(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】視野角制御装置及び視野角制御可能な表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20220721BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220721BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220721BHJP
G02F 1/13363 20060101ALI20220721BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20220721BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1335 510
G02F1/13357
G02F1/13363
G02F1/1347
G09F9/00 311
G09F9/00 313
G09F9/00 324
G09F9/00 336E
(21)【出願番号】P 2017198169
(22)【出願日】2017-10-12
【審査請求日】2020-02-26
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】方 崇仰
(72)【発明者】
【氏名】王 文俊
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0021657(US,A1)
【文献】国際公開第2009/011199(WO,A1)
【文献】特開2006-064882(JP,A)
【文献】国際公開第2006/027995(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/018212(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1335-1/13363
G02F 1/1347
G09F 9/00
G09F 9/30
G09F 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野角制御装置であって、
少なくとも1つの液晶パネルであって、前記少なくとも1つの液晶パネルの各々は、2つの透光性導電層及び前記2つの透光性導電層の間に位置する複数の液晶分子を含む、少なくとも1つの液晶パネル;
前記少なくとも1つの液晶パネルと重ねて設置される少なくとも1つの補償膜;及び
複数の偏光片を含み、
前記複数の偏光片は、
前記少なくとも1つの補償膜と、前記少なくとも1つの液晶パネルとの間に位置する少なくとも1つの第一偏光片;及び
前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片の一方側に位置する第二偏光片を含み、
前記2つの透光性導電層の間に電位差がない時に、各前記液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行又は垂直であり、前記2つの透光性導電層の間に電位差がある時に、各前記液晶分子の光軸は、電位差のない時の該液晶分子の光軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の法線とを含む平面内で、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸又は吸収軸に対して傾斜し、
前記複数の偏光片は、第三偏光片を更に含み、
前記第三偏光片は、前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片の他方側に位置し、且つ前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記第二偏光片と前記第三偏光片との間に位置し、
前記視野角制御装置は、少なくとも1つの二分の一波長片を更に含み、
前記少なくとも1つの二分の一波長片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの第一偏光片との間に位置し、前記少なくとも1つの二分の一波長片の遅相軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との参考平面上での夾角は、θであり、前記参考平面は、前記少なくとも1つの第一偏光片に平行であり、前記第二偏光片及び前記第三偏光片のうちの1つの透過軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行であり、且つ前記第二偏光片及び前記第三偏光片のうちのもう1つの透過軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との前記参考平面上での夾角は、2θである、視野角制御装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の視野角制御装置であって、
前記複数の偏光片は、少なくとも1つの第四偏光片を更に含み、
前記少なくとも1つの第四偏光片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの二分の一波長片との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第四偏光片の透過軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との前記参考平面上での夾角は、2θである、視野角制御装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の視野角制御装置であって、
前記少なくとも1つの補償膜の数量は、2つであり、前記複数の偏光片は、少なくとも1つの第五偏光片を更に含み、
前記少なくとも1つの第五偏光片は、前記2つの補償膜の間に位置し、且つ前記少なくとも1つの二分の一波長片と前記少なくとも1つの第一偏光片との間に位置し、前記少なくとも1つの第五偏光片及び前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸は、互いに平行である、視野角制御装置。
【請求項4】
視野角制御可能な表示装置であって、
表示パネル;及び
前記表示パネルと重ねて設置される視野角制御装置を含み、
前記視野角制御装置は、少なくとも1つの液晶パネル、少なくとも1つの補償膜及び複数の偏光片を含み、前記少なくとも1つの液晶パネルの各々は、2つの透光性導電層及び前記2つの透光性導電層の間に位置する複数の液晶分子を含み、前記少なくとも1つの補償膜は、前記少なくとも1つの液晶パネルと重ねて設置され、前記複数の偏光片は、少なくとも1つの第一偏光片及び第二偏光片を含み、前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの液晶パネルとの間に位置し、且つ前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記第二偏光片と前記表示パネルとの間に位置し、前記2つの透光性導電層の間に電位差がない時に、各前記液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行又は垂直であり、前記2つの透光性導電層の間に電位差がある時に、各前記液晶分子の光軸は、電位差のない時の該液晶分子の光軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の法線とを含む平面内で、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸又は吸収軸に対して傾斜し、
