(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】防火改修建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20220721BHJP
E06B 1/12 20060101ALI20220721BHJP
E06B 1/56 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B1/12 A
E06B1/56 A
(21)【出願番号】P 2019053787
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】永田 孫史
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-24812(JP,U)
【文献】特開2015-132160(JP,A)
【文献】特開2015-132149(JP,A)
【文献】実開平6-44829(JP,U)
【文献】実開昭56-140678(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持鋼材と、ロックウール部と、新設竪枠とを備え、
既設方立を介して連結される既設竪枠を有する躯体開口部に取り付けられるものであって、
支持鋼材は、既設方立の屋外側に配置され、上下が躯体開口部に固定されており、
ロックウール部は、支持鋼材の屋外側に支持鋼材を覆うように支持されており、
新設竪枠は、既設竪枠の内周側に配置されている防火改修建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
建物開口部に配置される連窓に対して、防火性能を備えるように改修する防火改修建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物開口部に配置される連窓において、左右の窓を連結する連装方立が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「ビル建材サッシ総合カタログ ビル用サッシ」三協立山株式会社 三協アルミ社 p.2-3 p.530-531
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記先行技術文献に記載された連窓方立は、防火性能を備えるものではないが、近年、連窓においても防火性能が求められている。
【0005】
本発明は、既存の連窓に対して、防火性能を付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、支持鋼材と、ロックウール部と、新設竪枠とを備え、既設方立を介して連結される既設竪枠を有する躯体開口部に取り付けられるものであって、支持鋼材は、既設方立の屋外側に配置され、上下が躯体開口部に固定されており、ロックウール部は、支持鋼材の屋外側に支持鋼材を覆うように支持されており、新設竪枠は、既設竪枠の内周側に配置されている防火改修建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の防火改修建具の構成により、既存の連窓に対して防火性能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る防火改修建具により改修される前の連窓の図であり、(a)は外観図、(b)は横断面図である。
【
図2】一実施形態に係る防火改修建具により改修された連窓の図であり、(a)は外観図、(b)は横断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る防火改修建具の連窓方立の横断面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る防火改修建具の竪断面図である。
【
図5】第2の実施形態に係る防火改修建具の連窓方立の横断面図である。
【
図6】第2の実施形態に係る防火改修建具の竪断面図である。
【
図7】第3の実施形態に係る防火改修建具の連窓方立の横断面図である。
【
図8】第3の実施形態に係る防火改修建具の竪断面図である。
【
図9】第4の実施形態に係る防火改修建具の連窓方立の横断面図である。
【
図10】第4の実施形態に係る防火改修建具の竪断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態は、建物開口部に配置されている既設の連窓建具に対して、既設の方立及び既設の窓枠を撤去することなく、防火性能を備えた連窓建具に改修する防火改修建具である。
