(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】天然由来の色素混合物を有する乾燥粉末チーズ組成物、作製方法及びチーズ製品
(51)【国際特許分類】
A23C 19/093 20060101AFI20220721BHJP
A23C 19/086 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A23C19/093
A23C19/086
(21)【出願番号】P 2017554356
(86)(22)【出願日】2016-04-19
(86)【国際出願番号】 US2016028274
(87)【国際公開番号】W WO2016172100
(87)【国際公開日】2016-10-27
【審査請求日】2018-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-04
(32)【優先日】2015-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514062242
【氏名又は名称】クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】アンバー リン エンゲルケ
(72)【発明者】
【氏名】ブリジット コリーン マックラチー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ベンジャミン トピンカ
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】大島 祥吾
【審判官】奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】Potato Cheddar Soup Mix,[online],Mintel GNPD,Feb-2013 uploaded,[retrieved on 2019-09-13],<https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1986306/form_search/fWs7Y2aYa6/?page=1>
【文献】Alfredo Pasta Mix,[online],Mintel GNPD,Janー2011 uploaded,[retrieverd on 2019-09-13],<https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/1658415/from_search/LhQ7FWF56X/?page=1>
【文献】Chicken Carbonara with Cauliflower Bacon Sauce and Pasta,[online],Mintel GNPD,Marー2015 uploaded,[retrieverd on 2019-09-13],<https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/3056541/from_search/tUUbrEpE00/?page=1>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23C 1/00 - 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チーズ製品又はアナログチーズを提供するように再構成可能な乾燥粉末組成物であって、
少なくとも1つのチーズ成分又はアナログチーズと、
色素組成物とを含み、
前記色素組成物が、
前記色素組成物の色素部分の総量に対して、49.7重量%~87.1重量%のクルクミン化合物と、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、2.1重量%~42.8重量%のアナトーカロテノイドと、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、7.5重量%~10.8重量%のパプリカカロテノイドとを含
み、
前記クルクミン化合物が前記アナトーカロテノイド量の2倍~15倍の重量で存在し、
前記アナトーカロテノイドが51重量%超のノルビキシンを含む、
乾燥粉末組成物。
【請求項2】
前記色素組成物が
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、61.1重量%~84重量%のクルクミン化合物と、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、5.5重量%~30.5重量%のアナトーカロテノイドと、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、8.5重量%~10.5重量%のパプリカカロテノイドとを含む、請求項1に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項3】
前記色素組成物が
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、69.2重量%~80.1重量%のクルクミン化合物と、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、9.7重量%~21.6重量%のアナトーカロテノイドと、