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、且つ前記表示パネルは、入光面偏光片及び出光面偏光片を含み、前記視野角制御可能な表示装置は、背光モジュールを更に含み、
前記複数の偏光片は、第三偏光片を更に含み、
前記第三偏光片は、前記第二偏光片と前記表示パネルとの間に位置し、且つ前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記第二偏光片と前記第三偏光片との間に位置し、
前記視野角制御装置は、少なくとも1つの二分の一波長片を更に含み、
前記少なくとも1つの二分の一波長片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの第一偏光片との間に位置し、前記少なくとも1つの二分の一波長片の遅相軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との参考平面上での夾角は、θであり、前記参考平面は、前記少なくとも1つの第一偏光片に平行であり、前記第二偏光片及び前記第三偏光片のうちの1つの透過軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行であり、且つ前記第二偏光片及び前記第三偏光片のうちのもう1つの透過軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との前記参考平面上での夾角は、2θである、視野角制御可能な表示装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の視野角制御可能な表示装置であって、
前記視野角制御装置は、前記表示パネルと前記背光モジュールとの間に位置する、視野角制御可能な表示装置。
【請求項6】
請求項
4に記載の視野角制御可能な表示装置であって、
前記表示パネルは、前記視野角制御装置と前記背光モジュールとの間に位置する、視野角制御可能な表示装置。
【請求項7】
請求項
4に記載の視野角制御可能な表示装置であって、
前記視野角制御装置は、前記表示パネルと前記背光モジュールとの間に位置し、前記少なくとも1つの第一偏光片及び前記第二偏光片の透過軸は、互いに平行であり、且つ前記第三偏光片の透過軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との前記参考平面上での夾角は、2θである、視野角制御可能な表示装置。
【請求項8】
請求項
4に記載の視野角制御可能な表示装置であって、
前記表示パネルは、前記視野角制御装置と前記背光モジュールとの間に位置し、前記少なくとも1つの第一偏光片及び前記第三偏光片の透過軸は、互いに平行であり、且つ前記第二偏光片の透過軸と、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸との前記参考平面上での夾角は、2θである、視野角制御可能な表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置及び前記光学装置を用いる表示装置に関し、特に、視野角(viewing angle)制御装置及び前記視野角制御装置を用いる視野角制御可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に言えば、表示装置は、複数のユーザが一緒に見ることができるようにさせるために、通常、広視野角の表示効果を有する。しかしながら、ある場合、例えば、公共の場でプライベートホームページ又は機密情報を見る時に或いはパスワードを入力する時に、広視野角の表示効果は、機密情報が他人に見られて漏洩してしまうことにも繋がっている。覗き見防止のニーズを実現するために、一般的な方法としては、表示装置の前方に光制御膜(Light Control Film、LCF)を設けて大角度光線を除去するものがある。一方、覗き見防止のニーズがない時に、手動で光制御膜を外す必要がある。ユーザが手動で光制御膜を設ける/外すことが必要であるため、使用上不便なことがある。よって、表示装置が操作ニーズに従って表示画面の視野角大小を選択又は調整し得るように、表示装置の視野角を調整することができる視野角制御装置を提供する必要がある。
【0003】
なお、この「背景技術」の部分が、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、電気制御方式で視野角を制御する視野角制御装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、上述の視野角制御装置を用いて、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることができる視野角制御可能な表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている技術の特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例は、視野角制御装置を提供し、それは、少なくとも1つの液晶パネル、少なくとも1つの補償膜及び複数の偏光片(偏光子)を含む。前記少なくとも1つの液晶パネルの各々は、2つの透光性導電層及びこの2つの透光性導電層の間に位置する複数の液晶分子を含む。前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの液晶パネルとは、重ねて設置される。偏光片は、少なくとも1つの第一偏光片及び第二偏光片を含む。前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの液晶パネルとの間に位置する。第二偏光片は、前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片の一方側に位置する。透光性導電層の間に電位差がない時に、各液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行又は垂直であり、透光性導電層の間に電位差がある時に、各液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸又は吸収軸に対して傾斜する。
【0008】
上述の1つ又は一部又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例は、さらに、視野角制御可能な表示装置を提供し、それは、表示パネル及び視野角制御装置を含む。視野角制御装置と表示パネルとは、重ねて設置され、且つ視野角制御装置は、少なくとも1つの液晶パネル、少なくとも1つの補償膜及び複数の偏光片を含む。前記少なくとも1つの液晶パネルの各々は、2つの透光性導電層及びこの2つの透光性導電層の間に位置する複数の液晶分子を含む。前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの液晶パネルとは、重ねて設置される。偏光片は、少なくとも1つの第一偏光片及び第二偏光片を含む。前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記少なくとも1つの補償膜と前記少なくとも1つの液晶パネルとの間に位置し、且つ前記少なくとも1つの液晶パネル、前記少なくとも1つの補償膜及び前記少なくとも1つの第一偏光片は、前記第二偏光片と与前記表示パネルとの間に位置する。透光性導電層の間に電位差がない時に、各液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸に平行又は垂直であり、透光性導電層の間に電位差がある時に、各液晶分子の光軸は、前記少なくとも1つの第一偏光片の透過軸又は吸収軸に対して傾斜する。
