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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】送風作業機
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/02 20060101AFI20220721BHJP
   E04D 13/064 20060101ALI20220721BHJP
   F04D 25/02 20060101ALI20220721BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B08B5/02 Z
E04D13/064 503W
F04D25/02 Z
F04D29/42 J
F04D29/42 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018067296
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019178511
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(72)【発明者】
【氏名】中 慎輔
(72)【発明者】
【氏名】座間 亮二
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-102062(JP,A)
【文献】米国特許第08739362(US,B1)
【文献】実開昭51-131073(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0231163(US,A1)
【文献】米国特許第2623234(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/38
B08B 5/00- 5/02
E01H 1/08
E04D 13/064
F04D 25/02、29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機により回転駆動される羽根車と、前記羽根車を収容すると共に空気吸込部及び空気吐出部を有するケーシングとを有し、前記羽根車の回転によって前記空気吸込部から吸い込んだ空気を前記空気吐出部から吐出する送風作業機本体と、
前記空気吐出部に基端部が連結され、前記空気吐出部から吐出された空気を先端部から噴出する送風管と、
を有し、
前記送風管の周壁に開口部が形成されている、送風作業機であって、
前記送風管は、直管部と、前記先端部をなす曲管部と、を含み、
全ての前記開口部の開口面積の総和は、前記先端部の開口面積の6%~45%の範囲内であり、
前記送風作業機は、前記直管部を上下方向に延在させた作業状態で作業者によって使用され、
前記作業状態において、前記先端部から下向きに空気が噴出され、
前記作業状態において、前記開口部が、前記先端部より下方に位置し、かつ、前記作業者より上方に位置する、送風作業機
【請求項2】
複数の前記開口部が前記送風管の周方向に互いに間隔を空けて形成されている、請求項1に記載の送風作業機。
【請求項3】
複数の前記開口部が前記送風管の延在方向に互いに間隔を空けて形成されている、請求項1又は請求項2に記載の送風作業機。
【請求項4】
前記送風管の外周面から突出する傘部を更に有する、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の送風作業機。
【請求項5】
前記傘部よりも前記送風管の前記先端部に近い側と前記基端部に近い側との少なくとも一方に、前記開口部が位置する、請求項4に記載の送風作業機。
【請求項6】
記傘部が前記直管部の外周面から突出する、請求項4又は請求項5に記載の送風作業機。
【請求項7】
記開口部が前記直管部の周壁に形成されている、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の送風作業機。
【請求項8】
前記ケーシングは、前記作業者によって把持される把持部を有する、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の送風作業機。
【請求項9】
前記原動機は電動機である、請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の送風作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に開示の送風作業機は、軒樋などの雨樋の清掃作業に使用される送風作業機を開示している。この種の送風作業機は、作業者によって把持される把持部を有する送風作業機本体と、送風作業機本体の空気吐出口に基端部が連結される送風管とを有する。送風作業機本体の空気吐出口から吐出された空気は、送風管の先端部から噴出する。雨樋の清掃作業時には、作業者が送風作業機本体の把持部を把持しつつ、作業者の略直上の雨樋に送風管の先端部が臨むように、送風管を立てた状態にする(送風管の直管部が上下方向に延在する状態にする)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-76515号公報