前記色素組成物の前記色素部分の総量に対して、9.2重量%~10.1重量%のパプリカカロテノイドとを含む、請求項2に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項4】
前記クルクミン化合物が前記アナトーカロテノイド量の3倍~8.5倍の重量で存在する、請求項
1に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項5】
前記色素組成物が合成由来の着色剤を含まない、請求項1に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項6】
チーズ製品又はアナログチーズを提供するように再構成可能な乾燥粉末組成物であって、
少なくとも1つのチーズ成分又はアナログチーズと、
色素混合物とを含み、
前記色素混合物が、
前記粉末組成物に対して、38.5重量ppm~733.9重量ppmのクルクミン化合物と、
前記粉末組成物に対して、3.6重量ppm~165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、
前記粉末組成物に対して、5.8重量ppm~90.7重量ppmのパプリカカロテノイドとを含み、
前記クルクミン化合物が前記アナトーカロテノイド量の2倍~15倍の重量で存在し、
前記アナトーカロテノイドが51重量%超のノルビキシンを含む
、乾燥粉末組成物。
【請求項7】
前記色素混合物が合成由来の着色剤を含まない、請求項
6に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項8】
前記色素混合物が
前記粉末組成物に対して、56.6重量ppm~643.7重量ppmのクルクミン化合物と、
前記粉末組成物に対して、8.5重量ppm~141.1重量ppmのアナトーカロテノイドと、
前記粉末組成物に対して、7.8重量ppm~80.4重量ppmのパプリカカロテノイドとを含む、請求項
6に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項9】
前記色素混合物が
前記粉末組成物に対して、74.6重量ppm~553.5重量ppmのクルクミン化合物と、
前記粉末組成物に対して、13.4重量ppm~116.4重量ppmのアナトーカロテノイドと、
前記粉末組成物に対して、9.9重量ppm~70.1重量ppmのパプリカカロテノイドとを含む、請求項
6に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項10】
前記色素混合物が、更に、1つ以上の担体、酸化防止剤、又は加工助剤を含む、請求項
6に記載の乾燥粉末組成物。
【請求項11】
乾燥粉末チーズ組成物の作製方法であって、
1つ以上のチーズ成分を色素混合物と混合するステップを含み、
前記色素混合物が、
前記色素混合物の色素部分の総量に対して、49.7重量%~87.1重量%のクルクミン化合物と、
前記色素混合物の前記色素部分の総量に対して、2.1重量%~42.8重量%のアナトーカロテノイドと、
前記色素混合物の前記色素部分の総量に対して、7.5重量%~10.8重量%のパプリカカロテノイドとを含み、
前記クルクミン化合物と、前記アナトーカロテノイドと、前記パプリカカロテノイドとを含む前記色素混合物の前記色素部分が、前記粉末組成物に対して、47.9重量ppm~990.3重量ppmの量で存在し、
前記クルクミン化合物が前記アナトーカロテノイド量の2倍~15倍の重量で存在し、前記アナトーカロテノイドが51重量%超のノルビキシンを含む、乾燥粉末チーズ組成物の作製方法。
【請求項12】
前記1つ以上のチーズ成分を前記色素混合物と混合するステップが、
前記1つ以上のチーズ成分と、前記色素混合物と、1つ以上の塩とを含むチーズスラリーを形成するステップと、
前記チーズスラリーを冷却するステップと、
前記チーズスラリーを噴霧乾燥して乾燥粉末チーズ組成物を形成するステップとを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、及びこれらの組合せの少なくとも1つを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記チーズスラリーを形成するステップが、前記1つ以上のチーズ成分と、前記色素混合物と、前記1つ以上の塩とを調理器で混合するステップを含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のチーズ成分を前記色素混合物と混合するステップが、脱水したチーズ粉末を前記色素混合物と混合して前記乾燥粉末チーズ組成物を形成するステップを含み、前記色素混合物が粉末の形態である、請求項
11に記載の方法。
【請求項16】
前記色素混合物が、前記粉末組成物に対して、8.5重量ppm~141.1重量ppmのアナトーカロテノイドを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項17】
