(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】インホイールモータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
B60K 7/00 20060101AFI20220721BHJP
B60T 8/171 20060101ALI20220721BHJP
F16D 65/12 20060101ALI20220721BHJP
F16C 19/18 20060101ALI20220721BHJP
F16C 41/00 20060101ALI20220721BHJP
B60K 1/02 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B60K7/00
B60T8/171 A
F16D65/12 A
F16D65/12 Z
F16C19/18
F16C41/00
B60K1/02
(21)【出願番号】P 2018056758
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】田村 四郎
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 早織
(72)【発明者】
【氏名】崔 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】太向 真也
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-159877(JP,A)
【文献】特開2017-185841(JP,A)
【文献】実開昭61-173066(JP,U)
【文献】特開平1-275245(JP,A)
【文献】実公平4-22302(JP,Y2)
【文献】特開2017-214014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00
B60K 1/02
B60B 27/00
F16D 65/12
B60T 8/171
F16C 19/18
F16C 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向外側に凹むように形成されたハット部を有するブレーキロータと同軸に結合し、前記ブレーキロータと一体回転する内輪と、回転不能に固定される外輪とを含む、車輪ハブ軸受部を備えたインホイールモータ駆動装置であって、
前記ブレーキロータのハット部内に
前記車輪ハブ軸受部の軸線に直交するように配置され、円周方向に磁束変化を生じさせる被検出部と、前記被検出部と対面するように、前記車輪ハブ軸受部の前記外輪、または、前記外輪を支持するハブ支持部材に取り付けられた回転センサと、を
含む車輪速検出装置を
備え、
前記車輪速検出装置は、前記外輪のフランジ部または前記ハブ支持部材に前記回転センサを取り付けるための保持部材をさらに含み、
前記保持部材の少なくとも一部は、前記外輪のフランジ部または前記ハブ支持部材の外周円よりも径方向内側に配置され、
前記外輪のフランジ部または前記ハブ支持部材に、前記回転センサを嵌合するための嵌合孔が設けられる、インホイールモータ駆動装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記被検出部と平行な平面部分を有しており、
前記回転センサは、前記保持部材の前記平面部分に固定されている、請求項
1に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項3】
前記保持部材は、車幅方向外側から通される締結部材によって前記外輪のフランジ部または前記ハブ支持部材に固定されている、請求項
1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インホイールモータ駆動装置に関し、特に、車輪の回転を検出する車輪速検出装置を備えたインホイールモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全性向上のため、ABS(アンチロックブレーキシステム)を装着した自動車が増えている。ABSにおいては、車輪の回転を検出する車輪速検出装置が用いられる。車輪速検出装置は、車輪と一体回転する回転部分に設けられるセンサターゲットと、センサターゲットに対面して取り付けられる回転センサ(車輪速センサ)とを含む。回転センサの検出信号は、車体側に取り付けられた制御装置に送信され、制御装置によって、車輪のブレーキ油圧の調整等、ブレーキ機構の制御が行われる。このような回転センサは、ABSだけでなく、ESC(横滑り防止装置)にも用いられる。
【0003】