【0009】
上述により、本発明の実施例は、少なくとも以下の1つの利点又は効果を有する。即ち、本発明の視野角制御装置は、透光性導電層の間の電位差を変更して液晶分子の傾斜方向を制御することで、大角度で視野角制御装置に入射した光束が位相遅延を生成するようにさせて偏光片を透過できないようにさせることができ、これにより、視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができ、また、上述の視野角制御装置を用いる視野角制御可能な表示装置は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることもできる。
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げ、添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の第一実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図1B】本発明の第一実施例における視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モード下での断面図である。
【
図2A】角度分布図であって、第一実施例における視野角制御装置の一般表示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図2B】角度分布図であって、第一実施例における視野角制御装置の覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図3A】角度分布図であって、比較例における視野角制御装置の一般表示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図3B】角度分布図であって、比較例における視野角制御装置の覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図4】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図5】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図6】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図7】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図8】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図9】本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図10】本発明の第二実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図10A】本発明の第二実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図11A】角度分布図であって、第二実施例における視野角制御装置の一般表示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図11B】角度分布図であって、第二実施例における視野角制御装置の覗き見防止示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図12】本発明の第三実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図13A】角度分布図であって、第三実施例における視野角制御装置の一般表示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図13B】角度分布示図であって、第三実施例における視野角制御装置の覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図14】本発明の第三実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図15】本発明の第三実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図16】本発明の第四実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図16A】本発明の第四実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
【
図17A】角度分布図であって、第四実施例における視野角制御装置の一般表示モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【
図17B】角度分布図であって、第四実施例における視野角制御装置の覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述した及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく次のような好適な実施例の詳細な説明により明確になる。なお、次の実施例に言及びされている方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用されている方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1A及び
図1Bは、それぞれ、本発明の第一実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での断面図である。
図1C及び
図1Dは、それぞれ、
図1A及び
図1Bにおける第一及び第二光源モジュールの断面図である。
図1A及び
図1Bに示すように、視野角制御可能な表示装置10は、視野角制御装置12及び表示パネル14を含む。
【0014】
視野角制御装置12は、少なくとも1つの液晶パネル121、少なくとも1つの補償膜122及び複数の偏光片(符号123で前記複数の偏光片の集合(set)を示す)を含む。前記少なくとも1つの液晶パネル121の各々は、透光性導電層1211、透光性導電層1212及び透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に位置する複数の液晶分子1213を含む。本実施例では、前記少なくとも1つの液晶パネル121の各々は、さらに、基板1214、基板1215、配向層(alignment layer)1216及び配向層1217を含む。透光性導電層1211は、液晶分子1213に面する基板1214の表面に配置される。透光性導電層1212は、液晶分子1213に面する基板1215の表面に配置される。配向層1216は、液晶分子1213と透光性導電層1211との間に位置する。配向層1217は、液晶分子1213と透光性導電層1212との間に位置する。
【0015】
前記少なくとも1つの補償膜122は、前記少なくとも1つの液晶パネル121と重ねて設置される。例えば、前記少なくとも1つの補償膜122は、前記少なくとも1つの液晶パネル121と表示パネル14との間に位置しても良いが、これに限定されない。前記少なくとも1つの補償膜122の各々は、選択的に、O型板及びC型板からなるグループのうちから前択された1つを含んでも良い。例えば、前記少なくとも1つの補償膜122の各々は、液晶ポリマー1221より構成されても良い。O型板について言えば、