【0010】
本実施形態の防火改修建具によって改修される連窓は、
図1(a)に示すように、矩形中空形状の既設方立10の左右に建具A,Aが配置されており、
図1(b)に示すように、既設方立10に建具A,Aを構成する既設竪枠20,20が固定されている。
【0011】
既設方立10は、左右の見込面に屋内側被係合部10a及び屋外側被係合部10bを有しており、左右の既設竪枠20,20の屋内側見付壁20a及び屋外側見付壁20bの外周端に形成された係合部が既設方立10の屋内側被係合部10a及び屋外側被係合部10bに係合されている。
【0012】
既設方立10の屋内側見付壁10cに固定部材101がビス等の固定手段b1により固定されており、既設方立10の屋内側被係合部10aと固定部材101によって左右の既設竪枠20,20の屋内側見付壁20aの係合部を挟持することで、既設竪枠20が既設方立10に固定されている。
固定部材101の屋内側には、カバー部材102が取り付けられて、既設方立10と左右の既設竪枠20,20の屋内側の係合部分を覆っている。
【0013】
以上の既設方立10及び既設竪枠20を本実施形態の防火改修建具によって改修することで、
図2(a),(b)に示すように、既設方立10は防火性能を有する方立50に改修され、改修された方立50の左右に防火建具B,Bが新設されることで、全体として防火連窓建具とすることができる。
以下、防火改修建具において、既設方立10を防火性能を有する方立に改修するための実施形態について、図面を参考に説明する。
【0014】
-第1の実施形態-
第1の実施形態の防火改修建具の改修方立は、既設方立10の屋外側に配置されて上下が躯体に固定された支持鋼材60と、支持鋼材60の屋外側に配置され、支持鋼材60に支持されるロックウール部70を有している。
【0015】
支持鋼材60は、スチール等の金属材料からなり、
図3,4に示すように、断面が矩形中空形状を有する長尺の部材からなる。
なお、支持鋼材60は、中実部材であってもよく、また、断面略U字状もしくはL字状等の板材を複数組み合わせることによって中空形状を形成したものであってもよい。
【0016】
支持鋼材60は、躯体開口部の上方位置から下方位置にわたる長さ寸法を有しており、上端部が上取付金具61aを介して躯体開口部に埋設されたアンカー部材Cに固定されているとともに、下端部が下取付金具61bを介して躯体開口部に埋設されたアンカー部材Cに固定されている。
なお、アンカー部材Cは、既設のアンカー部材を利用してもよいが、支持鋼材60の取付位置にあわせて新たに設けてもよい。
【0017】
支持鋼材60の屋外側には、ロックウール部70が配置されている。
ロックウール部70は、既設方立10に取り付けられた既設竪枠20,20の屋外側の見付面を覆うのに十分な幅寸法を有し、支持鋼材60とほぼ同じ長さ寸法を有する長尺の部材である。
【0018】
ロックウール部70は、スチールやアルミ合金等の金属材料からなり、屋内側が開口した断面矩形の枠部材71と、枠部材71の内部に充填されるロックウール72と、スチール等の金属材料からなり、枠部材71の長さ方向の適宜位置において枠部材71に取り付けられた固定金具73を有している。
【0019】
ルックウール部70を支持鋼材60に取り付ける固定金具73は、枠部材71がスチールであれば平面視略L字状の取付部73b,73bを直接、枠部材71の長手方向複数位置に取り付ければよいが、枠部材71がアルミ合金の場合には、枠部材71の内周にほぼ全長に亘って枠部材支持部73aを配置し、枠部材支持部73aを介して枠部材71の長手方向複数位置に取付部73b,73bを取り付ければよい。
【0020】
取付部73b,73bは、見込壁が枠部材71の屋内側に設けられた開口から屋内側に突出しており、ロックウール部70は、固定金具73の取付部73b,73bが支持鋼材60の左右の見込壁60b,60bにネジ等の固定手段b2により固定されることで、支持鋼材60の屋外側に支持固定されている。
【0021】
一方、既設竪枠20,20の内周には、竪捨枠80,80及び竪枠連結金具91,91を介して新設竪枠100,100が固定されている。
竪捨枠80,80は、既設竪枠20と略同じ見込寸法を有する見込壁80aと、見込壁80aの屋内側端及び屋外側端から外周方向に延びる屋内側取付壁80b及び屋外側取付壁80cを有する断面視略U字状の部材からなる。
【0022】
