又は弱めて前記機器が発生する動作音を消音又は減音する静音制御を実行し、前記検知部が人の接近を検知しなくなると、前記静音制御を終了する制御部とを備え、前記制御部は、前記検知部が人の接近を検知している場合であっても使用者による冷蔵庫への開扉操作を検出すると前記静音制御を終了するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る冷蔵庫の断面図。
図2図1に示す冷蔵庫の制御構成を示すブロック図。
図3図1に示す冷蔵庫の動作例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、複数の実施形態において実質的に共通する部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1図3を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、実施形態の冷蔵庫1は、断熱箱体からなる冷蔵庫本体2の内部に、上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵庫である冷蔵温度帯の冷蔵室3及び野菜室4と、冷凍温度帯の製氷室5及び冷凍室6とが設けられている。野菜室4と製氷室5との間は、断熱仕切壁により仕切られている。なお、図示は省略するが、冷蔵庫1には、製氷室5に隣り合うように上部冷凍室が配置されている。これらの貯蔵庫の構成は一例であり、各貯蔵庫の配置順が異なっていたりしてもよい。
【0012】
冷蔵室3は、図1に示すように、扉3aによって開閉され、野菜室4、製氷室5および冷凍室6は、それぞれ引き出し式の扉4a、扉5a及び扉6aによってそれぞれ開閉される。各扉3a,4a,5a,6aには扉の開放を検知する開扉センサ3b,4b,5b,6bが設けられている。
【0013】
また、冷蔵庫1の扉3aの前面側には、冷蔵庫1に対する操作を行う操作パネル26、人感センサ27、及び音声等を出力して使用者に聴覚的な報知を行うスピーカ28が設けられている。人感センサ27は、例えば赤外線センサ等により構成されており、冷蔵庫1の周囲に存在する人を検知する。
【0014】
製氷室5には、製氷部41と貯氷箱7が設置されており、製氷部41で作製した氷を貯氷箱7に溜めておくようになっている。製氷部41は、冷蔵室3に設けられた給水部42とともに自動製氷装置を構成する。
【0015】
給水部42は、給水タンク43と給水ポンプ44とを備える。給水タンク43は冷蔵室3内に着脱自在に装着される容器であり、その内部に水を貯留する。給水タンク43に貯留された水は、給水ポンプ44が給水パイプ45を介して製氷室5に設けられた製氷部41に製氷用水として供給される。
【0016】
製氷部41は、製氷皿46と離氷モータ47とを備える。製氷皿46は、プラスチック製の変形可能な薄型の矩形容器であり、給水タンク43から製氷用水が供給される。製氷皿46は、貯氷箱7の上方に配置され、冷蔵庫1の前方に延びる回転軸によって軸周りに回動自在に支持されている。離氷モータ47は、製氷皿46を回転軸の周りに回動させて製氷皿46に捻り応力を与えることで、製氷皿46から氷塊を離脱させて下方に配置された貯氷箱7へ落下させて貯氷する。
【0017】
冷蔵温度帯の貯蔵室(冷蔵室3及び野菜室4)の後部には、冷蔵冷却器室10及び背面ダクト11が設けられている。冷蔵冷却器室10には、冷蔵冷却器12及び冷蔵ファン13が設けられている。背面ダクト11は、冷蔵冷却器室10から冷蔵室3の背面に沿って上方に延びており、その前側に冷蔵室3内に開口する吹出口11aが上下方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0018】
冷蔵室3の天井部には、冷蔵室3の後部から前方へ延びる天井ダクト18と、送風ファン19が設けられている。天井ダクト18の後端部は、背面ダクト11の上端部に接続されている。天井ダクト18の前端部は、冷蔵室3に設けられた載置棚より前方に位置し、冷蔵庫幅方向に広がっており、この広がった部分に冷蔵室3の天井部に開口する吹出口18aが設けられている。
【0019】
冷凍温度帯の貯蔵室(製氷室5、冷凍室6及び上部冷凍室)の後部には、冷凍冷却器室14及びダクト15が設けられている。冷凍冷却器室14には、冷凍冷却器16及び冷凍ファン17が設けられている。
【0020】