図1Aに示すように、液晶ポリマー1221の光軸T1221は、基板1214に対して傾斜する。C型板について言えば、液晶ポリマー1221の光軸T1221は、基板1214に垂直である。
【0016】
偏光片(前記複数の偏光片の集合123)は、少なくとも1つの第一偏光片1231及び第二偏光片1232を含む。前記少なくとも1つの第一偏光片1231は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの液晶パネル121との間に位置する。第二偏光片1232は、前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記少なくとも1つの補償膜122及び前記少なくとも1つの第一偏光片1231の一方側に位置し、且つ前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記少なくとも1つの補償膜122及び前記少なくとも1つの第一偏光片1231は、例えば、前記第二偏光片1232と前記表示パネル14との間に位置する。
【0017】
本実施例では、前記複数の偏光片の集合123は、さらに、第三偏光片1233を含んでも良い。第三偏光片1233は、第二偏光片1232と表示パネル14との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記少なくとも1つの補償膜122及び前記少なくとも1つの第一偏光片1231は、第二偏光片1232と第三偏光片1233との間に位置する。また、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231、第二偏光片1232の透過軸T1232及び第三偏光片1233の透過軸T1233は、互いに平行である。
【0018】
透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に電位差がない時に、
図1Aに示すように、各液晶分子1213の光軸T1213は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231に平行であり、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に電位差がある時に、
図1Bに示すように、各液晶分子1213の光軸T1213は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231に対して傾斜する。しかしながら、本発明は、これに限定されない。他の実施例では、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に電位差がない時に、各液晶分子1213の光軸T1213は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231に垂直であっても良い。例えば、各液晶分子1213の光軸T1213は、第一方向D1に平行であり、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231に垂直であっても良い。このような構造では、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に電位差がある時に、各液晶分子1213の光軸T1213は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の吸収軸(図示せず)に対して傾斜する。前記少なくとも1つの第一偏光片1231の吸収軸は、透過軸T1231に直交し、且つ第一方向D1に平行である。
【0019】
表示パネル14は、視野角制御装置12と重ねて設置され、それは、表示情報を提供し得る任意のパネルであっても良い。例えば、表示パネル14は、液晶表示パネル又は有機発光ダイオード表示パネルであっても良いが、これに限定されない。液晶表示パネルを例とし、表示パネル14は、液晶パネル141、入光面偏光片142及び出光面偏光片143を含んでも良い。液晶パネル141は、能動素子アレイ基板(図示せず)、カラーフィルタリング基板(図示せず)及び能動素子アレイ基板とカラーフィルタリング基板との間に位置する液晶層(図示せず)を含んでも良い。入光面偏光片142及び出光面偏光片143は、それぞれ、液晶パネル141の対向する両側に位置し、且つ入光面偏光片142の透過軸T142は、出光面偏光片143の透過軸T143と互いに垂直であっても良く、平行であっても良い。
【0020】
表示パネル14が液晶表示パネルを採用する場合、視野角制御可能な表示装置10は、さらに、背光モジュール16を含んでも良い。背光モジュール16は、直下型背光モジュール又はエッジ型背光モジュールであっても良い。エッジ型背光モジュールを例とし、背光モジュール16は、
図1Cに示す背光モジュール16A又は
図1Dに示す背光モジュール16Bを採用しても良い。
【0021】
図1Cに示すように、背光モジュール16Aは、光源161、導光板162、反射片163、拡散片164及びプリズム片165を含んでも良い。導光板162は、入光面SI、出光面SE及び底面SBを有し、そのうち、出光面SEは、底面SBに対向し、且つ入光面SIは、出光面SE及び底面SBに接続される。光源161は、入光面SIの近傍に位置し、且つ入光面SIへ光束を射出する。反射片163は、底面SBの下方に配置される。拡散片164及びプリズム片165は、順に、出光面SEの上方にスタックされる。プリズム片165は、複数の細長い形状のプリズム1651を有する。細長い形状のプリズム1651は、例えば、第一方向D1に沿って延伸し、且つ第二方向D2に沿って配列される。プリズム片165は、例えば、正立プリズムであり、即ち、細長い形状のプリズム1651は、導光板162から離れる方向(例えば、第三方向D3)を指向する。
【0022】
図1Dに示すように、背光モジュール16Bは、
図1Cに示す背光モジュール16Aに類似している。背光モジュール16Bと背光モジュール16Aとの主な相違点は、次の通りである。即ち、背光モジュール16Bでは、拡散片164が省略され、且つプリズム片165は、例えば、逆プリズムであり、即ち、細長い形状のプリズム1651は、導光板162の方向(例えば、第三方向D3の逆方向)を指向する。なお、逆プリズムは、表示パネル14の下方に配置されれば良く、導光板162に隣接して設置される必要がない。例えば、
図1A及び
図1Bに示す構造では、逆プリズムは、入光面偏光片142と第三偏光片1233との間に配置されても良いが、これに限定されない。
【0023】
本実施例では、視野角制御装置12は、表示パネル14と背光モジュール16との間に位置し、且つ第三偏光片1233は、表示パネル14の入光面偏光片142に隣接する。入光面偏光片142の透過軸T142は、第三偏光片1233の透過軸T1233に平行であり、これにより、第三偏光片1233からの光束は、入光面偏光片142を通過することができるが、これに限定されない。他の実施例では、入光面偏光片142の透過軸T142は、第三偏光片1233の透過軸T1233に垂直であり、且つ入光面偏光片142と第三偏光片1233との間には、二分の一波長片(1/2波長板)が設置されても良い。
【0024】