特開2013-152023号公報(特許文献1)には、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリング(センサターゲット)を配置される構成が開示されている。引用文献1において、パルサーリングは、径方向に延びてハット部に取り付けられるフランジ部と、フランジ部から折れ曲がって車軸方向に延びて回転センサに対面する被検出部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車内空間を犠牲にすることなく、インホイールモータ駆動装置と車体の車幅方向外側に形成されるホイールハウジングの内壁との干渉を回避するには、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さを短くする必要がある。加えて、インホイールモータ駆動装置を転舵輪に搭載する場合、転舵角を犠牲にすることなく装置を配置するには、非転舵輪に搭載する場合よりもインホイールモータ駆動装置の車軸方向長さをさらに短くする必要がある。
【0006】
特許文献1のように、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリングを配置する構成は、インホイールモータ駆動装置の軸方向長さに影響しない点で有利である。
【0007】
また、特許文献1では、回転センサを保持する保持部材に位置調整部を設け、パルサーリングの被検出部と回転センサとの間のギャップ調整を可能にしているため、他部品の製作誤差や組み付け誤差を許容することができる。その結果、回転センサの検出精度の低下を防ぐことができる。
【0008】
しかし、特許文献1では、回転センサがインホイールモータ駆動装置のケーシングに取り付けられているため、回転センサの取り付け部位から被検出部までに介在する部品数が多くなるケースがあり、このようなケースにおいては、被検出部と回転センサとの間のギャップ管理が困難となる。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響することなく車輪速検出装置を配置でき、かつ、被検出部と回転センサとの間のギャップ管理を容易に行えるインホイールモータ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、車幅方向外側に凹むように形成されたハット部を有するブレーキロータと同軸に結合し、ブレーキロータと一体回転する内輪と、回転不能に固定される外輪とを含む、車輪ハブ軸受部を備えている。このインホイールモータ駆動装置は、ブレーキロータのハット部内に配置され、円周方向に磁束変化を生じさせる被検出部と、被検出部と対面するように、車輪ハブ軸受部の外輪、または、外輪を支持するハブ支持部材に取り付けられた回転センサと、を備えた車輪速検出装置を有することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、車輪速検出装置は、外輪のフランジ部またはハブ支持部材に回転センサを取り付けるための保持部材をさらに備える。
【0012】
好ましくは、保持部材の少なくとも一部は、外輪のフランジ部またはハブ支持部材の外周円よりも径方向内側に配置される。
【0013】
好ましくは、保持部材は、被検出部と平行な平面部分を有しており、回転センサは、保持部材の平面部分に固定されている。
【0014】
被検出部および保持部材の平面部分は、車輪の軸線に直交するように配置されていることが望ましい。
【0015】
この場合、外輪のフランジ部またはハブ支持部材に、回転センサを嵌合するための嵌合孔が設けられていてもよい。
【0016】
被検出部および保持部材の平面部分は、車輪の軸線に対して斜めに配置されていてもよい。
【0017】
好ましくは、保持部材は、車幅方向外側から通される締結部材によって外輪のフランジ部またはハブ支持部材に固定されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車輪速検出装置を、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響することなく配置できる。また、被検出部と回転センサとの間のギャップ管理を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における回転センサの取り付け構造を模式的に示す正面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1の変形例1における回転センサの取り付け構造を模式的に示す断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1の変形例1における回転センサの取り付け構造を模式的に示す正面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1の変形例2における車輪ハブ軸受部および回転センサの取り付け構造を模式的に示す断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態1の変形例2における車輪ハブ軸受部および回転センサの取り付け構造を模式的に示す正面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1の変形例3における車輪ハブ軸受部および回転センサの取り付け構造を模式的に示す断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態1の変形例3における車輪ハブ軸受部および回転センサの取り付け構造を模式的に示す正面図である。