【文献】特開平8-193396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、雨樋に溜まった落ち葉や埃などが前述の送風管の先端部から噴出される空気によって吹き飛ばされると、当該雨樋の略直下で送風作業機本体の把持部を把持する作業者に降りかかることがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑み、送風作業機の送風管の先端部から噴出される空気によって吹き飛ばされた飛散物が作業者側に向かうことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明に係る送風作業機は、原動機により回転駆動される羽根車と、羽根車を収容すると共に空気吸込部及び空気吐出部を有するケーシングとを有し、羽根車の回転によって空気吸込部から吸い込んだ空気を空気吐出部から吐出する送風作業機本体と、空気吐出部に基端部が連結され、空気吐出部から吐出された空気を先端部から噴出する送風管と、を有する。送風管の周壁に開口部が形成されている。送風管は、直管部と、前記先端部をなす曲管部と、を含む。本発明に係る送風作業機は、直管部を上下方向に延在させた作業状態で作業者によって使用される。この作業状態において、前記先端部から下向きに空気が噴出される。この作業状態において、前記開口部が、前記先端部より下方に位置し、かつ、作業者より上方に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送風管の周壁に開口部が形成されている。これにより、送風管内を流通する空気の一部が当該開口部から送風管外に噴出される。この開口部から噴出される空気流によって前述の飛散物の飛散方向が送風管から離れる方向に偏向され得る。従って、前述の飛散物が作業者側に向かうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態における送風作業機を使用した雨樋の清掃作業を示す図である。
図2】同上実施形態における送風管の部分拡大側面図である。
図3】同上実施形態の第1変形例における送風管の部分拡大側面図である。
図4】同上実施形態の第2変形例における送風管の部分拡大側面図である。
図5】同上実施形態の第3変形例における送風管の部分拡大側面図である。
図6】同上実施形態の第4変形例における送風管の部分拡大側面図である。
図7】本発明の第2実施形態における送風作業機の斜視図である。
図8】同上実施形態における送風作業機本体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態における送風作業機1を使用した雨樋(例えば軒樋)Gの清掃作業を示す図である。図2は、本実施形態における送風管3の部分拡大側面図である。ここで、図2は、図1の部分αに対応している。
【0011】
図1に示す送風作業機1は、手持ち式(ハンドヘルドタイプ)のブロワである。送風作業機1は送風作業機本体2及び送風管3を有する。送風作業機本体2は、原動機(図示せず)と、羽根車(図示せず)と、ケーシング20とを有する。羽根車は原動機によって回転駆動される。ここで、本実施形態では、原動機の一例として電動機(モータ)を用いて説明するが、原動機は電動機に限らない。この電動機に電力を供給するために、送風作業機本体2は、外部電源に接続するための電力線、及び/又は、バッテリーを備え得る。
【0012】
ケーシング20は羽根車を収容する。また、ケーシング20は、図示しない空気吸込部(空気吸込口)と、空気吐出部(空気吐出口)21と、作業者Mが把持するための把持部22とを有する。送風作業機本体2は、羽根車の回転によって空気吸込部から吸い込んだ空気を空気吐出部21から吐出する。
【0013】
送風管3は例えば樹脂製である。送風管3は、例えば円形又は楕円形の断面形状を有するが、送風管3の断面形状はこれらに限らない。送風管3は送風作業機本体2の空気吐出部21に着脱可能に取り付けられる。送風管3は、一方の開口端部である先端部32と、他方の開口端部である基端部31とを有する。送風管3の基端部31は、送風作業機本体2の空気吐出部21に連結される。この空気吐出部21から吐出された空気が基端部31から送風管3内に流入し、送風管3内を通過して送風管3の先端部32から噴出されるようになっている。
【0014】