図1に示すように、冷蔵庫本体2の外側、この例では、冷蔵庫本体2の背面下端部には、機械室20が設けられている。この機械室20内には、冷蔵冷却器12及び冷凍冷却器16とともに冷凍サイクルを構成する圧縮機21及び凝縮器22が配設されている。また、機械室20内には、圧縮機21及び凝縮器22を冷却する放熱ファン23が配設されている。冷蔵冷却器12及び冷凍冷却器16は、圧縮機21から吐出された冷媒が切替弁29(図2参照)によって交互に供給されることで、それぞれ所定温度に冷却される。
【0021】
この冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2内に設けられている制御部50によって制御されている。図2に示すように、制御部50は、開扉センサ3b,4b,5b,6b、冷蔵ファン13、冷凍ファン17、送風ファン19、圧縮機21、放熱ファン23、操作パネル26、人感センサ27、スピーカ28、切替弁29、冷蔵室3の庫内温度を検出する冷蔵温度センサ30、冷凍室6の庫内温度を検出する冷凍温度センサ31、給水ポンプ44、及び離氷モータ47が電気的に接続されている。制御部50は、各種センサ27,30,31から入力される検出信号と予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて冷蔵ファン13、冷凍ファン17、放熱ファン23、圧縮機21、操作パネル26、スピーカ28、給水ポンプ44、及び離氷モータ47の動作を制御する。
【0022】
具体的には、冷蔵温度帯の冷蔵室3及び野菜室4を冷却する場合、制御部50は、冷凍サイクルに設けられた切替弁29を切り替えて冷蔵冷却器12に冷媒が流れるようにするとともに、圧縮機21、冷蔵ファン13、及び放熱ファン23を動作させて冷蔵モードを実行する。
【0023】
冷蔵モードでは、冷蔵冷却器12が冷蔵冷却器室10の空気を冷却して、例えば、-10~-20℃の冷気を生成する。生成された冷気は、冷蔵ファン13の回転によって背面ダクト11へ送風され吹出口11aから冷蔵室3へ供給される冷蔵室3を冷却する。冷蔵室3に供給された冷気の一部は、リターンダクト24に流れ込み冷蔵冷却器室10へ戻り、残りの空気は野菜室4へ流れ込み野菜室4を冷却した後、野菜室4の背面からリターンダクト24に流れ込み冷蔵冷却器室10へ戻る。このような冷気の循環によって、冷蔵温度センサ30の検出温度が所定温度範囲に収まるように冷蔵室3及び野菜室4を冷却する。
【0024】
製氷室5、冷凍室6及び上部冷凍室を冷却する場合、制御部50が、冷凍サイクルに設けられた切替弁29を切り替えて冷媒が冷凍冷却器16に流れるようにするとともに、圧縮機21、冷凍ファン17、及び放熱ファン23を動作させて冷凍モードを実行する。
【0025】
冷凍モードでは、冷凍冷却器16が冷凍冷却器室14の空気を冷却して、例えば、-20~-30℃の冷気を生成する。生成された冷気は、冷凍ファン17の回転によってダクト15を介して製氷室5、冷凍室6、及び上部冷凍室に供給される。製氷室5、冷凍室6、及び上部冷凍室に供給された冷気は、これらの貯蔵室を冷却しながら流れ、冷凍室6の背面からリターンダクト25に流れ込み冷凍冷却器室14に戻り冷却される。このような冷気の循環によって、冷凍温度センサ31の検出温度が所定温度範囲に収まるように製氷室5、冷凍室6及び上部冷凍室を冷却する。
【0026】
また、開扉センサ3bが冷蔵室3の扉3aの開扉を検知すると、制御部50は、送風ファン19を動作させて天井ダクト18に設けられた吹出口18aから冷蔵室3へ冷気を供給する。吹出口18aから吹き出した冷気は、冷蔵室3の天井部の前端部より下方へ向けて吹き出して載置棚の前側を流下することで、冷蔵室3を外気から遮断するエアカーテンを形成する。
【0027】
そして、冷蔵庫1では、人感センサ27が使用者等の人の接近を検知すると、制御部50は、動作音を発生する機器が発生する動作音を消音又は減音する静音制御を実行する。
【0028】
具体的には、図3に示すように、人が冷蔵庫1の前面側に近づくと、ステップS1において人感センサ27が人の接近を検出し、その検出信号を制御部50へ送り、人が接近したことを制御部50に通知して、ステップS2に移る。
【0029】
ステップS2では、制御部50は、冷蔵庫1に人が接近していると判断して、冷蔵ファン13が動作している場合は冷蔵ファン13の回転を停止又は減速させ、冷蔵ファン13が停止している場合は冷蔵ファン13の起動を禁止して冷蔵ファン13から発生する動作音を消音又は減音する静音制御を実行する。
