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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】発泡性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/69 20060101AFI20220721BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20220721BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20220721BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220721BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20220721BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20220721BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220721BHJP
   A61Q 17/02 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A61K8/69
A61K8/86
A61K8/19
A61K8/06
A61Q7/00
A61Q15/00
A61Q17/04
A61Q17/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018168292
(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公開番号】P2020040899
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横木 亜矢子
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-128221(JP,A)
【文献】特開2016-188390(JP,A)
【文献】特開2017-036452(JP,A)
【文献】特開2017-226855(JP,A)
【文献】特表2016-525514(JP,A)
【文献】特開2016-033121(JP,A)
【文献】特開2018-115009(JP,A)
【文献】特開2011-020929(JP,A)
【文献】特開平02-255889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と界面活性剤とハイドロフルオロオレフィンとを含む乳化原液と、圧縮ガスとからなり、
前記ハイドロフルオロオレフィンは、沸点が5~30℃であり、乳化原液中、40~90質量%含まれ
前記ハイドロフルオロオレフィンは、沸点が19℃である1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンである、発泡性組成物。
【請求項2】
前記圧縮ガスは、炭酸ガスおよび亜酸化窒素のうち少なくともいずれか1種を含む高溶解性圧縮ガスを含み、25℃、0.5MPaにおいて、前記発泡性組成物の液相に28.0g/L以上溶解している、請求項記載の発泡性組成物。
【請求項3】
前記圧縮ガスは、窒素、酸素、空気および水素のうち少なくともいずれか1種を含む低溶解性圧縮ガスを含み、25℃、0.5MPaにおいて、前記発泡性組成物の液相に3.0g/L以上溶解している、請求項記載の発泡性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性組成物に関する。より詳細には、本発明は、泡が弾ける際に心地よい刺激が得られ、かつ、適度な冷却感が持続して得られる発泡性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出後に発泡し、フォームを形成する発泡性組成物が知られている。特許文献1には、水、界面活性剤、沸点が-5~40℃の脂肪族炭化水素を含有し、破泡によって音をたてるフォームを形成するエアゾール組成物が開示されている。また、特許文献2には、水と界面活性剤を含む水性原液と、重質液化ガス(ハイドロフルオロオレフィン)と、軽質液化ガスとを含有しており、水性原液と重質液化ガスと軽質液化ガスとが乳化しており、破泡音を発するフォームを形成するエアゾール組成物が開示されている。これらは泡が弾ける際に適度な刺激が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-255889号公報
【文献】特開2016-191058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2に記載のエアゾール組成物は、いずれも塗布直後の冷却効果が優れる。しかしながら、これらのエアゾール組成物は、冷却効果が持続しない。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、泡が弾ける際に心地よい刺激が得られ、かつ、適度な冷却感が持続して得られる発泡性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)水と界面活性剤とハイドロフルオロオレフィンとを含む乳化原液と、圧縮ガスとからなり、前記ハイドロフルオロオレフィンは、沸点が5~30℃であり、乳化原液中、40~90質量%含まれる、発泡性組成物。
【0008】
このような構成によれば、圧縮ガスは、乳化原液(特に乳化物中のハイドロフルオロオレフィン)に高濃度となるよう溶解し得る。そのため、発泡性組成物は、外部に吐出されると、乳化原液に溶解していた圧縮ガスが徐々に放出され、これによりハイドロフルオロオレフィンの気化が促進されて発泡する。泡は、頭皮や皮膚に塗布されることによって弾け、心地よい刺激が得られる。また、発泡性組成物は、溶解していた圧縮ガスが徐々に放出されることにより、ハイドロフルオロオレフィンの気化が継続し、適度な冷却感が継続して得られる。
【0009】
(2)前記ハイドロフルオロオレフィンは、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンである、(1)記載の発泡性組成物。
【0010】
このような構成によれば、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンは沸点が19℃である。そのため、発泡性組成物は、頭皮や皮膚に塗布されると体表面で気化しやすく、冷感が得られやすい。また、乳化原液自体は、蒸気圧がほとんどない。そのため、乳化原液は、圧縮ガスを溶解しやすい。その結果、発泡性組成物は、心地よい刺激が得られやすく、冷却感がより継続して得られやすい。