図1Bに示すように、背光モジュール16からの光束は、正面方向で視野角制御装置12に入射する光束B1及び大角度で視野角制御装置12に入射する光束B2を含む。透光性導電層1211と透光性導電層1212との間に電位差がある時に、各液晶分子1213の光軸T1213は、第二偏光片1232の透過軸T1232及び前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231に対して傾斜する。正面方向で視野角制御装置12に入射した光束B1は、液晶分子1213を通過した後に、位相遅延が生じせず、大角度で視野角制御装置12に入射した光束B2は、液晶分子1213を通過した後に、位相遅延が生じた。そのため、位相遅延が生じない光束B1は、順に、前記少なくとも1つの第一偏光片1231、前記少なくとも1つの補償膜122及び第三偏光片1233を通過し、そして、表示パネル14へ射出する。位相遅延が生じた光束B2の一部は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231を通過し、他の部分は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231により除去される。前記少なくとも1つの第一偏光片1231を通過した光束B2は、前記少なくとも1つの補償膜122を通過した後に、再び位相遅延が生じ、そして、第三偏光片1233により除去される。よって、視野角制御可能な表示装置10の視野角を有効に制限することができる。
【0025】
図2A及び
図2Bは、角度分布図であって、それぞれ、第一実施例における視野角制御装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
図2A及び
図2Bでは、方位角0°及び180°は、それぞれ、第一方向D1(
図1A及び
図1B参照)及びその逆方向を表し、方位角90°及び270°は、それぞれ、第二方向D2(
図1A及び
図1B参照)及びその逆方向を表す。
図2A及び
図2Bから分かるように、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間の電位差を変更することにより、視野角制御装置12は、第一方向D1及びその逆方向上での視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができる。また、視野角制御装置12を用いる視野角制御可能な表示装置10は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることができ、これにより、従来のユーザが手動で光制御膜を設ける/外すことによる不便なことを改善することができる。
【0026】
図3A及び
図3Bは、角度分布図であって、それぞれ、比較例における視野角制御装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。比較例における視野角制御装置と、
図1A及び
図1Bに示す視野角制御装置12との相違点は、比較例における視野角制御装置では、前記少なくとも1つの補償膜122及び第三偏光片1233が設置されないことにある。
図2Bと
図3Bの比較から分かるように、液晶パネル及び偏光片のみで視野角を制限する比較例に比べ、本実施例における視野角制御装置12は、前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記少なくとも1つの補償膜122及び前記複数の偏光片の集合123の設置により、
図3Bの大角度漏れ光LKを改善し、大角度覗き見防止効果を達成することができる。
【0027】
図4~
図9は、それぞれ、本発明の第一実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
図4~
図9における視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モードは、
図1Bに関する記載を参照することができるため、以下、その詳しい説明を省略する。
【0028】
図4に示すように、視野角制御可能な表示装置10Aは、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Aと視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、視野角制御可能な表示装置10Aの偏光片123Aには、
図1Aの第三偏光片1233が省略されることにある。
【0029】
図5に示すように、視野角制御可能な表示装置10Bは、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Bと視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、次の通りである。即ち、視野角制御可能な表示装置10Bでは、表示パネル14は、視野角制御装置12と背光モジュール16との間に位置する。視野角制御装置12の第三偏光片1233は、表示パネル14の出光面偏光片143に隣接する。第三偏光片1233の透過軸T1233は、出光面偏光片143の透過軸T143に平行であり、これにより、出光面偏光片143からの光束は、第三偏光片1233を通過することができるが、これに限定されない。他の実施例では、出光面偏光片143の透過軸T143は、第三偏光片1233の透過軸T1233に垂直であり、且つ出光面偏光片143と第三偏光片1233との間には、二分の一波長片が設置されても良い。
【0030】
図6に示すように、視野角制御可能な表示装置10Cは、
図5の視野角制御可能な表示装置10Bに類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Cと視野角制御可能な表示装置10Bとの主な相違点は、視野角制御可能な表示装置10Cの複数の偏光片(符号123Aで前記複数の偏光片の集合を示す)には、
図5の第三偏光片1233が省略されることにある。
【0031】
図7に示すように、視野角制御可能な表示装置10Dは、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Dと視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、前記少なくとも1つの液晶パネル121と前記少なくとも1つの補償膜122との位置が交換されることにある。
【0032】
図8に示すように、視野角制御可能な表示装置10Eは、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Eと視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の数量が2つであることにある。2つの第一偏光片1231は、前記少なくとも1つの液晶パネル121と前記少なくとも1つの補償膜122との間に位置し、且つ2つの第一偏光片1231の透過軸T1231、第二偏光片1232の透過軸T1232及び第三偏光片1233の透過軸T1233は、互いに平行である。
【0033】
図9に示すように、視野角制御可能な表示装置10Fは、
図5の視野角制御可能な表示装置10Bに類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置10Fと視野角制御可能な表示装置10Bとの主な相違点は、視野角制御可能な表示装置10Fの表示パネル14Aは、有機発光ダイオード表示パネルであり、且つ視野角制御可能な表示装置10Fでは、
図5の背光モジュール16が省略されることにある。
【0034】
図10は、本発明の第二実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
図10Aは、本発明の第二実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。なお、
図10及び