【
図9】本発明の実施の形態1の変形例3における外輪フランジに設けられた位置決め用の嵌合部を模式的に示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る車輪速検出装置の取り付け構造を模式的に示す断面図である。
【
図11】本発明の実施の形態2において、パルサーリングが取り付けられたブレーキディスクを車幅方向外側から見た斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態2において、パルサーリングが取り付けられたブレーキディスクを車幅方向内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0021】
本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置は、車輪の回転を検出する車輪速検出装置を搭載している。車輪は、電気自動車またはハイブリッド車両などの乗用自動車の車輪である。
【0022】
<実施の形態1>
(インホイール駆動装置の基本構成例について)
はじめに、
図1および
図2を参照して、本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置1の基本構成例およびその周辺構造について説明する。
【0023】
図1は、インホイールモータ駆動装置1を示す展開断面図である。
図2は、インホイールモータ駆動装置1を示す模式的な正面図であり、車幅方向外側からインホイールモータ駆動装置1をみた状態を表す。
図1において、紙面右側は車幅方向内側(インボード側)を表し、紙面左側は車幅方向外側(アウトボード側)を表す。なお
図1で表される断面は、
図2に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面と、軸線Nおよび軸線Oを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。
図2において、紙面右側は車両後方を表し、紙面左側は車両前方を表し、紙面上側は車両上方を表し、紙面下側は車両下方を表す。
【0024】
インホイールモータ駆動装置1は、車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、モータ軸22を回転駆動するモータ部21と、モータ軸22の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31とを備える。減速部31を構成する減速機は、たとえば3軸の平行軸式歯車減速機である。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸方向と一致する。
【0025】
車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21は、車輪の内部(内空領域)、すなわち車輪ホイールWの中に収納される。なお、モータ部21の少なくとも一部は、車輪との干渉を回避するために車輪ホイールWよりも車幅方向内側に配置されてもよい。インホイールモータ駆動装置1は車輪ホイールWと連結して車輪を駆動する。車輪は、車輪ホイールWとその外周に嵌合するタイヤとにより構成される。以下の説明において、軸線O方向一方とは車幅方向外側を意味し、軸線O方向他方とは車幅方向内側を意味する。
【0026】
モータ部21の外郭をなすモータハウジング20と、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなす減速機ハウジング30とにより、インホイールモータ駆動装置1全体のケーシング10が構成されている。
【0027】
車輪ハブ軸受部11は、回転要素である内輪12と、固定要素である外輪13と、これら内外輪間の環状隙間に配置される複数の転動体14を有する。外輪13の外周面にはフランジ(以下「外輪フランジ」という)13fが立設される。正面視において外輪フランジ13fの形状は星形となっており、外輪フランジ13fは、周方向に間隔をあけて設けられる複数(5個)の突出部(結合部)13aを含む。外輪13の外径は、突出部13aで最大となり、周方向に隣り合う突出部13a間に位置する部分(以下「凹み部」という)13bで最小になる。
【0028】
外輪13の突出部13aには貫通孔が穿設される。各貫通孔は軸線Oと平行に延び、軸線O方向一方側からボルト83が通される。各ボルト83の軸部は、減速機ハウジング30の正面部分30fに穿設される雌ねじ孔と螺合する。これにより外輪13は正面部分30fに連結固定される。なお、外輪13は、下端部においてキャリア(図示せず)と固定される。
【0029】