送風管3は、空気吐出部21に連結されたエルボ管部3aと、エルボ管部3aの先端部(一端部)に連結された直管部3bと、直管部3bの先端部(一端部)に連結された直管部3cと、直管部3cの先端部(一端部)に連結された直管部3dと、直管部3dの先端部(一端部)に連結された直管部3eと、直管部3eの先端部(一端部)に連結された直管部3fと、直管部3fの先端部(一端部)36に連結された曲管部(エンドノズル部)3gとにより構成されている。ゆえに、送風管3は、エルボ管部3aと直管部3b~3fと曲管部3gとを含んでいる。尚、本実施形態では送風管3が5つの直管部3b~3fを有しているが、送風管3を構成する直管部の個数は5つに限らず任意である。また、送風管3は、エルボ管部3aを有さず、直管部(例えば直管部3b~3f)と曲管部3gとで構成されてもよい。この場合には、空気吐出部21に直管部(例えば直管部3b)が連結される。
【0015】
本実施形態では、エルボ管部3aのうち空気吐出部21に連結される側の開口端部が前述の基端部31に対応する。エルボ管部3aはL字状に湾曲している。
【0016】
直管部3b~3fは、各々の軸線が直線状である。直管部3b~3fは、各々の先端部(一端部)を上端部とし、基端部(他端部)を下端部として、上下方向に延在している。すなわち、直管部3b~3fは、各々が、上下方向に延在している。
【0017】
本実施形態では、曲管部3gの一端部37が送風管3の先端部32をなす。曲管部3gの他端部38は、直管部3fの先端部36に連結されている。曲管部3gは、その軸線が曲線状である。曲管部3gは例えばC字状、U字状、及びJ字状のうちのいずれかの形状で湾曲している。尚、曲管部3gは可撓性を有して変形可能であってもよい。また、曲管部3gの一端部37(送風管3の先端部32)が先細形状であってもよい。
【0018】
送風管3を構成する直管部3fの周壁には、複数(本実施形態では4つ)の開口部(孔部)33が貫通形成されている。すなわち、送風作業機1は、送風管3を構成する直管部3fに形成された複数(本実施形態では4つ)の開口部33を有する。開口部33は、送風管3(直管部3f)の内外を連通する。尚、本実施形態では、送風管3の周壁(直管部3fの周壁)に4つの開口部33が形成されているが、開口部33の個数は4つに限らず、任意である。
【0019】
本実施形態では、複数の開口部33が直管部3f(送風管3)の周方向に互いに間隔を空けて形成されている。尚、複数の開口部33については、直管部3f(送風管3)の周方向に互いに等しい間隔を空けて(すなわち等間隔で)形成されることが好ましい。本実施形態では、直管部3f(送風管3)の軸線回りで90°ごとに開口部33が形成されている。
【0020】
1つの開口部33の開口面積S1は、曲管部3gの一端部37(送風管3の先端部32)の開口面積S2に比べて小さい。開口面積S1は、開口面積S2の1.5%~10%の範囲内であることが好ましく、開口面積S2の6%~9%の範囲内であることが更に好ましい。
【0021】
全ての開口部33の開口面積の総和S3は、開口面積S2の6%~45%の範囲内であることが好ましく、開口面積S2の20%~35%の範囲内であることが更に好ましい。
【0022】
本実施形態では、直管部3f内(送風管3内)を通過する空気の一部が、複数の開口部33から放射状に直管部3f外(送風管3外)に噴出される。この開口部33から噴出される空気の噴射方向は、直管部3f内(送風管3内)を流通する空気の流通方向に対して略垂直である。
【0023】
本実施形態では、送風管3を構成する直管部3fの外周面に傘部4が取り付けられている。傘部4は、円錐台状の本体部40を有する。本体部40は、その中央部に形成されて直管部3f(送風管3)を挿入可能な貫通孔41と、下方に向かうほど直管部3f(送風管3)から離れるように傾斜する側面である傾斜面42とにより構成されている。傘部4は、直管部3f(送風管3)の外周面から径方向外方に突出している。
【0024】
本実施形態では、傘部4よりも直管部3fの基端部に近い側(換言すれば、送風管3の基端部31に近い側)に複数の開口部33が位置している。換言すれば、傘部4より下方に複数の開口部33が位置している。
【0025】
図3は、本実施形態の第1変形例における送風管3の部分拡大側面図である。前述の図2の図示と異なる点について説明する。
【0026】
本変形例では、傘部4よりも直管部3fの先端部36に近い側(換言すれば、送風管3の先端部32に近い側)に複数の開口部33が位置している。換言すれば、傘部4より上方に複数の開口部33が位置している。
【0027】
図4は、本実施形態の第2変形例における送風管3の部分拡大側面図である。前述の図2の図示と異なる点について説明する。
【0028】
