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特許7108544薄板または帯状の3層複合材料、そのような複合材料を有する部材およびそれらの使用
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  • 特許-薄板または帯状の3層複合材料、そのような複合材料を有する部材およびそれらの使用 図1
  • 特許-薄板または帯状の3層複合材料、そのような複合材料を有する部材およびそれらの使用 図2
  • 特許-薄板または帯状の3層複合材料、そのような複合材料を有する部材およびそれらの使用 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】薄板または帯状の3層複合材料、そのような複合材料を有する部材およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/01 20060101AFI20220721BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20220721BHJP
   C22C 38/38 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
B32B15/01 Z
C22C38/00 301U
C22C38/00 301W
C22C38/38
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018558144
(86)(22)【出願日】2017-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2017060727
(87)【国際公開番号】W WO2017191294
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】16168453.5
(32)【優先日】2016-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513069145
【氏名又は名称】フォエスタルピネ スタール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】エツルストーファー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ライトナー,アロッツ
(72)【発明者】
【氏名】ハックル,ラインハルト
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-072037(JP,U)
【文献】特開2013-230593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0087118(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103168105(CN,A)
【文献】特開平10-058591(JP,A)
【文献】国際公開第2016/050417(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/090608(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 15/01
C22C 38/00
C22C 38/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料(1、100、200)に中心層を成形する第1鋼材(3、103、203)を備える第1核層(2)、
前記第1鋼材(3、103、203)とは異なる第2鋼材(6、106、206)を備える第2メッキ層(4)、および
前記第1鋼材(3、103、203)とは異なる第3鋼材(7、107、207)を備える第3メッキ層(5)を有し、
前記第2および第3メッキ層(5)は前記核層(2)の向き合う面(21、22)の上に圧延クラッド加工によって設けられ、前記第2メッキ層及び前記第3メッキ層前記第1核層に接して形成され、
前記複合材料(1、100、200)が均一な厚さ(d)に留まる場合、前記核層(2)の前記第1鋼材(3、103、203)の核層厚さ(k)が前記複合材料(1、100、200)の幅(8)に亘って変化し、
前記核層(2)の前記第1鋼材(3、103、203)が一貫して前記複合材料(1、100、200)の前記全幅(8)に亘って延在しホットスタンプ可能であり、
前記核層厚さ(k)が増加した場合は、前記第2メッキ層(4)および/または前記第3メッキ層(5)の厚さが減少し、前記核層厚さ(k)が減少した場合は、前記第2メッキ層(4)および/または前記第3メッキ層(5)の厚さ増加するように、前記メッキ層(4、5)の前記第2および/または第3鋼材(6、7、106、107、206、207)核層厚さ(k)の変化とは反対方向に続き、それにより、前記第1核層(2)と前記第2メッキ層(4)および/または前記第3メッキ層(5)との間の境界輪郭(9)の輪郭領域(90)を形成し、前記境界輪郭(9)の前記輪郭領域(90)前記複合材料の幅方向の中心軸に関して斜めに延び、
前記第2および/または第3鋼材(6、7、106、107、206、207)が前記第1鋼材(3、103、203)に対して僅かな炭素含有量を有することを特徴とする薄板または帯状の3層複合材料。
【請求項2】