内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。つまり、外輪13は、内輪12の外周に配置される。外輪13から車幅方向外側へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、フランジ(以下「内輪フランジ」という)12fが形成される。内輪フランジ12fは、外輪フランジ13fから軸線O方向一方側に離れて配置されている。
【0030】
正面視において内輪フランジ12fの形状は花びら形状となっており、内輪フランジ12fは、周方向に間隔をあけて設けられる複数の突出部(結合部)12aと、突出部間に位置する複数の谷部12bとで構成されている。内輪12の外径は突出部12aで最大となり、谷部12bで最小になる。
【0031】
ハブフランジとしての内輪フランジ12fの突出部12aが、ブレーキディスク5および図示しない車輪と同軸に結合するための結合座部を構成する。内輪12は、ホイールボルト82によって、内輪フランジ12fの突出部12aで車輪ホイールと結合し、車輪と一体回転する。ホイールボルト82は、突出部12aの貫通孔12hに軸線O方向他方側から通される。
【0032】
ブレーキディスク5は、ブレーキキャリパ81に支持されたブレーキパッド80に挟み込まれるロータ部51と、ロータ部51の内径側端部から車幅方向外側に凹むように形成されたハット部52とを有している。ロータ部51およびハット部52は一体形成されている。
【0033】
ハット部52は、径方向に延在する底壁部53と、底壁部53の外周縁部に連結され、円筒状の内径面を有する外周部54とで構成され、軸線Oを中心とする円筒状の内空領域を区画する。外周部54は、ブレーキディスク5に形成された環状段差に相当することから、以下、外周部54を環状段差54ともいう。底壁部53は、環状段差54よりも内径側に位置する内径領域に相当する。ロータ部51は、環状段差54よりも外径側に位置する外径領域に相当する。
【0034】
ハット部52の底壁部53には複数の貫通孔が設けられており、上記したホイールボルト82は、内輪12の突出部12fに設けられた貫通孔12hとこの貫通孔とを貫通する。
図2に示されるように、車輪ハブ軸受部11の内輪12および外輪13の最大外径は、ブレーキディスク5の環状段差54の直径(すなわち、ハット部52の外周部54の内径)よりも小さい。外輪13の最大外径は内輪12の最大外径よりも大きい。軸線O方向に見て、ボルト83の頭部は、内輪フランジ12fよりも外径側に位置し、内輪フランジ12fと重ならない。
【0035】
モータ部21は、モータ軸(モータ回転軸)22、ロータ23、ステータ24、および上記したモータハウジング20を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウターステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップであってもよい。
【0036】
モータ軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから車両前後方向に離れて軸線Oと平行に延びる。つまり、モータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからたとえば車両前方に離れるようオフセットして配置される。モータ軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータハウジング20に回転自在に支持される。
【0037】
減速部31は、3軸の平行軸式歯車減速機であって、内輪12と同軸に結合される出力歯車36と、モータ部21のモータ軸22と同軸に結合する入力歯車32と、入力歯車32から出力歯車36へ回転を伝達する複数の中間歯車33,35と、上記した減速機ハウジング30とを有する。
【0038】
入力歯車32は小径の外歯歯車であり、軸線Mに沿って配置される軸部32sの軸線方向他方端部外周に形成される多数の歯である。軸部32sの軸線は、軸線Mと一致する。軸部32sの中心孔32hに、モータ軸22の軸線M方向一方端に形成された突出部22pが差し込まれることで、軸部32sはモータ軸22と相対回転不可能に嵌合する。
【0039】
軸部32sは入力軸であり、入力歯車32の両端側で、転がり軸受32m,32nを介して、減速機ハウジング30に回転自在に支持される。小径の入力歯車32は、大径の外歯歯車になる第1中間歯車33と噛合する。中間歯車33は中間軸34によって小径の外歯歯車になる第2中間歯車35と同軸に結合する。中間軸34の両端部は、転がり軸受34m,34nを介して、減速機ハウジング30に回転自在に支持される。
【0040】
中間軸34の中心を通る軸線Nは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延び、かつ、車両前後方向において軸線Oと軸線Mとの間に位置する。このように、減速部31は、車輪ハブ軸受部11からオフセットして配置される。減速部31の軸線Nは、軸線Oよりも上方に配置される。
【0041】