本変形例では、傘部4よりも直管部3fの先端部36に近い側(換言すれば、送風管3の先端部32に近い側)と、傘部4よりも直管部3fの基端部に近い側(換言すれば、送風管3の基端部31に近い側)との双方に、それぞれ、複数の開口部33が位置している。換言すれば、傘部4より上方に複数の開口部33が位置していると共に、傘部4より下方に複数の開口部33が位置している。本変形例では、複数の開口部33が直管部3fの延在方向(換言すれば、送風管3の延在方向)に互いに間隔を空けて配置されている。
【0029】
図5は、本実施形態の第3変形例における送風管3の部分拡大側面図である。前述の図2の図示と異なる点について説明する。
【0030】
本変形例では、前述の傘部4の代わりとして、送風管3を構成する直管部3fの外周面に傘部5が取り付けられている。傘部5は、矩形板状の本体部50を有する。本体部50は、その中央部に形成されて直管部3f(送風管3)を挿入可能な貫通孔51を有する。傘部5は、直管部3f(送風管3)の外周面から径方向外方に突出している。尚、前述の第1及び第2変形例(図3及び図4参照)にて、前述の傘部4の代わりとして、本変形例における傘部5を用いてもよいことは言うまでもない。
【0031】
図6は、本実施形態の第4変形例における送風管3の部分拡大側面図である。前述の図2の図示と異なる点について説明する。
【0032】
本変形例では、前述の傘部4が省略されている。尚、前述の第1及び第2変形例(図3及び図4参照)にて前述の傘部4を省略してもよい。
【0033】
本実施形態によれば、送風作業機1は、原動機により回転駆動される羽根車と、この羽根車を収容すると共に空気吸込部及び空気吐出部21を有するケーシング20とを有し、羽根車の回転によって空気吸込部から吸い込んだ空気を空気吐出部21から吐出する送風作業機本体2と、空気吐出部21に基端部31が連結され、空気吐出部21から吐出された空気を先端部32から噴出する送風管3と、を有する。送風管3の周壁に開口部33が形成されている(図1図6参照)。これにより、送風管3内を流通する空気の一部が開口部33から送風管3外に噴出される。従って、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが、開口部33から噴出される空気流によって、送風管3から離れる方向に偏向され得る。よって、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが作業者M側に向かうことを抑制することができる。
【0034】
また本実施形態によれば、複数の開口部33が送風管3の周方向に互いに間隔を空けて形成されている(図1図6参照)。これにより、送風管3内を通過する空気の一部を、複数の開口部33から放射状に送風管3外に噴出させることができる。
【0035】
また本実施形態によれば、複数の開口部33が送風管3の延在方向に互いに間隔を空けて形成されている(図4参照)。これにより、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などを複数回にわたって送風管3から離れる方向に偏向させることができる。
【0036】
また本実施形態によれば、送風作業機1は、送風管3の外周面から突出する傘部4,5を有する(図1図5参照)。これにより、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが作業者M側に向かうことを抑制することができる。
【0037】
また本実施形態によれば、傘部4,5よりも送風管3の先端部32に近い側と基端部31に近い側との少なくとも一方に開口部33が位置する(図1図5参照)。傘部4,5よりも送風管3の先端部32に近い側に開口部33が位置する場合(図3及び図4参照)には、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが、傘部4,5に至るに先立って、開口部33から噴出される空気流によって、送風管3から離れる方向に偏向され得るので、傘部4,5の小型化を実現することができる。一方、傘部4,5よりも送風管3の基端部31に近い側に開口部33が位置する場合(図1図2図4、及び図5参照)には、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが、傘部4,5で送風管3から離れる方向に偏向された後、更に、開口部33から噴出される空気流によって、送風管3から離れる方向に偏向され得るので、落ち葉や埃などが作業者Mに降りかかることを抑制することができる。
【0038】
また本実施形態によれば、送風管3は、直管部3b~3fを含む。傘部4,5が直管部3fの外周面から突出する(図1図5参照)。これにより、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが作業者M側に向かうことを抑制することができる。