竪捨枠80は、屋内側取付壁80b及び屋外側取付壁80cが既設竪枠20の屋内側見付壁20a及び屋外側見付壁20bに図視しないビス等によって固定されることで、既設竪枠20の内周に固定されている。
【0023】
竪捨枠80の見込壁80aの内周には、断面視略L字状の竪枠連結金具91が配置されている。
竪枠連結金具91は、見込壁91aと、見込壁91aの屋外側端が外周側に屈曲して延びる屋外側見付壁91bを有している。
【0024】
新設竪枠100は、外周側に複数のリブを有している。新設竪枠100は、竪枠連結金具91の内周にスペーサ900を挟んで配置され、竪捨枠80及び竪枠連結金具91に対してビス等の固定手段b3によって連結固定されている。
【0025】
竪捨枠80に対して新設竪枠100とともに連結固定された竪枠連結金具91の屋外側見付壁91bは、支持鋼材60の屋内側面に固定された連結金具912にビス等の固定手段b4によって固定されており、支持鋼材60と既設方立10及び既設竪枠20が竪枠連結金具91と竪捨枠80を介して連結されている。
【0026】
既設方立10及び既設竪枠20の屋内側には、スチールやアルミ合金等の金属材料からなるカバー支持金具913が配置されている。
カバー支持金具913は、屋内側見付壁913aと、屋内側見付壁913aの左右両端部が屋外側に屈曲してなる見込壁913b,913bを有しており、屋内側見付壁913aが既設方立10の屋内側面に固定部材101及びカバー部材102とともにネジ等の固定手段b1により固定されている。
【0027】
既設方立10及び左右の既設竪枠20,20の屋内側を覆うように、スチールやアルミ合金等の金属材料からなる屋内側カバー914が配置されており、屋内側カバー914の左右両側がビス等の固定手段b6によりカバー支持金具913の見込壁913b,913bに固定されている。
なお、屋内側カバー914は、合成樹脂等によって形成されてもよく、屋内側カバー914とカバー支持金具913は、ビス等の固定手段b6により、新設竪枠100の見込壁部100aに共締め固定されてもよい。
【0028】
既設方立10の屋外側に配置された支持鋼材60の上取付金具61aとアンカー部Cとの取付け部位及び下取付金具61bとアンカー部Cとの取付け部位には、モルタルやロックウール等の耐火性を備える材料Dが充填されるとともに、ロックウール部70と躯体開口部との間には、コーキング材Eが充填されている。
また、ロックウール部70の左右屋内側面と新設竪枠100,100の屋外側面との間には、コーキング材Eが充填されている。
【0029】
-第2の実施形態-
第2の実施形態の防火改修建具の改修方立は、新設建具の新設竪枠100の形状及び配置する位置が、第1の実施形態の防火改修建具と相違している。
以下、図面を参考にして第2の実施形態の防火改修建具について説明するが、第1の実施形態の防火改修建具と同じ構成については、一部説明を省略する。
【0030】
支持鋼材60は、スチール等の金属材料からなり、
図5,6に示すように、断面が矩形中空形状を有する長尺の部材からなる。第2の実施形態の支持鋼材60は、第1の実施形態の支持鋼材60に比べて見込み寸法が若干大きく設定されている。
【0031】
第2の実施形態の防火改修建具においては、既設竪枠20,20の内周に、新設竪枠連結金具92,92を介して新設竪枠100,100が固定されている。
新設竪枠連結金具92,92は、既設竪枠20,20に固定される第1連結金具921と、新設竪枠100に固定される第2連結金具922からなり、第1連結金具921と第2連結金具922が連結されることで、既設竪枠20に対して新設竪枠100が支持固定されている。
【0032】
第1連結金具921は、既設竪枠20と略同じ見込寸法を有する屋内側見込壁921aと、屋内側見込壁921aの屋内側端から外周方向に延びる屋内側取付壁921bと、屋内側見込壁921aの屋外側端から外周方向に延びる屋外側見付壁921cと、屋外側見付壁921cの外周側端部が屋外側に屈曲して連続する屋外側見込壁921dを有している。
【0033】
第1連結金具921は、屋内側取付壁921b及び屋外側見付壁921cが既設竪枠20の屋内側見付壁20a及び屋外側見付壁20bに図視しないビス等によって固定されることで、既設竪枠20の内周に固定されていてもよい。
【0034】
一方、第2連結金具922は、見込壁922aと、見込壁922aの屋内側から内周方向に延びる屋内側見付壁922bと、屋内側見付壁922bの内周端から屋内方向に延びるカバー体取付部922cと、見込壁922aの屋外側から外周方向に延びる屋外側見付壁922dを有している。