前記色素混合物が、前記粉末組成物に対して、13.4重量ppm~116.4重量ppmのアナトーカロテノイドを含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
チーズ製品であって、
固形分に対して、38.5重量ppm~733.9重量ppmのクルクミン化合物と、
固形分に対して、3.6重量ppm~165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、
固形分に対して、5.8重量ppm~90.7重量ppmのパプリカカロテノイドとを含み、前記色素混合物が合成由来の着色剤を含ま
ず、
前記クルクミン化合物が前記アナトーカロテノイド量の2倍~15倍の重量で存在し、前記アナトーカロテノイドが51重量%超のノルビキシンを含む、チーズ製品。
【請求項19】
固形分に対して、56.6重量ppm~643.7重量ppmのクルクミン化合物と、
固形分に対して、8.5重量ppm~141.1重量ppmのアナトーカロテノイドと、
固形分に対して、7.8重量ppm~80.4重量ppmのパプリカカロテノイドとを更に含む、請求項
18に記載のチーズ製品。
【請求項20】
固形分に対して、74.6重量ppm~553.5重量ppmのクルクミン化合物と、
固形分に対して、13.4重量ppm~116.4重量ppmのアナトーカロテノイドと、
固形分に対して、9.9重量ppm~70.1重量ppmのパプリカカロテノイドとを更に含む、請求項
19に記載のチーズ製品。
【請求項21】
前記アナトーカロテノイドが75重量%超のノルビキシンを含む、
請求項
18に記載のチーズ製品。
【請求項22】
前記アナトーカロテノイドが90重量%超のノルビキシンを含む、
請求項
21に記載のチーズ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にチーズソースを製造するための天然由来の色素、色素混合物、及び粉末チーズ組成物に関し、特に、天然由来の色素及び色素混合物、並びにこれらを含む粉末チーズ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、チーズ粉末は、脱水したチーズ粉末に通常は含まれ得ない濃い色を与える合成由来の色素及び/又は染料を含む。しかしながら、現在の消費者は、天然原料がより多い、合成由来の色素、風味及び防腐剤がより少ない製品を望んでいる。諸種の天然着色剤が知れているが、これらの着色剤により、チーズソースの味が変質することや、チーズソースの色が不均一になること、及び/又はチーズソースにおける所望のクリーム感と全体的な口当たりが消費者の期待に沿わないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、着色チーズ製品を提供するように再構成可能な、代替の天然由来の色素と、天然由来の色素を含む色素混合物と、天然由来の色素を有するチーズ粉末とが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、チーズ製品又はアナログチーズを提供するように再構成可能な乾燥粉末組成物は、少なくとも1つのチーズ成分又はアナログチーズ及び色素組成物を含む。色素組成物は、組成物の色素総量に対して、約49.7重量%~約87.1重量%のクルクミン化合物と、約2.1重量%~約42.8重量%のアナトーカロテノイドと、約7.5重量%~約10.8重量%のパプリカカロテノイドとを含む。
【0005】
他の実施形態によれば、チーズ製品又はアナログチーズを提供するように再構成可能な乾燥粉末組成物は、少なくとも1つのチーズ成分又はアナログチーズ及び色素混合物を含む。乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約38.5重量ppm~約733.9重量ppmのクルクミン化合物と、約3.6重量ppm~約165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、約5.8重量ppm~約90.7重量ppmのパプリカカロテノイドとを含む。クルクミン化合物の量は、アナトーカロテノイドの量より多い。
【0006】
他の実施形態によれば、乾燥粉末チーズ組成物を作製する方法は、1つ以上のチーズ成分を色素混合物と混合することを含む。乾燥粉末組成物は、組成物の色素総量に対して、約49.7重量%~約87.1重量%のクルクミン化合物と、約2.1重量%~約42.8重量%のアナトーカロテノイドと、約7.5重量%~約10.8重量%のパプリカカロテノイドとを含む。クルクミン化合物とアナトーカロテノイドとパプリカカロテノイドとを含む着色剤は、粉末組成物に対して、47.9重量ppm~約990.3重量ppmの量で存在してもよい。クルクミン化合物の量は、アナトーカロテノイドの量より多い。
【0007】
他の実施形態によれば、チーズ製品は、固形分に対して、約38.5重量ppm~約733.9重量ppmのクルクミン化合物と、約3.6重量ppm~約165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、約5.8重量ppm~約90.7重量ppmのパプリカカロテノイドとを含む。クルクミン化合物の量は、アナトーカロテノイドの量より多い。また、チーズ製品は、実質的に合成由来の着色剤を含まない。
【0008】