【0039】
また本実施形態によれば、送風管3は、直管部3b~3fを含む。開口部33が直管部3fの周壁に形成されている(図1図6参照)。これにより、直管部3f内を流通する空気の一部が開口部33から直管部3f外に噴出される。従って、送風作業機1を使用する雨樋Gの清掃作業時に、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが、開口部33から噴出される空気流によって、直管部3fから離れる方向に偏向され得る。よって、雨樋Gから落ちてくる落ち葉や埃などが作業者M側に向かうことを抑制することができる。
【0040】
また本実施形態によれば、直管部3b~3fは、各々の先端部(一端部)を上端部とし、基端部(他端部)を下端部として、上下方向に延在する(図1参照)。すなわち、直管部3b~3fは上下方向に延在する。これら直管部3b~3f及び曲管部3gを含む送風管3を有する送風作業機1を使用して、軒樋などの雨樋Gの清掃作業を行うことにより、高所作業を大幅に減らすことができる。
【0041】
尚、本実施形態では、曲管部3gと直管部3fとが別体であるが、この他、曲管部3gと直管部3fとが一体であってもよい。
【0042】
本実施形態では、曲管部3gが湾曲しているが、この他、曲管部3gが屈曲していてもよい。
【0043】
本実施形態では、複数の開口部33が直管部3fに形成されているが、これに加えて、又は、これに代えて、作業者Mより上方に位置し得る直管部3d,3e、及び、曲管部3gの少なくとも1つに複数の開口部33が形成されてもよい。すなわち、送風管3において作業者Mより上方に位置し得る部分の周壁に、複数の開口部33が貫通形成されることが好ましい。
【0044】
本実施形態では、傘部4,5が直管部3fの外周面に取り付けられているが、これに加えて、又は、これに代えて、作業者Mより上方に位置し得る直管部3d,3e、及び、曲管部3gの少なくとも1つの外周面に傘部4,5が取り付けられてもよい。すなわち、送風管3において作業者Mより上方に位置し得る部分の外周面に傘部4,5が取り付けられることが好ましい。
【0045】
図7は、本発明の第2実施形態における送風作業機10の斜視図である。図8は、本実施形態における送風作業機本体11の部分断面図である。ここで、図8では、吸込口カバー17の図示を省略している。前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0046】
図7に示す送風作業機10は、手持ち式のブロワである。送風作業機10は送風作業機本体11及び送風管6を有する。送風作業機本体11は、原動機13と、羽根車14と、ケーシング15とを有する。羽根車14は、原動機13の出力軸16に取り付けられており、原動機13によって回転駆動される。ここで、本実施形態では、原動機13の一例としてエンジン(内燃機関)を用いて説明するが、原動機13はエンジンに限らない。
【0047】
ケーシング15は、いわゆるボリュートケースとして形成されている。ケーシング15は、その一側面が、原動機13の一側面に固定されている。ケーシング15は、収容室15aと、空気吸込部(空気吸込口)15bと、空気吐出部(空気吐出口)15cと、作業者Mが把持するための把持部15dとを有する。収容室15aは、羽根車14を収容する空間であり、ケーシング15の略中央に設けられている。すなわち、ケーシング15は、羽根車14を収容する。送風作業機本体11は、羽根車14の回転によって空気吸込部15bから吸い込んだ空気を空気吐出部15cから吐出する。ここで、空気吸込部15bは、吸込口カバー17によって覆われている。吸込口カバー17は、多数の通気口を有し、ケーシング15に着脱可能に取り付けられている。
【0048】
送風管6は例えば樹脂製である。送風管6は、例えば円形又は楕円形の断面形状を有するが、送風管3の断面形状はこれらに限らない。送風管6は送風作業機本体11の空気吐出部15cに着脱可能に取り付けられる。送風管6は、一方の開口端部である先端部62と、他方の開口端部である基端部61とを有する。送風管6の基端部61は、送風作業機本体11の空気吐出部15cに連結される。この空気吐出部15cから吐出された空気が基端部61から送風管6内に流入し、送風管6内を通過して送風管6の先端部62から噴出されるようになっている。
【0049】
送風管6は、空気吐出部15cに連結された直管部6aと、直管部6aの先端部(一端部)に連結された直管部(エンドノズル部)6bとにより構成されている。ゆえに、送風管6は、直管部6a,6bを含んでいる。尚、本実施形態では送風管6が2つの直管部6a,6bを有しているが、送風管6を構成する直管部の個数は2つに限らず任意である。
【0050】