小径の第2中間歯車35は大径の出力歯車36と噛合する。出力歯車36は出力軸15に同軸に設けられる外歯歯車である。出力軸15は、出力歯車36よりも軸線O方向一方で、転がり軸受36mを介して減速機ハウジング30の正面部分30fに回転自在に支持される。また出力軸15は、出力歯車36よりも軸線O方向他方で、転がり軸受36nを介して減速機ハウジング30の背面壁部30bに回転自在に支持される。
【0042】
インホイールモータ駆動装置1外部からコイル26に電力が供給されると、モータ部21のロータ23が回転し、モータ軸22から減速部31に回転を出力する。減速部31はモータ部21から入力軸32sに入力された回転を減速し、出力軸15から車輪ハブ軸受部11へ出力する。車輪ハブ軸受部11の内輪12は、出力軸15と同じ回転数で回転し、内輪12に取付固定される図示しない車輪(ロードホイールW)を駆動する。
【0043】
本実施の形態に係る車輪速検出装置6は、車輪ハブとしての内輪12と同軸に結合されたブレーキディスク5の回転を検出することで、車輪の速度を検出する。
【0044】
<車輪速検出装置について>
図1および
図2を参照しながら、車輪速検出装置6について詳細に説明する。車輪速検出装置6は、回転部分に設けられ、円周方向に磁束変化を生じさせる被検出部61と、固定部分に設けられた回転センサ62とを備える。本実施の形態における車輪速検出装置6は、たとえばパッシブ方式を採用している。
【0045】
本実施の形態では、被検出部61を有するパルサーリング60が、ブレーキディスク5のハット部52内に配置され、ブレーキディスク5に取り付けられている。パルサーリング60は、たとえば磁性体(薄型の鋼板)により構成されている。
【0046】
パルサーリング60は、軸線Oに直交する板状部材により形成され、ハット部52の底壁部53の内側面に面接触するように取り付けられる。パルサーリング60の外径は、少なくとも内輪フランジ12fの最大外径よりも大きい。パルサーリング60の外径は、外輪フランジ13fの最大外径よりも大きいが、小さくてもよい。
【0047】
パルサーリング60は、軸線Oを中心とする円環部と、円環部の内周縁から径方向内側に向かって突出する取り付け部64とを含む。被検出部61は、円環部の車幅方向内側を向く面に設けられている。被検出部61は、円周方向に繰り返し設けられた凹凸によって形成される。
【0048】
取り付け部64は、たとえば周方向に間隔をあけて複数個設けられる。取り付け部64には貫通孔が設けられており、パルサーリング60は、この貫通孔に通されるネジ部材71によってハット部52の底壁部53に固定される。ネジ部材は締結部材の一種である。締結部材には、ネジ、ボルト、ビスなどが含まれる。
【0049】
パルサーリング60の心合わせは、治具を用いて行われる。ブレーキディスク5におけるハット部52の底壁部53の中心円筒部分が車輪ハブとしての内輪12と嵌合するため、底壁部53に固定されたパルサーリング60の振れ回りが防止される。
【0050】
回転センサ62は、パルサーリング60の被検出部61に対面するように、車輪ハブ軸受部11の固定部分である外輪13に取り付けられている。回転センサ62は、たとえばピックアップコイルにより構成される。
【0051】
具体的には、回転センサ62は、平坦な板状の保持部材63を介して、外輪フランジ13fに取り付けられている。保持部材63は、外輪フランジ13fの軸線O方向一方端面(車幅方向外側を向く面)に当接状態で固定されている。外輪フランジ13fの当該端面は、軸線Oに直交し、パルサーリング60と平行に配置されている。そのため、保持部材63とパルサーリング60とは平行に配置される。
【0052】
保持部材63には複数の貫通孔63a,63bが設けられている。貫通孔63aはネジ部材72を通すための孔であり、たとえば2個(複数個)設けられる。貫通孔63bは回転センサ62を通すための孔である。本実施の形態では、保持部材63の貫通孔63bに通された回転センサ62は、一体成形または圧入等により予め保持部材63に固定されている。
【0053】
保持部材63は、外輪フランジ13fの凹み部13bに取り付けられることが望ましい。この場合、貫通孔63aに軸線O方向一方側から通されたネジ部材72は、外輪フランジ13fの凹み部13bに設けられた雌ネジ孔13cに螺合する。
図2に示されるように、軸線O方向から見て、ネジ部材72の頭部の全体が、内輪12の最小外径よりも外側に配置され、ネジ部材72の頭部の少なくとも一部が、内輪12の最大外径よりも内側に配置される。
【0054】
保持部材63は、取り付け状態において、外輪フランジ13fの凹み部13bよりも径方向外側に食み出す部分63pを有しており、この部分63pにおいて回転センサ62が保持される。貫通孔63bは、この部分63pのうち、パルサーリング60の被検出部61と対面する位置に設けられる。
【0055】