以下の「発明を実施するための形態」の項では更なる特徴及び利点について説明するが、これらの特徴及び利点の一部は、以下の説明を読めば当業者には容易に理解されるはずであり、又は当業者が「発明を実施するための形態」及び添付の特許請求の範囲を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって認識されるものである。
【0009】
前述した一般的な説明及び後述する発明を実施するための形態はいずれも、諸種の態様および実施形態を説明し、特許請求の範囲に記載された主題の性質及び特徴を理解するための概要又は骨子を提供するものと理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、天然由来の色素及び粉末組成物を含むチーズ製品を提供するように再構成可能な、天然由来の色素及び粉末組成物の様々な実施形態について詳細に説明する。粉末組成物の成分は、一般に、1つ以上のチーズ成分と、天然由来の色素組成物を含む色素混合物とを含んでもよい。色素混合物には、天然由来の着色剤が相乗作用を生じさせる量で存在するため、望ましくない味プロファイルや外観を生成せずに、所望の色を提供する。したがって、粉末組成物を再構成して提供されるチーズ製品は、合成由来の着色剤を含み消費者が望む従来のチーズ及びチーズ味製品と同様の味及び外観を有する。諸種の実施形態において、チーズ製品またはアナログチーズを提供するように再構成可能な乾燥粉末組成物は、少なくとも1つのチーズ成分又はアナログチーズ及び色素混合物を含む。一部の実施形態では、色素混合物は、組成物の色素総量に対して、約49.7重量%~約87.1重量%のクルクミン化合物と、約2.1重量%~約42.8重量%のアナトーカロテノイドと、約7.5重量%~約10.8重量%のパプリカカロテノイドとを含んでもよい。一部の実施形態では、乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約38.5重量ppm~約733.9重量ppmのクルクミン化合物と、約3.6重量ppm~約165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、約5.8重量ppm~約90.7重量ppmのパプリカカロテノイドとを含む。以下、色素組成物、色素組成物を有する粉末組成物、及び色素組成物を有するチーズ製品の様々な実施形態、並びにこれらの作製方法について説明する。
【0011】
本明細書で使用される「wt%」、「重量パーセント」又は「重量%」は、特に断らない限り、乾燥粉末組成物全体の総重量を基準とする。本明細書で使用される「ウコン」、「クルクミン化合物」、「アナトー」及び「パプリカ」には、各成分より形成される抽出物、誘導体及びオレオレジンが含まれ、各成分から抽出できるカロテノイドが含まれる。
【0012】
成分、原料、添加物、温度、時間等の態様及びこれらの範囲について開示される特定的な好ましい数値は、単なる例示にすぎない。これらの数値は、他の定義値又は定義された範囲内の他の数値を排除するものではない。本開示の組成物、装置及び方法には、本明細書で記載された任意の数値又は数値の組合せ、特定数値、又はそれらの範囲を有するものが含まれる。
【0013】
諸種の実施形態において、粉末組成物の成分は、1つ以上のチーズ成分又はアナログチーズ及び色素混合物を含む。1つ以上のチーズ成分は、例えば、チーズ又はチーズの組合せ、脱水したチーズ粉末、又は1つ以上のチーズ形成原料を含むことができる。チーズ成分は、例えば、1つ以上の乳脂肪を含有する天然チーズ、凝乳、乳、タンパク質、水、塩、乳酸等を含むことができる。適切なチーズは、限定ではないが例えば、リコッタチーズ、チェダーチーズ、コルビーチーズ、スイスチーズ、ムンスターチーズ、モンテレージャックチーズ、ハバティチーズ、ブリックチーズ、ゴーダチーズ、クリームチーズ、カッテージチーズ、及び他のソフトチーズ等を含むことができる。一部の実施形態では、チーズ成分の少なくとも一部を、1つ以上のアナログチーズで置き換える。一部の実施形態では、アナログチーズは、植物性脂肪又は植物性タンパク質由来のアナログチーズである。一部の実施形態では、チーズ成分の全部又は一部を、プロセスチーズ、模造チーズ、チーズスプレッド、及び/又はアナログチーズで置き換えてもよい。
【0014】
諸種の実施形態において、粉末組成物は、まず調理器でチーズスラリーを作製し、そしてチーズスラリーを噴霧乾燥することによって形成されるものである。調理は、1回にまとめたプロセス、半連続プロセス、又は連続プロセスとして行ってもよい。かかる実施形態では、チーズスラリーは、1つ以上のチーズ成分を調理器でチーズ、1つ以上の塩、及びホエー固形分と混合することによって形成することができる。チーズは、熟成されたチェダー味等の風味をチーズに提供することができる。チーズは、例えば、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6251445号に記載されたプロセスに従って作製することができる。
【0015】
塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び乳化塩が挙げられる。乳化塩は、チーズの溶融を促進し、滑らかでかつ溶融したチーズスラリーを形成する。乳化塩としては、限定ではないが例えば、クエン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、リン酸三ナトリウム十二水和物、リン酸一ナトリウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸二カリウム、クエン酸三カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、リン酸一カリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸一カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム等が挙げられる。選択された特定の乳化塩及びその量は、チーズ条件、処理条件、又は特定の実施形態に応じて変化してもよい。諸種の実施形態において、乳化塩としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、トリポリリン酸ナトリウム、及びこれらの組合せを使用する。諸種の実施形態においては、1つ以上のチーズ成分を調理器でチーズ、1つ以上の塩、及びホエー固形分と一緒に混ぜた後、約160°F~約300°F(約71°C~149°C)の温度に加熱する。一部の実施形態では、チーズ、1つ以上の塩、及びホエー固形分を、約170°F~約190°F(約77°C~約88°C)の温度に加熱する。
【0016】
諸種の実施形態においては、湿ったホエーミックスを、乳化塩とチーズ成分とチーズとの混合物に添加する。必要に応じて、追加的な調味料を1つ以上添加してもよい。一部の実施形態では、色素混合物を湿ったホエーミックスと一緒にチーズスラリーに添加するが、他の実施形態では、色素混合物を別のステップでチーズスラリーに添加してもよい。実施形態では、色素混合物は、以下で更に詳細に説明するように、クルクミン化合物、アナトーカロテノイド、及びパプリカカロテノイドを含むことができる。諸種の実施形態において、色素混合物は、相乗作用を生じさせる量のクルクミン化合物、アナトーカロテノイド、及びパプリカカロテノイドを含む。そのため、得られる再構成チーズ製品には、合成由来の着色剤を添加しなくても、合成由来の着色剤を含む従来のチーズ製品と同様の味及び外観を有する。
【0017】
諸種の実施形態においては、成分を調理器でよく混ぜて少なくとも160°F(約71°C)の温度に加熱した後、増粘剤をチーズスラリーに添加してスラリーの粘度を増加させてもよい。一部の実施形態では、増粘剤の代わりに、又は増粘剤に加えて、例えば、クエン酸や乳酸等の酸を添加する。酸は、スラリー中の乳タンパク質を集め、チーズスラリーを増粘させる場合がある。また、酸は、チーズスラリーのpHを低下させることができる。一部の実施形態では、組成物のpHを約4.5~約6に低下させてもよい。
【0018】
その後、成分をスラリーの低温殺菌に十分な温度まで加熱し、この温度で少なくとも約2分間保持してもよい。実施形態では、低温殺菌の温度は、約180°F~約195°F(約82°C~約91°C)であってもよい。他の実施形態では、スラリーの低温殺菌の代わりに、又はスラリーの低温殺菌に加えて、防腐剤を添加してもよい。次に、チーズスラリーを冷却し、噴霧乾燥して乾燥粉末組成物を形成する。例えば、一部の実施形態では、調理器を用いてチーズスラリーを約185°F(約85°C)の温度に加熱し、その温度でチーズスラリーを約2分間保持してチーズスラリーを低温殺菌する。次に、チーズスラリーを約80°F(約27°C)に冷却してから噴霧乾燥する。一部の実施形態では、冷却したチーズスラリーを、凍結乾燥、遠心分離、ナノ濾過、逆浸透、ドラム乾燥、押出し等の方法で乾燥することができる。
【0019】
他の実施形態では、乾燥粉末組成物の成分を乾式混合によって混合することができる。成分を乾式混合する実施形態では、チーズ成分、色素混合物、及びホエー及び/又は調味料等の任意の追加成分を含む各成分は、乾燥粉末の形態で提供され、混合物中に均一分布するように混合されてもよい。
【0020】
諸種の実施形態においては、乾燥粉末組成物を形成するための成分混合手法にかかわらず、乾燥粉末組成物は、約3%~約6%の水分と、約5%~約30%の脂肪分と、約5%~約15%の塩分とを含む。一部の実施形態では、乾燥粉末組成物は、約3%~約4.75%の水分と、約15%~約20%の脂肪分と、約7.6%~約9.2%の塩分とを含む。
【0021】
諸種の実施形態において、色素混合物は、着色剤部分を含み、また1つ以上の添加剤を含んでもよい。着色剤部分は、クルクミン化合物と、アナトーカロテノイドと、パプリカカロテノイドとを含む。諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約47.9重量ppm~約990.3重量ppmの着色剤部分(クルクミン化合物と、アナトーカロテノイドと、パプリカカロテノイドとを含む)を含む。一部の実施形態では、色素は、約72.9ppm~約865.2ppmの量で存在する。一部の実施形態では、色素は、約97.9ppm~約740.0ppmの量で存在する。
【0022】