【0011】
(3)前記圧縮ガスは、炭酸ガスおよび亜酸化窒素のうち少なくともいずれか1種を含む高溶解性圧縮ガスを含み、25℃、0.5MPaにおいて、前記発泡性組成物の液相に28.0g/L以上溶解している、(1)または(2)記載の発泡性組成物。
【0012】
このような構成によれば、圧縮ガスは、ハイドロフルオロオレフィンに、特に多く溶解している。そのため、発泡性組成物は、発生する泡の粒が多くなり、特に心地よい刺激が得られやすい。また溶解していた圧縮ガスが長時間放出され、冷感が持続しやすい。
【0013】
(4)前記圧縮ガスは、窒素、酸素、空気および水素のうち少なくともいずれか1種を含む低溶解性圧縮ガスを含み、25℃、0.5MPaにおいて、前記発泡性組成物の液相に3.0g/L以上溶解している、(1)または(2)記載の発泡性組成物。
【0014】
このような構成によれば、圧縮ガスは、放出される際に発生する泡の粒が微細になりやすい。その結果、発泡性組成物は、やさしい刺激が得られやすい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、泡が弾ける際に心地よい刺激が得られ、かつ、適度な冷却感が持続して得られる発泡性組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<発泡性組成物>
本発明の一実施形態の発泡性組成物は、水と界面活性剤とハイドロフルオロオレフィンとを含む乳化原液と、圧縮ガスとからなる。ハイドロフルオロオレフィンの沸点は、5~30℃であり、乳化原液中、40~90質量%含まれる。以下、それぞれについて説明する。
【0017】
(乳化原液)
乳化原液は、水と界面活性剤とハイドロフルオロオレフィンとを含む。
【0018】
・水
水は、溶媒として用いられる。水が含まれることにより、発泡性組成物は、吐出されると乳化原液に溶解していた圧縮ガスの放出およびハイドロフルオロオレフィンの気化により発泡してフォームを形成することができる。泡は、頭髪や腕等の適用箇所において弾け、心地よい刺激を付与することができる。
【0019】
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
【0020】
水の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、水は、乳化原液からハイドロフルオロオレフィンを除いた原液基材(以下、単に原液基材という)100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましい。また、水は、上記原液基材100質量%中、99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、発泡性組成物は、優れた発泡性を示し、かつ、塗布した際に心地よい刺激が得られやすく、冷却感が得られやすい。
【0021】
・界面活性剤
界面活性剤は、ハイドロフルオロオレフィンを原液基材と乳化させる乳化剤として配合される。また、界面活性剤は、外部に吐出されたときに、乳化原液中に溶解していた圧縮ガスが放出されて小さな気泡となって分散し、この気泡の発生によって乳化原液中に乳化していたハイドロフルオロオレフィンの気化が促進されて、乳化原液を発泡させてフォームを形成する等の目的で配合される。
【0022】
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸POEセチルエーテル、イソステアリン酸POEラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;ミリスチン酸やステアリン酸などの脂肪酸とトリエタノールアミンやカリウムなどのアルカリのケン化物、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸塩、POEラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、POEラウリルエーテル酢酸カリウム、POEラウリルエーテル酢酸ナトリウム、POEトリデシルエーテル酢酸カリウム、POEトリデシルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤;N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどのN-アシルグルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN-アシルグリシン塩、N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミンなどのN-アシルアラニン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのアシルアラニン塩などのアミノ酸型アニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン;ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール型;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル-β-アラニンなどのアミノ酸型;ラウリルジメチルアミンN-オキシド、オレイルジメチルアミンN-オキシドなどのアミンオキシド型などの両性界面活性剤等である。界面活性剤は併用されてもよい。
【0023】
これらの中でも、界面活性剤は、ハイドロフルオロオレフィンを乳化しやすく、得られる発泡性組成物の発泡性が良好となり、かつ、泡が弾ける際に心地よい刺激が得られやすい点から、非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
【0024】
界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、原液基材中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、原液基材中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、発泡性組成物は、泡立ちが優れ、かつ、べたつきにくく使用感がよい。
【0025】
・ハイドロフルオロオレフィン
ハイドロフルオロオレフィンは、容器内では微細な乳化粒子となって原液基材と乳化して乳化原液を形成しており、かつ、圧縮ガスを溶解する。ハイドロフルオロオレフィンは、外部に吐出されると気化して乳化原液を発泡させる。