直管部6a,6bは、各々の軸線が直線状である。直管部6aのうち空気吐出部15cに連結される側の開口端部が前述の基端部61に対応する。本実施形態では、直管部6bの先端部(一端部)が送風管6の先端部62をなす。尚、直管部6bは可撓性を有して変形可能であってもよい。また、直管部6bの先端部(送風管6の先端部62)が先細形状であってもよい。
【0051】
本実施形態では、送風管6を構成する直管部6bの周壁には、複数(本実施形態では4つ)の開口部(孔部)63が貫通形成されている。すなわち、送風作業機10は、送風管6を構成する直管部6bに形成された複数(本実施形態では4つ)の開口部63を有する。開口部63は、送風管6(直管部6b)の内外を連通する。尚、本実施形態では、送風管6の周壁(直管部6bの周壁)に4つの開口部63が形成されているが、開口部63の個数は4つに限らず、任意である。
【0052】
本実施形態では、複数の開口部63が直管部6b(送風管6)の周方向に互いに間隔を空けて形成されている。尚、複数の開口部63については、直管部6b(送風管6)の周方向に互いに等しい間隔を空けて(すなわち等間隔で)形成されることが好ましい。本実施形態では、直管部6b(送風管6)の軸線回りで90°ごとに開口部63が形成されている。
【0053】
1つの開口部63の開口面積S4は、直管部6bの先端部(送風管6の先端部62)の開口面積S5に比べて小さい。開口面積S4は、開口面積S5の1.5%~10%の範囲内であることが好ましく、開口面積S5の6%~9%の範囲内であることが更に好ましい。
【0054】
全ての開口部63の開口面積の総和S6は、開口面積S5の6%~45%の範囲内であることが好ましく、開口面積S5の20%~35%の範囲内であることが更に好ましい。
【0055】
本実施形態では、直管部6b内(送風管6内)を通過する空気の一部が、複数の開口部63から放射状に直管部6b外(送風管6外)に噴出される。この開口部63から噴出される空気の噴射方向は、直管部6b内(送風管6内)を流通する空気の流通方向に対して略垂直である。
【0056】
尚、本実施形態において、前述の傘部4を送風管6の外周面(直管部6aの外周面又は直管部6bの外周面)に取り付けてもよいことは言うまでもない。この場合には、傘部4が送風管6の外周面から径方向外方に突出する。また、この場合には、傘部4よりも送風管6の先端部62に近い側と基端部61に近い側との少なくとも一方に、開口部63が位置し得る。同様に、本実施形態において、前述の傘部5を送風管6の外周面(直管部6aの外周面又は直管部6bの外周面)に取り付けてもよいことは言うまでもない。
【0057】
本実施形態では、複数の開口部63が直管部6bに形成されているが、これに加えて、又は、これに代えて、直管部6aに複数の開口部63が形成されてもよい。
【0058】
本実施形態において、複数の開口部63が送風管6の延在方向に互いに間隔を空けて形成されてもよい。
【0059】
本実施形態における送風作業機本体11の空気吐出部15cに、前述の第1実施形態の送風管3を着脱可能に取り付けてもよい。逆に、前述の第1実施形態における送風作業機本体2の空気吐出部21に、本実施形態の送風管6を着脱可能に取り付けてもよい。すなわち、本実施形態の原動機が電動機でもよく、また、前述の第1実施形態における原動機がエンジンであってもよい。
【0060】
ここで、本実施形態における送風作業機本体11の空気吐出部15cに、3m程度の高さである送風管3を取り付けた場合であっても、送風管3の周壁に複数の開口部33が形成されていることにより、エンジンの運転時にエンジンの回転数が過度に上昇することを抑制することができる。
【0061】
前述の第1及び第2実施形態では、送風作業機1,10が手持ち式のブロワであるが、本発明に係る送風作業機は手持ち式のものに限らない。例えば、本発明に係る送風作業機が背負い式(バックパックタイプ)のブロワであってもよい。すなわち、本発明に係る送風作業機は、手持ち式及び背負い式を含む携帯型の送風作業機であることが好ましい。
【0062】
以上からわかるように、前述の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1,10…送風作業機、2,11…送風作業機本体、3,6…送風管、3a…エルボ管部、3b~3f,6a,6b…直管部、3g…曲管部、4,5…傘部、13…原動機、14…羽根車、15,20…ケーシング、15a…収容室、15b…空気吸込部、15c,21…空気吐出部、15d,22…把持部、16…出力軸、17…吸込口カバー、31,61…基端部、32,36,62…先端部、33,63…開口部、37…一端部、38…他端部、40,50…本体部、41,51…貫通孔、42…傾斜面、G…雨樋、M…作業者
図1
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図8