諸種の実施形態では、色素(例えば、着色剤部分)に加えて、色素混合物は、1つ以上の担体、酸化防止剤、加工助剤等を含む。色素混合物に含まれる担体は、限定ではないが例えば、懸濁化剤、pH調節剤、酸化防止剤、乳化剤等を含むことができる。担体は、例えば、グルコースシロップ固形分、加工食品デンプン、糖、炭酸カリウム、マルトデキストリン、アラビアゴム、植物油、グリコール、グリセリン等を含むことができる。適切なpH調整剤は、水酸化カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、別の塩基等を含む。酸化防止剤は、例えば、ローズマリー抽出物、トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、第三ブチルヒドロキノン(TBHQ)等を含むことができる。諸種の実施形態において、色素混合物は、約90%まで、約95%まで、又は約99%までの1つ以上の担体と、約2%~約10%、約3%~約10%、又は約5%~約10%の着色剤とを含むことができる。一部の実施形態では、色素混合物は、約65%超、約70%超、約75%超、又は約80%超の1つ以上の担体を含むことができる。例えば、実施形態では、約65%~約99%、又は75%~約95%の担体を含んでもよい。特定の実施形態では、色素混合物は、約0%~約5%の酸化防止剤、又は約0%~約3%の酸化防止剤を含んでもよい。色素混合物は、更に、約0%~約5%の加工助剤、又は約1%~約4%の加工助剤を含んでもよい。
【0023】
諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約38.5重量ppm~約733.9重量ppmのクルクミン化合物を含む。一部の実施形態では、粉末組成物に対して、約56.6重量ppm~約643.7重量ppmのクルクミン化合物を含む。更に他の実施形態では、粉末組成物に対して、約74.6重量ppm~約553.5重量ppmのクルクミン化合物を含む。
【0024】
諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約3.6重量ppm~約165.7重量ppmのアナトーカロテノイドを含む。一部の実施形態では、粉末組成物に対して、約8.5重量ppm~約141.1重量ppmのアナトーカロテノイドを含む。更に他の実施形態では、粉末組成物に対して、約13.4重量ppm~約116.4重量ppmのアナトーカロテノイドを含む。
【0025】
諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、粉末組成物に対して、約5.8重量ppm~約90.7重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。一部の実施形態では、粉末組成物に対して、約7.8重量ppm~約80.4重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。更に他の実施形態では、粉末組成物に対して、約9.9重量ppm~約70.1重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。
【0026】
諸種の実施形態において、色素は、色素混合物の全着色剤部分の約49.7重量%~約87.1重量%のクルクミン化合物を含む。一部の実施形態では、色素は、色素混合物の全着色剤部分の約61.1重量%~約84重量%のクルクミン化合物を含む。更に他の実施形態では、全着色剤部分の約69.2重量%~約80.1重量%のクルクミン化合物を含む。色素混合物に含まれるクルクミン化合物は、例えば、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、及びククミンを含むことができる。一部の実施形態によれば、クルクミン化合物をオレオレジンウコンとして添加することができる。諸種の実施形態では、クルクミン化合物が、アナトーカロテノイドの量より多い量で含まれる。一部の実施形態では、クルクミン化合物は、粉末組成物に対して、アナトーカロテノイドの約4倍~約11倍の重量で存在する。一部の実施形態では、クルクミン化合物は、粉末組成物に対して、アナトーカロテノイドの約4倍~約5倍の重量で存在する。一部の実施形態では、クルクミン化合物は、着色剤部分に対して、アナトーカロテノイドの約2倍~約15倍の重量で存在する。一部の実施形態では、クルクミン化合物は、着色剤部分に対して、アナトーカロテノイドの約3倍~約8.5倍の重量で存在する。
【0027】
諸種の実施形態によれば、着色剤部分はまた、全着色剤部分の約2.1重量%~約42.8重量%のアナトーカロテノイドを含む。一部の実施形態では、着色剤部分は、全着色剤部分の約5.5重量%~約30.5重量%のアナトーカロテノイドを含む。更に他の実施形態では、全着色剤部分の約9.7重量%~約21.6重量%のアナトーカロテノイドを含む。色素混合物に含まれるアナトーカロテノイドは、例えば、ノルビキシンアナトカロテノイド及びビキシンアナトーカロテノイドを含むことができる。一部の実施形態では、アナトーカロテノイドは、ノルビキシンとビキシンの混合物を含む。ノルビキシンとビキシンの混合物は、ノルビキシンとビキシンの混合物の約51重量%超のノルビキシン、ノルビキシンとビキシンの混合物の約75重量%超のノルビキシン、又はノルビキシンとビキシンの混合物の約90重量%超のノルビキシンを含むことができる。諸種の実施形態によれば、ノルビキシンは、ビキシンの鹸化によって形成することができる。一部の実施形態では、更にビキシン及び/又はノルビキシンのシス型とトランス型との両方を含む。例えば、一部の実施形態では、ノルビキシンの約90%がシスノルビキシンである。しかしながら、ビキシン及び/又はノルビキシンのシス型のみ又はトランス型のみを使用する実施形態が意図されるものと理解されたい。一部の実施形態によれば、アナトーカロテノイドをアナトー抽出物として添加することができる。