図10Aにおける視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モードは、
図1Bに関する記載を参照することができるため、以下、その詳しい説明を省略する。
【0035】
図10に示すように、視野角制御可能な表示装置20は、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置20と視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、次の通りである。即ち、視野角制御可能な表示装置20では、前記少なくとも1つの補償膜122は、C型板であり、且つ液晶ポリマー1221の光軸T1221は、基板1214に垂直である。また、視野角制御装置22は、さらに、少なくとも1つの二分の一波長片124を含む。前記少なくとも1つの二分の一波長片124は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの第一偏光片1231との間に位置し、そのうち、前記少なくとも1つの二分の一波長片124のS軸T124と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、θである(点線で前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231の参考平面R上での投影を示す)。参考平面Rは、前記少なくとも1つの第一偏光片1231に平行であり、且つ参考平面Rは、例えば、第一方向D1及び第二方向D2より構成される平面である。
【0036】
本実施例では、視野角制御装置22は、表示パネル14と背光モジュール16との間に位置する。前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸及び第二偏光片1232の透過軸T1232は、互いに平行であり、且つ第三偏光片1233の透過軸T1233と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。夾角θは、22.5°±15°又は62.5°±15°であっても良く、これにより、第三偏光片1233の透過軸T1233と第二方向D2との夾角は、45度又は125度であるようになる。よって、第一方向D1上での視野角制限効果を達成することができる。
【0037】
複数の偏光片(符号123Bで前記複数の偏光片の集合を示す)は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231、第二偏光片1232及び第三偏光片1233以外に、さらに、少なくとも1つの第四偏光片1234を含んでも良い。前記少なくとも1つの第四偏光片1234は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの二分の一波長片124との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第四偏光片1234の透過軸T1234と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、前記少なくとも1つの第四偏光片1234を省略しても良い。
【0038】
本実施例では、入光面偏光片142の透過軸T142及び第三偏光片1233の透過軸T1233は、互いに平行であり、これにより、第三偏光片1233からの光束は、入光面偏光片142を通過することができる。言い換えると、入光面偏光片142の透過軸T142と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、第三偏光片1233及び入光面偏光片142のうちの1つを省略しても良い。また他の実施例では、入光面偏光片142の透過軸T142と、第三偏光片1233の透過軸T1233とは、参考平面R上で角度を成しても良く、且つ第三偏光片1233と入光面偏光片142との間には、二分の一波長片を、入射光の偏光方向を調整して入射光が入光面偏光片142により吸収されることを避けるように設置しても良い。
【0039】
本実施例では、出光面偏光片143の透過軸T143は、入光面偏光片142の透過軸T142と互いに垂直である。言い換えると、出光面偏光片143の透過軸T143と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θ+90°である。しかしながら、他の実施例では、出光面偏光片143の透過軸T143と入光面偏光片142の透過軸T142とは、互いに平行であっても良い。
【0040】
図10Aに示すように、視野角制御可能な表示装置20Aは、
図10の視野角制御可能な表示装置20に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置20Aと
図10の視野角制御可能な表示装置20との主な相違点は、次の通りである。視野角制御可能な表示装置20Aでは、表示パネル14は、視野角制御装置22と背光モジュール16との間に位置する。このような構造では、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231及び第三偏光片1233の透過軸T1233は、互いに平行であり、且つ第二偏光片1232の透過軸T1232と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。
【0041】
複数の偏光片(符号123Bで前記複数の偏光片の集合を示す)も、さらに、少なくとも1つの第四偏光片1234を含んでも良い。前記少なくとも1つの第四偏光片1234は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの二分の一波長片124との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第四偏光片1234の透過軸T1234と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、前記少なくとも1つの第四偏光片1234を省略しても良い。
【0042】
図11A及び
図11Bは、角度分布図であって、それぞれ、第二実施例における視野角制御装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
図11A及び
図11Bから分かるように、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間の電位差を変更することにより、視野角制御装置22は、第一方向D1及びその逆方向(方位角0°及び180°参照)上での視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができる。また、視野角制御装置22を用いる視野角制御可能な表示装置20は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることができ、これにより、従来のユーザが手動で光制御膜を設ける/外すことによる不便なことを改善することもできる。また、
図11Bと
図3Bの比較から分かるように、液晶パネル及び偏光片のみで視野角を制限する比較例に比べ、本実施例の視野角制御装置22は、前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記少なくとも1つの補償膜122、前記複数の偏光片の集合123B及び前記少なくとも1つの二分の一波長片124の設置により、
図3Bの大角度漏れ光LKを改善し、大角度覗き見防止効果を達成することができる。
【0043】