【0026】
ハイドロフルオロオレフィンは、沸点が5~30℃であり、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(沸点19℃)が好ましい。沸点が5~30℃であるハイドロフルオロオレフィンは、他のハイドロフルオロオレフィン(たとえばトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(沸点-19℃)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(沸点-30℃)等)と比べて、沸点が高い。そのため、発泡性組成物が吐出された場合であっても、沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンは通常瞬時には気化しないため発泡性は悪いが、容器内ではハイドロフルオロオレフィンに溶解している圧縮ガスが大気中に吐出されることにより溶解量が低下して微細な気泡となり、気泡の発生に伴ってハイドロフルオロオレフィンの気化が促進される。このときハイドロフルオロオレフィンは乳化原液中で微細な粒子となって乳化しているため、多数の気泡ができてフォームを形成する。また、フォームはハイドロフルオロオレフィンの気化熱により効率よく冷却されて冷たくなりやすい。さらに、ハイドロフルオロオレフィンとして1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンが使用されることにより、ハイドロフルオロオレフィンは、頭皮や皮膚に塗布されると体表面で気化しやすく、冷感が得られやすい。また、乳化原液自体は、蒸気圧がほとんどない。そのため、乳化原液は、圧縮ガスを溶解しやすい。その結果、発泡性組成物は、心地よい刺激が得られやすく、冷却感がより継続して得られやすい。
【0027】
ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、乳化原液中、40質量%以上であればよく、50質量%以上であることが好ましい。また、ハイドロフルオロオレフィンの含有量は、90質量%以下であればよく、85質量%以下であることが好ましい。ハイドロフルオロオレフィンの含有量が40質量%未満である場合、発泡性組成物は、ハイドロフルオロオレフィンに溶解する圧縮ガスの量が少なく、破泡による刺激が小さくなりやすく、冷感が持続しにくくなる。一方、ハイドロフルオロオレフィンの含有量が90質量%を超える場合、発泡性組成物は、泡立ちにくくなり、破泡による刺激が得られにくい。
【0028】
・任意成分
乳化原液は、上記水、界面活性剤、ハイドロフルオロオレフィンのほかに、適宜、有効成分、アルコール、水溶性高分子、油剤、パウダー等の任意成分を含んでもよい。
【0029】
有効成分は、製品の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。一例を挙げると、有効成分は、ミノキシジル、アデノシンなどの育毛剤、塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、トウガラシチンキなどの血管拡張剤、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、パンテノール、アスコルビン酸、リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ジベンゾイルチアミン、リボフラビンおよびこれらの混合物などのビタミン類、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウムなどの抗酸化剤、尿素、サリチル酸などの角質溶解剤、コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、ヘパリン類似物質などの保湿剤、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌剤、ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、モッコウエキス、カンゾウエキス、オトギリソウエキスなどの抽出液、l-メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタンなどの紫外線散乱剤、N,N-ジエチル-m-トルアミド(ディート)、ジ-n-ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール、ロテノン、エチル-ブチルアセチルアミノプロピオネート、イカリジン(ピカリジン)、p-メンタン-3,8-ジオール、3-[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボン酸1-メチルプロピルなどの害虫忌避剤、クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、天然香料、合成香料などの各種香料などが挙げられる。
【0030】
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、原液基材中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、原液基材中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、有効成分を配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、有効成分によって発泡性が低下しにくい。
【0031】
アルコールは、水に溶解しにくい有効成分の溶媒として好適に配合される。また、アルコールは、発泡性を調整し、破泡時の刺激を調整する等の目的で好適に配合される。
【0032】
アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、アルコールは、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどの多価アルコールである。
【0033】
アルコールが配合される場合、アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコールの含有量は、原液基材中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、原液基材中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、アルコールを配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、アルコールによって発泡性が低下しにくい。