【0028】
諸種の実施形態によれば、着色剤部分は、更に、全着色剤部分の約7.5重量%~約10.8重量%のパプリカカロテノイドを含む。一部の実施形態では、着色剤部分は、全着色剤部分の約8.5重量%~約10.5重量%のパプリカカロテノイドを含む。更に他の実施形態では、全着色剤部分の約9.2重量%~約10.1重量%のパプリカカロテノイドを含む。色素混合物の使用に適切なパプリカカロテノイドは、限定ではないが例えば、カプソルビン、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、カプサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、ベータカロチン、アルファカロチン、リコピン等を含むことができる。一部の実施形態では、カロテノイドの複雑さを低減するために、パプリカカロテノイドを鹸化する。特に、一部の実施形態では、色素混合物に使用されるパプリカカロテノイドは遊離形態で存在し、混合物はある範囲の脂肪酸のモノエステル及びジエステルを実質的に含まない。一部の実施形態によれば、パプリカカロテノイドは、パプリカオレオレジンとして添加することができる。
【0029】
諸種の実施形態においては、乾燥粉末組成物の出発原料に応じて、乾燥粉末組成物を再構成してチーズ製品又はアナログチーズを提供することができる。再構成チーズ製品又はアナログチーズとしては、例えば、チーズソース、チーズソース代替品、又はアナログチーズソースがある。諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、脂肪(例えば、バター、マーガリン等)及び液体(例えば、水、乳等)を用いて再構成することができる。しかしながら、一部の実施形態では、乾燥粉末組成物は、液体のみで再構成することができる。乾燥粉末組成物は、脂肪及び/又は液体と混合して均一なチーズ製品又はアナログチーズを提供する。諸種の実施形態において、乾燥粉末組成物は、特定の実施形態に応じて、完成した再構成チーズ製品又はアナログチーズの約10%~約45%の量で存在する。一部の実施形態では、乾燥粉末組成物は、完成した再構成チーズ製品又はアナログチーズの約15%~約45%の量で存在する。一部の実施形態では、乾燥粉末組成物は、完成した再構成チーズ製品又はアナログチーズの約20%~約35%の量で存在する。
【0030】
したがって、諸種の実施形態において、チーズ製品は、固形分に対して、約38.5重量ppm~約733.9重量ppmのクルクミン化合物と、約3.6重量ppm~約165.7重量ppmのアナトーカロテノイドと、約5.8重量ppm~約90.7重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。かかる実施形態では、チーズ製品は、合成由来の着色剤を実質的に含まず、アナトーカロテノイドの量より多い量のクルクミン化合物を含む。一部の実施形態では、チーズ製品は、固形分に対して、約56.6重量ppm~約643.7重量ppmのクルクミン化合物と、約8.5重量ppm~約141.1重量ppmのアナトーカロテノイドと、約7.8重量ppm~約80.4重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。更に他の実施形態では、チーズ製品は、固形分に対して、約74.6重量ppm~約553.5重量ppmのクルクミン化合物と、約13.4重量ppm~約116.4重量ppmのアナトーカロテノイドと、約9.9重量ppm~約70.1重量ppmのパプリカカロテノイドを含む。
【0031】
本明細書に記載された諸種の実施形態における色素混合物、乾燥粉末組成物、及び/又はチーズ製品は、チップやクラッカーやポップコーン等の風味及び/又は着色スナック食品、チーズスプレッド又はチーズソース等の様々な最終用途で使用することができる。一例を挙げると、色素混合物、乾燥粉末組成物、及び/又は再構成された乾燥粉末組成物から作製したチーズ製品を使用して、マカロニ・アンド・チーズを作製することができる。
【0032】
諸種の実施形態によれば、再構成チーズソース、チーズソース代替品、又はアナログチーズソースは、パスタと混合することができる。諸種の実施形態において、パスタは、ハード・レッド・スプリング小麦粉、デュラム小麦粉、セモリナ小麦粉、全粒小麦粉、及びこれらの混合物を含む小麦粉から作製してもよいが、それらに限定されるものではない。一部の実施形態によれば、パスタは、乾燥粉末組成物と共にキットに包装してもよい。一部の実施形態では、乾燥粉末組成物を未調理のパスタに添加し、パスタと乾燥粉末組成物を一緒に水和させることができる。他の実施形態では、乾燥粉末組成物を再構成してチーズソース、チーズソース代替品、又はアナログチーズソースを形成した後、調理済みパスタと混ぜてパスタ料理を完成する。諸種の実施形態においては、チーズソース、チーズソース代替品、又はアナログチーズソースをパスタと混ぜて実質的に均質な組成物を作製する。