前記核層厚さ(k)が増加した場合は、前記第2メッキ層(4)および前記第3メッキ層(5)の厚さが減少し、前記核層厚さ(k)が減少した場合は、前記第2メッキ層(4)および前記第3メッキ層(5)の厚さ増加するように、前記メッキ層(4、5)の前記第2および第3鋼材(6、7、106、107、206、207)前記核層厚さ(k)の変化とは反対方向に続くことを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記核層(2)が前記複合材料の幅方向の中心軸に関して対称に構成されることを特徴とする請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
核層(2)および前記第2メッキ層(4)および前記第3メッキ層(5)の前記鋼材(3、6、7、103、106、107、203、206、207)の炭素含有量が0.8質量%より少ないことを特徴とする請求項1、2または3に記載の複合材料。
【請求項5】
前記第1鋼材(3、103、203)がマンガンボロン鋼であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項6】
前記第1鋼材(3、103、203)が20MnB8、22MnB5または32MnB5鋼であることを特徴とする請求項5に記載の複合材料。
【請求項7】
前記第1鋼材(3、103、203)が
0.08~0.6 質量% 炭素(C)、
0.8~3.0 質量% マンガン(Mn)、
0.01~0.07 質量% アルミニウム(Al)、
0.01~0.5 質量% ケイ素(Si)、
0.02~0.6 質量% クロミウム(Cr)、
0.01~0.08 質量% チタン(Ti)、
<0.02 質量% 窒素(N)、
0.002~0.02 質量% ホウ素(B)、
<0.01 質量% 燐(P)、
<0.01 質量% 硫黄(S)、
<1 質量% モリブデン(Mo)および
残余として鉄並びに溶融不純物を有することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項8】
前記第1鋼材(3、103、203)が
0.08~0.30 質量% 炭素(C)、
1.00~3.00 質量% マンガン(Mn)、
0.03~0.06 質量% アルミニウム(Al)、
0.01~0.20 質量% ケイ素(Si)、
0.02~0.3 質量% クロミウム(Cr)、
0.03~0.04 質量% チタン(Ti)、
<0.007 質量% 窒素(N)、
0.002~0.006 質量% ホウ素(B)、
<0.01 質量% 燐(P)、
<0.01 質量% 硫黄(S)、
<1 質量% モリブデン(Mo)および
残余として鉄並びに溶融不純物を有することを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項9】
前記第1鋼材(3、103、203)のMn含有量が0.8質量%より大きいことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項10】
前記第2および/または第3鋼材(6、7、106、107、206、207)がHC460LA、HC500LAまたはHC340LA鋼またはIF鋼であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項11】
前記第2および/または第3鋼材(6、7、106、107、206、207)がHC460LA、HC500LAまたはHC340LA鋼、またはHC220Y鋼であることを特徴とする請求項10に記載の複合材料。
【請求項12】
前記第2および第3鋼材(6、7、106、107、206、207)が同じ鋼タイプから成ることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項13】
前記第1鋼材が20MnB8鋼であり、前記第2および第3鋼材がHC220Y鋼であるか、または前記第1鋼材が32MnB5鋼であり前記第2および第3鋼材がHC460LA鋼であることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項14】
前記複合材料(1、100、200)の厚さ(d)が0.5mmと3mmの間であることを特徴とする請求項1~12の何れか1項に記載の複合材料。
【請求項15】
前記複合材料(1、100、200)の厚さ(d)が1mmと2mmの間であることを特徴とする請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
請求項1~15の何れか1項に記載の複合材料(1、100、200)を有するホットスタンプされた基板から成る車両構造用部材。
【請求項17】
車両構造の中でのホットスタンプされた請求項1~16の何れか1項に記載の3層複合材料(1、100、200)の使用。
【請求項18】
車体構造の中でのホットスタンプされた請求項17に記載の3層複合材料(1、100、200)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄板または帯状の3層複合材料に関し、それは複合材料に中間層を成形する、第1剛材を備える第1核層、および第1剛材とは異なる第2剛材を備える第2メッキ層、および第1剛材とは異なる第3剛材を備える第3メッキ層を有し、第2および第3メッキ層は核層の向き合う面の上にメッキ圧延加工によって設けられ、外側の2つの層は複合材料に接して形成され、複合材料が均一な厚さに留まる場合、核層の第1剛材の核層厚さが複合材料の幅に亘って変化する。
【背景技術】
【0002】