【0035】
第2連結金具922は、屋内側見付壁922bに新設竪枠100の屋内側見付壁100bがビス等の固定手段b7により固定され、屋外側見付壁922dが新設竪枠100の屋内側にビス等の固定手段b8により固定されることで、新設竪枠100の外周に連結固定されている。
【0036】
そして、既設竪枠20の内周に固定された第1連結金具921の屋内側見込壁921aと、新設竪枠100の外周に連結固定された第2連結金具922の見込壁922aを合わせてビス等の固定手段b9によって連結することで、新設竪枠100が既設竪枠20または支持鋼材60に支持固定されている。
【0037】
本実施形態の改修方立においては、既設竪枠20の内周に固定された第1連結金具921の屋外側見込壁921dが、支持鋼材60の左右の見込壁60bにビス等の固定手段b10より連結されている。
また、既設方立10及び既設竪枠20,20の屋内側には、屋内側カバー924が配置され、屋内側カバー924の左右の見込壁が第2連結金具922のカバー体取付部922cにビス等の固定手段により固定されることで屋内側カバー924が既設方立10及び既設竪枠20,20に取り付けられている。
【0038】
-第3の実施形態-
第3の実施形態の防火改修建具の改修方立は、第1の実施形態の防火改修建具の変形例であり、既設竪枠20に対する新設竪枠100の取付構造が異なっている。
以下、図面を参考にして第3の実施形態の防火改修建具について説明するが、第1の実施形態の防火改修建具と同じ構成については、一部説明を省略する。
【0039】
第3の実施形態の防火改修建具においては、
図7,8に示すように、既設竪枠20,20の内周に、竪捨枠80,80を介して新設竪枠100,100が固定されている。また、左右の既設竪枠20,20の屋外側見付壁20b,20b同士が既設枠連結材932によって連結されている。
【0040】
竪捨枠80,80は、第1の実施形態の竪捨枠80と同様に、既設竪枠20と略同じ見込寸法を有する見込壁80aと、見込壁80aの屋内側端及び屋外側端から外周方向に延びる屋内側取付壁80b及び屋外側取付壁80cを有する断面視略U字状の部材からなる。
【0041】
竪捨枠80は、屋内側取付壁80b及び屋外側取付壁80cが既設竪枠20の屋内側見付壁20a及び屋外側見付壁20bに対して図視しないビス等によって固定されることで、既設竪枠20の内周に固定されている。
【0042】
竪捨枠80の見込壁80aの内周には、スペーサ900を挟んで新設竪枠100が配置されている。
新設竪枠100は、外周側に複数のリブを有し、竪捨枠80の見込壁80aの内周面にビス等の固定手段b3によって支持固定されている。
【0043】
既設枠連結材932は、見付壁932aと、見付壁932aの左右両端が屋内側に屈曲して延びる見込壁932b,932bと、見込壁932b,932bの屋内側が外周側に屈曲して延びる固定片部932c,932cを有している。
【0044】
既設枠連結材932の見付壁932aは、支持鋼材60の屋内側見付壁60aにビス等の固定手段b11により固定されており、既設枠連結材932の固定片部932c,932cは、既設竪枠20,20の屋外側見付壁20b,20bにビス等の固定手段b12により固定されている。
【0045】
既設方立10及び既設竪枠20の屋内側には、スチールやアルミ合金等の金属材料からなるカバー支持金具933が配置されている。
カバー支持金具933は、屋内側見付壁933aと、屋内側見付壁933aの左右両端部が屋外側に屈曲してなる見込壁933b,933bを有しており、屋内側見付壁933aが既設方立10の屋内側面に固定部材101及びカバー部材102とともにネジ等の固定手段b1により固定されている。
【0046】
既設方立10及び左右の既設竪枠20,20の屋内側を覆うように、屋内側カバー934が配置されており、屋内側カバー934の左右両側がビス等の固定手段b14によりカバー支持金具933の見込壁933b,933bに固定されている。なお、屋内側カバー934とカバー支持金具933は、ビス等の固定手段b14により、新設竪枠100の見込壁部100aに共締め固定されてもよい。
【0047】
-第4の実施形態-
第4の実施形態の防火改修建具の改修方立は、第2の実施形態の防火改修建具の変形例であり、既設竪枠20に対する新設竪枠100の取付構造が異なっている。
以下、図面を参考にして第4の実施形態の防火改修建具について説明するが、第2の実施形態の防火改修建具と同じ構成については、一部説明を省略する。