回転センサ62は先端から後端まで直線状に延びており、先端が車幅方向外側を向くように、保持部材63に保持されている。保持部材63の貫通孔63bは軸線Oと平行に延びるため、回転センサ62を貫通孔63bに通すだけで、回転センサ62の先端面である検出面62aとパルサーリング60の被検出部61とを平行にすることができる。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、回転センサ62の保持部材63が、被検出部61と平行な平面(平坦な薄板)により構成されるため、回転センサ62の検出面62aと被検出部61との間の間隔(ギャップ)を容易に管理することができる。具体的には、保持部材63と被検出部61との間に介在する部品の軸方向寸法(たとえば、保持部材63から内輪フランジ12fまでの距離、保持部材63から回転センサ62の検出面62aまでの距離)を管理することで、回転センサ62の検出面62aと被検出部61との間のギャップ調整を不要とすることができる。
【0057】
なお、保持部材63と被検出部61との間に介在する部品の軸方向寸法だけでなく、パルサーリング60(被検出部61)の軸方向寸法、ブレーキディスク5とパルサーリング60との合せ面の振れ、などをさらに管理することで、ブレーキディスク5を内輪フランジ12fに組み付けた後におけるギャップを、より正確に定めることができる。
【0058】
また、回転センサ62の保持部材63が被検出部61と平行な平面により構成されるため、ネジ部材72が挿通された貫通孔63aの隙間内で保持部材63の位置ずれが発生したとしても、保持部材63は径方向にしかずれないため、回転センサ62の軸方向位置は変わらない。したがって、回転センサ62の検出面62aと被検出部61との間のギャップ管理を容易にすることができる。
【0059】
また、回転センサ62が、ケーシング10ではなく、ケーシング10の外側に配置される外輪フランジ13fに取り付けられるため、取り付け部位から被検出部61までに介在する部品数を減らすことができる。これにより、被検出部61と回転センサ62との間のギャップ管理、すなわち車輪速検出装置6の寸法管理を容易にすることができる。また、ケーシング10に対する加工の手間を省くことができる。
【0060】
さらに、本実施の形態では、保持部材63が、外輪フランジ13fの凹み部13b(つまり、周方向に隣り合う突出部13a間に位置する部分)に固定され、外輪フランジ13fの外周円(外輪13の外径が最大となる円、すなわち全ての突出部13aの外径側端縁を通る円)C1よりも径方向内側に配置される。これにより、車輪速検出装置6の径方向寸法を小さくすることが可能になり、車輪速検出装置6をブレーキディスク5のハット部52内に配置することができる。
【0061】
なお、保持部材63の貫通孔63bの全体が、外輪フランジ13fの外周円C1よりも径方向内側に位置していることが望ましいものの、貫通孔63bの少なくとも一部が外周円C1よりも径方向内側に位置していればよい。
【0062】
また、本実施の形態では、回転センサ62が保持部材63を介して車幅方向外側から取り付けられる。そのため、軸線O方向に見て回転センサ62が出力歯車36と重なる位置に配置される(回転センサ62および出力歯車36の径方向位置が重なる)場合であっても、車輪ハブ軸受部11を分解することなく、回転センサ62を容易に交換することができる。
【0063】
(変形例1)
本実施の形態では、保持部材63に回転センサ62が固着されていることとしたが、
図3および
図4に示されるように、回転センサ162を着脱自在な保持部材163を採用してもよい。
図3および
図4は、本変形例における車輪速検出装置6Aを模式的に示す図である。
【0064】
保持部材163の部分63pには、回転センサ162の本体部を嵌め入れるための貫通孔63bに加えて、回転センサ162の固定片62bを通過したネジ部材73が通される貫通孔63cが設けられている。
【0065】
貫通孔63cの内壁には、図示しない雌ねじが切られており、ネジ部材73は車幅方向内側から貫通孔63cに通される。ネジ部材73は、その頭部と保持部材163との間に、回転センサ162の固定片62bを挟み込んだ状態で、貫通孔63cに螺合する。
【0066】
本変形例によれば、車幅方向内側からステー(保持部材)に挿し込むタイプの回転センサ162を用いて、回転センサ162の脱着を車幅方向外側から行うことが可能となる。これにより、車幅方向内側から挿し込む汎用の回転センサ162を使用できるため、部品の共用化およびコストダウンが可能になる。
【0067】
(変形例2)
本実施の形態では、回転センサ62を保持する保持部材63が、外輪フランジ13fに固定されることとしたが、
図5および
図6に示されるように、外輪フランジ113fがハブ支持部材16を介してケーシング10に固定される場合には、ハブ支持部材16に保持部材63が固定されてもよい。
図5および
図6は、本変形例における車輪ハブ軸受部11Aおよび回転センサの取り付け構造を模式的に示す図である。なお、ハブ支持部材16は、外輪113とケーシング10との間に配置されるハブアタッチメント(中間部材)に相当するが、本変形例においてハブ支持部材16は外輪113の構成要素であるものとする。
【0068】
外輪フランジ113fの外径(最大外径)は、実施の形態1の外輪フランジ13fの外径(最大外径)よりも小さく、内輪フランジ12fの外径(最大外径)と略同じである。ハブ支持部材16の外径(最大外径)は、外輪フランジ113fの外径よりも大きい。