【0034】
水溶性高分子は、泡の膜を強くし、破泡時の音や刺激を強くしてマッサージ感を得られやすくする等の目的で好適に配合される。
【0035】
水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースナノファイバーなどのセルロース系高分子;キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガムなどのガム質;デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等である。
【0036】
水溶性高分子が配合される場合、水溶性高分子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子の含有量は、原液基材中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、原液基材中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、水溶性高分子を配合することによる効果が得られやすく、かつ、乳化原液の粘度が高くなり過ぎず、乳化性が低下しにくい。
【0037】
油剤は、溶解している圧縮ガスの放出状態を調整し、破泡時の音や刺激を調整する等の目的で好適に配合される。
【0038】
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素油;ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジ-2-エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール、ジオレイン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸トリエチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジイソステアリン酸トリエチレングリコール、ジオレイン酸トリエチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロシキシステアリン酸エチルヘキシルなどのエステル油;オリーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂;イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸;オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール等である。
【0039】
油剤が配合される場合、油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、原液基材中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、原液基材中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、油剤を配合することによる効果が得られやすい。また、発泡性組成物は、発泡性が低下しにくく、かつ、乾燥性が低下しにくく、べたつきが生じにくい。
【0040】
パウダーは、原液基材とハイドロフルオロオレフィンを乳化しやすくする、皮脂を吸着して頭皮環境を整える、サラサラ感を付与して使用感を向上させる等の目的で好適に配合される。
【0041】
パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、タピオカデンプン、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等である。
【0042】
パウダーが配合される場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、原液基材中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、原液基材中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が上記範囲内であることにより、パウダーを配合することによる効果が得られやすく、かつ、発泡性組成物は、吐出される際に、吐出通路において詰まりが生じにくい。
【0043】
乳化原液の調製方法は特に限定されない。乳化原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、乳化原液は、上記界面活性剤、任意成分を水や温水に添加して原液基材を調製し、これにハイドロフルオロオレフィンを添加して乳化させることにより調製され得る。
【0044】
(圧縮ガス)
圧縮ガスは、乳化原液を加圧して外部に吐出する噴射剤として配合される。また、圧縮ガスは、乳化原液に一部が溶解することにより、発泡性組成物が外部に吐出された際に、溶解していた圧縮ガスが微細な気泡となり、ハイドロフルオロオレフィンの気化を促進させ、乳化原液を発泡させてフォームを形成する発泡剤として作用する。
【0045】
圧縮ガスは、特に、容器内で乳化原液中に乳化している沸点5~30℃のハイドロフルオロオレフィンにも溶解することにより、外部に吐出された際に飽和溶解量の低下に伴って微細な気泡となり、ハイドロフルオロオレフィンの気化を促進する。その結果、発泡性組成物は、泡が弾ける際に心地よい刺激が得られやすい。また、圧縮ガスはゆっくりと放出され、ハイドロフルオロオレフィンの気化を継続させ、冷却感を持続させることができる。
【0046】
圧縮ガスは特に限定されない。一例を挙げると、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素、二酸化炭素、亜酸化窒素等である。これらの中でも、圧縮ガスは、ハイドロフルオロオレフィンへの溶解量が多く、発生する泡の粒が多くなり、心地よい刺激が得られやすいことから、また、溶解していた圧縮ガスが長時間放出され、冷感が持続しやすいことから、二酸化炭素、亜酸化窒素等の高溶解性圧縮ガスを含むことが好ましく、二酸化炭素および亜酸化窒素のうち、少なくともいずれか1種を含むことがより好ましい。また、発生する泡の粒が微細になり、やさしい刺激が得られやすいことから、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素等の低溶解性圧縮ガスを含むことが好ましく、窒素、空気、酸素および水素のうち、少なくともいずれか1種を含むことがより好ましい。
【0047】