図12は、本発明の第三実施例における視野角制御可能な表示装置の一般表示モードの断面図である。
図12における視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モードは、
図1Bに関する記載を参照することができるため、以下、その詳しい説明を省略する。
【0044】
図12に示すように、視野角制御可能な表示装置30は、
図1Aの視野角制御可能な表示装置10に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置30と視野角制御可能な表示装置10との主な相違点は、次の通りである。視野角制御可能な表示装置30では、前記少なくとも1つの補償膜122の数量は、2つである。2つの補償膜122は、例えば、それぞれ、O型板(液晶ポリマー1221の光軸T1221は、基板1214に対して傾斜する)及びC型板(液晶ポリマー1221の光軸T1221は、基板1214に垂直である)であるが、これに限定されない。O型板は、例えば、C型板と前記少なくとも1つの液晶パネル121との間に位置するが、これに限定されない。他の実施例では、O型板及びC型板の位置は、交換されても良い。
【0045】
複数の偏光片(符号123Cで前記複数の偏光片の集合を示す)は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231、第二偏光片1232及び第三偏光片1233の他に、さらに、少なくとも1つの第五偏光片1235を含んでも良い。前記少なくとも1つの第五偏光片1235は、2つの補償膜122の間に位置し、そのうち、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231、第二偏光片1232の透過軸T1232、第三偏光片1233の透過軸T1233及び前記少なくとも1つの第五偏光片1235の透過軸T1235は、互いに平行である。
【0046】
図13A及び
図13Bは、角度分布図であって、それぞれ、第三実施例における視野角制御装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
図13A及び
図13Bから分かるように、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間の電位差を変更することにより、視野角制御装置32は、第一方向D1及びその逆方向(方位角0°及び180°参照)上での視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができる。また、視野角制御装置32を用いる視野角制御可能な表示装置30は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることができ、これにより、従来のユーザが手動で光制御膜を設ける/外すことによる不便なことを改善することができる。また、
図13Bと
図3Bの比較から分かるように、液晶パネル及び偏光片のみで視野角を制限する比較例に比べ、本実施例の視野角制御装置32は、前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記2つの補償膜122及び前記複数の偏光片の集合123Cの設置により、
図3Bの方位角0度及び180度方向上での大角度漏れ光LKを改善することができるだけでなく、方位角0度±45度及び方位角180度±45度の大角度漏れ光LKAを低減することもできる。よって、大角度覗き見防止効果を達成することができる。
【0047】
図14及び
図15は、それぞれ、本発明の第三実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
図14及び
図15における視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モードは、
図1Bに関する記載を参照することができるため、以下、その詳しい説明を省略する。
【0048】
図14に示すように、視野角制御可能な表示装置30Aは、
図12の視野角制御可能な表示装置30に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置30Aと視野角制御可能な表示装置30との主な相違点は、視野角制御可能な表示装置30A中での2つの補償膜122はすべてC型板でることにあるが、これに限定されない。他の実施例では、2つの補償膜122はすべてO型板であって良い。
【0049】
図15に示すように、視野角制御可能な表示装置30Bは、
図14の視野角制御可能な表示装置30Aに類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置30Bと視野角制御可能な表示装置30Aとの主な相違点は、次の通りである。視野角制御可能な表示装置30Bでは、2つの補償膜122は、それぞれ、前記少なくとも1つの液晶パネル121の対向する両側に位置する。偏光片123には、
図14の前記少なくとも1つの第五偏光片1235が省略され、且つ前記少なくとも1つの第一偏光片1231の数量は、2つである。第一偏光片1231の各々は、そのうちの補償膜122と前記少なくとも1つの液晶パネル121との間に位置する。
【0050】
図16は、本発明の第四実施例による視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
図16Aは、本発明の第四実施例における他の視野角制御可能な表示装置の一般表示モード下での断面図である。
図16及び
図16Aにおける視野角制御可能な表示装置の覗き見防止モードは、
図1Bに関する記載を参照することができるため、以下、その詳しい説明を省略する。
【0051】
図16に示すように、視野角制御可能な表示装置40は、
図14の視野角制御可能な表示装置30Aに類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置40と視野角制御可能な表示装置30Aとの主な相違点は、次の通りである。視野角制御可能な表示装置40では、視野角制御装置42は、さらに、少なくとも1つの二分の一波長片124を含む。前記少なくとも1つの二分の一波長片124は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの第一偏光片1231との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第五偏光片1235は、前記少なくとも1つの二分の一波長片124と前記少なくとも1つの第一偏光片1231との間に位置し、そのうち、前記少なくとも1つの二分の一波長片124のS軸T124と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、θである。
【0052】
本実施例では、視野角制御装置42は、表示パネル14と背光モジュール16との間に位置する。前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸、第二偏光片1232の透過軸T1232及び前記少なくとも1つの第五偏光片1235の透過軸T1235は、互いに平行であり、且つ第三偏光片1233の透過軸T1233と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。夾角θは、22.5°±15°又は62.5°±15°であっても良く、これにより、第三偏光片1233の透過軸T1233と第二方向D2との夾角は45度又は125度であるようになる。よって、第一方向D1上で視野角制限効果を実現することができる。
【0053】