【0030】
制御部50は、人感センサ27が人の接近を検出している間、静音制御を継続し(ステップS3のYes)、人感センサ27が人の接近を検出しなくなると(ステップS3のNo)、ステップS4へ進んで冷蔵ファン13の回転を静音制御の実行前の状態に戻して静音制御を終了する。
【0031】
このような構成の冷蔵庫1では、人感センサ27が人の接近を検知すると、冷蔵ファン13が動作している場合は冷蔵ファン13の回転を停止又は減速させて、冷蔵ファン13の動作音を消音又は減音する静音制御を実行する。そのため、例えば夜間などに冷蔵庫1に接近した人が冷蔵庫1から発する動作音によって驚いたり不快に感じることを抑えることができる。
【0032】
(変更例1)
上記の実施形態では、人感センサ27が人の接近を検知すると直ちに静音制御を開始する場合について説明したが、人感センサ27が所定時間以上(例えば、1秒間以上)継続して人の接近を検知すると、冷蔵庫1に人が接近したことを検知して、上記した静音制御を実行してもよい。このように人の接近を検知することで、誤検知を抑えることができる。
【0033】
(変更例2)
上記の実施形態では、静音制御として冷蔵ファン13について、回転を停止させたり、減速させたり、起動を禁止する場合について説明したが、冷蔵ファン13以外にも、冷凍ファン17や、放熱ファン23、圧縮機21や、自動製氷装置の給水ポンプ44や離氷モータ47等、動作音を発生する機器の1または複数について、動作を停止させたり、動作を弱めたり、起動を禁止してもよい。
【0034】
このような場合であっても、上記の実施形態と同様、冷蔵庫1に接近した人が冷蔵庫1から発する動作音によって驚いたり不快に感じることを抑えることができる。
【0035】
(変更例3)
上記の実施形態では、人感センサ27が人の接近を検知している間、上記した静音制御を継続して実行する場合について説明したが、例えば、人感センサ27が人の接近を検知してから所定時間経過後に静音制御を終了したり、開扉センサ3b,4b,5b,6bが扉3a,4a,5a,6aの開扉を検知したり、使用者が操作パネル26を操作する等、所定条件を満たすと、人感センサ27が人の接近を継続して検知している場合であっても静音制御を終了してもよい。使用者が冷蔵庫を操作している場合のように冷蔵庫1の動作音によって使用者が驚くことがなくなると、静音制御を終了して早期に通常の運転に復帰することができる。
【0036】
(第2実施形態)
第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0037】
上記した第1実施形態では、人感センサ27が人の接近を検知すると、動作音を発生する機器の動作音を消音又は減音する静音制御を実行する場合について説明したが、第2実施形態では、静音制御の実行中に動作音を発生する機器のうち動作を開始する機器が存在する。
【0038】
制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知すると、冷蔵ファン13の回転を停止又は減速させて、冷蔵ファン13の動作音を消音又は減音する静音制御を実行する。また、制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知すると、静音制御とともに送風ファン19を動作させて天井ダクト18に設けられた吹出口18aから冷蔵室3へ冷気を供給する。
【0039】
この時、制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知する前後で冷蔵庫1から発せられる動作音の総量が小さくなるように、動作音を発生する機器を制御する。つまり、本実施形態では、送風ファン19の動作音の音量が静音制御によって減少した冷蔵ファン13の動作音の音量より小さくなるように、制御部50が送風ファン19の動作を制御する。
【0040】
なお、人感センサ27が人の接近を検知した時に冷蔵ファン13の回転を減速させた場合では、開扉センサ3bが冷蔵庫3の扉3aの開扉を検出すると、制御部50は冷蔵ファン13の回転を停止させることが好ましい。これにより、冷蔵室3内の冷気が庫外へ放出されるのを防ぐことができる。
【0041】
そして、開扉センサ3bが冷蔵庫3の扉3aの開扉を検出した後、開扉センサ3bが扉3aの閉扉を検出すると、冷蔵ファン13を回転させるとともに、送風ファン19の回転を停止させる。