なお、本実施形態の発泡性組成物は、上記圧縮ガスのほかに、噴射剤として液化ガスを含んでもよい。液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスは、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、ジメチルエーテル、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234ze)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234yf)などのハイドロフルオロオレフィン、およびこれらの混合物等である。液化ガスは、さらに冷却温度や持続時間などを調整するためにノルマルペンタン、イソペンタン等の沸点が5~40℃である炭化水素が配合されてもよい。
【0048】
液化ガスが配合される場合、液化ガスの配合量は特に限定されない。一例を挙げると、液化ガスの含有量は、圧縮ガスを除く発泡性組成物中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が上記範囲内であることにより、発泡性組成物は、噴射された際に、気化速度が速くなり過ぎず、適度な冷却効果が維持されやすい。
【0049】
圧縮ガスは、25℃における容器内の圧力が0.2MPa以上となるよう充填されることが好ましく、0.3MPa以上となるよう充填されることがより好ましい。また、圧縮ガスは、25℃における容器内の圧力が0.8MPa以下となるよう充填されることが好ましく、0.7MPa以下となるよう充填されることがより好ましい。圧力が上記範囲内になるよう圧縮ガスが充填されることにより、圧縮ガスは、乳化原液に適度に溶解し、吐出された際に気泡が発生しやすく、破泡時に心地よい刺激が得られやすい。
【0050】
発泡性組成物全体の説明に戻り、本実施形態の発泡性組成物は、吐出製品が作製される際、耐圧性の容器本体に充填される。充填された状態において、発泡性組成物は、主に気体状態の圧縮ガスからなる気相と、乳化原液および乳化原液に溶解している液体状態の圧縮ガスとからなる液相とが形成される。本実施形態の発泡性組成物において、圧縮ガスは、このような乳化原液の液相(特にハイドロフルオロオレフィン)に、多く溶解している。具体的には、圧縮ガスが高溶解性圧縮ガスを含有している場合は、25℃、0.5MPaにおいて、圧縮ガスは、発泡性組成物の液相に28.0g/L以上溶解していることが好ましく、30.0g/L以上溶解していることがより好ましい。また、圧縮ガスは発泡性組成物の液相に52.0g/L以下溶解していることが好ましく、50.0g/L以下溶解していることがより好ましい。このような発泡性組成物は、破泡時に心地よい刺激が得られやすく、また、乳化原液からの放出が継続されて冷却感が持続しやすい。また、圧縮ガスが低溶解性圧縮ガスを含有している場合は、25℃、0.5MPaにおいて、圧縮ガスは、発泡性組成物の液相に3.0g/L以上溶解していることが好ましく、4.0g/L以上溶解していることがより好ましい。また、圧縮ガスは発泡性組成物の液相に20.0g/L以下溶解していることが好ましく、10.0g/L以下溶解していることがより好ましい。このような発泡性組成物は、泡の粒が小さくなって泡破泡時にやさしい刺激が得られやすい。
【0051】
発泡性組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、発泡性組成物は、上記乳化原液を耐圧性の容器本体に充填し、容器本体にエアゾールバルブを取り付けて密封し、エアゾールバルブから圧縮ガスを充填し、圧縮ガスを溶解させることにより製造し得る。
【0052】
<吐出製品>
本発明の一実施形態の吐出製品は、上記した発泡性組成物が充填され、圧縮ガスにより乳化原液を加圧して吐出する、吐出製品である。なお、本発明の吐出製品は、圧縮ガスにより乳化原液を加圧して吐出することのできる構成を備えていればよく、このような構成は特に限定されない。そこで、本実施形態では、一例として、発泡性組成物と圧縮ガスとが充填された容器本体と、容器本体に取り付けられたバルブ機構とを主に備える吐出製品について説明する。
【0053】
(容器本体)
容器本体は、乳化原液および圧縮ガスが充填される容器である。容器本体は、上部に開口を有する有底筒状の耐圧容器である。開口は、乳化原液を充填するための充填口であり、後述するバルブ機構により閉止される。
【0054】
容器本体の材質は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体の材質は、アルミニウム、ブリキ等の金属、各種合成樹脂、耐圧ガラス等である。
【0055】
(バルブ機構)
バルブ機構は、容器本体の開口を閉止して密封するための部材である。また、バルブ機構は、ハウジングと、容器本体の内外を連通するステム孔が形成されたステムと、ステム孔の周囲に取り付けられ、ステム孔を閉止するためのステムラバーとを主に備える。ハウジングは、ステムを収容する。ステムは、略円筒状の部位であり、吐出時にハウジング内に取り込まれた発泡性組成物が通過するステム内通路が形成されている。ステム内通路の下端近傍には、ハウジング内の空間とステム内通路とを連通するステム孔が形成されている。ステムの上端には、発泡性組成物を吐出するための吐出部材が取り付けられる。ステムラバーは、ステム孔の周囲に取り付けられ、ハウジングの内部空間と外部とを適宜遮断するための部材である。ステムラバーは、円盤状の部材であり、非吐出時において、内周面をステムのステム孔が形成された外周面と密着させて、ステム孔を閉止する。
【0056】
(吐出部材)
吐出部材は、発泡性組成物を吐出するための部材であり、ステムの上端に取り付けられる。吐出部材は、ノズル部と、使用者が指等により操作する操作部とを主に備える。ノズル部は、略円筒状の部位であり、発泡性組成物が通過する吐出通路が形成されている。吐出通路の先端には開口(吐出孔)が形成されている。吐出孔からは、発泡性組成物が吐出される。吐出孔の数および形状は特に限定されない。吐出孔は、複数であってもよい。また、吐出孔の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
【0057】
本実施形態の吐出製品は、吐出部材が押し下げられると、バルブ機構のステムが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバーが下方に撓み、ステム孔が開放される。その結果、容器本体内と外部とが連通する。容器本体内と外部とが連通すると、容器本体の気相部分に主に存在する圧縮ガスの圧力によって、乳化原液の液面が押圧される。これにより乳化原液は、ハウジング内に取り込まれ、次いで、ステム孔、ステム内通路を通過し、吐出部材に送られ、その後、吐出孔から吐出される。