【0069】
外輪フランジ113fは、軸線O方向一方側から通されるボルト84によってハブ支持部材16にのみ固定され、ハブ支持部材16が、軸線O方向一方側から通されるボルト85によってケーシング10に固定されている。ボルト85の頭部は、ボルト84の頭部よりも外径側に配置される。
【0070】
ハブ支持部材16の形状は、上記外輪フランジ13fと同様に星形とされ、複数の突出部16aおよび複数の凹み部16bを含む。ハブ支持部材16の突出部16aと外輪フランジ113fの突出部13aとが、軸線Oを中心として整列して配置される。
【0071】
この場合、回転センサ62を保持する保持部材63は、ハブ支持部材16の凹み部16bに固定され、かつ、ハブ支持部材16の外周円(ハブ支持部材16の外径が最大となる円、すなわち全ての突出部16aの外径側端縁を通る円)C2よりも径方向内側に配置されることが望ましい。これにより、本変形例においても、車輪速検出装置6の径方向寸法を小さくすることが可能である。
【0072】
(変形例3)
本実施の形態では、複数本(たとえば2本)のネジ部材72によって保持部材63を外輪フランジ13fに固定することで、回転センサ62の位置決めを行うこととしたが、
図7および
図8に示すように、保持部材263を1本のネジ部材72によって外輪フランジ213fに固定してもよい。
図7および
図8は、本変形例における車輪速検出装置6Bを模式的に示す図である。
【0073】
外輪フランジ213fは、複数の凹み部13bのうちの一つに連なって設けられた、回転センサ62の位置決め用の嵌合部13pを有している。嵌合部13pは、一つの凹み部13bの周方向中央部から外径側に突出している。嵌合部13pには、軸線Oに沿って貫通する嵌合孔13qが設けられている。
【0074】
保持部材263の貫通孔63bがこの嵌合孔13qに重ねられ、回転センサ62は、嵌合部13pの嵌合孔13qおよび保持部材263の貫通孔63bに通される。これにより、保持部材263の外輪フランジ213fへの固定位置が一箇所であっても、回転センサ62の位置決めができる。そのため、実施の形態1よりも保持部材253の平面の面積を小さくできるため、回転センサ62の配置の自由度を向上させることができる。
【0075】
なお、本変形例では、
図9に示されるように、外輪フランジ213fの嵌合部13pに切欠き13rを設けることが望ましい。切欠き13rは、嵌合孔13qから径方向外側に向かって線状に設けられている。これにより、車幅方向内側に回転センサ62のケーブル62cが配される場合であっても、切欠き13rにケーブル62cを通せるため、回転センサ62を保持した保持部材263の着脱を車幅方向外側から行うことが可能である。
【0076】
(他の変形例)
本実施の形態では、被検出部61を有するパルサーリング60がブレーキディスク5のハット部52の底壁部53に取り付けられる例を示したが、被検出部61がハット部52内において車幅方向内側を向いて配置されていれば、このような取り付け例に限定されない。たとえば、ハット部52の底壁部53自体に被検出部としての凹凸が設けられていてもよい。
【0077】
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、パルサーリング60の被検出部61、および、回転センサ62を保持する保持部材63が、軸線Oに直交するように配置されることとしたが、本実施の形態では、これらが軸線Oに対して斜めに配置される。
【0078】
図10~
図12を参照して、本実施の形態に係る車輪速検出装置6Cの取り付け構造について説明する。
図10は、車輪速検出装置6Cを模式的に示す断面図である。
図11および
図12は、パルサーリング60Aが取り付けられたブレーキディスク5の斜視図であり、車幅方向外側および内側からブレーキディスク5をそれぞれ見た図を示す。
【0079】
車輪速検出装置6Cは、パルサーリング60Aと、回転センサ62と、回転センサ62を保持する保持部材65とを備えている。本実施の形態における車輪ハブ軸受部は、実施の形態1の変形例2における車輪ハブ軸受部11Aと同じ構成であり、外輪フランジ113fがハブ支持部材16を介してケーシング10に固定されているものとする。
【0080】
パルサーリング60Aは、被検出部61およびフランジ部64Aを有している。パルサーリング60Aは、フランジ部64Aにおいて、ブレーキディスク5のハット部52の底壁部53に固定されている。被検出部61は、フランジ部64Aの径方向内側端縁から車軸方向に延び、車幅方向内側に向かって小径となるよう円錐状に形成されている。
【0081】
ブレーキディスク5のハット部52の底壁部53には予めボルト74が固定されており、フランジ部64Aには、ボルト74挿通用の貫通孔が設けられている。フランジ部64Aは、ボルト74の先端部分に螺合されたナット75によって、ハット部52の底壁部53に取付けられる。なお、フランジ部64Aとナット75との間に、皿ねじを介在させてもよい。なお、フランジ部64Aは、
図11および
図12に示されるようにリング状に構成されてもよいし、円周方向に沿って等間隔に複数個設けられていてもよい。