【0042】
本実施形態では、制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知すると、送風ファン19を動作させるため、使用者による扉3aの開扉操作の前にエアカーテンを冷蔵室3内に形成することができ、使用者による冷蔵庫1の操作に備えて予め冷蔵庫1を動作させておくことができる。しかも、制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知する前後で冷蔵庫1から発せられる動作音が小さくなるように、冷蔵ファン13及び送風ファン19の動作を制御するため、冷蔵庫1に接近した人が冷蔵庫1から発する動作音によって驚いたり不快に感じることを抑えることができる。
【0043】
その他の構成及び作用効果は上記した第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0044】
(変更例4)
第2実施形態では、人感センサ27が人の接近を検知すると、制御部50が、冷蔵ファン13の回転を停止又は減速させるとともに送風ファン19を動作させる場合について説明したが、人感センサ27が人の接近を検知した後、開扉センサ3bが扉3aの開扉を検出すると、送風ファン19の回転を加速させてもよい。
【0045】
例えば、人感センサ27が人の接近を検知すると、制御部50が、冷蔵ファン13の回転を停止させるとともに送風ファン19を第1回転速度で動作させる。その後、開扉センサ3bが扉3aの開扉を検出すると、制御部50は、送風ファン19を第1回転速度より高速な第2回転速度で動作させてもよい。
【0046】
なお、扉3aの開扉を検出する前後で送風ファン19の回転速度を変更する場合、送風ファン19を第1回転速度で動作させている時に冷蔵庫1の動作音が人の接近を検知する前の動作音より小さくなればよく、送風ファン19を第2回転速度で動作させている時には、使用者が扉3aの開扉動作を行っており冷蔵庫1の動作音に驚くことがないとして、人感センサ27が人の接近を検知する前より動作音が大きくなってもよい。
【0047】
(変更例5)
第2実施形態では、開扉センサ3bが扉3aの閉扉を検出すると、冷蔵ファン13を回転させるとともに、送風ファン19の回転を停止させる場合について説明したが、開扉センサ3bが扉3aの閉扉を検出した後であって、人感センサ27が人の接近を検知している間は、送風ファン19の回転を停止させることなく、送風ファン19を第1回転速度で動作させ、人感センサ27が人の接近を検知しなくなると、送風ファン19の回転を停止させてもよい。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0049】
上記の第1実施形態では、人感センサ27が人の接近を検知すると、動作音を発生する機器が発生する動作音を消音又は減音する静音制御を実行する場合について説明したが、第3実施形態では、静音制御の実行中にスピーカ28が音を発する。
【0050】
制御部50は、人感センサ27が人の接近を検知すると、上記した静音制御を実行するとともに、スピーカ28から音声等を出力して使用者に聴覚的な報知を行う。報知する内容に限定はないが、例えば、予め録音しておいた伝言メッセージや宣伝広告などの音声情報や、音楽や、冷蔵庫の異常などをスピーカ28から報知してもよい。
【0051】
本実施形態では、冷蔵庫1に人が近づくと静音制御とともにスピーカ28が音を発するため、雑音となる冷蔵庫1の動作音を低減した状態でスピーカ28から音声等を出力することができ、使用者に聴覚的な報知を的確に行うことができる。
【0052】
その他の構成及び作用効果は上記した第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0053】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、10…冷蔵冷却器室、12…冷蔵冷却器、13…冷蔵ファン、14…冷凍冷却器室、15…ダクト、16…冷凍冷却器、17…冷凍ファン、18…天井ダクト、19…送風ファン、20…機械室、21…圧縮機、22…凝縮器、23…放熱ファン、26…操作パネル、27…人感センサ、28…スピーカ、29…切替弁、41…製氷部、42…給水部、44…給水ポンプ、47…離氷モータ
図1
図2
図3