【実施例
【0058】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0059】
(実施例1)
以下の処方(単位:質量%)に従って、ハイドロフルオロオレフィンを含まない原液基材1を調製した。アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材1を21.0g(乳化原液中24.8質量%、30容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を63.7g(乳化原液中75.2質量%、70容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材1とハイドロフルオロオレフィンとを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.0gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は42.2g/Lであった。
*1:HFO-1233zd、沸点19℃、液密度1.3g/mL
【0060】
<原液基材1>
モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(*2) 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(*3) 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
メチルパラベン 0.1
エタノール 5.0
精製水 92.7
タルク 1.0
合計 100.0(質量%)
*2:NIKKOL TL-10(商品名)、日光ケミカル(株)製
*3:NIKKOL TS-10V(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
【0061】
(実施例2)
原液基材1を24.5g(乳化原液中29.3質量%、35容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を59.2g(乳化原液中70.7質量%、65容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは2.9gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は41.4g/Lであった。
【0062】
(実施例3)
原液基材1を17.5g(乳化原液中20.4質量%、25容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を67.3g(乳化原液中79.6質量%、75容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.2gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は45.1g/Lであった。
【0063】
(実施例4)
原液基材1を14.0g(乳化原液中16.1質量%、20容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を72.8g(乳化原液中83.9質量%、80容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.5gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は49.4g/Lであった。
【0064】
(実施例5)
原液基材1を10.5g(乳化原液中11.9質量%、15容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を77.4g(乳化原液中88.1質量%、85容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.5gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は49.4g/Lであった。
【0065】
(実施例6)
アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材1を21.0g(乳化原液中36.6質量%、炭酸ガスを除く発泡性組成物中30.3質量%、30容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)を36.4g(乳化原液中63.4質量%、炭酸ガスを除く発泡性組成物中52.4質量%、40容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。さらに、バルブのステムからブタン(*4)を12.0g(炭酸ガスを除く発泡性組成物中17.3質量%、30容量%)充填し、容器を振とうして原液基材1とハイドロフルオロオレフィンとブタンを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは2.0gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は28.1g/Lであった。
*4:ノルマルブタン(沸点-0.5℃)とイソブタン(沸点-11.7℃)の混合物、液密度0.573g/mL
【0066】
(実施例7)
炭酸ガスの代わりに窒素ガスを充填し、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整したこと以外は実施例1と同様にして発泡性組成物を調製した。なお、充填した窒素ガスは0.4gであり、液相に溶解している窒素ガスの濃度は5.3g/Lであった。
【0067】
(比較例1)
原液基材1を49.0g(乳化原液中64.2質量%、70容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を27.3g(乳化原液中35.8質量%、30容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは1.6gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は22.9g/Lであった。
【0068】
(比較例2)