3層複合材料にその幅に亘って異なる機械的および/または科学技術的特性を与えるために、従来技術(独国特許出願公告第10258824号明細書(特許文献1)、欧州特許第2613896号明細書(特許文献2))から、複合材料の核層の幅に亘って交替に異なる鋼材を設け、それによって少なくとも核層の鋼材の核層厚さが複合材料の幅に亘って変化することが公知である。ここでは非常に異なる鋼帯が隣り合って配置され、それらは2つのメッキ層の間に設けられ共通の圧延メッキ方法によって繋ぎ合わされる。メッキ層は核の鋼帯とは異なる合金鋼を有することができる。圧延メッキによる接合にも関わらず予期せぬ弱い接合が核層の中の互いに当接する剛材の間に生じることがあるという不利が見出された。それは複合材料の機械的耐久力が不十分なためである。そのためこのような複合材料は車両構造、特に車体構造には適合しないか、あるいは条件付きでのみ適合する。
【0003】
鋼材の場合の適合した合金の選択および/または圧延メッキの場合の狭い工程ウィンドウによって、この不利に対処することを試みることができるが、それによって複合材料の製造コストが上昇するか、またはその普遍的な応用可能性が制限されることがある。
【0004】
さらに従来技術から、高強度の剛材から成る核層と低強度の剛材から成る外側のメッキ層の間に異なる強度の複数の剛材から成るそれぞれ1つの中間層を備える複合材料(独国特許出願公開第102014114365号明細書(特許文献3))が公知である。このような5層複合材料は比較的圧延に手間が掛かり、それによってコストが嵩む。これも同様に形状硬化の際のそのさらなる使用において狭い工程ウインドウを要し、それは複合材料の取り扱いに不利な影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公告第10258824号明細書
【文献】欧州特許第2613896号明細書
【文献】独国特許出願公開第102014114365号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため本発明の課題は、圧延メッキにより製造された3層の複合材料を冒頭で説明された種類の変化する核層厚さにより、これがその高い機械的耐性によって車両構造に確実に適合するように変化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は課された課題を、核層の第1剛材が一貫して複合材料の全幅に亘って延在し形状硬化可能であることによって解決し、メッキ層の第2および/または第3剛材がメッキ層厚さの中で核層厚さの変化とは反対方向に続き、並びに第1剛材に対して僅かな炭素含有量を有する。
【0008】
核層の第1剛材が一貫して複合材料の全幅に亘って延在し、これが形状硬化可能であるとき、それによって核層中に核腱のような形で少なくとも1つの最小限の規模を複合材料の機械的耐性に保証することができるゾーンが生成されることができる。そのため本発明の複合材料は例えば車両構造用の部材によって提示される、確実に要請される機械的耐性を満たすことができる。その上この形状硬化性の核腱が - この例えば従来技術で隣接して設けられる剛材の当接面に生じる - 制限された硬度の接合それ自体を排除するため、そのためにメッキ層の第2および/または第3剛材がメッキ層厚さの中で核層厚さの変化とは反対方向に続き、並びに第1剛材に対して僅かな炭素含有量を有するとき、懸念なく複合材料に圧延メッキを施すことができる。また後者については複合材料の延性挙動が停止されることができ - それは複合材料の多様な使用に要請されることでありうる。しかも第2および/または第3剛材の反対方向に続く厚さの調整は複合材料の均等な厚さを保証したままに保ち、それは複合材料のさらなる成形工程に有利に働きうる。特にこれは複合材料の形状硬化並びに押圧硬化の際に複合材料の幅に亘って実質的に同じEモジュールに基づいて再現可能に製造される部材を保証することができる。
【0009】
メッキ層の第2および/または第3剛材がそれらのメッキ層厚さで核層厚さの変化とは反対方向に続くとき、複合材料はさらに改善可能である。
【0010】
好ましくは核層は左右対称に構成され、それによって複合材料は形状硬化あるいは押圧硬化の際その簡単な取扱可能性で際立ちうる。
【0011】
好ましくは核層および両メッキ層の剛材の炭素含有量は0.8質量%より少ない。
【0012】
第1剛材がより高い強度の形状硬化性または高強度の形状硬化性の鋼合金であるとき、特に機械的に安定した核層が生成されることができる。
【0013】
ここでは好ましくは第1剛材としてマンガンボロン鋼、特に20MnB8、22MnB5または32MnB5剛が際立ちうる。
【0014】
好ましくは第1剛材として
0.08~0.6 質量% 炭素(C)、
0.8~3.0 質量% マンガン(Mn)、
0.01~0.07 質量% アルミニウム(Al)、
0.01~0.5 質量% ケイ素(Si)、
0.02~0.6 質量% クロミウム(Cr)、
0.01~0.08 質量% チタン(Ti)、
0.02 質量% 窒素(N)、
0.002~0.02 質量% ホウ素(B)、
0.01 質量% 燐(P)、
0.01 質量% 硫黄(S)、
1 質量% モリブデン(Mo)および
残余として鉄並びに溶融不純物を有する合金が適合する。第1剛材として
0.08~0.30 質量% 炭素(C)、
1.00~3.00 質量% マンガン(Mn)、
0.03~0.06 質量% アルミニウム(Al)、
0.01~0.20 質量% ケイ素(Si)、
0.02~0.3 質量% クロミウム(Cr)、
0.03~0.04 質量% チタン(Ti)、
0.007 質量% 窒素(N)、
0.002~0.006 質量% ホウ素(B)、
0.01 質量% 燐(P)、
0.01 質量% 硫黄(S)、
1 質量% モリブデン(Mo)および
残余として鉄並びに溶融不純物を有する剛合金も考えられる。
【0015】
第1剛材のMn含有量が0.8質量%より大きいとき、特に機械的に安定した核層が生成されることができる。
【0016】
第2および/または第3剛材が例えばHC460LA、HC500LAまたはHC340LA剛であるマイクロ合金鋼であるとき、複合材料の延性は向上されることができる。同様に例えばHC220Y剛であるIF剛も考えられる。