【0082】
この形態においても、パルサーリング60Aの心合わせは、治具を用いて行われる。ブレーキディスク5における底壁部53の中心円筒部分50が車輪ハブとしての内輪12と嵌合するため、底壁部53に固定されたパルサーリング60Aの振れ回りが防止される。
図11および
図12では、ブレーキディスク5の底壁部53に設けられた、ホイールボルト82挿通用の貫通孔53aが示されている。
【0083】
保持部材65は、実施の形態1と同様に、車幅方向外側から、ネジ部材72によってハブ支持部材16の軸線O方向一方端面に固定されている。保持部材65は、径方向に延びる取り付け部651と、取り付け部651の径方向外側端縁から車幅方向外側に向けて斜めに延びる保持部652とを含む。保持部652は、取り付け部651との角度が鈍角となるよう傾斜している。
【0084】
取り付け部651には、ネジ部材72を通すための貫通孔65aが設けられ、保持部652には、回転センサ62を通すための貫通孔65bが設けられている。保持部652には、回転センサ62の固定片62bを締結するためのネジ部材73が螺合する雌ネジ孔65cが、さらに設けられていてもよい。
【0085】
保持部材65の取り付け部651と保持部652とがなす角度は、パルサーリング60Aのフランジ部64Aと被検出部61とがなす角度と略同じである。つまり、保持部材65の保持部652が、被検出部61と平行な平面部分を構成している。これにより、保持部材65の保持部652に設けられた貫通孔65bに回転センサ62を真っ直ぐ通すだけで、回転センサ62の検出面62aを、被検出部61に対して平行に配置させることができる。
【0086】
本実施の形態によれば、回転センサ62を保持する保持部652が、軸線Oに対し斜めに配置されるため、実施の形態1よりも、回転センサ62からブレーキディスク5までの径方向距離を長くとることができる。これにより、ブレーキング時に発熱するブレーキディスク5の熱影響を抑制できるため、回転センサ62による車輪速の検出精度を向上させることができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、回転センサ62の少なくとも一部を、出力歯車36よりも内側に配置できるため、パルサーリング60の径を小さくすることができる。これにより、パルサーリング60の振れを抑制できるため、車輪速の検出精度を向上させることができる。
【0088】
なお、本実施の形態のように、回転センサ62をハブ支持部材16に取り付ける場合、保持部材65の取り付け部をハブ支持部材16と一体化してもよい。これにより、部品点数が減り、コストおよび組立工数の削減ができる。
【0089】
また、ケーシング10の材質は、軽量化を図るため、一般的にアルミ合金が使用されるが、ハブ支持部材16の材質は鉄鋼であり、熱膨張係数がアルミ合金より小さく、温度変化に対する変形量が少ない。そのため、回転センサ62がハブ支持部材16に取り付けられることで、回転センサ62に対する影響を抑制することができる。
【0090】
なお、本実施の形態においても、回転センサ62は、外輪フランジに取り付けられてもよい。
【0091】
<他の実施の形態>
上記各実施の形態では、パッシブ方式を採用する車輪速検出装置について説明したが、アクティブ方式を採用してもよい。その場合、パルサーリングの被検出部として、たとえば公知の磁気エンコーダが採用され得る。磁気エンコーダは、円周方向にN極とS極とが繰り返し配置された環状の磁石である。この場合、回転センサ62は、磁気エンコーダの回転に伴う磁気の強弱を読み取る。
【0092】
また、上記説明では、ディスクタイプのブレーキロータとして、ブレーキディスクを示したが、ドラムタイプのブレーキロータであってもよい。また、減速部31が、互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する平行3軸式歯車減速機である例を示したが、減速部31の構成は限定的ではなく、例えば遊星歯車式減速機やサイクロイド式減速機に適用されてもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態および変形例を組み合わせてもよい。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
1 インホイールモータ駆動装置、5 ブレーキディスク、6,6A,6B,6C 車輪速検出装置、10 ケーシング、11,11A 車輪ハブ軸受部、12 内輪、13,113 外輪、13f,113f,213f 外輪フランジ、14 転動体、15 出力軸、16 ハブ支持部材、20 モータハウジング、21 モータ部、30 減速機ハウジング、31 減速部、32 入力歯車、32s 入力軸、33,35 中間歯車、34 中間軸、36 出力歯車、51 ロータ部、52 ハット部、53 底壁部、54 環状段差(外周部)、60,60A パルサーリング、61 被検出部、62,162 回転センサ、63,65,163,253,263 保持部材、W 車輪ホイール。