複数の偏光片(符号123Dで前記複数の偏光片の集合を示す)は、前記少なくとも1つの第一偏光片1231、第二偏光片1232、第三偏光片1233及び前記少なくとも1つの第五偏光片1235以外に、さらに、少なくとも1つの第四偏光片1234を含んでも良い。前記少なくとも1つの第四偏光片1234は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの二分の一波長片124との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第四偏光片1234の透過軸T1234と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、前記少なくとも1つの第四偏光片1234を省略しても良い。
【0054】
本実施例では、入光面偏光片142の透過軸T142と第三偏光片1233の透過軸T1233とは互いに平行であり、これにより、第三偏光片1233からの光束は、入光面偏光片142を通過することができる。言い換えると、入光面偏光片142の透過軸T142と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、第三偏光片1233及び入光面偏光片142のうちの1つを省略しても良い。また他の実施例では、入光面偏光片142の透過軸T142と、第三偏光片1233の透過軸T1233とは参考平面R上で角度を成し、且つ第三偏光片1233と入光面偏光片142との間には二分の一波長片を、入射光の偏光方向を調整して入射光が入光面偏光片142により吸収されることを避けるように設置しても良い。
【0055】
本実施例では、出光面偏光片143の透過軸T143は、入光面偏光片142の透過軸T142と互いに垂直である。言い換えると、出光面偏光片143と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θ+90°である。しかしながら、他の実施例では、出光面偏光片143の透過軸T143と入光面偏光片142の透過軸T142とは互いに平行であっても良い。
【0056】
図16Aに示すように、視野角制御可能な表示装置40Aは、
図16の視野角制御可能な表示装置40に類似しており、そのうち、同じ素子は、同じ符号で表されるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。視野角制御可能な表示装置40Aと
図16の視野角制御可能な表示装置40との主な相違点は、次の通りである。視野角制御可能な表示装置40Aでは、表示パネル14は、野角制御装置42と背光モジュール16との間に位置する。このような構造では、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231、第三偏光片1233の透過軸T1233及び前記少なくとも1つの第五偏光片1235の透過軸T1235は互いに平行であり、且つ第二偏光片1232の透過軸T1232と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。
【0057】
複数の偏光片(符号123Dで前記複数の偏光片の集合を示す)も、さらに、少なくとも1つの第四偏光片1234を含んでも良い。前記少なくとも1つの第四偏光片1234は、前記少なくとも1つの補償膜122と前記少なくとも1つの二分の一波長片124との間に位置し、且つ前記少なくとも1つの第四偏光片1234の透過軸T1234と、前記少なくとも1つの第一偏光片1231の透過軸T1231との参考平面R上での夾角は、2θである。他の実施例では、前記少なくとも1つの第四偏光片1234を省略しても良い。
【0058】
図17A及び
図17Bは、角度分布図であって、それぞれ、第四実施例における視野角制御装置の一般表示モード及び覗き見防止モード下での異なる視野角の透過率を示す図である。
図17A及び
図17Bから分かるように、透光性導電層1211と透光性導電層1212との間の電位差を変更することにより、視野角制御装置42は、第一方向D1及びその逆方向(方位角0°及び180°参照)上での視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができる。また、視野角制御装置42を用いる視野角制御可能な表示装置40は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることができ、これにより、従来のユーザが手動で光制御膜を設ける/外すことによる不便なことを改善することができる。また、
図17Bと
図3Bの比較から分かるように、液晶パネル及び偏光片のみで視野角を制限する比較例に比べ、本実施例の視野角制御装置42は、前記少なくとも1つの液晶パネル121、前記2つの補償膜122、前記複数の偏光片の集合123D及び前記少なくとも1つの二分の一波長片124の設置により、
図3Bの方位角0度及び180度方向上での大角度漏れ光LKを改善することができるだけでなく、方位角0度±45度及び方位角180度±45度の大角度漏れ光LKAを低減することもできる。よって、大角度覗き見防止効果を達成することができる。
【0059】
以上を纏めると、本発明の実施例は、少なくとも以下の1つの利点又は効果を有する。即ち、本発明の視野角制御装置は、光性導電層の間の電位差を変更して液晶分子の傾斜方向を制御することで、大角度で視野角制御装置に入射した光束が位相遅延を生成するようにさせて偏光片を通過できないようにさせることができ、これにより、視野角制限(覗き見防止)のニーズを実現することができる。また、視野角制御装置は、さらに、前記少なくとも1つの補償膜の設置により、大角度漏れ光を改善し、方位角上での覗き見防止範囲を拡大することができる。また、上述視野角制御装置を用いる視野角制御可能な表示装置は、電気制御方式で一般表示モードと覗き見防止モードとの間で切り替えることもできる。
【0060】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の精神と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、異なる実施例又は範囲を区別するためのもののみであり、要素の数量上の上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0061】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、20、20A、30、30A、30B、40、40A:視野角制御可能な表示装置
12、22、32、42:視野角制御装置
121:液晶パネル
1211、1212:透光性導電層
1213:液晶分子
1214、1215:基板
1216、1217:配向層
122:補償膜
1221:液晶ポリマー
123、123A、123B、123C、123D:複数の偏光片の集合
1231:第一偏光片
1232:第二偏光片
1233:第三偏光片
1234:第四偏光片
1235:第五偏光片
124:二分の一波長片
14、14A:表示パネル
141:液晶パネル
142:入光面偏光片
143:出光面偏光片
16、16A、16B:背光モジュール
161:光源
162:導光板
163:反射片
164:拡散片
165:プリズム片
1651:細長い形状のプリズム
B1、B2:光束
D1:第一方向
D2:第二方向
D3:第三方向
LK、LKA:大角度漏れ光
R:参考平面
SB:底面
SE:出光面
SI:入光面
T124:S軸(Slow Axis(遅相軸))
T1221、T1213:光軸
T1231、T1232、T1233、T1234、T1235、T142、T143:透過軸
θ:夾角