【0017】
好ましくは、それによって例えば複合材料の変形の際の取り扱いが容易になるように、第2および第3剛材が同じ剛タイプから成ることができる。例えば第2および第3剛材はHC220Y剛またはHC460LA剛でもありうる。
【0018】
第1剛材が20MnB8剛であり第2および第3剛材がHC220Y剛であるとき有利でありうる。代替的に第1剛材が32MnB5剛であり第2および第3剛材がHC460LA剛であるときも有利でありうる。この剛組み合わせによって複合材料の層は機械的パラメータの観点から、それによって例えば複合材料の変形および/または障害挙動を改善するために、互いに対してさらに調整されることができる。
【0019】
好ましくは複合材料の厚さが0.5mmと3mmの間、例えば1mmと2mmの間である。
【0020】
複合材料が可能な限り高い強度である場合に同時に延性を最適化するために、好ましくは核層厚さは複合材料の厚さの30%と90%の間にあり、例えば50%と85%の間である。
【0021】
核層とその剛材がメッキ層厚さの中で変化する核層厚さとは反対方向に続くメッキ層の間の境界輪郭が変化する核層厚さのこの輪郭領域に斜めに延在するとき、層の異なる厚さの比較的均等な移行が生成されることができる。
【0022】
本発明の複合材料は特にシートバーのための変形方法、例えば押圧硬化深絞りに適合することができる。これは特に一貫した核層においてである。最高度の機械的特性が本発明の形状硬化されたシートバーから成る車両構造用部材を保証することができる。
【0023】
本発明による形状硬化された複合材料は車両構造、例えば車体構造に特に適合することができる。
【0024】
図の中で例示的に発明の対象が複数の変形実施形態をもとに詳細に示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は幅側に沿って切断された複合材料を3次元図で第1実施形態に従って示し、
図2図2はもう1つの複合材料の側面図を第2実施形態に従って示し、
図3図3はさらなる複合材料の側面図を第3実施形態に従って示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
図1では剛材に接する3つの層によって形成される複合材料1が示される。そこでは中心層として第1剛材3から成る核層2が見られ、それは両側にそれぞれ第1メッキ層3および第2メッキ層4を設け、それらは複合材料1に接する両方の外側の層を形成する。これらの両メッキ層4、5はそれぞれ1つの剛材6、7から成り、これらの両剛材6、7は第1剛材3に対してより少ない炭素含有量を有する。
【0027】
それが図1で異なる核層厚さk1、k2に基づいて判別されることができるように、核層2の第1剛材3の核層厚さkは複合材料1の幅8に亘って変化する。
【0028】
本発明では核層2の第1剛材3が複合材料1の全幅8に亘って一貫して延在し-例えばMnの含有量が0.8質量%よりも多い剛合金が使用されることにより同様に形状硬化可能である。第1の形状硬化可能なあるいは押圧硬化可能な剛材3として以下の合金組成を有する第1剛材が適合する(すべての数値は質量%):
C [%] 0,20
Si [%] 0,18
Mn [%] 2,01
P [%] 0,0062
S [%] 0,001
Al [%] 0,054
Cr [%] 0,03
Ti [%] 0,032
B [%] 0,0030
N [%] 0,0041
残余鉄および溶融不純物、このような鋼の中の変態遅延剤として特に合金元素であるホウ素、マンガン、および選択的にクロムおよびモリブデンが使用される。例えば22MnB5または32MnB5である他のマンガンボロン鋼も考えられる。それによって核層2は特に圧延接合に加えるために準備され、メッキあるいはメッキ層6、7との安定した結合をすることができる。
【0029】
さらに、それが複合材料1の中央に見られるように、メッキ層4、5の第3剛材7はメッキ層厚さp中で核層厚さkの変形とは反対方向に続く。それがメッキ層厚さp1あるいは核層厚さk1からメッキ層厚さp2あるいは核層厚さk2への移行に見られるように、ここでは輪郭領域90が2つの層の間の境界輪郭9に延びる。この斜めに延びる輪郭領域90は比較的均等な移行を生成し、3層複合材料1に有利な機械的特性をもたらす。
【0030】
さらに第3剛材7の炭素含有量は第1剛材3の炭素含有量より僅かであり-有利には第2および第3剛材6、7は同じ合金でありHC340LA型の剛材から成る。HC220Y剛も考えられる。
【0031】
こうして核層2の第1剛材3が第2および第3剛材6、7との組み合わせにより複合材料1が車両構造の部材に要求される機械的特性値を満たせることを保証する。
【実施例2】
【0032】
図2では、その核層2およびメッキ層4、5が図1に示された複合材料1に比べて別の変化をするもう1つの3層複合材料100が示される。ここでは核層2の第1剛材103の核層厚さkが複数回複合材料100の幅8に亘って変化し、領域ごとに窪んだ溝形状の領域110を形成する。メッキ層4、5の第2および第3剛材106、107はメッキ層厚さpの中で核層厚さkの変化とは反対方向に続く。ここでも境界輪郭9は輪郭領域90で変化する核層厚さkに対して斜めに延びる。
【実施例3】
【0033】
図3ではその核層2が他の実施形態例に比べて左右対称に構築されたさらなる3層複合材料300が示される。ここでも第2あるいは第3メッキ層4、5の第2および第3剛材206、207の変形が反対方向に続く核層2の第1剛材203の核層厚さkが変化する。図3に見られるように、ここでも境界輪郭9は輪郭領域90で変化する核層厚さkに対して斜めに延びる。
図1
図2
図3