原液基材1を7.0g(乳化原液中7.9質量%、10容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を81.9g(乳化原液中92.1質量%、90容量%)充填したこと以外は実施例1と同様にして乳化原液を調製した。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.7gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は52.2g/Lであった。
【0069】
(比較例3)
アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材1を21.0g(炭酸ガスを除く発泡性組成物中42.8質量%、30容量%)充填し、口部にバルブを取り付けて密封した。さらに、バルブのステムからブタンを28.1g(炭酸ガスを除く発泡性組成物中57.2質量%、70容量%)充填し、容器を振とうして原液基材とブタンを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは1.2gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は16.7g/Lであった。
【0070】
(比較例4)
アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材1を21.0g(炭酸ガスを除く発泡性組成物中32.6質量%、30容量%)、イソペンタン(*5)を43.4g(炭酸ガスを除く発泡性組成物中67.4質量%、70容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材とイソペンタンを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは2.0gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は27.9g/Lであった。
*5:沸点27.8℃、液密度0.62g/mL
【0071】
実施例1~6および比較例1~4の発泡性組成物の処方(圧縮ガスを除く)を、以下の表1~表2に示す。なお、表中の数値のうち、上段は質量%、下段(カッコ内)は容量%を示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
実施例1~7および比較例1~4において調製した発泡性組成物を用いて、以下の評価方法により、吐出物の状態、冷却感、マッサージ効果を評価した。結果を表3に示す。
【0075】
<吐出物の状態>
25℃に調整した恒温水槽中に1時間浸漬して内容物の温度を25℃に調整した吐出製品を用いて、手のひら上に発泡性組成物を吐出したときの吐出物の状態を評価した。
(評価基準)
◎:吐出物は、泡立ちは小さいが次々と泡立った。
○1:吐出物は、泡立った。
○2:吐出物は、泡立った(泡の粒は微細であった)。
×:吐出物は、ほとんど泡立たなかった。
【0076】
<冷却感>
25℃に調整した恒温水槽中に1時間浸漬して内容物の温度を25℃に調整した吐出製品を用いて、手のひら上に発泡性組成物を吐出し、吐出物を頭皮に押し当てるように塗布したときの冷却感を評価した。
(評価基準)
◎:吐出物は、適度な冷却感が得られ、かつ、冷却感が3分を超えて持続した。
○:吐出物は、適度な冷却感が得られ、かつ、冷却感が2~3分持続した。
×1:吐出物は、塗布直後に強い冷却感が得られたが、冷却感が持続しなかった。
×2:吐出物は、冷却感がほとんど得られなかった。
【0077】
<マッサージ効果>
25℃に調整した恒温水槽中に1時間浸漬して内容物の温度を25℃に調整した吐出製品を用いて、手のひら上に発泡性組成物を吐出し、吐出物を頭皮に押し当てるように塗布したときのマッサージ効果を評価した。
(評価基準)
◎:ピリピリする心地よい刺激が感じられた。
○:マイルドな刺激が感じられた。
×:刺激は感じられなかった。
【0078】
【表3】
【0079】
表3に示されるように、実施例1~5の吐出製品によって吐出された発泡性組成物は、手のひらで次々と泡立ち、適度な冷却感が持続し、かつ、頭皮に対する心地よいマッサージ効果が得られた。沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンの一部を液化石油ガスで置き換えた実施例6の発泡性組成物は、炭酸ガスの溶解量が少なくなり、塗布直後の冷却感は強くなったが持続時間が短くなり、また、マッサージ効果はマイルドになった。炭酸ガスの代わりに窒素ガスを用いた実施例7の発泡性組成物は、吐出物は泡の粒が小さく、マイルドな刺激が得られた。
【0080】
一方、沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンの含有量が少ない比較例1の発泡性組成物は、泡立ったものの、冷却感が得られず、マッサージ効果も得られなかった。また、沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンの含有量が多い比較例2の発泡性組成物は、泡立たず、マッサージ効果も得られなかった。また、沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンに代えて液化石油ガス(ブタン)を用いた比較例3の発泡性組成物は、塗布直後に強い冷却感が得られたが、冷却感が持続せず、マッサージ効果も得られなかった。沸点が5~30℃のハイドロフルオロオレフィンに代えて同等の沸点を有する炭化水素系溶剤(イソペンタン)を用いた比較例4の発泡性組成物は、泡立ったものの、冷却感が得られず、マッサージ効果も得られなかった。
【0081】
(実施例8) 育毛料
以下の処方に従って、ハイドロフルオロオレフィンを含まない原液基材2を調製した。アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材2を21.0g(乳化原液中24.8質量%、30容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を63.7g(乳化原液中75.2質量%、70容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材2とハイドロフルオロオレフィンとを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは2.9gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は40.7g/Lであった。
【0082】
<原液基材2>
モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(*2) 1.0
POE(20)POP(8)セチルエーテル(*4) 0.2