【0048】
第4の実施形態の防火改修建具においては、既設竪枠20,20の内周に、新設竪枠連結金具94,94を介して新設竪枠100,100が固定されている。
新設竪枠連結金具94,94は、既設竪枠20,20に固定される第1連結金具941と、新設竪枠100に固定される第2連結金具942からなり、第1連結金具941と第2連結金具942が連結されることで、既設竪枠20に対して新設竪枠100が支持固定されている。
【0049】
第1連結金具941は、既設竪枠20と略同じ見込寸法を有する見込壁941aと、見込壁941aの屋内側端から外周方向に延びる屋内側取付壁941bと、見込壁941aの屋外側端から外周方向に延びる屋外側見付壁941cを有している。
【0050】
第1連結金具941は、屋内側取付壁941b及び屋外側見付壁941cが既設竪枠20の屋内側見付壁20a及び屋外側見付壁20bにビス等の固定手段によって固定されることで、既設竪枠20の内周に固定されている。
【0051】
一方、第2連結金具942は、第2の実施形態の第2連結金具922と同様に、見込壁942aと、見込壁942aの屋内側が内周方向に屈曲して延びる屋内側見付壁942bと、屋内側見付壁942bの内周側から屋内側に屈曲して延びるカバー体取付部942cと、見込壁942aの屋外側が外周側に屈曲して延びる屋外側見付壁部942dを有している。
【0052】
第2連結金具942は、屋内側見付壁942bが新設竪枠100の屋内側見付壁100bにビス等の固定手段b7により固定され、屋外側見付壁部942dが新設竪枠100の屋内側にビス等の固定手段により固定されることで、新設竪枠100の外周に固定されている。
【0053】
そして、既設竪枠20の内周に固定された第1連結金具941の見込壁941aと、新設竪枠100の外周に固定された第2連結金具942の見込壁942aを合わせてビス等の固定手段b9によって連結されることで、新設竪枠100が既設竪枠20に支持固定されている。
【0054】
また、本実施形態の改修方立においては、既設方立10の屋外側に支持鋼材連結金具943を介して支持鋼材60が連結されている。
【0055】
支持鋼材連結金具943は、見付壁943aと、見付壁943aの左右両端が屋外側に屈曲して延びる見込壁943b,943bを有している。
【0056】
支持鋼材連結金具943の見付壁943aは、既設方立10の屋外側壁にビス等の固定手段b15により固定されており、支持鋼材連結金具943の見込壁943b,943bは、支持鋼材60の見込壁60bにビス等の固定手段b16により固定されている。
【0057】
既設方立10の屋内側には、既設方立10、左右の既設竪枠20,20及び新設竪枠100の屋内側を覆うように、屋内側カバー944が配置されており、屋内側カバー944の左右両側がビス等の固定手段によって第2連結金具942のカバー体取付部942cに固定されている。
【0058】
以上のように、本実施形態の防火改修建具は、既設の連窓の方立及び窓枠を躯体から撤去することなく、防火性能を備えた連窓に改修することができるので、大がかりな工事が必要なく、短い工期で防火改修を行うことができる。
【0059】
そして、本実施形態の防火改修建具は、支持鋼材及びロックウール部が、既設方立及び既設窓枠とは独立して躯体開口部に固定されることで、既設方立の強度や防火性能に影響されることなく、方立部の屋外側にロックウール部による防火部分を形成することができる。
【0060】
また、躯体開口部に固定した支持鋼材を既設方立もしくは既設竪枠と連結することで、より強固な方立に改修することができ、改修された強固な方立に新設建具(竪枠)を固定することで、強固な連窓を施工することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、連窓として配置される建具については、引違い窓の例をあげて説明しているが、建具の種類は限定されるものではなく、開き窓であっても、FIX窓のいずれもタイプの窓であってもよい。
【0062】
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
10 :既設方立
10a :屋内側被係合部
10b :屋外側被係合部
10c :屋内側見付壁
20 :既設竪枠
20a :屋内側見付壁
20b :屋外側見付壁
60 :支持鋼材
60a :屋内側見付壁
60b :見込壁
61a :上取付金具
61b :下取付金具
70 :ロックウール部
71 :枠部材
72 :ロックウール
73 :固定金具