【実施例】
【0033】
上述した諸種の実施形態は、以下の実施例によって一層明らかになると考えられる。
【0034】
(実施例1)
2つの粉末チーズ組成物を連続調理器で作製し、噴霧乾燥させた。各粉末チーズ組成物は、様々なチーズ成分をチーズ及び乳化塩と共に調理器で混合することによって作製された。まず、混合物を175°F(約79°C)に加熱した。次に、湿ったホエーミックスを各混合物に添加した。第1混合物(表1の比較例1)に比較用色素混合物を添加したが、第2混合物(表1の発明例1)に本明細書に記載の諸種の実施形態による色素混合物を添加した。表1は、比較例1及び発明例1の粉末組成物をそれぞれ基準として、着色剤を色素の重量%及び重量ppmで示す。
【0035】
【0036】
混合物を180°F(約82°C)に加熱した。クエン酸をpH調整剤として各スラリーに添加した。次に、各スラリーを185°F(約85°C)に加熱し、低温殺菌のために2分間保持した。次に、スラリーを約80°F(約27°C)未満に冷却し、噴霧乾燥して粉末チーズ組成物を作製した。
【0037】
比較例1の色素混合物を用いて作製された粉末チーズ組成物は、チーズ製品を製造するために再構成されたときの味が望ましい味ではなかった。具体的には、比較例1の色素混合物を含む粉末チーズ組成物39.6g又は発明例1の色素混合物を含む粉末チーズ組成物39.6gを用いてマカロニ・アンド・チーズを調製した。対照サンプルとしては、合成由来の着色剤を含むKraft Blue Boxマカロニ・アンド・チーズを使用した。各マカロニ・アンド・チーズサンプルについて、およそ166.4gのマカロニを6カップの沸騰水に入れて時々かき混ぜながら約7.5分間調理した。調理直後に、マカロニを水切りし、余分な水がなくなるまでマカロニを振った。その後、マカロニを鍋に戻した。
【0038】
次に、マーガリン大さじ4を鍋に加え、マーガリンが溶けるまでかき混ぜた。4分の1カップの2%ミルクを鍋に加え、混合物をかき混ぜた。次に、39.6gの粉末チーズ組成物を鍋に加えて混ぜた。調整された各マカロニ・アンド・チーズのサンプル(1/2カップ)に関して、消費者パネル調査(N=256)を実施した。消費者が各サンプルを味見し、各サンプルの味見の間に定期の5分間の休憩があり、また各サンプルを味見する前に水と無塩クラッカーを用いて味覚をクレンジングした。表2は、消費者が評価した全体的な好み及び苦味強度を示す。
【0039】
【0040】
表2に示したように、発明例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルは、対照サンプル、及び比較例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルよりも全体的な好みが高かった。更に、消費者は、全体的な好みにおいて、比較例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルを、対照サンプルよりも低く評価した。苦味に関しては、消費者は、発明例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルが、対照サンプル、及び比較例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルよりも低い苦味強度を有すると評価した。また、消費者は、比較例1の色素混合物を含む乾燥チーズ粉末から再構成されたチーズソースを含むマカロニ・アンド・チーズサンプルが、対照サンプルよりも高い苦味強度を有すると認定した。特に、発明例1の色素混合物を用いて作製された粉末チーズ組成物は、合成由来の着色剤を含む粉末チーズ組成物から作製された従来の再構成チーズ製品と同様又は改善された味及び外観を有するチーズ製品に再構成することができる。
【0041】
本開示の実施形態は、合成由来の着色剤を含み消費者が望む従来のチーズ製品と同様の味及び外観を保持しながら、天然由来の着色剤を用いて乾燥粉末組成物を着色することを可能にすることが、理解されるであろう。更に、諸種の実施形態は、色素混合物を1つ以上のチーズ成分と混合して乾燥粉末組成物を作製することを可能にする。乾燥粉末組成物は、例えば、水又は乳と組み合わせる場合、再構成して加工チーズ製品を形成することができる。他の利点は、当業者には理解されるであろう。
【0042】
特許請求の範囲に記載された主題の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、本明細書に記載の実施形態には様々な調節及び変更を加え得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は、本明細書に記載された諸種の実施形態の修正例及び変更例を含むものとし、かかる修正例及び変更例は、添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物の範囲内に入るものとする。