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
メチルパラベン 0.1
メントール 0.5
d-カンフル 0.5
センブリ抽出液 0.3
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
D-パンテノール 0.3
エタノール 5.0
精製水 90.9
タルク 1.0
合計 100.0(質量%)
*4:NIKKOL PBC-44(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
【0083】
(実施例9) 制汗剤
以下の処方に従って、ハイドロフルオロオレフィンを含まない原液基材3を調製した。アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材3を20.6g(乳化原液中24.4質量%、30容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を63.7g(乳化原液中75.6質量%、70容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材2とハイドロフルオロオレフィンとを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.2gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は45.0g/Lであった。
【0084】
<原液基材3>
モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(*2) 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
メチルパラベン 0.1
メントール 0.2
イソプロピルメチルフェノール 1.0
スルホ石炭酸亜鉛 0.3
ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール 3.0
エタノール 10.0
精製水 82.8
タルク 1.0
合計 100.0(質量%)
【0085】
(実施例10) UVカット
以下の処方に従って、ハイドロフルオロオレフィンを含まない原液基材4を調製した。アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材4を20.4g(乳化原液中24.2質量%、30容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を63.7g(乳化原液中75.8質量%、70容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材2とハイドロフルオロオレフィンとを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは3.0gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は42.1g/Lであった。
【0086】
<原液基材4>
モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(*2) 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(*4) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
メチルパラベン 0.1
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルと
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの混合物(*5) 10.0
ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール 5.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
メチルパラベン 0.1
エタノール 15.0
精製水 58.7
微粒子酸化チタン(*6) 1.0
微粒子酸化亜鉛(*7) 5.0
タルク 0.5
合計 100.0(質量%)
*5:ユビナールA Plus B(商品名)、BASFジャパン(株)製
*6:MT-100AQ(商品名)、テイカ(株)製
*7:MZ-500HP(商品名)、テイカ(株)製
【0087】
(実施例11) 虫よけ
以下の処方に従って、ハイドロフルオロオレフィンを含まない原液基材5を調製した。アルミニウム製耐圧容器(満注量130mL)に、原液基材5を24.5g(乳化原液中29.3質量%、35容量%)、ハイドロフルオロオレフィン(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(*1))を59.2g(乳化原液中70.7質量%、65容量%)充填し、耐圧容器の開口部にバルブを取り付けて密封した。容器を振とうして原液基材2とハイドロフルオロオレフィンとを乳化させた。次いで、バルブのステムから炭酸ガスを充填して乳化原液に溶解させ、平衡圧力を0.5MPa(25℃)に調整した。なお、充填した炭酸ガスは2.8gであり、液相に溶解している炭酸ガスの濃度は39.3g/Lであった。
【0088】
<原液基材5>
モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(*2) 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(*3) 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
メチルパラベン 0.1
メントール 0.5
N,N-ジエチル-m-トルアミド 10.0
エタノール 5.0
精製水 82.2
タルク 1.0
合計 100.0(質量%)
【0089】
実施例8~11において調製した発泡性組成物を用いて、以下の評価方法により、吐出物の状態、冷却感、マッサージ効果を評価した。結果を表4に示す。なお、マッサージ効果については、実施例8は吐出物を頭皮に押し当てるように塗布したときのマッサージ効果を、実施例9~11は吐出物を腕に塗り伸ばしたときのマッサージ効果を評価した。
(評価基準)
◎:ピリピリする心地よい刺激が感じられた。
○:マイルドな刺激が感じられた。
×:刺激は感じられなかった。
【0090】
【表4】
【0091】
表4に示されるように、実施例8~11の吐出製品によって吐出された発泡性組成物は、手のひらで次々と泡立ち、適度な冷却感が持続し、かつ、頭皮または腕に対する心地よいマッサージ効果が得られた。